JP3601262B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットに接続可能なファクシミリ(「FAX」と略記する。)装置に関し、特に、E−mail(電子メール)にバイナリデータを添付して送受信可能なファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ファクシミリ装置は全世界的に普及し、海外とのFAX通信が容易になりつつある。一方、海外との遠距離通信は、通信費が高価となるという問題点があり、この問題点を解決するために、インターネットに接続して通信が可能なファクシミリ装置が開発されている。インターネットを利用したファクシミリ装置は、固定費用以外の通信費が不要となり、海外との通信において大幅な通信費の削減が可能となる。
【0003】
ファクシミリ装置に関する先行技術として、特開平6−14136号公報に開示された発明がある。特開平6−14136号公報に開示された発明は、光磁気ディスク等の着脱可能な不揮発性メモリを備えたファクシミリ装置に関し、不揮発性メモリに通信に使用するパラメータ、電話番号を含む各種データおよび画像データを格納するものである。
【0004】
また、特開平6−78120号公報に開示された発明は、フロッピィディスクに格納されたデータを読取り、読取ったフロッピィディスクのデータとともにフロッピィディスクの種類、枚数等のフロッピィディスク管理データを受信側ファクシミリ装置に送信する。一方、受信側ファクシミリ装置では着呼により、受信可能状態かどうかを表わす受信能力データを発呼側のファクシミリ装置に送信し、受信したフロッピィディスクのデータをRAM(Random Access Memory)に記憶し、そのデータを転写用フロッピィディスクに書込むものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のインターネットに接続可能なファクシミリ装置において、E−mailを受信してもそのままプリントアウトしていた。すなわち、このファクシミリ装置はE−mailのテキストデータのみをサポートしており、バイナリデータの添付ファイルがあった場合にも、当該バイナリデータをテキストファイルとして扱うため、図8に示すように解読不可能な文字が羅列されるという問題点があった。逆に、ファクシミリ側からバイナリデータをインターネットを通じて送信することもできなかった。
【0006】
また、特開平6−14136号公報および特開平6−78120号公報に開示された発明には、外部記憶装置を含む構成となっているが、このファクシミリ装置自体はインターネットに接続されるものではない。したがって、これらのファクシミリ装置が外部記憶装置を使用して、上記問題点を解決するのは不可能である。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明の目的は、バイナリデータをE−mailに添付して送信可能なファクシミリ装置を提供することである。
【0008】
請求項2に記載の発明の目的は、バイナリデータが添付されたE−mailを受信して、添付されたバイナリデータを記録媒体に記録することが可能なファクシミリ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のファクシミリ装置は、原稿のイメージを読取るための読取手段と、バイナリファイルを記憶するための外部記憶手段と、外部記憶手段に記憶されたバイナリファイルをエンコードし、エンコードされたバイナリファイルを読取手段によって読取られたイメージデータに添付してE−mailとして出力するための添付手段と、インターネットに接続され、添付手段から出力されたE−mailを送信し、かつインターネットからデータを受信するための通信手段と、通信手段によって受信されたデータをプリントアウトするためのプリント手段とを含む。
【0010】
添付手段は、バイナリファイルをエンコードし、読取手段によって読取られたイメージデータにエンコードされたバイナリファイルを添付するので、インターネットを介してバイナリファイルを受信側のファクシミリ装置に送信することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載のファクシミリ装置は、原稿のイメージを読取るための読取手段と、バイナリファイルを記憶するための外部記憶手段と、インターネットに接続され、読取手段によって読取られたイメージデータを送信し、かつインターネットからエンコードされたバイナリファイルが添付されたE−mailを受信するための通信手段と、通信手段が受信したE−mailに添付されたエンコードされたバイナリファイルをデコードし、外部記憶手段に格納するための格納手段と、通信手段によって受信されたE−mailをプリントアウトするためのプリント手段とを含む。
【0012】
格納手段は、通信手段が受信したE−mailに添付されたエンコードされたバイナリファイルをデコードして外部記憶手段に格納するので、送信側ファクシミリ装置から受信したバイナリファイルを保存することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の外観を示す図である。ファクシミリ装置は、読取るための原稿を1枚ずつ読取部に搬送するための原稿給紙トレイ1、読取った原稿を排紙するための原稿排紙トレイ2、受信したデータをプリントアウトした記録紙を排紙するための記録紙排紙トレイ3、受信したデータをプリントアウトするための用紙を供給するための記録紙供給トレイ4、ファクシミリ装置を操作するための操作パネル5、フロッピィディスクまたは光磁気ディスク等の記録媒体を挿入するための外部記憶装置挿入口6、および記録媒体を取出すための外部記録装置取出ボタン61を含む。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の接続方法を説明するための図である。図2(a)は、A社に設置されたE−mailアドレスがnagata@a.co.jpのファクシミリ装置と、B社に設置されたE−mailアドレスがtanaka@b.co.jpのファクシミリ装置とが専用回線を介してインターネットに接続されていることを示している。
【0015】
図2(b)は、A社に設置されたE−mailアドレスがnagata@a.or.jpのファクシミリ装置が一般電話回線およびプロバイダcを介してインターネットに接続され、B社に設置されたE−mailアドレスがtanaka@b.co.jpのファクシミリ装置が専用回線を介してインターネットに接続されているのを示している。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。ファクシミリ装置は、ファクシミリ装置の操作を行なうための操作パネル5、ファクシミリ装置全体の制御を行なうための中央制御部31、原稿のイメージを読取るための読取部32、デコードされたバイナリデータを格納するための外部記憶装置33、制御プログラムや受信したデータ等を記憶するためのメモリ部34、記録紙に受信したイメージデータをプリントアウトするためのプリント部35、およびインターネットに接続されE−mailの送受信を行なうための通信制御部36を含む。
【0017】
図4は、操作パネル5の上面図である。操作パネル5は、E−mailアドレスが登録されているワンタッチダイアルキー52、バイナリファイル名等を表示するための表示部53、表示部53に表示されたカーソルを移動するためのカーソルキー54、表示部53に表示されたメッセージに応答するためのYesキー55、およびインターネットにログオンするためのログオンキー56を含む。
【0018】
図5は、読取部32の概略構成を示す図である。読取部32は、原稿11がセットされる原稿給紙トレイ1、原稿給紙トレイ1にセットされた原稿を1枚ずつ搬送するための給紙ローラ12、搬送された原稿のイメージを読取るためのイメージセンサ13、イメージセンサ13が原稿のイメージを読取る際に原稿を移動するための読取ローラ14、読取った後の原稿を搬送するための搬送ローラ15、読取った後の原稿を排紙するための排紙ローラ21、および読取った後の原稿が排紙される原稿排紙トレイ2を含む。
【0019】
インターネットのE−mailは原則的には、テキストデータの送受信しかできない。しかし、テキストデータの他にグラフィックデータ、ワードプロセッサや表計算ソフトで作成したバイナリデータを送信する場合、そのバイナリファイルを一度テキストデータにエンコードしてE−mailの添付ファイルという形式で送受信することが可能である。バイナリファイルをテキストデータにエンコードする方法として、Base64,BinHex,uuencode等のソフトウェアが一般に使用されている。本発明のファクシミリ装置は、これらのソフトウェアによってバイナリファイルと特定フォーマットに変換された原稿イメージとをテキストデータにエンコードし、E−mailの添付ファイルという形式で送信し、受信側のファクシミリ装置はエンコードされたテキストデータをバイナリファイルに変換して保存するものである。デコードされたバイナリデータは、外部記憶装置33に格納される。
【0020】
ファクシミリ装置は、インターネットを介してE−mailを受信する場合に、自身のファクシミリ装置のメールアカウントが登録されているメールサーバにアクセスし、自身のE−mailアドレス宛のE−mailがあるか否かを確認し、ある場合にはメールサーバからダウンロードするという手順を踏む。
【0021】
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の送信の処理手順を説明する。まず、操作者は原稿11を原稿給紙トレイ1にセットし(S10)、送信先のメールアドレスが登録されているワンタッチダイアルキー52を押す(S11)。原稿給紙トレイ1にセットされた原稿11は、給紙ローラ12によってピックアップされ、イメージセンサ13まで搬送されてその原稿11のイメージが読取られる。読取られた原稿11のイメージは光電変換された後、特定のフォーマット(pict,TIFF等)に変換されてメモリ部34に格納される(S12)。
【0022】
次に、一緒に送信したいファイルがない場合には(S13,No)、ステップS18へ進む。添付ファイルがある場合には(S13,Yes)、外部記憶装置33に記録媒体(フロッピィディスク、光磁気ディスク等)があるか否かを判定する(S14)。外部記憶装置33に記録媒体がない場合には(S14,No)、操作者は外部記憶装置33に記録媒体を挿入する(S15)。
【0023】
中央制御部31は、外部記憶装置33に挿入された記録媒体からファイル名を読出して操作パネル5の表示部53に表示する。操作者はカーソルキー54を操作して添付したいファイルを選択し、Yesキー55を押す(S16)。
【0024】
中央制御部31は、通信制御部36を制御してインターネット上のメールサーバに接続する(S17)。中央制御部31は、メモリ部34に一時格納していた特定フォーマットに変換された原稿11のイメージを読出す。そして、操作者によって指示された外部記憶装置33内の記録媒体に格納されるバイナリファイルと特定フォーマットに変換された原稿イメージとを初期設定時に指定されていた方式に従ってテキストデータにエンコードする(S18)。中央制御部31は、エンコードしたデータをE−mail(特定フォーマットに変換された原稿のイメージ)に添付して、送信を行なう。そして、送信が終了すればメールサーバとの接続を切る(S19)。
【0025】
以上の説明は、図2(a)に示す専用回線を介してファクシミリ装置がインターネットに接続されている場合であったが、図2(b)に示すようにファクシミリ装置がプロバイダcを介してインターネットに接続されている場合には、メールサーバに接続する前にプロバイダcにダイアリングし、ログインしてから送信を開始する。この場合に、ワンタッチダイヤルキー52には、プロバイダの電話番号と接続するためのスクリプトと送信先のE−mailアドレスが登録されている。
【0026】
図7は、本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の受信における処理手順を示すフローチャートである。まず、ファクシミリ装置はインターネット上のメールサーバにログインし、自身のアドレス宛のE−mailがあるか否かを判定する。
【0027】
自身のアドレス宛のE−mailがなければ(S21,No)、処理を終了する。また、自身のアドレス宛のE−mailがある場合(S11,Yes)、そのE−mailをダウンロードし、メモリ部34に格納する(S22)。
【0028】
受信したE−mailに添付ファイルがない場合は(S23,No)、ステップS29へ進む。また、E−mailに添付ファイルがある場合(S23,Yes)、外部記憶装置33に記録媒体が挿入されているか否かを判定する(S24)。
【0029】
外部記憶装置33に記録媒体が挿入されている場合には(S24,Yes)、ステップS27へ進む。また、外部記憶装置33に記録媒体が挿入されていない場合(S24,No)、操作者に対して外部記憶装置33に記録媒体を挿入するための指示を行なう(S25)。操作者が、外部記憶装置33に記録媒体を挿入した場合には(S26)、次のステップS27へ進む。
【0030】
中央制御部31はメモリ部34に一時格納していたE−mailを読出し、添付ファイルを所定の形式でデコードし(S27)、そのデコードされたデータを外部記憶装置33内の記録媒体に記録するとともに(S28)、プリント部35にテキストデータをプリントアウトするよう指示を出す。プリント部35は、記録紙給紙トレイ4から記録紙をピックアップして搬送し、テキストデータをプリントアウトして記録紙排紙トレイ3に排出する(S29)。
【0031】
また、ファクシミリ装置に、エンコード形式のデコーダの機能が搭載されていない場合には、添付ファイルをエンコードされた状態のまま外部記憶装置33内の記録媒体に記録する。記録媒体に記録されたデータは、たとえばパーソナルコンピュータに読込ませることによって、デコードのためのユーティリティソフトで元のバイナリデータに戻すことが可能である。
【0032】
また、ファクシミリ装置は、受信時にインターネット上のメールサーバにログオンするタイミングは、一定周期であり、その周期は数十分間隔で行なうように設定することができる。さらには、ログオンキー56を押下することによって、マニュアルによってもインターネット上のメールサーバにログオンできるようになっている。
【0033】
以上説明したように、本発明のファクシミリ装置は、インターネットに接続でき、E−mailに添付されたバイナリファイルを外部記憶装置に保存することが可能となった。また逆に、バイナリファイルをエンコードし、画像データとともにE−mailの添付物として送信することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置のインターネットに接続する方法を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の操作パネルの上面図である。
【図5】本発明の実施の形態における読取部32の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の送信時における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態におけるファクシミリ装置の受信時における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】従来のファクシミリ装置がバイナリデータをプリントアウトした一例を示す図である。
【符号の説明】
1 原稿給紙トレイ
2 原稿排紙トレイ
3 記録紙排紙トレイ
4 記録紙給紙トレイ
5 操作パネル
6 外部記憶装置挿入口
31 中央制御部
32 読取部
33 外部記憶装置
34 メモリ部
35 プリント部
36 通信制御部
Claims (2)
- 原稿のイメージを読取るための読取手段と、
バイナリファイルを記憶するための外部記憶手段と、
前記外部記憶手段に記憶されたバイナリファイルをエンコードし、該エンコードされたバイナリファイルを前記読取手段によって読取られたイメージデータに添付してE−mailとして出力するための添付手段と、
インターネットに接続され、前記添付手段から出力されたE−mailを送信し、かつ前記インターネットからデータを受信するための通信手段と、
前記通信手段によって受信されたデータをプリントアウトするためのプリント手段とを含むファクシミリ装置。 - 原稿のイメージを読取るための読取手段と、
バイナリファイルを記憶するための外部記憶手段と、
インターネットに接続され、前記読取手段によって読取られたイメージデータを送信し、かつ前記インターネットからエンコードされたバイナリファイルが添付されたE−mailを受信するための通信手段と、
前記通信手段が受信したE−mailに添付されたエンコードされたバイナリファイルをデコードし、前記外部記憶手段に格納するための格納手段と、
前記通信手段によって受信されたE−mailをプリントアウトするためのプリント手段とを含むファクシミリ装置。
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