JP3599679B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜の製造方法およびその製造装置と、液晶表示素子や有機EL素子等においてスイッチング素子等として用いられる薄膜トランジスタおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素化アモルファスシリコン薄膜(以下、a−Si:H薄膜と称する。)は、液晶ディスプレイ用の画素スイッチングトランジスタやファクシミリにおけるイメージセンサ用光センサ、電卓用バッテリーとしての太陽電池等に実用化されてきた。このa−Si:H薄膜の最大の長所は、高々300℃程度のプロセス温度で、大面積の基板上に再現性よく、かつ安定的に製造できる点にある。しかし、液晶ディスプレイやイメージセンサに於ける画素の高密度化が進むにしたがい、より高速の駆動に追随できるシリコン半導体薄膜が求められる様になった。従来の、a−Si:H薄膜を用いたトランジスタの移動度は高々1.0cm/V・secであり、その要求を充分満たせる性能ではない。そこで、移動度の向上を図る為、a−Si:H薄膜を結晶化させる技術の開発が行われている。その結晶化の方法としては、例えば下記の技術が挙げられる。
【0003】
1)シランガスに水素またはSiFを混合させた原料ガス用いて、プラズマCVD法により基板上に薄膜を堆積し、その薄膜を結晶化させる方法
【0004】
2)a−Si薄膜を前駆体として、このa−Si薄膜の結晶化を試みる方法
【0005】
これらのうち、前記2)に述べた結晶化方法としては、600℃程度の温度で長時間熱処理を行う固相成長法やエキシマレーザーアニール法等が例示できる。
【0006】
特に、後者のエキシマレーザーアニール法を用いた場合、基板の温度を積極的に上げなくても、移動度の高い多結晶シリコン薄膜(>100cm/W・sec)を得ることに成功している。このことは、IEEE Electron Device Letters, 7(1986),p.276−278、IEEE Transactions on Electron Devices, 42(1995),p.251−257等に於いて詳細に述べられている。
【0007】
前述のa−Si:H薄膜または多結晶シリコン薄膜のTFTを、液晶ディスプレイに於ける画素部分にスイッチングトランジスタとして使用した場合、TFTに印加された信号を所定時間内に液晶(層)に書き込む為に十分なオン電流が必要であると共に、オフ時のリーク電流の低減も要求される。また、駆動回路を基板の周辺部に設けた内蔵型の液晶ディスプレイに於いて、その駆動回路に多結晶シリコン薄膜のTFTを用いた場合には、回路素子としての各TFTの性能と信頼性が充分保証される必要がある。
【0008】
これらの要求を満たす為、例えばa−Si:H薄膜を有するTFTに於いては、ソース領域およびドレイン領域に不純物をドープしておくことにより、リーク電流の低減を図っている。また、多結晶シリコン薄膜のTFTに於いては、オフセット構造やLDD構造を採用することにより、TFTの性能と信頼性を両立させ、それと同時にオフ時のいわゆるリーク電流も低減させている(ここで、オフセット構造とは、半導体のチャネル部(トップゲート型のTFTに於いてはゲート電極の直下に位置する。)と、ソース領域およびドレイン領域との間に適当な間隔(例えば0.5μm)を設けた構造を言う。また、LDD構造とは、半導体のチャネル部(ゲート電極直下)と、ソース領域およびドレイン領域との間に、両領域よりも低濃度の不純物を拡散させたドーピング領域を設ける構造を言う。)。
【0009】
今後、例えば液晶ディスプレイに要求されることとしては、低コストおよび画品質等(例えば、写真画質の様な解像度を有する表示品位)であろう。これらの要求を満たす為には、当然液晶ディスプレイに於ける画素の高精細化、内蔵駆動回路の高速化が必要となり、技術的にはTFTの微細化が重要な必須技術となる。
【0010】
このTFTの一層の微細化が実現されれば、例えば画素部分に用いるTFT(以下、画素用TFTと称する)に於いては、画素の開口率の向上、寄生容量の容量値の低減、画質の向上および駆動の高速化を一層図ることができる。また、内蔵駆動回路に使用するTFT(以下、駆動回路用TFTと称する)に於いては、寄生容量の容量値の低減によりさらに高速の駆動が可能となる。
【0011】
但し、TFTを一層微細化するには、さらに解決すべき問題がある。その一つを画素用TFTの観点から述べると、それは、従来のオフ時のリーク電流(約10〜12A)をさらに1桁以上低減して、パネル面内の輝度差を低減しなければならないことである。この問題を解決しなければ、たとえTFTの微細化により1画素の面積を小さくし、かつ、信号の電荷を蓄積する蓄積容量部を小さくできたとしても、開口率を低減させることなく、明るい表示を実現するのは困難となる。また、前記の課題を駆動回路用TFTの観点から述べると、前述のオフセット構造やLDD構造をとる為には、微細加工精度およびフォトリソグラフィー技術の合わせ精度等、製造上の理由が大きな制約となる。さらに、オフセット構造やLDD構造は、安定した特性と、構造的に自己整合的であることとが要求されるので、製造プロセスは一層複雑になり、コスト高を招来する。
【0012】
また、液晶ディスプレイに使用する画素用TFTや駆動回路用TFT、表示と画像の入力一体化パネル、ファクシミリに使用するイメージセンサ用光センサ、または電卓のバッテリーに使用する太陽電池等は、フレキシブル基板(プラスチック等)を使用することによって、電子ペーパーやネットワーク(インターネット)に接続可能な超薄型フレキシブル入出力パネルへの展開が期待される。よって、この様なフレキシブル基板に対しても、特性の優れた薄膜トランジスタ、光センサー、太陽電池等を低コストで製造する技術が必要である。
【0013】
しかしながら、前記フレキシブル基板にTFT等を搭載させる為には、そのフレキシブル基板上にTFTを作製する為の微細化の技術と信頼性の向上とが必要となる。また、フレキシブル基板は、例えばガラス基板等と比較して耐熱性に劣る為、製造プロセスの低温化も図る必要がある。さらに、製造コストを抑制する為には、製造工程数の削減も求められる。
【0014】
以上のことを要約すると、従来のTFTには以下に述べる課題がある。
▲1▼TFTの微細化に伴う製造プロセスの複雑化および高コスト化
▲2▼TFTの微細化に伴うTFTの信頼性の低下
▲3▼フレキシブル基板等にTFTを形成する際のプロセス温度が高い
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の課題を解決する為になされたものであり、その目的は、デバイス性能の低下を抑制しつつ製造プロセス温度の低温化および製造工程数の低減を図ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(薄膜の製造方法)
(1)前記の課題を解決する為に、本発明に係る薄膜の製造方法は、基板の上に薄膜を形成する工程であって、前記基板を選択的に加熱することにより、該基板の領域毎に膜質の異なる薄膜を形成する工程と、前記薄膜をエッチングすることにより、該薄膜のうち所定の膜質の部分のみを選択的に除去して、前記薄膜を所定の形状にパターニングする工程とを有することを特徴とする。
【0017】
前記の方法によれば、プロセス温度の低温化およびプロセスステップの削減を図ることができる。すなわち前記方法に於ける薄膜の形成は、基板の全面を加熱して行うのではなく、膜形成に必要な部分だけを選択的に加熱して行う。従って、基板温度の大幅な上昇を防止でき、プロセス温度の低減が図れる。
【0018】
また、基板を選択的に加熱するのは、基板表面に温度分布を生じさせる為である。これにより、基板上の領域毎に温度条件が変わるので、領域毎に膜質の異なった薄膜が基板上に形成される。例えば基板の選択的な加熱により、基板上に高温の領域と低温の領域とを生じさせた場合、高温の領域に対応する部分と低温の領域に対応する部分とで膜質を異ならせることができる。ここで、膜質の違いは、薄膜をエッチングする際にエッチング速度の差として現れる。すなわち、高温の領域に対応する部分と低温の領域に対応する部分とでエッチング速度を比較すると、前者の方がエッチング速度が小さい。この為、同じ条件で薄膜のエッチングを行っても、低温の領域に対応する部分のみが選択的に除去される。よって、前記の方法によれば、マスクを使用しなくても、所定のパターン形状を備えた薄膜の形成が可能となり、従来必要であったフォトリソグラフィ法等の加工プロセスを削減することが可能となる。
【0019】
(2)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係る他の薄膜の製造方法は、基板の上に薄膜を堆積する工程であって、前記基板を選択的に加熱することにより、該基板の領域毎に堆積速度を異ならせて、所定の領域にのみ薄膜を堆積する工程を有することを特徴とする。
【0020】
前記の方法によれば、(1)の方法と同様に、薄膜の形成の際、基板の全面を加熱するのではなく膜形成に必要な部分だけを選択的に加熱して行うので、プロセス温度の低温化が図れる。
【0021】
また薄膜の堆積は、例えばCVD法等の化学的手法を用いる場合、基板の表面温度を所定の温度以上にして成膜処理を行う必要がある。この為、前記温度に達しない基板の領域では、基板上に堆積するのに必要な堆積速度に達することができない。従って、前記方法の様に基板を選択的に加熱すれば、基板上の加熱された領域のみが膜形成に必要な堆積速度に達する為、その領域にのみ薄膜を堆積することができる。この結果、従来より薄膜のパターニングの際に必要であったリソグラフィ工程を行うことなく、所定のパターン形状を有する薄膜を形成することができ、製造工程数の減少による低コスト化が図れる。
【0022】
前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記基板の選択的な加熱は、前記基板上にエネルギー吸収体または所定のパターン形状を有するエネルギー吸収体を形成した後、前記エネルギー吸収体にエネルギーを付与することにより、該エネルギー吸収体から熱を放散させて行うことができる。ここで、エネルギー吸収体とは、熱的エネルギーまたは電磁的エネルギー等を吸収すると共に、これらのエネルギーを熱の形で放散するものを言う。
【0023】
さらに、前記エネルギーの付与は、前記エネルギー吸収体に電磁波を照射することにより行うことができる。前記電磁波としては、例えば光等が挙げられる。
【0024】
また、前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記基板の選択的な加熱は、前記基板上に導電膜または所定のパターン形状を有する導電膜を形成した後、前記導電膜に通電することにより、該導電膜から熱を放散させて行うことも可能である。
【0025】
さらに前記基板の選択的な加熱は、間欠的に行うのが好ましい。基板を連続して一定時間加熱すると、基板表面に於ける高温の領域と低温の領域との間での温度差を小さくし、両領域での差異を明確にすることができなくなる。しかしながら、間欠的な加熱であると、吸収したエネルギーを熱として放散するエネルギー吸収体の特性により、両領域での温度差をはっきりとすることができる。これにより、基板上に形成される薄膜の膜質も明確に異ならせることができ、パターンの形状異常を防止して所望のパターン形状が得られる。
【0026】
また、前記(1)の方法に於ける前記薄膜を形成する工程、および前記(2)の方法に於ける前記薄膜を堆積する工程に於いては、CVD法を用いるのが好ましい。さらに、前記(1)の方法に於いては、前記CVD法のうち、プラズマCVD法を採用するのがより好ましい。
【0027】
(薄膜トランジスタの製造方法)
(1)前記の課題を解決する為に、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に半導体薄膜を形成する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより絶縁層を選択的に加熱し、これにより該金属薄膜の上方およびその近傍の領域と、それ以外の領域とで膜質の異なる半導体薄膜を形成する工程と、前記半導体薄膜をエッチングすることにより、前記金属薄膜の上方およびその近傍の領域以外の領域を選択的に除去して、半導体薄膜を所定の形状にパターニングする工程とを有することを特徴とする。
【0028】
前記の方法によれば、半導体薄膜の形成の際に、絶縁性基板のうち膜形成に必要な部分だけを選択的に加熱して行うので、基板温度の大幅な上昇を防止でき、プロセス温度の低減が図れる。この結果、例えばフレキシブル基板等にも薄膜トランジスタを形成することができる。
【0029】
また、前記の方法によれば、領域毎に膜質の異なる半導体薄膜を形成できるので、同一の条件でエッチングを行っても所定の部分のみを選択的に除去することができる。この結果、マスクを用いることなく所定のパターン形状を有する半導体薄膜を形成できるので、製造コストの低減が図れる。
【0030】
(2)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係る他の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の上に半導体薄膜を堆積する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与し、該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させて前記絶縁層を選択的に加熱することにより、該絶縁層の領域毎に堆積速度を異ならせて、所定の領域にのみ半導体薄膜を堆積する工程とを有することを特徴とする。
【0031】
前記の方法によれば、(1)の方法と同様に、半導体薄膜の形成の際、絶縁性基板の全面を加熱するのではなく膜形成に必要な部分だけを選択的に加熱して行うので、プロセス温度の低温化が図れる。
【0032】
また前記の方法は、絶縁性基板を選択的に加熱することにより、絶縁性基板の領域毎に堆積条件を異ならせることができる。この結果、所望の領域にのみ半導体薄膜を堆積することがなり、従来必要であったリソグラフィ工程を行うことなく、所定のパターン形状を有する半導体薄膜を形成することができる。これにより、製造工程数の減少による低コスト化が図れる。
【0033】
前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記金属薄膜としては、ゲート電極、またはソース電極およびドレイン電極を用いることができる。
【0034】
また、前記金属薄膜に前記エネルギーとしての電磁波を照射することにより、該金属薄膜から熱を放散させて、前記絶縁層を選択的に加熱することができる。
【0035】
また、前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記金属薄膜に通電することにより、該金属薄膜から熱を放散させて、前記絶縁層を選択的に加熱することができる。
【0036】
また、前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記金属薄膜に対するエネルギーの付与は間欠的に行うのが好ましい。基板を連続して一定時間加熱すると、基板表面に於ける高温の領域と低温の領域との間での温度差を小さくし、両領域での差異を明確にすることができなくなる。しかしながら、間欠的な加熱であると、両領域での温度差をはっきりとすることができ、これにより基板上に形成される半導体薄膜の膜質も明確に異ならせることができる。この結果、エッチング後に得られる半導体薄膜のパターン形状も明確なものにできる。
【0037】
また、前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記薄膜を形成する工程は、CVD法を用いるのが好ましい。さらに、前記CVD法のうち、プラズマCVD法を採用するのがより好ましい。
【0038】
また、前記(1)および(2)の各方法に於いて、前記半導体薄膜を堆積する工程の後に、前記半導体薄膜を結晶化させてもよい。
【0039】
さらに前記熱処理に替えて、レーザーアニールを行うこともできる。
【0040】
(3)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に、所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜にエネルギーを付与して、該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより、前記絶縁性基板を選択的に加熱しながら絶縁性基板の上に第1半導体薄膜を形成する工程であって、前記金属薄膜を覆う部分と、それ以外の部分とで膜質の異なる第1半導体薄膜を形成する工程と、前記第1半導体薄膜をエッチングすることにより、前記金属薄膜を覆う部分以外の部分のみを選択的に除去して、前記金属薄膜のみを覆う様にパターニングする工程と、前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程とを有することを特徴とする。
【0041】
(4)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜を覆う様に第1半導体薄膜を堆積する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させ、これにより金属薄膜近傍とそれ以外の領域とで堆積速度を異ならせて、前記金属薄膜の上面および側面に第1半導体薄膜を堆積する工程と、前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程とを有することを特徴とする。
【0042】
(5)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に、所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜を備えた前記絶縁性基板上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に第1半導体薄膜を形成する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより絶縁層を選択的に加熱し、これにより該絶縁層の領域毎に膜質の異なる第1半導体薄膜を形成する工程と、前記第1半導体薄膜をエッチングすることにより、該第1半導体薄膜のうち所定の膜質の部分のみを選択的に除去して、第1半導体薄膜を所定の形状にパターニングする工程と、前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程とを有することを特徴とする。
【0043】
(6)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタの製造方法は、絶縁性基板上に所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜を備えた前記絶縁性基板上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の上に第1半導体薄膜を堆積する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与し、該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させて前記絶縁層を選択的に加熱することにより、該絶縁層の領域毎に堆積速度を異ならせて、所定の領域にのみ第1半導体薄膜を堆積する工程と、前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程とを有することを特徴とする。
【0044】
前記(3)〜(6)の各方法に於いて、前記金属薄膜は、ゲート電極、またはソース電極およびドレイン電極とすることができる。すなわち金属薄膜がゲート電極である場合、前記各方法に於いてはボトムゲート型の薄膜トランジスタを作製することができる。その一方、金属薄膜がソース電極およびドレイン電極である場合、前記各方法に於いてはトップゲート型の薄膜トランジスタを作製することができる。
【0045】
また、前記(3)〜(6)の各方法に於いて、前記金属薄膜に前記エネルギーとしての電磁波を照射することにより、該金属薄膜から熱を放散させて、前記絶縁層を選択的に加熱することができる。
【0046】
また、前記(3)〜(6)の各方法に於いては、前記金属薄膜に通電することにより、該金属薄膜から熱を放散させて、前記絶縁層を選択的に加熱することもできる。
【0047】
また、前記(3)〜(6)の各方法に於いては、前記金属薄膜に対するエネルギーの付与を間欠的に行うのが好ましい。
【0048】
また、前記(3)〜(6)の各方法に於いて、前記薄膜を形成する工程は、CVD法を用いるのが好ましい。さらに、前記CVD法のうち、プラズマCVD法を採用するのがより好ましい。
【0049】
また、前記(3)〜(6)の各方法に於いては、前記半導体薄膜を形成する工程の後に、前記半導体薄膜を結晶化させてもよい。
【0050】
(薄膜の製造装置)
(1)前記の課題を解決する為に、本発明に係る薄膜の製造装置は、基板上に、所定のパターン形状の金属薄膜を形成する金属薄膜形成手段と、前記基板の上に薄膜を形成する薄膜形成手段であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより基板を選択的に加熱し、これにより該基板の領域毎に膜質の異なる薄膜を形成する薄膜形成手段と、前記薄膜をエッチングすることにより、所定の膜質の部分のみを選択的に除去して、前記薄膜を所定の形状にパターニングするエッチング手段とを備えることを特徴とする。
【0051】
(2)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係る他の薄膜の製造装置は、基板上に、所定のパターン形状の金属薄膜を形成する金属薄膜形成手段と、前記基板の上に薄膜を形成する薄膜形成手段であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与し、該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させて前記基板を選択的に加熱することにより、該基板の領域毎に堆積速度を異ならせて、所定の領域にのみ薄膜を形成する薄膜形成手段とを備えることを特徴とする。
【0052】
前記(1)および(2)の各構成に於いて、前記薄膜形成手段は、前記基板を内部に保持する反応容器と、前記金属薄膜に、前記エネルギーとしての電磁波を照射する電磁波照射部と、前記反応容器内部に原料ガスを供給する供給部と、前記原料ガスの化学反応を励起する為の反応励起部とを備える構成とすることができる。
【0053】
(薄膜トランジスタ)
(1)前記の課題を解決する為に、本発明に係る薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に設けられた所定のパターン形状の金属薄膜と、前記金属薄膜を有する前記絶縁性基板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた所定のパターン形状を有する半導体薄膜とを備える薄膜トランジスタであって、前記半導体薄膜は、前記金属薄膜にエネルギーを付与し該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させて、前記絶縁層を選択的に加熱することにより、該金属薄膜の上方およびその近傍の領域と、それ以外の領域とで膜質の異なる半導体薄膜を設けた後、該半導体薄膜をエッチングすることにより、前記金属薄膜の上方およびその近傍の領域以外の領域を選択的に除去して、所定のパターン形状にパターニングされたものであることを特徴とする。
【0054】
(2)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係る他の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に設けられた所定のパターン形状の金属薄膜と、前記金属薄膜を有する前記絶縁性基板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられた所定のパターン形状を有する半導体薄膜とを備える薄膜トランジスタであって、前記半導体薄膜は、前記金属薄膜にエネルギーを付与し該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させて、前記絶縁層を選択的に加熱することにより、該絶縁層の領域毎に堆積速度を異ならせて、所定の領域にのみ堆積させたものであることを特徴とする。
【0055】
さらに前記(1)および(2)の各方法は、前記半導体薄膜の側壁が緩やかな傾斜面になっていることを特徴とする。通常のエッチングであると、側壁は基板面に対して垂直になっており、絶縁層との段差が大きい。この為、例えば前記半導体薄膜上にソース電極やドレイン電極などを形成した場合に、この段差に起因して断線などが発生することがある。しかし、前記構成の様に、半導体薄膜の側壁が緩やかな傾斜面になっていれば、断線の発生を低減することができる。
【0056】
(3)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に、所定の形状にパターニングされた金属薄膜と、前記金属薄膜を覆う様に堆積された第1半導体薄膜であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させ、これにより前記金属薄膜を覆う部分と、それ以外の部分とで膜質の異なる第1半導体薄膜を設けた後、エッチングにより前記金属薄膜を覆う部分以外の部分を選択的に除去して、前記金属薄膜のみを覆う様にして設けられた第1半導体薄膜と、前記第1半導体薄膜の存在する前記絶縁性基板上に設けられ、かつ、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜であって、該第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として結晶化された第2半導体薄膜とを有し、前記結晶化された第2半導体薄膜のうち、前記第1半導体薄膜の存在しない領域をチャネル部とすることを特徴とする。
【0057】
(4)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に、所定の形状にパターニングされた金属薄膜と、前記金属薄膜を覆う様に堆積された第1半導体薄膜であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させ、これにより金属薄膜近傍とそれ以外の領域とで堆積速度を異ならせて、前記金属薄膜の上面および側面に堆積された第1半導体薄膜と、前記第1半導体薄膜の存在する前記絶縁性基板上に設けられた、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜であって、該第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として結晶化された第2半導体薄膜とを有し、前記結晶化された第2半導体薄膜のうち、前記第1半導体薄膜の存在しない領域をチャネル部とすることを特徴とする。
【0058】
(5)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に、所定の形状にパターニングされた金属薄膜と、前記金属薄膜を備えた前記絶縁性基板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の上に、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより、前記絶縁層を選択的に加熱しながら形成されることにより、前記絶縁層に於ける表面温度が高温の領域に対応する部分と低温の領域に対応する部分とで膜質の異なる第1半導体薄膜であって、前記第1半導体薄膜のエッチングにより、前記低温の領域に対応する部分を選択的に除去して、前記第1半導体薄膜のうち前記高温の領域のみに設けられた第1半導体薄膜と、前記第1半導体薄膜の存在する前記絶縁性基板上に設けられ、かつ、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜であって、該第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として結晶化された第2半導体薄膜とを有し、前記結晶化された第2半導体薄膜のうち、前記第1半導体薄膜の存在しない領域をチャネル部とすることを特徴とする。
【0059】
(6)また、前記の課題を解決する為に、本発明に係るさらに他の薄膜トランジスタは、絶縁性基板上に、所定の形状にパターニングされた金属薄膜と、前記金属薄膜を備えた前記絶縁性基板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層の上に設けられた第1半導体薄膜であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させ、これにより前記絶縁層を選択的に加熱して、前記絶縁層に於ける表面温度が高温の領域と低温の領域とで堆積速度を異ならせ、前記高温の領域にのみ設けられた第1半導体薄膜と、前記第1半導体薄膜の存在する前記絶縁性基板上に設けられた、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜であって、該第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として結晶化された第2半導体薄膜とを有し、前記結晶化された第2半導体薄膜のうち、前記第1半導体薄膜の存在しない領域をチャネル部とすることを特徴とする。
【0060】
【発明の実施の形態】
本発明は、基板に温度分布を生じさせた状態で薄膜形成を行うことにより、プロセス温度の低温化を図ると共に、マスクを用いたリソグラフィ工程を行わずに所定のパターン形状を有する薄膜の形成を可能とする。
【0061】
より具体的には、以下の通りである。
(1)基板表面を選択的に加熱することにより領域毎に膜質の異なる薄膜を形成し、この膜質の違いに起因して生じるエッチング速度の差を利用して、マスクを用いたリソグラフィ工程を行わずにパターニングを可能とする。
【0062】
(2)基板表面を選択的に加熱することにより、基板上の領域毎に堆積速度そのものを異ならせ、この堆積速度の差を利用して、リソグラフィ工程を行わずに基板上の特定の領域にのみ薄膜を形成させる。
【0063】
(実施の形態1)
本実施の形態1は前述の(1)の場合に対応し、基板表面の選択的な加熱を行う為の手段として、エネルギー吸収体を用いることにより、領域毎に膜質の異なる薄膜の形成を可能としている。
【0064】
本実施の形態に係る前記エネルギー吸収体は、光等の電磁波が照射されることにより、これをエネルギーとして吸収し、さらにこのエネルギーを熱として放散する機能を有する。この機能を有するエネルギー吸収体としては、例えばMo、Ti、Cu、Au等の融点の高い金属からなるものが例示できる。
【0065】
このエネルギー吸収体の形成は、次の様にして行う。すなわち、図1に示す様に、ガラス基板である基板1上に、エネルギー吸収体2の前駆体膜をスパッタリング法等により形成した後、これを所定の形状にパターニングしてエネルギー吸収体2を形成する。パターニングの方法としては、例えばフォトリソグラフィ法等が採用できる。
【0066】
次に、前記エネルギー吸収体2が設けられた基板1上に、SiOやSiN等の絶縁層3を形成する。
【0067】
さらに、図2に示す様に、前記基板1を加熱しながら、例えばプラズマCVD法により絶縁層3上にa−Si薄膜からなる半導体薄膜6を形成する。
【0068】
基板1の加熱は、例えば以下の様に行う。すなわち、基板1の成膜面とは反対側から、基板1の全面に光4を照射する。光照射に使用するエネルギー源としては、例えばハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
【0069】
基板1に光4が照射されると、エネルギー吸収体2は光エネルギーとして吸収した後、これを熱として放散する。これにより、当該エネルギー吸収体2近傍では、エネルギー吸収体2が設けられていない他の領域よりも温度が高くなる。これを、基板温度を基準として観察すれば、概ね図3の点線で示すような温度分布となる。図3(a)は、同図(b)に示す基板1の要部に於ける温度分布を示すグラフであって、基板1の断面に於ける長さ(μm)と基板温度(℃)との関係を示している。同図(a)から分かる様に、エネルギー吸収体2が存在する領域での基板温度が、例えば約300℃となる様に設定した場合、このエネルギー吸収体2から数μm離れた位置での基板温度は約200℃となっている。
【0070】
エネルギー吸収体2が存在する領域での基板温度を約300℃に設定するのは、a−Si薄膜からなる半導体薄膜6の成膜プロセスに関係している。すなわち、例えばプラズマCVD法を用いて、半導体薄膜6を形成する場合には、堆積温度を約300℃に設定する必要があるからである。よって、前述の基板温度はあくまでも例示的な値であって、形成する薄膜の材料や成膜方法によって適宜変更して設定されるものである。尚、基板温度とは、厳密には絶縁層3の表面温度を意味するものである。しかしながら、本発明に於いては、絶縁層3を設けずに、エネルギー吸収体2上に半導体薄膜を直接成膜することも可能である。この場合に於ける基板温度とは、基板1の表面温度(エネルギー吸収体2が存在する領域では、エネルギー吸収体2の表面温度)を意味する。
【0071】
基板1に対する光の照射方法としては特に限定されるものではないが、例えば光の照射エネルギー(J)と照射時間(sec)との関係を示した図4にある様に、所定の時間間隔毎に間欠的に光を照射するのが好ましい。これにより、基板1に於ける温度分布が、図3(a)の一点鎖線で示す様に、なだらかな分布曲線となるのを防止できる。光の間欠的な照射は、例えば前記エネルギー源の電源のON/OFF制御等により行うことができる。
【0072】
この様に、半導体薄膜6の形成は、基板1の表面に温度分布を生じさせた状態でプラズマCVD法を用いて行う。半導体薄膜6の形成に必要なフラックス5としては、SiHガスを使用する。このSiHを使用した場合、SiHはプラズマにより分解されて、SiH(X=0,1,2,3)のラジカルを発生させる。その結果、a−Si薄膜が形成される。成膜の為のフラックス供給は、プラズマCVD等の装置構成を利用して供給できるような設備システムとすることにより可能な様にする。
【0073】
基板1上に成膜される半導体薄膜6の膜質は、プラズマCVDのパワー、動作圧力、ガス流量および基板温度等に大きく依存する。プラズマCVDのパワーとSiHガスの供給の条件を最適化すると、基板温度が300℃の基板1上には、膜中にSiH結合を殆ど含まない膜質の優れたa−Si薄膜を成膜することができる。
【0074】
例えば、同一のプラズマ条件で基板温度を変化させた場合の、a−Si薄膜の膜質の変化について調べてみると、図5の実線で示す曲線が得られた。同図は、SiH/SiH比またはエッチング速度(nm/sec)と基板温度(℃)との関係を示すグラフである。このグラフから分かる様に、基板温度が下がると共にSiH/SiH比が増加することが示されている。そして、基板温度が300℃の場合では、SiH/SiH比が最も小さくなることが示されている。これにより、a−Si薄膜の膜中にSiH結合が殆ど含まれていないことが理解される。
【0075】
この様に、絶縁層3上に形成された半導体薄膜6は、エネルギー吸収体2上に形成された領域6aとそれ以外の領域6bとで膜質の異なったものになっている。すなわち、領域6aでは、基板温度が約300℃であったことから、SiH結合が殆ど含まれず、SiH結合の多い膜質となっている。これに対して領域6bでは、基板温度が約200℃であったことから、SiH結合の極めて多い膜質となっている。
【0076】
次に、リソグラフィ工程を行わずに、前記半導体薄膜6をエッチングする(図6)。前記した様に、半導体薄膜6は領域6aと領域6bとで膜質の異なった薄膜であるが、この膜質の違いは、エッチングをする際のエッチング速度差となって現れる。膜質の違いとエッチング速度との関係は、次に述べる実験結果からも明らかである。すなわち、各基板温度毎に成膜したa−Si薄膜に対してそれぞれエッチング速度を測定すると、図5の点線で示す曲線が得られた。測定値は水素プラズマ処理によるものである。このグラフから明らかな様に、半導体薄膜6をエッチングする際のエッチング速度としては、領域6bの方が領域6aよりもエッチング速度が大きいことが分かる。これにより、領域6aと領域6bとで、同一の条件でエッチングを行っても、両領域に於ける膜質が異なる結果、エッチング速度に差が生じる。その結果、領域6bの部分だけが選択的に除去されて、図7に示す様に所定のパターン形状を有する半導体薄膜6を形成することができる。このとき、除去されたエッチング部7に於ける側壁部8は、緩やかに傾斜したテーパー状となっている。尚、図5に示した結果は水素プラズマ処理によるものであるが、CF等のプラズマ処理の場合でも、エッチング速度差は生じた。
【0077】
以上に述べた、本実施の形態に係る薄膜の製造方法によれば、所定のパターン形状を有する半導体薄膜の形成が低温で可能となり、この結果、例えばフレキシブル基板等にも容易に形成することができる。また、従来より薄膜のパターニングの際に必要であったリソグラフィ工程を行うこともないので、製造工程数の減少による低コスト化が図れる。さらに、本実施の形態に於いて形成されたa−Si薄膜はSiH結合を殆ど含まないので、これを薄膜トランジスタに適用すれば移動度の高い高品質のものが得られる。その上、a−Si薄膜の膜中に於ける欠陥も少ないので、OFF時に於けるリーク電流の低減も図れる。
【0078】
(実施の形態2)
本実施の形態2は前述の(2)の場合に対応するものであり、基板表面の選択的な加熱を行う為の手段としてエネルギー吸収体を用いる点では、前記実施の形態1と同様であるが、基板表面の選択的な加熱により、基板上に於いて堆積速度そのものを基板上の領域毎に異ならせ、特定の領域にのみ薄膜が形成させる点が異なる。
【0079】
基板上の領域毎に堆積速度を異ならせる為、本実施の形態に於いては、図3の実線で示す様にエネルギー吸収体2表面近傍に於ける基板温度を約400℃に設定する。このとき、エネルギー吸収体から数μm離れた位置に於ける基板温度は約300℃であった。エネルギー吸収体2表面の温度を約400℃に設定するのは、Siを用いた減圧CVD法により半導体薄膜を成膜する場合に、Siを熱分解させる温度(すなわち、400℃)に設定する必要があるからである。よって、前述の基板温度はあくまでも例示的な値であって、形成する薄膜の材料や成膜方法によって適宜変更して設定されるものである。
【0080】
半導体薄膜の形成は、前記の様に基板1の表面に温度分布を生じさせた状態で、減圧CVD法により絶縁層上にa−Si薄膜からなる半導体薄膜を形成する。半導体薄膜の形成に必要なフラックスとしては、前述のSiを使用する。また、成膜条件としては、前記した様に基板温度を400℃に設定する他に、例えば減圧CVDの動作圧力を約300mTorr、約ガス流量を100sccmとする。減圧にしない場合には、熱CVD法により半導体薄膜を形成することも可能である。
【0081】
ここで、基板1上にはa−Si薄膜が堆積される領域と堆積されない領域とが生じる。つまり、エネルギー吸収体2の上方およびその近傍ではa−Si薄膜が堆積されるが、その他の領域ではa−Si薄膜が堆積されない。このことは例えば図8に示す、基板の温度による堆積速度の変化から説明できる。すなわち、減圧CVD法による膜形成に於いてSiの熱分解が生じる為には、少なくとも約400℃が必要となる。この温度より低いと、図8から明らかな様に、堆積速度が急激に小さくなり、基板温度が約300℃のときではa−Si薄膜をほとんど堆積できなくなる。
【0082】
以上に述べた、本実施の形態に係る薄膜の製造方法によれば、従来より薄膜のパターニングの際に必要であったリソグラフィ工程を行うことなく、所定のパターン形状を有する薄膜を形成することができる。この結果、製造工程数の減少による低コスト化が図れる。また、本実施の形態に於いて形成されたa−Si薄膜は、前記実施の形態1と同様に、SiH結合を殆ど含まないので、これを薄膜トランジスタに適用すれば移動度の高い高品質のものが得られる。さらに、a−Si薄膜の膜中に於ける欠陥も少ないので、OFF時に於けるリーク電流の低減も図れる。
【0083】
尚、本実施の形態に於いては、原料ガスとしてSiを使用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばSiHガスも使用することができる。この場合は、エネルギー吸収体2の表面温度を550℃に設定する必要がある。
【0084】
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る薄膜の製造方法は、前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法と比較して、エネルギー吸収体に替えて導電膜を用い、この導電膜に電流を流すことにより基板表面を選択的に加熱した点が異なる。
【0085】
図9に示す様に、基板1上に導電膜を形成した後、従来公知の方法にてパターニングし、導電膜9を形成する。
【0086】
次に、前記導電膜9が設けられた基板1上に、SiOやSiN等の絶縁層3を形成する。
【0087】
さらに、図9に示す様に、前記基板1を加熱しながら、例えばプラズマCVD法により絶縁層3上にa−Si薄膜からなる半導体薄膜6を形成する。
【0088】
基板1の加熱は以下の様にして行う。すなわち、導電膜9に電流印加部10を接続して、この電流印加部10から電流を流す。導電膜9に電流が流れると、導電膜9は電気的エネルギーを熱として放散する。これにより、当該導電膜9近傍では、導電膜9が設けられていない他の領域よりも温度が高くなる。これを、基板温度を基準として観察すれば、概ね図10の点線で示すような温度分布となる。導電膜9が存在する領域での基板温度は、前記実施の形態1と同様に約300℃に設定している。
【0089】
また、導電膜9に印加する電流は、電流量と印加時間(sec)との関係を示した図11にある様に、パルス的(間欠的)に印加するのが好ましい。
【0090】
この様にして基板1の表面に温度分布を生じさせた状態で、前記実施の形態1と同様にしてプラズマCVD法により絶縁層3上にa−Si薄膜からなる半導体薄膜6を形成し、その後リソグラフィ工程を行わずにエッチングを行う。この結果、前記実施の形態1と同様に、所定のパターン形状を有する半導体薄膜の形成を低温で行うことができる(図12参照)。また、従来より薄膜のパターニングの際に必要であったリソグラフィ工程を行うこともないので、製造工程数の減少による低コスト化が図れる。また、本実施の形態に係る薄膜の製造方法により形成されたa−Si薄膜を薄膜トランジスタに適用すると、前記実施の形態1と同様に、移動度が高く、かつOFF時に於けるリーク電流の低減も図れ、高品質のものが得られる。
【0091】
(実施の形態4)
本実施の形態4に係る薄膜の製造方法は、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法と比較して、エネルギー吸収体に替えて導電膜を用い、この導電膜に電流を流すことにより基板表面を選択的に加熱した点が異なる。
【0092】
先ず、前記実施の形態3と同様にして、基板上に導電膜をスパッタリング法により形成した後、従来公知の方法にてパターニングし、導電膜を形成する。
【0093】
次に、前記導電膜が設けられた基板上に、SiOやSiN等の絶縁層を形成する。
【0094】
さらに、前記基板を加熱しながら、例えばプラズマCVD法により絶縁層上にa−Si薄膜からなる半導体薄膜を形成する。
【0095】
基板の加熱は以下の様にして行う。すなわち、導電膜に電流印加部を接続して電流を流す。導電膜に電流が流れると、導電膜は電気的エネルギーを熱として放散する。これにより、当該導電膜近傍では、導電膜が設けられていない他の領域よりも温度が高くなる。これを、基板温度を基準として観察すれば、概ね図10の実線で示すような温度分布となる。導電膜が存在する領域での基板温度は、前記実施の形態1と同様に約300℃に設定している。
【0096】
また、導電膜に印加する電流は、前記実施の形態3と同様に、パルス的(間欠的)に印加するのが好ましい(図11参照)。
【0097】
この様にして基板の表面に温度分布を生じさせた状態で、前記実施の形態2と同様にして減圧CVD法により絶縁層上にa−Si薄膜からなる半導体薄膜を形成する。これにより、前記実施の形態2と同様に、導電膜の上方およびその近傍にのみ、a−Si薄膜が堆積され、所定のパターン形状を有した半導体薄膜が形成された。
【0098】
以上の様に、本実施の形態に係る薄膜の製造方法によれば、従来より薄膜のパターニングの際に必要であったリソグラフィ工程を行う必要がないので、製造工程数の減少による低コスト化が図れる。また、本実施の形態に係る薄膜の製造方法により形成されたa−Si薄膜を薄膜トランジスタに適用すると、前記実施の形態1と同様に、移動度が高く、かつOFF時に於けるリーク電流の低減も図れ、高品質のものが得られる。
【0099】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5について以下に説明する。図13は、本実施の形態に係る半導体薄膜の製造工程を示す断面図である。
【0100】
先ず、基板1上にエネルギー吸収体21の前駆体膜をスパッタリング法等により形成した後、これを所定の形状にパターニングしてエネルギー吸収体21を形成する。エネルギー吸収体21は、基本的には前記実施の形態1に於いて説明したのと同様の機能を有する。また、本実施の形態に係るエネルギー吸収体21としては、例えばNi、Pd、Pt、AgおよびAl等からなる群より選ばれる何れか1種の金属、または2種以上の金属を含む合金からなるものが例示できる。
【0101】
パターンの形状は特に限定されず、例えば複数のエネルギー吸収体21をドット状またはストライプ状に、任意の離間距離を置いて形成することができる。また、パターニングの方法としては、例えばフォトリソグラフィ法等を採用することができる。
【0102】
次に、前記エネルギー吸収体21のパターニングの後、基板1の成膜面とは反対側から、基板1の全面に光を間欠的に照射し、エネルギー吸収体21表面近傍に於ける基板温度を約400℃となる様に加熱する。この状態で、減圧CVD法により第1半導体薄膜22の形成を行う。このとき、エネルギー吸収体21の表面は、該エネルギー吸収体21が設けられていない基板1上の領域よりも温度が高くなっている。この為、エネルギー吸収体21の表面では、それが設けられていない基板1上の領域よりも堆積速度を速くできる為、エネルギー吸収体21の表面にのみ第1半導体薄膜22を形成することができる。ここで、第1半導体薄膜22としては、a−Ge膜またはa−SiGe膜等が例示できる。また、これらの膜を成膜する為、熱CVD法に於いて使用するフラックスとしては、GeHガスやSiガス等が例示できる。さらに、第1半導体薄膜22の膜厚としては、約10nm〜50nmの範囲内であればよい。
【0103】
続いて、前記基板1および第1半導体薄膜22上に、例えばa−Si薄膜からなる第2半導体薄膜23を形成する。この第2半導体薄膜23の成膜方法としては、例えばプラズマCVD法や減圧CVD法等が例示できる。さらに、第2半導体薄膜23の膜厚としては、約30nm〜100nmの範囲内であればよい。
【0104】
次に、図13(b)に示す様に、第2半導体薄膜23を熱処理し、該第2半導体薄膜23を結晶化させる。結晶化は、先ず前記第1半導体薄膜22を初期成長核として始まる。さらに、第1半導体薄膜22が固相成長の起点となることの効果により、結晶の横方向成長(ラテラル成長)が生じる。これにより、第1半導体薄膜22を中心として、その近傍に粒径2〜3μm程度の単結晶領域24が生成する。また、単結晶領域24以外の領域はアモルファス状態のままである。第1半導体薄膜22が初期成長核となるのは、第2半導体薄膜23よりも融点が低いことによる。またエネルギー吸収体21が、第2半導体薄膜23を結晶化させる為のポテンシャル障壁を低減させる、触媒としての機能を果たす為である。ここで、第2半導体薄膜23は、前記第1半導体薄膜22よりも融点の高い高融点半導体薄膜であることが好ましい。これは、第2半導体薄膜23の結晶化の際に、融点の低い第1半導体薄膜22で最初に結晶化を開始させることにより、この第1半導体薄膜22を初期成長核として機能させる為である。また、第2半導体薄膜23は、第1半導体薄膜22とは異種の材料からなるのが好ましい。これは、エネルギー吸収体21として前述の金属からなる金属膜を用いた場合、第2半導体薄膜23の結晶化の為に行われる熱処理よって、前記金属が第2半導体薄膜23中に拡散するのを防止できるからである。さらに、この拡散防止の観点からは、エネルギー吸収体21として合金からなるものを使用するのが好ましい。尚、熱処理の条件としては、例えば処理温度550〜600℃、処理時間3時間以上とすることができる。
【0105】
また、第2半導体薄膜23の結晶化は、前記した熱処理に替えて、エネルギー吸収体21およびその近傍に間欠的にエキシマレーザーを照射することにより行うこともできる。この場合、照射された第1半導体薄膜22は溶融していったん液相となり、これを中心として横方向に液相域を広げながら結晶化が進行する。これにより、4〜5μm程度に結晶成長した単結晶領域24が形成される。照射後の冷却過程では、レーザーショットの照射範囲内(すなわち、単結晶領域24)において外側から内側に向かって固化が進行する。
【0106】
以上の様にして得られる単結晶領域24は非常に高性能な薄膜であり、この単結晶領域24を例えばTFTに於けるチャネル部に適用すれば、高移動度のTFTが得られる。かかるTFTは、高精細の表示が可能なアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイに適用できる他、高速動作が要求される内蔵駆動回路にも適用することができる。また、画素部に電流駆動用のTFTが要求される有機ELデバイス用にも応用することができる。
【0107】
尚、本実施の形態に於いては、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法を適用することも可能である。
【0108】
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6について以下に説明する。
図14は、本実施の形態に係る半導体薄膜の製造工程を示す断面図である。
【0109】
先ず、前記実施の形態5と同様にして、基板1上に所定のパターン形状を有するエネルギー吸収体21形成する。次に、プラズマCVD法により絶縁層26を形成する。
【0110】
続いて、基板1の成膜面とは反対側から、基板1の全面に光を間欠的に照射し、エネルギー吸収体21表面近傍に於ける基板温度を約400℃となる様に加熱する。この状態で、減圧CVD法により第1半導体薄膜22の形成を行う。このとき、絶縁層26に於けるエネルギー吸収体21の上方およびその近傍では、その他の領域よりも温度が高くなっている。この為、エネルギー吸収体21の表面にのみ第1半導体薄膜27が形成される。ここで、第1半導体薄膜27としては、a−Ge膜またはa−SiGe膜等が例示できる。また、これらの膜を成膜する為、熱CVD行う際に使用するフラックスとしては、GeHガスやSiガス等が例示できる。さらに、第1半導体薄膜27の膜厚としては、約10nm〜50nmの範囲内であればよい。
【0111】
続いて、前記基板1および第1半導体薄膜27上に、例えばa−Si薄膜からなる第2半導体薄膜28を形成する。この第2半導体薄膜28の成膜方法としては、例えばプラズマCVD法や減圧CVD法等が例示できる。さらに、第2半導体薄膜28の膜厚としては、約30nm〜100nmの範囲内であればよい。
【0112】
さらに、図14(b)に示す様に、第2半導体薄膜28にエキシマレーザーを照射し、該第2半導体薄膜28を結晶化させる。結晶化は、前記実施の形態5と同様に、第1半導体薄膜27を初期成長核として結晶化が始まり、この第1半導体薄膜27を固相成長の起点としてラテラル成長が生じる。さらに、照射後の冷却過程では、レーザーショットの照射範囲内(すなわち、単結晶領域29)において外側から内側に向かって固化が進行する。この結果、前記実施の形態5と同様に、第2半導体薄膜28に粒径が約4〜5μmの単結晶領域29を形成することができる。尚、単結晶領域29以外の領域はアモルファス状態のままである。
【0113】
以上の様にして得られる単結晶領域29は非常に高性能な薄膜であり、この領域を例えばTFTに於けるチャネル部に適用すれば、高移動度のTFTが得られる。これにより、高精細の表示が可能なアクティブマトリクス型の液晶ディスプレイに適用可能なTFTや、さらに高速動作が要求される駆動回路の内蔵化に適したTFTを提供することができる。また、画素部に電流駆動用のTFTが要求される有機ELデバイス用にも応用することができる。
【0114】
尚、本実施の形態に於いては、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法を適用することも可能である。
【0115】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0116】
(実施例1)
本実施例1は、前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法を薄膜トランジスタの製造に適用したものである。図15は、本実施例1に於いて使用する薄膜トランジスタの製造装置を概念的に示した平面図である。図16は、本実施例1に於いて使用するプラズマCVD装置を模式的に示した断面図である。図17は、本実施例1に係る薄膜トランジスタの製造工程を説明する為の断面図である。
【0117】
先ず、本実施例1に於いて使用する薄膜トランジスタの製造装置について説明する。この製造装置は、図15に示す様に、プラズマCVDチャンバ(薄膜形成手段)31の周囲に、各々ゲートバルブ32を介して、ロード・アンロード(L/UL)チャンバ33、カセットステーション(C/S)34、スパッタチャンバ35、エッチングチャンバ(エッチング手段)36が接続された多室型の構成となっている。
【0118】
プラズマCVDチャンバ31は、プラズマCVD法により基板1上に薄膜を形成する。より具体的には、図16に示す様に、反応室(反応容器)38と、基板1を支持する支持台39と、原料ガスを反応室38内部に供給するガス供給管(供給部)40と、反応室38からガスを排気する排気管41と、反応室38の外部に設けられたハロゲンランプ(電磁波照射部)42と、ハロゲンランプ42から発せられた光を透過させるビューポート43と、上部電極44および下部電極(反応励起部、プラズマ励起部)とを備えている。前記ビューポート43は、例えば石英やガラス等からなる。
【0119】
L/ULチャンバ33はゲートバルブ32を介して外部から基板1の搬入および搬出を行う。カセットステーション34は、カセットを収納している。また、このカセットには複数の基板1が収納されている。スパッタチャンバ35では、基板1上にスパッタリング法により薄膜を形成する。エッチングチャンバ36では、基板1上の薄膜を除去する。また、各チャンバ間での基板1の搬入および搬出操作は、ロボット等の基板搬送手段37が行う。
【0120】
前記の様な装置構成を有する薄膜トランジスタの製造装置を用いて、本実施例1に係る薄膜トランジスタは以下の様にして作製した。
【0121】
先ず、ガラス基板からなる基板1を、基板搬送手段37によりスパッタチャンバ35に搬送し、該スパッタチャンバ35内で、基板1上にスパッタリング法によりMoからなる金属膜を被着した。この後、これをフォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングしてゲート電極51を形成した。続いて、ゲート電極51が形成された基板1を、基板搬送手段37によりプラズマCVDチャンバ31に搬送し、プラズマCVD法により基板1上にSiNからなるゲート絶縁層52を形成した(図17(a))。
【0122】
次に、ハロゲンランプ42を用いて基板1に於ける成膜面とは反対側の面から間欠的に光を照射した。このとき、ゲート電極51の上方に於けるゲート絶縁層52表面の表面温度を約300℃となる様に設定した。また、原料ガスとしてSiHガスを用い、プラズマCVD法により前記ゲート絶縁層52上にa−Si薄膜を形成した。形成されたa−Si薄膜は、ゲート電極51の上方およびその近傍にSiH結合が殆ど含まれない膜質の部分を有する一方、それ以外の領域ではSiH結合の極めて多い膜質の部分を有していた。
【0123】
さらに、基板1をエッチングチャンバ36に搬送し、a−Si薄膜を水素プラズマ処理によりエッチングして、前記SiH結合の極めて多い膜質の部分のみを選択的に除去した。これにより、図17(b)に示す様に、所定のパターン形状を有する半導体薄膜53を形成することができた。
【0124】
次に、ゲート絶縁層52および半導体薄膜53上に、プラズマCVD法によりSiN膜を形成した後、これをフォトリソグラフィ法によりパターニングしてチャネル保護層54を形成した。
【0125】
続いて、ゲート絶縁層52、半導体薄膜53およびチャネル保護層54上に、プラズマCVD法によりa−Si薄膜55を形成した後、これをフォトリソグラフィ法によりパターニングした(図17(c))。さらに、チャネル保護層54の上部よりnイオンを注入し、これによりna−Si薄膜55’を形成した(図17(d))。
【0126】
次に、Moからなる金属膜をスパッタリング法により被着した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングしてソース電極56およびドレイン電極57を形成した(図17(e))。
以上の様にして、本実施例1に係るチャネル保護型の薄膜トランジスタを作製した。
【0127】
(実施例2)
本実施例2は、前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法を薄膜トランジスタの製造に適用したものである。但し、本実施例2に係る薄膜トランジスタは、前記実施例1に係る薄膜トランジスタと比較して、チャネルエッチ型である点が異なる。図18は、本実施例に係る薄膜トランジスタの製造工程を説明する為の断面図である。
【0128】
先ず、前記実施例1と同様にしてゲート電極51を形成した後、さらにSiNからなるゲート絶縁層52を形成した(図18(a))。
【0129】
次に、前記実施例1と同様にして前記ゲート絶縁層52上にa−Si薄膜を形成した後、これを水素プラズマ処理によりエッチングして半導体薄膜53を形成した(図18(b))。
【0130】
次に、ゲート絶縁層52および半導体薄膜53上に、プラズマCVD法によりa−Si薄膜を形成した後、a−Si薄膜の上部よりnイオンを注入し、na−Si薄膜を形成した。さらに、na−Si薄膜上にTi/Alの積層膜からなる金属膜を形成した。続いて、フォトリソグラフィ法により、na−Si薄膜および金属膜を所定の形状にパターニングして、na−Si薄膜61、ソース電極62およびドレイン電極63を形成した。
【0131】
さらに、半導体薄膜53、na−Si薄膜61、ソース電極62およびドレイン電極63を覆う様に、SiN層を形成した後、これをフォトリソグラフィ法によりパターニングして保護層64を形成した。
以上の様にして、本実施例2に係るチャネルエッチ型の薄膜トランジスタを作製した。
【0132】
(実施例3)
本実施例3は、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法を薄膜トランジスタの製造に適用したものである。
【0133】
先ず、前記実施例1と同様にしてゲート電極51を形成した後、さらにSiNからなるゲート絶縁層52を形成した(図17(a)参照)。
【0134】
次に、前記実施例1と同様にハロゲンランプを用いて基板1に於ける成膜面とは反対側の面から間欠的に光を照射した。このとき、ゲート電極51の上方に於けるゲート絶縁層52表面の表面温度を約400℃となる様に設定した。続いて、原料ガスとしてSiガスを用い、減圧CVD法により前記ゲート絶縁層52に於けるゲート電極51の上方およびその近傍にのみa−Si薄膜を堆積した(図17(b)参照)。
【0135】
続いて、前記実施例1と同様にして、チャネル保護層54、na−Si薄膜55’、ソース電極56およびドレイン電極57を形成した(図17(e)参照)。
以上の様にして、本実施例3に係るチャネル保護型の薄膜トランジスタを作製した。
【0136】
(実施例4)
本実施例4は、前記実施の形態2に係る薄膜の製造方法を薄膜トランジスタの製造に適用したものである。但し、本実施例4に係る薄膜トランジスタは、前記実施例3に係る薄膜トランジスタと比較して、チャネルエッチ型である点が異なる。
【0137】
先ず、前記実施例2と同様にしてゲート電極51を形成した後、さらにSiNからなるゲート絶縁層52を形成した(図18(a)参照)。
【0138】
次に、前記実施例1と同様にハロゲンランプを用いて基板1に於ける成膜面とは反対側の面から間欠的に光を照射した。このとき、ゲート電極51の上方に於けるゲート絶縁層52表面の表面温度を約400℃となる様に設定した。続いて、原料ガスとしてSiガスを用い、減圧CVD法により前記ゲート絶縁層52に於けるゲート電極51の上方およびその近傍にのみa−Si薄膜を堆積した(図18(b)参照)。
【0139】
続いて、前記実施例2と同様にして、ゲート絶縁層52および半導体薄膜53上にna−Si薄膜を形成した後、該na−Si薄膜上にTi/Alの積層膜からなる金属膜を形成した。さらに、フォトリソグラフィ法により、na−Si薄膜および金属膜を所定の形状にパターニングして、na−Si薄膜61、ソース電極62およびドレイン電極63を形成した。さらに、半導体薄膜53、na−Si薄膜61、ソース電極62およびドレイン電極63を覆う様に保護層64を形成した。
以上の様にして、本実施例4に係るチャネルエッチ型の薄膜トランジスタを作製した。
【0140】
(実施例5)〜(実施例8)
実施例5〜実施例8に係る各薄膜トランジスタは、それぞれ前記実施例1〜実施例4に係る薄膜トランジスタに対応しており、各々同様の構成を有している。但し、それらの製造方法に於いては、それぞれ光の照射に替えて、ゲート電極に通電することにより基板面を選択的に加熱した点が異なる。
【0141】
(実施例9)
本実施例9は、前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法を薄膜トランジスタの製造に適用したものである。但し、本実施例9に係る薄膜トランジスタは、前記実施例1に係る薄膜トランジスタと比較して、トップゲート型である点が異なる。図19は、本実施例9に係る薄膜トランジスタの製造工程を説明する為の断面図である。
【0142】
先ず、図19(a)に示す様に、基板1上にMoからなる金属膜をスパッタリング法により成膜した。この金属膜をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、ソース電極71およびドレイン電極72を形成した。
【0143】
次に、ハロゲンランプを用いて基板1に於ける成膜面とは反対側の面から間欠的に光を照射した。このとき、ソース電極71およびドレイン電極72表面の表面温度を約300℃となる様に設定した。さらに、原料ガスとしてSiHガスを用い、プラズマCVD法により基板1、ソース電極71およびドレイン電極72上にa−Si薄膜を形成した。形成されたa−Si薄膜は、ソース電極71およびドレイン電極72を覆う部分ではSiH結合が殆ど含まれない膜質であり、それ以外の部分ではSiH結合の極めて多い膜質となっていた。さらにこのa−Si薄膜にnイオンを注入し、これによりna−Si薄膜を形成した。
【0144】
続いて、前記na−Si薄膜を水素プラズマ処理によりエッチングして、前記SiH結合の極めて多い膜質の部分のみを選択的に除去した。これにより、所定のパターン形状を有するna−Si薄膜73を形成することができた。
【0145】
次に、基板1およびna−Si薄膜73上にa−Si薄膜を形成し、さらにフォトリソグラフィ法によりa−Si薄膜を所定のパターン形状となる様に島化して、a−Si薄膜74を形成した(図19(b))。
【0146】
続いて、基板1およびa−Si薄膜74上に、プラズマCVD法によりSiOからなるゲート絶縁層75を形成した。さらに、ゲート絶縁層75上に金属膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングしてゲート電極76を形成した(図19(c))。なお、ソース電極71およびドレイン電極72と、ゲート電極76とを自己整合させる場合には、基板1の成膜面とは反対側の面から露光する裏面露光と、リフトオフとによりゲート電極76を形成するのがよい。
【0147】
最後に、プラズマCVD法によりSiN膜からなる保護膜77を形成した(図19(d))。
以上の様にして、本実施例9に係るトップゲート型の薄膜トランジスタを作製した。
【0148】
(結果)
以上に述べた各実施例1〜実施例9に係る薄膜トランジスタの製造方法によれば、所定のパターン形状を有する半導体薄膜53を形成する際に、マスクを必要としないのでマスク数の削減が図れ、製造コストの低減が図れた。また、前記実施例3および実施例4に於いては、前記実施例1および実施例2と比較して、a−Si薄膜の水素プラズマ処理によるエッチングを行う必要も無くなり、さらに製造工程数を削減することができた。
【0149】
また、前記各実施例1〜実施例9に於いて得られた薄膜トランジスタは、膜中にSiH結合を殆ど含まないa−Si薄膜を有しており、これにより移動度が高く高品質のものであった。さらに、a−Si薄膜の膜中に於ける欠陥も少ないので、OFF時に於けるリーク電流の低減も可能であった。
【0150】
(その他の事項)
なお、前記実施例1および実施例2に於いて、所定のパターン形状に形成された半導体薄膜を、エキシマーレーザー等を用いて結晶化すれば、駆動回路等のオンガラス化を目的とした多結晶シリコンの薄膜トランジスタを製造することもできた。この場合に於いてもマスク数を削減することができ、製造コストの低減が図れた。
【0151】
また、前記実施例9に於いては、a−Si薄膜を形成する場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、p−Si膜を形成することもできる。
【0152】
【発明の効果】
以上に説明した様に、本発明の方法によれば、薄膜の形成の際に、基板の全面を加熱するのではなく、膜形成に必要な部分だけを選択的に加熱して行うので、基板温度の大幅な上昇を防止でき、プロセス温度の低減が図れる。
【0153】
また、基板を選択的に加熱しながら薄膜の形成を行うので、基板上には領域毎に膜質の異なるものが形成される。膜質を異ならせると、エッチング速度にも差を生じさせることができるので、これにより同一の条件でエッチングを行っても、所定の膜質の部分だけを選択的に除去できる。その結果、従来必要であったフォトリソグラフィ法等の加工プロセスを削減することができ、製造工程数および製造コストの削減が可能となる。
【0154】
さらに、基板を選択的に加熱しながら薄膜の形成を行うことにより堆積速度を異ならせることもできるので、これにより前記基板に於いて所定の領域にのみ薄膜を堆積することができる。よって、この場合に於いても、従来より薄膜のパターニングの際に必要であったリソグラフィ工程を省略することができ、製造工程数の削減による低コスト化が図れる。
【0155】
また、本発明の方法により作製された半導体薄膜は高い移動度を有しているので、例えばこれを備えた薄膜トランジスタを液晶表示素子等に適用すれば、素子の高精細化および内蔵駆動回路の高速化も図れる。さらに、前記半導体薄膜は欠陥も少ないのでOFF時のリーク電流も低減できる。よって、その様な半導体薄膜を備えた本発明に係る薄膜トランジスタは、性能および信頼性に於いても優れたものにできる。

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る薄膜の製造工程を示す断面図であって、絶縁層表面の選択的な加熱の様子を示している。
【図2】前記実施の形態1に係る薄膜の製造工程を示す断面図であって、絶縁層上に半導体薄膜を形成した状態を示す。
【図3】前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法に於いて、基板の選択的加熱を説明する為の説明図であって、同図(a)は絶縁層の表面に於ける温度分布を示すグラフであり、同図(b)は前記基板の要部を示す断面図である。
【図4】前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法に於いて、光の照射エネルギーと照射時間との関係を示すグラフである。
【図5】前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法に於いて、SiH/SiH比またはエッチング速度と、絶縁層の表面に於ける温度との関係を示すグラフである。
【図6】前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法に於いて、半導体薄膜のエッチングを説明する為の断面図である。
【図7】前記実施の形態1に係る薄膜の製造方法により製造された半導体薄膜を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る薄膜の製造方法に於いて、堆積速度と絶縁層の表面に於ける温度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施の形態3に係る薄膜の製造方法を説明する為の断面図である。
【図10】前記実施の形態3に係る薄膜の製造方法に於いて、基板の選択的加熱を説明する為の説明図であって、同図(a)は絶縁層の表面に於ける温度分布を示すグラフであり、同図(b)は前記基板の要部を示す断面図である。
【図11】前記実施の形態3に係る薄膜の製造方法に於いて、電流量と印加時間との関係を示すグラフである。
【図12】前記実施の形態3に係る薄膜の製造方法に於いて、半導体薄膜のエッチングを説明する為の断面図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係る半導体薄膜の製造工程を示す断面図であって、同図(a)は第1及び第2半導体薄膜の形成を説明する為の断面図であり、同図(b)は第2半導体薄膜の結晶化を説明する為の断面図である。
【図14】本発明の実施の形態6に係る半導体薄膜の製造工程を示す断面図であって、同図(a)は第1及び第2半導体薄膜の形成を説明する為の断面図であり、同図(b)は第2半導体薄膜の結晶化を説明する為の断面図である。
【図15】本発明の実施例1に於いて使用する薄膜トランジスタの製造装置を概念的に示した平面図である。
【図16】本発明の実施例1に於いて使用するプラズマCVD装置を模式的に示した断面図である。
【図17】本発明の実施例1に係る薄膜トランジスタの製造工程を説明する為の断面図である。
【図18】本発明の実施例2に係る薄膜トランジスタの製造工程を説明する為の断面図である。
【図19】本発明の実施例9に係る薄膜トランジスタの製造工程を説明する為の断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 エネルギー吸収体
3 絶縁層
4 光
5 フラックス
6 半導体薄膜
7 エッチング部
9 導電膜
10 電流印加部
21 エネルギー吸収体
22、27 第1半導体薄膜
23、28 第2半導体薄膜
24、29 単結晶領域
26 絶縁層
31 プラズマCVDチャンバ
32 ゲートバルブ
33 L/ULチャンバ
34 カセットステーション
35 スパッタチャンバ
36 エッチングチャンバ
37 基板搬送手段
38 反応室
42 ハロゲンランプ(電磁波照射部)
51、76 ゲート電極
52、75 ゲート絶縁層
53 半導体薄膜
54 チャネル保護層
56、62、71 ソース電極
57、63、72 ドレイン電極
64 保護層

Claims (7)

  1. 絶縁性基板上に、所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、
    前記金属薄膜にエネルギーを付与して、該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより、前記絶縁性基板を選択的に加熱しながら絶縁性基板の上に第1半導体薄膜を形成する工程であって、前記金属薄膜を覆う部分と、それ以外の部分とで膜質の異なる第1半導体薄膜を形成する工程と、
    前記第1半導体薄膜をエッチングすることにより、前記金属薄膜を覆う部分以外の部分のみを選択的に除去して、前記金属薄膜のみを覆う様にパターニングする工程と、
    前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、
    前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 絶縁性基板上に所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、
    前記金属薄膜を覆う様に第1半導体薄膜を堆積する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させ、これにより金属薄膜近傍とそれ以外の領域とで堆積速度を異ならせて、前記金属薄膜の上面および側面に第1半導体薄膜を堆積する工程と、
    前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、
    前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 絶縁性基板上に、所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、
    前記金属薄膜を備えた前記絶縁性基板上に絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層上に第1半導体薄膜を形成する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与して該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させることにより絶縁層を選択的に加熱し、これにより該絶縁層の領域毎に膜質の異なる第1半導体薄膜を形成する工程と、
    前記第1半導体薄膜をエッチングすることにより、該第1半導体薄膜のうち所定の膜質の部分のみを選択的に除去して、第1半導体薄膜を所定の形状にパターニングする工程と、
    前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、
    前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 絶縁性基板上に所定のパターン形状の金属薄膜を形成する工程と、
    前記金属薄膜を備えた前記絶縁性基板上に絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層の上に第1半導体薄膜を堆積する工程であって、前記金属薄膜にエネルギーを付与し、該エネルギーを金属薄膜から熱として放散させて前記絶縁層を選択的に加熱することにより、該絶縁層の領域毎に堆積速度を異ならせて、所定の領域にのみ第1半導体薄膜を堆積する工程と、
    前記第1半導体薄膜が設けられた前記絶縁性基板上に、前記第1半導体薄膜よりも融点の高い第2半導体薄膜を形成する工程と、
    前記第2半導体薄膜を熱処理することにより、前記第1半導体薄膜を成長核として第2半導体薄膜を結晶化させる工程と
    を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記金属薄膜は、Ni、Pd、Pt、AlおよびAgからなる群より選ばれる少なくとも1種または2種以上の金属からなることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記第1半導体薄膜はa−Ge薄膜またはa−GeSi薄膜であり、前記第2半導体薄膜はSi薄膜であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記熱処理に替えてレーザーアニールを行うことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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