JPH0955509A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH0955509A
JPH0955509A JP20576995A JP20576995A JPH0955509A JP H0955509 A JPH0955509 A JP H0955509A JP 20576995 A JP20576995 A JP 20576995A JP 20576995 A JP20576995 A JP 20576995A JP H0955509 A JPH0955509 A JP H0955509A
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JP
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film
semiconductor thin
thin film
insulating film
amorphous semiconductor
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Application number
JP20576995A
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English (en)
Inventor
Hisafumi Saito
尚史 斉藤
Kimihide Wataya
公秀 綿谷
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光を用いた結晶化方法では、半導体薄
膜中の水素の爆発的な気化等によってレーザー光を照射
した半導体薄膜の表面に凹凸が生じ易くなり、半導体薄
膜と絶縁膜との界面準位密度や、TFTの特性を劣化さ
せていた。また、均一で且つ大粒径の結晶を得ることが
困難であった。 【課題解決手段】 絶縁性基板1上に第1の絶縁膜2、
非晶質半導体薄膜3及び第2の絶縁膜4を順次、少なく
とも非晶質半導体薄膜2の形成と第2の絶縁膜3の形成
とを大気中に晒すことなく連続して成膜する。次に、第
2の絶縁膜4上に、所定の形状を有する、非晶質半導体
薄膜2よりも比熱容量の小さい金属膜5を選択的に形成
する。次に、絶縁性基板1の第1の絶縁膜2形成面と反
対の面側からレーザー光を照射し、上記非晶質半導体薄
膜2を結晶化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性半導体薄膜
を用いた半導体装置に関し、特に、アクティブマトリク
ス型液晶表示装置等に使用される多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型で軽量、且つ低消費電力であ
る利点を有するディスプレイとして、アクティブマトリ
クス型液晶表示装置が注目を集めている。その中でも大
面積化、高解像度化及び低コスト化等の要求から、安価
な低融点ガラス等の絶縁性基板上に薄膜トランジスタ
(以下、「TFT」という。)を形成する技術に大きな
期待が寄せられている。
【0003】TFTの活性領域となる多結晶シリコン薄
膜を低融点ガラス基板上に600℃程度の低温で形成す
る技術としては、非晶質シリコン薄膜を堆積した後、6
00℃程度の温度で数時間〜数十時間熱処理して結晶化
させる固相成長法や、特開平6−34997号公報、特
開平6−69128号公報或は特開平6−140321
号公報に示されるようにレーザー光等を照射して、その
部分の非晶質シリコン膜を瞬時に熔融させ、結晶化させ
るレーザー結晶法等の方法が提案されている。
【0004】結晶化された半導体薄膜は、その後島状に
パターニングされ、表面処理を施された後、その上にゲ
ート絶縁膜が形成されている。また、低温でゲート絶縁
膜を形成する方法としては、プラズマ化学気相成長法
(PCVD)、減圧化学気相成長法(LPCVD)、光
化学気相成長法、低温で半導体薄膜の表面に熱酸化膜を
形成する方法等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】低温で、高電界効果移
動度を有するTFTを形成しようとする場合に重要なこ
とは、絶縁性基板の全面にわたって、均一に大粒径の半
導体薄膜を形成し、且つ、半導体薄膜とゲート絶縁膜と
の間の界面準位密度を十分に小さくすることである。半
導体薄膜とゲート絶縁膜との間の界面準位密度を小さく
してゲート絶縁膜を形成する方法としては、上述のよう
に低温で熱酸化膜を形成する方法があるが、この方法で
は成膜速度が遅く、また、ゲート絶縁膜として機能する
ために必要な膜厚を得ることできない。
【0006】また、特開平3−108319号公報に示
されてように、非晶質半導体薄膜及びゲート絶縁膜を同
一チャンバー内で形成する方法を用いれば、界面準位を
小さくすることができる。しかし、その後600℃程度
の低温で固相成長法により多結晶化された多結晶半導体
薄膜は、その結晶化に長時間を要し、且つ、電界効果移
動度が小さいという問題点を有している。
【0007】一方、上記レーザー結晶化法では結晶化が
短時間で行え、図4(a)に示すように、非晶質半導体
薄膜表面からレーザー光を照射し多結晶化し、この多結
晶化された後の多結晶半導体薄膜は高電界効果移動度を
有する。この結晶化に用いるレーザー光は図4(b)に
示すような強度分布を有しており、この傾向は、レーザ
ー光のビームスポットの径或は幅が小さくなるにつれ
て、ビームスポットの中心から離れた箇所のレーザー光
の強度の低下が顕著になる。そして、レーザー光が照射
された領域の非晶質半導体薄膜には強度分布と同様の温
度分布が生じることになる。尚、図4(a)は従来の非
晶質半導体薄膜のレーザー光による多結晶化工程の斜視
図であり、同(b)はビームスポットからの距離とレー
ザー光強度との関係を示す図である。
【0008】したがって、レーザー光が照射された領域
の非晶質半導体薄膜中に不均一な結晶核が発生し、この
結晶核から不規則に結晶粒が発生し、結果的に大粒径の
結晶や小粒径の結晶が混在してしまい、基板全面にわた
って均一な結晶を得ることが困難であるという問題を有
している。
【0009】そこで、従来は非晶質半導体薄膜の上また
は下に部分的に金属膜を設け、レーザー光の照射による
温度分布を均一にする試みや、金属膜によりレーザー光
を遮光して金属膜のない部分の非晶質半導体膜を結晶化
した後、該金属膜を取り除き再度レーザー光を照射する
ことにより、均一な結晶を得る方法、或は光学的手法に
よりレーザー光の強度分布を均一にする方法等が提案さ
れている。しかしながら、これらの方法で均一な粒径の
結晶が得られる反面、レーザー光が照射された領域にお
ける非晶質半導体薄膜の温度分布がほぼ均等になるた
め、非晶質半導体薄膜中に結晶核が不規則に多数発生し
てしまい、それぞれの成長面がぶつかり合い、結晶成長
がすぐに飽和してしまい、大粒径の結晶を得ることは困
難である。
【0010】また、レーザー光照射による結晶化を行う
従来のいずれの方法も非晶質半導体薄膜形成後、ゲート
絶縁膜を形成するまでの間に半導体薄膜が大気中に晒さ
れるので、半導体薄膜とゲート絶縁膜との界面を清浄に
保つことが困難であり、界面準位密度の小さい、半導体
薄膜とゲート絶縁膜との間の界面を形成することができ
なかった。
【0011】また、レーザー結晶化法では、図4(a)
に示すように半導体薄膜表面側からレーザー光を照射す
るため、半導体薄膜中の水素の爆発的な気化等によって
レーザー光を照射した半導体薄膜の表面に凹凸が生じ易
くなり、この凹凸が、半導体薄膜と絶縁膜との界面準位
密度を大きくしたり、TFTの特性の劣化させる大きな
要因であった。
【0012】本発明は、上記問題点に鑑み、均一な大粒
径の結晶を有し、且つ、界面準位密度の小さい半導体薄
膜とゲート絶縁膜との界面を実現することで、高電界効
果移動度の半導体装置を提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
半導体装置の製造方法は、絶縁性基板上に第1の絶縁
膜、非晶質半導体薄膜及び第2の絶縁膜を順次、少なく
とも上記非晶質半導体薄膜の形成と上記第2の絶縁膜の
形成とを大気中に晒すことなく連続して成膜する工程
と、上記第2の絶縁膜上に、所定の形状を有する、非晶
質半導体薄膜よりも比熱容量の小さい材料からなる膜を
選択的に形成する工程と、上記絶縁性基板の上記第1の
絶縁膜形成面と反対の面側からレーザー光を照射し、上
記非晶質半導体薄膜を結晶化する工程とを有することを
特徴とするものである。
【0014】また、請求項2記載の半導体装置の製造方
法は、上記非晶質半導体薄膜よりも比熱容量の小さい材
料からなる膜を上記第2の絶縁膜上に所定の間隔でスト
ライプ状に配置することを特徴とする、請求項1記載の
半導体装置の製造方法である。
【0015】また、請求項3記載の半導体装置の製造方
法は、上記第1の絶縁膜の膜厚を、上記絶縁性基板と第
1の絶縁膜との界面の反射率が極小になるように設定す
ることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の半導
体装置の製造方法である。
【0016】更に、請求項4記載の半導体装置の製造方
法は、上記絶縁性基板の屈折率をno、上記第1の絶縁
膜の屈折率をn1、該第1の絶縁膜の膜厚をd0、上記非
晶質半導体薄膜の屈折率をn2、レーザー光の波長をλ
としたときに、上記第1の絶縁膜の膜厚が A={n1λ/(2π)}・tan-1│(n0−n2)/
(n0−n1)│ で表される値Aの略整数倍となるように、上記第1の絶
縁膜の膜厚を設定することを特徴とする、請求項1又は
請求項2記載の半導体装置の製造方法である。
【0017】上記構成により、絶縁性基板上に第1の絶
縁膜と、非晶質半導体薄膜と、第2の絶縁膜を形成した
後、第2の絶縁膜上に非晶質半導体薄膜よりも比熱容量
の小さい材料を選択的に形成して、絶縁性基板の裏面か
らレーザー光を照射して、非晶質半導体薄膜の結晶化を
行うため、基板全体にわたって均一、且つ、大粒径の結
晶を得ることができる。
【0018】また、絶縁性基板の裏面側からレーザー光
を照射するため、半導体薄膜の表面の凹凸が低減され、
半導体薄膜とゲート絶縁膜との界面準位密度を小さくす
ることができる。
【0019】更に、絶縁性基板上に第1の絶縁膜と、非
晶質半導体薄膜と、第2の絶縁膜の全て、或は、非晶質
半導体薄膜と、第2の絶縁膜とを大気に晒すことなく連
続して形成する方法を用いるため、半導体薄膜とゲート
絶縁膜との界面が清浄に保たれ、絶縁性基板の裏面側か
らレーザー光を照射して非晶質半導体薄膜の結晶化を行
う際にベースコート膜となる第1の絶縁膜を反射防止膜
として用いるため、効果的に非晶質半導体薄膜の結晶化
が行える。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態に基づい
て本発明について詳細に説明する。
【0021】図1は請求項1記載の本発明の実施の形態
の製造工程図であり、図2(a)は図1(b)における
斜視図であり、図2(b)はTFT上の温度分布を示す
図であり、図3はレーザー光を照射した際の時間と温度
との関係を示す図である。
【0022】図1及び図2において、1は絶縁性基板、
2はベースコート膜となる第1の絶縁膜、3は非晶質半
導体薄膜、4は第2の絶縁膜、5は非晶質半導体薄膜よ
り比熱容量が小さい材料の1つである金属膜、6はゲー
ト電極、7はソース/ドレイン領域、8はチャネル領
域、9は層間絶縁膜、10はコンタクトホール、11は
ソース/ドレイン電極を示す。
【0023】発明者らが実験を行った結果、非晶質半導
体薄膜3上或は非晶質半導体薄膜3上に第2の絶縁膜4
を介して金属膜5を設け、絶縁性基板1の裏面側からレ
ーザー光を照射した場合と、金属膜を設けずに絶縁性基
板1の裏面側からレーザー光を照射した場合では、非晶
質半導体薄膜3の結晶化後の結晶性に違いがあることが
判明した。図3に示すように、レーザー光が照射された
非晶質半導体薄膜1は、一旦融点以上に加熱され、徐々
に冷却される間に結晶化が進行する(曲線a)。しか
し、非晶質半導体薄膜1上に金属膜5が設けられている
場合には、非晶質半導体薄膜3は一旦、融点以上に加熱
され熔融するが、熱が金属膜5の方に流出或は吸収され
ることにより、一気に冷却されることになり、結晶化が
十分に進行しないためである(曲線b)。
【0024】以上の結果から、発明者らは更に、鋭意検
討を重ね、非晶質半導体薄膜3上に選択的に非晶質半導
体薄膜3よりも比熱容量の小さい材料を設けることで、
図2(b)に示すように、レーザー光が照射された部分
の非晶質半導体薄膜3に温度分布を生じさせることによ
り、単一核からの結晶成長が可能となり、且つ結晶粒界
の位置が制御され、均一で大粒径の結晶を得ることがで
きることを見いだした。
【0025】図2において、レーザー光の照射されたス
ポットの中に比熱容量の小さい材料によるパターンが存
在しない部分では照射されたレーザー光は非晶質半導体
薄膜3に吸収される。一方、比熱容量の小さい材料によ
るパターンが存在する部分では照射されたレーザー光は
一旦非晶質半導体薄膜3に吸収されるが、熱が金属膜5
の方に流出或は吸収されることにより一気に冷却される
ことになり、結晶化が十分に進行しない。このため、金
属膜5がストライプ状に形成されている場合、レーザー
光の照射直後におけるレーザー光の照射範囲内の非晶質
半導体薄膜3の温度分布は、高温領域と低温領域とが交
互に分布するものとなる。
【0026】この結果、高温領域における非晶質半導体
薄膜3中に存在する核からの結晶成長距離が、低温領域
における非晶質半導体薄膜3中に存在する核からの結晶
成長距離よりも長くなり、高温領域から成長した結晶が
低温領域まで広がるため、均一で大粒径の結晶を得るこ
とができる。
【0027】以下に、図1を用いて、請求項1記載の本
発明の第1の実施の形態の製造工程を説明する。尚、本
発明の実施の形態では、非晶質半導体薄膜3の例として
は、非晶質シリコン薄膜(a−Si)を用い、第1の絶
縁膜2及び第2の絶縁膜4の例として、二酸化ケイ素膜
(SiO2)を用いて説明する。また、プロセス温度は
石英基板であれば、1200℃の高温プロセスにも耐え
られるが、ガラス基板を用いる場合には、歪点が低いた
め約600℃程度の低温に制限される。
【0028】まず、絶縁性基板1として、石英基板また
はガラス基板上に減圧CVD法、またはプラズマCVD
法等により、第1の絶縁膜2として、二酸化ケイ素膜を
形成する。その後、減圧CVD法、またはプラズマCV
D法等により、非晶質半導体薄膜3として、ノンドープ
非晶質シリコン薄膜を例えば100nm程度の膜厚で堆
積させる。その後、更に第2の絶縁膜4として二酸化ケ
イ素膜を非晶質半導体薄膜3上に堆積させる(図1
(a))。
【0029】以上の工程を大気中に晒すことなく連続し
て行い、具体的には、同一チャンバー等の同一成膜装置
内で連続的に行い、第1の絶縁膜2/非晶質半導体薄膜
3/第2の絶縁膜4の3層積層構造を形成する。この工
程において、予め別の成膜装置で絶縁性基板1上に第1
の絶縁膜2を形成した後に、非晶質半導体薄膜3と第2
の絶縁膜4とを大気中に晒すことなく連続して形成する
方法も用いても、差し支えない。
【0030】また、第1の絶縁膜2/非晶質半導体薄膜
3/第2の絶縁膜4の3層積層構造を形成する各工程
間、すなわち、第1の絶縁膜2を形成する工程と非晶質
半導体薄膜3を形成する工程との間、又は非晶質半導体
薄膜3を形成する工程と第2の絶縁膜4を形成する工程
との間に熱処理が追加されても全く問題ない。例えば、
絶縁性基板1上に第1の絶縁膜2を形成した後、第1の
絶縁膜2の緻密化や膜質を向上させるために、熱処理等
を施し、その後非晶質半導体薄膜3を形成してもよい。
【0031】本発明においては、少なくとも非晶質半導
体薄膜3を形成する工程と第2の絶縁膜4を形成する工
程とを大気中に晒すことなく行うものであり、絶縁性基
板1を成膜装置から取り出し、大気中に晒さないのであ
れば、成膜工程間に他の工程を追加しても本発明の効果
を損なうことはない。
【0032】次に、スパッタ法等により、第2の絶縁膜
4上に非晶質半導体薄膜3より比熱容量の小さい材料、
例えば金属膜5を形成する。金属膜5は非晶質半導体薄
膜3から熱を吸収する役割を持つため、膜厚が極端に薄
いと効果が少ない。そのため、膜厚は100〜500n
m程度は必要であり、例えば、本発明の実施の形態で
は、約300nm堆積させ、パターニングする。
【0033】また、金属膜5のパターンの面積が極端に
小さい場合は膜厚が極端に薄い場合と同様に効果が少な
い。そのため、金属膜5のパターン幅及び間隔は数μm
から数十μm程度とした。また、金属膜5のパターンは
ストライブ状とするのが、レーザー光照射後の高温領域
と低温領域とを交互に均一に生じさせ易いため、好適は
あるが、島状であってもよい。更に、金属膜5として
は、耐熱性のあるCr、Ta、Ti、Ni、Mo、W等
または、これらの合金若しくはシリサイドを用いること
が好適である。
【0034】次に、絶縁性基板1の裏面側からレーザー
光を照射して、非晶質半導体薄膜3を結晶化する(図1
(b))。使用するレーザー光としては、XeClエキ
シマレーザー(波長308nm)、KrFエキシマレー
ザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波
長193nm)、XeFエキシマレーザー(波長353
nm)等を用いることができる。絶縁性基板1が石英基
板であれば、絶縁性基板1によるレーザー光の吸収は僅
かであるが、低融点ガラス基板を用いる場合には、波長
300nm以下において、レーザー光の吸収が顕著にな
るため、比較的吸収の少ないXeClエキシマレーザ
ー、XeFエキシマレーザー等を用いることが望まし
い。
【0035】また、レーザー光の照射条件はレーザー光
を照射される膜の膜質、膜厚等により異なる。本実施の
形態では、絶縁性基板1や下地膜によるレーザー光の吸
収による損失を考慮して、レーザー光のエネルギー密度
は200〜400mJ/cm2、例えば、300mJ/
cm2程度とした。レーザー光照射時には、絶縁性基板
1を200〜400℃に加熱する。レーザー光の形状
は、レンズ等の光学系により数mm角〜数cm角程度の
スポット状から長辺が数cm〜数十cm、或はそれ以
上、短辺が数mm程度の長尺状に加工することができ、
いずれのレーザー光も本実施の形態で用いることができ
る。本実施の形態のように、絶縁性基板1の裏面側から
レーザー光を照射すると、非晶質半導体薄膜3の表面が
粗面化したり、凹凸が発生したりする等の悪影響を回避
することができる。
【0036】尚、第1の絶縁膜2を介してレーザー光を
照射すると、第1の絶縁膜2の反射により、レーザー光
が十分に非晶質半導体薄膜3に到達せず、結晶化が十分
に行えない場合がある。そこで、第1の絶縁膜2をレー
ザー光の照射時における反射防止膜となるように、厚さ
を設定することにより、レーザー光が効率良く非晶質半
導体膜3に到達し、良好な結晶化が行える。
【0037】上述したように、第2の絶縁膜4の上方か
らレーザー光を照射することは好ましくなく、また、非
晶質半導体薄膜3上に形成された第2の絶縁膜4はその
後TFTのゲート絶縁膜に用いられるため、ゲート絶縁
膜に要求される絶縁耐圧等の特性を満足させるためには
その膜厚はある程度限定される。仮に、第2の絶縁膜4
の上方からレーザー光を照射するとしても、第2の絶縁
膜4の膜厚を反射防止膜となるように、任意に設定する
ことは困難であり、第2の絶縁膜4の反射によるレーザ
ー光の損失が発生する。
【0038】一方、第1の絶縁膜2はその後ベースコー
ト膜に用いられるためにその膜厚を増減しても、ゲート
絶縁膜に比べ、TFTの特性に与える影響は少なく、ベ
ースコート膜として機能する膜厚の範囲内で、第1の絶
縁膜2の反射を最小限に抑える膜厚となるように比較的
自由に設定することが可能である。
【0039】本実施の形態では、以下のように、第1の
絶縁膜2と非晶質半導体薄膜3との界面の反射率が零に
なるように、第1の絶縁膜2の膜厚を設定するが、第1
の絶縁膜2と非晶質半導体薄膜3との界面の反射率が極
小になるように設定すれば本発明の効果を奏する。
【0040】尚、レーザー光に波長λ=308nmのX
eClエキシマレーザーを用いる場合について説明す
る。
【0041】まず、絶縁性基板1となるガラス基板の屈
折率をn0(=1.526)、反射防止膜となる第1の
絶縁膜(二酸化ケイ素膜)2の屈折率をn1(=1.4
5)、膜厚をdonm、多結晶化する非晶質半導体薄膜
3の屈折率をn2(=3.8)とする。また、ガラス基
板と二酸化ケイ素膜との反射率をRとすると、
【0042】
【数1】
【0043】となる。ここで、二酸化ケイ素膜が反射防
止膜として働くためにはR=0となればよいので、
【0044】
【数2】
【0045】として定めることができる。
【0046】上記の式に値を代入して膜厚を求めると、
o=219nmと求まるので、必要に応じてこの膜厚
の整数倍になるように第1の絶縁膜の膜厚を設定すれば
よい。
【0047】本実施の形態において、反射率Rは零とな
るのが理想的であるが、これは設計上の値であり、実際
には成膜装置の性能や成膜条件等により膜厚が絶縁性基
板内或は絶縁性基板1間で数%から十数%程度ばらつく
場合が十分に考えられ、反射率Rを完全に0にすること
は極めて困難である。しかし、上記式に値を代入して求
めた膜厚を目標値として、第1の絶縁膜の膜厚を設定す
れば、仮にある程度の膜厚分布(数%〜数十%程度)が
生じたとしても、形成された第1の絶縁膜は反射防止膜
として十分に機能するため、本発明の効果を損なうこと
はない。
【0048】次に、従来技術を用いて金属膜5を除去
し、新たに金属膜を堆積し、パターニングして、ゲート
電極6を形成する。ゲート電極6には、Al等の金属を
用いることができる。更に、ゲート絶縁膜となる第2の
絶縁膜4及びレーザー光の照射により結晶化された多結
晶半導体薄膜のソース/ドレイン領域7となる領域に、
イオン注入法、レーザードーピング法或はプラズマドー
ピング法等を用いてNチャネルトランジスタを作成する
場合はP+(リンイオン)、Pチャネルトランジスタを
作成する場合はB+(ボロンイオン)をドーピングする
(図1(c))。
【0049】次に、レーザーアニール等の方法を用い
て、ドーピングした不純物を活性化し、その後層間絶縁
膜9を積層する。層間絶縁膜9には段差被覆性のよい有
機シランを材料としたプラズマCVD法等による二酸化
ケイ素膜を数百nm〜数μm積層するのが一般的であ
る。また、他には窒化シリコン膜を用いることもでき
る。次に、層間絶縁膜9及びゲート絶縁膜となる第2の
絶縁膜4にコンタクトホール10を開口し、ソース/ド
レイン電極11を形成する。このソース/ドレイン電極
11はAl等の金属材料で形成する(図1(d))。
【0050】以上、本実施の形態では、絶縁性基板1に
石英基板或はガラス基板のような非晶質基板を例に取っ
て説明したが、絶縁性基板1はサファイア、CaF2
の結晶性基板でもよい。また、上記製造方法において、
レーザー光照射後のTFTの製造方法はその一例を示し
たものであり、TFTの製造方法はこれに限定されるも
のではない。
【0051】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明を
用いることにより、非晶質半導体薄膜上に絶縁膜を形成
し、その上に非晶質半導体薄膜より比熱容量の小さい材
料を形成して、絶縁性基板側からレーザー光を照射して
非晶質半導体薄膜を結晶化するようにしたため、均一で
且つ大粒径の結晶を得ることができ、且つ、半導体薄膜
の表面の凹凸が低減され、半導体薄膜とゲート絶縁膜と
の界面準位密度を小さくすることができる。
【0052】また、絶縁性基板上に第1の絶縁膜と非晶
質半導体薄膜と第2の絶縁膜との全てか、或は非晶質半
導体薄膜と第2の絶縁膜とを大気中に晒すことなく連続
して形成しているため、半導体薄膜とゲート絶縁膜との
界面が清浄に保たれる。更に、絶縁性基板の裏面側から
レーザー光を照射して、非晶質半導体薄膜の結晶化を行
う際に、ベースコート膜となる第1の絶縁膜を反射防止
膜として用いるため、効果的に非晶質半導体薄膜の結晶
化が行える。
【0053】更に、本発明の製造方法によると、第1の
絶縁膜/非晶質半導体薄膜/第2の絶縁膜を成膜装置内
から取り出さずに連続して形成しているため、効率良く
半導体装置を製造することができる。
【0054】以上のように結晶性に優れた高い電界効果
移動度を持つ高性能のTFTを実現し、且つ、効率良く
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の製造工程図である。
【図2】(a)は図1(b)の斜視図であり、(b)は
TFT上の温度分布を示す図である。
【図3】レーザー光を照射した際の時間と温度との関係
を示す図である。
【図4】(a)は従来の非晶質半導体薄膜のレーザー光
による多結晶化工程の斜視図であり、(b)はビームス
ポットからの距離とレーザー光強度との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 第1の絶縁膜 3 非晶質半導体薄膜 4 第2の絶縁膜 5 金属膜 6 ゲート電極 7 ソース/ドレイン領域 8 チャネル領域 9 層間絶縁膜 10 コンタクトホール 11 ソース/ドレイン電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/78 627B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に第1の絶縁膜、非晶質半
    導体薄膜及び第2の絶縁膜を順次、少なくとも上記非晶
    質半導体薄膜の形成と上記第2の絶縁膜の形成とを大気
    中に晒すことなく連続して成膜する工程と、 上記第2の絶縁膜上に、所定の形状を有する、非晶質半
    導体薄膜よりも比熱容量の小さい材料からなる膜を選択
    的に形成する工程と、 上記絶縁性基板の上記第1の絶縁膜形成面と反対の面側
    からレーザー光を照射し、上記非晶質半導体薄膜を結晶
    化する工程とを有することを特徴とする、半導体装置の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 上記非晶質半導体薄膜よりも比熱容量の
    小さい材料からなる膜を上記第2の絶縁膜上に所定の間
    隔でストライプ状に配置することを特徴とする、請求項
    1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第1の絶縁膜の膜厚を、上記絶縁性
    基板と第1の絶縁膜との界面の反射率が極小になるよう
    に設定することを特徴とする、請求項1又は請求項2記
    載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記絶縁性基板の屈折率をno、上記第
    1の絶縁膜の屈折率をn1、該第1の絶縁膜の膜厚を
    0、上記非晶質半導体薄膜の屈折率をn2、レーザー光
    の波長をλとしたときに、上記第1の絶縁膜の膜厚が A={n1λ/(2π)}・tan-1│(n0−n2)/
    (n0−n1)│ で表される値Aの略整数倍となるように、上記第1の絶
    縁膜の膜厚を設定することを特徴とする、請求項1又は
    請求項2記載の半導体装置の製造方法。
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