JP3598860B2 - 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧制御回路に用いられるリニヤソレノイド弁の制御装置に関し、特に、そのリニヤソレノイド弁の駆動信号の変化に関連してそれから出力される油圧信号が振動することを防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用自動変速機を制御するためなどの油圧制御回路では、電子制御装置からの駆動信号に従って連続的に変化する油圧信号を出力するリニヤソレノイド弁が用いられる。このようなリニヤソレノイド弁は、通常、電気的な駆動信号が供給される電磁ソレノイドと、その電磁ソレノイドが励磁されることにより発生する磁力に基づいてスプリングの付勢力などに抗して駆動される弁子とを備え、その駆動信号に応じて大きさが連続的に変化させられる油圧信号を油圧制御回路へ出力するように構成されている。
【0003】
ところで、上記のようなリニヤソレノイド弁を駆動するための駆動信号が変化させられるに際して、弁子がその移動ストローク端に張りついている状態から変化させられるときと、その移動ストロークの中間から変化させられるときとでは応答性に比較的大きなばらつきが発生するという問題があった。
【0004】
これに対し、リニヤソレノイド弁を駆動するための駆動信号がそれまでの第1の値から第2の値に変化させられるに際して、その第1の値から一定の中間値を経て第2の値へ変化させることが提案されている。これによれば、弁子は上記中間値に対応する移動ストローク中の位置を経てから第2の値に対応する値へ変化させられるので、応答性のばらつきが好適に抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のリニヤソレノイド弁の制御装置によれば、駆動信号が第1の値から第2の値に変化させられる過程で一旦保持される中間値は、第2の値とは関連なく設定されるため、中間値と第2の値との差が大きい場合にはリニヤソレノイド弁から出力される油圧信号に振動(脈動)が発生する場合があるという不都合があった。特に、上記リニヤソレノイド弁の弁子が、それから出力される油圧信号から導かれるフィードバック圧に基づいてその油圧信号を安定させる方向の推力を受けるように構成された場合に、上記の不都合が顕著である。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、リニヤソレノイド弁をそれから出力される油圧信号が振動しないように駆動する油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、連続的に変化させられる電気的な駆動信号に応じた連続的に変化する推力を出力する電磁ソレノイドと、その電磁ソレノイドからの連続的に変化する推力を受けて該駆動信号に応じた大きさの油圧信号が出力されるように調圧作動させられるスプール弁子とを備え、その駆動信号に応じて大きさが連続的に変化させられる油圧信号を油圧制御回路へ出力する油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置であって、(a) 前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させられることを判定する駆動信号変化判定手段と、(b) その駆動信号変化判定手段により前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させることが判定された場合には、第1の値から第2の値へ到達する間において、その第2の値に対する差が一定値となるように予め定められた過渡値を経てからその第2の値へ向かうように前記駆動信号を変化させる駆動信号過渡制御手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、駆動信号変化判定手段により前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させることが判定された場合には、駆動信号過渡制御手段により、第1の値から第2の値へ到達する間において、その第2の値に対する差が一定値となるように予め定められた過渡値を経てからその第2の値へ向かうように前記駆動信号が変化させられることから、過渡値と第2の値との差が一定となるので、過渡値と第2の値との差が大きいことに起因する油圧信号の振動(脈動)が好適に防止される。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記駆動信号過渡制御手段は、前記過渡値から前記第2の値への変化方向が予め設定された一定の方向となるように前記駆動信号を変化させるものである。たとえば、前記駆動信号過渡制御手段は、前記第2の値よりも大きい側或いは低い側においてその第2の値に対して一定の差を有する過渡値を決定する過渡値決定手段と、駆動信号をその過渡値に保持するための過渡値保持時間を決定する過渡値保持時間決定手段とを含み、前記駆動信号を、その過渡値決定手段により決定された過渡値においてその過渡値保持時間決定手段により決定された過渡値保持時間だけ保持させた後に前記第2の値へ変化させるものである。このようにすれば、駆動信号は過渡値から第2の値へ向かって一定の方向で変化させられることから、リニヤソレノイド弁の特性のヒステリシスの影響を受けないので、リニヤソレノイド弁からの出力すなわち油圧信号の精度が好適に高められる。
【0010】
また、好適には、前記リニヤソレノイド弁は、それから出力される油圧信号を調圧する調圧作動状態と、その油圧信号が限界値であるために調圧しない非調圧作動状態とを有するものであり、前記駆動信号過渡制御手段は、そのリニヤソレノド弁の調圧作動状態と非調圧作動状態とでは、前記駆動信号を前記過渡値に保持する過渡値保持時間幅を変更するものである。たとえば、リニヤソレノイド弁がその調圧作動状態であるか否かを判定するリニヤソレノイド弁作動状態判定手段が設けられ、上記駆動信号過渡制御手段内の過渡値保持時間決定手段は、そのリニヤソレノイド弁作動状態判定手段による判定結果に基づいて前記駆動信号を過渡値に保持する過渡値保持時間幅を変更するものである。このようにすれば、リニヤソレノイド弁が調圧状態であるか非作動状態であるかに合わせて前記駆動信号が過渡値とされる時間幅が変更されるので、油圧信号が駆動信号の第2の値に対応する値へ向かう過程で過渡値に対応する値へ向かって局所的に回曲させられることが好適に防止される。
【0011】
また、好適には、前記油圧制御回路の作動油の温度を検出する油温センサが設けられ、前記駆動信号過渡制御手段内の過渡値保持時間決定手段は、その油温センサに検出された作動油の温度に基づいて、前記駆動信号が前記過渡値に保持される過渡値保持時間幅又はその過渡値と前記第2の値との差を補正するものである。このようにすれば、油温に起因する作動油の粘度変化に拘らず、油圧信号が滑らかに変化させられる利点がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1には、車両のエンジン10に連結されるトルクコンバータ12、自動変速機14、差動歯車装置16、上記自動変速機14の変速段を制御する油圧制御装置すなわち油圧制御回路18、その油圧制御回路18を制御する変速用電子制御装置20等が示されている。上記エンジン10から出力された動力は、上記トルクコンバータ12、上記自動変速機14、上記差動歯車装置16、左右の車軸22および24等を経て図示しない駆動輪へ伝達される。
【0014】
上記トルクコンバータ12は、上記エンジン10のクランク軸26に連結されたポンプ翼車28と、上記自動変速機14の入力軸30に連結され且つ流体を介してポンプ翼車28から動力が伝達されるタービン翼車32と、一方向クラッチ34を介して位置固定のハウジング36に固定された固定翼車38と、ポンプ翼車28およびタービン翼車32を図示しないダンパを介して直結するロックアップクラッチ40とを備えている。
【0015】
上記自動変速機14は、前進4速、後進1速のギヤ段が達成される多段変速機であり、上記入力軸30と、一組のラビニヨ式遊星歯車装置44と、そのラビニヨ式遊星歯車装置44のリングギヤ46とともに回転するリングギヤ48と、エンジン10からの駆動力を前記差動歯車装置16へ出力し或いはそのリングギヤ48と差動歯車装置16との間で動力を伝達する出力軸として機能するカウンタ軸50とを備えている。
【0016】
上記ラビニヨ式遊星歯車装置44は、1組のシングルピニオン遊星歯車装置52と1組のダブルピニオン遊星歯車装置54とが、キャリヤ56と上記リングギヤ46とを共用して成るものである。上記シングルピニオン遊星歯車装置52は、サンギヤ58と上記キャリヤ56に取り付けられたプラネタリギヤ60と上記リングギヤ46とにより構成されている。また、上記ダブルピニオン遊星歯車54は、サンギヤ62と、相互に一体的に結合され且つ上記キャリヤ56に回転可能な状態で取り付けられた第1ピニオンギヤ64および第2ピニオンギヤ66とにより構成されている。
【0017】
上記シングルピニオン遊星歯車装置52および上記ダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要素の一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つのクラッチC1,C2,C3によって互いに選択的に連結されるようになっている。また、上記シングルピニオン遊星歯車装置52および上記ダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要素の一部は、3つのブレーキB1,B2,B3によって前記ハウジング36に選択的に連結され、さらに、それらの構成要素の一部は2つの一方向クラッチF1,F2によってその回転方向により上記ハウジング36と係合させられる。なお、前記トルクコンバータ12および前記自動変速機14の上記カウンタ軸50以外の部分は、上記入力軸30等の軸心に対して対称的に構成されているため、図1においてはその軸心の下側を省略して示してある。
【0018】
油圧式摩擦係合装置である上記クラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2,B3は、例えば多板式のクラッチや1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバンドブレーキ等にて構成され、前記変速用電子制御装置20からの指令に従って作動する前記油圧制御回路18によりそれ等の摩擦係合および係合解除がそれぞれ制御されることにより、図2に示すように変速比γ(=入力軸30の回転数/カウンタ軸50の回転数)がそれぞれ異なる前進4段・後進1段の変速段が得られる。図2の「1ST」、「2ND」、「3RD」、「4TH」は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比γは第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくなる。また、図2において、「P」、「R」、「N」、「D」、「2」、「L」は、シフトレバー84の手動操作により択一的に選択されるパーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、セカンド(2)レンジ、ロー(L)レンジをそれぞれ示している。上記PレンジおよびNレンジは車両を走行させないときに選択される非走行レンジであり、Rレンジ、Dレンジ、2レンジ、Lレンジは車両を後進或いは前進走行させるための走行レンジである。また、2レンジ、Lレンジは、車両の駆動力を高めるだけでなくエンジンブレーキを発生させるため、エンジンブレーキレンジでもある。
【0019】
また、図2において、○印は係合或いは作動状態を示し、×印は開放或いは非作動状態を示している。たとえば、Dレンジにおける第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へのアップ変速は、クラッチC1の係合が維持されつつクラッチC2が係合させられることにより実行される。また、第4速ギヤ段と第3速ギヤ段との間の変速は、2つの摩擦係合装置のうちの一方の開放作動と他方の係合作動により実現される所謂クラッチツウクラッチ変速であって、たとえば第4速ギヤ段から第3速ギヤ段への4→3ダウン変速は、クラッチC1の係合作動とブレーキB1の開放作動とがオーバラップ状態またはアンダーラップ状態で実行されることにより行われる。
【0020】
上記油圧制御回路18は、上記自動変速機14のギヤ段の制御等に使用される3つのソレノイド弁SV1乃至SV3、後述のスロットル開度センサ76により検出されたスロットル開度TAすなわちエンジン負荷に対応した大きさの油圧信号である制御油圧PS を発生するリニアソレノイド弁SLT、たとえば前記ロックアップクラッチ40の摩擦係合、その摩擦係合の解除およびそのスリップ量等の制御のための油圧を発生するリニヤソレノイド弁SLU、および油圧制御回路18中の作動油の油温TOIL を検出する作動油温検出装置として機能する油温センサ88等を備えている。
【0021】
前記変速用電子制御装置20は、CPU70、RAM72、ROM74、図示しない入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、それには、前記エンジン10の図示しない吸気配管に設けられたスロットル弁の開度TAを検出するスロットル開度センサ76、上記エンジン10の回転数NE を検出するエンジン回転数センサ78、前記タービン翼車32の回転数NT すなわち入力軸30の回転数NINを検出する入力軸回転数センサ80、前記カウンタ軸50の回転数NC すなわち車速Vを検出するための車速センサ82、シフトレバー84の操作位置すなわちL、S、D、N、R、Pレンジのいずれかを検出する操作位置センサ86、油圧制御回路18内の作動油温度を検出する油温センサ88から、スロットル開度TAを表す信号、エンジン回転数NE (r.p.m.)を表す信号、入力軸回転数NIN(r.p.m.)を表す信号、出力軸回転数NC (r.p.m.)すなわち車速Vを表す信号、シフトレバー84の操作位置PSTを表す信号、油圧制御回路18内の作動油温度TOIL を表す信号がそれぞれ供給される。上記変速用電子制御装置20のCPU70は、予めROM74に記憶されたプログラムに従ってRAM72を用いつつ上記入力信号を処理し、その処理結果に基づいて、たとえば、車両の走行状態の検出、上記電磁開閉弁SV1乃至SV3、リニヤソレノイド弁SLTおよびSLUの制御等を実行する。
【0022】
図3は、上記油圧制御回路18の要部の構成を概略説明する図である。図3において、元圧発生装置すなわちライン圧発生装置90は、エンジン10によって回転駆動される油圧ポンプ92から圧送される作動油の圧力をそのエンジン負荷に応じた値に調圧したライン油圧PL を、各油圧式摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3の元圧としてシフト弁装置94などへ出力する。マニアル弁96は、シフトレバー84に対して機械的に連結されたものであり、そのシフトレバー84の走行レンジ選択操作に応答して上記ライン油圧PL を切り換えることにより、選択された走行レンジに対応した油圧、たとえばRレンジ圧、Dレンジ圧、2レンジ圧、Lレンジ圧をシフト弁装置94へ出力する。また、電磁開閉弁SV1およびSV2は、専らギヤ段を選択するために前記変速用電子制御装置20によって作動させられることにより、信号圧をシフト弁装置94へ出力する。
【0023】
上記シフト弁装置94は、マニアル弁96からの走行レンジに対応した油圧と2つの第1電磁開閉弁SV1および第2電磁開閉弁SV2からの油圧信号とに基づいて変速時に切換作動させられる1−2シフト弁、2−3シフト弁、3−4シフト弁などを備えており、図2に示す作動に従って、各油圧式摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3へ係合油圧を選択的に供給する。それら油圧式摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3のうち、クラッチC1、C2、C3およびブレーキB1、B2には、それらの係合油圧すなわち係合トルクの上昇を緩和するためのC1アキュムレータAC1、C2アキュムレータAC2、C3アキュムレータAC3、B1アキュムレータAB1、B2アキュムレータAB2がそれぞれ接続されている。上記C1アキュムレータAC1およびB1アキュムレータAB1と、上記C2アキュムレータAC2、C3アキュムレータAC3、およびB2アキュムレータAB2とには、変速用電子制御装置20からの指令によって変化され得るライン油圧PL がそのアキュム背圧としてそれぞれ供給されており、変速過渡期間内における各油圧式摩擦係合装置の係合油圧すなわち変速過渡圧を調節する変速過渡制御のために、ライン油圧PL が変化させられて変速フィーリングが改善されるようになっている。
【0024】
なお、上記シフト弁装置94とクラッチC1およびC1アキュムレータAC11の間には、第3電磁開閉弁SV3からの油圧信号およびブレーキB1の係合圧PB1に基づいてそれらの間の流通抵抗を切り換えることにより車両状態に応じてクラッチC1の係合タイミングまたは解放タイミングを調節するための、オリフィスを備えた複数の油路とそれら複数の油路を切り換える油路切換弁とを備えたオリフィス切換弁装置98が、設けられている。
【0025】
図4は、前記油圧制御回路18のうち、前記クラッチC1や前記ブレーキB1等に供給される作動油の元圧であるライン油圧PL を発生させるライン圧発生装置90を詳しく説明する図である。図4において、エンジン10によって回転駆動されることにより油圧ポンプ92は、還流した作動油をストレーナ100を介して吸引することによりライン圧調圧弁102へ圧送する。
【0026】
ライン圧調圧弁102は、プランジャ110と、そのプランジャ110に当接した状態で軸方向の移動可能に設けられて入力ポートbと出力ポートdとの間を開閉するスプール弁子112と、そのスプール弁子112をばね受板114を介して閉弁方向に付勢するスプリング116とを備えており、その入力ポートbに供給される前記油圧ポンプ92からの作動油の油圧を、リニヤソレノイド弁SLTから上記入力ポートaに供給される制御油圧PS に基づいて、エンジン10の負荷すなわち自動変速機14の入力トルクに対応した大きさのライン油圧PL に調圧する。上記ライン圧調圧弁102の入力ポートcには、上記入力ポートbの油圧がフィードバック油圧として供給されている。上記スプリング116の付勢力をWREG 、上記スプール弁子112のランド118の環状の受圧面の面積をAREG1、上記スプール弁子112を出力ポートdの閉弁方向に付勢するプランジャ110の受圧面の面積をAREG2とすれば、上記ライン油圧PL は次式(1)で表される。ここで、(1)式は、上記ライン油圧PL が上記制御油圧PS に比例して発生させられることを示している。制御油圧PS がエンジン負荷、或いは自動変速機14の入力トルクNINの大きさを表す通常の場合には、上記ライン油圧PL は、油圧式摩擦係合装置のすべりが発生しない範囲で必要且つ充分な値となるようなエンジン負荷、或いは自動変速機14の入力トルクNINに対応した大きさとなる通常の調圧値に調圧されている。
【0027】
【数1】
PL =(AREG2/AREG1)・PS +WREG /AREG1 ・・・(1)
【0028】
上記リニアソレノイド弁SLTは、その入力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁子120と、そのスプール弁子120を開弁方向に付勢するスプリング122とを備えている。上記入力ポートaには、一定圧PSOL が供給され、その一定圧PSOL が変速用電子制御装置20から電磁ソレノイドSSLT へ出力される励磁電流に対応して調圧された油圧として制御油圧(油圧信号)PS が出力ポートbにおいて発生させられる。上記電磁ソレノイドSSLT の励磁電流ISLT に対応する駆動信号SDに従って上記スプール弁子120を上記出力ポートbの閉弁方向へ付勢する付勢力をFI 、上記スプリング122の付勢力をWSLT 、スプール弁子120のランド124の環状の受圧面の面積をASLT とすると、上記ランド124とランド126との間のフィードバック油室128と上記出力ポートbとは油路130によって連通させられていて、ランド124の環状の受圧面に作用する油圧は上記制御油圧PS となっているので、上記制御油圧PS の駆動信号SDすなわち励磁電流ISLT に対する変化特性は、式(2)或いは図5で表される。なお、図5に示す特性を厳密に表す図6に示すように、その変化特性にはヒステリシスが形成されている。また、リニアソレノイド弁SLTでは、数式(2)から明らかなように、フィードバック油室128内に作用された制御油圧PS に基づく推力PS ・ASLT および電磁ソレノイドSSLT の推力FI とスプリング122の付勢力WSLT とが釣り合うようにすなわち数式(2)が成立するように調圧作動が行われるので、制御油圧PS が安定させられる反面、駆動信号SDの僅かな変化に対する制御油圧PS の応答性が比較的低いという特徴がある。図5の調圧作動領域では上記数式(2)が成立するように調圧作動が行われ、図5の非調圧作動領域では制御油圧PS がその上限値PSmax或いは下限値0である限界値に張り着いて数式(2)を成立させる調圧作動が行われていない。
【0029】
【数2】
PS =WSLT /ASLT −FI /ASLT ・・・(2)
【0030】
図4において、減圧弁132は、入力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁子136と、そのスプール弁子136を開弁方向に付勢するスプリング138とを備え、その入力ポートaに供給される上記ライン油圧PL を、上記一定圧PSOL に調圧してその出力ポートbに発生させ、上記リニヤソレノイド弁SLT、前記リニヤソレノイド弁SLUなどへ供給する。上記減圧弁132の入力ポートcには、上記出力ポートbの油圧がフィードバック油圧として供給されている。上記一定圧PSOL は、上記スプール弁子136の上記入力ポートcに連通する受圧面積をAMOD 、上記スプリング138の付勢力をWMOD とすれば、式(3)で表される一定圧となる。
【0031】
【数3】
PSOL =WMOD /AMOD ・・・(3)
【0032】
図7は、前記変速用電子制御装置20の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7において、変速制御手段142は、シフトレバー84の走行レンジ選択操作に対応して予め選択された変速線図から、車速センサ82から得られた車速Vとスロットル開度TA、燃料噴射量F、吸入空気量Q、アクセルペダル操作量などのいずれかにより表されるエンジン負荷とに基づいて自動変速機14の変速判断を行うとともに変速指令を出力する変速点制御と、自動変速機14の変速期間内において変速の度合いを上記車速Vに基づいて判定し、その変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合油圧を過渡的に制御して変速フィーリングを改善する変速過渡制御とを実行する。
【0033】
ライン圧制御手段144は、自動変速機14のギヤ段に応じて予め設定された関係から実際の自動変速機14の入力トルクTINすなわちタービントルクTT に基づいて変速期間において係合している油圧式摩擦係合装置にすべりを発生させない範囲で可及的に小さいガード圧PLGRDを決定し、そのガード圧PLGRDと同じ圧またはそれに余裕値αを加えた圧(PLGRD+α)と同じ大きさのライン圧PL をライン圧調圧弁102から出力させるように、前記リニヤソレノイド弁SLTに対して駆動信号SDを供給する。
【0034】
駆動信号変化判定手段146は、上記ライン圧制御手段144から供給された駆動信号SDが変化したか否かを判定する。駆動信号過渡制御手段148は、駆動信号変化判定手段146により駆動信号SDが変化したと判定された場合には、それまでの第1の値SD1 から変化後の目標値である第2の値SD2 への変化期間において、図8に示すように、その第2の値SD2 に対する差(振幅値)ΔSDTRが一定値となるように予め定められた過渡値SDTRの所定の保持時間TTRだけ保持させることを経てからその第2の値SD2 へ向かうように駆動信号SDを変化させる。すなわち、上記駆動信号変化判定手段146は、上記第2の値SD2 よりも大きい側或いは低い側においてその第2の値SD2 に対して一定の差ΔSDTRを有する過渡値SDTRを決定する過渡値決定手段150と、駆動信号SDを一旦その過渡値SDTRに保持するための過渡値保持時間TTRを予め設定された一定値、或いはリニヤソレノイド弁SLTの作動状態に関連した値に決定する過渡値保持時間決定手段152とを含み、駆動信号SDを、それまでの第1の値SD1 から過渡値決定手段150により決定された過渡値SDTRにおいて過渡値保持時間決定手段152により決定された過渡値保持時間TTRだけ保持させた後に、変化後の目標値である第2の値SD2 へ変化させる。
【0035】
ここで、上記第2の値SD2 と過渡値SDTRとの差ΔSDTRが過大であると、図8の1点鎖線に示すように、過渡値保持時間TTR経過後の駆動信号SDが振動し、上記差ΔSDTRが過少であると、図8の1点鎖線に示すように、過渡値保持時間TTR経過後の駆動信号SDが収束するまでの時間が長くなって応答性が低下する。上記第2の値SD2 と過渡値SDTRとの差ΔSDTRは、上記駆動信号SDの振動が発生しない範囲でその応答性が得られるように予め実験的に求められた一定値である。
【0036】
リニヤソレノイド弁作動状態判定手段154は、リニヤソレノイド弁SLTの作動状態がたとえば図5に示す調圧作動領域であるか否かを、そのリニヤソレノイド弁SLTに供給される駆動信号SDの変化前の大きさすなわち第1の値SD1 の大きさ、或いはそのリニヤソレノイド弁SLTから出力される制御油圧PS の大きさに基づいて判断する。前記過渡値保持時間決定手段152は、上記リニヤソレノイド弁作動状態判定手段154によりリニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態であると判定された場合には、調圧作動状態であると判定されない場合に比較して短い過渡値保持時間TTRを決定してそれに変更する。たとえば、リニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態における過渡値保持時間TTRの値がβに決定されるとすると、リニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態における過渡値保持時間TTRの値がα(>β)に決定される。この過渡値保持時間TTRが大きすぎると、図8の破線に示すように、制御圧PS が変化後の第2の値SD2 とは反対側へ一旦変化してから回曲する現象が発生し、小さすぎると、駆動信号SDを一旦過渡値SDTRとする効果が得られ難くなる。上記α或いはβは、それらが両立するように予め実験的に求められたものである。
【0037】
また、上記過渡値保持時間決定手段152は、たとえば図9に示す予め記憶された関係から油温センサ88により検出された実際の作動油の温度TOIL に基づいて油温補正係数KOIL を決定し、その油温補正係数KOIL を上記過渡値保持時間TTRに乗算することにより、油温TOIL が高くなるほど小さくなるように過渡値保持時間TTRを補正する。
【0038】
以下、変速用電子制御装置20の制御作動の要部を図10、図11および図12を用いて説明する。図10は、リニヤソレノイド弁の駆動信号過渡制御ルーチンを示し、図11は過渡値保持時間決定ルーチンを示し、図12は油温補正ルーチンを示している。
【0039】
図10において、前記駆動信号判定手段146に対応するSA1では、リニヤソレノイド弁SLTに対してライン圧調圧主案144から供給される駆動信号SDの変化指令があったか否か判断される。このSA1の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は、前記駆動信号過渡制御手段148に対応するSA2以下が実行される。図8或いは図13のt0 時点はこの状態を示す。
【0040】
次いで、SA2では、それまでの駆動信号SDの大きさである第1の値SD1 が変化後の第2の値SD2 よりも大きいか否かが判断される。このSA2の判断が肯定される場合は、駆動信号の変化指令がたとえば図13の上段に示す状態であり、前記過渡値保持時間決定手段152に対応するSA5において、たとえば図11に示す過渡値保持時間決定ルーチンが実行されることにより過渡値保持時間TTRが決定され、図12に示す油温補正ルーチンが実行されることにより、その過渡値保持時間決定ルーチンにより決定された過渡値保持時間TTRが油温TOIL に基づいて補正される。
【0041】
図11のSB1では、駆動信号SDのそれまでの変化前の値である第1の値SD1 又はリニヤソレノイド弁SLTからの出力である制御圧PS が読み込まれる。続くSB2では、リニヤソレノイド弁SLTが調圧作動状態であるか否かすなわち図5の調圧作動領域内であるか否かが、上記第1の値SD1 又は制御圧PS に基づいて判断される。上記SB2の判断が肯定された場合は、リニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態であるので、SB3において相対的に小さい値βが過渡値保持時間TTRとして採用されるが、上記SB2の判断が否定された場合は、リニヤソレノイド弁SLTの非調圧作動状態であるので、SB4において相対的に小さい値αが過渡値保持時間TTRとして採用される。
【0042】
図12のSC1では、油温センサ88により検出された油圧制御回路18の作動油の温度TOIL が読み込まれ、SC2では、たとえば図9に示す予め記憶された関係から実際の油温TOIL に基づいて油温補正係数KOIL が決定され、SC3では、上記過渡値保持時間決定ルーチンにおいて決定された過渡値保持時間TTRにその油温補正係数KOIL が乗算されることによりその過渡値保持時間TTRが補正される。
【0043】
図10に戻って、SA6では、駆動信号SDの変化指令が出されてから或いは過渡値SDTRが駆動信号SDとして出力されてからの経過時間tが、上記SA5において設定された過渡値保持時間TTRよりも小さいか否かが判断される。当初はSA6の判断が肯定されるので、前記過渡値決定手段150に対応するSA7において、駆動信号SDの内容が変化後の第2の値SD2 から一定の差ΔSDTRを差し引いた値(SD2 −ΔSDTR)すなわち過渡値SDTRとされる。そして、SA9において過渡値SDTRとされた駆動信号SDが出力される。図13のt2 時点がこの状態を示す。
【0044】
以上のステップが繰り返し実行されるうち、経過時間tが過渡値保持時間TTRに到達して上記SA6の判断が否定されると、SA8において、駆動信号SDの内容が変化後の第2の値SD2 とされ、SA9においてそれが出力される。図13のt3 時点がこの状態を示す。これにより、図13の下段に示す制御圧PS が応答性良くしかも振動を発生せず変化させられる。
【0045】
しかし、変化前の駆動信号SDの大きさである第1の値SD1 が変化後の第2の値SD2 よりも大きくない場合はSA2の判断が否定されるので、SA3において、変化前の駆動信号SDの大きさである第1の値SD1 が変化後の第2の値SD2 よりも小さいか否かが判断される。通常、このSA3の判断が肯定されるので、SA4において、第1の値SD1 と第2の値SD2 との差(SD2 −SD1 )が予め設定された差ΔSDTRよりも小さいか否かが判断される。このSA4の判断が肯定される場合は、図8の上段に示す状態である。次いで、前述のように、SA5乃至SA9が実行されることにより駆動信号SDが変化させられ、図8の下段に示すように制御圧PS が応答性良くしかも振動を発生せず変化させられる。
【0046】
上記SA4の判断が否定された場合は、たとえば図14の上段に示す状態であるので、経過時間tが過渡値保持時間TTRに到達した後は、SA8において駆動信号SDの内容が変化後の第2の値SD2 とされ、SA9においてそれが出力されることにより、図14の下段に示す制御圧PS が出力される。
【0047】
上述のように、本実施例によれば、駆動信号変化判定手段146(SA1)により駆動信号SDがそれまでの第1の値SD1 から第2の値SD2 へ変化させることが判定された場合には、駆動信号過渡制御手段148(SA2乃至SA9)により、第1の値SD1 から第2の値SD2 へ到達する間において、その第2の値SD2 に対する差が一定値ΔSDTRとなるように予め定められた過渡値SDTRを経てから第2の値SD2 へ向かうように駆動信号SDが変化させられることから、過渡値SDTRと第2の値SD2 との差が一定となるので、過渡値SDTRと第2の値SD2 との差が大きいことに起因する油圧信号の振動(脈動)が好適に防止される。
【0048】
また、本実施例によれば、駆動信号過渡制御手段148は、過渡値SDTRから第2の値SD2 への変化方向が予め設定された一定の方向となるように駆動信号SDを変化させるものである。すなわち、前記駆動信号過渡制御手段148は、第2の値よりも低い側においてその第2の値SD2 に対して一定の差ΔSDTRを有する過渡値SDTRを決定する過渡値決定手段150(SA7)と、駆動信号SDをその過渡値SDTRに保持するための過渡値保持時間TTRを決定する過渡値保持時間決定手段152(SA5)とを含み、駆動信号SDを、その過渡値決定手段150により決定された過渡値SDTRにおいて過渡値保持時間決定手段152により決定された過渡値保持時間TTRだけ保持させた後に第2の値SD2 へ変化させるものである。このため、駆動信号SDは過渡値SDTRから第2の値SD2 へ向かって一定の方向で変化させられることから、リニヤソレノイド弁SLTの弁特性のヒステリシスの影響を受けないので、リニヤソレノイド弁からの出力すなわち油圧信号PS の精度が好適に高められる。
【0049】
また、本実施例によれば、リニヤソレノイド弁SLTは、それから出力される油圧信号PS を調圧する調圧作動状態と、その油圧信号PS が限界値であるために調圧しない非調圧作動状態とを有するものであり、駆動信号過渡制御手段148は、そのリニヤソレノド弁SLTの調圧作動状態と非調圧作動状態とでは、駆動信号SDを過渡値SDTRに保持する過渡値保持時間幅TTRを変更するものである。すなわち、リニヤソレノイド弁SLTがその調圧作動状態であるか否かを判定するリニヤソレノイド弁作動状態判定手段154が設けられ、上記駆動信号過渡制御手段148内の過渡値保持時間決定手段152は、そのリニヤソレノイド弁作動状態判定手段154による判定結果に基づいて上記過渡値保持時間幅TTRを変更するものであることから、リニヤソレノイド弁SLTが調圧状態であるか非作動状態であるかに合わせて駆動信号SDが過渡値SDTRとされる過渡値保持時間幅TTRが変更されるので、油圧信号PS が駆動信号SDの第2の値SD2 に対応する値へ向かう過程で過渡値SDTRに対応する値へ向かって局所的に回曲させられることが好適に防止される。
【0050】
また、本実施例によれば、油圧制御回路18の作動油の温度を検出する油温センサ88が設けられ、上記過渡値保持時間決定手段152は、その油温センサ88に検出された作動油の温度TOIL に基づいて、駆動信号SDが過渡値SDTRに保持される過渡値保持時間幅TTRを補正するものであるので、温度TOIL に起因する作動油の粘度変化に拘らず、油圧信号PS が滑らかに変化させられる利点がある。
【0051】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用され得るものである。
【0052】
たとえば、前述の実施例の駆動信号過渡制御においては、過渡値SDTRが変化後の第2の値SD2 よりも常に差ΔSDTRだけ低く設定されてその過渡値SDTRから第2の値SD2 への変化が必ず増加方向とされていたが、過渡値SDTRが変化後の第2の値SD2 よりも常に差ΔSDTRだけ高く設定されてその過渡値SDTRから第2の値SD2 への変化が必ず減少方向とされていても差し支えない。要するに、過渡値SDTRが変化後の第2の値SD2 への変化方向は一定であればよいのである。
【0053】
また、前述の実施例の駆動信号過渡制御手段148は、過渡値SDTRから第2の値SD2 への変化方向が予め設定された一定の方向となるように駆動信号SDを変化させるものであったが、必ずしも一定の方向でなくても、リニヤソレノイド弁SLTの応答性を高める上では一応の効果が得られる。要するに、第2の値SD2 に対する差が一定値ΔSDTRとなるように予め定められた過渡値SDTRを経てからその第2の値SD2 へ向かうように駆動信号SDを変化させればよいのである。
【0054】
また、前述の実施例のリニヤソレノイド弁SLTは、駆動信号SDの増加に伴ってそれから出力される制御圧(油圧信号)PS が減少する特性を備えていたが、反対に、駆動信号SDの増加に伴ってそれから出力される制御圧(油圧信号)PS も増加する特性を備えていてもよい。
【0055】
また、前述の実施例の過渡値保持時間決定手段152では、予め記憶された関係から実際のリニヤソレノイド弁SLTの作動状態および油温TOIL に基づいて、駆動信号SDが過渡値SDTRに保持される過渡値保持時間TTRが直接決定されてもよい。
【0056】
また、前述の実施例の過渡値保持時間決定手段152は、駆動信号SDが過渡値SDTRに保持される過渡値保持時間幅TTRを油温TOIL に基づいて補正する機能を備えたものであったが、必ずしもそのような油温補正機能を備えていなくてもよい。
【0057】
また、前述の実施例の過渡値保持時間決定手段152は、リニヤソレノイド弁SLTの作動状態に応じて過渡値保持時間幅TTRを変更する機能を備えたものであったが、必ずしもそのような過渡値保持時間幅TTRの変更機能を備えていなくてもよく、過渡値保持時間幅TTRは一定値であっても一応の効果が得られるのである。
【0058】
また、前述の実施例の油圧制御回路18は、車両用自動変速機14の変速ギヤ段を制御するためのものであったが、他の機械を制御するためのものであっても差し支えない。
【0059】
また、前述の実施例において、リニヤソレノイド弁SLTを駆動するための駆動信号SDは、直流電流信号だけではなく、デューティ比或いは平均電流が制御される鋸歯波或いは矩形波などのパルス信号であってもよい。
【0060】
また、前述の実施例において、駆動信号過渡制御手段148は、リニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態と非調圧作動状態とでは、駆動信号SDを過渡値SDTRとする時間幅を変更するものであったが、その過渡値SDTRと第2の値SD2 に対する差(振幅値)ΔSDTRを変更するものであっても差し支えない。このようにしても、同様の効果が得られる。
【0061】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を含む車両用動力伝達装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機において、それに備えられた摩擦係合装置の作動の組み合わせにより達成される変速段を説明する図である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御装置の要部構成を概略説明するブロック図である。
【図4】図3のライン圧発生装置の油圧回路構成を具体的に説明する油圧回路図である。
【図5】図4のリニヤソレノイド弁の駆動信号と出力圧との関係を示す特性図である。
【図6】図5の特性図におけるヒステリシスを説明する図である。
【図7】図1の変速用電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図8】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレノイド弁への駆動信号過渡制御の作動を説明するタイムチャートであって、変化前の値(第1の値)が変化後の値(第2の値)よりも小さい場合を示している。
【図9】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレノイド弁への駆動信号過渡制御において、過渡値保持時間の油温補正に用いる油温補正係数を決定するための予め記憶された関係を示す図である。
【図10】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、駆動信号過渡制御ルーチンを示す図である。
【図11】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、過渡値保持時間決定ルーチンを示す図である。
【図12】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、過渡値保持時間を油温に基づいて補正するための油温補正ルーチンを示す図である。
【図13】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレノイド弁への駆動信号過渡制御の作動を説明するタイムチャートであって、変化前の値(第1の値)が変化後の値(第2の値)よりも大きい場合を示している。
【図14】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレノイド弁への駆動信号過渡制御の作動を説明するタイムチャートであって、変化前の値(第1の値)が変化後の値(第2の値)よりも小さく且つその変化前の値と変化後の値との差が前記過渡値と変化後の値との差よりも大きい場合を示している。
【符号の説明】
18:油圧制御回路
120:スプール弁子(弁子)
146:駆動信号変化判定手段
148:駆動信号過渡制御手段
SLT:リニヤソレノイド弁
SSLT :電磁ソレノイド
PS :制御油圧(油圧信号)
SD:駆動信号
Claims (3)
- 連続的に変化させられる電気的な駆動信号に応じた連続的に変化する推力を出力する電磁ソレノイドと、該電磁ソレノイドからの連続的に変化する推力を受けて該駆動信号に応じた大きさの油圧信号が出力されるように調圧作動させられるスプール弁子とを備え、該駆動信号に応じて大きさが連続的に変化させられる油圧信号を油圧制御回路へ出力する油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置であって、
前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させられることを判定する駆動信号変化判定手段と、
該駆動信号変化判定手段により前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させることが判定された場合には、該第1の値から第2の値へ到達する間において、該第2の値に対する差が一定値となるように予め定められた過渡値を経てから該第2の値へ向かうように前記駆動信号を変化させる駆動信号過渡制御手段と
を、含むことを特徴とする油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置。 - 前記駆動信号過渡制御手段は、前記過渡値から前記第2の値への変化方向が予め設定された一定の方向となるように前記駆動信号を変化させるものである請求項1の油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置。
- 前記リニヤソレノイド弁は、それから出力される油圧信号を調圧する調圧作動状態と該油圧信号が限界値であるために調圧しない非調圧作動状態とを有するものであり、
前記駆動信号過渡制御手段は、該リニヤソレノイド弁の調圧作動状態と非調圧作動状態とでは、前記駆動信号を前記過渡値とする時間幅又は該過渡値と前記第2の値との差を変更するものである請求項1または2の油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置。
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