JPH09300621A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JPH09300621A
JPH09300621A JP11905996A JP11905996A JPH09300621A JP H09300621 A JPH09300621 A JP H09300621A JP 11905996 A JP11905996 A JP 11905996A JP 11905996 A JP11905996 A JP 11905996A JP H09300621 A JPH09300621 A JP H09300621A
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circuit
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bit
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Application number
JP11905996A
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English (en)
Inventor
Kunihito Sato
邦仁 佐藤
Toru Mihara
徹 三原
Shinichi Yasunaga
伸一 保永
Akira Mihara
顕 三原
Yoshinao Kondo
義尚 近藤
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要な機能を小規模の駆動回路構成で効率よ
く配置し、この駆動回路を発熱素子と同一基板上に搭載
したインクジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 発熱素子搭載基板に設けられた回路の構
成図である。ブロック駆動回路である16bitカウン
タ6の出力線が、どのプリドライバ4のNAND回路5
の入力線にも容易に入力可能なように交差して構成され
ている。出力線と入力線のコンタクト位置の変更だけ
で、プリドライバ4のNAND入力部への接続が変更可
能である。この例では、各ブロック内で1個飛び離散印
字を行ない、ブロック間においては、奇数番目のブロッ
ク2n−1(n=1〜8)と偶数番目のブロック2n
(n=1〜8)のブロック内の発熱素子が相互に隣接す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル内に保持さ
れたインクに対し、ノズル内に設けた発熱体にエネルギ
ーを印加して発熱させ、インク内に気泡を発生させてイ
ンクを噴射するインクジェット記録ヘッドに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】サーマルインクジェットプリンタは、低
価格、低騒音、コンパクトであるという利点があり、ノ
ズルの高集積化、駆動周波数の高速化により、画質、印
字スピードの点でも急激な進歩を遂げつつある。
【0003】サーマルインクジェット記録装置の記録ヘ
ッドにおける発熱素子搭載基板は、インク噴出用気泡を
発生させる為の発熱素子と発熱素子を駆動するドライバ
を同一基板上に作成し、駆動用ICからボンディングパ
ッドを経由して駆動信号を印加する構成が一般的であっ
た。すなわち、ドライバ駆動回路を同一基板に内蔵して
いないか、内蔵していても単なるスイッチングマトリク
ス的な簡単な組合せ回路であった。しかし、この構成で
はパッド数が多くなり高密度・多ノズル化に不利であ
り、駆動用ICからの配線数が多くなり高集積化やノイ
ズ対策に不利であり、しいてはコスト高を招くという問
題点があった。
【0004】その後、コスト削減および高密度化を目的
として、特開平5−31898号公報にみられるよう
に、ドライバ駆動回路も発熱素子と同一のSi基板上に
搭載する方法が提案された。最近では、特開平6−30
5148号公報のように、発熱素子をある個数ずつ複数
のブロックに分割し、ブロック毎に時分割して駆動する
手段、すなわち、ブロック分割駆動回路を設ける方法が
提案されており、駆動回路の縮小化,パッド数の減少化
などにより、発熱素子搭載基板の縮小の提案がなされて
いる。
【0005】図26は、ヘッドの移動方向と紙送り方向
の説明図であり、図26(A)はヘッド移動の斜視図、
図26(B)はヘッド内プリント基板の斜視図、図26
(C)はインク吐出面の説明図である。図中、151は
紙、152はノズル群、153はヘッド内プリント基
板、154は発熱素子搭載基板、155はインク流路用
チャネル基板である。
【0006】印字のための主走査方向と副走査方向を説
明する。紙151の移動方向である副走査方向に図26
(C)に示すノズル群152が配列されるようにヘッド
内プリント基板153を配置し、主走査方向にヘッドを
動かす。主走査方向の印字が1行終了するごとに、副走
査方向に1行分、紙151が送られる。図26(B)に
示すように、ヘッド内プリント基板153の一端から突
出するように、Si基板である発熱素子搭載基板154
とインク流路用チャネル基板155とが重ね合わされて
配置され、図26(C)に示したように、両基板の間に
ノズル群が形成されている。
【0007】ノズル数が少ないとヘッド移動速度が増
し、速度ムラによる濃度ムラが生じやすい。また、主走
査方向の一回の印字幅が狭いため、行間継ぎ目が増え、
筋が入る原因になりやすい。しかるに、ノズル群152
のノズル数が多いと、これに対応して発熱素子数が多く
なり、発熱素子搭載基板154内の共通電極部の配線抵
抗により、中央部で電圧降下を起こす等の理由により、
ノズル同士の間の噴射バラツキが無視できなくなる。一
般的には、300dpi〜600dpiの場合で64〜
256bit程度、すなわちチップ幅が5〜20mm前
後が適当とされている。
【0008】最大同時印字数は、電源容量の制約、配線
抵抗による電圧降下の影響などの制約から決まる。例え
ば、通電中、200mA程度の電流が流れる発熱素子を
用いた場合、同時に5個以上の発熱素子を駆動すれば、
一度に1A以上もの電流が流れる。発熱素子搭載基板1
54の中央付近では、共通電極に大電流が流れると配線
抵抗による電圧降下影響が生じ印字に悪影響を及ぼす。
また、急激な大電流成分により、プリンタ本体内やヘッ
ド内、プリンタ本内とヘッド間を接続する共通フレキシ
ブルフラットケーブルでノイズ混入の悪影響を受ける心
配もある。また、駆動周波数や同時に噴射するノズル
数,位置によっては、インク噴射口に隣接する液室やイ
ンクタンク内での圧力影響などにより、噴射時のクロス
トークが大きくなり、これにより、印字劣化が生じる。
【0009】これらの改善策として、同時に噴射するノ
ズル位置を考慮した方式がいくつか提案されている。特
開平6−191039号公報では、全体の発熱素子を隣
接したある個数ずつ複数のブロックに分け、ブロック毎
に時分割駆動する際、隣のブロックを駆動せずに、なる
べく離れたブロックを順次駆動して行く手段が提案され
ている。特開平6−198893号公報では、全体の発
熱素子を、3個おきに4つのブロックに分け、ブロック
毎に時分割駆動する手段が提案されている。特開平6−
191039号公報では、ブロック内の各発熱素子は隣
接しており、ブロック毎の駆動が離散的に構成されてい
るに対し、特開平6−198893号公報では、ブロッ
ク内の各発熱素子が3個おきに離散的に構成され、隣接
ブロックを順次駆動して行く構成になっている。
【0010】しかしながら、インク材料,液室,インク
タンク,ノズル構成,印字スピード等が変更されればク
ロストークの影響が異なり、最適なブロック分割方法,
ブロック駆動方法の変更を余儀なくされる。コスト削減
のためには、発熱素子搭載基板上に発熱素子駆動用ドラ
イバだけでなく、ドライバ制御用駆動回路も内蔵した方
が有利である。しかし、ブロック分割方法,ブロック駆
動方法が変更された場合、駆動回路を内蔵すれば駆動回
路の構成をも修正する必要が生じる。最適なブロック分
割方法,ブロック駆動方法を決定するには、通常いくつ
かの候補を試作して選定するが、それら各々ごとに駆動
回路の構成を変更し設計し直していたのでは、多大なT
ATが発生するとともにマスク,試作費用などのコスト
がかさむ。
【0011】また、特開平5−104721号公報に記
載のように、ブロック時分割駆動を行なう場合は、図2
6(C)にも示したように、ノズル群152を主走査方
向に対して垂直ではなく若干斜めに設置する提案があ
る。これは、ノズル群152を主走査方向に対し垂直に
すると以下の問題点があるためである。例えば、チップ
内の発熱素子群において、左から4個ずつ隣接した発熱
素子を一つのブロックとし順次ブロックを時分割駆動す
る場合を考える。主走査方向に対し、垂直な直線を印字
すると、最初のブロック印字と最後のブロック印字とで
はキャリッジが主走査方向に移動した分だけのずれが生
じてしまう。この現象を防ぐために、ノズル群152を
主走査方向に対し若干斜めに設置するわけである。な
お、主走査方向の双方向印字を行なう場合には、往路と
復路とでブロック転送方向を逆にする。
【0012】図27は、従来のインクジェット記録ヘッ
ドにおいて発熱素子が搭載された基板に設けられた回路
の一例を示す構成図である。図中、1は共通電極、2は
発熱素子、3はドライバ、4はプリドライバ、5はNA
ND回路、6は16bitカウンタ、7は64bitラ
ッチ、8は64bitシフトレジスタである。この例で
は、64個の発熱素子2を搭載している。厳密にいうと
64個分の発熱素子2の領域を持ったものということで
あって、発熱素子2を置く領域だけがあって実際には発
熱素子2がなかったり、通常の印字には使用しない特性
の異なる素子であったり、いわゆるダミー素子である場
合も含んでいる。例えば、異なる色のインクを一つの発
熱素子搭載基板を使用して印字を行なう場合、異なる色
の境界に幾つかのダミー素子を設けることが多い。この
明細書では、以上のことを踏まえて、発熱素子の配置可
能数を発熱素子数と呼ぶことにする。
【0013】図27は、64個の発熱素子2を、No.
1から順次4つずつ、計16個のブロックに分けて分割
駆動する場合である。64個の発熱素子2の一端はすべ
て共通電極1を介して電源に接続されている。また、他
端はそれぞれドライバ3に接続されている。ドライバ3
は、例えばMOSトランジスタやバイポーラトランジス
タなどで構成することができ、発熱素子2を駆動する。
【0014】プリドライバ4は、AND回路として説明
する。制御信号線論理を反転させてNORにする等AN
D的な構成を総括してAND回路と呼ぶことにする。図
では、NAND回路5とインバータの縦属接続を使って
図示されている。プリドライバ4は、対応する発熱素子
2の駆動信号をドライバ3の制御電極、例えばMOSト
ランジスタではゲート電極に入力する。NAND回路5
には、ENABLE(印字イネーブル)信号と16bi
tカウンタ6からのブロック分割駆動信号の1本と、6
4bitラッチ7からのデータ信号が入力されており、
対応する発熱素子2が選択され、印字すべきデータが存
在し、さらにブロック分割駆動信号が入力されたとき、
ドライバ3へ駆動信号を出力する。
【0015】16bitカウンタ6は、BCLK(ブロ
ック転送用クロック)信号をカウントしてブロック分割
駆動信号を発生し、ブロック1からブロック16までの
各ブロックに対応するプリドライバ4のNAND回路5
に入力する。64bitシフトレジスタ8は、シリアル
入力された印字データを順次保持し、64bitラッチ
7にパラレルに転送する。64bitラッチ7は、各発
熱素子2に対応した印字データを保持する。
【0016】上述した発熱素子搭載基板を用いたインク
ジェット記録装置の動作を説明する。最初の印字を行な
う前に、あらかじめ各発熱素子2に対応した64個の印
字データを、DCLK(データクロック)信号に同期し
て64bitシフトレジスタ8にシリアルに入力する。
その後、64bitラッチ7をリセットし、LCLK
(ラッチ用クロック)信号により64bitシフトレジ
スタ8内の全ての印字データを64bitラッチ7に転
送してラッチさせる。64bitラッチ7は、印字デー
タをそれぞれのNAND回路5に出力している。
【0017】16bitカウンタ6は、BRST(ブロ
ックリセット)信号によりリセットされ、BCLK(ブ
ロック転送用クロック)信号をカウントしてブロック分
割駆動信号を選択的に送出する。16bitカウンタ6
は、まず最初のブロック転送用クロックによりブロック
1に対するブロック分割駆動信号を1〜4番目のNAN
D回路5に対して出力する。外部よりENABLE信号
が入力されると、1〜4番目のNAND回路5のうち6
4bitラッチ7から印字データが出力されているもの
のみが駆動信号を出力し、ドライバ3が駆動される。こ
れにより1〜4番目の発熱素子2のうち印字データが存
在するものに電流が流れ、発熱素子2が発熱し、インク
中に気泡が発生し、インクが吐出されて印字が行なわれ
る。
【0018】続いて16bitカウンタ6は次のBCL
K信号によりブロック2に対するブロック分割駆動信号
を5〜8番目のNAND回路5に対して出力し、5〜8
番目の発熱素子2のうち印字データの存在するものが発
熱して印字が行なわれる。以下、順にブロック16まで
駆動して印字を行なう。この間に、次の64個分の印字
データをシリアルに64bitシフトレジスタ23に入
力する。
【0019】このような従来の構成において、発熱素子
2を搭載した基板内に16bitカウンタ6のようなカ
ウンタを設置する場合には、基板上部に発熱素子2が配
列されているので、横方向の長さはその制約を受ける。
従って、カウンタをレイアウトする際には極めて横長に
レイアウトする必要がある。また、印字上、時分割でブ
ロック駆動を行なう手段は、双方向性を有することが好
ましい。例えば、バイナリーカウンタ、ジョンソンカウ
ンタ、リニアフィードバックシフトレジスタ、グレイコ
ードカウンタなどを使用すればゲート数が減るが、配線
の引き回しによりレイアウト面積まで減らすのは難し
い。以上による理由から、ブロック数と同数の段数のシ
フトレジスタを用いた最も初歩的な16bitカウンタ
6を搭載するのが一般的である。この場合、16bit
カウンタ6に双方向性を持たせたいなら、前後のシフト
レジスタの順序を逆にするセレクタをシフトレジスタ間
に設ければよい。
【0020】時分割でブロックを駆動する手法には、カ
ウンタを利用した構成の他に、外部から入力された駆動
信号を基板内部でバイナリデコードして駆動ブロックを
選択する手法がある。しかし、バイナリデコードして駆
動ブロックを選択する手法では、ブロック分割数のlo
2 だけブロック駆動用の入力信号線数が必要となり、
例えば、24 =16ブロックでは4本も必要となるとい
う問題が発生する。
【0021】配線数は、コストおよび基板の高密度化の
点で重要であり、チップ面積削減、消費電力による発熱
を抑えるためにも回路規模は小さいことが望まれる。し
かし、複数の機能やアドレス線を共通化して入力信号線
数を少なくすれば、デコード回路が必要になり、回路規
模が増大し、デコードによる低速化を招く場合がある。
【0022】上述したように、コスト削減と高密度化の
点でドライバを駆動する回路も発熱素子と同一基板上に
搭載する方法は効果的である。しかし、駆動回路規模が
大きく、それを発熱素子と同一基板上に搭載すること
で、発熱素子搭載基板面積が増大すれば、コストアップ
を招く。駆動回路の規模が大きくなると消費電力が大き
くなり、基板温度が高くなってインクの噴射に悪影響を
及ぼす。また、駆動回路は、離散印字が可能な構成であ
り、さらに、複数の発熱素子2のブロック分割方法、ブ
ロック駆動方法を容易に設計変更できる構成である事が
望ましい。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、必要な機能を小規模の駆動
回路構成で効率よく配置し、この駆動回路を発熱素子と
同一基板上に搭載したインクジェット記録ヘッドを提供
することを目的とするものである。例えば、基板面積が
増大させることなく印字順序変更をフレキシブルに可能
とし、離散印字駆動を行なう場合に特に有効である。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、インクに熱エネルギーを印加する複数の発熱
素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドライバ
を画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板上に
形成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記複数
の発熱素子を複数の異なるブロックごとに時分割して駆
動するブロック分割駆動回路と印字データを保持するデ
ータ保持回路を有し、前記ブロック分割駆動回路は、2
つ以上のカウンタを組み合わせてブロックを指示するこ
とを特徴とするものである。
【0025】請求項2に記載の発明においては、インク
に熱エネルギーを印加する複数の発熱素子と、該発熱素
子を駆動するドライバと、該ドライバを画像データに応
じて制御する駆動回路を同一基板上に形成したインクジ
ェット記録ヘッドにおいて、前記複数の発熱素子を複数
の異なるブロックごとに時分割して駆動するブロック分
割駆動回路と印字データを保持するデータ保持回路を有
し、前記基板上に前記複数の発熱素子に対応する入力配
線と前記ブロック分割駆動回路の少なくとも1本のブロ
ック駆動配線とが交差して配線され、前記ブロック駆動
配線と前記入力配線との間を交差部分で接続することを
特徴とするものである。
【0026】請求項3に記載の発明においては、請求項
1または2に記載のインクジェット記録ヘッドにおい
て、前記駆動回路はプリドライバ回路を有し、該プリド
ライバ回路は、前記ブロック分割駆動回路から出力され
るブロック駆動信号と前記データ保持回路のデータ出力
とを合成して前記ドライバへの入力信号を作成するとと
もに、前記ブロック駆動信号またはデータ出力の少なく
とも1方は、前記発熱素子への印字イネーブル信号発生
時に出力されることを特徴とするものである。
【0027】請求項4に記載の発明においては、請求項
1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記基板上に外部との間で電気的な接
続を行なうパッド部を有し、前記ブロック分割駆動回路
の少なくとも1部の回路素子が前記パッド部に配置され
ることを特徴とするものである。
【0028】請求項5に記載の発明においては、請求項
1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記基板上に外部との間で電気的な接
続を行なうパッド部を有し、前記データ保持回路の少な
くとも1部の回路素子が前記パッド部に配置されること
を特徴とするものである。
【0029】請求項6に記載の発明においては、請求項
1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記カウンタは、双方向性を有するバ
イナリカウンタを有し、該バイナリカウンタは、非同期
型であり、かつ、隣接する2段に対して共通のクロック
を供給することによりクロックディレイを短くしたもの
であることを特徴とする。
【0030】請求項7に記載の発明においては、請求項
1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録
ヘッドにおいて、前記基板上の全発熱素子数を最大同時
可能印字数で割った値は、因数分解できる数であること
を特徴とするものである。
【0031】請求項8に記載の発明においては、請求項
1ないし7に記載のインクジェット記録ヘッドにおい
て、前記データ保持回路は、シリアルに入力された印字
データを一時的に保持するラッチ部を有し、該ラッチ部
が一度に保持する最大データ量は前記基板上の発熱素子
の総数よりも少ないことを特徴とするものである。
【0032】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
記録装置の第1の実施の形態において発熱素子が搭載さ
れた基板に設けられた回路の一例を示す構成図である。
図中、図27と同様な部分には同じ符号を付して説明を
省略する。図27と基本的に異なる点は、ブロック駆動
回路である16bitカウンタ6の出力線が、どのプリ
ドライバ4のNAND回路5の入力線にも容易に入力可
能なように交差して構成されている点である。すなわ
ち、16bitカウンタ6の出力線が図中を横方向に延
び、いずれのプリドライバ4においても、NAND回路
5の入力線の1本が出力線を縦断して縦方向に延び、そ
の途中において出力線の1本とコンタクトしている。具
体的なプリドライバ4の入力部のレイアウトは、図2
4,図25を参照して後述するが、出力線と入力線のコ
ンタクト位置の変更だけで、プリドライバ4のNAND
入力部への接続が変更可能である。
【0033】図27を参照して説明した従来の構成で
は、ブロック内でもブロック間でも隣接印字を行なった
が、この第1の実施の形態においては、各ブロック内で
1個飛び離散印字を行ない、ブロック間においては、奇
数番目のブロック2n−1(n=1〜8)と偶数番目の
ブロック2n(n=1〜8)のブロック内の発熱素子が
相互に隣接する構成である。
【0034】16bitカウンタ6は、ブロック数と同
数の段数を有するシフトレジスタをENABLE信号と
同期したBCLK信号により順次シフトして行く方式を
とっている。したがって、16bitカウンタ6は、ま
ず最初のBCLK信号によりブロック1に対するブロッ
ク分割駆動信号を1,3,5,7番目のNAND回路5
に対して出力し、ENABLE信号が入力されると、こ
れらのNAND回路5のうち64bitラッチ7から印
字データが出力されているもののみが駆動信号を出力
し、ドライバ3が駆動される。これにより1,3,5,
7番目の発熱素子2のうち印字データが存在するものに
電流が流れ、発熱素子2が発熱し、インク中に気泡が発
生し、インクが吐出されて印字が行なわれる。
【0035】続いて16bitカウンタ6は、次のBC
LK信号によりブロック2に対するブロック分割駆動信
号を2,4,6,8番目のNAND回路5に対して出力
し、2、4、6、8番目の発熱素子2のうち印字データ
の存在するものが発熱して印字が行なわれる。以下、順
にブロック16まで駆動して印字を行なう。この間に、
次の64個分の印字データをDCLK信号に同期してシ
リアルに64bitシフトレジスタ8に入力する。
【0036】プリドライバ4の入力部に上述したレイア
ウト構成をとると、図示を省略するが、コンタクト位置
の変更だけで15個飛び印字や、離散ブロック印字な
ど、印字順序変更に関して幅広くフレキシブルに対応が
可能である。
【0037】図2は、本発明のインクジェット記録装置
の第2の実施の形態において発熱素子が搭載された基板
に設けられた回路の一例を示す構成図である。図中、図
27,図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省
略する。11,12は4bitリングカウンタである。
この実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態にお
ける回路と比較して、ブロック分割駆動回路の出力線の
本数を減らしたものである。また、図27と同様にブロ
ック内でもブロック間でも隣接印字を行なうように、ブ
ロック分割駆動回路の出力線とNAND回路5の入力と
のコンタクト位置の変更をしている。
【0038】第1の4bitリングカウンタ11は、基
本的にはENABLE信号をクロックにしてシフトし、
この4bitリングカウンタ11のキャリーアウトをク
ロックとして4bitリングカウンタ12が動作する。
4bitリングカウンタ11の内部において、4bit
リングカウンタの各段の出力そのものとENABLE信
号とのANDをとって、4bitリングカウンタ11の
出力としているので、プリドライバ4のNAND回路5
へのENABLE信号入力線を1本不要としている。あ
るいは、4bitリングカウンタ12の方でENABL
E信号とのANDをとった構成にしても同等である。
【0039】この実施の形態では、図1に示したブロッ
ク分割駆動用の16bitカウンタ6を、第1,第2の
4bitカウンタ11,12に置き換えたため、ブロッ
ク分割駆動信号の本数が8本となり、回路規模が縮小さ
れている。なお、4bitカウンタ11,12は方向選
択入力を有する。ブロック16の駆動が終了すると、第
1,第2の16bitリングカウンタ11,12がリセ
ットされ、DIR(方向選択入力)信号に応じて駆動方
向が設定される。逆方向の駆動が設定されると、ブロッ
ク分割駆動信号の発生順序が逆転し、ブロック16から
順に駆動され、最後にブロック1が駆動される。
【0040】この実施の形態の配線構造では、4bit
リングカウンタ11および4bitリングカウンタ12
の出力線が、全発熱素子2の配列に沿って横方向に延び
ており、プリドライバ4の入力線の1本はリングカウン
タ11の全出力線と交差し、他の1本はリングカウンタ
12の全出力線と交差している。そして、ブロック内で
隣接印字を行なうことができるように、出力線と入力線
のコンタクト位置が決められている。したがって、コン
タクト位置を変更することにより、図1と同様な1個飛
び離散印字をすることもでき、コンタクト位置の変更に
より印字順序を幅広くフレキシブルに変更が可能であ
る。
【0041】これら第1,第2の実施の形態において
は、最大同時印字数が4bitであるから、必ずしも5
bit以上の印字データを保持する必要がなく、外部に
設けた駆動用ICの負担が増えるものの、発熱素子搭載
基板上には、4bitのシフトレジスタラッチで十分で
ある。
【0042】図3は、本発明のインクジェット記録装置
の第3の実施の形態において発熱素子が搭載された基板
に設けられた回路の一例を示す構成図である。図中、図
27,図2と同様な部分には同じ符号を付して説明を省
略する。21は4bitデータユニットである。この実
施の形態は、図2に示した第2の実施の形態における回
路中の64bitシフトレジスタ8に代えて、4bit
データユニット21を用いたものである。
【0043】印字データは最大同時印字数分しか保持さ
れないため、回路規模が大幅に削減されている。しか
し、印字する順序に合わせて印字データを外部から入力
する必要がある。4bitデータユニット21は、図1
4を参照して後述するように、4bitシフトレジスタ
と、この各段の出力をパラレル入力とする4bitラッ
チからなる。この実施の形態では、ENABLE信号と
のANDをとる構成は、4bitリングカウンタ11内
で行なう代わりに、4bitリングカウンタ12や4b
itデータユニット21内で行なっても同等である。
【0044】この実施の形態の配線構造では、4bit
データユニット21,4bitリングカウンタ11,4
bitリングカウンタ12の出力線が、いずれも全発熱
素子2の配列に沿って図中を横方向に延びており、プリ
ドライバ4の第1番目の入力線は4bitデータユニッ
ト21の全出力線と交差し、プリドライバ4の第2番目
の入力線は4bitリングカウンタ11の全出力線と交
差し、第3番目の入力線は4bitリングカウンタ12
の全出力線と交差している。そして、ブロック内で1個
飛び離散印字を行なうことができるように、出力線と入
力線のコンタクト位置が決められている。したがって、
コンタクト位置を変更することにより、図2と同様な隣
接印字をすることもできる。
【0045】図4は、本発明のインクジェット記録装置
の第3の実施の形態における動作の一例を示す信号シー
ケンス図である。図5は、各ユニットの出力のタイムチ
ャートである。DIR信号で駆動方向を設定する。最初
のENABLE信号の立ち上がり前に、4bitデータ
ユニット21は、1番目のブロックである1番目,3番
目,5番目,7番目の発熱素子2に対応する印字データ
をDCLK信号の立ち下がりタイミングで順次取り込
み、最初のENABLE信号と同期して立ち上がるLC
LK信号によりラッチする。
【0046】最初のENABLE信号が‘H’の期間に
印字が行なわれるが、このとき、図5に示すように、4
bitリングカウンタ11では、A1出力のみが’H’
であり、4bitリングカウンタ12では、B1出力の
みが’H’であるため、1番目のブロックに対応する1
番目,3番目,5番目,7番目の発熱素子2に対応する
プリドライバ4が動作可能となる。動作可能なプリドラ
イバ4中、4bitデータユニット21の出力D1〜D
4であって、’H’となるものに接続されたプリドライ
バ4が’H’となり、ドライバ2を駆動して発熱素子1
に電流を流して発熱させ、1番目のブロックの印字を行
なう。
【0047】この印字動作中、4bitデータユニット
21は、2番目のブロックである2番目,4番目,6番
目,8番目の発熱素子2に対応する印字データを、DC
LK信号の立ち下がりタイミングで、順次取り込み、次
のENABLE信号と同期して立ち上がるデータLCL
Kによりラッチし、次のブロックの印字データの読み込
みを行なう。2番目のブロックの印字駆動時には、図5
に示すように、4bitリングカウンタ11では、A2
出力のみが’H’であり、4bitリングカウンタ12
では、B1出力のみが’H’であるため、2番目のブロ
ックに対応する2番目,4番目,6番目,8番目の発熱
素子2に対応するプリドライバ4が動作可能となる。
【0048】4bitリングカウンタ11は、’H’と
なる出力が、A1,A2,A3,A4,A1…と循環
し、4bitリングカウンタ12は、’H’となる出力
が、B1,B2,B3,B4…と循環し、両カウンタの
AND条件で、印字駆動すべきブロックが指定される。
以後、N番目のブロックの印字駆動時には、N+1番目
のブロックに対応する印字データを読み込み、32番目
のブロックの駆動時には、31番目ブロックの印字駆動
時に読み込んだ印字データの印字駆動動作を行なって終
了する。この実施の形態において、プリドライバ4の入
力部とブロック駆動回路の出力線とのコンタクト位置を
変更した例を次に説明する。
【0049】図6,図7は、64個の発熱素子を15個
飛びで駆動する印字例の説明図である。図6と図7を合
わせると全てのコンタクト位置が示される。図中、第1
行目の1〜64の数字は、64個の発熱素子2に対応す
るNAND回路5の順序番号を示し、第1列目のD1〜
D4は4bitデータユニット21の出力線であり、A
1〜A4は4bitリングカウンタ11の出力線であ
り、B1〜B4は4bitリングカウンタ12の出力線
である。
【0050】丸印は、この丸印が付された位置の行の出
力線のそれぞれに、第1行目の各列の順序番号を有する
NAND回路5の3本の入力線の一本が個別にコンタク
トすることを表わしている。例えば、第1列において
は、D1,A1,B1の行に丸印が付されている。これ
は、4bitデータユニットの出力線D1がNo.1の
NAND回路5の第1番目の入力線にコンタクトし、4
bitリングカウンタ11の出力線A1がNo.1のN
AND回路5の第2番目の入力線にコンタクトし、4b
itリングカウンタ12の出力線B1がNo.1のNA
ND回路5の第3番目の入力線にコンタクトすることを
示している。
【0051】図6,図7のようにコンタクト位置を定め
て、ブロック駆動回路としての4bitリングカウンタ
11,12の出力線をプリドライバ4入力部であるNA
ND回路5に入力すると、15個飛びの印字が可能とな
る。
【0052】図8は、副走査方向の印字例の説明図であ
る。図8(A)は最初に駆動される4個の印字、図8
(B)は次に駆動される4個の印字、図8(C)は64
個の全ノズルの印字を行なった場合を示す。図中、黒丸
は、紙に印字されたドットを示している。上述した15
個飛びの印字は、全発熱素子2を使用した印字を行なう
際、副走査方向に対して一本一本の直線を描かずに、最
大同時印字数4本分の直線を16ドットずつ描いていく
印字方法と組み合せるとより効果的である。
【0053】図8(A)においては、最初に駆動される
発熱素子No.1,17,33,49により4個のノズ
ルからインクが吐出し、4個のドットが印字される。図
8(B)においては、次に駆動される発熱素子No.
2,18,34,50により4個のノズルからインクが
吐出し、4個のドットが印字される。図8(C)におい
ては、全ノズル64個による印字を行なった結果を示
す。この走査を主走査作方向に移動しながら繰り返し印
字を行なう。
【0054】図9,図10は、66個の発熱素子を4個
飛びに駆動する印字例の説明図である。図9と図10を
合わせると全てのコンタクト位置が示される。図中、第
1行目の1〜66の数字は、66個の発熱素子2に対応
するNAND回路5の順序番号を示し、第1列目のD1
〜D4、A1〜A4、B1〜B4は、図6,図7と同様
に出力線を表わし、丸印はコンタクト位置を表わしてい
る。第1行目において、1,22,23,44,45,
66の数字にはアンダーラインを付している。アンダー
ラインを付した順序番号に対応する、No.1,22,
23,44,45,66の発熱素子2は、通常の印字に
は使用されないダミー素子としている。
【0055】ダミー素子は、6個同時に選択されて駆動
され得るが、印字素子は、最大4個同時に駆動できる。
この例は、カラー3色を1チップの発熱素子基板154
で印字する場合を前提としており、例えば、No.2〜
21の発熱素子2がシアン、No.24〜43の発熱素
子2がマゼンタ、No.46〜65の発熱素子がイエロ
ーである。ダミー素子は、インクの混色を防いだり、メ
ンテナンスの際に泡抜き用に使用したりする。ダミー素
子は、一つ一つ制御する必要がないので、ここでは6個
同時駆動としている。
【0056】全ての発熱素子2を使用し、副走査方向に
対して一本の直線を描くような印字で、特に多ノズル化
した場合、離散印字する設計変更可能性は、隣接印字か
ら数十ノズル飛びの離散印字までしか設定する必要のな
い場合が多い。離散印字の間隔が大きくなれば、直線性
が悪くなるからである。この考えに基づいて構成した実
施の形態を次に説明する。
【0057】図11は、本発明のインクジェット記録装
置の第4の実施の形態において発熱素子が搭載された基
板に設けられた回路の一例を示す構成図である。図中、
図27,図2,図3と同様な部分には同じ符号を付して
説明を省略する。31は4bitリングカウンタ、32
は3bitバイナリカウンタ、33はバイナリデコード
部である。この実施の形態では、15個飛びまで、簡単
に対応可能な128個の発熱素子2を搭載したものであ
る。バイナリデコード部33は、8個の論理素子からな
り、その中の一つの論理素子は、16個の発熱素子しか
担当していない。最大同時印字数が4であるため、コン
タクト位置の変更だけでは、規則的な設定として、隣
接,1個飛び,3個飛びの3通りしか設定できない。図
示の例では、ブロック内で3個飛びの離散印字をし、4
ブロック完了するごとに、16個のノズル分だけ印字位
置がシフトする。
【0058】図3に示したような、2個のリングカウン
タの組み合わせを用いてブロック分割駆動信号を発生さ
せる方法をとるとすると、この例では、128個の発熱
素子2を搭載したものであるから、4bitリングカウ
ンタと8bitリングカウンタが必要となり、長手方向
(図示通りでは上下方向)に延びる12本の出力線の配
線を並べることになる。これに対し、8bitリングカ
ウンタに代えて、3bitバイナリカウンタ32とバイ
ナリデコード部33の組み合わせを用い、4bitリン
グカウンタ31と3bitバイナリカウンタ32の出力
線を計7本長手方向に並べ、デコード部33の8個の論
理ゲートと各論理ゲートの1本の出力線B1〜B8を長
手方向に1列に揃えるようにした図示の構成の方が、レ
イアウト面積を少なくできる。
【0059】もし、7個飛びの印字に設計変更する可能
性のある場合は、あらかじめ2個の論理ゲートの2本の
出力線B1とB2,B3とB4,B5とB6,B7とB
8を2本ずつ横方向に延ばし、各組を平行に並べて2列
に配線しておく。そして、32個分のNAND回路5の
各1本の入力線が、各2本の水平方向の出力線と交差す
るようにして、一方の出力線とコンタクトするようにす
ればよい。
【0060】図12は、図11に示した回路の周辺回路
を明示した回路の一例を示す構成図である。図中、図2
7,図2,図3と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。41は8bitリングカウンタ、42はレ
ギュレータ、43はヒステリシスを持つバッファ、44
はラッチである。8bitリングカウンタ41は、図1
1に示した3bitバイナリカウンタ32とデコード部
33を1個のユニットにまとめたものである。ただし、
7個飛びの印字に設計変更する可能性を考慮して、上述
したように、2本の出力線B1とB2,B3とB4,B
5とB6,B7とB8を2本ずつ長手方向に延ばし、各
組を平行に並べて2列に配線している。
【0061】この他、周辺回路として、レギュレータ4
2、各入力端子に介在しヒステリシスを持たせたバッフ
ァ43を示している。レギュレータ42は、プリドライ
バ4にHVDD(発熱素子共通電極)1から12〜14
V程度のプリドライバ電源電圧を供給するための回路で
ある。この実施の形態では、ドライバ3をNチャネルE
−MOSで構成しているため、ドライバON時のゲート
電圧を低電圧ロジック系の5Vよりも高い電圧で駆動す
る必要がある。そのため、プリドライバ用電源電圧は、
レギュレータ42より供給する構成として、プリドライ
バ4で低電圧ロジック部の出力を合成し高い電圧にして
ドライバ3を駆動している。
【0062】主要な動作は、これまでに説明した各実施
の形態の動作から明らかであるが、以下、改めて印字動
作を詳細に説明する。そのため、個々の構成ユニット自
体の動作についても、個別に図13ないし図20の図面
を参照して説明する。
【0063】図12において、4bitリングカウンタ
31および8bitリングカウンタ41は、双方向リン
グカウンタである。これらが、4個の発熱素子2からな
るブロックを順次選択して発熱素子2を駆動する。1つ
の印字サイクルごとに、ブロックを32回シフトし、1
28個の発熱素子2の印字動作を完了する。長手方向の
左端を発熱素子No.1、右端を発熱素子No.128
とする。初めにNRST信号を’L’にして、4bit
リングカウンタ31と8bitリングカウンタ41をク
リアする。
【0064】図13は、印字方向の選択動作の説明図で
ある。この実施の形態では、外部からの印字データを入
力する信号線と外部から印字方向を選択する信号線とを
兼用することによって、入力ラインを1本節約するとと
もに、回路基板上のパッドを1個節約している。そのた
め、NRST信号が立ち上がるときに、外部からこのラ
インにデータ方向選択のためのDIR信号を出力するよ
うにしている。
【0065】したがって、NRST信号の立ち上がり時
に、DTDIR端子の状態がラッチ44によってラッチ
され、印字方向がセットされ、ラッチ44の出力線が方
向選択の信号線となる。両リングカウンタは、DIR
が’0’のときに、発熱素子No.1を含む1番目のブ
ロックを最初に選択し、方向選択信号が’1’のとき
に、発熱素子No.128を含む32番目のブロックを
最初に選択する。
【0066】一方、印字データの入力は、NRST信号
が’H’の期間中に行なう。したがって、NRST信号
を’H’とした後、DCLK信号のタイミングで印字デ
ータを4bitデータユニット21の内部のシフトレジ
スタにシリアルに読み込み、データ保持動作をする。
【0067】図14は、4bitデータユニットの一例
を示す回路図である。図中、51は4bitシフトレジ
スタ、52はラッチである。図12に示した4bitデ
ータユニット21は、DCLK信号の立ち下がりでD入
力がQ出力に伝達されるD−FFが4個縦属接続された
4bitシフトレジスタ51と、この各段のQ出力をD
入力としLCLKの’L’でD入力をQ出力に伝達する
4bitラッチ52とからなる。印字データは、DCL
K信号の立ち下がりで4bitシフトレジスタ51にシ
リアルに読み込まれる。読み込まれた印字データは、L
CLKが立ち上がると4bitシフトレジスタ51の印
字データが4bitラッチ52にラッチされる。
【0068】図12に戻って説明する。ENABLE信
号が’H’になるごとに印字データをラッチするため
に、図12においては、ENABLE信号をLCLKと
して使用している。そして、ENABLE信号の’H’
により印字が行なわれ、インクの噴射時間はENABL
E信号の’H’の期間で決まる。2個の双方向リングカ
ウンタである、4bitリングカウンタ31の出力RE
1〜RE4の中の1つと8bitリングカウンタ41の
出力B1〜B8の中の1つが’H’になって、駆動すべ
きブロックが選択される。
【0069】4bitデータユニット21に記憶された
印字データにしたがって、最初に選択されたブロック内
の4つの発熱素子2の印字動作を行なう。選択されたブ
ロックのラッチされた印字データが’H’(アクティ
ブ)なら、ENABLE信号が’H’の間、対応する発
熱素子2が通電して発熱する。発熱素子2上の絶縁膜が
加熱されて発生した気泡の膨張収縮作用によりインクを
噴射し、印字を行なう。印字動作中に次のブロックの4
個の発熱素子2の印字データを4bitデータユニット
21に読み込む。
【0070】ブロック駆動回路としての4bitリング
カウンタ31および8bitリングカウンタ41の各出
力と、データ保持回路としての4bitデータユニット
の出力の3入力をプリドライバ4でAND合成してドラ
イバ3を駆動して発熱素子2を選択駆動する。プリドラ
イバ4は、論理が3入力ANDになるものであれば、図
示のようなNAND回路とインバータの縦属接続でなく
ても差し支えない。例えば、制御信号線論理を反転させ
て、NORゲートを使用した構成にしても差し支えな
い。ブロック駆動回路が選択したブロック内で、4bi
tデータ保持回路21でラッチされた印字データにした
がって印字を行なう。
【0071】ENABLE信号の立ち下がりで4bit
リングカウンタ31および8bitリングカウンタ41
の各出力が’L’になって印字が終わり、4bitリン
グカウンタ31および8bitリングカウンタ41の’
H’出力がシフトして次のブロックの4個の発熱素子2
を選択する。この例では、4bitリングカウンタ31
の出力は、4bitリングカウンタの機能そのものの出
力信号とENABLE信号とのANDをとって出力RE
1〜RE4としたものである。したがって、プリドライ
バ4へは、改めてENABLE信号を入力する必要がな
い。ENABLE信号は、データ保持回路としての4b
itデータユニット21,ブロック駆動回路としての4
bitリングカウンタ31および8bitリングカウン
タ41のうち、出力ビット数が最も少ないものとAND
を取るのがAND回路を少なくできて効率がよい。
【0072】既に説明したように、次のENABLE信
号の立ち上がりまでに、次の印字データを4bitデー
タユニット21に読み込ませておく。これらの印字動作
サイクルを32回繰り返し、128個の発熱素子2の印
字動作が終わる。4bitデータユニット21に読み込
まれるシリアルデータは、順方向印字の時は、読み込ま
れた順番に、発熱素子No.1,5,9,13のように
若い方から4個飛びの各発熱素子2の印字データとな
る。
【0073】逆方向印字の時は、ブロックの選択順序が
逆になるが、各ブロック内では発熱素子No.116,
120,124,128のように、若い方から4個飛び
の印字データとなり、4bitデータユニット21への
データ格納順序はかわらないが、データを格納する順序
にも双方向性を持たせてもよい。また、4bitデータ
ユニット21は、印字動作開始前に印字データを4bi
t分必ず転送するようにしているため、クリア入力がな
い。
【0074】図15は、4bitリングカウンタの動作
説明図である。4bitリングカウンタ31は、常に、
4ビットの出力RE1〜RE4のうち1ビットが’H’
で、残り3ビットが’L’である。順方向印字のとき
は、ENABLE信号パルスにより、(A)のようにR
E1→RE2→RE3→RE4→RE1→RE2→…の
順で’H’がシフトする。逆方向印字のときは、(B)
のようにRE4→RE3→RE2→RE1→RE4→R
E3→…の順で’H’がシフトする。4bitリングカ
ウンタ31の内部でENABLE信号とのANDをとる
構成となっている。
【0075】図16は、8bitリングカウンタの動作
説明図である。8bitリングカウンタ41は、8ビッ
トの出力B1〜B8のうち、常に、1ビットが’H’
で、残り7ビットが’L’である。順方向印字のとき
は、(A)のようにENABLE信号パルスの4回ごと
に、B1→B2→…→B8の順で’H’がシフトする。
逆方向印字のときは、(B)のようにENABLE信号
パルスの4回ごとに、B8→B7→…→B1の順で’
H’がシフトする。
【0076】図17は、ENABLE信号パルスごとに
選択される発熱素子の番号を示す説明図である。図1
2,図15に示した4bitリングカウンタ31の出力
と図12,図16に示した8bitリングカウンタ41
の出力のAND条件によりブロック分割駆動が行なわ
れ、図17に示したような番号の発熱素子2が選択さ
れ、4bitデータユニット21の出力D1〜D4の値
に応じて駆動される。
【0077】ブロック分割駆動手段である、4bitリ
ングカウンタ31および8bitリングカウンタ41に
双方向性を持たせるのは、図26に示した主走査方向に
ヘッドを移動させて右端に到達したとき、副走査方向に
紙151を移動させながら逆主走査方向に印字できるよ
うにするためである。逆主走査方向に印字をすることに
より高速印字が可能である。また、図26(C)を参照
して説明したように、ヘッドを主走査方向に対し斜めに
し、主走査移動方向に一番進んだブロックから順次駆動
した方が副走査方向の直線印字性がよい。したがって、
逆主走査方向にヘッドを動かす場合、主走査方向に動作
させるときとは、ブロック分割駆動順序を逆にする必要
が生じる。次にブロック分割駆動回路の具体例について
説明する。
【0078】図18は、非同期型のバイナリカウンタの
一例を示す回路図である。図中、61〜65はDフリッ
プフロップ、66〜69はAND回路である。代表的な
カウンタ構成方法として、ジョンソンカウンタ、リニア
フィードバックシフトレジスタ、バイナリカウンタ、グ
レイコードカウンタがある。ブロック数が25 =32個
であり、双方向性を有し、タイミング速度をそれ程要求
しない、という3つの理由を考えた場合、バイナリカウ
ンタが有利である。よく知られているバイナリカウンタ
として同期型と非同期型のバイナリカウンタを考える
と、非同期型の方が回路構成が簡単で配線引き回しが小
さい。しかし、前段のフリップフロップの出力を次のフ
リップフロップのクロックとして使用すると、次のフリ
ップフロップの出力は、フリップフロップ一つ分遅延す
る。これを5段構成にしたのではタイミング的に間に合
わない。しかし、同期型を使用すれば、ゲート数、配線
数が増大する。
【0079】また、Dフリップフロップの構成には、一
相クロックを使用したスタティック・マスタースレーブ
型の他に、伝送ゲートを有した二相クロックを使用する
シフトレジスタがよく知られている。一つのシフトレジ
スタを構成する為のトランジスタ数は、一相クロック・
スタティック・マスタースレーブ型より、二相クロック
を使用するシフトレジスタの方が少ない。しかし、二相
クロックを使用するシフトレジスタでは、図18に示す
ようなフリップフロップによりクロックが同期していな
い場合には大いに不利である。
【0080】図18に示す構成では、非同期型のバイナ
リカウンタでありながら、ディレイを極力抑えた構成と
している。各Dフリップフロップ61〜65では、クロ
ック入力の立ち下がりによって出力を反転し、Dフリッ
プフロップ61〜64はそれぞれAND回路66〜69
へ出力する。外部から入力されるクロックは、Dフリッ
プフロップ61、AND回路66,67に入力される。
AND回路66はDフリップフロップ61の出力とクロ
ックの論理積をDフリップフロップ62およびAND回
路67へ出力する。AND回路67は、Dフリップフロ
ップ62の出力、AND回路66の出力、およびクロッ
クの論理積をDフリップフロップ63、AND回路6
8,69へ出力する。AND回路68はDフリップフロ
ップ63の出力とAND回路67の論理積をDフリップ
フロップ64およびAND回路69へ出力する。AND
回路69は、Dフリップフロップ64の出力、AND回
路67,68の出力の論理積をDフリップフロップ65
へ出力する。
【0081】図19は、図18に示した非同期型のバイ
ナリカウンタの動作例を示すタイミングチャートであ
る。初期状態として、Dフリップフロップ61〜65の
Q出力は‘L’となっており、Q出力の反転出力である
*Q出力は‘H’でD入力に接続されている。最初のク
ロックの立ち下がりでDフリップフロップ61はD入力
をラッチして出力し、U信号は‘H’となる。これによ
りAND回路66の1つの入力は‘H’となる。次のク
ロックの立ち下がりでDフリップフロップ61の出力は
反転して‘L’となる。このようにしてDフリップフロ
ップ61の出力はクロックの立ち下がりが入力されるご
とに出力を反転し、図19のU信号のような波形とな
る。
【0082】2つ目のクロックの時にはU信号が‘H’
であるから、Dフリップフロップ62には2つ目のクロ
ックパルスがそのまま入力され、その立ち下がり時に出
力を反転する。そのため、W信号は‘H’となる。次の
3つ目のクロックではDフリップフロップ61の出力が
‘L’であるからAND回路66からクロックパルスが
入力されない。この3つ目のクロックでDフリップフロ
ップ61の出力は‘H’になっているので、4つ目のク
ロックパルスがDフリップフロップ62に入力され、そ
の立ち下がりで出力が反転して‘L’となる。
【0083】Dフリップフロップ62の出力が‘H’と
なり、AND回路66から4つ目のクロックパルスが出
力されると、AND回路67は直接入力される4つ目の
クロックパルスを出力する。このとき、AND回路66
からのクロックパルスはAND回路66によって遅延し
ているので、AND回路67から出力されるクロックパ
ルスの立ち上がりは遅延する。しかし、立ち下がりは直
接入力されるクロックパルスの立ち下がりに従うので、
AND回路67から出力されるクロックパルスの立ち下
がりの遅延はAND回路67のみによる遅延量だけであ
る。
【0084】AND回路67から出力されるクロックパ
ルスはDフリップフロップ63に入力され、出力を反転
する。Dフリップフロップ63,64は、AND回路6
7から出力されるクロックパルスをクロックとして、そ
れぞれDフリップフロップ61,62と同様に動作す
る。このようにして図19に示すX,Y信号が得られ
る。
【0085】さらにDフリップフロップ65は、AND
回路69の出力をクロックとしてDフリップフロップ6
1,63と同様に動作し、図19に示すようにY信号の
立ち下がりで反転するZ信号が得られる。この場合も、
AND回路67から出力されるクロックパルスの立ち下
がりで動作させることができるので、遅延量はAND回
路67,69の2つ分となる。このように、図18に示
す回路では、非同期型のバイナリカウンタでありなが
ら、1つあたりのクロックディレイがフリップフロップ
一つ分の遅れ時間より遥かに短く、最も遅延するZ信号
の出力はわずかに2ゲート分遅延するのみである。
【0086】このようにして得られたU,W,X,Y,
Z信号は、クロックをカウントした信号となっている。
これをデコードすることによって、対応するブロックの
選択信号を得ることができる。
【0087】図18に示した非同期型のバイナリカウン
タを用いて4bitリングカウンタ31、8bitリン
グカウンタ41を構成する場合、Dフリップフロップ6
1,62、AND回路66,67を4bitリングカウ
ンタ31に、Dフリップフロップ63,64,65、A
ND回路68,69を8bitリングカウンタ41にそ
れぞれ設け、AND回路67の出力をキャリー信号とし
て4bitリングカウンタ31から8bitリングカウ
ンタ41に渡せばよい。
【0088】図20は、図18に示した非同期型のバイ
ナリカウンタを用いた4bitリングカウンタおよび8
bitリングカウンタの一例を示す構成図である。図
中、図12,図18と同様の部分には同じ符号を付して
説明を省略する。71〜75はセレクタ、76はデコー
ド部、77はAND回路部である。破線より上が4bi
tリングカウンタ31、下が8bitリングカウンタ4
1の構成を示している。このように、双方向の4bit
リングカウンタ31と双方向の8bitリングカウンタ
41の出力を別々にレイアウトしプリドライバ4へ入力
することとする。
【0089】この方がデコードの手間を省くことができ
る。4bitリングカウンタ31が1サイクル終了する
ごとに8bitリングカウンタ41が一つシフトする。
しかし、基本的には図18に示す非同期バイナリカウン
タと同様の構成である。各Dフリップフロップ61〜6
5の出力に、それぞれセレクタ71〜75が接続され、
さらにデコード部33,76が接続されている。さらに
4bitリングカウンタ側ではAND回路部77が接続
されている。
【0090】図18に示した回路では、カウントアップ
の動作しか行なえないが、容易にカウントダウンの動作
が行なえるように構成することができる。すなわち、順
方向/逆方向でDフリップフロップ61〜65の出力を
反転させればよい。そのため、図20に示した回路で
は、セレクタ71〜75を設け、ブロックの駆動順序を
示すDIR信号によって正出力と反転出力を切り換える
ように構成している。
【0091】上述のようにDIR信号は順方向を示すと
きに‘L’、逆方向を示すときに‘H’であるから、そ
れぞれのセレクタ71〜75ではDIR信号が‘L’の
ときDフリップフロップ61〜65のQ出力を選択し、
‘H’のとき反転信号である*Q出力を選択する。この
ようにして、駆動するブロックの番号が決まる。これを
バイナリデコード部33,76でデコードして対応する
信号線に駆動信号を出力する。
【0092】また、4bitリングカウンタ側では、A
ND回路部77において、デコード部33の出力とEN
ABLE信号との論理積をとる。これにより、ENAB
LE信号をプリドライバ4へ入力することを不要にし、
配線を簡素化している。なお、バイナリデコード部33
とAND回路部77とを合わせて3入力AND回路とす
ることもできる。
【0093】上述した説明では、主に、発熱素子搭載基
板上の各回路要素の動作について説明した。次に、発熱
素子搭載基板上の各回路要素のレイアウトについて説明
する。
【0094】図21は、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの実施の一形態における全体構成の概略のレイアウ
トを示す平面図である。図26に示した発熱素子搭載基
板を示し、図中、81は発熱素子部、82はドライバ
部、83はレギュレータ部、84はプリドライバ部、8
5はロジック出力部、86はパッド部、87はHVDD
のパッド、88はHVSSのパッド、89はVDDのパ
ッド、90はVSSのパッド、91はリセット端子のパ
ッド、92はENABLE端子のパッド、93はデータ
方向選択端子のパッド、94はデータ用クロック端子の
パッド、95は8bitリングカウンタ部、96は4b
itリングカウンタ部、97は4bitデータユニット
部である。
【0095】このレイアウトは、図12に示した本発明
のインクジェット記録装置の第4の実施の形態において
発熱素子搭載基板に設けられた回路の一例のレイアウト
であって、周辺回路を含んだものである。この発熱素子
搭載基板は、Si基板上に、128個のサーマルインク
ジェット印字用の発熱素子2、各発熱素子2に電流を流
し発熱させるドライバ3、ドライバ3を制御する駆動回
路およびパッドを集積化したものであり、4μmプロセ
スで構成され一層Al配線であり、一例として、全ての
トランジスタがN型MOSで構成される。
【0096】図示の状態で左方向を上方向と呼び、図示
の状態で上下方向を長手方向と呼ぶことにすると、発熱
素子搭載基板は、長手方向に長い矩形面を有し、上方向
端部に沿って発熱素子部81が配列され、その下に隣接
してドライバ部82が配列される。また、発熱素子搭載
基板の長手方向両端部に沿って、上下方向に長いレギュ
レータ部83が各1個配置される。ドライバ部82の下
には、プリドライバ部84とロジック出力部85が横方
向に2列になって配置され、発熱素子搭載基板の下方向
端部に沿ってパッド部86が設けられている。
【0097】具体的に大きさを例示すると、発熱素子搭
載基板は、横方向11.6mm、上下方向2.34mm
である。
【0098】発熱素子部81は、解像度300dots
/25.4mmの128個の発熱素子2を持ち、各発熱
素子2は、シート抵抗40〜60ohm程度のポリシリ
コン層からなる。ドライバ部82に配列されたドライバ
2は、NチャネルE−MOS高耐圧トランジスタで、W
/L=3200μm/4μm程度である。Wはゲート幅
(チャネル幅)、Lはゲート長(チャネル長)の寸法で
ある。
【0099】ドライバ3を制御する駆動回路は、プリド
ライバ4、レギュレータ42、交差配線部、低電圧ロジ
ック部を有する。プリドライバ4は、プリドライバ部8
3に配列されドライバ3ヘのインターフェイスである。
2個のレギュレータ42は、レギュレータ部83に配置
され、プリドライバ4に対し両脇から電圧を供給する。
交差配線部は、ロジック出力部85に配置され、プリド
ライバ4の入力線と低電圧ロジック部の出力線とのコン
タクト位置を定める。8bitリングカウンタ41,4
bitリングカウンタ31,4bitデータユニット2
1などの低電圧ロジック部は、主としてパッド部86に
配置され、印字データのラッチおよびブロック分割駆動
を行なう。
【0100】パッド部86には、さらに、複数のパッド
を有し、HVDDのパッド87およびHVSSのパッド
88は、発熱素子2とドライバ3との直列接続されたも
のとレギュレータ42のための高電圧の供給を受ける端
子であり、左右に一対設けてある。VDDのパッド89
およびVSSのパッド90は、低電圧ロジック部のため
の低電圧の供給を受ける端子である。VSSのパッド9
0も左右に設けてある。NRST端子のパッド91、E
NABLE端子のパッド92、DTDIR端子のパッド
93は、それぞれ、リセット用のRST信号、ENAB
LE信号、データ方向選択用のDTDIR信号を入力す
る端子である。
【0101】4bitリングカウンタ31、8bitリ
ングカウンタ41、データユニット21は、可能な限り
パッド部86に組み込み込むと効率がよい。4bitリ
ングカウンタ31は、双方向バイナリーカウンタ部とバ
イナリデコーダ部からなるが、両者ともできるだけパッ
ド部86内の4bitリングカウンタ部96にレイアウ
トする。ここで、双方向バイナリーカウンタ部とは、図
20に示したDフリップフロップ61,62、AND回
路66,67、セレクタ71,72であり、バイナリデ
コーダ部とは、バイナリデコード部76およびAND回
路部77である。
【0102】8bitリングカウンタ41では、図11
に示した配置からもわかるように、その双方向バイナリ
ーカウンタ部をできるだけパッド部86内の8bitリ
ングカウンタ部95にレイアウトし、そのバイナリデコ
ード部を、ロジック出力部85内に、駆動する8つのブ
ロックに隣接させて配置する。ここで、双方向バイナリ
ーカウンタ部とは、図20に示したDフリップフロップ
63〜65、AND回路68,69、セレクタ73〜7
5であり、バイナリデコード部とは、図11,図20に
示したバイナリデコード部33である。
【0103】データユニット21は、シフトレジスタ部
およびラッチ部からなるが、いずれもパッド部86の4
bitデータユニット部97に組み込む。ここで、シフ
トレジスタ部とは、図14に示した4bitシフトレジ
スタ51であり、ラッチ部とはラッチ52である。シフ
トレジスタ51の大きさは、ブロック駆動用のDフリッ
プフロップよりも小さく、8段までは余裕をもってレイ
アウトが可能である。
【0104】図21に示した全体概略レイアウトは、第
4の実施の形態以外の実施の形態の回路を有する発熱素
子搭載基板についても適用することができる。ノズル
数、各部の設計寸法は異なるものの全体のレイアウトと
しては、ほぼ同様である。上述したように、発熱素子搭
載基板は、多数の発熱素子2の配設があるため、長手方
向を発熱素子2の配設分より短くできない。したがっ
て、通常、極めて横長のレイアウトになる。
【0105】図1を参照して説明した第1の実施の形態
においては、ブロック分割駆動回路の一例として、シフ
トレジスタ方式であってブロック数と同じ段数の16b
itカウンタ6を用いており、プリドライバ部84の下
に横長のレイアウトにしている。しかし、16bitカ
ウンタ6を、一か所にまとめてレイアウトしようとする
と、その分、上下方向に長くなり、無駄な空き領域が生
じる。また、図1に示したように、ブロック分割駆動の
ための出力信号線を横方向に16本も敷くと、上下方向
のレイアウト面積が増大してしまう。
【0106】これに対して、図2を参照して説明した第
2の実施の形態においては、ブロック分割駆動回路とし
て、4bitリングカウンタ11,12の組合せを用い
ることによって、ブロック分割駆動のための出力線の本
数を少なくしてレイアウト面積を小さくしている。
【0107】全てのトランジスタをNチャネルMOS構
成として4μmプロセスで構成した場合、セレクタは、
縦160μm、横130μmで、Dフリップフロップ
は、縦160μm、横290μmで作成することができ
る。これらの寸法から理解できるように、図21に示し
たレイアウトが可能である。NチャネルMOSに代えて
CMOSトランジスタを使用することもできる。なお、
図12に示したドライバ3には、バイポーラトランジス
タを使用することができ、この場合には、高い電圧で駆
動する必要がないので、プリドライバ4およびレギュレ
ータ42を設けずに構成することもできる。
【0108】図22は、NチャネルのED−MOS構成
を用いたプリドライバの入力部の内部回路の説明図であ
る。図中、101はエンハンスメント型のNチャネル駆
動E−MOS、102はデプレッション型のNチャネル
負荷D−MOSである。プリドライバ4の入力部は3入
力のNAND回路5であり、このNAND回路5の内部
回路を示している。プリドライバ電源に対して1個の負
荷D−MOS102および3個の駆動E−MOS101
が直列に接続されている。E−MOS101のゲートが
入力端となり、負荷D−MOS102とE−MOS10
1の接続点が出力端となり、3個のE−MOS101の
ゲートの全てが’H’のときにのみ出力端が’L’とな
り、NAND回路となる。
【0109】図23は、CMOSを用いたプリドライバ
の入力部の内部回路の説明図である。3入力のNAND
回路5の内部回路の第2の例を示す。図中、111はN
チャネルMOS、112はPチャネルMOSである。電
源に対して3個のPチャネルMOS112の並列接続と
3個のNチャネルMOS111とが直列に接続されてい
る。各NチャネルMOS111のゲート電極は入力端で
あるとともに1個のPチャネルMOS112のゲートに
接続され、1対のNチャネルMOS111と1個のPチ
ャネルMOS112とでCMOSを構成している。3個
のPチャネルMOS112の並列接続とNチャネルMO
S111の接続点が出力端となる。3個のNチャネルM
OS111のゲートの全てが’H’のときにのみ出力端
が’L’となり、NAND回路となる。
【0110】図24は、プリドライバ入力部の配線レイ
アウトの第1の例を示す説明図である。121は駆動回
路出力線、122はENABLE信号の出力線、123
はグランド線、124,125は拡散層、126〜13
1はポリシリコン層である。図1に示した本発明の第1
の実施の形態における発熱素子搭載基板に設けた回路に
ついて説明する。発熱素子No.5,6に対応したプリ
ドライバ入力部のレイアウトを部分的に拡大して示す。
図中、アルミニウムパターン部分(AL)、ポリシリコ
ン部分(Poly)、拡散層(SDG)部分、コンタク
ト(Contact)部分を異なるハッチングパターン
で表わしている。このレイアウトは、図22に示したプ
リドライバの入力部では、NチャネルE−MOS101
が3個直列に接続された部分に対応する。
【0111】16bitリングカウンタ6の16本の駆
動回路出力線121、ENABLE信号の出力線12
2、グランド線123がアルミニウムパターンとして図
示横方向に走り、その下層に、プリドライバ入力部のN
o.5,6のNAND回路5の拡散層124,125が
縦断している。拡散層124,125の間の縦の領域に
は、ブロック1の駆動回路出力線121からブロック1
6の駆動回路出力線121まで2列のポリシリコン層1
26,127が線状に形成され、それぞれ、ブロック1
とブロック2の駆動回路出力線121の間の領域におい
て、左または右にT字状に分岐して拡散層124,12
5を覆い、1個目のNチャネルMOSトランジスタを形
成する。ポリシリコン層126,127は、NAND回
路5の第1番目のゲートとなる。
【0112】ブロック1の駆動回路出力線121は、ポ
リシリコン層126とコンタクトして接続され、ブロッ
ク2の駆動回路出力線121は、ポリシリコン層127
とコンタクトして接続される。その結果、図1に示した
回路図通り、ブロック1の駆動信号がNo.5のNAN
D回路5の第1の入力となり、ブロック2の駆動信号が
No.6のNAND回路5の第1の入力となる。
【0113】線状の2列のポリシリコン層126,12
7の図示下方向には、2本のポリシリコン層128,1
29が形成され、それぞれ、ブロック16の駆動回路出
力線121とENABLE信号の出力線122の間の領
域において、L字状に分岐して拡散層124,125を
覆い、2個目のNチャネルMOSトランジスタを形成
し、ポリシリコン層126,127は、NAND回路5
の第2番目のゲートとなる。ENABLE信号出力線1
21は、ポリシリコン層128,129とコンタクトし
て接続される。
【0114】さらに、ポリシリコン層128,129の
図示下方向には、2本のポリシリコン層130,131
が形成され、それぞれ、ENABLE信号の出力線12
2とグランド線123の間の領域において、L字状に分
岐して拡散層124,125を覆い、3個目のNチャネ
ルMOSトランジスタを形成し、ポリシリコン層13
0,131は、NAND回路5の第3番目のゲートとな
る。
【0115】ポリシリコン層130,131は、図示を
省略した下方において図1に示した64bitシフトレ
ジスタ8からのラッチデータが入力される。グランド線
123は、拡散層124,125とコンタクトする。図
示を省略した上方において、拡散層124,125の上
層に図22に示した3個直列に接続されたNチャネルE
−MOS101の一番上のドレイン電極が位置する。ま
た、グランド線123が拡散層124,125とコンタ
クトすることによって、3個直列に接続されたNチャネ
ルE−MOS101の一番下のソース電極となる。
【0116】その結果、図1に示した回路図通り、ブロ
ック1の駆動信号がNo.5のNAND回路5の第1の
入力となり、ブロック2の駆動信号がNo.6のNAN
D回路5の第1の入力となる。
【0117】NチャネルMOSトランジスタを、ブロッ
ク1とブロック2の駆動回路出力線121の間の領域、
ブロック16の駆動回路出力線121とENABLE信
号の出力線122の間の領域、ENABLE信号の出力
線122とグランド線123の間の領域に作っているた
め、トランジスタのレイアウト面積を削減することがで
きる。
【0118】図25は、プリドライバ入力部の配線レイ
アウトの第2の例の説明図である。図中、図24と同様
な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。141〜
143はポリシリコン層である。図24と同様に、図1
を参照して説明した第1の実施の形態の回路構成につい
て説明する。このレイアウトは、図22に示したプリド
ライバの入力部では、3個直列に接続されたE−MOS
101の入力線に対応し、図23に示したプリドライバ
の入力部では、3個直列に接続されたNチャネルMOS
111の入力線に対応する。
【0119】ENABLE信号の出力線122、16b
itリングカウンタ6の16本の駆動回路出力線121
がアルミニウムパターンとして図示横方向に走り、その
下層に、絶縁層を介してNo.5のNAND回路5の第
1番目〜第3番目の線状のポリシリコン層141〜14
3が第1〜第3番目の入力線として縦断する。ただし、
第1番目のポリシリコン層141はENABLE信号の
出力線122の位置までしか延びないが、第2番目,第
3番目のポリシリコン層142,143はブロック16
の出力線121の位置まで延びている。他の順序番号の
NAND回路5の3本のポリシリコン層についても同様
に縦断している。
【0120】ENABLE信号の出力線122は、第1
番目のポリシリコン層141にコンタクトされて接続さ
れ、図示を省略した下方において図1に示した64bi
tシフトレジスタ8からのラッチデータは、第3番目の
ポリシリコン層143に入力される。
【0121】ブロック1の駆動回路出力線121は、第
2番目のポリシリコン層142とコンタクトして接続さ
れる。また、ブロック2の駆動回路出力線121は、N
o.6のNAND回路の第2番目のポリシリコン層とコ
ンタクトして接続される。その結果、図1に示した回路
図通り、ブロック1の駆動信号がNo.5のNAND回
路5の第2の入力となり、ブロック2の駆動信号がN
o.6のNAND回路5の第2の入力となる。
【0122】図示を省略した上方において、図22に示
したNチャネルED−MOS構成を用いたプリドライバ
の入力部、あるいは、図23に示したCMOSを用いた
プリドライバの入力部が形成され、3本のポリシリコン
層141〜143は、それらの3入力ゲートとなる。
【0123】プリドライバ入力部が、図22のようなN
チャネルED−MOS構成になっている場合、図24,
図25に示したどちらのレイアウトでも使用可能であ
る。プリドライバ入力部が、図23のようなCMOS構
成である場合、図25に示したレイアウトを使用可能で
ある。図24,図25に示したいずれの例においても、
NAND回路5の1つの入力ゲートが全てのブロック駆
動信号線と交差してレイアウトされているため、線状の
アルミニウム層と線状のポリシリコン層のコンタクト位
置の変更だけで、プリドライバ入力部への信号線を変更
することができる。したがって、コンタクト位置を変更
するだけで、15個飛び印字や離散ブロック印字など、
印字順序変更に関して幅広くフレキシブルに対応するこ
とが可能である。
【0124】同様に、図2を参照して説明した第2の実
施の形態では、NAND回路5の第1の入力ゲートが4
bitリングカウンタ11の全ての出力線と交差し、N
AND回路5の第2の入力ゲートが4bitリングカウ
ンタ12の全ての出力線と交差してレイアウトされてい
る。さらに、図3を参照して説明した第3の実施の形態
では、NAND回路5の第3の入力ゲートが4bitデ
ータユニット21の全ての出力線と交差してレイアウト
されている。
【0125】また、図11を参照して説明した第4の実
施の形態では、NAND回路5の第1の入力ゲートが4
bitデータユニット21の全ての出力線と交差し、第
2の入力ゲートが4bitリングカウンタ31の全ての
出力線と交差してレイアウトされている。
【0126】したがって、コンタクト位置を変更するだ
けで、15個飛び印字や離散ブロック印字など、印字順
序変更に関して幅広くフレキシブルに対応することが可
能である。
【0127】上述した説明では、比較的規則的な離散印
字の例で説明したが、もちろん、ブロック分割構成およ
び発熱素子要素をもっとランダムにも構成できるし、ブ
ロック印字順序も変更できる。また、最大印字数が6、
2個飛び離散印字、ブロック数7、合計発熱素子数14
6などという構成も容易に可能であるし、ブロックごと
に発熱素子数が違っていても構わないし、発熱素子が半
端な数でも勿論構わない。しかし、この場合、外部駆動
ICの負担などの外的要因を考える必要がある。基板上
の全発熱素子数を最大同時可能印字数で割った値が因数
分解できる数であると、印字するブロックの時分割制御
が容易になる。最大同時可能印字数は、1ブロック構成
する発熱素子数に対応し、全発熱素子数を最大同時可能
印字数で割った値はブロック数に対応する。したがっ
て、ブロック数が因数分解できると、印字するブロック
の時分割制御が容易になる。特に、全発熱素子数を最大
同時印字数で割った値が、2の整数指数倍である、例え
ば、発熱素子数が128、最大同時印字数が8なら12
8/8=25 となる場合が、一番効率的である。
【0128】また、通常、NチャネルMOSプロセスで
発熱素子搭載基板を構成しようとすると、マスク数は約
15枚、CMOSプロセスだと約20枚、bi−CMO
Sプロセスであれば約25〜30枚程度必要とする。従
来は、印字順序の変更のための修正を、ほとんど全ての
マスクに対して行なう必要が生じ、設計期間の増大、マ
スク費用の増大を招いていた。
【0129】上述したように、データ保持回路とブロッ
ク分割駆動回路の出力とを合成するプリドライバを介し
てドライバを制御し、データ保持回路出力およびブロッ
ク分割駆動回路出力が入力可能性のあるどのプリドライ
バへも入力可能な構成にした。これにより、印字順序変
更要求が生じた場合でも、設計変更は、発熱素子搭載基
板面積を増大させることなく、アルミニウムとポリシリ
コンのコンタクト位置の変更だけでフレキシブルに印字
順序変更が可能である。さらに、印字順序を色々を変更
したチップを一度に試作する場合に、各々のチップで異
なる部分がコンタクトだけであれば設計が非常に楽にな
る。
【0130】駆動制御回路を、発熱素子と同一基板上に
効率よく搭載可能であるので、発熱素子搭載基板をコン
パクトにでき、基板面積減少によるコスト削減と高密度
化に有利なインクジェット記録ヘッドを提供することが
できる。また、駆動回路の規模が小さいので駆動回路の
消費電力による発熱が小さく印字に悪影響をほとんど与
えず昇温印字劣化を防止できる。
【0131】例えば、発熱素子搭載基板のサイズや製造
プロセスを変更することなく、600dpi/25.4
mmの解像度、256個の発熱素子搭載、最大8bit
同時印字などに高密度化,高速化することが容易に可能
となる。さらに、高密度化する場合でも、製造プロセス
の微細化,高密度化や、基板面積の増大を最小限に押さ
えることができる。
【0132】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、複数の発熱素子を複数の異な
るブロックごとに時分割して駆動するブロック分割駆動
回路と印字データを保持するデータ保持回路を有し、ブ
ロック分割駆動回路は、2つ以上のカウンタを組み合わ
せてブロックを指示することから、個々のカウンタ単独
によるブロックの指定数が少なくても、2つ以上のカウ
ンタの組み合わせによりブロックの指定数を増やすこと
ができるという効果がある。
【0133】また、ブロック分割方法、ブロック駆動方
法、同時印字数等を変更する必要が生じたときにも、2
つ以上のカウンタの出力の組み合わせ方を変更するだけ
で、容易に対応することができるという効果がある。例
えば、ブロックの指定が容易なリングカウンタを用いる
場合には、ブロックの指定数に応じてカウンタの出力線
の本数が多くなるため、ブロックの指定数を増やせるこ
とは特に利点が大きい。
【0134】請求項2に記載の発明によれば、複数の発
熱素子を複数の異なるブロックごとに時分割して駆動す
るブロック分割駆動回路と印字データを保持するデータ
保持回路を有し、基板上に複数の発熱素子に対応する入
力配線とブロック分割駆動回路の少なくとも1本のブロ
ック駆動配線とが交差して配線され、ブロック駆動配線
と入力配線との間を交差部分で接続する。
【0135】ブロック分割方法、ブロック駆動方法、同
時印字数等の変更などの、印字順序変更要求が生じた場
合でも、設計変更は発熱素子搭載基板面積を増大させる
ことなく、各ブロックに対応するブロック駆動配線とこ
のブロックに含まれる発熱素子に対応する入力配線との
間の交差部分で接続を変更するだけで対応できるため、
フレキシブルに印字順序変更が可能である。
【0136】請求項3に記載の発明によれば、駆動回路
はプリドライバ回路を有し、プリドライバ回路は、ブロ
ック分割駆動回路から出力されるブロック駆動信号とデ
ータ保持回路のデータ出力とを合成してドライバへの入
力信号を作成するとともに、ブロック駆動信号またはデ
ータ出力の少なくとも1方は、発熱素子への印字イネー
ブル信号発生時に出力されることから、発熱素子を通電
する期間を規定する印字イネーブル信号のために、新た
に信号線を配設する必要がなく、配線引き回しのための
スペースが節約できるとともに、プリドライバ回路にお
ける入力信号の合成能力に負担を与えないという効果が
ある。
【0137】請求項4に記載の発明によれば、基板上に
外部との間で電気的な接続を行なうパッド部を有し、ブ
ロック分割駆動回路の少なくとも1部の回路素子がパッ
ド部に配置されることから、基板内の余分な空き領域を
有効利用することにより基板面積の増大を防ぐことがで
きるという効果がある。
【0138】請求項5に記載の発明によれば、基板上に
外部との間で電気的な接続を行なうパッド部を有し、デ
ータ保持回路の少なくとも1部の回路素子がパッド部に
配置されることから、同様に、基板内の余分な空き領域
を有効利用することにより基板面積の増大を防ぐことが
できるという効果がある。
【0139】請求項6に記載の発明によれば、カウンタ
が、双方向性を有するバイナリカウンタを有し、このバ
イナリカウンタは、非同期型であり、かつ、隣接する2
段に対して共通のクロックを供給することによりクロッ
クディレイを短くしたものであることから、双方向動作
が可能であるとともに、カウンタの段数が長くなっても
クロックディレイが各段のフリップフロップ等の遅れ時
間ほどには長くならないという効果がある。
【0140】請求項7に記載の発明によれば、基板上の
全発熱素子数を最大同時可能印字数で割った値は、因数
分解できる数であることから、印字するブロックの時分
割制御が容易になるという効果がある。
【0141】請求項8に記載の発明によれば、データ保
持回路は、シリアルに入力された印字データを一時的に
保持するラッチ部を有し、ラッチ部が一度に保持する最
大データ量は基板上の発熱素子の総数よりも少ないこと
から、全ての発熱素子分のデータを一度に保持するので
はなく、最大同時印字数分だけにして回路規模を縮小す
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録装置の第1の実
施の形態において発熱素子が搭載された基板に設けられ
た回路の一例を示す構成図である。
【図2】 本発明のインクジェット記録装置の第2の実
施の形態において発熱素子が搭載された基板に設けられ
た回路の一例を示す構成図である。
【図3】 本発明のインクジェット記録装置の第3の実
施の形態において発熱素子が搭載された基板に設けられ
た回路の一例を示す構成図である。
【図4】 本発明のインクジェット記録装置の第3の実
施の形態における動作の一例を示す信号シーケンス図で
ある。
【図5】 各ユニットの出力のタイムチャートである。
【図6】 64個の発熱素子を15個飛びで駆動する印
字例の第1の説明図である。
【図7】 64個の発熱素子を15個飛びで駆動する印
字例の第2の説明図である。
【図8】 副走査方向の印字例の説明図である。
【図9】 66個の発熱素子を4個飛びに駆動する印字
例の第1の説明図である。
【図10】 66個の発熱素子を4個飛びに駆動する印
字例の第2の説明図である。
【図11】 本発明のインクジェット記録装置の第4の
実施の形態において発熱素子が搭載された基板に設けら
れた回路の一例を示す構成図である。
【図12】 図11に示した回路の周辺回路を明示した
回路の一例を示す構成図である。
【図13】 印字方向の選択動作の説明図である。
【図14】 4bitデータユニットの一例を示す回路
図である。
【図15】 4bitリングカウンタの動作説明図であ
る。
【図16】 8bitリングカウンタの動作説明図であ
る。
【図17】 ENABLE信号パルスごとに選択される
発熱素子の番号を示す説明図である。
【図18】 非同期型のバイナリカウンタの一例を示す
回路図である。
【図19】 非同期型のバイナリカウンタの動作例を示
すタイミングチャートである。
【図20】 非同期型のバイナリカウンタを用いた4b
itリングカウンタおよび8bitリングカウンタの一
例を示す構成図である。
【図21】 本発明のインクジェット記録ヘッドの実施
の一形態における全体構成の概略のレイアウトを示す平
面図である。
【図22】 NチャネルED−MOSを用いたプリドラ
イバの入力部の内部回路の説明図である。
【図23】 CMOSを用いたプリドライバの入力部の
内部回路の説明図である。
【図24】 プリドライバ入力部の配線レイアウトの第
1の例を示す説明図である。
【図25】 プリドライバ入力部の配線レイアウトの第
2の例の説明図である。
【図26】 ヘッドの移動方向と紙送り方向の説明図で
ある。
【図27】 従来のインクジェット記録ヘッドにおいて
発熱素子が搭載された基板に設けられた回路の一例を示
す構成図である。
【符号の説明】
1…共通電極、2…発熱素子、3…ドライバ、4…プリ
ドライバ、6…16bitカウンタ、7…64bitラ
ッチ、8…64bitシフトレジスタ、11,12…4
bitリングカウンタ、21…4bitデータユニッ
ト、31…4bitリングカウンタ、32…3bitバ
イナリカウンタ、33…バイナリデコード部、41…8
bitリングカウンタ、42…レギュレータ、71〜7
5…セレクタ、81…発熱素子部、82…ドライバ部、
83…レギュレータ部、84…プリドライバ部、85…
ロジック出力部、86…パッド部、95…8bitリン
グカウンタ部、96…4bitリングカウンタ部、97
…4bitデータユニット部、121…駆動回路出力
線、123…グランド線、124,125…拡散層、1
26〜131,141〜143…ポリシリコン層、15
3…ヘッド内プリント基板、154…発熱素子搭載基
板、155…インク流路用チャネル基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三原 顕 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 近藤 義尚 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに熱エネルギーを印加する複数の
    発熱素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドラ
    イバを画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板
    上に形成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
    複数の発熱素子を複数の異なるブロックごとに時分割し
    て駆動するブロック分割駆動回路と印字データを保持す
    るデータ保持回路を有し、前記ブロック分割駆動回路
    は、2つ以上のカウンタを組み合わせてブロックを指示
    することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 インクに熱エネルギーを印加する複数の
    発熱素子と、該発熱素子を駆動するドライバと、該ドラ
    イバを画像データに応じて制御する駆動回路を同一基板
    上に形成したインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
    複数の発熱素子を複数の異なるブロックごとに時分割し
    て駆動するブロック分割駆動回路と印字データを保持す
    るデータ保持回路を有し、前記基板上に前記複数の発熱
    素子に対応する入力配線と前記ブロック分割駆動回路の
    少なくとも1本のブロック駆動配線とが交差して配線さ
    れ、前記ブロック駆動配線と前記入力配線との間を交差
    部分で接続することを特徴とするインクジェット記録ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記駆動回路はプリドライバ回路を有
    し、該プリドライバ回路は、前記ブロック分割駆動回路
    から出力されるブロック駆動信号と前記データ保持回路
    のデータ出力とを合成して前記ドライバへの入力信号を
    作成するとともに、前記ブロック駆動信号またはデータ
    出力の少なくとも1方は、前記発熱素子への印字イネー
    ブル信号発生時に出力されることを特徴とする請求項1
    または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記基板上に外部との間で電気的な接続
    を行なうパッド部を有し、前記ブロック分割駆動回路の
    少なくとも1部の回路素子が前記パッド部に配置される
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記基板上に外部との間で電気的な接続
    を行なうパッド部を有し、前記データ保持回路の少なく
    とも1部の回路素子が前記パッド部に配置されることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記カウンタは、双方向性を有するバイ
    ナリカウンタを有し、該バイナリカウンタは、非同期型
    であり、かつ、隣接する2段に対して共通のクロックを
    供給することによりクロックディレイを短くしたもので
    あることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記基板上の全発熱素子数を最大同時可
    能印字数で割った値は、因数分解できる数であることを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記データ保持回路は、シリアルに入力
    された印字データを一時的に保持するラッチ部を有し、
    該ラッチ部が一度に保持する最大データ量は前記基板上
    の発熱素子の総数よりも少ないことを特徴とする請求項
    1ないし7に記載のインクジェット記録ヘッド。
JP11905996A 1996-03-21 1996-05-14 インクジェット記録ヘッド Pending JPH09300621A (ja)

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