JPH0917729A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH0917729A
JPH0917729A JP16372695A JP16372695A JPH0917729A JP H0917729 A JPH0917729 A JP H0917729A JP 16372695 A JP16372695 A JP 16372695A JP 16372695 A JP16372695 A JP 16372695A JP H0917729 A JPH0917729 A JP H0917729A
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film
insulating film
thin film
semiconductor thin
insulating
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JP16372695A
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Kimihide Wataya
公秀 綿谷
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半導体薄膜と第2の絶縁膜との界面準位密度
を小さくすることができると共に、高電界効果移動度を
有するTFT等の半導体装置の製造方法を提供する。 【構成】 絶縁性基板1の一方の主面1aに、第1の絶
縁膜2、非晶質半導体薄膜3a及び第2の絶縁膜4を順
次成膜する半導体装置の製造方法において、全ての膜を
成膜する工程若しくは非晶質半導体薄膜3a及び第2の
絶縁膜4を成膜する工程を大気中に晒すことなく連続し
て行い、その後、レーザ光を絶縁性基板1の他方の主面
1b側から照射して非晶質半導体薄膜3aを結晶化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性半導体薄膜を用
いた半導体装置の製造方法に関し、特にアクティブマト
リクス型液晶表示装置等に使用される薄膜トランジスタ
(以下、TFTと言う)の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型で軽量、かつ低消費電力であ
る利点を持つディスプレイとして液晶表示装置が注目を
集めている。その中でも大面積化、高解像度及び低コス
ト化等の要求から、安価な低融点ガラスの一方の主面に
多結晶シリコンを用いたTFTを形成する技術に大きな
期待が寄せられている。
【0003】上記TFTの活性領域となる半導体薄膜と
して多結晶シリコン薄膜を600℃程度の低温で作製す
る技術としては、上記ガラスの一方の主面に非晶質シリ
コン薄膜を成膜した後、該非晶質シリコン薄膜を固相成
長法やアニール処理によるレーザ結晶化法等を用いて多
結晶化させる方法がある。その後、多結晶シリコン薄膜
を所定形状にパターニングして表面処理を施し、ゲート
絶縁膜を成膜する。低温でゲート絶縁膜を成膜する方法
としては、プラズマ化学気相成長法(PCVD法)、減
圧化学気相成長法(LPCVD法)、光化学気相成長
法、低温で熱酸化膜を成膜する方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】低温でTFTを作製す
る場合に問題となるのは、半導体薄膜とゲート絶縁膜と
の間の界面の特性と半導体薄膜の電気特性の関係であ
る。この問題を解決する作製方法としては、上記半導体
薄膜とゲート絶縁膜との間の界面準位密度を小さくして
ゲート絶縁膜を成膜する方法がある。このような方法
は、例えば、上記のように低温で熱酸化膜を成膜する方
法があるが、この成膜方法では、成膜速度が遅く、ゲー
ト絶縁膜として十分な膜厚を得ることができない。
【0005】そこで、特開平3−108319公報に開
示された半導体装置の製造方法は、少なくとも半導体薄
膜及びゲート絶縁膜を同一チャンバ内で成膜する方法で
ある。この場合、半導体薄膜の多結晶化は固相成長法に
よるものである。しかしながら、低温で固相成長させた
多結晶シリコン薄膜は、電界効果移動度が小さいという
課題を有している。また、高電界効果移動度の半導体装
置を得る方法としては、レーザアニールによるレーザ結
晶化法がある。このレーザ結晶化法は、レーザ光を絶縁
性基板の一方の主面側から照射して半導体薄膜の結晶化
が行われるため、レーザの光源に近い側の半導体薄膜の
表面にエネルギが集中し、半導体薄膜とゲート絶縁膜と
の界面温度が一番高くなり、レーザ結晶化法を停止した
ときには半導体薄膜の裏面側から固化される。そのた
め、絶縁膜の成分が半導体薄膜の表面側部分に偏析しや
すくなる。また、レーザアニールによる局所的加熱のた
め、水素の爆発的な気化等により半導体薄膜の表面に凹
凸が生じ、これがゲート絶縁膜との界面準位密度やTF
T特性に大きく影響を及ぼすという問題点があった。
【0006】本発明の半導体装置の製造方法は上記のよ
うな問題点を解決したもので、半導体薄膜と第2の絶縁
膜との界面準位密度を小さくすることができると共に、
高電界効果移動度を有するTFT等の半導体装置の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1記載の発明は、絶縁性基板の一方の主面に、
第1の絶縁膜、非晶質半導体薄膜及び第2の絶縁膜を順
次成膜する半導体装置の製造方法において、上記全ての
膜を成膜する工程若しくは上記非晶質半導体薄膜及び上
記第2の絶縁膜を成膜する工程を大気中に晒すことなく
連続して行い、レーザ光を上記絶縁性基板の他方の主面
側から照射して上記非晶質半導体薄膜を結晶化させる製
造方法である。
【0008】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、上記レーザ光を上記絶縁性基板の他方
の主面側から照射して上記非晶質半導体薄膜を結晶化さ
せる工程は大気中に晒すことなく行う製造方法である。
【0009】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の発明において、上記第1の絶縁膜は上記レーザ
光を透過する膜である。
【0010】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の発明において、上記第1の絶縁膜の膜厚を、上記絶縁
性基板と第1の絶縁膜との界面の反射率を極小になるよ
うに設定する。
【0011】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の発明において、上記絶縁性基板の屈折率をn0、上記
第1の絶縁膜の屈折率をn1、上記非晶質半導体薄膜の
屈折率をn2、レーザ光の波長λとしたときに、上記第
1の絶縁膜の膜厚d0が{n1λ/(2π)}・tan-1
|(n0−n2)/(n0−n1)|で表される値の略整数
倍で形成される。
【0012】
【作用】以上のように、請求項1記載の発明は、絶縁性
基板の一方の主面に、第1の絶縁膜、非晶質半導体薄
膜、第2の絶縁膜の全て若しくは非晶質半導体薄膜、第
2の絶縁膜を大気中に晒すことなく連続して成膜するこ
とにより、大気中に含有する不純物にて少なくとも半導
体薄膜と第2の絶縁膜との界面が汚染されることがな
い。
【0013】また、レーザ光を絶縁性基板の他方の主面
側から照射して非晶質半導体薄膜を結晶化させることに
より、レーザ光に近い側の半導体薄膜の裏面にエネルギ
が集中してその界面温度が一番高く、第1の絶縁膜の成
分が半導体薄膜の裏面側部分には偏析しやすくなるが、
レーザ照射を停止したときには半導体薄膜の表面側から
固化されるので、第2の絶縁膜の成分が半導体薄膜の表
面側部分に偏析することや水素の爆発的な気化等による
半導体薄膜の表面に生じる凹凸を低減させる。
【0014】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、絶縁性基板の一方の主面に、第1の絶
縁膜、非晶質半導体薄膜、第2の絶縁膜の全て若しくは
非晶質半導体薄膜、第2の絶縁膜を大気中に晒すことな
く成膜し、引き続き大気中に晒すことなく上記レーザ光
を絶縁性基板の他方の主面側から照射して非晶質半導体
薄膜を結晶化させることにより、第1の絶縁膜、非晶質
半導体薄膜、第2の絶縁膜を成膜した絶縁性基板を成膜
装置のチャンバから取り出す等の作業が省略できる。
【0015】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の発明において、上記第1の絶縁膜は上記レーザ
光を透過する膜であるので、絶縁性基板の他方の主面側
から照射したレーザ光は第1の絶縁膜を透過して非晶質
半導体薄膜に照射される。
【0016】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の発明において、上記第1の絶縁膜と絶縁性基板との界
面の反射率を極小にすることにより、略すべてのレーザ
光が第1の絶縁基板を透過して非晶質半導体薄膜に照射
される。
【0017】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の発明において、第1の絶縁膜の膜厚d0が{n1λ/
(2π)}・tan-1|(n0−n2)/(n0−n1)|
で表される値の略整数倍で形成されることにより、略す
べてのレーザ光が第1の絶縁膜を透過して非晶質半導体
薄膜に照射される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の半導体装置の製造方法の実施
例を図1と共に詳細に説明する。本実施例では非晶質半
導体膜の例として非晶質シリコン(a−Si)薄膜を用
い、絶縁膜の例として二酸化ケイ素(SiO2)膜を用
いて説明する。プロセス温度は石英基板であれば120
0℃の高温プロセスにも耐えられるが、ガラス基板を用
いた場合には歪点が低いため約600℃程度の低温に制
限される。
【0019】図1(a)〜(d)は本発明の第1の実施
例を示す半導体装置の製造工程図であり、図1(a)に
おいて、石英あるいはガラス等の絶縁性基板1の一方の
主面1aに減圧CVD法又はプラズマCVD法等により
SiO2膜の第1の絶縁膜2を成膜する。該第1の絶縁
膜2上に減圧CVD法又はプラズマCVD法等によりノ
ンドープa−Si薄膜の非晶質半導体薄膜3aを例えば
膜厚約100nm成膜する。該非晶質半導体薄膜3a上
に減圧CVD法又はプラズマCVD法等によりSiO2
膜の第2の絶縁膜4を成膜する。
【0020】以上の工程を大気中に晒すことなく連続し
て行い、第1の絶縁膜2/非晶質半導体薄膜3a/第2
の絶縁膜4の3層積層構造を形成する。この工程におい
て、予め別の成膜装置で絶縁性基板1の一方の主面1a
に第1の絶縁膜2を成膜した後、非晶質半導体薄膜3a
と第2の絶縁膜4を大気中に晒されることなく連続して
成膜する方法を用いても差し支えない。
【0021】また、第1の絶縁膜2/非晶質半導体薄膜
3a/第2の絶縁膜4の3層積層構造を成膜する各工程
間、即ち第1の絶縁膜2を成膜する工程、非晶質半導体
薄膜3aを成膜する工程、第2の絶縁膜4を成膜する工
程の間に熱処理等の工程が追加されても全く問題はな
い。例えば絶縁性基板1の一方の主面1aに第1の絶縁
膜2を成膜した後、該第1の絶縁膜2の膜質を向上させ
るために熱処理等を施し、その後、非晶質半導体薄膜3
aを成膜しても良い。本実施例においては、少なくとも
非晶質半導体薄膜3aと第2の絶縁膜4を成膜する工程
を大気中に晒すことなく行うものであり、第1の絶縁膜
2、非晶質半導体薄膜3a、第2の絶縁膜4を成膜した
絶縁性基板1を成膜装置から取り出して大気中に晒さな
いのであれば、成膜工程間に他の工程を追加しても大気
中に含有する不純物にて少なくとも半導体薄膜と第2の
絶縁膜との界面が汚染されることがない。
【0022】その後、第1の絶縁膜2、非晶質半導体膜
3a、第2の絶縁膜4を成膜した絶縁性基板1をチャン
バより取り出し、図1(b)に示すように、レーザ光を
絶縁性基板1の他方の主面1b側から矢印方向に照射し
て非晶質半導体薄膜3aを結晶化させる。該レーザとし
ては、XeClエキシマレーザ(波長308nm)、K
rFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシ
マレーザ(波長193nm)、XeF(波長353n
m)等を用いることができる。レーザ光のエネルギ密度
は200〜400mJ/cm2、本実施例では例えば2
20〜250mJ/cm2とした。レーザ光照射時には
第1の絶縁膜2、非晶質半導体薄膜3a、第2の絶縁膜
4を成膜した絶縁性基板1を200〜300℃或いは4
00℃、本実施例では例えば400℃に加熱した。
【0023】レーザ光を絶縁性基板1の一方の主面1a
側から照射すると、レーザの光源に近い側の非晶質半導
体薄膜3aの表面にエネルギが集中し、該非晶質半導体
薄膜3aと第2の絶縁膜4との界面温度が一番高くな
り、レーザ結晶化法を停止すると、半導体薄膜の裏面側
部分から固化される。そのため、第2の絶縁膜4の成分
が半導体薄膜の表面部分に偏析しやすくなり、水素の爆
発的な気化等により半導体薄膜の表面に凹凸が発生する
等、レーザ光の影響を受けやすく、特にトップゲート型
TFTは、半導体薄膜の表面側に電流が流れるため、オ
ン・オフ電流等に大きく影響を及ぼし、TFT特性が悪
くなる。そのため本実施例では、レーザ光を絶縁性基板
1の他方の主面1b側から照射している。レーザ光は非
晶質半導体薄膜3aの裏面で吸収され、熱伝導により非
晶質半導体薄膜3aの内部に伝わり、その薄膜の内部を
熔融して再結晶化させる。その結果、第2の絶縁膜4と
の界面付近の非晶質半導体薄膜3aは良好な表面状態で
結晶化されることになる。
【0024】上記レーザ光を照射する工程は、絶縁性基
板1の一方の主面1aに、第1の絶縁膜2、非晶質半導
体薄膜3a、第2の絶縁膜4を連続成膜した後、大気中
に晒すことなく引き続きチャンバ内で行うようにしても
良い。この場合、第1の絶縁膜2、非晶質半導体薄膜3
a、第2の絶縁膜4を成膜した絶縁性基板1を成膜装置
のチャンバから取り出す等の作業が省略できるため、半
導体装置の製造工程を短縮することができ、スループッ
トが向上する。
【0025】次に図1(c)に示すように、ゲート絶縁
膜となる第2の絶縁膜4及びレーザ光の照射により結晶
化された多結晶半導体(p−Si)薄膜3を島状にパタ
ーニングし、第1の絶縁膜2と第2の絶縁膜4との露出
全面にアルミニウム(以下、Alと言う)等の金属膜を
成膜し、図1(c)に示すように、該金属膜を上記島状
構造にパターニングした第2の絶縁膜4及び多結晶半導
体薄膜3上の略中央に残るようにパターニングしてゲー
ト電極5を形成する。その後、図1(c)に示すよう
に、イオン注入法、レーザードーピング法或いはプラズ
マドーピング法等を用いてNチャネルトランジスタを作
製するときにはリン(P+)、Pチャネルトランジスタ
を作製するときにはボロン(B+)を矢印方向から島状
構造に形成した多結晶半導体薄膜3のソース・ドレイン
領域6、7にドーピングする。
【0026】その後、レーザーアニール法等により上記
ソース・ドレイン領域6、7の不純物の活性化を行い、
第1の絶縁膜2、島状構造に形成した多結晶半導体薄膜
3、島状構造に形成した第2の絶縁膜4、ゲート電極5
の露出全面に層間絶縁膜8を成膜する。該層間絶縁膜8
には段差被覆性の良い有機シランを材料としたプラズマ
CVD法等によるSiO2膜を膜厚数百nm〜数μm成
膜するのが一般的である。またこの他にも窒化シリコン
(SiNX)膜を用いることも可能である。
【0027】最後に図1(d)に示すように、上記ソー
ス・ドレイン領域6、7上の層間絶縁膜8及びゲート絶
縁膜4にコンタクトホールを開口し、該コンタクトホー
ルにAl等の金属材料で形成したソース・ドレイン電極
9、10を形成する。
【0028】尚、本実施例では、石英基板あるいはガラ
ス基板のような非晶質基板を例に取って説明したが、基
板はサファイア、CaF2等の結晶性基板でも良い。ま
た、第2の絶縁膜4を形成した後のTFTの製造方法は
その一例を示したものであり、TFTの製造方法はこれ
に限定されるものではない。
【0029】次に本発明の半導体装置の製造方法の第2
の実施例を図面と共に詳細に説明するが、図面は上記第
1の実施例で用いた図1(a)〜(d)の製造工程図と
同じものであるので省略し、図1を用いて第2の実施例
を説明する。尚、第2の実施例において、上記第1の実
施例と同一部分は同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0030】上記第1の実施例においては、レーザ光を
絶縁性基板1の他方の主面1b側から照射して非晶質半
導体薄膜3aの結晶化を行う際、レーザ光は第1の絶縁
膜2を介して非晶質半導体薄膜3aに照射する。そのた
め、第1の絶縁膜2がレーザ光を透過しにくい膜であれ
ば、レーザ光が非晶質半導体薄膜3aに十分に到達せず
に、非晶質半導体薄膜3aの結晶化が十分に行うことが
できない。第2の実施例では、レーザ光を透過する材料
で形成した第1の絶縁膜2を用い、かつその膜厚をレー
ザ光が透過する際の妨げとならないように設定すること
により、レーザ光が効率良く非晶質半導体薄膜3aに到
達するため、良好な非晶質半導体薄膜3aの結晶化が行
われる。
【0031】上記第1の実施例と同様に、レーザの光源
に近い側の非晶質半導体薄膜3aの表面には凹凸が発生
しやすく、特にトップゲート型TFTは、これが第2の
絶縁膜と界面準位密度やTFT特性に大きく影響を及ぼ
す。そのため、レーザ光を絶縁性基板1の一方の主面1
a側から照射することは好ましくない。また、非晶質半
導体薄膜3a上に形成された第2の絶縁膜4は、TFT
のゲート絶縁膜に用いられるため、ゲート絶縁膜に要求
される絶縁耐圧等の特性を満足させるためにはその膜厚
はある程度限定される。仮にレーザ光を絶縁性基板1の
一方の主面1a側から照射するとしても、第2の絶縁膜
4の膜厚を透過膜になるように任意に設定することは困
難である。
【0032】一方、第1の絶縁膜2はベースコート膜に
用いられるため、その膜厚を増減しても第2の絶縁膜に
比べてTFT特性に与える影響は少なく、ベースコート
膜として機能する膜厚の範囲内で比較的任意に設定する
ことが可能である。本実施例では第1の絶縁膜2と非晶
質半導体薄膜3aとの界面でのレーザ光の反射率が極小
となるように第1の絶縁膜2の膜厚を設定する。
【0033】次に本発明の半導体装置の製造方法の第3
の実施例を図面と共に詳細に説明するが、図面は上記第
1の実施例で用いた図1(a)〜(d)の製造工程図と
同じものであるので省略し、図1を用いて第3の実施例
を説明する。尚、第3の実施例において、上記第2の実
施例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0034】上記第2の実施例のように、第1の絶縁膜
2を透明膜として用いる場合の膜厚を次のように決定す
る。レーザ光に波長λ=308nmのXeClエキシマ
レーザを用いる場合を例に取って説明する。絶縁性基板
1となるガラス基板の屈折率をn0(=1.526)、
透過膜となるSiO2膜の第1の絶縁膜2の屈折率をn1
(=1.45)、第1の絶縁膜2の膜厚をd0nm、多
結晶化する非晶質半導体薄膜3aの屈折率をn2(=
3.8)とする。そして、上記絶縁性基板1のガラス基
板と第1の絶縁膜2のSiO2膜との界面での反射率を
Rとすると、
【0035】
【数1】
【0036】となる。ここで、SiO2膜の第1の絶縁
膜2が透過膜として働くためにはR=0となれば良いの
で、
【0037】
【数2】
【0038】として定めることができる。上記の式に値
を代入して第1の絶縁膜2の膜厚を求めると、d0=2
19nmとなる。また、必要に応じて第1の絶縁膜2の
膜厚が整数倍となるように設定することができる。第2
の実施例において、反射率Rは0となるのが理想である
が、これは計算上の値であり、実際には成膜装置の性能
や成膜条件等により第1の絶縁膜2の膜厚が数%から十
数%程度ばらつき場合が十分に考えられ、反射率Rを完
全に0にすることは極めて困難である。しかし、上記の
始期の値を代入して求めた膜厚を目標値として第1の絶
縁膜2を成膜すれば、仮にある程度の膜厚分布が生じた
としても成膜された第1の絶縁膜2は透過膜として十分
に働くため、図1に示すように、レーザ光を矢印方向か
ら非晶質半導体薄膜3aに照射した際、第1の絶縁膜2
がレーザ光を反射することを極限に抑えているので、効
率良く非晶質半導体膜3aを多結晶化することができ
る。
【0039】
【発明の効果】本発明の半導体装置は上記のような製造
方法であるから、請求項1記載の発明は、絶縁性基板の
一方の主面に、第1の絶縁膜、非晶質半導体薄膜、第2
の絶縁膜の全て若しくは非晶質半導体薄膜、第2の絶縁
膜を大気中に晒すことなく連続して成膜することによ
り、大気中に含有する不純物にて少なくとも半導体薄膜
と第2の絶縁膜との界面が汚染されることがない。
【0040】また、レーザ光を絶縁性基板の他方の主面
側から照射して非晶質半導体薄膜を結晶化させることに
より、レーザ光に近い側の半導体薄膜の裏面にエネルギ
が集中してその界面温度が一番高く、第1の絶縁膜の成
分が半導体薄膜の裏面側部分には偏析しやすくなるが、
レーザ照射を停止したときには半導体薄膜の表面側から
固化されるので、第2の絶縁膜の成分が半導体薄膜の表
面側部分に偏析することや水素の爆発的な気化等による
半導体薄膜の表面に生じる凹凸が低減されると共に、半
導体薄膜と第2の絶縁膜との界面準位密度を小さくする
ことができる。
【0041】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の効果に加えて、絶縁性基板の一方の主面に、第1の絶
縁膜、非晶質半導体薄膜、第2の絶縁膜の全て若しくは
非晶質半導体薄膜、第2の絶縁膜を大気中に晒すことな
く成膜し、引き続き大気中に晒すことなく上記レーザ光
を絶縁性基板の他方の主面側から照射して非晶質半導体
薄膜を結晶化させることにより、第1の絶縁膜、非晶質
半導体薄膜、第2の絶縁膜を成膜した絶縁性基板を成膜
装置のチャンバから取り出す等の作業が省略できるた
め、半導体装置の製造工程を短縮することができ、スル
ープットを向上させることができる。
【0042】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の効果に加えて、上記第1の絶縁膜は上記レーザ
光を透過する膜であるので、絶縁性基板の他方の主面側
から照射したレーザ光は第1の絶縁膜を透過して非晶質
半導体薄膜に照射されるため、非晶質半導体薄膜を結晶
化させることができる。
【0043】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の効果に加えて、上記第1の絶縁膜と絶縁性基板との界
面の反射率を極小にすることにより、略すべてのレーザ
光が第1の絶縁基板を透過して非晶質半導体薄膜に照射
されるので、効率良く非晶質半導体薄膜を結晶化させる
ことができる。
【0044】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の効果に加えて、第1の絶縁膜の膜厚d0が{n1λ/
(2π)}・tan-1|(n0−n2)/(n0−n1)|
で表される値の略整数倍で形成されることにより、略す
べてのレーザ光が第1の絶縁膜を透過して非晶質半導体
薄膜に照射されるので、請求項4記載と同様の効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明の半導体装置の製造方
法の実施例を示す製造工程図である。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 1a 絶縁性基板の一方の主面 1b 絶縁性基板の他方の主面 2 第1の絶縁膜 3a 非晶質半導体薄膜 3 多結晶半導体薄膜 4 第2の絶縁膜 5 ゲート電極 6 半導体薄膜のソース領域 7 半導体薄膜のドレイン領域 8 層間絶縁膜 9 ソース電極 10 ドレイン電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の一方の主面に、第1の絶縁
    膜、非晶質半導体薄膜及び第2の絶縁膜を順次成膜する
    半導体装置の製造方法において、 上記全ての膜を成膜する工程若しくは上記非晶質半導体
    薄膜及び上記第2の絶縁膜を成膜する工程を大気中に晒
    すことなく連続して行い、レーザ光を上記絶縁性基板の
    他方の主面側から照射して上記非晶質半導体薄膜を結晶
    化させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記レーザ光を上記絶縁性基板の他方の
    主面側から照射して上記非晶質半導体薄膜を結晶化させ
    る工程は大気中に晒すことなく行うことを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第1の絶縁膜は上記レーザ光を透過
    する膜であることを特徴とする請求項1又は2記載の半
    導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第1の絶縁膜の膜厚を、上記絶縁性
    基板と第1の絶縁膜との界面の反射率を極小になるよう
    に設定することを特徴とする請求項3記載の半導体装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記絶縁性基板の屈折率をn0、上記第
    1の絶縁膜の屈折率をn1、上記非晶質半導体薄膜の屈
    折率をn2、レーザ光の波長λとしたときに、上記第1
    の絶縁膜の膜厚d0が{n1λ/(2π)}・tan-1
    (n0−n2)/(n0−n1)|で表される値の略整数倍
    で形成されることを特徴とする請求項4記載の半導体装
    置の製造方法。
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