JP3600097B6 - 駆動用ic及び光プリントヘッド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の記録ヘッドに用いられる光プリントヘッドに係わり、特に、素子内で時分割駆動を行うことができるように構成された発光素子を駆動するための新規な駆動用ICとそれを用いた光プリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光プリントヘッドにおいて用いられる発光素子(アレイ)は、実公平6−48887号公報に示すように、複数の発光部に1対1で対応させて個別電極を素子表面側に設け、各発光部に共通の電極を素子裏側に設けて構成しているので、1つの素子内で時分割駆動することができなかった。時分割駆動することができないので、個別電極を発光部と同数設ける必要があり、発光部の高密度化が進むと、それに対応して個別電極も高密度配置になる結果、駆動用ICとの接続が困難になるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、特開平6−163980号公報において、素子内での時分割駆動が可能な発光素子が提案されている。すなわち、発光素子上の複数の発光部をm個の群に分け、群毎の発光部に接続するようにm本の共通電極を設け、異なる群に属するm個の発光部に接続した個別電極をn個設けることによってm×n個の発光部を備える発光素子が提案されている。この発光素子によれば、m本の共通電極を時分割的に選択することによって個別電極の数を従来の1/mに削減することができるので、駆動用ICとの接続を容易にすることができる。
【0004】
このような発光素子を従来と同様の駆動用ICを用いて時分割駆動することも可能であるが、この場合、共通電極を時分割的に選択するための駆動回路を別途必要とするので、時分割駆動に適した汎用性のある駆動用ICの開発が望まれている。
【0005】
そこで本願出願人は、上記の点を考慮した駆動用ICについて、特開平10−226102号公報にて提案しているが、この公報に示された構成では、時分割駆動のためにデータの入力順序を変更する処理を必要とするので、データ処理が複雑化するという問題が有った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記のような時分割駆動に対応した発光素子を駆動するに適した汎用性のある駆動用ICを提供することを課題の1つとする。また、時分割駆動に対応した発光素子の出力変動を低減することができ、また、駆動時間の調整が容易な駆動用ICを提供することを課題の1つとする。そして、このような発光素子と駆動用ICを用いることによって高解像度の光プリントヘッドを提供することを課題の1つとする。そしてまた、光プリントヘッドの小型化(細幅化)を図ることを課題の1つとする。そしてまた、時分割駆動でありながら、スタティック駆動のような高速印字が可能な光プリントヘッドを提供することを課題の1つとする。そしてまた、ワイヤボンド線などの接続手段を削減して組立作業性を高めるとともに、信頼性を高めることを課題の1つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の駆動用ICは、請求項1に記載のように、順次送られてくる複数個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、このデータ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、このデータ選択回路によって取り出されたデータ信号に基づいて所定数の出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記ドライブ回路の動作時間制御用の信号を供給する信号線とは別の、かつ前記分割数よりも少ない数の信号線を介して外部より供給されるタイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成としたことを特徴とする。
【0008】
本発明の駆動用ICは、請求項2に記載のように、順次送られてくる複数個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、このデータ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、このデータ選択回路によって取り出されたデータ信号に基づいて所定数の出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記データ信号記憶回路の記憶タイミングを示すタイミング信号に重畳して外部より供給されるタイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成としたことを特徴とする。
【0009】
本発明の駆動用ICは、請求項3に記載のように、素子駆動用のn個の出力端子と、該各出力端子と接続した第1駆動部と、m個の群選択用端子と、該各群選択用端子と接続した第2駆動部を備え、前記第1駆動部は、順次送られてくる少なくともn×m個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、該データ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、この取り出されたデータ信号に基づき前記各駆動用出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記データ信号記憶回路の記憶タイミングを示すタイミング信号に重畳して外部より供給される分割タイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成とし、前記第2駆動部は、前記m個の群選択用端子を前記分割タイミング信号に基づいて切り替える構成としたことを特徴とする。
【0010】
本発明の駆動用ICは、請求項4に記載のように、請求項2あるいは請求項3記載の駆動用ICにおいて、前記タイミング信号に重畳して外部より供給される分割タイミング信号と記憶タイミングを示す信号とを分離する回路を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の駆動用ICは、請求項5に記載のように、請求項1〜3記載の駆動用ICにおいて、前記複数のデータ信号に個々に対応して補正を行なうための補正データを記憶する補正データ記憶回路を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の駆動用ICは、請求項6に記載のように、請求項1〜3記載の駆動用ICにおいて、前記駆動用ICは、複数の発光部で構成される群を複数備える発光素子を群単位で時分割駆動するための駆動用ICであることを特徴とする。
【0013】
本発明の駆動用ICは、請求項7に記載のように、請求項1、2,4記載の駆動用ICにおいて、前記駆動用ICは、自己走査型の発光素子を駆動するための駆動用ICであるとともに、前記複数のデータ信号に個々に対応して補正を行なうための補正データを記憶する補正データ記憶回路を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の光プリントヘッドは、請求項8に記載のように、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された駆動用ICを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の光プリントヘッドは、請求項9に記載のように、基板上に一列に配列した自己走査型の発光素子と、前記基板上に一列に配列した前記発光素子駆動用のICと、前記発光素子と前記駆動用IC間の配線手段を備え、前記配線手段は、前記発光素子と前記駆動用IC間を直接接続する接続手段を備えた光プリントヘッドにおいて、前記駆動用のICとして、請求項1あるいは請求項2に記載された駆動用ICを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の光プリントヘッドは、請求項10に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記自己走査型の発光素子は、複数の発光サイリスタからなるグループを複数備えた構成であるとともに、前記駆動用ICと1対1の対応関係をもって配列されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の光プリントヘッドは、請求項11に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記駆動用ICは複数の前記発光素子を駆動するとともに、この駆動用ICによって駆動される複数の発光素子を前記駆動用ICの長さ範囲内に配列したことを特徴とする。
【0018】
本発明の光プリントヘッドは、請求項12に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記自己走査型の発光素子へ供給する全ての信号を、前記駆動用ICに形成した端子とこの端子に接続したワイヤボンド線等の接続手段を介して供給することを特徴とする。
【0019】
本発明の光プリントヘッドは、請求項13に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記自己走査型の発光素子へ供給する信号の一部を、前記基板上の前記駆動用ICと前記発光素子の間に位置する配線パターンとこのパターンに接続したワイヤボンド線を介して供給することを特徴とする。
【0020】
本発明光プリントヘッドは、請求項14に記載のように、時分割駆動される複数の発光部を上面に配列した複数の発光素子と、この発光素子を駆動するための複数の駆動用ICと、基板とを備え、前記発光素子の列と駆動用ICの列とを前記基板の長手方向に配列した光プリントヘッドにおいて、駆動用ICとして請求項1あるいは請求項2に記載された駆動用ICを用いるとともに、前記発光素子は上面に配置する全ての端子を前記発光部列を境として駆動用IC側に配置し、前記基板は前記発光素子の列と前記駆動用ICの列の間に接続端子用のパターンを配置し、前記発光素子と前記駆動用ICの上面に設けた端子間の接続をワイヤボンド線などの接続手段で直接行なうとともに、前記発光素子と前記基板の上面に設けた端子間の接続をワイヤボンド線などの接続手段で直接行なったことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は、駆動用ICの回路ブロック図を示し、図2は、図1に示す回路ブロック図のうち、複数ある出力端子DO1〜DO96の1つの出力端子DO1に関係する部分を中心に抽出した要部回路ブロック図である。まず、これらの図を中心に説明する。
【0022】
駆動用IC1は、図1に示すように、素子駆動用(後述する個別電極28用)の複数(n)個の出力端子DOで構成された個別端子部と、各出力端子DOと接続され、これらに対して駆動信号としての所定の電流出力を与える第1駆動部2と、群選択用(後述する共通電極27用)の複数(m)個の出力端子CDで構成された共通端子部と、各出力端子CDと接続され、これらを選択的に一方の電源電位、例えば接地電位VSSに切り替える第2駆動部3を備えている。以下、n=96,m=4の場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
第1駆動部2は、データ入力端子SIから順次送られてくるシリアル入力データ信号を一時的に記憶するデータ信号記憶回路4と、このデータ信号記憶回路4から複数回に分割して出力されるデータ信号に基づき上記各出力端子DO1〜DO96に駆動信号を出力する駆動回路5と、この駆動回路5に定電流を供給する電流供給回路6と、この第1駆動部2並びに第2駆動部3の各部に所定のタイミング信号を供給するタイミング制御回路7とを備えている。
【0024】
データ信号記憶回路4は、データ入力端子SIからシリアルに入力されるデータ信号をクロック信号CLK1に同期して取り込み、データ出力端子SOからシリアル出力するn×m(384)ビット構成のシフトレジスタ8と、このシフトレジスタ8に取り込まれたデータ信号を、記憶タイミングを示す制御信号としてのロード信号LOADtに基づいて並列に取り込むn×m(384)ビット構成のラッチ回路9とを備えている。シフトレジスタ8から並列に出力されるn×m(384)個のデータ信号はラッチ回路9を介さないで記憶回路10に供給することもできるようにしている。
【0025】
尚、データ信号を複数ビットで構成する場合などにおいては、それに応じてシフトレジスタ8やラッチ回路9等の構成を変更することもでき、例えば、シフトレジスタ8をアドレス指定方式のメモリで構成することもできる。
【0026】
駆動回路5は、ラッチ回路9が出力するn×m(384)個のデータ信号を、複数回に分割してn個単位に順次選択的に取り出して出力する第1の選択回路11Aと、この第1の選択回路11Aの出力に基づいて前記出力端子DO1〜DO96を介して一定の電流を出力するn(96)ビット構成の第1のドライブ回路12Aを基本的な構成として備えている。駆動回路5は、この基本構成に加えて、必要に応じて、データ補正に対応するための補正データをn×m(384)個記憶するための補正データ記憶回路10と、この補正データ記憶回路10から出力されるn×m(384)個の補正データ信号から、 n個単位に補正データ信号を順次選択して出力する補正データ用の第2の選択回路11Bと、この補正データ用の選択回路11Bの出力に基づいて増加減した電流値の出力を前記出力端子DO1〜DO96を介して駆動信号として出力するn(96)ビット構成の補正用の第2のドライブ回路12Bを備えることができる。
【0027】
記憶回路10は、 Sビット(例えば3ビット構成)で構成される補正データをn×m(384)個記憶することができるように、例えばS×n×mビット構成のラッチ回路で構成することができる。そして、各補正データ記憶回路10に対する補正データの書き込みは、シフトレジスタ8から並列に供給されるn×m個単位の信号に基づいて行われるようになっている。
【0028】
補正データ記憶回路10の書き込みは、前もって行うことができる。すなわち、記憶回路10のみを書き込み状態としてシフトレジスタ8を介して補正データの各ビットを記憶する作業を3回繰り返すことによって行うことができる。
【0029】
ドライブ回路12は、図2に示すように、1つの出力端子DOに対してそれぞれ電流出力が異なる4つの電流増幅器12a〜12dを1組として、それを出力端子DOと同数備えて構成されている。電流供給回路6から電流が供給される4つ電流増幅器12a〜12dは、個々にその作動状態を制御することによって、合計出力電流を4mAをベースとして3〜5mA程度の範囲で変更できるようにしている。
【0030】
選択回路11は、時分割駆動を行うために前記ラッチ回路9や補正データ記憶回路10に記憶されたn×m個分のデータや補正データを、n個単位に選択して複数(m)回に分割して取り出すための回路で、複数の論理ゲート回路によって構成されている。この選択回路11は、タイミング制御回路7の一部を構成する選択制御信号発生回路14によってゲートの開閉が制御される。
【0031】
この選択制御信号発生回路14は、図3に波形を示すように、記憶タイミングを示すロード信号LOADtによって規定される期間を複数の期間に分割するための分割タイミング信号(DIV1〜DIV4)を生成するための回路で、例えば図4に示すように、2つのフリップフロップFF1,FF2と、複数(4つの)論理ゲート回路G1〜G4を組み合わせたカウンタと、1つの論理ゲート回路G5によって構成することができる。論理ゲート回路G5は、ロード信号LOADtの分離に用いられる。ここで、制御信号LOAD1は、データ信号記憶回路4の記憶タイミング(ラッチ回路9のラッチタイミング)を規定するためのロード信号LOADtに、分割タイミング信号(DIV1〜DIV4)が重畳された信号で、点灯時間を規定するための制御信号(ストローブ信号)を供給する信号線とは別の信号線を介して外部より供給される。このように、選択制御信号発生回路14は1つの制御信号(LOAD1)に基づいて4つの分割タイミング信号(DIV1〜4)を生成するので、点灯時間を規定するための制御信号(ストローブ信号STB)を利用して分割タイミング信号を生成する場合に比べて、ストローブ信号STBによる制御(発光時間調整)の自由度を高めることができる。また、分割タイミング信号の数よりも少数の信号線を用いて制御信号(LOAD1)を供給することができるので、外部と接続する制御信号の端子の数を削減してICの小型化を図ることができるとともに、ワイヤボンド配線などの外部配線数を削減することができる。
【0032】
尚、選択制御信号発生回路14は、1ライン分のデータ信号の入力に同期してリセットすることができ、たとえば、前記ロード信号LOADtに同期した信号によって前記フリップフロップFF1,FF2をリセットする構成としても良い。
【0033】
次に、図2を参照して1つの出力端子DO1を中心にデータの流れについて説明する。ラッチ回路9に記憶された1つのIC1分のデータ(384個のオン/オフデータ)は、分割タイミング信号DIV1〜4が順次Hレベルに切り替わることによって、その分割タイミング信号DIV1〜4と接続されたアンドゲート回路のみが選択状態となるとともに、そのゲート回路が内部ストローブ信号STBによって開くことにより、内部ストローブ信号STBがHレベルの間に選択的に出力される。図2に示す例では、分割タイミング信号DIV1〜4が順次Hレベルに切り替わることによって、1つのIC内部の1から4番目のデータが順次ドライブ回路12の駆動に用いられる。また、補正データ記憶回路10に記憶された3ビット構成の補正データも同様に、分割タイミング信号DIV1〜4が順次Hレベルに切り替わることによって3個一組のアンドゲート回路が開く結果、その間に選択状態となり、内部ストローブ信号STBがHレベルの間に選択的に出力される。補正データ記憶回路10の出力は、ドライブ回路12に供給され、3つの電流増幅器12b〜12dを選択的に動作させる。
【0034】
次に、第2駆動部3について説明する。第2駆動部3は、出力端子CD1〜CD4の1つを選択的に接地電位VSSに切り替えるための回路で、前記分割タイミング信号DIV1〜4に同期したタイミングによって切り替える構成としているが、前記選択回路11の選択タイミングに同期した他の信号を用いて切り変える構成とすることもできる。尚、この第2の駆動部3は、後述するように、自己走査型の発光素子の駆動の際などには必要とされない場合が有るので、そのような場合には、駆動用IC1の構成から削除することもできる。
【0035】
図6は、上記の駆動用IC1を備えて構成した光プリントヘッド20の一例を示す要部平面図である。この光プリントヘッド20は、絶縁性基板21の上に複数、例えばL=19個の発光素子22を一列に配列し、この発光素子22の片側に隣接させて駆動用IC1を発光素子22と1対1で対応させて一列に配列している。この例では、駆動用IC1を発光素子22の片側に配列しているが、駆動用IC1を発光素子22の両側に配列する場合は、発光素子22と駆動用IC1を1対2の対応関係で配列すれば良い。発光素子22と駆動用IC1間には、両者を接続するための接続手段23が施される。接続手段23としては、金線等のワイヤボンド線による直接接続構造、中継用のパターンを介在したワイヤボンド線による間接的接続構造を用いることができるが、高密度のフレキシブル配線を異方性導電接着剤を用いて接続する構造を用いることもできる。
【0036】
基板21の上には、信号用、電力供給用の複数本の配線パターン24を発光素子22の配列方向に沿って延びるように形成している。駆動用IC1と配線パターン24の間には、前記接続手段23と同様の接続手段25を設けている。
【0037】
発光素子22は、その上面に複数(m×n=384)個の発光部26をその長手方向に沿って配列している。そして、この複数の発光部26は、時分割駆動できるようにそれぞれが独立して形成されており、群単位に時分割駆動できるように、複数mの群に区分けしている。この例では、発光部26の1,5,9番目を第1の群、2,6,10番目を第2の群というように、発光部26の配置順序を示す番号を4で割った場合の余りの数に基づいて4つの群に区分けした場合を例示している。
【0038】
そして、発光素子22は、第1の群に属する発光部26に共通に接続した共通電極27−1と、第2の群に属する発光部26に共通に接続した共通電極27−2、共通電極27−3、並びに共通電極27−4の4本の共通電極27を設けるとともに、隣接する4つの発光部26に接続したn(96)個の個別電極28を設けている。発光素子22の上面に配置する全ての端子(これらの共通電極27、個別電極28)は前記発光部26の列を境として駆動用IC1側に配置している。この様な端子配列とすることにより、発光素子22の細幅化を図ることができる。前記個別電極28は、それぞれ駆動用IC1の出力端子DO1〜DO96に接続され、共通電極27は、出力端子CD1、CD2、CD3、CD4に接続される。そして、共通電極27を選択し、任意の個別電極DOに通電させれば、発光部の4分の1ずつが時分割で発光する。
【0039】
図6に示す例では、駆動用ICの一方の側に出力端子DO1〜DO96と、出力端子CD1〜CD4を配列し、駆動用IC1と発光素子22間を直接ワイヤボンド線を用いて接続する例を示したが、本発明は、図7に示すように、駆動用IC1と発光素子22間を中継用パターンCD−DOとワイヤボンド線を介して間接的に接続する場合にも適用することができる。
【0040】
すなわち、本発明は、図7に示すように、駆動用ICとして、その出力端子CD1〜CD4を出力端子DO1〜DO96が配列された側と反対の側に配置して構成したものを用いる場合にも適用することができる。中継用のパターンCD−DOは、駆動用IC1の下を横断するように、基板21の裏面や基板21の中間層部分に配置したパターンとスルーホールを組み合わせて形成することができる。そして、この中継用パターンCD−DOの一端と駆動用IC1の出力端子CD1〜CD4にワイヤボンドが施され、この中継用パターンCD−DOの他端と発光素子22の共通電極27−1〜27−4にワイヤボンドが施される。このようにすることによって、出力端子CD1〜CD4に接続した第2駆動部3と出力端子DO1〜DO96に接続したドライブ回路12を駆動用IC1の一方の側と他方の側に区分けして配置することができ、発熱量が大きな第2の駆動部3がドライブ回路12に与える熱的な影響を最小限に抑制することができる。尚、中継用パターンCD−DOを経由した配線は、出力端子DO1〜DO96と個別端子28の間にも適用することができる。
【0041】
尚、発光素子22はL個(19個)であるので、ヘッド20全体の発光部26の数は、L×m×n=19×4×96=7296個となる。図8の#を付した番号がヘッド20全体の発光部26の通し番号である。
【0042】
次に、上記駆動用IC1の動作を含めた上記光プリントヘッド20の動作について、図1、図2に加えて、図8に示す光プリントヘッドの回路構成例、図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0043】
尚、記憶回路10に記憶すべき補正データは、発光素子22の各発光部26の光量を均一にするために、予め求めた光量補正データが用いられ、これらのデータは、既に記憶回路10に記憶されているものとする。
【0044】
まず初めにリセット信号RESETが供給され、これによって各部が初期状態に設定される。続いて、設定信号SETがLレベルからHレベルに切り替えられる。その結果、記憶回路10への書き込みが禁止された状態となる。
【0045】
19番目の駆動用IC1のデータ入力端子S1にデータ信号(7296個)が順次与えられ、これがクロック信号CLK1に同期して順次各駆動用IC1のシフトレジスタ8に取り込まれる。
【0046】
次に、制御信号LOAD1に基づき生成されたロード信号LOADtが、所定時間Hレベルに保持され、各IC1のシフトレジスタ8に保持されたn×m個のデータ信号の入力が行われる。この時、ロード信号LOADtの立ち下がり時点でラッチ回路9が選択(ラッチ)されるので、シフトレジスタ8に取り込まれたn×m個のデータ信号がラッチ回路9に入力されて記憶される。
【0047】
一方、制御信号LOAD1がLレベルからHレベルに切り替わった直後に、分割タイミング信号DIV1がLレベルからHレベルに切り替わり制御信号LOAD1が次にLレベルからHレベルに立ち上がるまで保持される。制御信号LOAD1が次にHレベルに立ち上がると、分割タイミング信号DIV2のみがHレベルに切り替わり、同様に順次分割タイミング信号DIV3、DIV4のみがHレベルに切り替わる。
【0048】
この分割タイミング信号DIV1〜4の切り替わりによって、選択回路11がラッチ回路9や記憶回路10から選択して出力するデータ信号の位置が順次切り替わる。例えば分割タイミング信号DIV1によって、1番目、5番目、…7293番目のデータが選択され、分割タイミング信号DIV2によって、2番目、6番目、…7294番目のデータが選択される。
【0049】
分割タイミング信号DIV1〜4が各々Hレベルに保持されている間に、発光の期間を示す内部ストローブ信号STBがHレベルに所定期間保持される。内部ストローブ信号STBがHレベルに保持されている間に前記データ(必要に応じて3ビットの補正データが付加される)がドライブ回路12に与えられる。ドライブ回路12は、データ信号やそれに付加された補正データに基づいて、4つの電流増幅器12a〜12dを選択的に作動させてその出力電流を出力端子DOを介して発光素子22の各個別電極28に供給する。ここで、外部ストローブ信号(反転STB)としては、図5に示すように有効期間に一方のレベル(この例ではLレベル)を保持するもののほかに、レベルがLとHに交互に短い期間に変化する1つ以上の交番制のパルス信号によって有効期間を示すものを用いることもできる。
【0050】
全ての発光素子22の個別電極28にデータ信号や補正データに応じた電流が供給可能な状態となるが、4分の1の発光部26のみが共通電極27を介して接地されているので、この例では4個置きの発光部26のみが選択的に発光する。
【0051】
上記のような、4分の1ずつの切り替えによる時分割駆動によって1ライン分の選択的な発光を行い、これを順次繰り返すことによって、1画面分の露光を行うことができる。
【0052】
上記のように、素子内時分割駆動に対応した発光素子22を駆動するための各駆動用IC1が、群を単位とするタイミングに同期して動作する第2駆動部3を内蔵し、この駆動用IC1によって対応した発光素子22の時分割駆動を行う構成としているので、負荷の分散を図ることができる。よって、時分割駆動を行うための第2駆動部3に加わる最大負荷は、対応する発光素子22の1つの群に属する発光部26の数に基づき決定できる。その結果、従来のダイナミック駆動方式のように時分割駆動用(共通電極選択用)の専用ICを用いて時分割駆動を行う場合に比べて、時分割駆動用の回路に加わる負荷を大幅に低減することができる。そして、駆動用IC1の第2駆動部3は、小電流を制御することができる小型回路で構成することができ、駆動用IC1を従来のスタテック方式用のICと同等の形状で構成して全体的な回路構成の小型化を達成することができる。
【0053】
また、時分割駆動を行う構成でありながら、スタテック方式と同じようにデータを順次入力することができるので、従来のダイナミック駆動に必要とされたデータの並び替えのための回路が不要となる。また、時分割数を増加させても、その分割数よりも少数の制御信号用の信号線を利用して時分割用のタイミング信号(分割タイミング信号)を供給するようにしているので、ICの端子数や組立て作業数の削減を図ることができる。
【0054】
このように、データ記憶のタイミングを制御するための信号LOADtに重畳して分割タイミング用の信号DIV1〜4を供給することにより、ドライブ回路12の動作時間制御用のストローブ信号(反転STB)を供給する信号線とは別の信号線を利用して時分割用のタイミング信号を供給することができ、ストローブ信号を利用した制御の簡素化を図ることができる。すなわち、ストローブ信号供給用の信号線をそれ専用に使用することによって、ストローブ信号の期間を調整して印字画面の濃度調整を行う場合のデータ処理を簡素化することができる。また、印字時間による階調制御を行うために、ストローブ信号の期間を変更したり、ストローブ信号として時間が異なる複数種類のパルスの組み合わせを用いる場合などにおいて、ストローブ信号の独自性を確保しておくことは有用である。
【0055】
上記実施例は、ロード信号LOADtに重畳して分割タイミング信号DIV1〜4を供給することにより、外部ストローブ(反転STB)供給用信号線とは別の信号線を介して外部より分割タイミング信号DIV1〜4を供給するようにしているが、他の実施例として、外部ストローブ(反転STB)供給用信号線及びロード信号LOADt供給用信号線とは別の信号線を介して分割タイミング信号DIV1〜4を供給する構成とすることができる。
【0056】
図9〜図12は、他の実施例を示すための図面で、先の図2〜図5に対応した図面である。先の実施例と基本的に相違する点は、選択制御信号発生回路14の出力切り替え用信号として専用の信号(制御信号DIVSEL: 前記制御信号LOAD1とほぼ同タイミング)を用いる構成とした点である。
【0057】
この実施例に記載のように、分割タイミング信号DIV1〜4を発生させるために専用の信号を用いることにより、この信号入力用の専用の端子や信号線数は増加するが、従前の制御信号(ストローブ信号:ドライブ回路12の駆動時間調節用、ロード信号:記憶回路4の記憶タイミング用)を利用して分割タイミング信号DIV1〜4を送る場合に比べて、これらの制御信号の受ける制約を低減若しくは撤廃することができるので、本来の基本的な制御をより確実に実行することができる。
【0058】
尚、上記の各実施例において、駆動用IC1は、全ての補正用データを記憶し、それを選択して出力することができるので、補正用データを用いた時分割駆動を行う場合に、記憶した補正データに基づくデータ信号の補正を容易に行うことができる。
【0059】
また、発光素子22として、発光部を1列に配列したもののほかに、千鳥配置したものや、2列以上の複数列配置したものを用いることもできる。そして、発光素子22の片側に駆動用IC1を配列する場合のほかに、発光素子3の両側に駆動用IC1を配置することもできる。
【0060】
また、本発明は、上記のように1つの発光素子とその駆動用の1つ以上のICの組合わせ構造を1つの単位とし、この構造単位を発光部の配列方向と同方向に複数配置した光プリントヘッドに好適であるが、これ以外にも適用可能であり、例えば、前記1つの構造単位を基本構造とする光プリントヘッドやそれに類する印字装置に適用することもできる。
【0061】
また、上記駆動用IC1は、自己走査型の発光素子の駆動に利用することもできるので、以下、その実施形態について説明する。
【0062】
駆動対象となる自己走査型の発光素子(以下、SLEDという)は、特開平5−84971号公報や、特開平11−192744号公報等に開示されているように、発光サイリスタを多段接続し、これに多相クロック信号を与えることによって、発光サイリスタの点灯位置を順次転送することができる構成の素子であり、例えば図13(A)(B)に等価回路図を示すような構造のものを用いることができる。
【0063】
SLEDは、転送用クロック端子(Vφ1、Vφ2)の他に、スタートクロック端子VφS、データ(発光部クロック)端子VφD、バイアス電圧端子VGを備えてこれらを上面に配置し、裏面にコモン電極を配置している。SLEDは、通常100個前後の発光サイリスタを一列に配置して構成されるが、発光サイリスタ数が多い場合は、図20(B)に示すように、感光ドラム上の露光位置が最初と最後とでずれて隣接SLED間で、段差状のズレが生じる。そこで、このような露光位置の段差状ズレを少なくするために、1つのスタートクロックVφSによって走査される発光サイリスタ数を削減することが望ましい。例えば、図14に示すように、複数、例えば4つの発光サイリスタで構成したグループGrを1つのSLED内に複数、例えば96グループ備えてSLEDを構成することにより、各グループGrに個別にデータVφDを与え、各グループに共通にその他の信号を与えての駆動を行なうことができる。この場合は、1つのSLEDに複数のデータ(発光部クロック)端子VφD(通常はグループ数と同数)を配置する必要が有る。尚、少数の発光サイリスタで1つのSLEDを構成し、図14に括弧書きして示すように、上記各グループGrに相当する発光サイリスタを個別のSLED1〜96で構成するとともに、これら複数のSLEDを回路パターン上に配列すること(SLED集合体とすること)もできる。
【0064】
上記のように1つのスタートクロックによって走査される複数(m個)の発光サイリスタを1つにグループ化し、このグループを複数(n個)備える複数グループ内蔵型のSLEDの駆動や、1つのスタートクロックによって走査される複数(m個)の発光サイリスタで1つのSLEDを構成し、このSLEDを複数(n個)配列したSLED集合体型の駆動のために、上記駆動用IC1を用いることができる。すなわち、駆動用IC1の第1駆動部2をSLEDへのデータVφD供給に利用することができる。ここで、第2の駆動部3は不要であるので、駆動用IC1に設けないことが望ましいが、既存の駆動用IC1を利用する場合は、第2の駆動部3の出力は無効化して利用はしない。
【0065】
図15は、SLEDの駆動用に用いる信号のタイミングチャートの一例を示している。また、図16は発光素子22として上記のような複数グループ内臓型のSLEDを用いたLEDプリントヘッド20の一例を示す要部平面図、図17はその断面図である。
【0066】
図16,17に示すように、SLED22を発光素子として用いたプリントヘッド20は、基板21上に駆動用IC1とそれによって駆動されるSLED22を1対1の対応関係を保って基板21の長手方向にそって各々一列に配列した構成としている。基板21上には、駆動用IC1への配線パターン24とSLED22への配線パターン29を基板21の長手方向に沿って形成している。SLED22への配線パターン29は、駆動用IC1の列とSLED22の列の間に配置しており、このパターン29によってSLEDに転送用クロック(Vφ1、Vφ2)、スタートクロックVφS、バイアス電圧VG等の制御系信号の供給を行なう。また、駆動用IC1とそれによって駆動されるSLED22との間の接続は、金線等のワイヤボンド線からなる接続手段による直接接続で行なっている。この直接接続は、駆動用IC1の出力端子DO1〜96とSLED22のデータ端子VφD1〜96間に行われている。通常、駆動用IC1とSLED22は1対複数の対応関係を保ち、その間にワイヤボンド線による直接接続が困難な距離を持つて配置されるが、上記のようにSLED22内部に複数のグループを配置した上で両者を1対1の対応関係を保って配置しているので、両者間にワイヤーボンド線等による直接接続を施すことができる。このようにすることによって、駆動用IC1とSLED22間の不要な配線パターンを排除することができ、プリントヘッド20の細幅化に寄与することができる。特に、駆動用IC1とSLED22を共通の基板21に配置する場合に、基板21の細幅化を図ることができる。
【0067】
図16,17に示す実施例は、SLED22への信号の一部を駆動用IC1とSLED22間に配置した配線パターン29を介して供給する場合であったが、図18,19に示す実施例のように、SLED22への全ての信号を駆動用IC1を介して供給するようにすることもできる。
【0068】
この実施例においては、駆動用IC1の各々の上面に、SLED22の転送用クロック端子(Vφ1、Vφ2)、スタートクロック端子VφS、データ(発光部クロック)端子VφD、バイアス電圧端子VG等の制御系端子に対応した出力端子を設けておく必要が有る。そして、これらの端子間を含めて駆動用ICとSLED間の全ての端子間にワイヤボンド線等による直接接続を施す。このように駆動用IC1とそれに対応したSLED22を共通の基板21上に隣接して配置し、両者の間の配線をワイヤボンド線等で直接接続して行なうので、両者の間の不要な配線パターンを排除することができ、基板21やヘッド20の細幅化を図ることができる。
【0069】
尚、駆動用IC1とSLED22間の直接ワイヤボンド接続は、図16〜19に示すように駆動用IC1とSLED22が1対1の関係を保って配列されている場合以外にも適用することができ、例えば図14に括弧書して示すように、駆動用ICの長さ範囲内にこのICによって駆動される複数のSLEDを配置したSLED集合体構造においても適用することができる。
【0070】
また、図1、図2、図4、図8、図9、図11などに示す回路を用いて説明した実施例において、駆動用ICをSLEDの駆動に用いる場合は、第1駆動部2に接続したn個の出力端子DO1〜DO96の出力切替をSLEDの転送タイミングに同期して切り替える必要が有る。そこで、図2や図9に示す選択制御信号発生回路14に与える信号に変更を加えることが必要である。ここで、選択制御信号発生回路14に与える信号としては、本来なら、発光サイリスタの点灯時間を制御するために用いられる信号であるストローブ信号STB(データVφD)に同期した信号を用いるのが好ましいが、発光サイリスタの点灯時間を制御する際の制約条件が増加するので、これ以外の信号を用いるのが好ましい。そこで、選択制御信号発生回路14に与える信号としては、SLEDの転送用多相クロックVφ1、Vφ2の1つに基づいて作成した信号、好ましくは両者の合成波形に基づいて作成した信号Vφ12に同期した信号(図3のLOAD1,図10のDIVSELに相当する信号)を用いるのが好ましく、特に多相クロックVφ1、Vφ2の合成波形Vφ12に同期して作成するのが、発光サイリスタのシフトタイミングとのマッチングを容易に図ることができる点で好ましい。
【0071】
発光素子22として自己走査型のLEDを用いるこの光プリントヘッド20を駆動して1ラインの全点灯を行なった場合の感光ドラム上の光プロファイルは、図20(A)に示すとおりであり、図20(B)に示す従来例と比べて、光学的な最大の段差を小さくすることができる。
【0072】
また、上記実施例は、自己走査型発光素子の走査数を少なくすることができるので、従来の自己走査型発光素子のように、100以上の発光サイリスタを備えてこれを順次走査する場合に比べて、1ライン当たりの走査時間を大幅に短縮することができ、スタティック駆動と同様な高速印字に対応することもできる。
【0073】
また、図1〜12に示す実施例と同様に、駆動用ICがm×n個のデータ信号に個々に対応して補正データを記憶し、SLEDの発光部26単位に個々に光量補正を行なうことができるので、製造時に発生する特性バラツキを補正によって抑制し、発光特性の均一化を図ることができる。
【0074】
また、スタティック駆動に比べてワイヤボンド線等の接続手段の数を削減することができ、組立て作業性を高めることができるとともに、接続部分の信頼性を高めることもできる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、時分割駆動に対応した発光素子を駆動するに適した汎用性のある駆動用ICを提供することができる。また、時分割駆動を行うに際して、データ信号の入力順序に変更を加える必要がないので、駆動時の信号処理を簡素化することができる。また、分割タイミング用信号の供給を、供給データ記憶のタイミングを制御するための信号に重畳して行うことにより、あるいは、ドライブ回路の動作時間(点灯期間)制御用の信号(ストローブ信号)を供給する信号線とは別の信号線を利用して行うことにより、点灯期間の調節を行うための制御を他の影響を受けることなく行ってその動作の簡素化を図ることができる。そしてまた、発光素子とこのような駆動用ICを用いることによって高解像度の光プリントヘッドを提供することができる。そしてまた、光プリントヘッドの小型化、細幅化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る駆動用ICの回路ブロック図である。
【図2】図1の要部を示す回路ブロック図である。
【図3】同実施例の要部の波形図である。
【図4】図2の要部を示す回路図である。
【図5】本発明の一実施例に係る光プリントヘッドの動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の一実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図7】本発明の別の実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図8】同実施例の光プリントヘッドの回路ブロック図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る駆動用ICの要部を示す回路ブロック図である。
【図10】同実施例の要部の波形図である。
【図11】図9の要部を示す回路図である。
【図12】本発明の他の実施例に係る光プリントヘッドの動作を示すタイミングチャートである。
【図13】(A)(B)は自己走査型発光素子(SLED)の等価回路図である。
【図14】本発明の他の実施例に係る光プリントヘッドの要部ブロック図である
【図15】自己走査型発光素子(SLED)の駆動波形例を示す波形図である。
【図16】本発明の別の実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図17】図16に示す光プリントヘッドの断面図である。
【図18】本発明の別の実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図19】図18に示す光プリントヘッドの断面図である。
【図20】光プリントヘッドの感光ドラムにおける光プロファイルを示す図で、(A)は本発明実施例、(B)は従来例の光プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1 駆動用IC
2 第1駆動部
3 第2駆動部
4 データ信号記憶回路
5 駆動回路
11 選択回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の記録ヘッドに用いられる光プリントヘッドに係わり、特に、素子内で時分割駆動を行うことができるように構成された発光素子を駆動するための新規な駆動用ICとそれを用いた光プリントヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光プリントヘッドにおいて用いられる発光素子(アレイ)は、実公平6−48887号公報に示すように、複数の発光部に1対1で対応させて個別電極を素子表面側に設け、各発光部に共通の電極を素子裏側に設けて構成しているので、1つの素子内で時分割駆動することができなかった。時分割駆動することができないので、個別電極を発光部と同数設ける必要があり、発光部の高密度化が進むと、それに対応して個別電極も高密度配置になる結果、駆動用ICとの接続が困難になるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、特開平6−163980号公報において、素子内での時分割駆動が可能な発光素子が提案されている。すなわち、発光素子上の複数の発光部をm個の群に分け、群毎の発光部に接続するようにm本の共通電極を設け、異なる群に属するm個の発光部に接続した個別電極をn個設けることによってm×n個の発光部を備える発光素子が提案されている。この発光素子によれば、m本の共通電極を時分割的に選択することによって個別電極の数を従来の1/mに削減することができるので、駆動用ICとの接続を容易にすることができる。
【0004】
このような発光素子を従来と同様の駆動用ICを用いて時分割駆動することも可能であるが、この場合、共通電極を時分割的に選択するための駆動回路を別途必要とするので、時分割駆動に適した汎用性のある駆動用ICの開発が望まれている。
【0005】
そこで本願出願人は、上記の点を考慮した駆動用ICについて、特開平10−226102号公報にて提案しているが、この公報に示された構成では、時分割駆動のためにデータの入力順序を変更する処理を必要とするので、データ処理が複雑化するという問題が有った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記のような時分割駆動に対応した発光素子を駆動するに適した汎用性のある駆動用ICを提供することを課題の1つとする。また、時分割駆動に対応した発光素子の出力変動を低減することができ、また、駆動時間の調整が容易な駆動用ICを提供することを課題の1つとする。そして、このような発光素子と駆動用ICを用いることによって高解像度の光プリントヘッドを提供することを課題の1つとする。そしてまた、光プリントヘッドの小型化(細幅化)を図ることを課題の1つとする。そしてまた、時分割駆動でありながら、スタティック駆動のような高速印字が可能な光プリントヘッドを提供することを課題の1つとする。そしてまた、ワイヤボンド線などの接続手段を削減して組立作業性を高めるとともに、信頼性を高めることを課題の1つとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の駆動用ICは、請求項1に記載のように、順次送られてくる複数個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、このデータ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、このデータ選択回路によって取り出されたデータ信号に基づいて所定数の出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記ドライブ回路の動作時間制御用の信号を供給する信号線とは別の、かつ前記分割数よりも少ない数の信号線を介して外部より供給されるタイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成としたことを特徴とする。
【0008】
本発明の駆動用ICは、請求項2に記載のように、順次送られてくる複数個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、このデータ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、このデータ選択回路によって取り出されたデータ信号に基づいて所定数の出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記データ信号記憶回路の記憶タイミングを示すタイミング信号に重畳して外部より供給されるタイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成としたことを特徴とする。
【0009】
本発明の駆動用ICは、請求項3に記載のように、素子駆動用のn個の出力端子と、該各出力端子と接続した第1駆動部と、m個の群選択用端子と、該各群選択用端子と接続した第2駆動部を備え、前記第1駆動部は、順次送られてくる少なくともn×m個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、該データ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、この取り出されたデータ信号に基づき前記各駆動用出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記データ信号記憶回路の記憶タイミングを示すタイミング信号に重畳して外部より供給される分割タイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成とし、前記第2駆動部は、前記m個の群選択用端子を前記分割タイミング信号に基づいて切り替える構成としたことを特徴とする。
【0010】
本発明の駆動用ICは、請求項4に記載のように、請求項2あるいは請求項3記載の駆動用ICにおいて、前記タイミング信号に重畳して外部より供給される分割タイミング信号と記憶タイミングを示す信号とを分離する回路を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の駆動用ICは、請求項5に記載のように、請求項1〜3記載の駆動用ICにおいて、前記複数のデータ信号に個々に対応して補正を行なうための補正データを記憶する補正データ記憶回路を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の駆動用ICは、請求項6に記載のように、請求項1〜3記載の駆動用ICにおいて、前記駆動用ICは、複数の発光部で構成される群を複数備える発光素子を群単位で時分割駆動するための駆動用ICであることを特徴とする。
【0013】
本発明の駆動用ICは、請求項7に記載のように、請求項1、2,4記載の駆動用ICにおいて、前記駆動用ICは、自己走査型の発光素子を駆動するための駆動用ICであるとともに、前記複数のデータ信号に個々に対応して補正を行なうための補正データを記憶する補正データ記憶回路を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の光プリントヘッドは、請求項8に記載のように、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された駆動用ICを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の光プリントヘッドは、請求項9に記載のように、基板上に一列に配列した自己走査型の発光素子と、前記基板上に一列に配列した前記発光素子駆動用のICと、前記発光素子と前記駆動用IC間の配線手段を備え、前記配線手段は、前記発光素子と前記駆動用IC間を直接接続する接続手段を備えた光プリントヘッドにおいて、前記駆動用のICとして、請求項1あるいは請求項2に記載された駆動用ICを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の光プリントヘッドは、請求項10に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記自己走査型の発光素子は、複数の発光サイリスタからなるグループを複数備えた構成であるとともに、前記駆動用ICと1対1の対応関係をもって配列されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の光プリントヘッドは、請求項11に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記駆動用ICは複数の前記発光素子を駆動するとともに、この駆動用ICによって駆動される複数の発光素子を前記駆動用ICの長さ範囲内に配列したことを特徴とする。
【0018】
本発明の光プリントヘッドは、請求項12に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記自己走査型の発光素子へ供給する全ての信号を、前記駆動用ICに形成した端子とこの端子に接続したワイヤボンド線等の接続手段を介して供給することを特徴とする。
【0019】
本発明の光プリントヘッドは、請求項13に記載のように、請求項9記載の光プリントヘッドにおいて、前記自己走査型の発光素子へ供給する信号の一部を、前記基板上の前記駆動用ICと前記発光素子の間に位置する配線パターンとこのパターンに接続したワイヤボンド線を介して供給することを特徴とする。
【0020】
本発明光プリントヘッドは、請求項14に記載のように、時分割駆動される複数の発光部を上面に配列した複数の発光素子と、この発光素子を駆動するための複数の駆動用ICと、基板とを備え、前記発光素子の列と駆動用ICの列とを前記基板の長手方向に配列した光プリントヘッドにおいて、駆動用ICとして請求項1あるいは請求項2に記載された駆動用ICを用いるとともに、前記発光素子は上面に配置する全ての端子を前記発光部列を境として駆動用IC側に配置し、前記基板は前記発光素子の列と前記駆動用ICの列の間に接続端子用のパターンを配置し、前記発光素子と前記駆動用ICの上面に設けた端子間の接続をワイヤボンド線などの接続手段で直接行なうとともに、前記発光素子と前記基板の上面に設けた端子間の接続をワイヤボンド線などの接続手段で直接行なったことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は、駆動用ICの回路ブロック図を示し、図2は、図1に示す回路ブロック図のうち、複数ある出力端子DO1〜DO96の1つの出力端子DO1に関係する部分を中心に抽出した要部回路ブロック図である。まず、これらの図を中心に説明する。
【0022】
駆動用IC1は、図1に示すように、素子駆動用(後述する個別電極28用)の複数(n)個の出力端子DOで構成された個別端子部と、各出力端子DOと接続され、これらに対して駆動信号としての所定の電流出力を与える第1駆動部2と、群選択用(後述する共通電極27用)の複数(m)個の出力端子CDで構成された共通端子部と、各出力端子CDと接続され、これらを選択的に一方の電源電位、例えば接地電位VSSに切り替える第2駆動部3を備えている。以下、n=96,m=4の場合を例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
第1駆動部2は、データ入力端子SIから順次送られてくるシリアル入力データ信号を一時的に記憶するデータ信号記憶回路4と、このデータ信号記憶回路4から複数回に分割して出力されるデータ信号に基づき上記各出力端子DO1〜DO96に駆動信号を出力する駆動回路5と、この駆動回路5に定電流を供給する電流供給回路6と、この第1駆動部2並びに第2駆動部3の各部に所定のタイミング信号を供給するタイミング制御回路7とを備えている。
【0024】
データ信号記憶回路4は、データ入力端子SIからシリアルに入力されるデータ信号をクロック信号CLK1に同期して取り込み、データ出力端子SOからシリアル出力するn×m(384)ビット構成のシフトレジスタ8と、このシフトレジスタ8に取り込まれたデータ信号を、記憶タイミングを示す制御信号としてのロード信号LOADtに基づいて並列に取り込むn×m(384)ビット構成のラッチ回路9とを備えている。シフトレジスタ8から並列に出力されるn×m(384)個のデータ信号はラッチ回路9を介さないで記憶回路10に供給することもできるようにしている。
【0025】
尚、データ信号を複数ビットで構成する場合などにおいては、それに応じてシフトレジスタ8やラッチ回路9等の構成を変更することもでき、例えば、シフトレジスタ8をアドレス指定方式のメモリで構成することもできる。
【0026】
駆動回路5は、ラッチ回路9が出力するn×m(384)個のデータ信号を、複数回に分割してn個単位に順次選択的に取り出して出力する第1の選択回路11Aと、この第1の選択回路11Aの出力に基づいて前記出力端子DO1〜DO96を介して一定の電流を出力するn(96)ビット構成の第1のドライブ回路12Aを基本的な構成として備えている。駆動回路5は、この基本構成に加えて、必要に応じて、データ補正に対応するための補正データをn×m(384)個記憶するための補正データ記憶回路10と、この補正データ記憶回路10から出力されるn×m(384)個の補正データ信号から、 n個単位に補正データ信号を順次選択して出力する補正データ用の第2の選択回路11Bと、この補正データ用の選択回路11Bの出力に基づいて増加減した電流値の出力を前記出力端子DO1〜DO96を介して駆動信号として出力するn(96)ビット構成の補正用の第2のドライブ回路12Bを備えることができる。
【0027】
記憶回路10は、 Sビット(例えば3ビット構成)で構成される補正データをn×m(384)個記憶することができるように、例えばS×n×mビット構成のラッチ回路で構成することができる。そして、各補正データ記憶回路10に対する補正データの書き込みは、シフトレジスタ8から並列に供給されるn×m個単位の信号に基づいて行われるようになっている。
【0028】
補正データ記憶回路10の書き込みは、前もって行うことができる。すなわち、記憶回路10のみを書き込み状態としてシフトレジスタ8を介して補正データの各ビットを記憶する作業を3回繰り返すことによって行うことができる。
【0029】
ドライブ回路12は、図2に示すように、1つの出力端子DOに対してそれぞれ電流出力が異なる4つの電流増幅器12a〜12dを1組として、それを出力端子DOと同数備えて構成されている。電流供給回路6から電流が供給される4つ電流増幅器12a〜12dは、個々にその作動状態を制御することによって、合計出力電流を4mAをベースとして3〜5mA程度の範囲で変更できるようにしている。
【0030】
選択回路11は、時分割駆動を行うために前記ラッチ回路9や補正データ記憶回路10に記憶されたn×m個分のデータや補正データを、n個単位に選択して複数(m)回に分割して取り出すための回路で、複数の論理ゲート回路によって構成されている。この選択回路11は、タイミング制御回路7の一部を構成する選択制御信号発生回路14によってゲートの開閉が制御される。
【0031】
この選択制御信号発生回路14は、図3に波形を示すように、記憶タイミングを示すロード信号LOADtによって規定される期間を複数の期間に分割するための分割タイミング信号(DIV1〜DIV4)を生成するための回路で、例えば図4に示すように、2つのフリップフロップFF1,FF2と、複数(4つの)論理ゲート回路G1〜G4を組み合わせたカウンタと、1つの論理ゲート回路G5によって構成することができる。論理ゲート回路G5は、ロード信号LOADtの分離に用いられる。ここで、制御信号LOAD1は、データ信号記憶回路4の記憶タイミング(ラッチ回路9のラッチタイミング)を規定するためのロード信号LOADtに、分割タイミング信号(DIV1〜DIV4)が重畳された信号で、点灯時間を規定するための制御信号(ストローブ信号)を供給する信号線とは別の信号線を介して外部より供給される。このように、選択制御信号発生回路14は1つの制御信号(LOAD1)に基づいて4つの分割タイミング信号(DIV1〜4)を生成するので、点灯時間を規定するための制御信号(ストローブ信号STB)を利用して分割タイミング信号を生成する場合に比べて、ストローブ信号STBによる制御(発光時間調整)の自由度を高めることができる。また、分割タイミング信号の数よりも少数の信号線を用いて制御信号(LOAD1)を供給することができるので、外部と接続する制御信号の端子の数を削減してICの小型化を図ることができるとともに、ワイヤボンド配線などの外部配線数を削減することができる。
【0032】
尚、選択制御信号発生回路14は、1ライン分のデータ信号の入力に同期してリセットすることができ、たとえば、前記ロード信号LOADtに同期した信号によって前記フリップフロップFF1,FF2をリセットする構成としても良い。
【0033】
次に、図2を参照して1つの出力端子DO1を中心にデータの流れについて説明する。ラッチ回路9に記憶された1つのIC1分のデータ(384個のオン/オフデータ)は、分割タイミング信号DIV1〜4が順次Hレベルに切り替わることによって、その分割タイミング信号DIV1〜4と接続されたアンドゲート回路のみが選択状態となるとともに、そのゲート回路が内部ストローブ信号STBによって開くことにより、内部ストローブ信号STBがHレベルの間に選択的に出力される。図2に示す例では、分割タイミング信号DIV1〜4が順次Hレベルに切り替わることによって、1つのIC内部の1から4番目のデータが順次ドライブ回路12の駆動に用いられる。また、補正データ記憶回路10に記憶された3ビット構成の補正データも同様に、分割タイミング信号DIV1〜4が順次Hレベルに切り替わることによって3個一組のアンドゲート回路が開く結果、その間に選択状態となり、内部ストローブ信号STBがHレベルの間に選択的に出力される。補正データ記憶回路10の出力は、ドライブ回路12に供給され、3つの電流増幅器12b〜12dを選択的に動作させる。
【0034】
次に、第2駆動部3について説明する。第2駆動部3は、出力端子CD1〜CD4の1つを選択的に接地電位VSSに切り替えるための回路で、前記分割タイミング信号DIV1〜4に同期したタイミングによって切り替える構成としているが、前記選択回路11の選択タイミングに同期した他の信号を用いて切り変える構成とすることもできる。尚、この第2の駆動部3は、後述するように、自己走査型の発光素子の駆動の際などには必要とされない場合が有るので、そのような場合には、駆動用IC1の構成から削除することもできる。
【0035】
図6は、上記の駆動用IC1を備えて構成した光プリントヘッド20の一例を示す要部平面図である。この光プリントヘッド20は、絶縁性基板21の上に複数、例えばL=19個の発光素子22を一列に配列し、この発光素子22の片側に隣接させて駆動用IC1を発光素子22と1対1で対応させて一列に配列している。この例では、駆動用IC1を発光素子22の片側に配列しているが、駆動用IC1を発光素子22の両側に配列する場合は、発光素子22と駆動用IC1を1対2の対応関係で配列すれば良い。発光素子22と駆動用IC1間には、両者を接続するための接続手段23が施される。接続手段23としては、金線等のワイヤボンド線による直接接続構造、中継用のパターンを介在したワイヤボンド線による間接的接続構造を用いることができるが、高密度のフレキシブル配線を異方性導電接着剤を用いて接続する構造を用いることもできる。
【0036】
基板21の上には、信号用、電力供給用の複数本の配線パターン24を発光素子22の配列方向に沿って延びるように形成している。駆動用IC1と配線パターン24の間には、前記接続手段23と同様の接続手段25を設けている。
【0037】
発光素子22は、その上面に複数(m×n=384)個の発光部26をその長手方向に沿って配列している。そして、この複数の発光部26は、時分割駆動できるようにそれぞれが独立して形成されており、群単位に時分割駆動できるように、複数mの群に区分けしている。この例では、発光部26の1,5,9番目を第1の群、2,6,10番目を第2の群というように、発光部26の配置順序を示す番号を4で割った場合の余りの数に基づいて4つの群に区分けした場合を例示している。
【0038】
そして、発光素子22は、第1の群に属する発光部26に共通に接続した共通電極27−1と、第2の群に属する発光部26に共通に接続した共通電極27−2、共通電極27−3、並びに共通電極27−4の4本の共通電極27を設けるとともに、隣接する4つの発光部26に接続したn(96)個の個別電極28を設けている。発光素子22の上面に配置する全ての端子(これらの共通電極27、個別電極28)は前記発光部26の列を境として駆動用IC1側に配置している。この様な端子配列とすることにより、発光素子22の細幅化を図ることができる。前記個別電極28は、それぞれ駆動用IC1の出力端子DO1〜DO96に接続され、共通電極27は、出力端子CD1、CD2、CD3、CD4に接続される。そして、共通電極27を選択し、任意の個別電極DOに通電させれば、発光部の4分の1ずつが時分割で発光する。
【0039】
図6に示す例では、駆動用ICの一方の側に出力端子DO1〜DO96と、出力端子CD1〜CD4を配列し、駆動用IC1と発光素子22間を直接ワイヤボンド線を用いて接続する例を示したが、本発明は、図7に示すように、駆動用IC1と発光素子22間を中継用パターンCD−DOとワイヤボンド線を介して間接的に接続する場合にも適用することができる。
【0040】
すなわち、本発明は、図7に示すように、駆動用ICとして、その出力端子CD1〜CD4を出力端子DO1〜DO96が配列された側と反対の側に配置して構成したものを用いる場合にも適用することができる。中継用のパターンCD−DOは、駆動用IC1の下を横断するように、基板21の裏面や基板21の中間層部分に配置したパターンとスルーホールを組み合わせて形成することができる。そして、この中継用パターンCD−DOの一端と駆動用IC1の出力端子CD1〜CD4にワイヤボンドが施され、この中継用パターンCD−DOの他端と発光素子22の共通電極27−1〜27−4にワイヤボンドが施される。このようにすることによって、出力端子CD1〜CD4に接続した第2駆動部3と出力端子DO1〜DO96に接続したドライブ回路12を駆動用IC1の一方の側と他方の側に区分けして配置することができ、発熱量が大きな第2の駆動部3がドライブ回路12に与える熱的な影響を最小限に抑制することができる。尚、中継用パターンCD−DOを経由した配線は、出力端子DO1〜DO96と個別端子28の間にも適用することができる。
【0041】
尚、発光素子22はL個(19個)であるので、ヘッド20全体の発光部26の数は、L×m×n=19×4×96=7296個となる。図8の#を付した番号がヘッド20全体の発光部26の通し番号である。
【0042】
次に、上記駆動用IC1の動作を含めた上記光プリントヘッド20の動作について、図1、図2に加えて、図8に示す光プリントヘッドの回路構成例、図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。
【0043】
尚、記憶回路10に記憶すべき補正データは、発光素子22の各発光部26の光量を均一にするために、予め求めた光量補正データが用いられ、これらのデータは、既に記憶回路10に記憶されているものとする。
【0044】
まず初めにリセット信号RESETが供給され、これによって各部が初期状態に設定される。続いて、設定信号SETがLレベルからHレベルに切り替えられる。その結果、記憶回路10への書き込みが禁止された状態となる。
【0045】
19番目の駆動用IC1のデータ入力端子S1にデータ信号(7296個)が順次与えられ、これがクロック信号CLK1に同期して順次各駆動用IC1のシフトレジスタ8に取り込まれる。
【0046】
次に、制御信号LOAD1に基づき生成されたロード信号LOADtが、所定時間Hレベルに保持され、各IC1のシフトレジスタ8に保持されたn×m個のデータ信号の入力が行われる。この時、ロード信号LOADtの立ち下がり時点でラッチ回路9が選択(ラッチ)されるので、シフトレジスタ8に取り込まれたn×m個のデータ信号がラッチ回路9に入力されて記憶される。
【0047】
一方、制御信号LOAD1がLレベルからHレベルに切り替わった直後に、分割タイミング信号DIV1がLレベルからHレベルに切り替わり制御信号LOAD1が次にLレベルからHレベルに立ち上がるまで保持される。制御信号LOAD1が次にHレベルに立ち上がると、分割タイミング信号DIV2のみがHレベルに切り替わり、同様に順次分割タイミング信号DIV3、DIV4のみがHレベルに切り替わる。
【0048】
この分割タイミング信号DIV1〜4の切り替わりによって、選択回路11がラッチ回路9や記憶回路10から選択して出力するデータ信号の位置が順次切り替わる。例えば分割タイミング信号DIV1によって、1番目、5番目、…7293番目のデータが選択され、分割タイミング信号DIV2によって、2番目、6番目、…7294番目のデータが選択される。
【0049】
分割タイミング信号DIV1〜4が各々Hレベルに保持されている間に、発光の期間を示す内部ストローブ信号STBがHレベルに所定期間保持される。内部ストローブ信号STBがHレベルに保持されている間に前記データ(必要に応じて3ビットの補正データが付加される)がドライブ回路12に与えられる。ドライブ回路12は、データ信号やそれに付加された補正データに基づいて、4つの電流増幅器12a〜12dを選択的に作動させてその出力電流を出力端子DOを介して発光素子22の各個別電極28に供給する。ここで、外部ストローブ信号(反転STB)としては、図5に示すように有効期間に一方のレベル(この例ではLレベル)を保持するもののほかに、レベルがLとHに交互に短い期間に変化する1つ以上の交番制のパルス信号によって有効期間を示すものを用いることもできる。
【0050】
全ての発光素子22の個別電極28にデータ信号や補正データに応じた電流が供給可能な状態となるが、4分の1の発光部26のみが共通電極27を介して接地されているので、この例では4個置きの発光部26のみが選択的に発光する。
【0051】
上記のような、4分の1ずつの切り替えによる時分割駆動によって1ライン分の選択的な発光を行い、これを順次繰り返すことによって、1画面分の露光を行うことができる。
【0052】
上記のように、素子内時分割駆動に対応した発光素子22を駆動するための各駆動用IC1が、群を単位とするタイミングに同期して動作する第2駆動部3を内蔵し、この駆動用IC1によって対応した発光素子22の時分割駆動を行う構成としているので、負荷の分散を図ることができる。よって、時分割駆動を行うための第2駆動部3に加わる最大負荷は、対応する発光素子22の1つの群に属する発光部26の数に基づき決定できる。その結果、従来のダイナミック駆動方式のように時分割駆動用(共通電極選択用)の専用ICを用いて時分割駆動を行う場合に比べて、時分割駆動用の回路に加わる負荷を大幅に低減することができる。そして、駆動用IC1の第2駆動部3は、小電流を制御することができる小型回路で構成することができ、駆動用IC1を従来のスタテック方式用のICと同等の形状で構成して全体的な回路構成の小型化を達成することができる。
【0053】
また、時分割駆動を行う構成でありながら、スタテック方式と同じようにデータを順次入力することができるので、従来のダイナミック駆動に必要とされたデータの並び替えのための回路が不要となる。また、時分割数を増加させても、その分割数よりも少数の制御信号用の信号線を利用して時分割用のタイミング信号(分割タイミング信号)を供給するようにしているので、ICの端子数や組立て作業数の削減を図ることができる。
【0054】
このように、データ記憶のタイミングを制御するための信号LOADtに重畳して分割タイミング用の信号DIV1〜4を供給することにより、ドライブ回路12の動作時間制御用のストローブ信号(反転STB)を供給する信号線とは別の信号線を利用して時分割用のタイミング信号を供給することができ、ストローブ信号を利用した制御の簡素化を図ることができる。すなわち、ストローブ信号供給用の信号線をそれ専用に使用することによって、ストローブ信号の期間を調整して印字画面の濃度調整を行う場合のデータ処理を簡素化することができる。また、印字時間による階調制御を行うために、ストローブ信号の期間を変更したり、ストローブ信号として時間が異なる複数種類のパルスの組み合わせを用いる場合などにおいて、ストローブ信号の独自性を確保しておくことは有用である。
【0055】
上記実施例は、ロード信号LOADtに重畳して分割タイミング信号DIV1〜4を供給することにより、外部ストローブ(反転STB)供給用信号線とは別の信号線を介して外部より分割タイミング信号DIV1〜4を供給するようにしているが、他の実施例として、外部ストローブ(反転STB)供給用信号線及びロード信号LOADt供給用信号線とは別の信号線を介して分割タイミング信号DIV1〜4を供給する構成とすることができる。
【0056】
図9〜図12は、他の実施例を示すための図面で、先の図2〜図5に対応した図面である。先の実施例と基本的に相違する点は、選択制御信号発生回路14の出力切り替え用信号として専用の信号(制御信号DIVSEL: 前記制御信号LOAD1とほぼ同タイミング)を用いる構成とした点である。
【0057】
この実施例に記載のように、分割タイミング信号DIV1〜4を発生させるために専用の信号を用いることにより、この信号入力用の専用の端子や信号線数は増加するが、従前の制御信号(ストローブ信号:ドライブ回路12の駆動時間調節用、ロード信号:記憶回路4の記憶タイミング用)を利用して分割タイミング信号DIV1〜4を送る場合に比べて、これらの制御信号の受ける制約を低減若しくは撤廃することができるので、本来の基本的な制御をより確実に実行することができる。
【0058】
尚、上記の各実施例において、駆動用IC1は、全ての補正用データを記憶し、それを選択して出力することができるので、補正用データを用いた時分割駆動を行う場合に、記憶した補正データに基づくデータ信号の補正を容易に行うことができる。
【0059】
また、発光素子22として、発光部を1列に配列したもののほかに、千鳥配置したものや、2列以上の複数列配置したものを用いることもできる。そして、発光素子22の片側に駆動用IC1を配列する場合のほかに、発光素子3の両側に駆動用IC1を配置することもできる。
【0060】
また、本発明は、上記のように1つの発光素子とその駆動用の1つ以上のICの組合わせ構造を1つの単位とし、この構造単位を発光部の配列方向と同方向に複数配置した光プリントヘッドに好適であるが、これ以外にも適用可能であり、例えば、前記1つの構造単位を基本構造とする光プリントヘッドやそれに類する印字装置に適用することもできる。
【0061】
また、上記駆動用IC1は、自己走査型の発光素子の駆動に利用することもできるので、以下、その実施形態について説明する。
【0062】
駆動対象となる自己走査型の発光素子(以下、SLEDという)は、特開平5−84971号公報や、特開平11−192744号公報等に開示されているように、発光サイリスタを多段接続し、これに多相クロック信号を与えることによって、発光サイリスタの点灯位置を順次転送することができる構成の素子であり、例えば図13(A)(B)に等価回路図を示すような構造のものを用いることができる。
【0063】
SLEDは、転送用クロック端子(Vφ1、Vφ2)の他に、スタートクロック端子VφS、データ(発光部クロック)端子VφD、バイアス電圧端子VGを備えてこれらを上面に配置し、裏面にコモン電極を配置している。SLEDは、通常100個前後の発光サイリスタを一列に配置して構成されるが、発光サイリスタ数が多い場合は、図20(B)に示すように、感光ドラム上の露光位置が最初と最後とでずれて隣接SLED間で、段差状のズレが生じる。そこで、このような露光位置の段差状ズレを少なくするために、1つのスタートクロックVφSによって走査される発光サイリスタ数を削減することが望ましい。例えば、図14に示すように、複数、例えば4つの発光サイリスタで構成したグループGrを1つのSLED内に複数、例えば96グループ備えてSLEDを構成することにより、各グループGrに個別にデータVφDを与え、各グループに共通にその他の信号を与えての駆動を行なうことができる。この場合は、1つのSLEDに複数のデータ(発光部クロック)端子VφD(通常はグループ数と同数)を配置する必要が有る。尚、少数の発光サイリスタで1つのSLEDを構成し、図14に括弧書きして示すように、上記各グループGrに相当する発光サイリスタを個別のSLED1〜96で構成するとともに、これら複数のSLEDを回路パターン上に配列すること(SLED集合体とすること)もできる。
【0064】
上記のように1つのスタートクロックによって走査される複数(m個)の発光サイリスタを1つにグループ化し、このグループを複数(n個)備える複数グループ内蔵型のSLEDの駆動や、1つのスタートクロックによって走査される複数(m個)の発光サイリスタで1つのSLEDを構成し、このSLEDを複数(n個)配列したSLED集合体型の駆動のために、上記駆動用IC1を用いることができる。すなわち、駆動用IC1の第1駆動部2をSLEDへのデータVφD供給に利用することができる。ここで、第2の駆動部3は不要であるので、駆動用IC1に設けないことが望ましいが、既存の駆動用IC1を利用する場合は、第2の駆動部3の出力は無効化して利用はしない。
【0065】
図15は、SLEDの駆動用に用いる信号のタイミングチャートの一例を示している。また、図16は発光素子22として上記のような複数グループ内臓型のSLEDを用いたLEDプリントヘッド20の一例を示す要部平面図、図17はその断面図である。
【0066】
図16,17に示すように、SLED22を発光素子として用いたプリントヘッド20は、基板21上に駆動用IC1とそれによって駆動されるSLED22を1対1の対応関係を保って基板21の長手方向にそって各々一列に配列した構成としている。基板21上には、駆動用IC1への配線パターン24とSLED22への配線パターン29を基板21の長手方向に沿って形成している。SLED22への配線パターン29は、駆動用IC1の列とSLED22の列の間に配置しており、このパターン29によってSLEDに転送用クロック(Vφ1、Vφ2)、スタートクロックVφS、バイアス電圧VG等の制御系信号の供給を行なう。また、駆動用IC1とそれによって駆動されるSLED22との間の接続は、金線等のワイヤボンド線からなる接続手段による直接接続で行なっている。この直接接続は、駆動用IC1の出力端子DO1〜96とSLED22のデータ端子VφD1〜96間に行われている。通常、駆動用IC1とSLED22は1対複数の対応関係を保ち、その間にワイヤボンド線による直接接続が困難な距離を持つて配置されるが、上記のようにSLED22内部に複数のグループを配置した上で両者を1対1の対応関係を保って配置しているので、両者間にワイヤーボンド線等による直接接続を施すことができる。このようにすることによって、駆動用IC1とSLED22間の不要な配線パターンを排除することができ、プリントヘッド20の細幅化に寄与することができる。特に、駆動用IC1とSLED22を共通の基板21に配置する場合に、基板21の細幅化を図ることができる。
【0067】
図16,17に示す実施例は、SLED22への信号の一部を駆動用IC1とSLED22間に配置した配線パターン29を介して供給する場合であったが、図18,19に示す実施例のように、SLED22への全ての信号を駆動用IC1を介して供給するようにすることもできる。
【0068】
この実施例においては、駆動用IC1の各々の上面に、SLED22の転送用クロック端子(Vφ1、Vφ2)、スタートクロック端子VφS、データ(発光部クロック)端子VφD、バイアス電圧端子VG等の制御系端子に対応した出力端子を設けておく必要が有る。そして、これらの端子間を含めて駆動用ICとSLED間の全ての端子間にワイヤボンド線等による直接接続を施す。このように駆動用IC1とそれに対応したSLED22を共通の基板21上に隣接して配置し、両者の間の配線をワイヤボンド線等で直接接続して行なうので、両者の間の不要な配線パターンを排除することができ、基板21やヘッド20の細幅化を図ることができる。
【0069】
尚、駆動用IC1とSLED22間の直接ワイヤボンド接続は、図16〜19に示すように駆動用IC1とSLED22が1対1の関係を保って配列されている場合以外にも適用することができ、例えば図14に括弧書して示すように、駆動用ICの長さ範囲内にこのICによって駆動される複数のSLEDを配置したSLED集合体構造においても適用することができる。
【0070】
また、図1、図2、図4、図8、図9、図11などに示す回路を用いて説明した実施例において、駆動用ICをSLEDの駆動に用いる場合は、第1駆動部2に接続したn個の出力端子DO1〜DO96の出力切替をSLEDの転送タイミングに同期して切り替える必要が有る。そこで、図2や図9に示す選択制御信号発生回路14に与える信号に変更を加えることが必要である。ここで、選択制御信号発生回路14に与える信号としては、本来なら、発光サイリスタの点灯時間を制御するために用いられる信号であるストローブ信号STB(データVφD)に同期した信号を用いるのが好ましいが、発光サイリスタの点灯時間を制御する際の制約条件が増加するので、これ以外の信号を用いるのが好ましい。そこで、選択制御信号発生回路14に与える信号としては、SLEDの転送用多相クロックVφ1、Vφ2の1つに基づいて作成した信号、好ましくは両者の合成波形に基づいて作成した信号Vφ12に同期した信号(図3のLOAD1,図10のDIVSELに相当する信号)を用いるのが好ましく、特に多相クロックVφ1、Vφ2の合成波形Vφ12に同期して作成するのが、発光サイリスタのシフトタイミングとのマッチングを容易に図ることができる点で好ましい。
【0071】
発光素子22として自己走査型のLEDを用いるこの光プリントヘッド20を駆動して1ラインの全点灯を行なった場合の感光ドラム上の光プロファイルは、図20(A)に示すとおりであり、図20(B)に示す従来例と比べて、光学的な最大の段差を小さくすることができる。
【0072】
また、上記実施例は、自己走査型発光素子の走査数を少なくすることができるので、従来の自己走査型発光素子のように、100以上の発光サイリスタを備えてこれを順次走査する場合に比べて、1ライン当たりの走査時間を大幅に短縮することができ、スタティック駆動と同様な高速印字に対応することもできる。
【0073】
また、図1〜12に示す実施例と同様に、駆動用ICがm×n個のデータ信号に個々に対応して補正データを記憶し、SLEDの発光部26単位に個々に光量補正を行なうことができるので、製造時に発生する特性バラツキを補正によって抑制し、発光特性の均一化を図ることができる。
【0074】
また、スタティック駆動に比べてワイヤボンド線等の接続手段の数を削減することができ、組立て作業性を高めることができるとともに、接続部分の信頼性を高めることもできる。
【0075】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、時分割駆動に対応した発光素子を駆動するに適した汎用性のある駆動用ICを提供することができる。また、時分割駆動を行うに際して、データ信号の入力順序に変更を加える必要がないので、駆動時の信号処理を簡素化することができる。また、分割タイミング用信号の供給を、供給データ記憶のタイミングを制御するための信号に重畳して行うことにより、あるいは、ドライブ回路の動作時間(点灯期間)制御用の信号(ストローブ信号)を供給する信号線とは別の信号線を利用して行うことにより、点灯期間の調節を行うための制御を他の影響を受けることなく行ってその動作の簡素化を図ることができる。そしてまた、発光素子とこのような駆動用ICを用いることによって高解像度の光プリントヘッドを提供することができる。そしてまた、光プリントヘッドの小型化、細幅化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る駆動用ICの回路ブロック図である。
【図2】図1の要部を示す回路ブロック図である。
【図3】同実施例の要部の波形図である。
【図4】図2の要部を示す回路図である。
【図5】本発明の一実施例に係る光プリントヘッドの動作を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の一実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図7】本発明の別の実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図8】同実施例の光プリントヘッドの回路ブロック図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る駆動用ICの要部を示す回路ブロック図である。
【図10】同実施例の要部の波形図である。
【図11】図9の要部を示す回路図である。
【図12】本発明の他の実施例に係る光プリントヘッドの動作を示すタイミングチャートである。
【図13】(A)(B)は自己走査型発光素子(SLED)の等価回路図である。
【図14】本発明の他の実施例に係る光プリントヘッドの要部ブロック図である
【図15】自己走査型発光素子(SLED)の駆動波形例を示す波形図である。
【図16】本発明の別の実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図17】図16に示す光プリントヘッドの断面図である。
【図18】本発明の別の実施例に係る光プリントヘッドの要部平面図である。
【図19】図18に示す光プリントヘッドの断面図である。
【図20】光プリントヘッドの感光ドラムにおける光プロファイルを示す図で、(A)は本発明実施例、(B)は従来例の光プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1 駆動用IC
2 第1駆動部
3 第2駆動部
4 データ信号記憶回路
5 駆動回路
11 選択回路
Claims (14)
- 順次送られてくる複数個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、このデータ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、このデータ選択回路によって取り出されたデータ信号に基づいて所定数の出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記ドライブ回路の動作時間制御用の信号を供給する信号線とは別の、かつ前記分割数よりも少ない数の信号線を介して外部より供給されるタイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成としたことを特徴とする駆動用IC。
- 順次送られてくる複数個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、このデータ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、このデータ選択回路によって取り出されたデータ信号に基づいて所定数の出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記データ信号記憶回路の記憶タイミングを示すタイミング信号に重畳して外部より供給されるタイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成としたことを特徴とする駆動用IC。
- 素子駆動用のn個の出力端子と、該各出力端子と接続した第1駆動部と、m個の群選択用端子と、該各群選択用端子と接続した第2駆動部を備え、前記第1駆動部は、順次送られてくる少なくともn×m個のデータ信号を記憶するデータ信号記憶回路と、該データ信号記憶回路に記憶しているデータ信号を複数回に分割して取り出すデータ選択回路と、この取り出されたデータ信号に基づき前記各駆動用出力端子に駆動信号を出力するドライブ回路を備え、前記データ選択回路は、前記データ信号記憶回路の記憶タイミングを示すタイミング信号に重畳して外部より供給される分割タイミング信号に基づいて前記データ信号の分割を行う構成とし、前記第2駆動部は、前記m個の群選択用端子を前記分割タイミング信号に基づいて切り替える構成としたことを特徴とする駆動用IC。
- 前記タイミング信号に重畳して外部より供給される分割タイミング信号と記憶タイミングを示す信号とを分離する回路を備えることを特徴とする請求項2あるいは請求項3記載の駆動用IC。
- 前記複数のデータ信号に個々に対応して補正を行なうための補正データを記憶する補正データ記憶回路を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の駆動用IC。
- 前記駆動用ICは、複数の発光部で構成される群を複数備える発光素子を群単位で時分割駆動するための駆動用ICであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載された駆動用IC。
- 前記駆動用ICは、自己走査型の発光素子を駆動するための駆動用ICであるとともに、前記複数のデータ信号に個々に対応して補正を行なうための補正データを記憶する補正データ記憶回路を備えることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4のいずれかに記載された駆動用IC。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された駆動用ICを備えることを特徴とする光プリントヘッド。
- 基板上に一列に配列した自己走査型の発光素子と、前記基板上に一列に配列した前記発光素子駆動用のICと、前記発光素子と前記駆動用IC間の配線手段を備え、前記配線手段は、前記発光素子と前記駆動用IC間を直接接続する接続手段を備えた光プリントヘッドにおいて、前記駆動用のICとして、請求項1あるいは請求項2に記載された駆動用ICを備えることを特徴とする光プリントヘッド。
- 前記自己走査型の発光素子は、複数の発光サイリスタからなるグループを複数備えた構成であるとともに、前記駆動用ICと1対1の対応関係をもって配列されていることを特徴とする請求項9に記載された光プリントヘッド。
- 前記駆動用ICは複数の前記発光素子を駆動するとともに、この駆動用ICによって駆動される複数の発光素子を前記駆動用ICの長さ範囲内に配列したことを特徴とする請求項9に記載された光プリントヘッド。
- 前記自己走査型の発光素子へ供給する全ての信号を、前記駆動用ICに形成した端子とこの端子に接続したワイヤボンド線等の接続手段を介して供給することを特徴とする請求項9に記載された光プリントヘッド。
- 前記自己走査型の発光素子へ供給する信号の一部を、前記基板上の前記駆動用ICと前記発光素子の間に位置する配線パターンとこのパターンに接続したワイヤボンド線を介して供給することを特徴とする請求項9に記載された光プリントヘッド。
- 時分割駆動される複数の発光部を上面に配列した複数の発光素子と、この発光素子を駆動するための複数の駆動用ICと、基板とを備え、前記発光素子の列と駆動用ICの列とを前記基板の長手方向に配列した光プリントヘッドにおいて、駆動用ICとして請求項1あるいは請求項2に記載された駆動用ICを用いるとともに、前記発光素子は上面に配置する全ての端子を前記発光部列を境として駆動用IC側に配置し、前記基板は前記発光素子の列と前記駆動用ICの列の間に接続端子用のパターンを配置し、前記発光素子と前記駆動用ICの上面に設けた端子間の接続をワイヤボンド線などの接続手段で直接行なうとともに、前記発光素子と前記基板の上面に設けた端子間の接続をワイヤボンド線などの接続手段で直接行なったことを特徴とする光プリントヘッド。
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Applications Claiming Priority (4)
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JP34859098 | 1998-12-08 | ||
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JP3600097B2 JP3600097B2 (ja) | 2004-12-08 |
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