JP5306273B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5306273B2
JP5306273B2 JP2010078075A JP2010078075A JP5306273B2 JP 5306273 B2 JP5306273 B2 JP 5306273B2 JP 2010078075 A JP2010078075 A JP 2010078075A JP 2010078075 A JP2010078075 A JP 2010078075A JP 5306273 B2 JP5306273 B2 JP 5306273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential pressure
engine
command
pressure
command differential
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010078075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011208754A (ja
Inventor
北斗 片岡
阿希 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2010078075A priority Critical patent/JP5306273B2/ja
Publication of JP2011208754A publication Critical patent/JP2011208754A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5306273B2 publication Critical patent/JP5306273B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ロックアップクラッチを備えた自動変速機のロックアップクラッチ制御装置に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、ソレノイドの通電量を所定値まで減少させるときに、所定時間だけソレノイドの通電量をゼロとし、その後、所定値まで増大させる技術が知られている。これにより、通電量の増大時と減少時とでリニアソレノイドの発生する推力にヒステリシスが生じることを抑制する。また、特許文献2には、コースト走行中にフューエルカットを行う車両のロックアップクラッチの制御として、アクセル開度が0になったときにロックアップクラッチの容量を所定の容量に低下させる技術が知られている。
特許第2657316号公報 特開2006−125629号公報
しかしながら、上記特許文献1に特許文献2を組み合わせた技術では、アクセル開度が0になったときに、ロックアップ容量を制御するソレノイドへの通電量を0にすると、エンジン回転が吹き上がって運転者に違和感を与えるおそれがある。すなわち、特許文献2に記載のように、アクセル開度が0になってからフューエルカット開始までに所定のカットインディレイ時間を設け、これによりフューエルカット開始時のトルク段差を減少させるため、アクセル開度が0になった時点のエンジントルクは正である。このエンジントルクが正のときにロックアップ容量を制御するソレノイドの通電量を0にしてしまうと、ロックアップ容量が低下してエンジン負荷が不足し、エンジン回転が吹き上がってしまうのである。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、ソレノイドのヒステリシスの影響を抑制しつつ運転者に違和感を与えることがないロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、ロックアップクラッチの制御装置において、車両の走行状態がドライブ走行からコースト走行へ移行した後であって、エンジンのトルクが所定値以下のときに、指令差圧を一時的に低減してソレノイドに生じるヒステリシスの影響を抑制し、その後、指令差圧を所定の指令差圧に復帰させることとした。
よって、ソレノイドに生じるヒステリシスの影響を抑制してコースト走行状態におけるロックアップクラッチ容量を精度良く制御することが可能となると共に、エンジントルクが所定値より大きい状態でロックアップクラッチの指令差圧を最低圧にすることがなく、エンジン回転の吹け上がりの発生を防止することができる。
実施例1のパワートレーンを表す概略図である。 ロックアップソレノイドのヒステリシス特性を表す特性図である。 実施例1のコーストスリップロックアップ制御処理を表すフローチャートである。 実施例1のコーストスリップロックアップ制御を表すタイムチャートである。
図1は実施例1のパワートレーンを示す概略図である。動力源であるエンジン1は、エンジンコントローラ200によって運転状態が制御され、スロットル開度、点火タイミング等に加え、燃料噴射装置10aから燃料を噴射して正のトルクを発生させると共に、エンジンからのトルクが不要な場合には、燃料噴射を停止(以下、フューエルカット)させ、所定のエンジンブレーキ力、すなわち負のトルクを発生させる。尚、フューエルカットに係る制御については後述する。エンジン1において発生したトルクはエンジン出力軸1aから出力される。エンジン出力軸1aには、トルク増幅作用を行うトルクコンバータ2が接続され、トルクコンバータ2から駆動力を出力する変速機入力軸2aには複数の変速段を達成する自動変速機3が接続されている。
トルクコンバータ2は、エンジン出力軸1aと一体に回転するコンバータカバー20内に溶接されたポンプインペラ21と、ワンウェイクラッチOWCを介して変速機ケースに固定支持されたステータ22と、変速機入力軸2aと一体に回転するタービンランナ23と、変速機入力軸2aと一体に回転しつつ軸方向移動を許容して嵌合したロックアップクラッチ24とを有する。
ロックアップクラッチ24は、変速機入力軸2aの端部にスプライン嵌合され、軸方向にストローク可能であって回転方向の力のみ伝達可能に取り付けられている。このロックアップクラッチ24は、軸方向前方エンジン側に配置されたリリース圧室24aと、軸方向後方自動変速機側に配置されたアプライ圧室24bとを有し、これらリリース圧室24aとアプライ圧室24bとの差圧によって軸方向にストロークする。これにより、ロックアップクラッチ24とコンバータカバー20との間に摩擦力を発生させ、完全締結状態、スリップ締結状態、完全解放状態の三つの状態を達成する。
完全締結状態のときは、エンジン出力軸1aと変速機入力軸2aとが直結され、エンジン1から出力される駆動力がそのまま自動変速機3に入力される。スリップ締結状態のときは、トルクコンバータ2のトルク増幅作用によってタービンランナ23から変速機入力軸2aに駆動力が伝達されるルートと、ロックアップクラッチ24の摩擦締結力によって変速機入力軸2aに駆動力が伝達されるルートとの二つをルートから所定駆動力が伝達される。完全解放状態のときは、トルクコンバータ2のトルク増幅作用のみが機能し、全ての駆動力がタービンランナ23から変速機入力軸2aに伝達される。
自動変速機3は、有段式自動変速機であり、複数の摩擦締結要素の締結・解放により複数変速段を達成可能に構成されている。ある変速段を達成するときは、第1摩擦締結要素が締結され、第2摩擦締結要素が解放される。そして、変速指令が出力されたときは、第1摩擦締結要素が解放され、第2摩擦締結要素が締結される所謂掛け換え変速を行うことで複数の変速段を達成する。尚、これら第1摩擦締結要素や第2摩擦締結要素は一つでも、複数でもよく、達成される変速段は、2種類以上であれば構わない。自動変速機3から出力された駆動力は出力軸3aからデファレンシャル機構DEFを介して駆動輪4を駆動する。
自動変速機3の下方には、ATコントローラ100の指令信号に基づいて制御圧を調圧するコントロールバルブユニット5が設けられている。コントロールバルブユニット5内には、プレッシャレギュレータバルブ,シフトバルブ,マニュアルバルブ,締結圧調圧バルブ及びロックアップソレノイド5a等が複数備えられ、油圧を適宜調圧して必要な箇所へ制御圧を供給する。コントローラ100からロックアップクラッチ24の締結・解放指令が出力された場合には、ロックアップソレノイド5aは所謂リニアソレノイドであり、ロックアップソレノイド5aへの通電量を変更することで、リリース圧室24aへ供給するリリース圧PRを低下させ、アプライ圧室24bへ供給するアプライ圧PAを上昇させ、ロックアップクラッチ24を完全締結・スリップ締結・完全解放の状態を達成する。また、変速指令が出力された場合には、自動変速機3内の第1摩擦締結要素の油圧を低下させ、第2摩擦締結要素の油圧を上昇させる。
ATコントローラ100には、運転者のアクセルペダル操作量であるアクセルペダル開度を検出するアクセルペダル開度センサ11と、エンジン1のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ12と、変速機出力軸3aの回転数を検出し、所定の終減速比とタイヤ半径を掛け合わせて車速を検出する車速センサ13と、運転者の操作するシフトレバー位置を検出するインヒビタスイッチ14と、タービンランナ23の回転数を検出するタービン回転数センサ15と、エンジンコントローラ200側から供給されるエンジントルク情報、エンジン回転数情報が入力される。コントローラ100内では、これら入力されたセンサ信号に基づいてロックアップクラッチ24の締結状態、自動変速機3の変速状態等を制御する。
エンジンコントローラ200では、スロットル開度センサ12により検出されたスロットル開度が0のとき、フューエルカットを実行する。ここで、フューエルカットとは、コースト走行時のようにアクセル開度が0となり、エンジン側からトルクを出力する必要が無い走行状態を検出したとき、燃料噴射装置10aからの燃料噴射を停止する制御である。エンジン1において正のトルクを出力するドライブ状態から、フューエルカットに移行する際には、カットインディレイ制御を実行する。カットインディレイ制御とは、スロットル開度が0になると、所定時間かけて徐々にエンジントルクを低下させ(燃料噴射量を徐々に低減し)エンジントルク変動に伴うショックを抑制するものである。その後、フューエルカットを行うことで所定のエンジンブレーキ力を発生させる。以下、この所定時間をカットインディレイ時間と記述する。
実施例1の自動変速機3は、完全ロックアップ状態の変速前変速段から完全ロックアップ状態の変速後変速段への変速時において、完全ロックアップ状態からスリップロックアップ状態に移行し、変速を実行し、その後、完全ロックアップ状態に移行する。これにより、変速ショック等を抑制する。
また、変速時に限らず、非変速時であってもコースト走行時にはスリップロックアップ状態に移行する。すなわち、運転者がアクセルペダルを解放し、スロットル開度が0とされると、コースト走行状態に移行する。このとき、過剰なエンジンブレーキ力や駆動輪におけるトルク変動が生じないように、スリップロックアップ制御に移行し、まず、ロックアップ指令差圧初期値に設定した後、予め設定された目標スリップ量となるようにスリップ量フィードバック制御を行う。具体的には、エンジン回転数とタービン回転数との偏差に基づいてロックアップ指令差圧を決定し、ロックアップソレノイド5aに対し、ロックアップ差圧指令に応じた電流値を出力することでリリース圧室24aの油圧とアプライ圧室24bの油圧との差圧を制御し、スリップ量を制御する。
ここで、制御開始時のロックアップ指令差圧初期値の値が重要となる。この初期値が大きすぎる場合は十分なスリップ量が得られず、完全締結してしまい、トルク変動を伝達しやすくしてしまう。また、初期値が小さ過ぎる場合はスリップ量が過大となり、トルク抜け感を生じるからである。そこで、この初期値は学習制御によってスリップ量が適正な値となるように制御している。尚、ロックアップ指令差圧初期値の学習制御処理については公知の技術を適宜適用すればよいため、特に言及しない。
一方、ロックアップクラッチ24にあっては、ヒスキャンセル制御を実行する。図2はロックアップソレノイドのヒステリシス特性を表す特性図である。ロックアップソレノイド5aの電流値を上昇させると、差圧が下側の線を通って上昇し、電流値を低下させると、差圧が上側の線を通って低下する。このように、ロックアップソレノイド5aによって差圧を制御すると、電流上昇時と電流低下時とで同じ電流値であっても異なる差圧が生じるヒステリシス特性を有する。例えば、電流値を上昇させてIDとし、差圧PDを得るD点で制御しているときに、差圧Pαを得たいとする。電流上昇時であれば、Iαによって差圧Pαが得られるが、ヒステリシス特性によって実際にはIDからIαに低下させても差圧Pαより高い差圧PEになってしまう。同様に、電流値を上昇させてIAとし、差圧PAを得るA点の場合に、差圧Pαを得ようとしてIαとすると、差圧Pαより高い差圧PBになってしまう。言い換えると、差圧Pαを得ようとした場合、A点にいる場合には、電流値をICにする必要があり、D点にいる場合には、電流値をIFにする必要がある。このように状態によって同じ差圧を得るために種々の電流値を記憶しておくのは非常に煩雑であり、制御上も複雑化する。
そこで、ヒスキャンセル制御を実行する。ヒスキャンセル制御とは、一旦、電流値をゼロまで低下させ、所定時間(ヒスキャンセル時間)だけ待って残留磁界を解消し、図2に示す下側の特性に沿って電流値を上昇させることで、所望の差圧を得る制御である。尚、本実施例においては、ロックアップソレノイド5aの電流値をゼロにしているが、ロックアップソレノイド5aの極性が逆の場合は、電流値を最大値まで上昇させればよい。
コースト走行時に移行したと判断されると、エンジン側においては滑らかにフューエルカットを実行すべく、事前にカットインディレイ制御を実行する。つまり、カットインディレイ時間が経過するまでは、エンジンから正のトルクが出力されている。このタイミングで、仮に、ヒスキャンセル制御を行うと、指令差圧が低下しすぎてしまい、エンジン負荷の不足によってエンジン回転数が吹き上がり、運転者に違和感を与えるおそれがあった。この現象は、特に高トルクなドライブ走行からコースト走行へと移行するときに顕著である。そこで、コースト走行状態と判断された場合であっても、カットインディレイ制御によりエンジントルクが所定値以上と考えられる時間は、ヒスキャンセル制御の実行を禁止し、エンジントルクが所定値未満となった時点でヒスキャンセル制御を開始することとした。尚、エンジントルクが負となった段階で、ロックアップ指令差圧を低下させ、同時にヒスキャンセル制御を行う構成では、スリップ締結状態を経ることなくエンジントルクを低下させこととなり、トルク変動が駆動輪に伝達されやすくなることから、エンジントルクが正の段階でスリップ締結状態を達成しておく必要があることは言うまでもない。
(コーストスリップロックアップ制御処理)
図3は、実施例1のコーストスリップロックアップ制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、コースト走行状態になったか否かを判断し、コースト走行状態に移行したと判断したときはステップS2に進み、それ以外のときは本制御フローを終了する。
ステップS2では、ディレイタイマのカウントアップを開始する。
ステップS3では、ロックアップ指令差圧をロックアップ指令差圧初期値P1に設定する。尚、カットインディレイ制御が行われている間は、エンジントルクが徐々に低減されるのと平行して、差圧指令値がP1となるまで所定の時定数により漸減させる。
ステップS4では、ディレイタイマ値が、エンジントルクが十分に小さい値(略ゼロ)に到達したと判断できるディレイ時間T1以上か否かを判断し、T1以上のときはエンジントルクが略ゼロに到達したと判断してステップS5に進み、それ以外のときはロックアップ指令差圧を維持する。
ステップS5では、ディレイタイマをリセットする。
ステップS6では、キャンセルタイマのカウントアップを開始する。
ステップS7では、ロックアップ指令差圧を最低値に設定する(ヒスキャンセル制御)。
ステップS8では、キャンセルタイマ値がヒスキャンセル制御に必要な所定時間T2以上経過したか否かを判断し、経過したときはステップS9に進み、それ以外のときはステップS7に戻ってロックアップ指令差圧を最低値に維持する。
ステップS9では、キャンセルタイマをリセットする。
ステップS10では、ロックアップ指令差圧をP1よりも高いP2に設定する。ここで、P1より高いP2に設定する理由について説明する。上述したように、ロックアップ指令差圧をP1に設定し、エンジントルクが略ゼロとなったときに、ヒスキャンセル動作を開始する。これにより、エンジン回転数の吹き上がりを抑制しながら、より早くヒスキャンセル動作を行うこととなり、ソレノイドに生じるヒステリシスの影響をより早期に解消することができる。このとき、ヒスキャンセル動作はエンジントルクが略ゼロであるときに開始するため、最低圧にした後に所定の指令差圧に復帰させるときのエンジントルクの「絶対値」は、最低圧にした時点のエンジントルクの絶対値よりも大きくなる。従って、最低圧に復帰させるときに、初期差圧P1と同じ差圧に復帰させたのではエンジントルクの絶対値に対してロックアップクラッチの容量が不足し、ロックアップクラッチのスリップ量が大きくなってしまう。そこで、初期差圧P1よりも高い差圧P2に復帰させることで、ロックアップクラッチのスリップ量の適正化を測るものである。
ステップS11では、ロックアップスリップ量が目標スリップ量となるようにスリップ量フィードバック制御を実行する。
図4は実施例1のコーストスリップロックアップ制御を表すタイムチャートである。
時刻t1において、運転者がアクセルペダルを解放すると、スロットル開度を閉じると共に、コースト走行状態に移行する。このとき、エンジンコントローラ200では、カットインディレイ制御が行われ、カットインディレイ時間をかけて徐々にエンジントルクが減少する。このエンジン側の制御に平行して、ATコントローラ100では、ロックアップ指令差圧としてコースト容量学習値であるロックアップ指令初期差圧P1が設定され、所定の時定数によって徐々にロックアップ指令差圧が低下する。
時刻t2において、カットインディレイ時間が経過すると、エンジントルクが略ゼロになったと判断され、ヒスキャンセル制御が開始される。よって、ロックアップ指令差圧は最低圧に設定されるとともに、ヒスキャンセルタイマのカウントアップが開始される。
時刻t3において、エンジンコントローラ200でエンジントルクが十分に低下すると、フューエルカットが実行され、エンジントルクは負のトルクを発生し始める。
時刻t4において、ヒスキャンセル制御により最低圧に設定して残留磁界の解消に必要なヒスキャンセル時間が経過すると、指令差圧としてコースト容量学習値P2(>P1)が設定され、スリップロックアップ制御におけるフィードバック制御の初期値が与えられ、フィードバック制御によって目標スリップ量となるように指令差圧が制御される。このとき、P2は、P1よりも高い値に設定されているため、エンジンブレーキ力が大きくなってしたとしても、過剰なスリップを生じることがなく、フィードバック制御における目標スリップ量に素早く収束することができる。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)車両のコースト走行時にフューエルカット可能なエンジン1と、該エンジン1と自動変速機3との間に介装されるトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2のインペラ側とタービン側とを締結可能なロックアップクラッチ24と、ロックアップクラッチ24の指令差圧を車両の運転状態に応じて制御するATコントローラ100(ロックアップクラッチ制御手段)と、エンジン1のトルクが所定値以下であると判断するステップS4:ディレイタイマ(判断手段)と、車両の走行状態が、ロックアップクラッチ24がスリップ締結しているドライブ走行からコースト走行へ移行したときに、ロックアップ指令差圧を、所定の初期差圧P1に低減するステップS3(初期差圧制御手段)と、車両の走行状態がドライブ走行からコースト走行へ移行した後であって、ステップS4によりエンジンのトルクが所定値以下であると判断されたときに、ロックアップ指令差圧を最低圧に一時的に低減するステップS7(ヒスキャンセル制御手段)と、ステップS7によりロックアップ指令差圧が最低圧に一時的に低減された後に、ロックアップ指令差圧を所定の指令差圧P2に復帰させるステップS8,S10(指令差圧復帰手段)と、を有する。
コースト走行へ移行したとき、ロックアップクラッチ24の指令差圧を所定のロックアップ初期差圧P1に低減すると共に、エンジントルクが所定値以下であると判断されたとき、ロックアップ指令差圧を最低圧に一時的に低減し、その後に所定の指令差圧に復帰させることで、ロックアップソレノイド5aに生じるヒステリシスの影響を抑制してコースト走行状態におけるロックアップクラッチ容量を精度良く制御することができる。また、エンジントルクが所定値より低くなってから指令差圧を最低圧に低下させるため、エンジン回転数の吹き上がりを抑制することができる。
言い換えると、エンジントルクが所定値以下であると判断されるまでは、ロックアップクラッチ24の指令差圧を最低圧に低減させずに所定の初期差圧に低減されるため、ロックアップクラッチ24の完全締結ショックが発生を回避しつつエンジン回転数の吹き上がりを抑制できるとともに、エンジントルクが所定値以下であると判断したときは、ロックアップクラッチ24の指令差圧を最低圧に一時的に低減することによって、ソレノイドに生じるヒステリシスの影響を抑制し、コースト走行状態におけるロックアップクラッチ容量制御を精度良く実行できる。
尚、ロックアップクラッチ24の指令圧を一時的に最大圧とすることによってソレノイドに生じるヒステリシスの影響を抑制しようとした場合、ロックアップクラッチ24の指令圧が最大圧となることによりロックアップクラッチ24が完全締結し、急減速時のエンジンストール回避性能が低下する。そのため、ロックアップクラッチ24の指令差圧を最低圧に一時的に低減することによって、ソレノイドに生じるヒステリシスの影響を抑制しているのである。

(2)ステップS4(判断手段)は、ディレイタイマ値が経過したとき(エンジントルクが略ゼロであるとき)に、エンジントルクが所定値以下であると判断し、ステップS10(指令差圧復帰手段)は、指令差圧P2を、初期差圧P1よりも大きい所定の指令差圧に復帰させる。
エンジントルクが略ゼロとなったときにヒスキャンセル制御を開始するため、エンジン回転数の吹き上がりを抑制しながら、より早くヒスキャンセル動作を行うことで、ソレノイドに生じるヒステリシスの影響を早期に排除することができる。また、ヒスキャンセル動作をエンジントルクが略ゼロのときに開始するため、最低圧にした後に所定の指令差圧に復帰させるときのエンジントルクの絶対値は、最低圧にした時点のエンジントルクの絶対値よりも大きいものとなる。したがって、最低圧に復帰させるときに、初期差圧と同じ差圧に復帰させたのではエンジントルクの絶対値に対してロックアップクラッチの容量が不足し、スリップ量が大きくなってしまう。そこで、初期差圧P1よりも大きい指令差圧P2に復帰させることにより、ロックアップクラッチ24のスリップ量を適正な量とすることができる。
以上実施例1について説明したが、本発明は実施例の構成に限らず他の構成をとっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、ドライブ走行からコースト走行に移行したときから所定の時間が経過したことをもってエンジントルクが略ゼロ(所定値以下)であると判断するものを示したが、これに限定されるものではなく、エンジントルクを検出するセンサを設けるものなど、エンジンのトルクが略ゼロ(所定値以下)であると判断できるものであればよい。
実施例1では、指令差圧をP1まで所定の時定数で低減するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、所定の勾配で低減させるもの、ある時間経過時にステップ的に低減させるもの、エンジントルクの低下プロフィールに対応するように所定のプロフィールで低下させるものなど、ヒスキャンセル制御の開始前にロックアップクラッチの指令差圧を低減させるものであればよい。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
5 コントロールバルブユニット
11 アクセルペダル開度センサ
12 スロットル開度センサ
13 車速センサ
15 タービン回転数センサ
24 ロックアップクラッチ
100 ATコントローラ

Claims (3)

  1. 車両のコースト走行時にフューエルカット可能なエンジンと、
    該エンジンと自動変速機との間に介装されるトルクコンバータと、
    前記トルクコンバータのインペラ側とタービン側とを締結可能なロックアップクラッチと、
    前記ロックアップクラッチの指令差圧を車両の運転状態に応じて制御するロックアップクラッチ制御手段と、
    前記エンジンのトルクが所定値以下であると判断する判断手段と、
    車両の走行状態が、前記ロックアップクラッチがスリップ締結しているドライブ走行からコースト走行へ移行したときに、前記指令差圧を、所定の初期差圧に低減する初期差圧制御手段と、
    車両の走行状態が前記ドライブ走行からコースト走行へ移行した後であって、前記判断手段によりエンジンのトルクが所定値以下であると判断されたときに、前記指令差圧を最低圧に一時的に低減するヒスキャンセル制御手段と、
    該ヒスキャンセル制御手段により前記指令差圧が最低圧に一時的に低減された後に、前記指令差圧を所定の指令差圧に復帰させる指令差圧復帰手段と、
    を有することを特徴とするロックアップクラッチ制御装置。
  2. 請求項1に記載のロックアップクラッチ制御装置において、
    前記ヒスキャンセル制御手段は、前記ロックアップクラッチの差圧を制御するリニアソレノイドの電流値をゼロまたは最大値にすることによって、前記指令圧を最低圧に一時的に低減することを特徴とするロックアップクラッチ制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のロックアップクラッチ制御装置において、
    前記判断手段は、前記エンジンのトルクが略ゼロであるときに、前記エンジンのトルクが所定値以下であると判断し、
    前記指令差圧復帰手段は、前記指令差圧を、前記初期差圧よりも大きい前記所定の指令差圧に復帰させることを特徴とするロックアップクラッチ制御装置。
JP2010078075A 2010-03-30 2010-03-30 自動変速機の制御装置 Active JP5306273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010078075A JP5306273B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 自動変速機の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010078075A JP5306273B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 自動変速機の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011208754A JP2011208754A (ja) 2011-10-20
JP5306273B2 true JP5306273B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=44940022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010078075A Active JP5306273B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 自動変速機の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5306273B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6365597B2 (ja) * 2016-06-16 2018-08-01 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2657361B2 (ja) * 1994-07-14 1997-09-24 株式会社ケーヒン リニアソレノイドの通電制御方法
JP3598860B2 (ja) * 1999-01-12 2004-12-08 トヨタ自動車株式会社 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置
JP4097985B2 (ja) * 2002-04-30 2008-06-11 コマツユーティリティ株式会社 産業車両の走行制御装置
JP4344348B2 (ja) * 2004-10-01 2009-10-14 日産自動車株式会社 トルクコンバータのロックアップ容量制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011208754A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5031052B2 (ja) 自動変速機の制御装置
WO2013073646A1 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5788082B2 (ja) 車両の発進制御装置及び発進制御方法
JP2014134275A (ja) 車両の制御装置
JP6212444B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2010038300A (ja) 車両の制御装置および制御方法
JP2011202793A (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP2008133731A (ja) 車両用動力伝達装置の変速時制御装置
JP5841611B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5326684B2 (ja) 車両のロックアップクラッチの制御装置
JP5306273B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP3873905B2 (ja) 変速機の制御装置
JP5195721B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP5728421B2 (ja) ロックアップ制御装置及びロックアップ制御方法
JP2010043676A (ja) 無段変速機および無段変速機の制御方法
JP5306267B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4924562B2 (ja) 車両の発進制御装置
JP6759794B2 (ja) 車両の制御装置及び車両の制御方法
JP6067600B2 (ja) 無段変速機の制御装置
JP2013067265A (ja) 車両の制御装置
JP4622501B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP5625892B2 (ja) 車両の制御装置
JP6004811B2 (ja) アイドルストップ車の制御装置
JP5211299B2 (ja) 動力伝達部の制御装置
JP5040823B2 (ja) ロックアップクラッチ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5306273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313114

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250