JP3600245B2 - カード用プリンタおよびこれを用いたカード印刷方法 - Google Patents
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Description
「技術分野」
本発明は、各種のカードの表面に対してカラー印刷を行うことができるカード用プリンタ、およびこれを用いたカード印刷方法に関する。
「背景技術」
近年においては、たとえば、IDカード、クレジットカード、セキュリティカード、メンバーズカード、キャッシュカードといったように、取引のための個人識別を目的とした各種のカード類が発行されている。これらのカード類は、ユーザが各種カードを携行する場合の便宜を図る等のために、どのカードも一定の大きさに標準化されるにいたっている。これに伴い、たとえば、運転免許証を上記の標準化された大きさのカード態様とする計画が進んでいるほか、会社や学校等において発行する社員証や学生証をも上記のように標準化された大きさのカードとする態様とする計画もある。
また、現状におけるクレジットカードあるいはキャッシュカードは、記号や文字情報の一部をたとえばエンボス処理によってカード表面から物理的に浮き上がらせるように形成する必要があるため、ポリエチレン等の厚手の素材で形成されているが、たとえばプリペイドカードやテレホンカードのように機能的には磁気情報のみで事足りるカードの場合には、比較的薄手のカードとしている。
現在比較的厚手のカード素材を用いているカード類についても、携行性をさらに高める等のために、テレホンカードのような薄手のカード素材を用いるようになる可能性がある。
ところで、個人識別または個人証明を目的とするカード類については、各カード上に個別情報を担持させる必要がある。IDカードや運転免許証、あるいは社員証または学生証では、各カード毎に所有者の顔写真を担持させる必要がある。したがって、このようなカード類の表面への印刷は、一定の図柄を大量に印刷することを目的とした印刷機によっては行うことができない。
電子情報とされたカラーイメージに基づいてカラー印刷を行う技術として、昇華型のインクリボンを使用し、サーマルプリントヘッドを用いて黄色(yellow)、赤色(magenta)、青色(cyanine)、あるいはこれに加えて黒色(black)の順に色彩を重ねてゆくものがある(たとえば特開昭61−43871号公報、実開昭60−5856号公報、特開昭62−11370号公報等)。このような技術によれば、カラーイメージ情報を変更することにより、異なったカラーイメージを適宜印刷することができる(以下、各色彩を単にY、M、CまたはBと表すことがある。)。
しかしながら、上記特開昭61−43871号公報または実開昭60−5856号公報に示された技術では、薄手のシートに対してカラー印刷を行うことができても、そのままではカード類に印刷を行うことができない。また、上記特開昭62−11370号公報に示された技術は、カード類にカラー印刷を行うためのアイディアが一応開示はされているが、カード類にカラー印刷を行うためのプリンタを構成する場合において実際上問題となるカード類の連続搬送機構、印刷時のカード類の保持機構、印刷後のカード類の排出機構等の具体的構成が全く記載されておらず、そのままでは到底実用化することができないし、前述のような厚みの異なるカード類に対して適切に対応してこれにカラー印刷を行うことは不可能である。
したがって、本発明の目的は、厚みや材質の異なるカード類に対して適切にカラー印刷を行うことができるカード用プリンタを提供することである。
本発明の他の目的は、カード類のほぼ全面にカラー印刷を行うことができるカラー用プリンタおよびこれを用いたカード印刷方法を提供することである。
「発明の開示」
本発明の第1の側面により提供されるカード用プリンタは、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード供給機構は、複数枚のカードを積層状態で収容するカードストッカからカードを1枚ずつ前方に送り出す初期送り出しローラと、この初期送り出しローラよりも前方においてカード搬送経路を上下に挟むように配置された複数個の中間送りローラとを備え、この中間送りローラの一部または全部は、上記カード搬送経路と交差する方向に移動可能であるとともに、上記カード搬送経路に向けて付勢されており、かつ、上記初期送り出しローラが正逆双方向の回転駆動力を与えられる送り出しローラ軸に正方向ワンウェイ支持されており、
上記送り出しローラ軸の端部には正方向ワンウェイギヤと、逆方向ワンウェイギヤとが並設されており、
上記正方向ワンウェイギヤに噛み合うアイドラギヤと、
上記アイドラギヤと上記逆方向ワンウェイギヤとに同時に噛み合う中間伝動ギヤを取付けた中間伝動軸と、
上記2箇所の各中間送りローラを支軸する各ローラ軸に取付けたプーリと、
上記中間伝動軸に取付けたプーリと、
これら各プーリ間を各プーリが同方向に回転するように掛け回した無端ベルトとをさらに有することにより、上記初期送り出しローラによって送り出されたカードがこの初期送り出しローラから離脱すると、この初期送り出しローラには前方送り駆動力を付与しないように構成されていることを特徴としている。
ここで正方向ワンウェイギヤとは、送り出しローラ軸の正方向回転駆動力のみが伝達されてこの送り出しローラ軸と共回転し、逆方向ワンウェイギヤとは、送り出しローラ軸の逆方向回転駆動力のみが伝達されてこのローラ軸と共回転するように支持されたギヤをそれぞれ意味する。
初期送り出しローラは、積層状態でカードストッカ内に保持されている複数枚のカードのうち、最上位または最下位のカードに接触して回転し、このカードを前方に送り出す。こうしてカードストッカから前方に送り出されたカードは次に、中間送りローラの接触を受けてさらに前方に送られる。本発明にしたがえば、この中間送りローラは、カードの厚みに応じてカード搬送経路と交差する方向に逃げ動しつつ、適正にカードに接触してこれに送り動を与えることができる。したがって、使用するカードの厚みが所定の範囲で変更されても、このカードを問題なくカードストッカから前方へ送り出し、カード保持テーブル上に供給することができる。
こうしてカードが上面に供給されたカード保持テーブルは、所定回数前後方向に往復移動し、たとえばその移動行程の後方に位置する状態から前方へ移動する間に、プリントヘッドが上記カード表面に接触して印刷を行う。カラー印刷の場合、Y、M、C、あるいはこれに加えてBの、4色の色彩を重ねていくことから、上記のカード保持テーブルおよびプリントヘッドによる印刷作動は、3回または4回繰り返される。こうして印刷を終えて移動行程の前方に位置させられたカード保持テーブルから、カード排出機構が印刷済のカードを取り上げ、たとえば送りローラを上記のようにして取り上げたカードに接触させるなどしてこのカードがプリンタ外部へ排出される。
また、送り出しローラ軸に付与される正方向の回転駆動力により、まず、初期送り出しローラが正方向に回転し、上述のようなカードストッカ内の最上位のカードが前方に送り出される。このとき、中間送りローラは、正方向ワンウェイギヤ、アイドラギヤ、中間伝動ギヤ、無端ベルトを介して正方向回転駆動され、上記送り出しローラによって前方に送られて中間送りローラに到達したカードを引き続いて前方に送る。すなわち、中間伝動ギヤと上記正方向ワンウェイギヤとの間にアイドラギヤが介在しているので、中間伝動ギヤは、正方向ワンウェイギヤと同じ正方向に回転させられる。なお、上記中間伝動ギヤは、逆方向ワンウェイギヤにも噛み合っているため、この逆方向ワンウェイギヤは上記正方向ワンウェイギヤとは逆方向に回転することになるが、正方向に回転する送り出しローラ軸に対して逆方向にフリー回転するだけであって、駆動伝達になんら支障を与えない。
こうして中間送りローラによってカードを前方に所定距離送った時点で、より具体的には、カードの後端が初期送り出しローラを離脱した時点で、送り出しローラ軸の回転方向を正転から逆転に転換する。初期送り出しローラは送り出しローラ軸に対して正方向ワンウェイ支持されているので、送り出しローラ軸は初期送り出しローラに対して逆方向にフリー回転する。こうして、この初期送り出しローラはローラ軸が逆転しているにもかかわらず、静止状態を維持することができるので、この初期送り出しローラが圧接させられる次カードが引き続いて送り出されることはない。
一方、送り出しローラ軸の逆転駆動力は、逆方向ワンウェイギヤから中間伝動ギヤに伝達される。これら二つのギヤはアイドラギヤを介することなく直接的に噛み合っているので、中間伝動ギヤの回転方向は逆方向ワンウェイギヤとは逆、すなわち正方向となる。したがって、上記送り出しローラ軸が逆転している場合であっても、中間伝動ギヤないし各中間送りローラは、依然として正方向に回転させられ、カードは引き続いてさらに前方に送られることになる。その結果、カード供給機構は、カードストッカ内のカードを、順次、次カードを引きずることなく、確実に前方へ送り、カード保持テーブルに供給することができる。
好ましい実施形態においてはさらに、上記カード供給機構において、上記初期送り出しローラとこれを正方向ワンウェイ支持する送り出しローラ軸との間には所定の摩擦抵抗が付与されている。
このようにすれば、送り出しローラ軸を逆転させているとき、初期送り出しローラに弱い逆転駆動力を付与することができるので、次カードの誤供給をより確実に回避することができる。
さらに好ましい実施形態においては、上記カード供給機構は、上記アイドラギヤに噛み合うリバースギヤをさらに有し、このリバースギヤを所定の摩擦抵抗をもって回転支持するリバース軸に取付けたリバースローラを、上記搬送経路の下方において上記搬送経路を移動するカードの下面に接触するように配置している。
このようにすれば、仮に本来搬送するべきカードの下面に次カードが重なり付着して搬送されてきても、この次カードを上記リバースローラによって戻し動させ、これをカードストッカに戻すことができるので、カード保持テーブル上にカードが複数枚重なった状態で供給されてしまう誤搬送をさらに確実に回避することができる。
本発明の第2の側面によって提供されるカード用プリンタは、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記プリントヘッドは、上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、このプリントヘッド支持体は、その下動時、下向きの弾性力によって上記プリントヘッドを上記カードに向けて押圧するように構成されており、
上記プリントヘッド支持体には、プリントヘッドのヘッド面を通過後のインクリボンを案内するリボンガイドローラが配置されており、
上記プリントヘッド支持体ないし上記プリントヘッドは、開閉部材に取付けられており、上記リボンガイドローラは、シャシフレームに取付けられたブラケットに所定距離上下方向に自由移動可能に支持されているとともに、上記プリントヘッド支持体には上記開閉部材の閉動時上記リボンガイドローラにスナップ係合してこれを上記プリントヘッド支持体に対する所定の位置に保持するフック部材が設けられていることを特徴としている。
前後方向に往復移動するように構成されたカード保持テーブルがたとえば前方に移動する間、このカード保持テーブル上のカードにインクリボンを介してプリントヘッドを接触させ、インクリボン上のインクをカード表面上に熱転写することによって各色彩の印刷を行う。カラー印刷を行う場合には、このような動作をY、M、Cの3回、あるいはこれに加えてBの4回繰り返す。上記構成のカード用プリンタにおいては、とくに、上記プリントヘッドが上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、このプリントヘッド支持体は、その下動時、下向きの弾力によって上記プリントヘッドを上記カードに向けて押圧するように構成されている。
好ましい実施形態においては、上下枢動可能に支持されるプリントヘッド支持体が基本的にバネによって下向きに付勢され、回転位置によってカム面までの径長さが異なる回転カムを上記プリントヘッド支持体の適部に当接させることによって上記プリントヘッド支持体を上下動させている。そうして、プリントヘッドがカード保持テーブル上のカードに接触する場合には、上記回転カムがプリントヘッド支持体から離間するようにして、プリントヘッドが弾性的に上記カード表面に接触するようにする。そうすると、カードとして、たとえばポリエチレン等を素材とするキャッシュカードのような厚手のカードであったり、テレホンカードのような比較的薄手のカードであったり、あるいはシート材ともいえる薄手のカードであったりしても、適正な圧力でプリントヘッドを各カード表面に接触させることができ、カードの種類にかかわらず、適正な印刷を行うことが可能となる。
上下動するプリントヘッド支持体に上記リボンガイドローラが配置されているので、プリントヘッド上動時におけるカード表面からのインクリボンの剥離を適切に行うことができる他、インクリボンの弛みを防止し、インクリボンの無駄送りを回避して、インクリボンの効率的使用が達成される。
また、上記開閉部材を開状態とすることによってインクリボンカセットを所定のように装着することができるとともに、開閉部材を閉状態とすることによって自動的に上記リボンガイドローラを上記のようにプリントヘッド支持体に付属させることができ、とくに、インクリボンカセットの交換の取扱い性を保持しつつ、リボンガイドローラを配置することによる上述した利点を享受することができるようになる。
好ましい実施形態においてはさらに、上記インクリボンが上記プリントヘッドの後方側から前方側に送られる場合において、上記プリントヘッド支持体には上記プリントヘッドに対する前方側に前部壁が設けられており、上記リボンガイドローラは、プリントヘッドのヘッド面を通過後上記前部壁に沿って上方に送られた後において上記インクリボンが掛け回るように配置され、上記プリントヘッド支持体の上記前部壁と対向する位置に、上記インクリボンに設けられたマーカを検出する光学センサが設けられている。
このようにすれば、上下動させられるプリントヘッド支持体における前部壁と、光学センサとが前後に対向して配置されるので、プリントヘッド支持体の上下動を担保しつつ、適正距離において光学センサがインクリボン上のマーカを検出することができるようになる。しかも、プリントヘッドのヘッド面を通過した直後位置においてインクリボン上のマーカを検出することができるので、無駄なくインクリボンを各印刷におけるスタート位置に誘導することができる。このことは、インクリボン上の各色領域の長手寸法を必要最小限とすることができることを意味し、効率的なインクリボンの使用が可能となる。
本発明の第3の側面により提供されるカード用プリンタは、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記プリントヘッドは、上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、
上記プリントヘッド支持体には、前後方向に延びる弾性ねじり変形可能なアーム部が設けられており、かつ、このアーム部のねじり変形によって上記プリントヘッドが左右方向幅全長にわたってカード保持テーブル上のカードに平均した圧力で接触するように、左右方向に揺動可能となっていることを特徴とする。
このようにすれば、カードの材質や厚みがまちまちであっても、また、カード保持テーブルの幅方向の水平度に誤差があっても、プリントヘッドの幅方向全長が適正な圧力でカード表面に接触することができ、印刷の品位を高く保持することが可能となる。
本発明の第4の側面により提供されるカード印刷方法は、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード保持テーブルには、上記カード供給機構から送られてくるカードの前端に当接してカードの位置決めを行うとともに、上記カードの前端のクランプ状態と、このクランプ状態を解消して前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるクランプ手段が設けられて構成されるカード用プリンタを用いたカード印刷方法であって、
厚手のカードを使用し、このカードを上面に支持する上記カード保持テーブルを前後往復動させ、このカード保持テーブルを前方に移動させるときに上記プリントヘッドをインクリボンを介してカード表面に接触させてカード表面にその前方部から後方部に向けて印刷を行い、カード保持テーブルを後方に移動させるときに上記プリントヘッドをカード表面から離間させる動作を複数回繰り返し行い、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷を順次行うに際し、少なくともカード保持テーブルが後方に移動させられてから前方に移動させられる一定期間は、上記クランプ手段が前方に逃げ動して非クランプ状態をとるようにすることを特徴とする。
このようにすることにより、カードの前端から後端までを余すところなく全面印刷することができるという、上記したのと同様の利点が得られる。
好ましい実施形態においては、上記印刷方法において、上記プリントヘッドがカード表面から離間している場合に、上記クランプ手段が非クランプ状態をとるときには、上記押圧ローラがカード表面を押圧する。
このようにすることにより、カード保持テーブル上のカードの全面に印刷を行うに必要な行程をカード保持テーブルが移動するいずれかの時点において、上記クランプ手段または押圧ローラのいずれかが常時カードを保持することができるので、カードとして厚手のカードが用いられていることと相まって、カード保持テーブル上でのカードのずれ動を確実に防止することができ、とりわけカラー印刷を行う場合、カード表面への印刷の品位を高度に維持することができる。
本発明の第5の側面により提供されるカード印刷方法は、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード保持テーブルには、上記カード供給機構から送られてくるカードの前端に当接してカードの位置決めを行うとともに、上記カードの前端のクランプ状態と、このクランプ状態を解消して前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるクランプ手段が設けられて構成されるカード用プリンタを用いたカード印刷方法であって、
薄手のカードまたはシートを使用し、このカードまたはシートを上面に支持する上記カード保持テーブルを前後往復動させ、このカード保持テーブルを前方に移動させるときに上記プリントヘッドをインクリボンを介して上記カードまたはシートの表面に接触させて上記カードまたはシートの表面にその前方部から後方部に向けて印刷を行い、カード保持テーブルを後方に移動させるときに上記プリントヘッドをカード表面から離間させる動作を複数回繰り返し行い、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷を順次行うに際し、少なくともカード保持テーブルを前方に移動させてカードまたはシートの表面上に上記プリントヘッドによる印刷を行っている期間は、上記クランプ手段がクランプ状態をとるようにすることを特徴とする。
このようにすることにより、薄手のカードまたはシートに対して印刷を行う場合であっても、常時カードまたはシートの前端部をクランプして前方に引っ張りながらその表面に印刷を行うことができ、カードまたはシートのずれ動を阻止しながら、その前端部を除くほぼ全面にわたる印刷を都合よく行うことができるようになる。
好ましい実施形態においては、上記印刷方法において、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷工程に先立ち、インクリボンの所定領域に準備されたコーティング材を上記プリントヘッドによって上記カードまたはシートの表面上に塗布する工程を設ける。
このようにすれば、カードまたはシートの材質を問わず、適正に昇華型インクリボンを用いたカラー印刷を適正に行うことができる。
さらに好ましい実施形態においては、上記印刷方法において、上記カード保持テーブルを前方に移動させて上記カードまたはシートの表面に上記プリントヘッドによる印刷を行った後、プリントヘッドを所定距離上動させて上記カードまたはシートの表面からインクリボンを剥離させる。
このようにすれば、カードまたはシート面へのインクリボンの付着によるインクリボンの送り不良ないしそれに起因するカード搬送トラブルを確実に防止して、適正な印刷を達成することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のカード用プリンタの一実施例の全体構成を示す断面図である。
図2は、図3のII方向矢視図である。
図3は、カード供給機構の平面図である。
図4は、図3のIV方向矢視図である。
図5は、カード供給機構の主要部の分解斜視図である。
図6は、カード保持テーブル平面図である。
図7は、カード保持テーブル底面図である。
図8は、カード保持テーブルの主要構成の分解斜視図であり、カード保持テーブルをその右後方上面からみた場合の斜視図である。
図9は、カード保持テーブルの作用説明図であり、クランプ爪および位置決め片がテーブル面から突出するとともに、カード突き上げピンがテーブル面から没入している第1の状態を示す。
図10は、カード保持テーブルの作用説明図であり、第1の状態に対してクランプ爪が下動してテーブル面との間にカードの前端を挟圧保持するとともに、カード突き上げピンがテーブル面から没入している第2の状態を示す。
図11は、カード保持テーブルの作用説明図であり、第1の状態に対してクランプ爪がテーブル面の前端から前方に逃げ動している過程を表す。なお、このときも、依然としてカード突き上げピンはテーブル面から没入したままである。
図12は、カード保持テーブルの作用説明図であり、図11に示した状態に対してクランプ爪が前方に逃げ動するだけでなく、高さにおいて、カード面よりも没入しているとともに、依然としてカード突き上げピンはテーブル面から没入したままである第3の状態を示す。
図13は、カード保持テーブルの作用説明図であり、クランプ爪は図12に示したのと同様、前方および下方に逃げ動している一方、カード突き上げピンがテーブル面から突出する第4の状態を示す。
図14は、プリントヘッドの支持構造の変形例を示す要部の斜視図である。
図15は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルはホームポジションをとっている。クランプ爪および位置決め片はテーブル面から突出する第1の状態(図9)をとってカード供給機構から供給されてくるカードを待ち受け、カードが送られてくると位置決め片がカードの前端に当接してその位置決めを行う。
図16が、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルは図15に示すホームポジションから前進しつつ、クランプ爪および位置決め片は第2の状態(図10)をとってカードをテーブル面との間に挟圧保持する。
図17は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルは図16に示した状態からカードの前端がプリントヘッドの発熱ドット列と対応するように後退する。このとき、クランプ爪および位置決め片は第3の状態(図12)をとってカード前端のクランプを解消し、プリントヘッドによるカード前端からの印刷を可能とする。プリントヘッドが下動してカードの前端に接触し、以後、カード保持テーブルが前進する間に所定色の印刷を行う。
図18は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルが図17に示した状態から前進している状態を示す。このとき、クランプ爪および位置決め片は、プリントヘッドとの干渉の心配がないので、再び第2の状態(図10)をとり、カードの前端を挟圧保持する。
図19は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルが移動行程の前端まで前進しており、プリントヘッドがカードの後端部まで印刷している。
図20は、印刷作動説明図であり、図19に示した状態からプリントヘッドが上動している。この場合の上動高さは、図15、図16に示されている高さよりも高く、これにより、カード表面に対するインクリボンの剥離を確実に行う。
図21は、印刷作動説明図であり、重ね印刷における最終色の印刷終了間際の状態を示す。このとき、クランプ爪および位置決め片が前方に逃げ動するとともに突き上げピンがテーブル面から突出する第4の状態(図13)をとり、カードの前端部がテーブル面から持ち上げられる。また、このとき、カード排出機構は、下動状態をとる。
図22は、印刷作動説明図であり、図21に示す状態からカード保持テーブルがさらに前進した状態を示す。カード排出機構のカードすくい上げガイド板が上記のようにしてテーブル面から持ち上げられたカード前端をすくい上げ、引き続いて送りローラがこのカードを排出口に送り出す。
「発明を実施するための最良の形態」
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明のカード用プリンタ10の一実施形態の全体構成の概要を示すための概略縦断面図である。このカード用プリンタ10は、カードストッカ21内に積層状態で収容保持された複数枚のカードKを1枚ずつ前方(図1において左方)に送り出してカード保持テーブル60上に供給し、こうしてカードKを保持したカード保持テーブル60を前後方向に複数回往復移動させる間にプリントヘッド90によってY、M、C、あるいはこれに加えてBによる印刷を重ねて行い、印刷済のカードを取り上げてさらに前方に送り排出するという概略作動を行うものである。本明細書では、カードストッカ21内のカードKを一枚ずつ取り出してこれを前方に送り、カード保持テーブル上に供給するまでの作動を行う機構をカード供給機構20といい、こうして供給を受けたカードKを上面に保持し、前後方向に往復移動する機構をカード保持テーブル60といい、印刷済のカードをカード保持テーブル60から取り上げてさらに前方に送り排出する機構をカード排出機構120という。
図1に示すように、プリンタ本体ハウジング11の後方部(図1の右方)に上記カード供給機構20が配置され、このカード供給機構20からのカード供給を受けたカード保持テーブル60はプリンタ本体ハウジング内の中間部ないし前方部(図1の左方)間を往復移動する。そして、上記カード排出機構120は、本体ハウジング11内の前方部に配置されている。
上記カード保持テーブル60の上方に対向するようにして、開閉蓋12に取付け支持されたプリントヘッド90が設けられる。また、供給側ロール15aから繰り出されたインクリボンRが上記プリントヘッド90の下方を回って巻取りロール15bに巻き取られるように構成されたリボンカセット15が、本体ハウジング11に定位置において着脱可能に保持されている。
本体ハウジング11の後方部には、上部開放矩形ボックス状のカードストッカ21が、本体ハウジング11の後面に形成された開口部から引き出し式に装填される。このカードストッカ21には、複数枚のカードKが積層状態において収納される。このカード積層体K'は、その下面を弾性的に押すことによって、常時上方に向けて付勢される。本実施形態においては、カードストッカ21の前壁21aに設けたスリット21bから軸22,22を中心として揺動する前後のリンクアーム23,23をカードストッカ21内に延入させ、このリンクアーム23,23の端部の押圧プレート24をピン接合してなる平行四辺形リンク25を、常時図1における矢印A方向に付勢することにより、上記したカード積層体K'に対する上方付勢を実現している。この平行四辺形リンク25は、カードストッカ21内にカードKが満杯のときには、図1に実線で示すように、押圧プレート24が下方に位置し、カードKが消費されてカード積層体K'の厚みが減少するにしたがって、図1に仮想線で示すように、押圧プレート24が上動するようになり、カード残量にかかわらず所定の弾力でカード積層体K'を上方に向けて弾力付勢できるようにしている。
上記平行四辺形リンク25に対する弾力付勢は、図2に表れているように、上記軸22,22に連結した作動アーム26,26に前後方向に延びるリンク27を連結し、このリンク27をバネ28によって後方に牽引することによって得ている。上記リンク27の後端には、軸29を中心として揺動しうるベルクランク30の一端がピン連結されており、このベルクランクのレバー30aを押下することにより、強制的に上記リンク27をバネ28の弾力に抗して前方移動させ、これによって平行四辺形リンク25を図1に実線で示した状態、すなわち押圧プレート24が下方に位置する状態とすることができるようにしてある。図示しないラッチ機構により、このようにして平行四辺形リンク25をその押圧プレート24が下動した状態に保持できるようになっており、この状態において、上記カードストッカ21を挿脱することができる。カードストッカ21が空になった場合、上記のようにして空のカードストッカ21を取り出し、カードを満杯にした新たなカードストッカを装填する。こうして新たなカードストッカ21が装填されるとき、このカードストッカ21の前壁の適部が図示しないラッチ解除レバーを揺動させ、平行四辺形リンク25の保持が解除されてこれに弾力付勢力が与えれる。
上記カード積層体K'の最上位のカードKの前方部上面に接触するようにして、初期送り出しローラ31が配置される。この初期送り出しローラ31は、左右のフレーム壁13,13間を掛け渡すように両端部が支持された送り出しローラ軸31aに、正方向ワンウェイ支持されている。本明細書では、正方向とは、カードKを前方に送る方向をいい、逆方向とは、その反対方向をいう。正方向ワンウェイ支持とは、送り出しローラ軸31aの正方向回転のみが上記初期送り出しローラ31に伝達されるように支持されていることを意味する。すなわち、上記送り出しローラ軸31aが正方向(図1において時計回り方向)に回転する場合はその回転駆動力が初期送り出しローラ31に伝達されるが、送り出しローラ軸31aが逆方向(図1において反時計回り方向)に回転する場合は、その回転力は初期送り出しローラ31には伝達されない。
上記送り出しローラ軸31aの右端部に取付けられたギヤ32は、図2および図5に示されているように、DCモータ33の出力軸に取付けられたギヤ34に対して中間アイドラギヤ35を介して連繋されている。DCモータ33は、正逆双方向に回転可能であり、したがって、上記送り出しローラ軸31aもまた正逆双方向に回転駆動される。
上記初期送り出しローラ31は、上記送り出しローラ軸31aを正方向に回転駆動することによって正方向に回転させられ、これにともなってカードストッカ21内の最上位のカードKが前方に送り出される。
上記初期送り出しローラ31によって前方に送られるカードKは、引き続いて、第1中間送りローラ36と、それよりも前方側に配置された第2中間送りローラ37によってさらに前方に送られる。これら第1および第2中間送りローラ36,37は、カードKの上面に接触して回転しつつこのカードKを前方に送るようになっており、しかも、上下方向に移動可能であるとともに常時下方向に付勢されている。また、第1中間送りローラ36の下方に対向するようにして、リバースローラ38が配置されるとともに、第2中間送りローラ37に対して下方に対向するようにしてバックアップローラ39が配置されている。また、リバースローラ38と上記バックアップローラ39との間には、カードKを摺動支持するガイド板40が配置されている。
上記リバースローラ38およびバックアップローラ39は、定位置において回転可能に左右のフレーム壁13,13間を掛け渡した軸に支持されているが、前述したように、第1および第2中間送りローラ36,37は、下方に向けて弾力付勢しつつ上下動可能に取付けられている。本実形態では、これを次のようにして構成している。
図1ないし図4に表れているように、左右のフレーム壁13,13を掛け渡すようにして、伝動軸41が回転可能に支持されており、同時に、この伝動軸41に対して、前方に延びる第1アーム42の基端が回動可能に支持される。第1アーム42の先端部には、軸43を介して第2アーム44がその中間部において揺動可能に支持されている。そして、この第2アーム44の前後部に、それぞれ、伝動軸36a,37aを介して上記第1中間送りローラ36および第2中間送りローラ37がそれぞれ支持される。そして、第1アーム42が、バネ45によって、矢印B方向に、すなわち第1アーム42の先端部が下方向に向けて回動するように付勢される。
これにより、上記第1中間送りローラ36および第2中間送りローラ37が、いわゆるイコライザ機能をもって常時下方に向けて、すなわち、それぞれが対向するリバースローラ38およびバックアップローラ39に向けて付勢されることになる。
上記第1および第2中間送りローラ36,37の正方向回転、および、上記リバースローラ38の逆方向回転は、次に説明するように、上記初期送り出しローラ31を回転駆動するためにのDCモータ33の出力によって得ている。
図1ないし図5に示すように、上記送り出しローラ軸31aの左端部には、内側の正方向ワンウェイギヤ46aと、外側の逆方向ワンウェイギヤ46bとが並設されている。正方向ワンウェイギヤ46aは、送り出しローラ軸31aの正方向回転のみが伝達されて正方向に回転する機能をもつものであり、逆方向ワンウェイギヤ46bは、送り出しローラ軸31aの逆方向回転のみが伝達されて逆方向に回転する機能をもつものである。上記のように第1アーム42を回転可能に支持する伝動軸41の左端部には、伝動ギヤ47が取付けられており、この伝動ギヤ47は、上記外側の逆方向ワンウェイギヤ46bに噛み合っている。また、フレーム壁13には、上記伝動ギヤ47と上記内側の正方向ワンウェイギヤ46aとに同時に噛み合うアイドラギヤ48が固定軸48aを介して取付けられている。また、左右のフレーム壁13,13を掛け渡すようにして回転可能に支持されたリバースローラ軸38aの左端部には、フリクションクラッチ機構49を介してリバースギヤ50が相対回転可能に支持されており、このリバースギヤ50は、上記アイドラギヤ48に噛み合っている。
上記送り出しローラ軸31aが正方向に回転駆動させられると、正方向ワンウェイギヤ46aが正方向に回転し、この回転は、アイドラギヤ48を介して伝動ギヤ47に伝達される。この場合、アイドラギヤ48が介在していることから、伝動ギヤ47の回転方向は、正方向ワンウェイギヤ46aと同じ方向、すなわち、図1、図4および図5において時計回り方向となる。このとき、逆方向ワンウェイギヤ46bもまた上記伝動ギヤ47に噛み合っているため、逆方向にフリー回転する。
一方、上記送り出しローラ軸31aが逆方向に回転駆動させられると、これにともなって外側の逆方向ワンウェイギヤ46bが逆方向、すなわち、図1、図4および図5において反時計回り方向に回転させられ、この回転力は、この逆方向ワンウェイギヤ46bに直接噛み合う上記伝動ギヤ47に伝達される。逆方向ワンウェイギヤ46bと伝動ギヤ47の回転方向は互いに逆となり、したがって、この場合も、上記伝動ギヤ47は、図1、図4および図5において時計回り方向、すなわち、カード搬送の意味において正方向回転することになる。
このように、上記送り出しローラ軸31aが正方向に回転駆動されるときも、逆方向に回転駆動されるときも、伝動ギヤ47ないしこれを支持する伝動軸41は、常に正方向に回転させられる。だたし、上記送り出しローラ軸31aに対して初期送り出しローラ31は正方向ワンウェイ支持されているので、送り出しローラ軸31aが逆方向に回転駆動されているときには、この初期送り出しローラ31は逆方向に回転することはなく、カードストッカ21内の最上位のカードKに対する押圧接触関係において、非回転状態を維持する。
上記アイドラギヤ48に噛み合うリバースギヤ50の回転方向は、図4および図5において伝動ギヤ47と同じ時計回り方向であるが、このリバースギヤ50が支持されるリバースローラ軸38aは、カード搬送経路の下方に位置するため、このリバースギヤ50は、カード搬送の意味において逆方向回転となる。このリバースギヤ50とリバースローラ軸38aとの間には、前述したように、フリクションクラッチ機構49が介在しているので、リバースローラ軸38aには、一定以下のトルクの逆方向回転力が伝達される。このリバースローラ38の意義については、後述するカード供給機構20全体の作動説明において述べる。
上記伝動ギヤ47および伝動軸41の正方向回転は、ベルト・プーリ伝動機構によって、上記第1中間送りローラ36および第2中間送りローラ37に伝達される。図3に示すように、上記伝動軸41の右端部には、歯付きプーリ51が取付けられ、上記第1中間送りローラ36の伝動軸36aおよび第2中間送りローラ37の伝動軸37aの各右端部にも、それぞれ歯付きプーリ36b,37bが取付けられる。そして、第1アーム42に対して第2アーム44の中間部を揺動支持するための軸43の右端部には、ベルトローラ52が回転可能に支持される。
これら各歯付きプーリ51,36b,37bおよびベルトローラ52には、図2あるいは図5に表れているようにして、歯付き無端ベルト53が掛け回される。すなわち、伝動軸41の歯付きプーリ51に掛け回されたベルト53の外面が上記ベルトローラ52に掛け回された後、第1中間送りローラ軸36aの歯付きプーリ36bおよび第2中間送りローラ軸37aの歯付きプーリ37bを順次掛け回された後、上記伝動軸41の歯付きプーリ51に到るように掛け回される。したがって、この無端ベルト53が掛け回される3つの歯付きプーリ51,36b,37bないしこれらが取付けられる軸41,36a,37aは、全て同方向、すなわち、カード送りの意味において正方向に回転させられる。また、上記ベルトローラ52が第1アーム42と第2アーム44とを相互揺動連結する軸43に取付けられていることから、第1アーム42に対して第2アーム44が揺動しても、無端ベルト53の張力はほとんど変化しないようになっている。
なお、図2および図4において符号54は、カードKの先端を検知するセンサを示し、図1および図3において符号55は、カードストッカ21内のカードがなくなったことを検知するためのエンプティセンサを示す。
上記カード供給機構20は、次のように作動する。
印刷作動指示が発せられると、初期送り出しローラ軸31aが正方向に回転駆動され、これにともなって初期送り出しローラ31が正方向に回転する。この初期送り出しローラ31はカードストッカ内の最上位のカードKの上面に所定の弾力によって接触しているので、最上位のカードKが初期送り出しローラ31の正方向回転によって前方へ送り出される。送り出しローラ軸31aの正方向回転駆動力は、前述のように第1および第2中間送り出しローラ36,37に伝達されていて、これらの中間送り出しローラ36,37もまた正方向に回転しているから、カードKがある程度前方に送られると、まず、第1中間送りローラ36がリバースローラ38にバックアップされたカードKの前端に乗り上げながら、このカードKをさらに前方に送る。次いで、第2中間送りローラ37が、バックアップローラ39にバックアップされたカードKの前端に乗り上げながら、さらにこのカードKを前方に送る。
この場合において、第1および第2中間送りローラ36,37は、イコライザ機能によって平均した弾力によってカードKを押圧しながらこれに送り動を与えるので、カード搬送が円滑に行われる。さらには、これら第1および第2中間送りローラ36,37は、カードの厚みに対応して適正に退避動しつつこのカードKに乗り上げ、かつ適正な押圧力をもって送り動を与えることができるので、カードKの厚みがまちまちであっても、問題なくこのカードを前方へ送ることができる。
カードKの前端を上記センサ54が検知すると、このカードは初期送り出しローラ31を離脱しており、したがってこの初期送り出しローラ31は次に送り出すべきカードの上面に接触する。この時点で、初期送り出しローラ軸31aの回転方向を逆転させる。そうすると、前述したように初期送り出しローラ31には、もはや正方向の駆動力が伝達されず、次に送り出すべき最上位のカードの表面との弾性的な接触関係において静止状態を維持する。したがって、先のカードの送り出しに引きづられるようにして次カードが送り出されることが効果的に回避される。なお、この場合においても、前述したように、第1および第2中間送りローラ36,37は正方向回転を続けるので、カードKはさらに前方に送られ、後述するように、カード保持テーブル60上に受け渡される。
前述したように、第1中間送りローラ36と対向して、リバースローラ38が所定以下のトルクで逆方向回転する。正常なカード送りが行われる場合には、第1中間送りローラ36の回転トルクのほうが大きいので、この第1中間送りローラ36が、上記リバースローラ38の逆方向回転トルクに打ち勝ってカードKを前方に送る。
一方、誤ってカードKが2枚重ねとなって上記第1中間送りローラ36とリバースローラ38との間に挟まれる状態となると、本来搬送するべきカードの下方に重なる次カードが、リバースローラ38の逆方向駆動力によって後方へ引き戻され、カードストッカ21の最上位位置に戻される。この場合、送り出しローラ軸31aが逆方向回転している状態であると、初期送り出しローラ31は、この送り出しローラ軸31aの逆方向回転速度以下の速度であるかぎりにおいて逆方向にフリー回転しうるので、上記リバースローラ38の逆方向回転による次カードの戻し動が阻害されることはない。
上記のようにしてカード供給機構20によって前方に搬送されてくるカードは、次に説明するカード保持テーブル60上の定位置に保持される。
上記カード保持テーブル60は、図6に示すように、カードKを載置するに充分な平面的寸法を有しており、シャシフレーム14の適部に両端部が固定されて前後方向に延びる左右一対のガイドロッド61,61に前後スライド移動可能に支持される。このカード保持テーブル60の側部には、前後に配置されたベルトプーリ62,62(図1)に掛け回された無端ベルト63の適部が連結されており、この無端ベルト63を正逆方向に走行させることにより、上記カード保持テーブル60は上記ガイドロッド61,61に沿って前後方向に往復移動させられる。上記ベルトプーリ62,62の一方は、適当なベルト・プーリ減速機構64(図1)を介してステップモータまたはロータリエンコーダが付設された電動モータの出力軸65aに連結されている。したがって、このモータ65bの回転制御を行うことにより、上記カード保持テーブル60の前後方向の移動状態を所望のように制御することができる。
上記カード保持テーブル60の上面には、合成ゴム板などでできたテーブル面60aが設けられており、裏面が円滑なたとえばプラスチック製のカードを一定の密着力をもってずれ動を回避しつつ保持することができる。
本実施例において、上記カード保持テーブル60は、上記カード供給機構20から搬送されてくるカードKを位置決めしつつ、その前端部をクランプするクランプ手段65と、印刷済のカードを排出する場合にカードKの前端部をテーブル面から持ち上げるべく上記テーブル面の前端部において出没するカード持ち上げ手段66とが設けられる。
上記クランプ手段65は、上記テーブル面60aとの間にカードKの前端部を挟圧保持するクランプ状態と、テーブル面60a上に送られてきたカードの前端部に当接して位置決めする位置決め状態と、テーブル面60aの前端部から前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるようになっている。また、上記カード持ち上げ手段66は、上記クランプ手段65の配置位置の近傍において、突き上げピン67がテーブル面60aから所定高さ突出するカード持ち上げ状態と、この突き上げピン67がテーブル面60aから没入する状態とを選択できるようになっている。
図6ないし図8に示すように、上記クランプ手段65は、上記テーブル面60aの前方部からその前端縁上にオーバハングしうる左右一対のクランプ爪68,68と、カードKの前端縁に当接してその前後方向位置を規定する左右一対の位置決め片69,69とを上端部に設けた略垂直方向に延びるクランププレート70を有する。一方、カード保持テーブル60の下面において、略水平方向に延びる板状リンク部材71がその基端においてピン72によってブラケット73に対して枢動可能に連結されており、この板状リンク部材71の前端が上記クランププレート70の下端部に対してピン74によって枢動可能に連結されている。なお上記ピン74は、板状リンク部材71側に付属しており、このピン74は、上記クランププレート70の下端部に設けた上下方向に延びる長孔74aに係合している。したがって、クランププレート70は、上記板状リンク部材71に対して上記ピン74を中心として枢動可能であるとともに、上記長孔74aが許す範囲において上記板状リンク部材71ないしは上記ピン74に対して上下方向相対移動可能である。
上記板状リンク部材71は、上記ピン74とブラケット73との間に介設された引っ張りコイルバネ75によって常時上方に向けて(ピン72を中心として時計回り方向)付勢されている。また、上記クランププレート70はその裏面から後方突出形成したアーム70aと板状リンク部材71との間に両端を係止されるとともに斜めに配置された引っ張りコイルバネ76によって、常時後方に向けて(ピン74を中心として時計回り方向)付勢されるとともに、板状リンク部材71に対して下方に付勢される。なお、上記後方延出形成したアーム70aは、上記カード保持テーブル60の下面に当接してクランププレート70を所定以上に上方移動しないように、すなわち、上記クランプ爪68,68が所定以上にテーブル面60aから突出しないようにするストッパを兼ねている。また、前述したように、バネ76は、クランププレート70を板状リンク部材71に対して常時下方に向けて付勢するため、通常状態において、図9に表れているように、ピン74が係合する長孔74aの上端がピン74に当接する。
一方、上記突き上げピン67,67は、上記板状リンク部材71を枢支するブラケット73におけるカード保持テーブル60の裏面直下位置において基端がピン77によって枢動可能に連結された、略水平方向に延びるピン支持プレート78の前端に上向きに突出形成されている。カード保持テーブル60およびテーブル面60aには、上記クランプ爪68,68ないし位置決め片69,69を貫通出没させるためのスリット79a,79aに隣接して、上記突き上げピン67,67を貫通出没させるためのスリット79b,79bが形成されている。また、上記ピン支持プレート78は、これを枢支する上記ピン77よりも後方に延びる延出片78aと、上記板状リンク部材71の後方延出片71aとの間に圧縮コイルバネ80を介装することにより、上記突き上げピン67,67がテーブル面60aから没入する方向(ピン77を中心として反時計回り方向)に付勢されている。
上記クランプ手段65および上記カード持ち上げ手段66の作動は、カード保持テーブル60の下面に設置されたモータ81によって回転駆動されるカム82,83によって行われる。
上記各カム82,83は、ブラケット73に支持されたカム軸84に同軸状に取付けられており、カード保持テーブル60の下面に取付けられたモータ81によって正逆方向に回転駆動される(図7および図8参照))。クランプ手段65を作動させるためのカム82は、図9に示すように、所定の中心角を有する円弧カム面82aを有する略扇形に形成されている。そして、このカム82を回転させることにより、上記円弧カム面82aが上記クランププレート70の裏面、および/または、上記板状リンク部材71の上面を押圧することにより、上記クランプ爪68,68に所定の状態をとらせる。
図9に示すように、上記カム82が上記クランププレート70と上記板状リンク部材71のいずれにも当接していないとき、板状リンク部材71がバネ75によって上方に移動しようとし、上記クランププレート70がバネ76によって後方に回動しようとする。したがって、クランププレート70は、上方に移動しようとするとともに後方に回動しようとする。しかし、所定以上の上方移動は上記アーム70aがテーブル60の下面に当接することによって阻止され、後方回動はクランププレート70それ自体がテーブル60の前縁に当接することによって阻止されるので、結局、このとき、クランプ爪68,68およびこれに隣接する位置決め片69,69がテーブル面60aから所定量突出した状態となる。この状態は、テーブル面60aに送られてくるカードの前端に上記位置決め片69,69が当接してカードKの位置決めを行う、位置決め状態である。
ついで、上記の状態からカム82を時計回り方向に回転させてゆくと、図10に示すように、その円弧カム面82aが上記板状リンク部材71を押下する。このとき、カム82はクランププレート70には何らの作用も行わない。したがって、上端にクランプ爪68を有するクランププレート70は、テーブル60の前縁に当接したまま、所定量下方に引き下ろされる。なお、この場合、クランププレート70は、ピン74によって押し下げられるのではなく、前述したように、バネ76の作用によってピン74がクランププレート70側の長孔74aの上端に当接したまま、板状リンク部材71の下動に追従して下動する。かりに上記位置決め状態においてクランプ爪68,68とテーブル面60aとの間にカードKの前端部が入り込んでいると、このカードKは、上記クランプ爪68,68によってテーブル面60aとの間に挟圧保持される。この挟圧保持力は、上記バネ76の弾力によって実質的に得られる。クランプ爪68,68がカードKを挟圧した状態以降は、このクランプ爪68,68ないしクランププレート70は、それ以上の下動を行うことができないが、この場合においては、図10に表れているように、ピン74がクランププレート70側の長孔74aの上端部からカードKの厚みを対応する距離離間した状態となる。このことを換言すると、上記クランプ爪68,68は、カードKの厚み如何にかかわらず、バネ76の弾力によって、所定の挟持力によって、テーブル面60aとの間に挟圧保持することができることを意味する。
逆に、上記クランプ状態から上記カム82を図10の反時計回り方向に回転させてゆくと、カム82による板状リンク部材71に対する押下作動が解除され、いったんクランプ爪68,68がテーブル面60a上に突出する位置決め状態に戻る。そしてさらに上記カム82を図9の反時計回り方向に回転させてゆくと、図11に示すように、上記円弧カム面82aがクランププレート70の裏面を押圧してこのクランプ爪68,68を前方に退避させる。すなわち、このクランププレート70は板状リンク部材71に対してピン74を中心として前方に傾動させられる。また2つのバネ75,76のバランスにより、上記板状リンク部材71もまたピン72を中心として若干下方回動する。このような作動の結果、上記クランプ爪68,68は、前方に逃げ動するだけでなく、若干下動する(図11)。
この状態からさらに上記カム82が図11の反時計回り方向に回転させると、図12に示すように、上記円弧カム面82aがクランププレート70の裏面に当接したまま、上記板状リンク部材71の上面にも当接し、これを所定量押下する。そうすると、図11のように前方に逃げ動したクランプ爪68,68が、テーブル面60aの上面位置よりも下方に没下させられる(図12)。この状態が、クランプ爪68,68がテーブル面60aの前端から逃げる非クランプ状態である。
一方、上記突き上げピン67,67を支持するピン支持プレート78は、前述の圧縮コイルバネ80の弾力により、通常、図9ないし図12に仮想線で示すように、テーブル面60aから没入している。このピン支持プレート78を作動させるためのカム83は、カム軸84から半径方向に延びるアーム状の形態を持っている。したがって、このカム83を回転させてゆくと、一定の回転位置において、このカム83が上記ピン支持プレート78を上方に押し上げ、図13に表れているように、突き上げピン67,67をテーブル面60aから突出させる。
前述したように、上記突き上げピン67,67は、印刷済のカードKの前端部をテーブル面60aから持ち上げるためのものである。したがって、この状態においては、上記クランプ手段65は非クランプ状態をとっている必要がある。同軸上に取付けられる上記二種類のカム82,83は、このようなことを考慮して、相互の回転方向の位置関係が設定される。より具体的には、図13に示すように、クランプ爪68,68が前方に逃げ動しているとともにテーブル面60aよりも下方に没下している状態において、上記突き上げピン67がテーブル面60a上に突出するようにするべきである。
前述のことから判るように、カード保持テーブル60の下面に配したモータ81を回転制御することにより、上記クランプ爪68,68および突き上げピン67,67につき、▲1▼突き上げピン67,67がテーブル面60aから没下していて、クランプ爪68,68およびこれに隣接する位置決め片69,69がテーブル面60a上に突出している位置決め状態(図9に示す第1の状態)、▲2▼突き上げピン67,67がテーブル面60aから没下していて、クランプ爪68,68が下動し、テーブル面60aとの間にカードKの前端を挟圧保持しうるクランプ状態(図10に示す第2の状態)、▲3▼クランプ爪68,68が前方およびテーブル面60aよりも下方に逃げている非クランプ状態(図12に示す第3の状態)、・クランプ爪68,68が上記のように前方および下方に逃げ動していて、突き上げピン67がテーブル面60a上に突出するカード前端部持ち上げ状態(図13に示す第4の状態)を選択することができる。
このような構成を備えるカード保持テーブル60の具体的作動例は、次に説明を行うプリントヘッド90との関連において後述する。
図1についてすでに若干説明したように、上記カード保持テーブル60の上方に対向するようにして、開閉蓋12に取付け支持されたプリントヘッド90が設けられる。より具体的には、開閉蓋12は、軸91周りに開閉回動可能となるようにシャシフレーム14に取付けられたプリントヘッド用ハウジング92の上面に取付けられている。上記プリントヘッド用ハウジング92は、全体として上開放チャンネル状をしていて前方に延び、その中間部下面にはリボンカセット15の供給側ロール部15aを収容する凹部92aが形成され、この凹部92aよりも前方には、下方開口状の角筒部92bが形成されている。
このハウジング92の内部には、前後方向に延びるプリントヘッド支持アーム93が上記軸91を中心として上記ハウジング92内で上下方向相対回動可能に収容されている。このプリントヘッド支持アーム93の前方部には、上記角筒部92bと入れ子関係となって下方に延出する略ボックス状のプリントヘッド支持部93aが形成されている。このプリントヘッド支持部93aの下端部には、サーマルプリントヘッド90'が取付けられている。サーマルプリントヘッド90'は、このプリンタの左右幅方向に発熱ドット列がならぶライン型のものであり、昇華型カラーインクリボンを用いるに適したタイプのものが使用される。図に示す実施例では、カード保持テーブル60上のカードK表面に対して相対的に後方に移動する際に印刷を行うように、このサーマルプリントヘッド90'は、発熱ドット列が形成される前方縁に対して後方縁が浮き上がるようにして、傾斜状に取付けられる。
上記プリントヘッド支持アーム93の中間部には、下方を向く平板状のカムフォロア95が設けられており、上記ハウジング92内にはギヤードモータ96などによって回転させられる回転カム97が設けられる。上記プリントヘッド支持アーム93はバネ98によって上記プリントヘッド用ハウジング92に対して下方に向けて付勢されており、したがって、上記カムフォロア95は、常時上記回転カム97の上方からその外周カム面に当接させられる。
この回転カム97のカムプロファイルは、これが回転するにしたがって上記カムフォロア95に対する当接部の半径長が変化するように形成されており、したがって、上記回転カム97の回転位置を選択することにより、上記プリントヘッド支持アーム93を軸91を中心として上下方向に揺動させ、ひいてはサーマルプリントヘッド90'のカード保持テーブル60に対する高さを選択することができる。具体的には、カード保持テーブル60上に保持されたカードKの表面にサーマルプリントヘッド90'が所定の押圧力で接触する状態と、サーマルプリントヘッド90'がカード面から所定距離離間する状態とを選択することができる。なお、上記サーマルプリントヘッド90'がカードKの表面を押圧する弾力は、上記プリントヘッド支持アーム93を下向きに付勢するバネ98によって得ることが肝要である。このようにすると、使用するカードの厚みに変更があっても、これに対応して、サーマルプリントヘッド90'をカード面に対して適度の圧力で接触させることができる。
なお、上記構成において、プリントヘッド支持アーム93のねじり剛性を所定以下に設定しておき、これにより、上記サーマルプリントヘッド90'が作用方向に揺動しうるようにしておくことが好ましい。このようにすると、たとえカード保持テーブル60のテーブル面60aの幅方向水平度に誤差があったり、カードKの材質や厚みがまちまちであっても、カード保持テーブル60上のカードKに対してサーマルプリントヘッド90'が弾性押圧させられたとき、このサーマルプリントヘッド90'をその幅方向全長にわたって平均した押圧力でカード表面に接触させることができ、押圧力の偏りによる印字不良を回避することができる。
上記のように、サーマルプリントヘッド90'を左右方向に揺動可能とする方策としては、図14に示すように、プリントヘッド支持アーム93に対してサーマルプリントヘッド90'を前後方向軸93bを中心として、所定範囲で自由揺動可能に支持するようにしてもよい。
図1に戻って、上記プリントヘッド支持アーム93の先端部のボックス状プリントヘッド支持部93aの前部壁93a'には、後述するリボンガイドローラ99をスナップ係合保持するための左右一対のフックレバー100が、弾性的に後方退避動可能に取付けられている。一方、シャシフレーム14における左右適部に取付けられたブラケット101におけるガイドスロット101aに両端がスライド支持されたリボンガイドローラ99が設けられる。上記ガイドスロット101aは、上下方向に所定長さ延びるとともに、上方に向かうほど前方に曲げられている。
すでに述べたように、プリンタハウジング側にリボンカセット15が装着される。このリボンカセット15は、後方側にリボン供給ロール15aと、前方側にリボン巻き取りロール15bとを備え、リボン供給ロール15aから繰り出されたインクリボンRが上記リボン巻き取りロール15bに巻き取られるように構成されている。インクリボンRは、黄色(yellow)インク層が形成された領域、赤色(magenta)インク層が形成された領域、青色(cyanine)インク層が形成された領域、あるいはこれに加えて黒色(black)インク層が形成された領域の順でこれらの領域が繰り返しリボン長手方向に配置されたものである。各領域は、1枚のカード表面を印刷するに必要十分な長さをもっている。また、黄色(yellow)インク層が形成された領域が始まる部位には、たとえば光学センサ102によって検出可能なマーカが設けられる。巻き取りロール15bには、回転制御可能なモータ(図示略)が連携されており、各色の印刷における上記カード保持テーブル60上のカードとの相対移動に対応してリボン送りがなされるとともに、各印刷サイクルごとに上記マーカが検出されるスタート位置にリボンを送る。
リボンカセット15がハウジング側に装着されている状態において、開閉蓋12を閉じると、プリントヘッド用ハウジング92の角筒部92bないしその内部に入れ子状に位置するプリントヘッド支持部93aないしこれに取付けられたサーマルプリントヘッド90'が上記リボンカセット15のリボン供給ロール15aとリボン巻き取りロール15bとの間に上方から入り込む。これにより、リボン供給ロール15aからリボン巻き取りロール15bに至る間のインクリボンRがサーマルプリントヘッド90'の下面に掛け回されてこれに接触する状態となる。あわせて、上記フックレバー100が上記リボンガイドローラ99にスナップ係合し、このリボンガイドローラ99を上記ボックス状のプリントヘッド支持部93aの前壁近傍に保持する。これにより、サーマルプリントヘッド90'の下面を通過したインクリボンRは、上記ボックス状のプリントヘッド支持部93aの前壁に沿って上方に向かった後、上記リボンガイドローラ99を掛け回ってリボン巻き取りロール15bに巻き取られるといった走行経路をとる。
このようにすることにより、上記ボックス状のプリントヘッド支持部93aの前壁の下端部、すなわち、サーマルプリントヘッド90'に近い部位と前方に対向するように光学センサ102を配置して、インクリボンR上のマーカを安定かつ確実に検出することが可能となる。これにより、サーマルプリントヘッド90'に近い位置にインクリボンRの各印刷サイクルのスタート位置をとらせることができるので、インクリボン上の各色領域の長手方向寸法を必要最小限とすることができ、これにより、効率的なインクリボンの使用が可能となる。換言すると、一定長さのインクリボン基材に一回の印刷のための各色領域を短い長手寸法内に配置して、印刷可能回数を増大させることができる。
また、上記のハウジング92の角筒部92bに対する後方位置には、シャシフレーム14に両端において上下移動可能に支持され、たとえばソレノイド(図示略)によって上下移動させられる押圧ローラ110が設けられる。この押圧ローラ110が下動位置をとるとき、カード保持テーブル60上のカードKの後方部をテーブル面60aに所定の圧力によって押しつけることができる。
上記インクリボン上のマーカを検出するための光学センサ102が配置される部位にはまた、上記カード供給機構20によって送られてくるカードKの前端部を検出するための光学センサ103が配置される。
本体ハウジング11の前方部には、上記カード保持テーブル60上に保持されてプリントヘッド90による印刷を終えたカードKを排出するためのカード排出機構120が設けられる。このカード排出機構120は、図1に表れているように、軸122を中心として上下方向に揺動可能であり、後方に向けて延出するカードすくい上げガイド板123と、同じく上記軸122を中心として揺動可能であり、前後2か所の送りローラ124,124を支持するローラ支持アーム125とを基本的に備える。上記ローラ支持アーム125は、図示しないバネによって常時下方、すなわち、上記各送りローラ124,124が適度な圧力で上記カードすくい上げガイド板123を押圧するように付勢されている。
上記すくい上げガイド板123は、通常状態においては、前後移動するカード保持テーブル60と干渉しない上動位置をとる。そして、カード排出時、すなわち、突き上げピン67によってカードKの前端部が持ち上げられながらこのカード保持テーブル60がさらに前進する状態においては、上記すくい上げガイド板123は、その後端縁123aが上記持ち上げられたカード前端部とテーブル面60aとの間に入り込むように、下動位置をとる(図21,図22参照)。このすくい上げガイド板123の下動は、たとえば図示しないソレノイドによって行われる。
次に、上記カード保持テーブルへのカード保持およびこうして保持されたカードKに対するプリントヘッド90による印刷作動の例を比較的厚手のカードを用いる場合について説明する。
カード待ち受け状態においては、図15に示すように、カード保持テーブル60は、ホームポジションをとる。このホームポジションにおけるカード保持テーブル60の前後方向位置は、上記カード供給機構20における第2中間送りローラ37からテーブル面60aの前端部までの距離が、カードの全長よりもやや短い適当な距離となるように設定される。また、上記カードKの前端部を検出するための光学センサ103は、ホームポジションによるカード保持テーブル60のテーブル面60aの前端部にカードKの前端が到達したことを検出できるように排出される。カード保持テーブル60の上記ホームポジションへの誘導は、たとえばカード保持テーブル60の適部に設けた遮蔽板60bがシャシフレーム14の適部に設けたフォトインタラプタ111(図1)を遮断した時点でモータ65bを停止することによって行うことができる。このホームポジションからのカード保持テーブル60の前後方向への移動は、モータ65bに付設した回転エンコーダからの信号によってカード保持テーブル60の現在位置を実質的に検出しつつモータを制御することによって所望のように行うことができる。
カード保持テーブル60が上記ホームポジションをとるとき、クランプ爪68および突き上げピン67は、図9に示した第1の状態をとる。すなわち、クランプ爪68,68がテーブル面60aの前端部上にオーバハングするように突出するとともにこれに隣接する位置決め片69,69もまたテーブル面60a上に突出しており、突き上げピン67はテーブル面60aに没入している。サーマルプリントヘッド90'は、テーブル面60aから離間する上動位置をとり、インクリボンは、1回の印刷サイクルの開始状態に巻き上げられ、押圧ローラ110は上動位置をとる。
カード供給機構20からカードKが前方に送られてくると、図9に示されるように、カードの前端は上記クランプ爪68,68とテーブル面60aとの間に入り込むとともに、左右の位置決め片69,69に当接してテーブル上での位置決めが行われる。このとき光学センサ103がカードKの前端を検出し、その信号に基づいてカード保持テーブル60がカード供給機構20によるカード送り速度に同期して上記ホームポジションからいったん前方に移動するとともに、クランプ爪68,68がカードKの前端をテーブル面60aとの間に挟圧保持する(第2の状態。図10参照。)。カード保持テーブル60のこのときの前進は、図16に示すようにカードKの後端が第2中間送りローラ37を離脱するまで続く。こうしてカードK全体がテーブル面上に保持されると、カード保持テーブル60は移動方向を転換して後進を始める。この後進途中において、図16に示すように、上記押圧ローラ100が下動してカードKの後端をテーブル面60aに押しつける。そして、このカード保持テーブル60がその移動行程の後端近くまで後進すると(図1に示す位置まで後進すると)、図17に示すように、上記クランプ爪68,68前方逃げ動し、カードKの前端部上面を開放する(第3の状態。図12参照。)。
次いで図17に示すように、サーマルプリントヘッド90'が下動してカードKの前端部上面に接触し、この接触状態を維持したままカード保持テーブル60が前進し、この間に黄色(yellow)による印刷を行う。前述のようにカードKの前端は上記クランプ爪68,68が前方逃げ動することによって開放されているので、カードKの前端部に接触するサーマルプリントヘッド90'と上記クランプ爪68,68が干渉することがなく、したがって、カードKの全面印刷が可能となる。このようなカード前端部の印刷開始時は、クランプ爪68,68が逃げているが、押圧ローラ110がカードの後方部を押圧しているので、印刷中、カードKが不用意にずれ動くという不具合はない。
カード保持テーブル60がある程度前進してクランプ爪68,68とサーマルプリントヘッド90'との干渉の心配がなくなると、図18に示すように、クランプ爪68,68が再びカードKの前端を挟圧保持する(第2の状態。図10参照。)。そうして、カード保持テーブル60がさらに前進してサーマルプリントヘッド90'がカードKの後端部の印刷を進行しているときには、同じく図18に示すように、上記押圧ローラ110はカードKを押圧することができなくなるので上動位置をとる。
図19に示すように、こうして黄色(yellow)による印刷が終わると、サーマルプリントヘッド90'は図20に示すように、上動し、その間にカード保持テーブル60は上記と同様にして後進位置をとる。なお、カードKの後端部までの印刷が終わった時点でのサーマルプリントヘッド90'の上動は、カード面に付着するインクリボンRを引き剥がすに十分な高さまで上動するようにしておくことが、インクリボンRの送りをよりスムーズに行う上で都合がよい。こうしてインクリボンRのカード表面からの剥離が終わった後は、次回(次の色)での印刷に備えて、カードK表面からわずかに離間した待機位置をとらせる。
以下同様にして、赤色(magenta)、青色(cyanine)、あるいは必要に応じて黒色(black)による色彩重ね印刷を行う。ただし、黒色(black)による印刷終了間際には、図21に示すように、クランプ爪68,68は前方逃げ動させられてカードKの前端部のクランプ状態を解消するとともに、突き上げピン67がテーブル面60a上に突出させられて、カードKの前端部を持ち上げる(第4の状態。図13参照。)。こうして持ち上げられたカードKの前端部をカード排出機構120が取り上げ、プリンタ10の前部排出口121から排出する。
すなわち、色彩重なり印刷を行う場合において、最終色彩印刷を行うべくカード保持テーブル60が前進している段階において、上記カード排出機構120は、図21に示すように下動位置をとっており、この状態において突き上げピン67によって前端部が持ち上げられたカードKを保持するカード保持テーブル60が前進してくると、図22に示すように、上記カードすくい上げガイド板123が印刷済のカードKの前端部をすくい上げる。換言すると、このとき、上記のように持ち上げられたカード前端部は、カード保持テーブル60の前進動にともなって、カードすくい上げガイド板123の上面に沿ってこのすくい上げガイド板123と送りローラ124,124との間に入り込んでゆくのであり、一定量入り込んだ時点で上記送りローラ124,124が積極的にこのカードKを前方に送って排出口121から外部に排出する。
以上、本発明のカード用プリンタの構成、およびこれによる印刷方法の例を述べたが、もちろん、この発明の範囲が上述した実施形態に例に限定されるものではなく、各請求項に規定した事項に意味内での修正ないし設計変更は、全て本発明の範囲に包含される。
カラー印刷方式として、上記した実施例では、昇華型のインクリボンを使用し、Y、M、C、Bによって色彩重ね印刷を行う方式を述べたが、Bは省略してもよいし、また、使用するカードの材質により、Yによる印刷に先立って、昇華型インクがのりやすくするコーティング層を形成するようにしてもよい。また、Bによる印刷の後に、保護層を形成するようにしてもよい。これらコーティング層および保護層の形成は、いずれも、インクリボンに担持させた層状素材をサーマルプリントヘッドによってカード表面上に熱転写することによって行うことができる。
また、上記した印刷方法の例では、厚手のカードKを用いることを前提とし、その前端部の印刷を行う場合にはクランプ手段65に非クランプ位置をとらせるようにしたが、薄手のカードまたはシートを用いる場合であって、クランプ手段に非クランプ位置を取らせることに問題がある場合には、印刷作動中クランプ手段65に常時クランプ状態を取らせるようにすることももちろん本発明の範囲に含まれる。薄手のカードを用いる場合には、その前端部をクランプしながら前方に引っ張りつつプリントヘッドを前方から後方に向けて接触させるのが望ましく、この場合には、常時カードまたはシートの前端部をクランプしておくのが好ましい。
いずれにしても、上記クランプ手段は、カードの厚みにかかわらず、適正に上記カードの前端部をテーブル面との間に挟圧保持することができるのであり、カードの種類が変わっても、問題なく所望のカラー印刷を行うことを可能にしている。
さらに付言すれば、前述した実施形態において、カード供給機構、あるいはカード排出機構は、いずれも、カードの厚みの変更に対応できる構成となっており、実施形態に係るカード用プリンタは、全体として、カードの厚み変更に対応することを可能としている。
本発明は、各種のカードの表面に対してカラー印刷を行うことができるカード用プリンタ、およびこれを用いたカード印刷方法に関する。
「背景技術」
近年においては、たとえば、IDカード、クレジットカード、セキュリティカード、メンバーズカード、キャッシュカードといったように、取引のための個人識別を目的とした各種のカード類が発行されている。これらのカード類は、ユーザが各種カードを携行する場合の便宜を図る等のために、どのカードも一定の大きさに標準化されるにいたっている。これに伴い、たとえば、運転免許証を上記の標準化された大きさのカード態様とする計画が進んでいるほか、会社や学校等において発行する社員証や学生証をも上記のように標準化された大きさのカードとする態様とする計画もある。
また、現状におけるクレジットカードあるいはキャッシュカードは、記号や文字情報の一部をたとえばエンボス処理によってカード表面から物理的に浮き上がらせるように形成する必要があるため、ポリエチレン等の厚手の素材で形成されているが、たとえばプリペイドカードやテレホンカードのように機能的には磁気情報のみで事足りるカードの場合には、比較的薄手のカードとしている。
現在比較的厚手のカード素材を用いているカード類についても、携行性をさらに高める等のために、テレホンカードのような薄手のカード素材を用いるようになる可能性がある。
ところで、個人識別または個人証明を目的とするカード類については、各カード上に個別情報を担持させる必要がある。IDカードや運転免許証、あるいは社員証または学生証では、各カード毎に所有者の顔写真を担持させる必要がある。したがって、このようなカード類の表面への印刷は、一定の図柄を大量に印刷することを目的とした印刷機によっては行うことができない。
電子情報とされたカラーイメージに基づいてカラー印刷を行う技術として、昇華型のインクリボンを使用し、サーマルプリントヘッドを用いて黄色(yellow)、赤色(magenta)、青色(cyanine)、あるいはこれに加えて黒色(black)の順に色彩を重ねてゆくものがある(たとえば特開昭61−43871号公報、実開昭60−5856号公報、特開昭62−11370号公報等)。このような技術によれば、カラーイメージ情報を変更することにより、異なったカラーイメージを適宜印刷することができる(以下、各色彩を単にY、M、CまたはBと表すことがある。)。
しかしながら、上記特開昭61−43871号公報または実開昭60−5856号公報に示された技術では、薄手のシートに対してカラー印刷を行うことができても、そのままではカード類に印刷を行うことができない。また、上記特開昭62−11370号公報に示された技術は、カード類にカラー印刷を行うためのアイディアが一応開示はされているが、カード類にカラー印刷を行うためのプリンタを構成する場合において実際上問題となるカード類の連続搬送機構、印刷時のカード類の保持機構、印刷後のカード類の排出機構等の具体的構成が全く記載されておらず、そのままでは到底実用化することができないし、前述のような厚みの異なるカード類に対して適切に対応してこれにカラー印刷を行うことは不可能である。
したがって、本発明の目的は、厚みや材質の異なるカード類に対して適切にカラー印刷を行うことができるカード用プリンタを提供することである。
本発明の他の目的は、カード類のほぼ全面にカラー印刷を行うことができるカラー用プリンタおよびこれを用いたカード印刷方法を提供することである。
「発明の開示」
本発明の第1の側面により提供されるカード用プリンタは、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード供給機構は、複数枚のカードを積層状態で収容するカードストッカからカードを1枚ずつ前方に送り出す初期送り出しローラと、この初期送り出しローラよりも前方においてカード搬送経路を上下に挟むように配置された複数個の中間送りローラとを備え、この中間送りローラの一部または全部は、上記カード搬送経路と交差する方向に移動可能であるとともに、上記カード搬送経路に向けて付勢されており、かつ、上記初期送り出しローラが正逆双方向の回転駆動力を与えられる送り出しローラ軸に正方向ワンウェイ支持されており、
上記送り出しローラ軸の端部には正方向ワンウェイギヤと、逆方向ワンウェイギヤとが並設されており、
上記正方向ワンウェイギヤに噛み合うアイドラギヤと、
上記アイドラギヤと上記逆方向ワンウェイギヤとに同時に噛み合う中間伝動ギヤを取付けた中間伝動軸と、
上記2箇所の各中間送りローラを支軸する各ローラ軸に取付けたプーリと、
上記中間伝動軸に取付けたプーリと、
これら各プーリ間を各プーリが同方向に回転するように掛け回した無端ベルトとをさらに有することにより、上記初期送り出しローラによって送り出されたカードがこの初期送り出しローラから離脱すると、この初期送り出しローラには前方送り駆動力を付与しないように構成されていることを特徴としている。
ここで正方向ワンウェイギヤとは、送り出しローラ軸の正方向回転駆動力のみが伝達されてこの送り出しローラ軸と共回転し、逆方向ワンウェイギヤとは、送り出しローラ軸の逆方向回転駆動力のみが伝達されてこのローラ軸と共回転するように支持されたギヤをそれぞれ意味する。
初期送り出しローラは、積層状態でカードストッカ内に保持されている複数枚のカードのうち、最上位または最下位のカードに接触して回転し、このカードを前方に送り出す。こうしてカードストッカから前方に送り出されたカードは次に、中間送りローラの接触を受けてさらに前方に送られる。本発明にしたがえば、この中間送りローラは、カードの厚みに応じてカード搬送経路と交差する方向に逃げ動しつつ、適正にカードに接触してこれに送り動を与えることができる。したがって、使用するカードの厚みが所定の範囲で変更されても、このカードを問題なくカードストッカから前方へ送り出し、カード保持テーブル上に供給することができる。
こうしてカードが上面に供給されたカード保持テーブルは、所定回数前後方向に往復移動し、たとえばその移動行程の後方に位置する状態から前方へ移動する間に、プリントヘッドが上記カード表面に接触して印刷を行う。カラー印刷の場合、Y、M、C、あるいはこれに加えてBの、4色の色彩を重ねていくことから、上記のカード保持テーブルおよびプリントヘッドによる印刷作動は、3回または4回繰り返される。こうして印刷を終えて移動行程の前方に位置させられたカード保持テーブルから、カード排出機構が印刷済のカードを取り上げ、たとえば送りローラを上記のようにして取り上げたカードに接触させるなどしてこのカードがプリンタ外部へ排出される。
また、送り出しローラ軸に付与される正方向の回転駆動力により、まず、初期送り出しローラが正方向に回転し、上述のようなカードストッカ内の最上位のカードが前方に送り出される。このとき、中間送りローラは、正方向ワンウェイギヤ、アイドラギヤ、中間伝動ギヤ、無端ベルトを介して正方向回転駆動され、上記送り出しローラによって前方に送られて中間送りローラに到達したカードを引き続いて前方に送る。すなわち、中間伝動ギヤと上記正方向ワンウェイギヤとの間にアイドラギヤが介在しているので、中間伝動ギヤは、正方向ワンウェイギヤと同じ正方向に回転させられる。なお、上記中間伝動ギヤは、逆方向ワンウェイギヤにも噛み合っているため、この逆方向ワンウェイギヤは上記正方向ワンウェイギヤとは逆方向に回転することになるが、正方向に回転する送り出しローラ軸に対して逆方向にフリー回転するだけであって、駆動伝達になんら支障を与えない。
こうして中間送りローラによってカードを前方に所定距離送った時点で、より具体的には、カードの後端が初期送り出しローラを離脱した時点で、送り出しローラ軸の回転方向を正転から逆転に転換する。初期送り出しローラは送り出しローラ軸に対して正方向ワンウェイ支持されているので、送り出しローラ軸は初期送り出しローラに対して逆方向にフリー回転する。こうして、この初期送り出しローラはローラ軸が逆転しているにもかかわらず、静止状態を維持することができるので、この初期送り出しローラが圧接させられる次カードが引き続いて送り出されることはない。
一方、送り出しローラ軸の逆転駆動力は、逆方向ワンウェイギヤから中間伝動ギヤに伝達される。これら二つのギヤはアイドラギヤを介することなく直接的に噛み合っているので、中間伝動ギヤの回転方向は逆方向ワンウェイギヤとは逆、すなわち正方向となる。したがって、上記送り出しローラ軸が逆転している場合であっても、中間伝動ギヤないし各中間送りローラは、依然として正方向に回転させられ、カードは引き続いてさらに前方に送られることになる。その結果、カード供給機構は、カードストッカ内のカードを、順次、次カードを引きずることなく、確実に前方へ送り、カード保持テーブルに供給することができる。
好ましい実施形態においてはさらに、上記カード供給機構において、上記初期送り出しローラとこれを正方向ワンウェイ支持する送り出しローラ軸との間には所定の摩擦抵抗が付与されている。
このようにすれば、送り出しローラ軸を逆転させているとき、初期送り出しローラに弱い逆転駆動力を付与することができるので、次カードの誤供給をより確実に回避することができる。
さらに好ましい実施形態においては、上記カード供給機構は、上記アイドラギヤに噛み合うリバースギヤをさらに有し、このリバースギヤを所定の摩擦抵抗をもって回転支持するリバース軸に取付けたリバースローラを、上記搬送経路の下方において上記搬送経路を移動するカードの下面に接触するように配置している。
このようにすれば、仮に本来搬送するべきカードの下面に次カードが重なり付着して搬送されてきても、この次カードを上記リバースローラによって戻し動させ、これをカードストッカに戻すことができるので、カード保持テーブル上にカードが複数枚重なった状態で供給されてしまう誤搬送をさらに確実に回避することができる。
本発明の第2の側面によって提供されるカード用プリンタは、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記プリントヘッドは、上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、このプリントヘッド支持体は、その下動時、下向きの弾性力によって上記プリントヘッドを上記カードに向けて押圧するように構成されており、
上記プリントヘッド支持体には、プリントヘッドのヘッド面を通過後のインクリボンを案内するリボンガイドローラが配置されており、
上記プリントヘッド支持体ないし上記プリントヘッドは、開閉部材に取付けられており、上記リボンガイドローラは、シャシフレームに取付けられたブラケットに所定距離上下方向に自由移動可能に支持されているとともに、上記プリントヘッド支持体には上記開閉部材の閉動時上記リボンガイドローラにスナップ係合してこれを上記プリントヘッド支持体に対する所定の位置に保持するフック部材が設けられていることを特徴としている。
前後方向に往復移動するように構成されたカード保持テーブルがたとえば前方に移動する間、このカード保持テーブル上のカードにインクリボンを介してプリントヘッドを接触させ、インクリボン上のインクをカード表面上に熱転写することによって各色彩の印刷を行う。カラー印刷を行う場合には、このような動作をY、M、Cの3回、あるいはこれに加えてBの4回繰り返す。上記構成のカード用プリンタにおいては、とくに、上記プリントヘッドが上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、このプリントヘッド支持体は、その下動時、下向きの弾力によって上記プリントヘッドを上記カードに向けて押圧するように構成されている。
好ましい実施形態においては、上下枢動可能に支持されるプリントヘッド支持体が基本的にバネによって下向きに付勢され、回転位置によってカム面までの径長さが異なる回転カムを上記プリントヘッド支持体の適部に当接させることによって上記プリントヘッド支持体を上下動させている。そうして、プリントヘッドがカード保持テーブル上のカードに接触する場合には、上記回転カムがプリントヘッド支持体から離間するようにして、プリントヘッドが弾性的に上記カード表面に接触するようにする。そうすると、カードとして、たとえばポリエチレン等を素材とするキャッシュカードのような厚手のカードであったり、テレホンカードのような比較的薄手のカードであったり、あるいはシート材ともいえる薄手のカードであったりしても、適正な圧力でプリントヘッドを各カード表面に接触させることができ、カードの種類にかかわらず、適正な印刷を行うことが可能となる。
上下動するプリントヘッド支持体に上記リボンガイドローラが配置されているので、プリントヘッド上動時におけるカード表面からのインクリボンの剥離を適切に行うことができる他、インクリボンの弛みを防止し、インクリボンの無駄送りを回避して、インクリボンの効率的使用が達成される。
また、上記開閉部材を開状態とすることによってインクリボンカセットを所定のように装着することができるとともに、開閉部材を閉状態とすることによって自動的に上記リボンガイドローラを上記のようにプリントヘッド支持体に付属させることができ、とくに、インクリボンカセットの交換の取扱い性を保持しつつ、リボンガイドローラを配置することによる上述した利点を享受することができるようになる。
好ましい実施形態においてはさらに、上記インクリボンが上記プリントヘッドの後方側から前方側に送られる場合において、上記プリントヘッド支持体には上記プリントヘッドに対する前方側に前部壁が設けられており、上記リボンガイドローラは、プリントヘッドのヘッド面を通過後上記前部壁に沿って上方に送られた後において上記インクリボンが掛け回るように配置され、上記プリントヘッド支持体の上記前部壁と対向する位置に、上記インクリボンに設けられたマーカを検出する光学センサが設けられている。
このようにすれば、上下動させられるプリントヘッド支持体における前部壁と、光学センサとが前後に対向して配置されるので、プリントヘッド支持体の上下動を担保しつつ、適正距離において光学センサがインクリボン上のマーカを検出することができるようになる。しかも、プリントヘッドのヘッド面を通過した直後位置においてインクリボン上のマーカを検出することができるので、無駄なくインクリボンを各印刷におけるスタート位置に誘導することができる。このことは、インクリボン上の各色領域の長手寸法を必要最小限とすることができることを意味し、効率的なインクリボンの使用が可能となる。
本発明の第3の側面により提供されるカード用プリンタは、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記プリントヘッドは、上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、
上記プリントヘッド支持体には、前後方向に延びる弾性ねじり変形可能なアーム部が設けられており、かつ、このアーム部のねじり変形によって上記プリントヘッドが左右方向幅全長にわたってカード保持テーブル上のカードに平均した圧力で接触するように、左右方向に揺動可能となっていることを特徴とする。
このようにすれば、カードの材質や厚みがまちまちであっても、また、カード保持テーブルの幅方向の水平度に誤差があっても、プリントヘッドの幅方向全長が適正な圧力でカード表面に接触することができ、印刷の品位を高く保持することが可能となる。
本発明の第4の側面により提供されるカード印刷方法は、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード保持テーブルには、上記カード供給機構から送られてくるカードの前端に当接してカードの位置決めを行うとともに、上記カードの前端のクランプ状態と、このクランプ状態を解消して前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるクランプ手段が設けられて構成されるカード用プリンタを用いたカード印刷方法であって、
厚手のカードを使用し、このカードを上面に支持する上記カード保持テーブルを前後往復動させ、このカード保持テーブルを前方に移動させるときに上記プリントヘッドをインクリボンを介してカード表面に接触させてカード表面にその前方部から後方部に向けて印刷を行い、カード保持テーブルを後方に移動させるときに上記プリントヘッドをカード表面から離間させる動作を複数回繰り返し行い、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷を順次行うに際し、少なくともカード保持テーブルが後方に移動させられてから前方に移動させられる一定期間は、上記クランプ手段が前方に逃げ動して非クランプ状態をとるようにすることを特徴とする。
このようにすることにより、カードの前端から後端までを余すところなく全面印刷することができるという、上記したのと同様の利点が得られる。
好ましい実施形態においては、上記印刷方法において、上記プリントヘッドがカード表面から離間している場合に、上記クランプ手段が非クランプ状態をとるときには、上記押圧ローラがカード表面を押圧する。
このようにすることにより、カード保持テーブル上のカードの全面に印刷を行うに必要な行程をカード保持テーブルが移動するいずれかの時点において、上記クランプ手段または押圧ローラのいずれかが常時カードを保持することができるので、カードとして厚手のカードが用いられていることと相まって、カード保持テーブル上でのカードのずれ動を確実に防止することができ、とりわけカラー印刷を行う場合、カード表面への印刷の品位を高度に維持することができる。
本発明の第5の側面により提供されるカード印刷方法は、カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード保持テーブルには、上記カード供給機構から送られてくるカードの前端に当接してカードの位置決めを行うとともに、上記カードの前端のクランプ状態と、このクランプ状態を解消して前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるクランプ手段が設けられて構成されるカード用プリンタを用いたカード印刷方法であって、
薄手のカードまたはシートを使用し、このカードまたはシートを上面に支持する上記カード保持テーブルを前後往復動させ、このカード保持テーブルを前方に移動させるときに上記プリントヘッドをインクリボンを介して上記カードまたはシートの表面に接触させて上記カードまたはシートの表面にその前方部から後方部に向けて印刷を行い、カード保持テーブルを後方に移動させるときに上記プリントヘッドをカード表面から離間させる動作を複数回繰り返し行い、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷を順次行うに際し、少なくともカード保持テーブルを前方に移動させてカードまたはシートの表面上に上記プリントヘッドによる印刷を行っている期間は、上記クランプ手段がクランプ状態をとるようにすることを特徴とする。
このようにすることにより、薄手のカードまたはシートに対して印刷を行う場合であっても、常時カードまたはシートの前端部をクランプして前方に引っ張りながらその表面に印刷を行うことができ、カードまたはシートのずれ動を阻止しながら、その前端部を除くほぼ全面にわたる印刷を都合よく行うことができるようになる。
好ましい実施形態においては、上記印刷方法において、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷工程に先立ち、インクリボンの所定領域に準備されたコーティング材を上記プリントヘッドによって上記カードまたはシートの表面上に塗布する工程を設ける。
このようにすれば、カードまたはシートの材質を問わず、適正に昇華型インクリボンを用いたカラー印刷を適正に行うことができる。
さらに好ましい実施形態においては、上記印刷方法において、上記カード保持テーブルを前方に移動させて上記カードまたはシートの表面に上記プリントヘッドによる印刷を行った後、プリントヘッドを所定距離上動させて上記カードまたはシートの表面からインクリボンを剥離させる。
このようにすれば、カードまたはシート面へのインクリボンの付着によるインクリボンの送り不良ないしそれに起因するカード搬送トラブルを確実に防止して、適正な印刷を達成することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のカード用プリンタの一実施例の全体構成を示す断面図である。
図2は、図3のII方向矢視図である。
図3は、カード供給機構の平面図である。
図4は、図3のIV方向矢視図である。
図5は、カード供給機構の主要部の分解斜視図である。
図6は、カード保持テーブル平面図である。
図7は、カード保持テーブル底面図である。
図8は、カード保持テーブルの主要構成の分解斜視図であり、カード保持テーブルをその右後方上面からみた場合の斜視図である。
図9は、カード保持テーブルの作用説明図であり、クランプ爪および位置決め片がテーブル面から突出するとともに、カード突き上げピンがテーブル面から没入している第1の状態を示す。
図10は、カード保持テーブルの作用説明図であり、第1の状態に対してクランプ爪が下動してテーブル面との間にカードの前端を挟圧保持するとともに、カード突き上げピンがテーブル面から没入している第2の状態を示す。
図11は、カード保持テーブルの作用説明図であり、第1の状態に対してクランプ爪がテーブル面の前端から前方に逃げ動している過程を表す。なお、このときも、依然としてカード突き上げピンはテーブル面から没入したままである。
図12は、カード保持テーブルの作用説明図であり、図11に示した状態に対してクランプ爪が前方に逃げ動するだけでなく、高さにおいて、カード面よりも没入しているとともに、依然としてカード突き上げピンはテーブル面から没入したままである第3の状態を示す。
図13は、カード保持テーブルの作用説明図であり、クランプ爪は図12に示したのと同様、前方および下方に逃げ動している一方、カード突き上げピンがテーブル面から突出する第4の状態を示す。
図14は、プリントヘッドの支持構造の変形例を示す要部の斜視図である。
図15は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルはホームポジションをとっている。クランプ爪および位置決め片はテーブル面から突出する第1の状態(図9)をとってカード供給機構から供給されてくるカードを待ち受け、カードが送られてくると位置決め片がカードの前端に当接してその位置決めを行う。
図16が、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルは図15に示すホームポジションから前進しつつ、クランプ爪および位置決め片は第2の状態(図10)をとってカードをテーブル面との間に挟圧保持する。
図17は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルは図16に示した状態からカードの前端がプリントヘッドの発熱ドット列と対応するように後退する。このとき、クランプ爪および位置決め片は第3の状態(図12)をとってカード前端のクランプを解消し、プリントヘッドによるカード前端からの印刷を可能とする。プリントヘッドが下動してカードの前端に接触し、以後、カード保持テーブルが前進する間に所定色の印刷を行う。
図18は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルが図17に示した状態から前進している状態を示す。このとき、クランプ爪および位置決め片は、プリントヘッドとの干渉の心配がないので、再び第2の状態(図10)をとり、カードの前端を挟圧保持する。
図19は、印刷作動説明図であり、カード保持テーブルが移動行程の前端まで前進しており、プリントヘッドがカードの後端部まで印刷している。
図20は、印刷作動説明図であり、図19に示した状態からプリントヘッドが上動している。この場合の上動高さは、図15、図16に示されている高さよりも高く、これにより、カード表面に対するインクリボンの剥離を確実に行う。
図21は、印刷作動説明図であり、重ね印刷における最終色の印刷終了間際の状態を示す。このとき、クランプ爪および位置決め片が前方に逃げ動するとともに突き上げピンがテーブル面から突出する第4の状態(図13)をとり、カードの前端部がテーブル面から持ち上げられる。また、このとき、カード排出機構は、下動状態をとる。
図22は、印刷作動説明図であり、図21に示す状態からカード保持テーブルがさらに前進した状態を示す。カード排出機構のカードすくい上げガイド板が上記のようにしてテーブル面から持ち上げられたカード前端をすくい上げ、引き続いて送りローラがこのカードを排出口に送り出す。
「発明を実施するための最良の形態」
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明のカード用プリンタ10の一実施形態の全体構成の概要を示すための概略縦断面図である。このカード用プリンタ10は、カードストッカ21内に積層状態で収容保持された複数枚のカードKを1枚ずつ前方(図1において左方)に送り出してカード保持テーブル60上に供給し、こうしてカードKを保持したカード保持テーブル60を前後方向に複数回往復移動させる間にプリントヘッド90によってY、M、C、あるいはこれに加えてBによる印刷を重ねて行い、印刷済のカードを取り上げてさらに前方に送り排出するという概略作動を行うものである。本明細書では、カードストッカ21内のカードKを一枚ずつ取り出してこれを前方に送り、カード保持テーブル上に供給するまでの作動を行う機構をカード供給機構20といい、こうして供給を受けたカードKを上面に保持し、前後方向に往復移動する機構をカード保持テーブル60といい、印刷済のカードをカード保持テーブル60から取り上げてさらに前方に送り排出する機構をカード排出機構120という。
図1に示すように、プリンタ本体ハウジング11の後方部(図1の右方)に上記カード供給機構20が配置され、このカード供給機構20からのカード供給を受けたカード保持テーブル60はプリンタ本体ハウジング内の中間部ないし前方部(図1の左方)間を往復移動する。そして、上記カード排出機構120は、本体ハウジング11内の前方部に配置されている。
上記カード保持テーブル60の上方に対向するようにして、開閉蓋12に取付け支持されたプリントヘッド90が設けられる。また、供給側ロール15aから繰り出されたインクリボンRが上記プリントヘッド90の下方を回って巻取りロール15bに巻き取られるように構成されたリボンカセット15が、本体ハウジング11に定位置において着脱可能に保持されている。
本体ハウジング11の後方部には、上部開放矩形ボックス状のカードストッカ21が、本体ハウジング11の後面に形成された開口部から引き出し式に装填される。このカードストッカ21には、複数枚のカードKが積層状態において収納される。このカード積層体K'は、その下面を弾性的に押すことによって、常時上方に向けて付勢される。本実施形態においては、カードストッカ21の前壁21aに設けたスリット21bから軸22,22を中心として揺動する前後のリンクアーム23,23をカードストッカ21内に延入させ、このリンクアーム23,23の端部の押圧プレート24をピン接合してなる平行四辺形リンク25を、常時図1における矢印A方向に付勢することにより、上記したカード積層体K'に対する上方付勢を実現している。この平行四辺形リンク25は、カードストッカ21内にカードKが満杯のときには、図1に実線で示すように、押圧プレート24が下方に位置し、カードKが消費されてカード積層体K'の厚みが減少するにしたがって、図1に仮想線で示すように、押圧プレート24が上動するようになり、カード残量にかかわらず所定の弾力でカード積層体K'を上方に向けて弾力付勢できるようにしている。
上記平行四辺形リンク25に対する弾力付勢は、図2に表れているように、上記軸22,22に連結した作動アーム26,26に前後方向に延びるリンク27を連結し、このリンク27をバネ28によって後方に牽引することによって得ている。上記リンク27の後端には、軸29を中心として揺動しうるベルクランク30の一端がピン連結されており、このベルクランクのレバー30aを押下することにより、強制的に上記リンク27をバネ28の弾力に抗して前方移動させ、これによって平行四辺形リンク25を図1に実線で示した状態、すなわち押圧プレート24が下方に位置する状態とすることができるようにしてある。図示しないラッチ機構により、このようにして平行四辺形リンク25をその押圧プレート24が下動した状態に保持できるようになっており、この状態において、上記カードストッカ21を挿脱することができる。カードストッカ21が空になった場合、上記のようにして空のカードストッカ21を取り出し、カードを満杯にした新たなカードストッカを装填する。こうして新たなカードストッカ21が装填されるとき、このカードストッカ21の前壁の適部が図示しないラッチ解除レバーを揺動させ、平行四辺形リンク25の保持が解除されてこれに弾力付勢力が与えれる。
上記カード積層体K'の最上位のカードKの前方部上面に接触するようにして、初期送り出しローラ31が配置される。この初期送り出しローラ31は、左右のフレーム壁13,13間を掛け渡すように両端部が支持された送り出しローラ軸31aに、正方向ワンウェイ支持されている。本明細書では、正方向とは、カードKを前方に送る方向をいい、逆方向とは、その反対方向をいう。正方向ワンウェイ支持とは、送り出しローラ軸31aの正方向回転のみが上記初期送り出しローラ31に伝達されるように支持されていることを意味する。すなわち、上記送り出しローラ軸31aが正方向(図1において時計回り方向)に回転する場合はその回転駆動力が初期送り出しローラ31に伝達されるが、送り出しローラ軸31aが逆方向(図1において反時計回り方向)に回転する場合は、その回転力は初期送り出しローラ31には伝達されない。
上記送り出しローラ軸31aの右端部に取付けられたギヤ32は、図2および図5に示されているように、DCモータ33の出力軸に取付けられたギヤ34に対して中間アイドラギヤ35を介して連繋されている。DCモータ33は、正逆双方向に回転可能であり、したがって、上記送り出しローラ軸31aもまた正逆双方向に回転駆動される。
上記初期送り出しローラ31は、上記送り出しローラ軸31aを正方向に回転駆動することによって正方向に回転させられ、これにともなってカードストッカ21内の最上位のカードKが前方に送り出される。
上記初期送り出しローラ31によって前方に送られるカードKは、引き続いて、第1中間送りローラ36と、それよりも前方側に配置された第2中間送りローラ37によってさらに前方に送られる。これら第1および第2中間送りローラ36,37は、カードKの上面に接触して回転しつつこのカードKを前方に送るようになっており、しかも、上下方向に移動可能であるとともに常時下方向に付勢されている。また、第1中間送りローラ36の下方に対向するようにして、リバースローラ38が配置されるとともに、第2中間送りローラ37に対して下方に対向するようにしてバックアップローラ39が配置されている。また、リバースローラ38と上記バックアップローラ39との間には、カードKを摺動支持するガイド板40が配置されている。
上記リバースローラ38およびバックアップローラ39は、定位置において回転可能に左右のフレーム壁13,13間を掛け渡した軸に支持されているが、前述したように、第1および第2中間送りローラ36,37は、下方に向けて弾力付勢しつつ上下動可能に取付けられている。本実形態では、これを次のようにして構成している。
図1ないし図4に表れているように、左右のフレーム壁13,13を掛け渡すようにして、伝動軸41が回転可能に支持されており、同時に、この伝動軸41に対して、前方に延びる第1アーム42の基端が回動可能に支持される。第1アーム42の先端部には、軸43を介して第2アーム44がその中間部において揺動可能に支持されている。そして、この第2アーム44の前後部に、それぞれ、伝動軸36a,37aを介して上記第1中間送りローラ36および第2中間送りローラ37がそれぞれ支持される。そして、第1アーム42が、バネ45によって、矢印B方向に、すなわち第1アーム42の先端部が下方向に向けて回動するように付勢される。
これにより、上記第1中間送りローラ36および第2中間送りローラ37が、いわゆるイコライザ機能をもって常時下方に向けて、すなわち、それぞれが対向するリバースローラ38およびバックアップローラ39に向けて付勢されることになる。
上記第1および第2中間送りローラ36,37の正方向回転、および、上記リバースローラ38の逆方向回転は、次に説明するように、上記初期送り出しローラ31を回転駆動するためにのDCモータ33の出力によって得ている。
図1ないし図5に示すように、上記送り出しローラ軸31aの左端部には、内側の正方向ワンウェイギヤ46aと、外側の逆方向ワンウェイギヤ46bとが並設されている。正方向ワンウェイギヤ46aは、送り出しローラ軸31aの正方向回転のみが伝達されて正方向に回転する機能をもつものであり、逆方向ワンウェイギヤ46bは、送り出しローラ軸31aの逆方向回転のみが伝達されて逆方向に回転する機能をもつものである。上記のように第1アーム42を回転可能に支持する伝動軸41の左端部には、伝動ギヤ47が取付けられており、この伝動ギヤ47は、上記外側の逆方向ワンウェイギヤ46bに噛み合っている。また、フレーム壁13には、上記伝動ギヤ47と上記内側の正方向ワンウェイギヤ46aとに同時に噛み合うアイドラギヤ48が固定軸48aを介して取付けられている。また、左右のフレーム壁13,13を掛け渡すようにして回転可能に支持されたリバースローラ軸38aの左端部には、フリクションクラッチ機構49を介してリバースギヤ50が相対回転可能に支持されており、このリバースギヤ50は、上記アイドラギヤ48に噛み合っている。
上記送り出しローラ軸31aが正方向に回転駆動させられると、正方向ワンウェイギヤ46aが正方向に回転し、この回転は、アイドラギヤ48を介して伝動ギヤ47に伝達される。この場合、アイドラギヤ48が介在していることから、伝動ギヤ47の回転方向は、正方向ワンウェイギヤ46aと同じ方向、すなわち、図1、図4および図5において時計回り方向となる。このとき、逆方向ワンウェイギヤ46bもまた上記伝動ギヤ47に噛み合っているため、逆方向にフリー回転する。
一方、上記送り出しローラ軸31aが逆方向に回転駆動させられると、これにともなって外側の逆方向ワンウェイギヤ46bが逆方向、すなわち、図1、図4および図5において反時計回り方向に回転させられ、この回転力は、この逆方向ワンウェイギヤ46bに直接噛み合う上記伝動ギヤ47に伝達される。逆方向ワンウェイギヤ46bと伝動ギヤ47の回転方向は互いに逆となり、したがって、この場合も、上記伝動ギヤ47は、図1、図4および図5において時計回り方向、すなわち、カード搬送の意味において正方向回転することになる。
このように、上記送り出しローラ軸31aが正方向に回転駆動されるときも、逆方向に回転駆動されるときも、伝動ギヤ47ないしこれを支持する伝動軸41は、常に正方向に回転させられる。だたし、上記送り出しローラ軸31aに対して初期送り出しローラ31は正方向ワンウェイ支持されているので、送り出しローラ軸31aが逆方向に回転駆動されているときには、この初期送り出しローラ31は逆方向に回転することはなく、カードストッカ21内の最上位のカードKに対する押圧接触関係において、非回転状態を維持する。
上記アイドラギヤ48に噛み合うリバースギヤ50の回転方向は、図4および図5において伝動ギヤ47と同じ時計回り方向であるが、このリバースギヤ50が支持されるリバースローラ軸38aは、カード搬送経路の下方に位置するため、このリバースギヤ50は、カード搬送の意味において逆方向回転となる。このリバースギヤ50とリバースローラ軸38aとの間には、前述したように、フリクションクラッチ機構49が介在しているので、リバースローラ軸38aには、一定以下のトルクの逆方向回転力が伝達される。このリバースローラ38の意義については、後述するカード供給機構20全体の作動説明において述べる。
上記伝動ギヤ47および伝動軸41の正方向回転は、ベルト・プーリ伝動機構によって、上記第1中間送りローラ36および第2中間送りローラ37に伝達される。図3に示すように、上記伝動軸41の右端部には、歯付きプーリ51が取付けられ、上記第1中間送りローラ36の伝動軸36aおよび第2中間送りローラ37の伝動軸37aの各右端部にも、それぞれ歯付きプーリ36b,37bが取付けられる。そして、第1アーム42に対して第2アーム44の中間部を揺動支持するための軸43の右端部には、ベルトローラ52が回転可能に支持される。
これら各歯付きプーリ51,36b,37bおよびベルトローラ52には、図2あるいは図5に表れているようにして、歯付き無端ベルト53が掛け回される。すなわち、伝動軸41の歯付きプーリ51に掛け回されたベルト53の外面が上記ベルトローラ52に掛け回された後、第1中間送りローラ軸36aの歯付きプーリ36bおよび第2中間送りローラ軸37aの歯付きプーリ37bを順次掛け回された後、上記伝動軸41の歯付きプーリ51に到るように掛け回される。したがって、この無端ベルト53が掛け回される3つの歯付きプーリ51,36b,37bないしこれらが取付けられる軸41,36a,37aは、全て同方向、すなわち、カード送りの意味において正方向に回転させられる。また、上記ベルトローラ52が第1アーム42と第2アーム44とを相互揺動連結する軸43に取付けられていることから、第1アーム42に対して第2アーム44が揺動しても、無端ベルト53の張力はほとんど変化しないようになっている。
なお、図2および図4において符号54は、カードKの先端を検知するセンサを示し、図1および図3において符号55は、カードストッカ21内のカードがなくなったことを検知するためのエンプティセンサを示す。
上記カード供給機構20は、次のように作動する。
印刷作動指示が発せられると、初期送り出しローラ軸31aが正方向に回転駆動され、これにともなって初期送り出しローラ31が正方向に回転する。この初期送り出しローラ31はカードストッカ内の最上位のカードKの上面に所定の弾力によって接触しているので、最上位のカードKが初期送り出しローラ31の正方向回転によって前方へ送り出される。送り出しローラ軸31aの正方向回転駆動力は、前述のように第1および第2中間送り出しローラ36,37に伝達されていて、これらの中間送り出しローラ36,37もまた正方向に回転しているから、カードKがある程度前方に送られると、まず、第1中間送りローラ36がリバースローラ38にバックアップされたカードKの前端に乗り上げながら、このカードKをさらに前方に送る。次いで、第2中間送りローラ37が、バックアップローラ39にバックアップされたカードKの前端に乗り上げながら、さらにこのカードKを前方に送る。
この場合において、第1および第2中間送りローラ36,37は、イコライザ機能によって平均した弾力によってカードKを押圧しながらこれに送り動を与えるので、カード搬送が円滑に行われる。さらには、これら第1および第2中間送りローラ36,37は、カードの厚みに対応して適正に退避動しつつこのカードKに乗り上げ、かつ適正な押圧力をもって送り動を与えることができるので、カードKの厚みがまちまちであっても、問題なくこのカードを前方へ送ることができる。
カードKの前端を上記センサ54が検知すると、このカードは初期送り出しローラ31を離脱しており、したがってこの初期送り出しローラ31は次に送り出すべきカードの上面に接触する。この時点で、初期送り出しローラ軸31aの回転方向を逆転させる。そうすると、前述したように初期送り出しローラ31には、もはや正方向の駆動力が伝達されず、次に送り出すべき最上位のカードの表面との弾性的な接触関係において静止状態を維持する。したがって、先のカードの送り出しに引きづられるようにして次カードが送り出されることが効果的に回避される。なお、この場合においても、前述したように、第1および第2中間送りローラ36,37は正方向回転を続けるので、カードKはさらに前方に送られ、後述するように、カード保持テーブル60上に受け渡される。
前述したように、第1中間送りローラ36と対向して、リバースローラ38が所定以下のトルクで逆方向回転する。正常なカード送りが行われる場合には、第1中間送りローラ36の回転トルクのほうが大きいので、この第1中間送りローラ36が、上記リバースローラ38の逆方向回転トルクに打ち勝ってカードKを前方に送る。
一方、誤ってカードKが2枚重ねとなって上記第1中間送りローラ36とリバースローラ38との間に挟まれる状態となると、本来搬送するべきカードの下方に重なる次カードが、リバースローラ38の逆方向駆動力によって後方へ引き戻され、カードストッカ21の最上位位置に戻される。この場合、送り出しローラ軸31aが逆方向回転している状態であると、初期送り出しローラ31は、この送り出しローラ軸31aの逆方向回転速度以下の速度であるかぎりにおいて逆方向にフリー回転しうるので、上記リバースローラ38の逆方向回転による次カードの戻し動が阻害されることはない。
上記のようにしてカード供給機構20によって前方に搬送されてくるカードは、次に説明するカード保持テーブル60上の定位置に保持される。
上記カード保持テーブル60は、図6に示すように、カードKを載置するに充分な平面的寸法を有しており、シャシフレーム14の適部に両端部が固定されて前後方向に延びる左右一対のガイドロッド61,61に前後スライド移動可能に支持される。このカード保持テーブル60の側部には、前後に配置されたベルトプーリ62,62(図1)に掛け回された無端ベルト63の適部が連結されており、この無端ベルト63を正逆方向に走行させることにより、上記カード保持テーブル60は上記ガイドロッド61,61に沿って前後方向に往復移動させられる。上記ベルトプーリ62,62の一方は、適当なベルト・プーリ減速機構64(図1)を介してステップモータまたはロータリエンコーダが付設された電動モータの出力軸65aに連結されている。したがって、このモータ65bの回転制御を行うことにより、上記カード保持テーブル60の前後方向の移動状態を所望のように制御することができる。
上記カード保持テーブル60の上面には、合成ゴム板などでできたテーブル面60aが設けられており、裏面が円滑なたとえばプラスチック製のカードを一定の密着力をもってずれ動を回避しつつ保持することができる。
本実施例において、上記カード保持テーブル60は、上記カード供給機構20から搬送されてくるカードKを位置決めしつつ、その前端部をクランプするクランプ手段65と、印刷済のカードを排出する場合にカードKの前端部をテーブル面から持ち上げるべく上記テーブル面の前端部において出没するカード持ち上げ手段66とが設けられる。
上記クランプ手段65は、上記テーブル面60aとの間にカードKの前端部を挟圧保持するクランプ状態と、テーブル面60a上に送られてきたカードの前端部に当接して位置決めする位置決め状態と、テーブル面60aの前端部から前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるようになっている。また、上記カード持ち上げ手段66は、上記クランプ手段65の配置位置の近傍において、突き上げピン67がテーブル面60aから所定高さ突出するカード持ち上げ状態と、この突き上げピン67がテーブル面60aから没入する状態とを選択できるようになっている。
図6ないし図8に示すように、上記クランプ手段65は、上記テーブル面60aの前方部からその前端縁上にオーバハングしうる左右一対のクランプ爪68,68と、カードKの前端縁に当接してその前後方向位置を規定する左右一対の位置決め片69,69とを上端部に設けた略垂直方向に延びるクランププレート70を有する。一方、カード保持テーブル60の下面において、略水平方向に延びる板状リンク部材71がその基端においてピン72によってブラケット73に対して枢動可能に連結されており、この板状リンク部材71の前端が上記クランププレート70の下端部に対してピン74によって枢動可能に連結されている。なお上記ピン74は、板状リンク部材71側に付属しており、このピン74は、上記クランププレート70の下端部に設けた上下方向に延びる長孔74aに係合している。したがって、クランププレート70は、上記板状リンク部材71に対して上記ピン74を中心として枢動可能であるとともに、上記長孔74aが許す範囲において上記板状リンク部材71ないしは上記ピン74に対して上下方向相対移動可能である。
上記板状リンク部材71は、上記ピン74とブラケット73との間に介設された引っ張りコイルバネ75によって常時上方に向けて(ピン72を中心として時計回り方向)付勢されている。また、上記クランププレート70はその裏面から後方突出形成したアーム70aと板状リンク部材71との間に両端を係止されるとともに斜めに配置された引っ張りコイルバネ76によって、常時後方に向けて(ピン74を中心として時計回り方向)付勢されるとともに、板状リンク部材71に対して下方に付勢される。なお、上記後方延出形成したアーム70aは、上記カード保持テーブル60の下面に当接してクランププレート70を所定以上に上方移動しないように、すなわち、上記クランプ爪68,68が所定以上にテーブル面60aから突出しないようにするストッパを兼ねている。また、前述したように、バネ76は、クランププレート70を板状リンク部材71に対して常時下方に向けて付勢するため、通常状態において、図9に表れているように、ピン74が係合する長孔74aの上端がピン74に当接する。
一方、上記突き上げピン67,67は、上記板状リンク部材71を枢支するブラケット73におけるカード保持テーブル60の裏面直下位置において基端がピン77によって枢動可能に連結された、略水平方向に延びるピン支持プレート78の前端に上向きに突出形成されている。カード保持テーブル60およびテーブル面60aには、上記クランプ爪68,68ないし位置決め片69,69を貫通出没させるためのスリット79a,79aに隣接して、上記突き上げピン67,67を貫通出没させるためのスリット79b,79bが形成されている。また、上記ピン支持プレート78は、これを枢支する上記ピン77よりも後方に延びる延出片78aと、上記板状リンク部材71の後方延出片71aとの間に圧縮コイルバネ80を介装することにより、上記突き上げピン67,67がテーブル面60aから没入する方向(ピン77を中心として反時計回り方向)に付勢されている。
上記クランプ手段65および上記カード持ち上げ手段66の作動は、カード保持テーブル60の下面に設置されたモータ81によって回転駆動されるカム82,83によって行われる。
上記各カム82,83は、ブラケット73に支持されたカム軸84に同軸状に取付けられており、カード保持テーブル60の下面に取付けられたモータ81によって正逆方向に回転駆動される(図7および図8参照))。クランプ手段65を作動させるためのカム82は、図9に示すように、所定の中心角を有する円弧カム面82aを有する略扇形に形成されている。そして、このカム82を回転させることにより、上記円弧カム面82aが上記クランププレート70の裏面、および/または、上記板状リンク部材71の上面を押圧することにより、上記クランプ爪68,68に所定の状態をとらせる。
図9に示すように、上記カム82が上記クランププレート70と上記板状リンク部材71のいずれにも当接していないとき、板状リンク部材71がバネ75によって上方に移動しようとし、上記クランププレート70がバネ76によって後方に回動しようとする。したがって、クランププレート70は、上方に移動しようとするとともに後方に回動しようとする。しかし、所定以上の上方移動は上記アーム70aがテーブル60の下面に当接することによって阻止され、後方回動はクランププレート70それ自体がテーブル60の前縁に当接することによって阻止されるので、結局、このとき、クランプ爪68,68およびこれに隣接する位置決め片69,69がテーブル面60aから所定量突出した状態となる。この状態は、テーブル面60aに送られてくるカードの前端に上記位置決め片69,69が当接してカードKの位置決めを行う、位置決め状態である。
ついで、上記の状態からカム82を時計回り方向に回転させてゆくと、図10に示すように、その円弧カム面82aが上記板状リンク部材71を押下する。このとき、カム82はクランププレート70には何らの作用も行わない。したがって、上端にクランプ爪68を有するクランププレート70は、テーブル60の前縁に当接したまま、所定量下方に引き下ろされる。なお、この場合、クランププレート70は、ピン74によって押し下げられるのではなく、前述したように、バネ76の作用によってピン74がクランププレート70側の長孔74aの上端に当接したまま、板状リンク部材71の下動に追従して下動する。かりに上記位置決め状態においてクランプ爪68,68とテーブル面60aとの間にカードKの前端部が入り込んでいると、このカードKは、上記クランプ爪68,68によってテーブル面60aとの間に挟圧保持される。この挟圧保持力は、上記バネ76の弾力によって実質的に得られる。クランプ爪68,68がカードKを挟圧した状態以降は、このクランプ爪68,68ないしクランププレート70は、それ以上の下動を行うことができないが、この場合においては、図10に表れているように、ピン74がクランププレート70側の長孔74aの上端部からカードKの厚みを対応する距離離間した状態となる。このことを換言すると、上記クランプ爪68,68は、カードKの厚み如何にかかわらず、バネ76の弾力によって、所定の挟持力によって、テーブル面60aとの間に挟圧保持することができることを意味する。
逆に、上記クランプ状態から上記カム82を図10の反時計回り方向に回転させてゆくと、カム82による板状リンク部材71に対する押下作動が解除され、いったんクランプ爪68,68がテーブル面60a上に突出する位置決め状態に戻る。そしてさらに上記カム82を図9の反時計回り方向に回転させてゆくと、図11に示すように、上記円弧カム面82aがクランププレート70の裏面を押圧してこのクランプ爪68,68を前方に退避させる。すなわち、このクランププレート70は板状リンク部材71に対してピン74を中心として前方に傾動させられる。また2つのバネ75,76のバランスにより、上記板状リンク部材71もまたピン72を中心として若干下方回動する。このような作動の結果、上記クランプ爪68,68は、前方に逃げ動するだけでなく、若干下動する(図11)。
この状態からさらに上記カム82が図11の反時計回り方向に回転させると、図12に示すように、上記円弧カム面82aがクランププレート70の裏面に当接したまま、上記板状リンク部材71の上面にも当接し、これを所定量押下する。そうすると、図11のように前方に逃げ動したクランプ爪68,68が、テーブル面60aの上面位置よりも下方に没下させられる(図12)。この状態が、クランプ爪68,68がテーブル面60aの前端から逃げる非クランプ状態である。
一方、上記突き上げピン67,67を支持するピン支持プレート78は、前述の圧縮コイルバネ80の弾力により、通常、図9ないし図12に仮想線で示すように、テーブル面60aから没入している。このピン支持プレート78を作動させるためのカム83は、カム軸84から半径方向に延びるアーム状の形態を持っている。したがって、このカム83を回転させてゆくと、一定の回転位置において、このカム83が上記ピン支持プレート78を上方に押し上げ、図13に表れているように、突き上げピン67,67をテーブル面60aから突出させる。
前述したように、上記突き上げピン67,67は、印刷済のカードKの前端部をテーブル面60aから持ち上げるためのものである。したがって、この状態においては、上記クランプ手段65は非クランプ状態をとっている必要がある。同軸上に取付けられる上記二種類のカム82,83は、このようなことを考慮して、相互の回転方向の位置関係が設定される。より具体的には、図13に示すように、クランプ爪68,68が前方に逃げ動しているとともにテーブル面60aよりも下方に没下している状態において、上記突き上げピン67がテーブル面60a上に突出するようにするべきである。
前述のことから判るように、カード保持テーブル60の下面に配したモータ81を回転制御することにより、上記クランプ爪68,68および突き上げピン67,67につき、▲1▼突き上げピン67,67がテーブル面60aから没下していて、クランプ爪68,68およびこれに隣接する位置決め片69,69がテーブル面60a上に突出している位置決め状態(図9に示す第1の状態)、▲2▼突き上げピン67,67がテーブル面60aから没下していて、クランプ爪68,68が下動し、テーブル面60aとの間にカードKの前端を挟圧保持しうるクランプ状態(図10に示す第2の状態)、▲3▼クランプ爪68,68が前方およびテーブル面60aよりも下方に逃げている非クランプ状態(図12に示す第3の状態)、・クランプ爪68,68が上記のように前方および下方に逃げ動していて、突き上げピン67がテーブル面60a上に突出するカード前端部持ち上げ状態(図13に示す第4の状態)を選択することができる。
このような構成を備えるカード保持テーブル60の具体的作動例は、次に説明を行うプリントヘッド90との関連において後述する。
図1についてすでに若干説明したように、上記カード保持テーブル60の上方に対向するようにして、開閉蓋12に取付け支持されたプリントヘッド90が設けられる。より具体的には、開閉蓋12は、軸91周りに開閉回動可能となるようにシャシフレーム14に取付けられたプリントヘッド用ハウジング92の上面に取付けられている。上記プリントヘッド用ハウジング92は、全体として上開放チャンネル状をしていて前方に延び、その中間部下面にはリボンカセット15の供給側ロール部15aを収容する凹部92aが形成され、この凹部92aよりも前方には、下方開口状の角筒部92bが形成されている。
このハウジング92の内部には、前後方向に延びるプリントヘッド支持アーム93が上記軸91を中心として上記ハウジング92内で上下方向相対回動可能に収容されている。このプリントヘッド支持アーム93の前方部には、上記角筒部92bと入れ子関係となって下方に延出する略ボックス状のプリントヘッド支持部93aが形成されている。このプリントヘッド支持部93aの下端部には、サーマルプリントヘッド90'が取付けられている。サーマルプリントヘッド90'は、このプリンタの左右幅方向に発熱ドット列がならぶライン型のものであり、昇華型カラーインクリボンを用いるに適したタイプのものが使用される。図に示す実施例では、カード保持テーブル60上のカードK表面に対して相対的に後方に移動する際に印刷を行うように、このサーマルプリントヘッド90'は、発熱ドット列が形成される前方縁に対して後方縁が浮き上がるようにして、傾斜状に取付けられる。
上記プリントヘッド支持アーム93の中間部には、下方を向く平板状のカムフォロア95が設けられており、上記ハウジング92内にはギヤードモータ96などによって回転させられる回転カム97が設けられる。上記プリントヘッド支持アーム93はバネ98によって上記プリントヘッド用ハウジング92に対して下方に向けて付勢されており、したがって、上記カムフォロア95は、常時上記回転カム97の上方からその外周カム面に当接させられる。
この回転カム97のカムプロファイルは、これが回転するにしたがって上記カムフォロア95に対する当接部の半径長が変化するように形成されており、したがって、上記回転カム97の回転位置を選択することにより、上記プリントヘッド支持アーム93を軸91を中心として上下方向に揺動させ、ひいてはサーマルプリントヘッド90'のカード保持テーブル60に対する高さを選択することができる。具体的には、カード保持テーブル60上に保持されたカードKの表面にサーマルプリントヘッド90'が所定の押圧力で接触する状態と、サーマルプリントヘッド90'がカード面から所定距離離間する状態とを選択することができる。なお、上記サーマルプリントヘッド90'がカードKの表面を押圧する弾力は、上記プリントヘッド支持アーム93を下向きに付勢するバネ98によって得ることが肝要である。このようにすると、使用するカードの厚みに変更があっても、これに対応して、サーマルプリントヘッド90'をカード面に対して適度の圧力で接触させることができる。
なお、上記構成において、プリントヘッド支持アーム93のねじり剛性を所定以下に設定しておき、これにより、上記サーマルプリントヘッド90'が作用方向に揺動しうるようにしておくことが好ましい。このようにすると、たとえカード保持テーブル60のテーブル面60aの幅方向水平度に誤差があったり、カードKの材質や厚みがまちまちであっても、カード保持テーブル60上のカードKに対してサーマルプリントヘッド90'が弾性押圧させられたとき、このサーマルプリントヘッド90'をその幅方向全長にわたって平均した押圧力でカード表面に接触させることができ、押圧力の偏りによる印字不良を回避することができる。
上記のように、サーマルプリントヘッド90'を左右方向に揺動可能とする方策としては、図14に示すように、プリントヘッド支持アーム93に対してサーマルプリントヘッド90'を前後方向軸93bを中心として、所定範囲で自由揺動可能に支持するようにしてもよい。
図1に戻って、上記プリントヘッド支持アーム93の先端部のボックス状プリントヘッド支持部93aの前部壁93a'には、後述するリボンガイドローラ99をスナップ係合保持するための左右一対のフックレバー100が、弾性的に後方退避動可能に取付けられている。一方、シャシフレーム14における左右適部に取付けられたブラケット101におけるガイドスロット101aに両端がスライド支持されたリボンガイドローラ99が設けられる。上記ガイドスロット101aは、上下方向に所定長さ延びるとともに、上方に向かうほど前方に曲げられている。
すでに述べたように、プリンタハウジング側にリボンカセット15が装着される。このリボンカセット15は、後方側にリボン供給ロール15aと、前方側にリボン巻き取りロール15bとを備え、リボン供給ロール15aから繰り出されたインクリボンRが上記リボン巻き取りロール15bに巻き取られるように構成されている。インクリボンRは、黄色(yellow)インク層が形成された領域、赤色(magenta)インク層が形成された領域、青色(cyanine)インク層が形成された領域、あるいはこれに加えて黒色(black)インク層が形成された領域の順でこれらの領域が繰り返しリボン長手方向に配置されたものである。各領域は、1枚のカード表面を印刷するに必要十分な長さをもっている。また、黄色(yellow)インク層が形成された領域が始まる部位には、たとえば光学センサ102によって検出可能なマーカが設けられる。巻き取りロール15bには、回転制御可能なモータ(図示略)が連携されており、各色の印刷における上記カード保持テーブル60上のカードとの相対移動に対応してリボン送りがなされるとともに、各印刷サイクルごとに上記マーカが検出されるスタート位置にリボンを送る。
リボンカセット15がハウジング側に装着されている状態において、開閉蓋12を閉じると、プリントヘッド用ハウジング92の角筒部92bないしその内部に入れ子状に位置するプリントヘッド支持部93aないしこれに取付けられたサーマルプリントヘッド90'が上記リボンカセット15のリボン供給ロール15aとリボン巻き取りロール15bとの間に上方から入り込む。これにより、リボン供給ロール15aからリボン巻き取りロール15bに至る間のインクリボンRがサーマルプリントヘッド90'の下面に掛け回されてこれに接触する状態となる。あわせて、上記フックレバー100が上記リボンガイドローラ99にスナップ係合し、このリボンガイドローラ99を上記ボックス状のプリントヘッド支持部93aの前壁近傍に保持する。これにより、サーマルプリントヘッド90'の下面を通過したインクリボンRは、上記ボックス状のプリントヘッド支持部93aの前壁に沿って上方に向かった後、上記リボンガイドローラ99を掛け回ってリボン巻き取りロール15bに巻き取られるといった走行経路をとる。
このようにすることにより、上記ボックス状のプリントヘッド支持部93aの前壁の下端部、すなわち、サーマルプリントヘッド90'に近い部位と前方に対向するように光学センサ102を配置して、インクリボンR上のマーカを安定かつ確実に検出することが可能となる。これにより、サーマルプリントヘッド90'に近い位置にインクリボンRの各印刷サイクルのスタート位置をとらせることができるので、インクリボン上の各色領域の長手方向寸法を必要最小限とすることができ、これにより、効率的なインクリボンの使用が可能となる。換言すると、一定長さのインクリボン基材に一回の印刷のための各色領域を短い長手寸法内に配置して、印刷可能回数を増大させることができる。
また、上記のハウジング92の角筒部92bに対する後方位置には、シャシフレーム14に両端において上下移動可能に支持され、たとえばソレノイド(図示略)によって上下移動させられる押圧ローラ110が設けられる。この押圧ローラ110が下動位置をとるとき、カード保持テーブル60上のカードKの後方部をテーブル面60aに所定の圧力によって押しつけることができる。
上記インクリボン上のマーカを検出するための光学センサ102が配置される部位にはまた、上記カード供給機構20によって送られてくるカードKの前端部を検出するための光学センサ103が配置される。
本体ハウジング11の前方部には、上記カード保持テーブル60上に保持されてプリントヘッド90による印刷を終えたカードKを排出するためのカード排出機構120が設けられる。このカード排出機構120は、図1に表れているように、軸122を中心として上下方向に揺動可能であり、後方に向けて延出するカードすくい上げガイド板123と、同じく上記軸122を中心として揺動可能であり、前後2か所の送りローラ124,124を支持するローラ支持アーム125とを基本的に備える。上記ローラ支持アーム125は、図示しないバネによって常時下方、すなわち、上記各送りローラ124,124が適度な圧力で上記カードすくい上げガイド板123を押圧するように付勢されている。
上記すくい上げガイド板123は、通常状態においては、前後移動するカード保持テーブル60と干渉しない上動位置をとる。そして、カード排出時、すなわち、突き上げピン67によってカードKの前端部が持ち上げられながらこのカード保持テーブル60がさらに前進する状態においては、上記すくい上げガイド板123は、その後端縁123aが上記持ち上げられたカード前端部とテーブル面60aとの間に入り込むように、下動位置をとる(図21,図22参照)。このすくい上げガイド板123の下動は、たとえば図示しないソレノイドによって行われる。
次に、上記カード保持テーブルへのカード保持およびこうして保持されたカードKに対するプリントヘッド90による印刷作動の例を比較的厚手のカードを用いる場合について説明する。
カード待ち受け状態においては、図15に示すように、カード保持テーブル60は、ホームポジションをとる。このホームポジションにおけるカード保持テーブル60の前後方向位置は、上記カード供給機構20における第2中間送りローラ37からテーブル面60aの前端部までの距離が、カードの全長よりもやや短い適当な距離となるように設定される。また、上記カードKの前端部を検出するための光学センサ103は、ホームポジションによるカード保持テーブル60のテーブル面60aの前端部にカードKの前端が到達したことを検出できるように排出される。カード保持テーブル60の上記ホームポジションへの誘導は、たとえばカード保持テーブル60の適部に設けた遮蔽板60bがシャシフレーム14の適部に設けたフォトインタラプタ111(図1)を遮断した時点でモータ65bを停止することによって行うことができる。このホームポジションからのカード保持テーブル60の前後方向への移動は、モータ65bに付設した回転エンコーダからの信号によってカード保持テーブル60の現在位置を実質的に検出しつつモータを制御することによって所望のように行うことができる。
カード保持テーブル60が上記ホームポジションをとるとき、クランプ爪68および突き上げピン67は、図9に示した第1の状態をとる。すなわち、クランプ爪68,68がテーブル面60aの前端部上にオーバハングするように突出するとともにこれに隣接する位置決め片69,69もまたテーブル面60a上に突出しており、突き上げピン67はテーブル面60aに没入している。サーマルプリントヘッド90'は、テーブル面60aから離間する上動位置をとり、インクリボンは、1回の印刷サイクルの開始状態に巻き上げられ、押圧ローラ110は上動位置をとる。
カード供給機構20からカードKが前方に送られてくると、図9に示されるように、カードの前端は上記クランプ爪68,68とテーブル面60aとの間に入り込むとともに、左右の位置決め片69,69に当接してテーブル上での位置決めが行われる。このとき光学センサ103がカードKの前端を検出し、その信号に基づいてカード保持テーブル60がカード供給機構20によるカード送り速度に同期して上記ホームポジションからいったん前方に移動するとともに、クランプ爪68,68がカードKの前端をテーブル面60aとの間に挟圧保持する(第2の状態。図10参照。)。カード保持テーブル60のこのときの前進は、図16に示すようにカードKの後端が第2中間送りローラ37を離脱するまで続く。こうしてカードK全体がテーブル面上に保持されると、カード保持テーブル60は移動方向を転換して後進を始める。この後進途中において、図16に示すように、上記押圧ローラ100が下動してカードKの後端をテーブル面60aに押しつける。そして、このカード保持テーブル60がその移動行程の後端近くまで後進すると(図1に示す位置まで後進すると)、図17に示すように、上記クランプ爪68,68前方逃げ動し、カードKの前端部上面を開放する(第3の状態。図12参照。)。
次いで図17に示すように、サーマルプリントヘッド90'が下動してカードKの前端部上面に接触し、この接触状態を維持したままカード保持テーブル60が前進し、この間に黄色(yellow)による印刷を行う。前述のようにカードKの前端は上記クランプ爪68,68が前方逃げ動することによって開放されているので、カードKの前端部に接触するサーマルプリントヘッド90'と上記クランプ爪68,68が干渉することがなく、したがって、カードKの全面印刷が可能となる。このようなカード前端部の印刷開始時は、クランプ爪68,68が逃げているが、押圧ローラ110がカードの後方部を押圧しているので、印刷中、カードKが不用意にずれ動くという不具合はない。
カード保持テーブル60がある程度前進してクランプ爪68,68とサーマルプリントヘッド90'との干渉の心配がなくなると、図18に示すように、クランプ爪68,68が再びカードKの前端を挟圧保持する(第2の状態。図10参照。)。そうして、カード保持テーブル60がさらに前進してサーマルプリントヘッド90'がカードKの後端部の印刷を進行しているときには、同じく図18に示すように、上記押圧ローラ110はカードKを押圧することができなくなるので上動位置をとる。
図19に示すように、こうして黄色(yellow)による印刷が終わると、サーマルプリントヘッド90'は図20に示すように、上動し、その間にカード保持テーブル60は上記と同様にして後進位置をとる。なお、カードKの後端部までの印刷が終わった時点でのサーマルプリントヘッド90'の上動は、カード面に付着するインクリボンRを引き剥がすに十分な高さまで上動するようにしておくことが、インクリボンRの送りをよりスムーズに行う上で都合がよい。こうしてインクリボンRのカード表面からの剥離が終わった後は、次回(次の色)での印刷に備えて、カードK表面からわずかに離間した待機位置をとらせる。
以下同様にして、赤色(magenta)、青色(cyanine)、あるいは必要に応じて黒色(black)による色彩重ね印刷を行う。ただし、黒色(black)による印刷終了間際には、図21に示すように、クランプ爪68,68は前方逃げ動させられてカードKの前端部のクランプ状態を解消するとともに、突き上げピン67がテーブル面60a上に突出させられて、カードKの前端部を持ち上げる(第4の状態。図13参照。)。こうして持ち上げられたカードKの前端部をカード排出機構120が取り上げ、プリンタ10の前部排出口121から排出する。
すなわち、色彩重なり印刷を行う場合において、最終色彩印刷を行うべくカード保持テーブル60が前進している段階において、上記カード排出機構120は、図21に示すように下動位置をとっており、この状態において突き上げピン67によって前端部が持ち上げられたカードKを保持するカード保持テーブル60が前進してくると、図22に示すように、上記カードすくい上げガイド板123が印刷済のカードKの前端部をすくい上げる。換言すると、このとき、上記のように持ち上げられたカード前端部は、カード保持テーブル60の前進動にともなって、カードすくい上げガイド板123の上面に沿ってこのすくい上げガイド板123と送りローラ124,124との間に入り込んでゆくのであり、一定量入り込んだ時点で上記送りローラ124,124が積極的にこのカードKを前方に送って排出口121から外部に排出する。
以上、本発明のカード用プリンタの構成、およびこれによる印刷方法の例を述べたが、もちろん、この発明の範囲が上述した実施形態に例に限定されるものではなく、各請求項に規定した事項に意味内での修正ないし設計変更は、全て本発明の範囲に包含される。
カラー印刷方式として、上記した実施例では、昇華型のインクリボンを使用し、Y、M、C、Bによって色彩重ね印刷を行う方式を述べたが、Bは省略してもよいし、また、使用するカードの材質により、Yによる印刷に先立って、昇華型インクがのりやすくするコーティング層を形成するようにしてもよい。また、Bによる印刷の後に、保護層を形成するようにしてもよい。これらコーティング層および保護層の形成は、いずれも、インクリボンに担持させた層状素材をサーマルプリントヘッドによってカード表面上に熱転写することによって行うことができる。
また、上記した印刷方法の例では、厚手のカードKを用いることを前提とし、その前端部の印刷を行う場合にはクランプ手段65に非クランプ位置をとらせるようにしたが、薄手のカードまたはシートを用いる場合であって、クランプ手段に非クランプ位置を取らせることに問題がある場合には、印刷作動中クランプ手段65に常時クランプ状態を取らせるようにすることももちろん本発明の範囲に含まれる。薄手のカードを用いる場合には、その前端部をクランプしながら前方に引っ張りつつプリントヘッドを前方から後方に向けて接触させるのが望ましく、この場合には、常時カードまたはシートの前端部をクランプしておくのが好ましい。
いずれにしても、上記クランプ手段は、カードの厚みにかかわらず、適正に上記カードの前端部をテーブル面との間に挟圧保持することができるのであり、カードの種類が変わっても、問題なく所望のカラー印刷を行うことを可能にしている。
さらに付言すれば、前述した実施形態において、カード供給機構、あるいはカード排出機構は、いずれも、カードの厚みの変更に対応できる構成となっており、実施形態に係るカード用プリンタは、全体として、カードの厚み変更に対応することを可能としている。
Claims (12)
- カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード供給機構は、複数枚のカードを積層状態で収容するカードストッカからカードを1枚ずつ前方に送り出す初期送り出しローラと、この初期送り出しローラよりも前方においてカード搬送経路を上下に挟むように配置された複数個の中間送りローラとを備え、この中間送りローラの一部または全部は、上記カード搬送経路と交差する方向に移動可能であるとともに、上記カード搬送経路に向けて付勢されており、かつ、上記初期送り出し ローラが正逆双方向の回転駆動力を与えられる送り出し ローラ軸に正方向ワンウェイ支持されており、
上記送り出しローラ軸の端部には正方向ワンウェイギヤ と、逆方向ワンウェイギヤとが並設されており、
上記正方向ワンウェイギヤに噛み合うアイドラギヤと、
上記アイドラギヤと上記逆方向ワンウェイギヤとに同時 に噛み合う中間伝動ギヤを取付けた中間伝動軸と、
上記2箇所の各中間送りローラを支軸する各ローラ軸に 取付けたプーリと、
上記中間伝動軸に取付けたプーリと、
これら各プーリ間を各プーリが同方向に回転するように 掛け回した無端ベルトとをさらに有することにより、上 記初期送り出しローラによって送り出されたカードがこ の初期送り出しローラから離脱すると、この初期送り出 しローラには前方送り駆動力を付与しないように構成さ れていることを特徴とする、カード用プリンタ。 - 上記初期送り出しローラとこれを正方向ワンウェイ支持する送り出しローラ軸との間には所定の摩擦抵抗が付与されている、請求項1に記載のカード用プリンタ。
- 上記アイドラギヤに噛み合うリバースギヤをさらに有し、このリバースギヤを所定の摩擦抵抗をもって回転支持するリバース軸に取付けたリバースローラを、上記搬送経路の下方において、上記搬送経路を移動するカードの下面に接触するように配置している、請求項2に記載のカード用プリンタ。
- カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記プリントヘッドは、上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、このプリントヘッド支持体は、その下動時、下向きの弾性力によって上記プリントヘッドを上記カードに向けて押圧するように構成されており、
上記プリントヘッド支持体には、プリントヘッドのヘッ ド面を通過後のインクリボンを案内するリボンガイドロ ーラが配置されており、
上記プリントヘッド支持体ないし上記プリントヘッド は、開閉部材に取付けられており、上記リボンガイドロ ーラは、シャシフレームに取付けられたブラケットに所 定距離上下方向に自由移動可能に支持されているととも に、上記プリントヘッド支持体には上記開閉部材の閉動 時上記リボンガイドローラにスナップ係合してこれを上 記プリントヘッド支持体に対する所定の位置に保持する フック部材が設けられていることを特徴とする、カード用プリンタ。 - 上記インクリボンが上記プリントヘッドの後方側から前方側に送られる場合において、上記プリントヘッド支持体には上記プリントヘッドに対する前方側に前部壁が設けられており、上記リボンガイドローラは、プリントヘッドのヘッド面を通過後上記前部壁に沿って上方に送られた後において上記インクリボンが掛け回るように配置されている、請求項4に記載のカード用プリンタ。
- 上記プリントヘッド支持体の上記前部壁と対向する位置に、上記インクリボンに設けられたマーカを検出する光学センサが設けられている、請求項5に記載のカード用プリンタ。
- カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記プリントヘッドは、上下動させられるプリントヘッド支持体に取付けられており、
上記プリントヘッド支持体には、前後方向に延びる弾性 ねじり変形可能なアーム部が設けられており、かつ、こ のアーム部のねじり変形によって上記プリントヘッドが 左右方向幅全長にわたってカード保持テーブル上のカー ドに平均した圧力で接触するように、左右方向に揺動可 能となっていることを特徴とする、カード用プリンタ。 - カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード保持テーブルには、上記カード供給機構から送られてくるカードの前端に当接してカードの位置決めを行うとともに、上記カードの前端のクランプ状態と、このクランプ状態を解消して前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるクランプ手段が設けられて構成されるカード用プリンタを用いたカード印刷方法であって、
厚手のカードを使用し、このカードを上面に支持する上記カード保持テーブルを前後往復動させ、このカード保持テーブルを前方に移動させるときに上記プリントヘッドをインクリボンを介してカード表面に接触させてカード表面にその前方部から後方部に向けて印刷を行い、カード保持テーブルを後方に移動させるときに上記プリントヘッドをカード表面から離間させる動作を複数回繰り返し行い、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷を順次行うに際し、少なくともカード保持テーブルが後方に移動させられてから前方に移動させられる一定期間は、上記クランプ手段が前方に逃げ動して非クランプ状態をとるようにすることを特徴とする、カード印刷方法。 - 請求項8に記載の方法において、
上記プリントヘッドがカード表面から離間している場合において、上記クランプ手段が非クランプ状態をとるときには、上記押圧ローラがカード表面を押圧することを特徴とする、カード印刷方法。 - カードストッカに積層保持されているカードを一枚ずつ前方に送り出すカード供給機構と、
上記カード供給機構から送られるカードを上面に保持し、前後方向に往復移動するカード保持テーブルと、
上記カード保持テーブルの上方に位置し、上記カード保持テーブル上のカードに対してインクリボンを介して接触する状態と、上記カードに対して上方に離間する状態とを選択できるプリントヘッドと、
移動行程の前方に位置する上記カード保持テーブル上から印刷済のカードを取り上げて排出するカード排出機構と、を備えており、
上記カード保持テーブルには、上記カード供給機構から送られてくるカードの前端に当接してカードの位置決めを行うとともに、上記カードの前端のクランプ状態と、このクランプ状態を解消して前方に逃げ動する非クランプ状態とを選択できるクランプ手段が設けられて構成されるカード用プリンタを用いたカード印刷方法であって、
薄手のカードまたはシートを使用し、このカードまたはシートを上面に支持する上記カード保持テーブルを前後往復動させ、このカード保持テーブルを前方に移動させるときに上記プリントヘッドをインクリボンを介して上記カードまたはシートの表面に接触させて上記カードまたはシートの表面にその前方部から後方部に向けて印刷を行い、カード保持テーブルを後方に移動させるときに上記プリントヘッドをカード表面から離間させる動作を複数回繰り返し行い、Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷を順次行うに際し、少なくともカード保持テーブルを前方に移動させてカードまたはシートの表面に上記プリントヘッドによる印刷を行っている期間は、上記クランプ手段がクランプ状態をとるようにすることを特徴とする、カード印刷方法。 - 請求項8ないし10のいずれかの方法において、
Y(yellow)、M(magenta)、C(cyanine)、あるいはこれに加えてB(black)による印刷工程に先立ち、インクリボンの所定領域に準備されたコーティング材を上記プリントヘッドによって上記カードまたはシートの表面上に塗布する工程を設ける、カード印刷方法。 - 請求項8ないし10のいずれかの方法において、上記カード保持テーブルを前方に移動させて上記カードまたはシートの表面に上記プリントヘッドによる印刷を行った後、プリントヘッドを所定距離上動させて上記カードまたはシートの表面からインクリボンを剥離させる、カード印刷方法。
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