JP2006159782A - インクジェット記録ヘッド用基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】回路の高密度化やレイアウト面積の縮小を実現するための高電圧動作回路における入力信号配線部位のレイアウト占有面積を縮小する
【解決手段】CMOSビット選択回路とその選択回路への入力信号を印加するための入力信号配線において、入力信号配線の直下層に同電圧動作回路の動作電源電圧が印加されるウエル層を配置する。またビット選択回路の信号配線側にはPMOSトランジスタを配置し、そのPMOSトランジスタと入力信号配線の間には動作電源電圧を供給する電源配線を配置する構成とする。
【選択図】 図9

Description

本発明はインクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置に関し、特にインクを吐出するために必要な熱エネルギを発生する電気熱変換素子とそれを駆動するための駆動回路を同一の基板上に形成したインクジェット記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置に関するものである。
一般に、インクジェット方式に従う記録装置に搭載される記録ヘッドの電気熱変換素子(ヒータ)とその駆動回路は、例えば特許文献1、特許文献2に示されているように半導体プロセス技術を用いて同一基板上に形成されている。またこの駆動回路に加えて、当該半導体基板の状態、たとえば基板温度を検知するためのデジタル回路等が同一基板上に形成され、かつインク供給口が基板の中央付近にありこれを挟んだ位置にヒータが相対する記録ヘッドの構成が提案されている。
図1はこの種のインクジェット記録ヘッド用基板(ヘッド用基板)の回路ブロックとインク供給口を模式的に示す図である。図1では、ヘッド用基板110の半導体基板上にインク供給口111を6個形成したものが示されている。なお、図1では便宜上、左側のインク供給口111に対応する回路ブロックのみを図示し、他の5個のインク供給口111に対応する回路ブロック(115)の図示は省略している。図1に示されるように、インク供給口111を挟んで対向する位置にヒータ112がアレイ状に配置されている。このヒータ112を選択駆動する回路ブロック(駆動回路113)がヒータ112に対応して配置されている。またこれらのヒータ112や駆動回路113へ電源や信号を供給するためのパッド114が半導体基板110の端部に配置されている。
図2に図1の駆動回路113の回路構成と信号の流れを模式的に示す。パッド114に印加される画像データなどを含んだ信号は、入力回路201を介して内部回路を構成するブロック選択回路(主としてシフトレジスタで構成される)203や時分割選択回路(主としてデコーダで構成される)202へと入力される。図2に示した例では、入力される画像データを時分割選択回路202で時分割選択信号に変換している。時分割選択信号は、ヒータ駆動ブロック1〜8(206)の各々に供給される。ブロック選択回路203は、画像データの入力に用いられる同期信号(クロック)に同期した画像データ信号に基づいてヒータ駆動ブロック1〜8を選択するブロック選択信号を生成する。ブロック選択信号によって選択されたヒータ駆動ブロックは時分割選択信号に従ってヒータを駆動する。すなわち、ブロック選択信号と時分割選択信号のANDにより駆動されるヒータが決定される。
図3にヒータ駆動ブロック204の詳細な構成を示す。ヒータ駆動ブロック204はアレイ状に配置されたヒータ112に対応して配置されたヒータ駆動MOSトランジスタ306、レベル変換回路304及びヒータ選択回路305を有する。ここでヒータ駆動MOSトランジスタ306はヒータ112への通電をON/OFFするスイッチとしての機能を果たす。ブロック選択回路203からのブロック選択信号302および時分割選択回路202からの時分割選択信号303はヒータ選択回路305のANDゲートへ入力される。従って、これら2つの信号302,303が共にアクティブとなった場合にそのANDゲートの出力がアクティブとなる。このANDゲートの出力信号は、レベル変換回路304によりその信号の電圧振幅が、入力回路201からヒータ選択回路305までの駆動電圧(第1電源電圧)よりも高い電源電圧(第2電源電圧)にレベル変換される。レベル変換された信号は、ヒータ駆動MOSトランジスタ306のゲートに印加される。ゲートに信号が印加されたヒータ駆動MOSトランジスタ306に接続されたヒータ112は、電流が通電され、駆動されることとなる。なお、レベル変換回路304で第2電源電圧にレベル変換を行うのは、ヒータ駆動MOSトランジスタ306のゲートに印加する電圧を高くすることにより、そのオン抵抗を低下させ、高い効率でヒータに電流を流すことを可能とするためである。
図4に一般的なレベル変換回路304とその周辺回路の内部回路を示す。レベル変換回路304は第1電源電圧で動作する回路部304aと第2電源電圧で動作する回路部304bに分けられる。ヒータ選択回路305からの出力であるヒータ選択信号401が、第1電源電圧で動作するインバータ412a(PMOSトランジスタ410とNMOSトランジスタ411で構成されている)に入力される。インバータ412aはヒータ選択信号401の反転論理の信号を生成し、第2電源電圧で動作するNMOSトランジスタ414およびPMOSトランジスタ413のゲートへ印加する。またインバータ412aの反転信号はインバータ412bへ入力されて再び反転される。インバータ412bの出力信号は第2電源電圧で動作するNMOSトランジスタ416およびPMOSトランジスタ415のゲートへ印加される。回路部304bでは、これらの入力信号に従ってヒータ駆動MOSトランジスタ306をスイッチングするための、第2電源電圧の振幅値を有する信号が生成され、ヒータ駆動MOSトランジスタ306のゲートに入力される。
特開平5−185594号公報 米国特許第6290334号明細書
以上述べてきたように、インクジェット記録ヘッド用基板の回路においては、入力信号の電圧振幅である第1電源電圧で動作する回路ブロックと、ヒータ電流を制御するMOSトランジスタのゲートに印加するためのより高い第2電源電圧で動作する回路ブロックが存在する。即ち、インクジェット記録ヘッド用基板は第1及び第2電源電圧という2種類の電源電圧により制御駆動され、かつ第1電源電圧の信号振幅をレベル変換回路にて第2電源電圧の信号振幅に変換するという構成を有する。このため、図4で説明したレベル変換回路が各ヒータ駆動MOSトランジスタ毎に設けられている。しかしながら、このようなレベル変換回路は多くのトランジスタによって構成されるため、必要とするチップの面積は大きなものとなる。
従って、上述のような構成をとる記録ヘッド用基板のレイアウト構成を考えた場合、各セグメント毎に付加されるレベル変換回路は各セグメントの長さを増大させることにつながり、チップサイズの増大を招き、コストアップの要因となる。すなわち、上述のようなレイアウトでは、ヒータアレイと直交する方向にチップが拡大し、チップの増大が顕著となる。また、回路素子数の増加は、歩留まりの低下や回路構成の複雑化を招き、更なるコストアップの要因となる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、レベル変換回路の規模を減少して基板サイズの増大を抑えるとともに、基板上に形成される素子数を低減することで歩留まりの向上を図りかつ回路構成を簡素化することにある。また、そのような基板サイズの縮小化において、誤動作をなくし、安定した動作を実現することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録ヘッド用基板は以下の構成を備える。すなわち、
インクを吐出するために利用される熱エネルギを発生するための電気熱変換素子と、該電気熱変換素子を駆動するための回路を搭載した基板であって、
第1電圧の振幅レベルの入力信号に基づいて、駆動すべき電気熱変換素子を選択する選択信号を該第1電圧よりも高い第2電圧の振幅レベルで出力する第1回路部と、
前記第1回路部から前記選択信号を入力し、駆動すべき電気熱変換素子に対応する駆動素子を制御する第2回路部と、
前記第1及び第2回路部の間で前記選択信号を伝送する信号配線群とを備え、
前記第2回路部は、前記駆動素子と同型の素子からなる第1素子群を該駆動素子のアレイに隣接して配置し、該駆動素子と異なる型の素子からなる第2素子群を前記信号線側に配置し、該第2素子群を形成する基板層が前記信号配線群の直下まで延びている。
本発明によれば、レベル変換回路の規模が減少され、基板サイズの増大が抑えられるとともに、回路構成の簡素化が達成される。また、基板上に形成される素子数を低減することで歩留まりが向上する。更に、このような基板サイズの縮小化において、誤動作をなくし、安定した動作を実現することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
なお、説明で用いる「素子基体上」という表現は、単に素子基体の上を指し示すだけでなく、素子基体の表面、表面近傍の素子基体内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作りこみ(ビルトイン(built-in))」とは、別体の各素子を単に基体上に配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程などによって素子基体上に一体的に形成、製造することを示すものである。
<第1実施形態>
まず、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の例について説明する。図11は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図11に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図11に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用しており、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
さらに、図11において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラである。
なお、上述した例では、記録ヘッドとインクを貯留するインクカートリッジとは分離可能な構成であるが、以下に説明するように、これら記録ヘッドとインクカートリッジとが一体となったヘッドカートリッジをキャリッジ2に搭載しても良い。
図12はヘッドカートリッジの構成の一例を示す外観斜視図である。図11ではインクカートリッジ6と記録ヘッド3は別体としているがインクカートリッジと記憶ヘッドを一体化したヘッドカートリッジにも本発明のインクジェット記録ヘッド用基板は適用できる。
図12に示されているように、インクジェットカートリッジIJCはブラックインクを吐出するカートリッジIJCKとシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色のカラーインクを吐出するカートリッジIJCCから構成されており、これら2つのカートリッジは互いに対して分離可能であり、夫々独立にキャリッジ2と脱着可能である。
カートリッジIJCKはブラックインクを貯留するインクタンクITKとブラックインクを吐出して記録する記録ヘッドIJHKとから成り立っているが、これらは一体型の構成となっている。同様に、カートリッジIJCCはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色のカラーインクを貯留するインクタンクITCとこれらカラーインクを吐出して記録する記録ヘッドIJHCとから成り立っているが、これらは一体型の構成となっている。なお、この実施例ではインクタンク内にインクが充填されているカートリッジとなっている。
さらに、図12から明らかなように、ブラックインクを吐出するノズル列、シアンインクを吐出するノズル列、マゼンタインクを吐出するノズル列、イエロインクを吐出するノズル列はキャリッジ移動方向に並んで配置され、ノズルの配列方向はキャリッジ移動方向とは交差する方向となっている。
次に、上記構成の記録装置の記録ヘッド3に用いられるヘッド基板について説明する。図13は3色のカラーインクを吐出する記録ヘッドIJHCの立体的な構造を示す斜視図である。
図13からインクタンクITCから供給されるインクの流れが明らかになる。記録ヘッドIJHCには、シアン(C)インクを供給するインクチャネル33C、マゼンタ(M)インクを供給するインクチャネル33M、イエロ(Y)インクを供給するインクチャネル33Yがあり、インクタンクITCからは夫々のインクチャネルに基板の裏面側から夫々のインクを供給する供給路(不図示)が備えられている。
これらのインクチャネルを経てCインク、Mインク、Yインクは夫々、インク流路31C、31M、31Yによって基板上に設けられた電気熱変換体(ヒータ)41まで導かれる。そして、電気熱変換体(ヒータ)41に対して後述する回路を通して通電されると、電気熱変換体(ヒータ)41上にあるインクに熱が与えられ、インクが沸騰し、その結果、生じた泡(bubble)によって吐出口32C、32M、32Yからインク液滴30C、30M、30Yが吐出される。
なお、図13において、51は後で詳述する電気熱変換体やこれを駆動する種々の回路、メモリ、キャリッジHCとの電気的接点となる種々のパッド、種々の信号線が形成されたヘッド基板である。
また、1つの電気熱変換体(ヒータ)、これを駆動するMOS−FET、及び電気熱変換体(ヒータ)をまとめて記録素子といい、複数の記録素子を総称して記録素子部という。
図13ではカラーインクを吐出する記録ヘッドIJHCの立体的な構造を示したが、ブラックインクを吐出する記録ヘッドIJHKも同様な構造をしている。ただし、その構造は図13に示す構成の3分の1である。即ち、インクチャネルは1つであり、ヘッド基板の規模も約3分の1程度となる。
次に、上記インクジェット記録装置の制御構成について説明する。図14は図11に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図14に示すように、コントローラ60は、MPU60a、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM60b、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)60c、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM60d、MPU60a、ASIC60c、RAM60dを相互に接続してデータの授受を行うシステムバス60e、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU60aに供給するA/D変換器60fなどで構成される。
また、図14において、61aは画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置61aと記録装置1との間ではインタフェース(I/F)61bを介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
さらに、62はスイッチ群であり、電源スイッチ62a、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ62b、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ62cなど、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。63はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ63a、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ63b等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
さらに、64aはキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、64bは記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
ASIC60cは、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM60dの記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
次に、上記構成の記録装置の記録ヘッドに用いられるヘッド基板について詳細に説明する。特に、ヘッド基板上(ヒータボード上)に作りこまれる駆動回路の構成を中心に説明する。なお、上述したように、ヘッド基板の上には各記録素子に対応してインク吐出口30C,M,Yやこのインク吐出口に連通した流路31C,M,Yを形成する部材(不図示)が設けられており、これにより記録ヘッドを構成する。そして、この記録素子上に供給されるインクを記録素子の駆動によって加熱することで膜沸騰による気泡を発生させインクを吐出口から吐出する構成となっている。
図5は、第1実施形態によるインクジェット記録ヘッド用基板(以下、ヘッド用素子基体)400を説明するための回路ブロック図と電気信号の流れを模式的に示す図である。ヘッド基板400は図11により上述したヘッド基板51に対応する。なお、インク供給口や、ヒータアレイ及び駆動回路等の各回路ブロックの配置は図1で示した構成と同様であるので説明を省略する。
図5において、パッド401に印加される画像データなどを含んだ信号は、入力回路406を介して内部回路を構成するシフトレジスタ404へと接続される。シフトレジスタ404の出力信号の一部はデコーダ405へ供給される。デコーダ405の出力信号は、レベル変換回路412を経て、複数のヒータ駆動ブロック407へ時分割選択信号として供給される。デコーダ405及びレベル変換回路412は時分割選択回路402を構成している。
シフトレジスタ404へは、画像データの入力に用いられる同期信号(クロック)に同期した画像データ信号が入力される。シフトレジスタ404は、画像データ信号に基づいてヒータ駆動ブロック1〜8(407)を選択するブロック選択信号を生成する。シフトレジスタ404で生成されたブロック選択信号は、レベル変換回路411を経て、ヒータ駆動ブロック407へ供給される。ブロック選択信号によりヒータ駆動ブロック407のそれぞれの有効・無効が決定される。ブロック選択信号によって選択された(有効とされた)ヒータ駆動ブロックは、時分割選択回路402からの時分割選択信号に従ってヒータを駆動する。すなわち、ブロック選択信号と時分割選択信号のAND論理により駆動されるヒータが決定される。シフトレジスタ404及びレベル変換回路411はブロック選択回路403を構成している。
以上のように、本実施形態では、シフトレジスタ404およびデコーダ405から出力されるブロック選択信号及び時分割選択信号は、レベル変換回路411および412でレベル変換された後(第1電源電圧から第2電源電圧に変換された後)、ヒータ駆動ブロック407へと伝達される構成となっている。なお、入力信号振幅と同電位である第1電源電圧で駆動される回路は矩形415で囲った回路ブロックであり、レベル変換された第1電源電圧よりも高い第2電源電圧で駆動される回路ブロックは矩形416で囲った回路ブロックとなる。また、レベル変換回路411、412は、図4で上述したレベル変換回路と同様の回路構成(回路部304aと304b)を有する。
本実施形態のヘッド基板400においては、シフトレジスタ404ないしデコーダ405の出力直後にレベル変換回路411,412を設けてレベル変換を行なう。即ち、図2に示した一般的な回路構成では、図3に示したようにヒータ駆動ブロック204の各々にレベル変換回路304(図4)を設ける必要があったのに対して、本実施形態の構成をとることで、各ヒータ毎にレベル変換回路を配置する必要がなくなり、回路の高密度化やレイアウト面積の縮小といった効果を得ることができる。
図6により、図5に示した回路ブロックを補足説明する。シフトレジスタ404およびデコーダ405からの出力信号は、レベル変換回路411、412で第1電源電圧から第2電源電圧にレベル変換され、各ヒータ駆動ブロック407へと入力される。ヒータ駆動ブロック407の内部には、各ヒータ112に対応してヒータ駆動MOSトランジスタ306、およびヒータ駆動MOSトランジス306を選択駆動するための2入力NOR605が配置されている。ここに示した例では、2入力NOR605へのシフトレジスタ404およびデコーダ405からの入力信号がともに論理的にローレベル(以下、Lo)となった時に2入力NOR605の出力が論理的にハイレベル(以下、Hi)となる。ヒータ駆動MOSトランジスタはNMOSであるため、2入力NOR605の出力がHiとなったときにON状態となる。従って、2入力NOR605の出力がHiのとき、ヒータ駆動MOSトランジスタ306にはゲートに第2電源電圧が印加されてON状態となり、ヒータ112に電流が流れることとなる。
なおこれらの例における電源電圧の値の例としては、第1電源電圧は3Vから5V程度であり、第2電源電圧は10Vから30V程度である。また、本実施形態では、2入力NOR605を用いているので、レベル変換回路411,412の出力段には図4で示した回路にインバータが加えられ、信号出力(ブロック選択信号、時分割駆動選択信号)は反転されている(図6参照)。
図7は、上述した2入力NOR605の詳細な回路構成例を示す図である。上述したように、2入力NOR605はレベル変換後のブロック選択信号と時分割選択信号を入力とする。回路素子605a〜605dは、それぞれ第2電源電圧の電位(VDDM)で動作する高耐圧の素子であり、1つのヒータに対応する駆動選択回路(NORゲート)を構成している。このNORゲート605の出力はヒータのオン・オフ制御を行う駆動回路であるNMOSトランジスタ306のゲートへ接続されている。このセグメントがオンとなる動作は以下のような流れによる。
時分割選択信号及びブロック選択信号は、対応する素子及びブロックを選択しない場合にはHiレベルであるVDDM電位となり、選択する場合にはLoレベルである0V(基板電位)となる。従って、未選択のセグメントでは、2入力NOR605のゲートに入力される信号のうち、少なくともどちらか一方がVDDM電位(Hi)となる。2入力NOR605の入力の少なくとも一方へVDDM電位が入力されると、その出力電位は0Vとなり、ヒータ駆動MOSトランジスタ306はオンせずにヒータ電流は流れることはない。一方、2入力NOR605の入力信号が2つとも0V(Lo)となったとき、その出力はVDDM電位(Hi)となる。この結果、ヒータ駆動MOSトランジスタ306はオン状態となり、ヒータ電源電位VHからヒータ410を介してヒータ電流を流すこととなる。電流が流れるヒータ112ではインク発泡・吐出に必要な発熱が生じる。
なお、ヒータ駆動MOSトランジスタ306としてNMOSトランジスタ306を用いているのは、一般にPMOSトランジスタのキャリアである正孔よりも移動度が高い電子をNMOSトランジスタがキャリアとしているために、PMOSトランジスタよりも同じ面積あたりのオン抵抗を低くすることができるためである。すなわち、ヒータの駆動回路に電子をキャリアとするチャネルを有する電界効果型トランジスタを用いることにより、オン抵抗が低減される。
またさらに、図7に示すように、2入力NOR605はCMOS(相補型MOSトランジスタ)によって構成されるとともにPMOSトランジスタを直列接続した構成を含む。すなわち、図7に示されるように、PMOSトランジスタ605bとNMOSトランジスタ605aによるCMOS構造と、PMOSトランジスタ605dとNMOSトランジスタ605cによるCMOS構造によりNORゲートが形成され、更にPMOSトランジスタ605bとPMOSトランジスタ605dが直列接続されている。この構成により、急峻なヒータ電流の立ち上がりを緩やかなものとする効果を得ることが可能となっており、ノイズによる誤動作が抑制される。
以上述べてきたように、本実施形態のインクジェット記録ヘッド用基板の回路では、入力信号の電圧振幅である第1電源電圧と、ヒータ電流を制御するMOSトランジスタのゲートに印加するためのより高い第2電源電圧の2種類の電源電圧により駆動制御が行なわれる。そして、第1電源電圧の駆動回路の出力信号をレベル変換回路にて第2電源電圧の信号振幅に変換する構成をとっている。このように、レベル変換をシフトレジスタ404及びデコーダ405の直後(シフトレジスタ404やデコーダ405のとヒータ駆動ブロックとの間)に行う構成では、ブロック信号線もしくはデータ信号線のそれぞれにレベル変換回路を配置すればよいため、従来構成のようにビット毎にレベル変換回路を配置する必要がなく、図2、図3で示した回路構成に比べて、回路の高密度化やレイアウト面積の縮小といった効果を得ることができる。
さて、その一方で、レベル変換を行った信号を各ビットに伝達させるために、レベル変換後の高い電圧振幅のロジック信号を基板のヒータアレイの並び方向へ引き回す必要が生じる。すなわち、ヒータアレイに沿ってそれら高い電圧振幅のロジック信号を搬送する複数の信号配線が引き回されることとなる。最近のプリンタにおいては、高速、高品位記録を達成するために多ノズル、長印字幅化が進められている。このようなヒータアレイのビット数の増加などに伴い、ヒータアレイの並び方向の長さが長くなる傾向がある。それに伴い、レベル変換をシフトレジスタないしデコーダの直後に行う構成では、レベル変換後の高い電圧振幅のロジック信号を基板のヒータアレイの並び方向へと引き回す配線長も長くなる傾向にある。
上述のように10Vから30V程度の高い電源電圧振幅の信号配線をヒータアレイに沿って引き回す場合、配線をゲートとした寄生MOSトランジスタであるフィールドMOSトランジスタのチャネルが反転し、回路の誤動作が生じる可能性がある。よって、このような誤動作の対策を行うことが好ましい。
この誤動作を生じる場合とは、寄生MOSトランジスタが基板の異なる電位層であるn型基板(nウエル)領域とp型基板(pウエル)領域の境界部にてオン状態となる場合である。このとき、電気的に分離されているnウエルとpウエルが導通状態となり、誤動作を生じることとなる。通常、この寄生MOSトランジスタをオンさせる配線としては、複数ある配線層の中で最も基板に近い層にある配線層である場合が多い。より基板から離れた上層に形成される配線層は、層間膜によって一定の距離が保たれるために寄生MOSトランジスタをオンさせにくくなる。
そのため、nウエルとpウエルの境界においては、基板に近い配線層での横断をなくし、より上層の配線層に乗り換えた上で横断を行う構成とするのが好ましい。ところが、この配線の乗り換え部は、そのためのレイアウト面積を確保する必要があり、チップサイズの増大につながる。また配線層の乗り換えのためにコンタクトを形成する必要があるためコンタクト抵抗が付加され、信号の伝搬遅延が生じる可能性もある。
図8は、図7に示した回路を実現するための、基板のレイアウト例を示す図である。図8では、p型基板にPMOS素子を形成するためのnウエル領域710が形成され、nウエル710とpウエル709の境界において上層の配線層に乗り換えることによって寄生MOSトランジスタによる誤動作を防止する構成が示されている。なお図8の(a)は、レイアウトの上面図を示し、(b)はレイアウト上面図内のA−A’での断面図を示している。
このレイアウトは、図6、図7に示したヒータ駆動ブロック内の任意の2入力NOR605と、その2入力NOR605への入力信号配線を抜き出して示したものである。ここで信号配線707には、シフトレジスタ404およびデコーダ405からの出力信号をレベル変換回路411,412で第2電源電圧の振幅にレベル変換した信号が伝達される。
上述したように、本例は、p型シリコン基板にCMOSトランジスタを形成した例である。従って、PMOSトランジスタを形成するためにnウエル領域710が形成される。701はNMOSトランジスタ(図7の605a、605c)のゲート、702はPMOSトランジスタ(図7の605b、605d)のゲートであり、これらはポリシリコン層704により形成されている。このポリシリコン層704が素子形成領域711を横断している部位でMOSトランジスタのゲートが形成される。なお、図7では、図示の簡略化を目的として、各MOSトランジスタのソース、ドレイン領域は示していない。なお、Al配線とソース・ドレインの接続は拡散層コンタクト712を介して行われている。
信号配線707からの入力信号を2入力NOR605のゲートへ印加するために、電源配線706をポリシリコン層にて横断する必要がある。ここで電源配線706と信号配線707の間には、nウエル領域とpウエル領域のウエル境界713がある。このため、ウエル境界713をポリシリコン層で横断すると、そのポリシリコン層をゲートとした寄生MOSトランジスタがオンし、異常電流が流れ誤動作が生じる可能性がある。よって、基板からポリシリコン層よりも離れた配線層であるAl配線層705に乗り換えてウエル境界713を横断する構成をとっている。この乗り越え部において、ポリシリコン層とAl配線層との間のコンタクト形成領域などが必要となり、所定のレイアウト面積が占有されている。
本実施形態では、上記の乗り換え部の設置数を減少させることにより、チップサイズを更に減少させるヘッド基板について説明する。
図9は、本実施形態の誤動作防止対策を説明した基板のレイアウト例を示す図である。図9の(a)は、レイアウトの上面図を示し、(b)はレイアウト上面図内のA−A’での断面図を示している。なお、本実施形態では、p型シリコン基板にCMOSトランジスタを形成し、ヒータ112を選択駆動するために、10〜30V程度の高い電源電圧で動作する2入力NOR605を用いた例を示す。より具体的に言えば、図9に示したレイアウトは、シフトレジスタ404およびデコーダ405より出力される論理信号の振幅レベルをレベル変換回路411,412で入力信号の振幅レベルよりも高い第2電源電圧にレベル変換し、得られた信号をヒータアレイのヒータ並び方向に延びる信号配線807へ出力し、その信号をヒータに対応して配置した2入力NOR605に入力する部分のレイアウトを示している。
図9の2入力NOR605は、ヒータの並び方向にヒータに対応してアレイ状に配置されているものの1つを抜き出したものである。801はNMOSトランジスタ(図7の605a、605c)のゲート、802はPMOSトランジスタ(図7の605b、605d)のゲートであり、これらはポリシリコン層804により形成されている。このポリシリコン層804が素子形成領域811を横断している部位でMOSトランジスタのゲートが形成されている。なお、図9では、図示の簡略化を目的としてMOSトランジスタのソース、ドレイン領域は示していない。なお、Al配線とソース、ドレインの接続は拡散層コンタクト812を介して行われている。
これらNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのゲートへ印加される信号は信号配線807より印加される。信号配線807は、複数の配線をヒータ並び方向に沿って引き回している。ヒータ並び方向にアレイ状に配置された2入力NOR605は、複数の信号配線のうち任意の2本と接続され、それら2本から印加される信号が共にLoとなったときにその出力をHiとする。さらに、この2入力NOR605の出力はNMOS型のヒータ駆動MOSトランジスタ306へと接続される。2入力NOR605を駆動するための電源として、NMOSトランジスタ側にはGND配線803、PMOSトランジスタ側には電源配線806を配置している。
信号配線807からの信号を2入力NOR605のPMOSおよびNMOSトランジスタへと印加するためには、他の信号配線や電源配線に対して交差する必要が生じる。本実施形態では、信号配線と電源配線はAl配線層805により形成しているため、交差する部分では他の配線層であるポリシリコン配線層804に配線層間コンタクト808を介して接続し、MOSトランジスタのゲートへと接続する。
ヒータを選択駆動するCMOSトランジスタ回路(本実施形態の2入力NOR605)を構成するMOSトランジスタのうち、ヒータ駆動MOSトランジスタ306と同型のチャネルを形成するトランジスタ(本例ではNMOSトランジスタ605a,605c)をドライバトランジスタ側に、ドライバトランジスタとの間にGND配線803を挟んで配置している。一方、2入力NORへ入力するための信号配線807は、電源配線805を挟んでドライバMOSトランジスタと異なる型のチャネルを形成するトランジスタ(PMOSトランジスタ605b、605d)を配置している。
ヒータ駆動ドライバMOSトランジスタ306(図9では不図示)、GND配線803、NMOSトランジスタ801の直下の基板層には、GND電位(基板電位)と同電位のpウエル領域809が形成されている。またPMOSトランジスタ102、電源配線805、信号配線807の直下の基板層には、電源電位(第2電源電圧)と同電位のnウエル領域810が形成されている。即ち、図8のレイアウトに比べて、nウェルの領域が信号配線の下まで延びる用に形成されている。
図9に示すレイアウトをとることにより、信号配線から2入力NOR605のPMOSトランジスタ605b、605dへの信号印加経路の直下のシリコン基板電位は、全て電源電位のnウエル層810となる。このため、nウエル層810とpウエル層809の境界を横断することがなくなる。よって、Al配線層805への乗り換えが不要となり、レイアウト面積の縮小を図ることが出来る。また2入力NOR605の出力部においても、NMOSトランジスタ605a,605c側でポリシリコン層に乗り換えてNMOSドライバゲートへ直接印加することにより、全てpウエル層809上でのポリシリコン配線の引き回しとなり、Al配線への乗り換えが必要ではない構成となる。
このように、図8のレイアウトではnウエル層を配置していなかった信号配線807の直下に電源電位のnウエル層を配置し、その信号配線807と選択回路であるCMOSトランジスタを構成するPMOSとを電源配線を挟んで配置することで、ポリシリコン層で引き回す信号線が異なるウエル境界を横断することがなくなる。すなわち当該部位での寄生MOSトランジスタ対策としてのAl配線への乗り換え部が必要なくなるためにレイアウト面積を縮小し、誤動作の生じることのないインクジェット記録ヘッド用基板を実現することが可能となる。
<第2実施形態>
図10は第2実施形態を説明するためのレイアウト上面図と、レイアウト図内A−A’での断面図をそれぞれ対応づけて示した図である。
第1実施形態ではPMOSとNMOSの間に存在するウエル境界に対する寄生MOSトランジスタ対策では従来と同様にAl配線への乗り換えを行っていた。これに対して、第2実施形態では、ウエルコンタクトを挿入することより実現したものである。ウエルコンタクトとしては、PMOS、NMOSの間に新たに素子形成領域811’を形成し、その素子形成領域811’へウエル領域よりも不純物濃度の高いn+拡散領域913を形成している。このn+拡散領域913は、電源配線806に接続されたPMOSトランジスタ802のソースを経由して引き伸ばされたAl配線層とコンタクトを行い、電源配線電位(10〜30V)に接続されている。
本実施形態のようにn+拡散領域913(ウエルコンタクト、ガードリング)を形成することにより、PMOS、NMOS間でのフィールドMOS対策は特に問題となることはない。フィールドMOSでは、薄い不純物濃度であるウエル層の表面付近に反転層が形成され、その反転層がチャネルとなって誤動作するものであるが、ウエルコンタクトとして高濃度の不純物領域を配置したことで、この領域での反転層は形成されにくくなるためである。よって、第2実施形態の形態を取ることにより、ウエル境界にポリシリコン層がまたがって配置していても問題とはならない。またさらに、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタの間にウエルコンタクトを配置したことで、電源ノイズなどにより引き起こされるラッチアップに対する耐量を同時に確保することが可能となる。
なおここではnウエル領域において電源電位の拡散層を配置して寄生MOSトランジスタの影響を防いでいるが、この不純物領域はpウエル領域に基板電位の拡散層を配置してもよいし、その両方を配置しても同様の効果を得ることが可能である。
なお、上記各実施形態に示した論理構成は一例である。例えば、2入力NOR605に代えてNANDゲートやインバータ、複合ゲート、あるいはそれらのゲートを組み合わせるなどとした論理構成としてもよい。上記各実施形態における回路構成上の重要な点の一つは、信号配線群(807)の直下の基板層のウエル領域の型(p型かn型か)を信号配線群に隣接する素子群を構成するためのウエル領域の型と一致させることであり、これにより、図8のウエル境界713をなくし、この部分における配線乗換え部を排除することである。
図1はインクジェット記録ヘッド用基板の回路ブロックとインク供給口を模式的に示す図である。 図1の駆動回路113の回路構成と信号の流れを模式的に示す図である。 一般的なヒータ駆動ブロック内の回路構成例を示す図である。 一般的なレベル変換回路の回路構成例を示す図である。 第1実施形態によるインクジェット記録ヘッド用基板の全体的な回路構成例を説明する図である。 第1実施形態によるヒータ駆動ブロックの構成を説明する図である。 図6に示したNORゲートの回路構成例を示す図である。 図6,7に示した基板のレイアウト構成例を示す図である。 第1実施形態による基板のレイアウト構成例を示す図である。 第2実施形態による基板のレイアウト構成例を示す図である。 本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の断面図である。 ヘッドカートリッジの構成の一例を示す外観斜視図である。 3色のカラーインクを吐出する記録ヘッドIJHCの立体的な構造を示す斜視図である。 図11に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。

Claims (9)

  1. インクを吐出するために利用される熱エネルギを発生するための電気熱変換素子と、該電気熱変換素子を駆動するための回路を搭載した基板であって、
    第1電圧の振幅レベルの入力信号に基づいて、駆動すべき電気熱変換素子を選択する選択信号を該第1電圧よりも高い第2電圧の振幅レベルで出力する第1回路部と、
    前記第1回路部から前記選択信号を入力し、駆動すべき電気熱変換素子に対応する駆動素子を制御する第2回路部と、
    前記第1及び第2回路部の間で前記選択信号を伝送する信号配線群とを備え、
    前記第2回路部は、前記駆動素子と同型の素子からなる第1素子群を該駆動素子のアレイに隣接して配置し、該駆動素子と異なる型の素子からなる第2素子群を前記信号線側に配置し、該第2素子群を形成する基板層が前記信号配線群の直下まで延びていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド用基板。
  2. 前記駆動素子及び前記第1素子群はN型MOSトランジスタで構成され、前記第2素子群はP型MOSトランジスタで構成され、前記信号配線群の直下まで延びる基板層はN型の層であり、該N型の層には前記第2電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
  3. 前記第2素子群と前記信号線群との間に、前記第2電圧を供給する電源配線が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
  4. 前記第1素子群と前記第2素子群との間には基板電位に導通するウエルコンタクトが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
  5. 前記第1素子群と前記第2素子群との間には前記第2電圧の電源電位に導通するウエルコンタクトが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド用基板を用いた記録ヘッド。
  7. 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項6に記載の記録ヘッド。
  8. 請求項7に記載のインクジェット記録ヘッドと該インクジェット記録ヘッドにインクを供給するためのインクを貯留するインクタンクとを有することを特徴とするヘッドカートリッジ。
  9. 請求項6または7に記載の記録ヘッド或いは請求項8に記載のヘッドカートリッジを用いて記録を行う記録装置。
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