JP3601715B2 - 上塗り塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、ガラス、コンクリート、プラスチック、木材などの各種素材の塗装に使用され、耐候性、耐汚染性、リコート性に優れた塗膜を形成する上塗り塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、屋外の建造物、鉄塔、橋梁、表示物、ガードフェンスなどには保護や意匠性を目的として屋外用塗料を用いて塗装されている。形成される塗膜が耐候性に劣る場合には、塗膜表面の経時劣化に伴い、塗膜表面に付着していた汚れは劣化した塗膜表面層と共に雨水などにより剥離除去されるので、塗膜表面の汚染の問題は少なかった。
【0003】
しかし、現在、屋外用として使用されているアクリルウレタン樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料、アクリルシリコン樹脂系塗料などは耐候性に優れた塗膜を形成し、塗膜表面劣化の進行も非常に遅くなった。そのため、大気中に浮遊している砂塵や自動車等の排ガスに含まれる汚染物質が塗膜に付着した場合、雨水などにより一部分のみが除去されて雨筋汚れとなって目立ち、塗膜外観が悪くなるという欠点が生じている。また、耐汚染性の向上を目的としてアルキルシリケートの低縮合物を添加する方法が取られたが、この方法は長期の耐汚染性維持及びリコート性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアルコキシシラン含有樹脂系塗料では、耐汚染性の効果が発現するまで半年以上を必要とするため、それまでの期間汚染が発生するという欠点がある。また、アルキルシリケート含有樹脂系塗料を塗布した場合には、アルキルシリケートが塗膜表面へ速やかに移動して加水分解が行われ、塗布後数日で耐汚染性の効果が発現するが、逆に塗布後数日〜1ヶ月の間のリコート性は悪化し、層間剥離を生じるという欠点がある。また、低縮合度アルキルシリケートでは雨水等による表面からの消失も早く、長期間の耐候性維持には問題がある。
【0005】
本発明は、反応硬化形有機樹脂成分として水酸基含有アクリル樹脂と(ブロック化)ポリイソシアネート化合物架橋剤とを含有する有機溶剤型塗料組成物であって、耐候性、耐汚染性、リコート性に優れた塗膜を形成する上塗り塗料組成物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のオルガノシラン及び/又はオルガノシランの縮合度60以下の縮合物は、アルキルシリケートと比較して、水酸基含有アクリル樹脂及び(ブロック化)ポリイソシアネート化合物架橋剤との相溶性が高く、塗布後の塗膜表面への移動が遅く、塗布後数日〜1ヶ月の間でもリコート性が良いことを見いだした。更に、界面活性剤の追加により初期(1日〜4週間後程度)における耐汚染性維持が可能になることを見いだした。
【0007】
即ち、本発明の上塗り塗料組成物は、反応硬化形有機樹脂成分として水酸基含有アクリル樹脂と(ブロック化)ポリイソシアネート化合物架橋剤とを含有する有機溶剤型塗料組成物に、更に、一般式
R1Si(OR2)3
〔式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基である。〕で示されるオルガノシランの縮合度20〜60の縮合物とHLB値10〜20の界面活性剤とが配合されており、該オルガノシランの配合量が該有機溶剤型塗料組成物の樹脂固形分100質量部当たり0.1〜10質量部であり、かつ該界面活性剤の配合量が該有機溶剤型塗料組成物の樹脂固形分100質量部当たり0.01〜5質量部であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の上塗り塗料組成物は、有機溶剤型塗料組成物であって、反応硬化形有機樹脂成分として水酸基含有アクリル樹脂及び(ブロック化)ポリイソシアネート化合物架橋剤を含有する。
【0009】
本発明で使用する水酸基含有アクリル樹脂は、重合可能なエチレン性不飽和結合及び水酸基を有する単量体の1種又は2種以上と、これらの単量体と重合可能なその他のエチレン性不飽和結合を有する単量体の1種又は2種以上とを重合させて得られるものである。
【0010】
上記のエチレン性不飽和結合及び水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素原子数2〜24個のヒドロキシアルキルエステル及びラクトン変性されたヒドロキシアルキルエステルなどがある。
【0011】
また、上記の単量体と重合可能なその他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数1〜24個のアルキル又はシクロアルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレート;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和結合を有するカルボン酸;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;あるいは(メタ)アクリロニトリルなどがある。
【0012】
本発明で使用する水酸基含有アクリル樹脂としては、水酸基価が好ましくは5〜200mgKOH/gであり、数平均分子量が好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは2,000〜15,000であるものが適している。水酸基価が5mgKOH/g未満の水酸基含有アクリル樹脂を用いた場合には、耐候性、耐溶剤性が低下する傾向があり、また、水酸基価が200mgKOH/gを越える水酸基含有アクリル樹脂を用いた場合には、耐酸性、耐湿性が低下する傾向がある。また、数平均分子量が1,000未満の水酸基含有アクリル樹脂を用いた場合には、低温硬化性、耐溶剤性が低下する傾向があり、また、数平均分子量が20,000を越える水酸基含有アクリル樹脂を用いた場合には、塗面の平滑性、スプレー塗装時に於ける微粒性が低下する傾向がある。
【0013】
本発明で使用するポリイソシアネート化合物は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基をもった化合物である。ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート類;ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、水素化されたTDI(HTDI)、水素化されたXDI(H6XDI)、水素化されたMDI(H12MDI)などの水添ジイソシアネート類;これらジイソシアネート化合物の2量体、3量体、さらに高分子量のポリイソシアネート類;トリメチロールプロパンなどの多価アルコールもしくは水、又は低分子量ポリエステル樹脂との付加物などが挙げられる。
【0014】
本発明で使用するポリイソシアネート化合物はブロック化ポリイソシアネート化合物でもよく、そのブロック剤としては、メチルエチルケトオキシム、アセトキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシムなどのオキシム類;m−クレゾール、キシレノールなどのフェノール類;メタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール類;ε−カプロラクタムなどのラクタム類、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エステルなどのジケトン類;チオフェノールなどのメルカプタン類などが参げられる。その他、チオ尿素などの尿素類;イミダゾール類;カルバミン酸類などが挙げられる。
【0015】
ブロック化ポリイソシアネート化合物は上記のポリイソシアネート化合物とブロック剤とを常法により、フリーのイソシアネート基がなくなるまで反応させて得られる。オキシム又はラクタムでブロックしたポリイソシアネート化合物が架橋剤として好ましい。
【0016】
また、水酸基含有アクリル樹脂と(ブロック)ポリイソシアネート化合物との配合割合については、水酸基含有アクリル樹脂の水酸基数と(ブロック)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基数との比が好ましくは1:0.6〜1.5、より好ましくは1:0.8〜1.2となる範囲が好適である。配合割合の上記の比が1:0.6を下回ると塗膜の耐候性、耐汚染性、耐水性などが低下する傾向があり、一方、上記の比が1:1.5を上回ると塗膜の耐汚染性、耐候性などが低下する傾向がある。
【0017】
本発明で使用する有機溶剤は、上記の反応硬化形有機樹脂成分に対して不活性であり、かつ該反応硬化形有機樹脂成分を溶解もしくは分散させることのできる有機溶剤を適宜選択して使用することができる。具体的には、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素等が挙げられる。該有機溶剤の配合割合は反応硬化形有機樹脂成分との合計量基準で、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%の範囲であることが好適である。
【0018】
本発明で使用するオルガノシランは、一般式
R1 Si(OR2 )3
〔式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基である。〕で示されるオルガノシランの縮合度20〜60の縮合物であり、該オルガノシランを有機溶剤型塗料組成物の樹脂固形分100質量部当たり0.1〜10質量部の量で配合する。
【0019】
上記一般式で示されるオルガノシランにおける有機基R1 として、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等を挙げることができる。このアルキル基は直鎖でも分岐したものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素原子数が1〜4個のものである。シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
【0020】
上記の各官能基は、任意に置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)や、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基等が挙げられる。
【0021】
上記一般式で示されるオルガノシランにおけるアルキル基R2 は直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基が挙げられ、好ましいアルキル基は炭素数が1〜2個のものである。
【0022】
本発明で使用するオルガノシランとして、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i―プロピルトリメトキシシラン、i―プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。好ましいオルガノシランは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランの縮合度20〜60の縮合物である。
【0023】
本発明においては、一般式
R1 Si(OR2 )3
〔式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基である。〕で示されるオルガノシランの縮合物を用いるのであるが、この縮合度については、10未満を低縮合度、10以上20未満を中縮合度、20以上60以下を高縮合度と区分することができ、本発明においては高縮合度の縮合物を用いることが好ましい。
【0024】
本発明で用いる界面活性剤は塗膜での水に対する接触角を低下させる効果を有する。本発明においては、HLB値が1〜20の界面活性剤、好ましくはHLB値が10〜20の高HLB界面活性剤を用いる。用いることのできる界面活性剤としては、アルキルアリルエーテル型、アルキルエーテル型、アルキルエステル型、アルキルアミン型、多環フェニルエーテル型、シリコーンエーテル型などがある。エチレングリコール及び/又はプロピレングリコール骨格を有するシリコーンポリマーであってかつ前記の溶剤に溶解性のある界面活性剤が好ましい。本発明においては、界面活性剤を有機溶剤型塗料組成物の樹脂固形分100質量部当たり0.01〜5質量部の量で配合する。
【0025】
本発明の上塗り塗料組成物は、基材に塗布し、次いで室温もしくは加熱条件下で硬化させることによって塗膜を形成することができる。反応硬化形有機樹脂成分の溶解性がよい界面活性剤を使用することでリコート性は良くなり、また界面活性剤により塗膜表面の親水性が向上する。更に、屋外などに晒され、酸性雨などの酸成分と接触することにより上記オルガノシランのアルコキシ基が加水分解して水に対する接触角が徐々に低下することによって塗膜表面の汚れを防止することができる。
【0026】
本発明の上塗り塗料組成物は、ガラス、スレート、コンクリートなどの無機質基材;アルミニウム、鉄鋼、亜鉛、錫、銅、ステンレスなどの金属、鉄鋼表面に亜鉛、スズ、クロムなどをメッキした金属、鉄鋼などの表面をクロム酸、リン酸などで処理した金属などの金属基材;ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABSなどのプラスチック基材;ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アルミニウムなどの基材フィルム上に接着剤又は粘着剤を設けてなるテープ並びにこれらの基材に必要に応じて公知のプライマー、中塗り塗料、上塗り塗料を塗布した基材など広範な基材に塗布することができる。
【0027】
本発明の上塗り塗料組成物は、例えば刷毛塗り、吹付け塗り、ローラー塗り、浸漬塗り、静電粉体塗装などの手段で基材表面に塗布することができる。塗布量は塗料種、塗装手段などによって異なるが、一般的には塗膜厚で5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲となる量で充分と考えられる。塗膜の乾燥条件については上塗りり塗料組成物のタイプに応じて選択することができる。
【0028】
例えば、水酸基含有アクリル樹脂を基体樹脂としポリイソシアネート化合物を架橋剤として含有する上塗り塗料組成物の場合には室温で2〜12時間程度であり、また、水酸基含有アクリル樹脂を基体樹脂としブロック化ポリイソシアネート化合物を架橋剤として含有する上塗り塗料組成物の場合には100〜200℃で10〜60分間程度で十分と考えられる。
【0029】
本発明の上塗り塗料組成物から形成される塗膜は、表面層はアルキルシロキサン又はその縮合物成分及び界面活性剤で構成され、その内部は有機塗膜で構成されるので、耐汚染性はアルキルシロキサン又はその縮合物成分及び界面活性剤によって達成され、そして耐久性、加工性、付着性などは有機塗膜によって達成されるので、耐汚染性と耐久性の性能を満足させる顕著な効果が認められる。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例1〜3及び比較例1〜9
反応硬化形有機溶剤型塗料組成物であるDNTウレタンマイルド白(商標名、大日本塗料株式会社製、アクリルポリイソシアネート硬化形有機溶剤型塗料、樹脂固形分35%)286質量部(樹脂固形分100質量部)に対し、第1表又は第2表に示す種類及び量(質量部)のアルキルトリアルコキシシラン縮合物又はテトラアルコキシシラン縮合物と、第1表又は第2表に示す種類及び量(質量部)の界面活性剤とを混合して塗料組成物を得た。
【0031】
<試験方法>
<屋外暴露汚染性評価>
300mm×150mm×0.8mmの電気亜鉛メッキ鋼板を長手方向の一端から3分の1のところで内角度が120度になるように折り曲げた加工片(以下、暴露板と略称)の表面に、マイティーエポシーラー(大日本塗料株式会社製:エポキシ樹脂系シーラー)を、乾燥膜厚が約30μmになるようにスプレー塗装し、20℃の雰囲気下で24時間乾燥させた。次いで、この暴露板に上記の塗料組成物を乾燥膜厚が約50μmとなるようにスプレー塗装し、20℃の雰囲気下で3日間乾燥させて試験体とした。
【0032】
上記の試験体を、栃木県大田原市で、試験体の面積が広い面(上記の長手方向の一端から3分の1のところから他端までの部分)を垂直にし、南方向に向けて屋外に設置して屋外暴露を実施した。1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後及び12ヶ月後の雨筋汚れを下記の基準で目視で評価した。それらの結果を第1表又は第2表に示す。
◎:垂直面に雨筋汚れなし、
○:垂直面にわずかに雨筋汚れが見られる、
△:垂直面に雨筋汚れが見られる、
×:垂直面に著しい雨筋汚れが見られる。
【0033】
<水に対する静的接触角の測定>
屋外暴露汚染性評価で使用した試験体を用い、屋外暴露の1日後、7日後及び30日後に塗膜表面に0.1ccの蒸留水を滴下し、20℃の雰囲気下で滴下1分後の接触角を協和界面化学株式会社CA−X接触角測定装置にて測定した。それらの結果を第1表又は第2表に示す。
【0034】
<層間付着性評価>
電気亜鉛メッキ鋼板表面にマイティーエポシーラー(大日本塗料株式会社製:エポキシ樹脂系シーラー)を、乾燥膜厚が約30μmになるように刷毛塗り塗装し、20℃の雰囲気下で24時間乾燥させた。次いで、上記の塗料組成物を、乾燥膜厚が約25μmとなるように塗装し、20℃、湿度50%の条件下で乾燥させた。塗装から14時間後、1日後、3日後、7日後、15日後及び30日後に、同一の配合比率の塗料組成物を乾燥膜厚が約25μmとなるように刷毛塗り塗装して試験体を作製した。この時の全体の乾燥膜厚は約50μmである。作製した試験体を、20℃、湿度50%の条件下で7日間乾燥させ、JIS K5400 8.5(2001)の付着性試験に準じて塗膜の付着性(層間付着性)評価を実施した。それらの結果を第1表又は第2表に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
注1) メチルトリメトキシシラン[CH3 Si(OCH3 )3 ]の縮合物でMwが4000のもの。
注2) メチルトリメトキシシランの縮合物でMwが1500のもの。
注3) メチルトリメトキシシランの縮合物でMwが150のもの。
注4) テトラエトキシシランの縮合物でMwが1000のもの。
注5) エチレングリコール及びプロピレングリコールを含有する界面活性剤でHLB13のもの。
注6) エチレングリコール及びプロピレングリコールを含有する界面活性剤でHLB7のもの。
【0038】
【発明の効果】
本発明の上塗り塗料組成物は耐候性、耐汚染性、リコート性に優れた塗膜を形成することができ、屋外の建造物、鉄塔、橋梁、表示物、ガードフェンスなどの基材の塗装に有用である。
Claims (1)
- 反応硬化形有機樹脂成分として水酸基含有アクリル樹脂と(ブロック化)ポリイソシアネート化合物架橋剤とを含有する有機溶剤型塗料組成物に、更に、一般式
R1Si(OR2)3
〔式中、R1は炭素数1〜8の有機基であり、R2は炭素数1〜5のアルキル基である。〕で示されるオルガノシランの縮合度20〜60の縮合物とHLB値10〜20の界面活性剤とが配合されており、該オルガノシランの配合量が該有機溶剤型塗料組成物の樹脂固形分100質量部当たり0.1〜10質量部であり、かつ該界面活性剤の配合量が該有機溶剤型塗料組成物の樹脂固形分100質量部当たり0.01〜5質量部であることを特徴とする上塗り塗料組成物。
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