JP2011243775A - 積層セラミックチップ部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セラミックグリーンシート積層体の切断片同士を確実に分離することが可能な積層セラミックチップ部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】切断されたセラミックグリーンシート積層体21が載置されたエキスパンドテープET2を準備する。セラミックグリーンシート積層体21の切断面CSの粘着力を低下させた状態で、付着している切断面CS同士を剥がす。エキスパンドテープET2を伸張させて、互いに隣接する切断面CS同士の間隔を拡げる。ET2を伸張させた状態で、セラミックグリーンシート積層体21の切断片であるグリーンチップ23をエキスパンドテープET2から分離する。
【選択図】図10
【解決手段】切断されたセラミックグリーンシート積層体21が載置されたエキスパンドテープET2を準備する。セラミックグリーンシート積層体21の切断面CSの粘着力を低下させた状態で、付着している切断面CS同士を剥がす。エキスパンドテープET2を伸張させて、互いに隣接する切断面CS同士の間隔を拡げる。ET2を伸張させた状態で、セラミックグリーンシート積層体21の切断片であるグリーンチップ23をエキスパンドテープET2から分離する。
【選択図】図10
Description
本発明は、積層セラミックチップ部品の製造方法に関する。
積層セラミックチップ部品の製造方法として、セラミックグリーンシート積層体が載置された伸張可能シートを準備し、伸張可能シート上で、セラミックグリーンシート積層体を切断し、伸張可能シートを伸張させて、互いに隣接する切断面同士の間隔を拡げ、セラミックグリーンシート積層体の切断片を伸張可能シートから分離するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
セラミックグリーンシート積層体は、セラミック粉末、バインダ、及び可塑剤などを含むセラミックグリーンシートから形成されている。このため、セラミックグリーンシート積層体を切断した際に、セラミックグリーンシート積層体の切断面同士がバインダや可塑剤などによって付着してしまうことがある。セラミックグリーンシート積層体の切断面同士が付着していると、伸張可能シートを伸張させたとしても、切断面同士が付着したままとなり、セラミックグリーンシート積層体の切断片同士を適切に分離できない懼れがある。切断片同士が適切に分離されていないと、これらの切断片を伸張可能シートから分離させても、切断片同士が付着したままとなる。
本発明は、セラミックグリーンシート積層体の切断片同士を確実に分離することが可能な積層セラミックチップ部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る積層セラミックチップ部品の製造方法は、切断されたセラミックグリーンシート積層体が載置された伸張可能シートを準備する工程と、セラミックグリーンシート積層体の切断面の粘着力を低下させた状態で、付着している切断面同士を剥がす工程と、伸張可能シートを伸張させて、互いに隣接する切断面同士の間隔を拡げる工程と、伸張可能シートを伸張させた状態で、セラミックグリーンシート積層体の切断片を伸張可能シートから分離する工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る積層セラミックチップ部品の製造方法では、伸張可能シートを伸張させる前に、セラミックグリーンシート積層体の切断面の粘着力を低下させた状態で、付着している切断面同士を剥がしている。したがって、切断面同士が付着していたとしても、伸張可能シートを伸張させる際には、切断面同士を剥がされており、切断面同士が付着したままとなることなく、切断面同士の間隔が確実に拡がることとなる。このため、伸張可能シートを伸張させた際に、セラミックグリーンシート積層体の切断片を適切に分離することができる。したがって、切断片を伸張可能シートから分離した際に、切断片同士が付着していることは生じ得ない。
伸張可能シートを準備する工程では、予め切断されたセラミックグリーンシート積層体を伸張可能シートに貼り付けることにより、切断されたセラミックグリーンシート積層体が載置された伸張可能シートを準備してもよい。
セラミックグリーンシート積層体を伸張可能シートに貼り付けた後に切断する場合、セラミックグリーンシート積層体は、一面側が伸張可能シートに固定された状態で切断されることとなる。このため、セラミックグリーンシート積層体を切断する際に、セラミックグリーンシート積層体内に応力が発生し、この応力が原因となって、クラックなどの構造欠陥が生じる懼れがある。しかしながら、予め切断されたセラミックグリーンシート積層体を伸張可能シートに貼り付けることにより、上記応力が発生することはなく、構造欠陥の発生を抑制することができる。
予め切断されたセラミックグリーンシート積層体を伸張可能シートに貼り付ける前に、セラミックグリーンシート積層体の切断面同士を付着させてもよい。この場合、切断面同士が付着しているので、セラミックグリーンシート積層体が切断された状態で一体化することとなる。このため、セラミックグリーンシート積層体のハンドリングを容易に行なうことができる。
切断面同士を剥がす工程では、セラミックグリーンシート積層体に対し、伸張可能シート越しに押圧部材を押し付けることにより、切断面同士を剥がしてもよい。この場合、切断面同士を確実に剥がすことができる。
切断面同士を剥がす工程では、切断されたときよりもセラミックグリーンシート積層体を硬化させることにより、セラミックグリーンシート積層体の切断面の粘着力を低下させてもよい。この場合、切断面の粘着力を簡便に且つ確実に低下させることができる。
本発明によれば、セラミックグリーンシート積層体の切断片同士を確実に分離することが可能な積層セラミックチップ部品の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
本実施形態に係る積層セラミックチップ部品の製造方法を用いて製造される積層セラミックチップ部品の一例である積層コンデンサ1について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。図2は、本実施形態に係る積層コンデンサの断面構成を示す図である。積層コンデンサ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体3と、素体3に形成された一対の端子電極5,7と、を備えている。
素体3は、素体3の長手方向に対向する一対の端面と、素体3の積層方向に対向する一対の側面と、長手方向及び積層方向に垂直な方向に対向する一対の側面とを有している。端子電極5は、一方の端面の全面を覆い且つその一部が各側面上に回り込むように形成されている。端子電極7は、他方の端面の全面を覆い且つその一部が各側面上に回り込むように形成されている。素体3の積層方向に対向する一対の側面のいずれか一方の側面は、積層コンデンサ1が外部基板に実装されたときに、当該外部基板に対向する面となる。
素体3は、図2に示すように、複数の内部電極11,13と複数の誘電体層15とを有している。内部電極11は、一辺が端子電極5の形成された素体3の端面に露出して、端子電極5に直接的に接続されている。これにより、内部電極11と端子電極5とは電気的に接続されることとなる。内部電極13は、一辺が端子電極7の形成された素体3の端面に露出して、端子電極7と直接的に接続されている。これにより、内部電極13と端子電極7とは電気的に接続されることとなる。内部電極11と内部電極13とは、誘電体層15を介して交互に積層されている。
引き続いて、本実施形態に係る積層コンデンサ1の製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係る積層コンデンサの製造方法を示すフロー図である。積層コンデンサ1の製造工程は、セラミックグリーンシート形成工程S101と、積層体形成工程S102と、グリーンチップ形成工程S103と、積層体貼付工程S104と、切断面剥がし工程S105と、シート伸張工程S106と、グリーンチップ剥離工程S107と、焼成工程S108と、端子形成工程S109と、を含んでいる。
セラミックグリーンシート形成工程S101では、まず、誘電体層15を形成するためのセラミックペースト、内部電極11,13を形成するための導電性ペーストをそれぞれ準備する。セラミックペースト及び導電性ペーストを準備した後、まず、例えば、PETなどからなるキャリアシート上にセラミックペーストをドクターブレード法などの公知の方法でセラミックグリーンシートを形成する。そして、セラミックグリーンシート上に導電性ペーストをスクリーン印刷法などの公知の方法で複数の内部電極パターンを形成する。
セラミックペーストは、誘電体層15を構成する誘電体材料の原料に有機ビヒクルなどを混合・混錬して得ることができる。誘電体材料としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)系材料、鉛複合ペロブスカイト化合物系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)系材料などの公知の高誘電率セラミック材料が挙げられる。誘電体材料の原料としては、例えば、誘電体材料が上述したような各種の複合酸化物系材料である場合は、当該複合酸化物に含まれる各金属原子の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などの組み合わせが挙げられる。
有機ビヒクルは、バインダ及び溶剤を含むものである。バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、又はアクリル樹脂などが挙げられる。溶剤としては、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン、キシレン、エタノール、又はメチルエチルケトンなどの有機溶剤が挙げられる。セラミックペーストは、上記以外に、可塑剤、分散剤、ガラスフリット、又は絶縁体などが必要に応じて含有されていてもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ベンジルブチル(BBP)などのフタル酸エステル、アジピン酸、リン酸エステル、又はグリコール類などが適用できる。
導電性ペーストは、内部電極11,13を構成するための導電性粉末と有機ビヒクルとを混合・混錬したものである。導電性粉末としては、金属粉末(例えば、Ni粉末など)を用い、球状や鱗片状などの種々の形状のものを適用できる。導電性ペースト中には、必要に応じて無機化合物を適量含有させてもよい。
有機ビヒクルは、バインダ及び溶剤を含むものである。バインダとしては、例えば、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、又はこれらの共重合体などが挙げられる。溶剤としては、例えば、テルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン、又はアセトンなどが挙げられる。導電性ペースト中には、可塑剤を含有させてもよい。可塑剤としては、例えば、フタル酸ベンジルブチルなどのフタル酸エステル、アジピン酸、リン酸エステル、又はグリコール類などが適用できる。
積層体形成工程S102では、内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシート及び内部電極バターンが形成されていないセラミックグリーンシートを所定の大きさに揃えて所定の枚数で積層し、積層方向から加圧処理(例えば、静水圧プレス処理等)してセラミックグリーンシート積層体を形成する。
グリーンチップ形成工程S103では、図4に示されるように、セラミックグリーンシート積層体21を所定の切断予定ラインに沿って切断し、所定の大きさのグリーンチップ23(切断片)を得る。このとき、セラミックグリーンシート積層体21は、バインダを構成する樹脂成分のガラス転移温度より高い所定温度となるように加熱される。セラミックグリーンシート積層体21は、例えば、任意のステージST上に載置され、当該任意のステージST上で切断ブレードBL1により切断される。
グリーンチップ形成工程S103では、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士、すなわちグリーンチップ23の外側面同士を付着させる。セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士の付着は、例えば、図5に示されるように、セラミックグリーンシート積層体21の側面を枠部材FRにより押圧して外力を作用させながらセラミックグリーンシート積層体21を切断することにより、実現される。セラミックグリーンシート積層体21を切断する際には、セラミックグリーンシート積層体21は上記所定温度に加熱されているため、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士は、枠部材FRから付与される押圧力を受けて、容易に付着することとなる。
図6(a)及び(b)に示されるように、セラミックグリーンシート積層体21を切断した後に、セラミックグリーンシート積層体21の側面を枠部材FRにより押圧することにより、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士を付着させてもよい。この場合、セラミックグリーンシート積層体21の温度がバインダを構成する樹脂成分のガラス転移温度より高くなる温度条件下で、セラミックグリーンシート積層体21の側面を枠部材FRにより押圧することが好ましい。
セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士の付着は、図7(a)〜(c)に示されるように実現されてもよい。すなわち、まず、伸縮性を有する粘着シート、例えばエキスパンドテープET1を準備し、エキスパンドテープET1を周囲に伸張させた後に、セラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET1に保持させる。そして、エキスパンドテープET1を周囲に伸張させた状態で、セラミックグリーンシート積層体21を切断する。その後、エキスパンドテープET1を収縮させる。このとき、セラミックグリーンシート積層体21の温度がバインダを構成する樹脂成分のガラス転移温度より高くなる温度条件下で、エキスパンドテープET1を収縮させることが好ましい。
積層体貼付工程S104では、図8に示されるように、伸張性を有する粘着シート、例えばエキスパンドテープET2(伸張可能シート)を準備し、セラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付ける。これにより、セラミックグリーンシート積層体21は、エキスパンドテープET2に保持されることとなる。ここでは、図9に示されるように、セラミックグリーンシート積層体21におけるエキスパンドテープET2に貼り付けられた主面に対向する主面に、保護シートPSを貼り付ける。保護シートPSとして、例えば、ポリエステル製、ポリ塩化ビニル製、ポリオレフィン製、又はポリプロピレン製の透明フィルムなどを用いることができる。
切断面剥がし工程S105では、図10(a)及び(b)に示されるように、セラミックグリーンシート積層体21を基台BP上に載置し、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CSの粘着力を低下させた状態で、セラミックグリーンシート積層体21に対し、エキスパンドテープET2越しに押圧ブレードBL2(押圧部材)を押し付けて外力を作用させる。ここでは、切断されたときよりもセラミックグリーンシート積層体21を硬化させることにより、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CSの粘着力を低下させている。例えば、セラミックグリーンシート積層体21の温度を、バインダを構成する樹脂成分のガラス転移温度よりも低くすることにより、切断されたときよりもセラミックグリーンシート積層体21を硬化させることができる。
押圧ブレードBL2は、セラミックグリーンシート積層体21の切断ラインに沿って、セラミックグリーンシート積層体21に押し付けられる。これにより、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士が剥がされることとなる。基台BPには、押圧ブレードBL2に対向する位置に、間隙Gが形成されている。押圧ブレードBL2は、必ずしもセラミックグリーンシート積層体21の切断ラインに沿って押し付ける必要はなく、当該切断ラインから外れた位置に沿って押し付けてもよい。
シート伸張工程S106では、図11(a)及び(b)に示されるように、保護シートPSを剥離させた後に、エキスパンドテープET2を周囲に伸張させて、互いに隣接する切断面CS同士の間隔を拡げる。これにより、グリーンチップ23同士が、エキスパンドテープET2上で分離されて、離間することとなる。このときも、セラミックグリーンシート積層体21の温度を、バインダを構成する樹脂成分のガラス転移温度よりも低くしておくことが好ましい。
グリーンチップ剥離工程S107では、図12(a)及び(b)に示されるように、エキスパンドテープET2を伸張させた状態で、各グリーンチップ23をエキスパンドテープET2から剥離させる。これにより、各グリーンチップ23は、エキスパンドテープET2からも分離することとなる。グリーンチップ23のエキスパンドテープET2からの剥離は、エキスパンドテープET2が熱剥離性の粘着シートである場合には、エキスパンドテープET2を所定の温度に加熱することにより実現される。この場合、エキスパンドテープET2は、グリーンチップ形成工程S103におけるセラミックグリーンシート積層体21の加熱温度よりも低い温度で剥離することが好ましい。
焼成工程S108では、グリーンチップ23を焼成する。具体的には、グリーンチップ23に含まれる樹脂成分を除去した後(脱バインダ)、このグリーンチップ23を焼成する。この焼成により、セラミックグリーンシートから誘電体層が、また、内部電極パターンから内部電極11,13がそれぞれ形成された素体3が得られることとなる。脱バインダは、グリーンチップ23を、例えば、空気中、又は、N2及びH2の混合ガスなどの還元雰囲気中で、200〜600℃の温度下で所定時間加熱することにより行うことができる。焼成は、脱バインダ後のグリーンチップ23を、例えば、還元雰囲気下で1100〜1300℃の温度下で所定時間加熱することにより行うことができる。
端子形成工程S109では、素体3の表面における所定の領域に、端子電極5,7を形成する。ここでは、素体3の表面における上記所定の領域、すなわち各端面全体、及び、各側面の端面寄りの部分の上に導電性ペーストを付与する。導電性ペーストの付与は、ディップ法、印刷法、又は転写法等により行うことができる。導電性ペーストには、上述したように、導電性金属粉末(例えば、Cu粉末を主成分とする金属粉末など)に、ガラス粉末(例えば、ガラスフリット等)及び上述したような有機ビヒクルを混合したものを用いる。そして、導電性ペーストが付与された素体3に、所望の加熱処理を実施して導電性ペーストを素体3に焼き付ける。これにより、素体3に端子電極5,7が形成されることとなる。導電性ペーストの焼き付けは、例えば600〜800℃の温度下で所定時間加熱することにより行われる。端子電極5,7は、その表面にめっき層が形成されていてもよい。
上述した工程を経ることにより、積層コンデンサ1が得られる。
以上のように、本実施形態では、エキスパンドテープET2を伸張させる前に、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CSの粘着力を低下させた状態で、付着している切断面CS同士を剥がしている。したがって、切断面CS同士が付着していたとしても、エキスパンドテープET2を伸張させる際には、切断面CS同士を剥がされており、切断面CS同士が付着したままとなることなく、切断面CS同士の間隔が確実に拡がることとなる。このため、エキスパンドテープET2を伸張させた際に、セラミックグリーンシート積層体の切断片を適切に分離することができる。したがって、切断片を伸張可能シートから分離した際に、切断片同士が付着していることは生じ得ない。
積層体貼付工程S104では、予め切断されたセラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付けている。セラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付けた後に切断する場合、セラミックグリーンシート積層体21は、一面側がエキスパンドテープET2に固定された状態で切断されることとなる。このため、セラミックグリーンシート積層体21を切断する際に、セラミックグリーンシート積層体21内に応力が発生し、この応力が原因となって、クラックなどの構造欠陥が生じる懼れがある。しかしながら、予め切断されたセラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付けることにより、上記応力が発生することはなく、構造欠陥の発生を抑制することができる。
グリーンチップ形成工程S103では、予め切断されたセラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付ける前に、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CS同士を付着させている。切断面CS同士が付着しているので、セラミックグリーンシート積層体21は切断された状態で一体化することとなる。このため、セラミックグリーンシート積層体21のハンドリングを容易に行なうことができる。
切断面剥がし工程S105では、セラミックグリーンシート積層体21に対し、エキスパンドテープET2越しに押圧ブレードBL2を押し付けることにより、切断面CS同士を剥がしている。これにより、切断面CS同士を確実に剥がすことができる。
切断面剥がし工程S105では、切断されたときよりもセラミックグリーンシート積層体21を硬化させることにより、セラミックグリーンシート積層体21の切断面CSの粘着力を低下させている。これにより、切断面CSの粘着力を簡便に且つ確実に低下させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
セラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付けた後に切断してもよい。この場合、積層体貼付工程S104を省略することができ、工程の簡素化を図ることができる。しかしながら、上述したように、構造欠陥が生じる懼れがあることから、予め切断されたセラミックグリーンシート積層体21をエキスパンドテープET2に貼り付けることが好ましい。
本発明は、積層コンデンサに限られることなく、積層インダクタ、積層バリスタ、又は、積層圧電アクチュエータといった積層セラミックチップ部品にも適用できる。
1…積層コンデンサ、21…セラミックグリーンシート積層体、23…グリーンチップ、BL2…押圧ブレード、CS…切断面、ET2…エキスパンドテープ、S101…セラミックグリーンシート形成工程、S102…積層体形成工程、S103…グリーンチップ形成工程、S104…積層体貼付工程、S105…切断面剥がし工程、S106…シート伸張工程、S107…グリーンチップ剥離工程、S108…焼成工程、S109…端子形成工程。
Claims (5)
- 切断されたセラミックグリーンシート積層体が載置された伸張可能シートを準備する工程と、
前記セラミックグリーンシート積層体の切断面の粘着力を低下させた状態で、付着している前記切断面同士を剥がす工程と、
前記伸張可能シートを伸張させて、互いに隣接する前記切断面同士の間隔を拡げる工程と、
前記伸張可能シートを伸張させた状態で、前記セラミックグリーンシート積層体の切断片を前記伸張可能シートから分離する工程と、を備えていることを特徴とする積層セラミックチップ部品の製造方法。 - 前記伸張可能シートを準備する前記工程では、予め切断された前記セラミックグリーンシート積層体を前記伸張可能シートに貼り付けることにより、切断された前記セラミックグリーンシート積層体が載置された前記伸張可能シートを準備することを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックチップ部品の製造方法。
- 予め切断された前記セラミックグリーンシート積層体を前記伸張可能シートに貼り付ける前に、前記セラミックグリーンシート積層体の切断面同士を付着させることを特徴とする請求項2に記載の積層セラミックチップ部品の製造方法。
- 前記切断面同士を剥がす工程では、前記セラミックグリーンシート積層体に対し、前記伸張可能シート越しに押圧部材を押し付けることにより、前記切断面同士を剥がすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層セラミックチップ部品の製造方法。
- 前記切断面同士を剥がす工程では、切断されたときよりも前記セラミックグリーンシート積層体を硬化させることにより、前記セラミックグリーンシート積層体の前記切断面の粘着力を低下させた前記状態とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層セラミックチップ部品の製造方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120619 |
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A02 | Decision of refusal |
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