JP3602368B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビジョン受像機の電子チューナ、液晶テレビ、携帯電話等の各種電気製品に広く利用される積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下に従来の積層セラミック電子部品の製造方法について、積層セラミックコンデンサを例に説明する。
【0003】
まず、チタン酸バリウム等の誘電体材料と有機バインダ成分等からなるセラミックシートを作製する。一方、ベースフィルム上にスクリーン印刷法やグラビア印刷法により導電体ペーストを印刷、乾燥して導電体層をパターン形成する。次に、このベースフィルム上に形成された導電体層とセラミックシートが直接接触するように重ね合わせ、加熱プレス機により導電体層をセラミックシート側に転写させる。次いで、導電体層が転写されたセラミックシートを複数枚重ね合わせて積層体を得る。その後この積層体を焼成し、外部電極を形成していた(例えば、特開平9−237955号公報、特公平5−25381号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
セラミックシートおよび導電体層は、可塑剤成分やバインダ成分などの有機物を含有しており、大気中で長時間放置した場合には有機物が変質したり、飛散したりしてその物性値が経時的に変化する。
【0005】
特に、可塑剤成分は飛散しやすく、飛散した場合にはセラミックシートや導電体層を硬く、脆く変化させる。この時には積層時のセラミックシート間およびセラミックシートと導電体層間の接着力が低下し、積層時や焼成時に構造欠陥を招くという問題点を有していた。
【0006】
また、バインダ成分についても、温度や湿度などの影響を受けて変質するために積層時には同様の不具合を発生する。このような構造欠陥は、積層セラミック電子部品を製造していく上で致命的な問題であり、改善する必要がある。
【0007】
そこで本発明は上記課題に鑑み、セラミックシートおよび導電体層に含まれる有機物の変質、飛散を極力抑えることにより、構造欠陥のない積層セラミック電子部品を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の積層セラミック電子部品の製造方法は、第1のベースフィルム上にセラミック成分と少なくとも一種類以上の有機物からなる第1のベースフィルム付きセラミックシートを形成する第1の工程と、第2のベースフィルム上に金属成分と少なくとも1種類以上の有機物からなる第2のベースフィルム付き導電体層を形成する第2の工程と、前記第1のベースフィルム付きセラミックシートと前記第2のベースフィルム付き導電体層を前記セラミックシートと前記導電体層とが直接接触するように重ね合わせて前記第1及び第2のベースフィルムを介して加圧して導電体層付きセラミックシートを得る第3の工程と、この第1及び第2のベースフィルムに挟まれた導電体層付きセラミックシートの前記第1あるいは第2のベースフィルムの一方を除去する第4の工程と、この第1あるいは第2のベースフィルム上の導電体層付きセラミックシートと別の導電体層付きセラミックシートとを前記導電体層がセラミックシートを介して対向するように圧着した後前記第1あるいは第2のベースフィルムの他方を除去する第5の工程と、この第5の工程を所望の回数繰り返して積層体を得る第6の工程と、前記積層体を焼成する第7の工程を有し、前記セラミックシートと前記導電体層は同一成分の有機物を少なくとも1種類含有し、前記第5の工程は、前記セラミックシート及び前記導電体層を前記有機物の軟化点以上に加熱し、前記有機物の流動性を向上させて行うものであり、かつ第4の工程において、最初に除去するベースフィルムの厚みを後から除去するベースフィルムの厚みより薄くしたものであり、導電体層付きセラミックシートは積層する直前までベースフィルム間に挟まれた状態であるので大気中に露出している面積は最小限であり、両者に含まれる有機物の変質や飛散を大部分抑えることができるので、セラミックシートどうしあるいはセラミックシートと導電体層間の接着力が低下しないので、構造欠陥のない積層セラミック電子部品を得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、第1のベースフィルム上にセラミック成分と少なくとも一種類以上の有機物からなる第1のベースフィルム付きセラミックシートを形成する第1の工程と、第2のベースフィルム上に金属成分と少なくとも1種類以上の有機物からなる第2のベースフィルム付き導電体層を形成する第2の工程と、前記第1のベースフィルム付きセラミックシートと前記第2のベースフィルム付き導電体層を前記セラミックシートと前記導電体層とが直接接触するように重ね合わせて前記第1及び第2のベースフィルムを介して加圧して導電体層付きセラミックシートを得る第3の工程と、この第1及び第2のベースフィルムに挟まれた導電体層付きセラミックシートの前記第1あるいは第2のベースフィルムの一方を除去する第4の工程と、この第1あるいは第2のベースフィルム上の導電体層付きセラミックシートと別の導電体層付きセラミックシートとを前記導電体層がセラミックシートを介して対向するように圧着した後前記第1あるいは第2のベースフィルムの他方を除去する第5の工程と、この第5の工程を所望の回数繰り返して積層体を得る第6の工程と、前記積層体を焼成する第7の工程を有する積層セラミック電子部品の製造方法であり、前記セラミックシートと前記導電体層は同一成分の有機物を少なくとも1種類含有し、前記第5の工程は、前記セラミックシート及び前記導電体層を前記有機物の軟化点以上に加熱し、前記有機物の流動性を向上させて行うものであり、かつ第4の工程において、最初に除去するベースフィルムの厚みを後から除去するベースフィルムの厚みより薄くしたものであり、構造欠陥のない積層セラミック電子部品を得ることができるものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、第1のベースフィルムとセラミックシートの接着強度と、第2のベースフィルムと導電体層との接着強度を変えた請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であり、第4の工程において接着強度の小さい方のベースフィルムを容易に除去でき、導電体層付きセラミックシートの積層を容易に行うことができる。
【0012】
請求項に記載の発明は、導電体層付きセラミックシート間の接着強度よりも、第1のベースフィルムとセラミックシート間あるいは第2のベースフィルムと導電体層間の接着強度を小さくした請求項1〜請求項のいずれか一つに記載の積層セラミック電子部品の製造方法であり、第4の工程において、導電体層付きセラミックシートの積層を容易に行うことができるものである。
【0013】
請求項に記載の発明は、第1のベースフィルムとセラミックシート間あるいは第2のベースフィルムと導電体層間の少なくとも一方に離型層を形成した請求項1〜請求項のいずれか一つに記載の積層セラミック電子部品の製造方法であり、第4の工程において、ベースフィルムの除去を容易に行うことができるものである。
【0014】
請求項に記載の発明は、離型層はアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂のうち少なくとも1種類以上を用いて形成した請求項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法であり、第4の工程において、ベースフィルムの除去を容易に行うことができるものである。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、積層セラミックコンデンサを例に図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1〜図4は実施の形態1および2、図5〜図7は実施の形態1における積層セラミック電子部品の製造工程を説明するための断面図であり、11a,11bはベースフィルム、12はセラミックシート、13は導電体層、14は導電体層付きセラミックシート、15は積層体、20は加圧体、21は支持体である。
【0020】
また図11は、実施の形態1,2における積層セラミックコンデンサの一部切欠斜視図であり、1はセラミック誘電体層、2は内部電極、3は外部電極であり、内部電極2はおのおの外部電極3に接続されている。
【0021】
この積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
【0022】
まずチタン酸バリウム等の誘電体材料と、ポリビニルブチラール系のバインダ成分と、可塑剤成分としてジブチルフタレート、溶剤成分として酢酸ブチルを混合してスラリー化した後、ドクターブレード法を用いて図2に示すポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムとする。)などのベースフィルム11a上にセラミック誘電体層1となるセラミックシート12を形成した。
【0023】
一方、図3に示すようにPETフィルムなどのベースフィルム11b上に内部電極2となる導電体層13としてニッケルペーストを所定のパターン状に印刷法などで形成して乾燥させた。ニッケルペースト中にはニッケル粉末と溶剤の他、有機バインダ成分が含まれている。溶剤は脂肪族ナフサ、芳香族ナフサ、テルピネオール、有機バインダ成分はポリビニルブチラールである。乾燥後のニッケルペーストは、大部分の溶剤は飛散しほとんど金属成分と有機バインダ成分のみとなる。
【0024】
次に、図4に示すようにセラミックシート12の表面と導電体層13の表面が直接接触するように配置し、ベースフィルム11aとベースフィルム11bでセラミックシート12と導電体層13を挟み込むように加圧体20で加圧して、導電体層付きセラミックシート14を得た。加圧は一軸プレスにより100kg/cmで行った。この時セラミックシート12と導電体層13中に含まれるポリビニルブチラールの軟化点以上の温度(80〜100℃程度)に加熱して行ってもよい。
【0025】
このようにして得た導電体層付きセラミックシート14の大部分は、ベースフィルム11a,11bで被覆されているため直接大気と接している面積は非常に少ない。その結果、図1に示すような状態で導電体層付きセラミックシート14を長期間保存したとしてもセラミックシート12および導電体層13に含まれる有機成分が飛散したり、変質することがないために製造上での在庫として長期保存することができる。
【0026】
また、実際に工場などで大量の積層セラミックコンデンサを製造する場合、セラミックシート12上に導電体層13を形成して長時間放置した後積層を行うことがしばしばある。このような場合においても、導電体層付きセラミックシート14をベースフィルム11a,11bに挟まれた状態で保管し、積層工程直前にどちらかのベースフィルム11a,11bを除去すれば、放置時間の長短に関わらず安定して積層を行うことができる。
【0027】
本実施の形態では、図1に示すような状態の導電体層付きセラミックシート14の作製直後から5日、10日、100日及び300日間放置した後に積層体15を形成した。つまり所定の期間放置した後に、図5に示すようにベースフィルム11bを除去した導電体層付きセラミックシート14を複数枚、図6に示すように予め支持体21上に積層しておいた複数のセラミックシート12の上に順次30枚熱転写し、この上に再び複数のセラミックシート12を積層した後、図7に示す積層体15を得た。熱転写は一軸プレス機を用い、100℃,100kg/cmで行った。その後、積層体15を所望の形状に切断し、1300℃、NおよびH雰囲気中で焼成を行った。焼成後、内部電極2の露出した両端面に外部電極3を形成して図11に示す積層セラミックコンデンサを得た。
【0028】
(実施の形態2)
図8〜図10は実施の形態2における積層セラミック電子部品の製造工程を説明するための断面図である。
【0029】
本実施の形態における積層セラミックコンデンサの製造方法について図1、図8〜図11を用いて説明する。
【0030】
実施の形態1と同様にして図1に示す導電体層付きセラミックシート14を得る。次に実施の形態1と同様に導電体層付きセラミックシート14がベースフィルム11a,11bに挟まれた状態で、導電体層付きセラミックシート14の作製直後から5日、10日、100日及び300日放置した後に積層体15を形成した。
【0031】
つまり所定の期間放置した後に図8に示すようにベースフィルム11aを除去した導電体層付きセラミックシート14を複数枚、図9に示すように予め支持体21上に積層しておいた複数のセラミックシート12の上に順次30枚熱転写し、図10に示すような積層体15を得た。その後、積層体15を所望の形状に切断し、1300℃、NおよびH雰囲気中で焼成を行った。焼成後、内部電極2の露出した両端面に外部電極3を形成して図11に示す積層セラミックコンデンサを得た。
【0032】
また、比較例として、ベースフィルムを有しない同様の厚みのセラミックシートに導電体層を加圧転写して得た導電体層付きセラミックシートを積層して形成した従来の製造方法による積層セラミックコンデンサも製造した。
【0033】
(表1)に実施の形態1,2で作製した積層セラミックコンデンサおよび比較のため作製した積層セラミックコンデンサの構造欠陥の発生頻度を示す。
【0034】
【表1】
Figure 0003602368
【0035】
(表1)から明らかなように、比較例については100日以後で構造欠陥が発生しているのに対して、実施の形態1及び2の積層セラミックコンデンサについては長期間保存したにもかかわらず構造欠陥が発生していない。また比較例で発生している構造欠陥の内、いくらかは焼成する前に既に発生しており、明らかに有機成分が変質、飛散したことによってセラミックシートどうしおよびセラミックシートと導電体層の接着力が低下したために発生したものと考えられる。このことから、導電体層付きセラミックシート14をベースフィルム11a,11bに挟まれた状態で長期間保存することは構造欠陥を抑制するのに大きな効果を有しているといえる。
【0036】
ここで本発明においてポイントとなることを以下に記載する。
【0037】
(1)図4に示すようにベースフィルム11a,11bを介してセラミックシート12と導電体層13とを加圧する方法は、一軸プレスにて面圧を付加する方法やロール加圧方式で線圧を付加する方法などセラミックシート12と導電体層13が完全に接触し、圧力が均一に負荷される方法で行えばよい。この工程は、セラミックシート12と導電体層13が十分な接着性を得るために行うものであり、加温しながら行うことも有効である。
【0038】
(2)上記実施の形態においては、セラミックシート12と導電体層13中には、それぞれ有機バインダ成分としてポリビニルブチラールを含有させることにより、セラミックシート12と導電体層13との接着強度を向上させている。なお、バインダ成分に限らず、可塑剤成分などセラミックシート12及び導電体層13中に少なくとも一種類の有機成分を含有させることにより、両者の接着強度を向上させることができる。
【0039】
(3)導電体層付きセラミックシート14を形成する際、セラミックシート12と導電体層13に含まれるポリビニルブチラールの軟化点以上の温度(上記実施の形態では80〜100℃)で行うことにより、ポリビニルブチラールの流動性が向上し、セラミックシート12と導電体層13の接着強度が向上する。なお、セラミックシート12あるいは導電体層13中の少なくとも一つの有機物の軟化点以上で行うことにより、同様の効果は得られるが、セラミックシート12と導電体層13に同一有機物が存在する場合は、この有機物の軟化点以上の温度で行うことが接着強度向上の点から考えると最も好ましい。
【0040】
(4)積層体15を形成するために、導電体層付きセラミックシート14を熱転写する際、セラミックシート12と導電体層13に含まれるポリビニルブチラールの軟化点以上の温度(上記実施の形態では80〜100℃)で行うことにより、ポリビニルブチラールの流動性が向上し、セラミックシート12どうし及びセラミックシート12と導電体層13との接着強度が向上する。なお、セラミックシート12あるいは導電体層13中の少なくとも一つの有機物の軟化点以上で行うことにより、同様の効果は得られるが、セラミックシート12と導電体層13に同一有機物が存在する場合は、この有機物の軟化点以上の温度で行うことが接着強度向上の点から考えると最も好ましい。
【0041】
(5)上記(3)、(4)に記載した工程は、ベースフィルム11a,11bを介して行うこととなる。従って加温温度が高すぎるとベースフィルム11a,11bが変形するのに伴いセラミックシート12、導電体層13も変形してしまうので、ベースフィルム11a,11bの軟化点より低い温度で行うことが必要である。
【0042】
(6)積層セラミックコンデンサを製造する際は、ベースフィルム11a,11b間に挟まれた導電体層付きセラミックシート14を形成するまでの工程と、ベースフィルム11a,11bを除去して積層体15を形成する工程まではできるだけ時間をかけずに行うことが、本発明の効果を最大限に生かすことになる。すなわち、本発明はセラミックシート12と導電体層13とができるだけ空気に接触しないようにするものであるからである。
【0043】
(7)導電体層付きセラミックシート14の接着強度よりもベースフィルム11aとセラミックシート12間あるいは、ベースフィルム11bと導電体層13間の接着強度を小さくして、積層体形成時に導電体層付きセラミックシート14からベースフィルム11a,11bの除去を容易に行うことができる。
【0044】
(8)ベースフィルム11a,11b上の少なくとも一方の表面に、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂のうち少なくとも1種類以上を含有した離型層を形成することにより、導電体層付きセラミックシート14からベースフィルム11a,11bを容易に除去することができる。これらの樹脂の混合比および合成温度を変化させることで離型層からの剥離力の強弱をつけることができる。
【0045】
また、一般的に離型層は、厚いほど剥離しやすくなる。従って、最初剥離する方のベースフィルム上の離型層を後から剥離するベースフィルム上の離型層より厚く形成することにより、導電体層付きセラミックシート14とベースフィルム11a,11bの分離を容易に行うことができる。
【0046】
(9)導電体層付きセラミックシート14からベースフィルム11a,11bを剥離する時は、その剥離スピードを最初はゆっくり、その後速くすることにより、導電体層付きセラミックシート14とベースフィルム11a,11bとの分離を容易に行うことができる。
【0047】
(10)セラミックシート12の厚みが特に薄い場合、ベースフィルム11a,11b間に挟まれた導電体層付きセラミックシート14は、最初に導電体層13の側のベースフィルム11bを剥離する方がセラミックシート12の破損を抑制するために望ましい。
【0048】
(11)導電体層付きセラミックシート14の接着強度よりも、ベースフィルム11aとセラミックシート12間あるいはベースフィルム11bと導電体層13間の接着強度を小さくすることにより、導電体層付きセラミックシート14の積層を容易に行うことができるものである。
【0049】
(12)上記実施の形態においては、積層セラミックコンデンサについて説明したが、本発明はセラミックシートと導電体層とを積層する積層工程を有する一般的な積層セラミック電子部品を製造方法において同様の効果が得られるものである。例えば、積層チップバリスタや積層型のコイル、多層基板などである。
【0050】
【発明の効果】
以上本発明によると、セラミックシートおよび導電体層に含まれる有機物の変質、飛散を極力抑制することにより、導電体層付きセラミックシートの長期保存やそれらに起因する構造欠陥のない積層セラミック電子部品を提供することができる。その結果、生産性、歩留まりの向上に対して絶大なる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1および2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図2】本発明の実施の形態1および2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図3】本発明の実施の形態1および2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図4】本発明の実施の形態1および2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図5】本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図6】本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図7】本発明の実施の形態1における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図8】本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図9】本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図10】本発明の実施の形態2における積層セラミックコンデンサの一製造工程を説明する断面図
【図11】一般的な積層セラミックコンデンサの一部切欠斜視図
【符号の説明】
1 セラミック誘電体層
2 内部電極
3 外部電極
11a ベースフィルム
11b ベースフィルム
12 セラミックシート
13 導電体層
14 導電体層付きセラミックシート
15 積層体
20 加圧体
21 支持体

Claims (5)

  1. 第1のベースフィルム上にセラミック成分と少なくとも1種類の有機物からなる第1のベースフィルム付きセラミックシートを形成する第1の工程と、第2のベースフィルム上に金属成分と少なくとも1種類の有機物からなる第2のベースフィルム付き導電体層を形成する第2の工程と、前記第1のベースフィルム付きセラミックシートと前記第2のベースフィルム付き導電体層を前記セラミックシートと前記導電体層とが直接接触するように重ね合わせて前記第1及び第2のベースフィルムを介して加圧して導電体層付きセラミックシートを得る第3の工程と、この第1及び第2のベースフィルムに挟まれた導電体層付きセラミックシートの前記第1あるいは第2のベースフィルムの一方を除去する第4の工程と、この第1あるいは第2のベースフィルム上の導電体層付きセラミックシートと別の導電体層付きセラミックシートとを前記導電体層がセラミックシートを介して対向するように圧着した後前記第1あるいは第2のベースフィルムの他方を除去する第5の工程と、この第5の工程を所望の回数繰り返して積層体を得る第6の工程と、前記積層体を焼成する第7の工程を有し、前記セラミックシートと前記導電体層は同一成分の有機物を少なくとも1種類含有し、前記第5の工程は、前記セラミックシート及び前記導電体層を前記有機物の軟化点以上に加熱し、前記有機物の流動性を向上させて行うものであり、かつ第4の工程において、最初に除去するベースフィルムの厚みを後から除去するベースフィルムの厚みより薄くした積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 第1のベースフィルムとセラミックシートの接着強度と、第2のベースフィルムと導電体層との接着強度を変えた請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 導電体層付きセラミックシート間の接着強度よりも、第1のベースフィルムとセラミックシート間あるいは第2のベースフィルムと導電体層間の接着強度を小さくした請求項1〜請求項2のいずれか一つに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 第1のベースフィルムとセラミックシート間あるいは第2のベースフィルムと導電体層間の少なくとも一方に離型層を形成した請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 離型層はアクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂のうち少なくとも1種類以上を用いて形成した請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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