JP5326684B2 - 車両のロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンと駆動輪との間の動力伝達系に配置したロックアップクラッチの容量を、アクセルペダルからの足離しによって指令制御することにより、当該ロックアップクラッチを解放させることができる車両のロックアップクラッチの制御装置に関するものである。
従来のロックアップクラッチの制御装置には、ロックアップクラッチのスリップ制御中にアクセルペダルからの足離しがなされると、エンジントルクが急減少する一方で、ロックアップクラッチのトルク容量が急増大するため、ロックアップクラッチの急激な締結(ロックアップ)によってショックを生じることから、スロットル開度の減少率が所定値以上になったとき、ロックアップクラッチを急解放させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−221424号公報
しかしながら、従来のように、ロックアップクラッチを急解放させる場合であっても、ロックアップが進行中の場合は、ロックアップクラッチの容量が増加中であるため、ロックアップクラッチへの指令値に対する実際値の遅れを考慮すれば、ロックアップへの進行を妨げることができない場合もあり得る。この場合には、結果的にロックアップされることでショックを招いてしまう。
これに対し、ロックアップクラッチが指令値に追従して急激に解放できた場合、ロックアップクラッチの入力側ではエンジントルクが急低下する一方で、ロックアップクラッチの出力側では自動変速機等からの負荷に変動がないためトルクの変動が小さい。このため、ロックアップクラッチ内では、急解放前後で、いわゆるトルク段差が生じる場合がある。この場合、上記トルク段差が大きいと、このトルク段差が結果的に、ショックとして体感されてしまうという問題が懸念される。
本発明は、アクセルペダルからの足離しに応じてロックアップクラッチの容量を減少させて当該クラッチを早急に解放させようとするとき、ロックアップクラッチの容量をトルク段差が生じるまで一気に低下させるのではなく、トルク段差が生じない容量まで速やかに低下させた後、実際にロックアップクラッチが解放されるように、その容量を制御するものである。
本発明では、ロックアップクラッチの解放に伴い生じるトルク段差を小さく抑えつつ、アクセルペダルからの足離しに伴いロックアップクラッチを早急に解放させることができる。このため、アクセルペダルからの足離しがあったときも、スムーズなロックアップクラッチの解除を行うことができる。
本発明の一形態である、ロックアップクラッチの制御装置を搭載した車両のパワートレーンを、その制御システムと共に模式的に示すシステム図である。 同形態の制御装置によって実行される制御の流れを示すフローチャートである。 同形態の制御装置に係る、ロックアップ容量指令制御に用いられる判定マップである。 同形態の制御装置に係る、ロックアップ容量指令制御を実行したときのタイムチャートである。 同形態の制御装置に係る、他のロックアップ容量指令制御を実行したときのタイムチャートである。 同形態の制御装置に係る、ロックアップ容量指令制御との比較例としての、ロックアップ容量制御を実行したときのタイムチャートである。
以下、図面を参照して、本発明である、ロックアップ容量制御装置を詳細に説明する。
図1に示す1は、エンジンである。エンジン1は、アクセルペダル10の踏み込み量に応じて、その開度が増大するスロットルバルブ11を有する。スロットルバルブ11は、エアクリーナ12からの空気をスロットル開度TVO及びエンジン回転数Neに応じた空気量でエンジン1に導入する。
またエンジン1は、その気筒毎にインジェクタ13及び点火装置14を有し、燃料噴射量及び点火タイミングは、エンジンコントローラ9aによって制御される。エンジンコントローラ9aには、例えば、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサSeからの信号と、アクセルペダル10からの足離しにより解放されるアイドルスイッチSw(a)からの信号Iと、エンジン吸気量Qを検出する吸気量センサSQからの信号とが入力される。
エンジンコントローラ9aは、こうした様々な入力情報(入力信号)を基に、運転状態に応じてインジェクタ13を制御することで、各気筒内への燃料噴射量(燃料供給量)を制御する。例えば、エンジンコントローラ9aは、アクセルペダル10からの足離しが行われると、インジェクタ13を制御することで、エンジン1に対して気筒内への燃料供給を中止する、いわゆるフューエルカット制御を行い、
或いは、エンジンストールの防止等を目的に、燃料供給を再開する、いわゆるフューエルカットリカバー制御を行う。
また、エンジンコントローラ9aは、上記の入力情報を基に、運転状態に応じて点火装置14を制御することで、各気筒内での点火タイミングを制御する。例えば、エンジンコントローラ9aは、アクセルペダル10からの足離しが行われると、点火装置14を制御することで、エンジン1に対して気筒内での点火タイミングを遅らせる、点火遅延制御を行う。
2は、エンジン1からの回転が入力されるトルクコンバータである。トルクコンバータ2は、内部作動流体を介して、エンジン1に駆動結合される入力側要素(ポンプインペラ)2aの回転を、自動変速機2に駆動結合される出力側要素(タービンランナ)2bに伝達する。
3は、エンジン回転Neがトルクコンバータ2を介して入力される自動変速機である。自動変速機3は、コントロールバルブユニット4に設けたシフトソレノイド4a,4bにおけるON,OFFの組み合わせにより所定の変速段が選択される、いわゆる有段式の自動変速機である。
自動変速機3の出力回転は、変速機出力軸(プロペラシャフト)5からディファレンシャルギア機構6を経て車輪7に伝達される。
8は、トルクコンバータ2に内蔵されたロックアップクラッチである。ロックアップクラッチ8の締結(以下、「ロックアップ」)及び解放(以下、「ロックアップ解除」)を司るロックアップクラッチの容量(以下、「ロックアップ容量」という)PLは、コントロールバルブユニット4に設けたロックアップソレノイド4cを駆動デューティ指令Dによって制御することで決定される。
ロックアップ容量PLを0に決定すると、トルクコンバータ2の入出力要素が全く締結されない状態、いわゆるコンバータ状態となる。これに対し、ロックアップ容量PLを上昇させると、トルクコンバータ2の入出力要素が締結された状態、いわゆるロックアップ状態となる。
なお、ロックアップには、トルクコンバータ2の入出力要素間の伝達トルクとロックアップ容量との大小関係により、スリップ回転が全く生じないよう、入出力要素間が完全に締結される、いわゆる完全ロックアップと、入出力要素がスリップしながらスムーズに締結される、いわゆるスリップロックアップとのいずれかの状態になる。
シフトソレノイド4a,4bのON,OFF及び、ロックアップソレノイド4cの駆動デューティ指令Dは、変速機コントローラ9bにより制御される。変速機コントローラ9bには、例えば、アイドルスイッチSw(a)からの信号Iと、スロットルバルブ11のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサSThからの信号と、トルクコンバータ2の入力回転数(以下、「インペラ回転数」)Niを検出するインペラ回転センサSiからの信号と、トルクコンバータ2の出力回転数(以下、「タービン回転数」)Ntを検出するタービン回転センサStからの信号と、変速機出力軸5の回転数(以下、「変速機出力軸回転数」)Noを検出する変速機出力回転センサSoからの信号と、運転者の選択によって決定されるシフトレンジ(例えば、P(駐車)レンジ、D(走行)レンジ、N(中立)レンジ、L(エンジンブレーキ)レンジ)を出力するインヒビタスイッチSw(b)からの信号をそれぞれ入力する。
変速機コントローラ9bは、これら入力情報に基づき周知の演算により以下のとおりに自動変速機3の変速制御を行う。先ず変速機出力回転数Noから求めた車速VSPと、スロットル開度TVOとから予定の変速マップを基に、現在の車両運転状態に好適な変速段を検索し、この好適変速段への変速が行われるよう、シフトソレノイド4a,4bのON,OFF切り替えを行う。
変速機コントローラ9bは更に、上記の入力情報からトルクコンバータ2のトルク増大機能やトルク変動吸収機能が不要なロックアップ領域か否かをチェックし、判定結果に基づくロックアップソレノイド4cのデューティ(D)制御を介して、ロックアップ領域ならトルクコンバータ2をロックアップクラッチの締結(ロックアップ容量PLの上昇)により入出力要素間が直結されたロックアップ状態にし、それ以外のコンバータ領域ならロックアップクラッチの解放(ロックアップ容量PLの低下)により入出力要素間の直結が解かれたコンバータ状態(非締結の状態)にする。
ロックアップ状態は、トルク増大作用及びトルク変動吸収作用を必要としない高車速での一定速ドライブ走行の下で実行される。またロックアップ状態は、フューエルカットを実行するコースト走行の下で、エンジンストール防止のため、変速機出力軸5の回転Noをエンジン1へ伝達すべく実行される。この場合のロックアップを特に、コースト時ロックアップという。
なお、エンジンコントローラ9aと変速機コントローラ9bとの間では、双方向通信を可能とし、ロックアップクラッチ8の締結及び解放に合せ、エンジン1に対するフューエルカット又はフューエルカットリカバーを実行する協調制御を行うものとする。
次に、図2のフローチャートを参照して、本発明に従って行われる、ドライブ時スリップ締結状態からコースト時スリップ締結状態への過渡時のロックアップ容量制御及び、当該制御に同期して行われるエンジン側での協調制御を説明する。
本発明に係る制御では先ず、ステップ1にて、自動変速機3がDレンジでの変速制御に従って制御されているか否かを判定する。本形態では、この判定は、インヒビタスイッチSw(b)からの信号が入力される変速機コントローラ9bによって行われ、Dレンジであると判定されたときは、ステップ2に移行するが、それ以外のレンジであると判定されたときは、そのままリターンする。
ステップ2では、アクセルペダル10からの足離しが行われたかどうかを判定する。本形態では、この判定は、アイドルスイッチSw(a)からのON/OFF信号Iが入力されるエンジンコントローラ9aによって行われ、アイドルスイッチSw(a)がONされたときは、ステップ3に移行するが、アクセルペダル10が踏み込まれてアイドルスイッチSw(a)がOFFであるときは、そのままリターンする。
ステップ3では、スムーズなロックアップがなされるスムーズロックアップ中であるか、或いは、完全ロックアップが開始された直後であるかを判定する。本形態では、この判定は、変速機コントローラ9bによって行われ、スリップロックアップ中か、或いは、完全ロックアップが開始されたと判定したときは、ステップ4に移行するが、それ以外のときは、そのままリターンする。
ステップ4では、車速VSPが閾値車速Vth以下であるかどうかを判定する。本形態では、この判定は、変速機コントローラ9bによって行われ、変速機出力回転センサSoからの変速機出力軸回転数Noを基に演算した車速VSPを閾値車速Vthと比較することで行い、車速VSPが閾値車速Vth以下であると判定したときは、ステップ5に移行するが、それ以外のときは、そのままリターンする。
閾値車速Vthとしては、例えば、燃費の向上を目的に、予め低車速側に設定された値が挙げられる。このように設定すれば、本形態のステップ4では、車両が発進直後の低車速状態であるかどうかを判定できる。但し、閾値車速Vthは、燃費の向上を目的に設定するだけでなく、例えば、エンジン性能、車種や運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
ステップ5では、アクセルペダル10からの足離し後の、ロックアップクラッチ8の動作経過を推定する。この推定は、変速機コントローラ9bによって行われている。変速機コントローラ9bでは、エンジン回転センサSeから検出したエンジン回転数Neから、インペラ回転センサSiから検出したインペラ回転数Niを減じて回転偏差ΔN(=Ne−Ni)を求め、同足離し直前に指令したロックアップクラッチ8への容量指令値(以下、「容量指令値」)PL(c)と共に、図3に示すマップを用いて領域判定することで、上記推定を行う。
本形態では、図3に示すマップは、3つの領域A〜Cに分けられている。
領域Aは、この領域での容量指令値PL(c)に係る容量であれば、アクセルペダル10からの足離しに伴いロックアップを解除しても、トルク段差によるショックを発生しない領域、即ち、容量指令値PL(c)を監視中に、アクセルペダル10からの足離しがあったときは、ロックアップをそのまま解除してもよい領域である。
領域Aの具体例としては、図3に示すように、コーストロックアップにおいて最低限必要とされるロックアップ容量PL(min)を発生させるための必要コーストロックアップ容量指令値PAB以下の範囲であって、回転偏差ΔNの全領域となる領域が挙げられる。
これにより、ステップ5aにて、図3のマップを参照し、アクセルペダル10からの足離し時における、回転偏差ΔN及び容量指令値PL(c)で決定される状態(ポイント)が、当該マップの領域A内に存在するか否かを判定する。この判定は、変速機コントローラ9bによって行われ、上記ポイントが領域A内に存在するときは、アクセルペダル10からの足離しがあれば、ロックアップをそのまま解除してもよいとして、ステップ5bにて、通常のスムースオフ制御(例えば、図6に示すように、アイドルスイッチSw(a)がONされると、一定の容量差分ΔPだけ急激に低下させてから徐々に減少させる制御)でロックアップを解除する。但し、上記ポイントが領域A内に存在しないときは、ステップ5cに移行する。
次いで、図3の領域Bは、アクセルペダル10からの足離しによってロックアップが解除されるべきにも係わらず、ロックアップされてしまうことがあっても、締結ショックを発生しない領域、即ち、そのままロックアップが行なわれても締結ショックを生じることなく、また、その後、当該ロックアップを解除しても、トルク段差に起因したショックを発生しない領域である。
領域Bの具体例としては、図3に示すように、容量指令値PL(c)が、必要コーストロックアップ容量指令値PAB以上、予め設定されたロックアップ容量指令値(以下、「設定指令値」)PBC以下の範囲であって、且つ、回転偏差ΔNが、予め設定された回転偏差(以下、「設定回転偏差」)ΔNBC以上の範囲となる領域が挙げられる。なお、設定指令値PBC及び設定回転偏差ΔNBCはそれぞれ、例えば、エンジン性能、車種や運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
これにより、ステップ5cにて、図3のマップを参照し、アクセルペダル10からの足離し時における、回転偏差ΔN及び容量指令値PL(c)で決定される状態(ポイント)が、当該マップの領域B内に存在するか否かを判定する。この判定も、変速機コントローラ9bによって行われ、上記ポイントが領域B内に存在すると判定されるときは、そのままロックアップが行なわれた後に、当該ロックアップを解除してもショックを発生しないとして、ステップ5dにて、通常のスムースオン制御(例えば、図4,5に示すように、アイドルスイッチSw(a)がONされる前の、ロックアップさせるためにロックアップ容量Pを徐々に上昇させる制御)でロックアップさせる。但し、上記ポイントが領域B内に存在しないときは、ステップ5eに移行する。
領域Cは、アクセルペダル10からの足離しによってロックアップされてしまうと、締結ショックを発生し、また、アクセルペダル10からの足離しによってロックアップを解除してもトルク段差によるショックを発生する領域、即ち、そのままロックアップ容量制御が行われると何らかのショックを発生する領域である。
領域Cの具体例としては、図3に示すように、容量指令値PL(c)が、必要コーストロックアップ容量指令値PAB以上、設定指令値PBC以下の範囲までは、回転偏差ΔNが、設定回転偏差ΔNBC以下の範囲であって、また、容量指令値PL(c)が、設定指令値PBC以上の範囲では、回転偏差ΔNの全領域となる領域が挙げられる。
これにより、ステップ5eに移行すると、アクセルペダル10からの足離し時における、回転偏差ΔN及び容量指令値PL(c)で決定される状態(ポイント)が、当該マップの領域C内に存在すると判定する。この判定も、変速機コントローラ9bによって行われ、上記ポイントが領域C内に存在すると判定されるときは、アクセルペダル10からの足離しがあったときは、そのままロックアップ容量制御が行われると何らかのショックを発生すると推定して、ステップ6に移行する。
ステップ6では、エンジン1及びロックアップクラッチ8を実体的に制御する。
ステップ6aでは、アクセルペダル10からの足離しによるロックアップ解除制御を行う。本制御は、変速機コントローラ9bによって、ステップ5での判定結果が領域Cであると判定されることで行われる。
即ち、ステップ6aでは、そのままロックアップ容量制御が行われると、何らかのショックを発生すると推定されるため、図4に示すように、容量指令値PL(c)を予め設定した第1設定値P1まで低下させるように制御すると共に、当該第1設定値P1に低下させた状態を、第1設定値P1を指令したときから所定時間t0まで保持するように、当該容量指令値PL(c)を制御する。即ち、アイドルスイッチSw(a)がONされると、容量指令値PL(c)は、第1設定値P1まで急激に減少した後、この第1設定値P1の状態を所定時間t0まで保持するように制御される。
容量指令値PL(c)を第1設定値P1まで低下させる制御は、ロックアップラッチ8の間に、トルク段差が生じない容量まで速やかに低下させるための制御である。第1設定値P1は、容量指令値PL(c)に対して実際のロックアップクラッチ8の容量(以下、「実容量」)PLに遅れが生じることを考慮して、容量指令値PL(c)を低めに設定することで応答性を高める処理、いわゆる進み処理を実行させるために設定した値である。
このため、容量指令値PL(c)を第1設定値P1まで急激に減少させるに際しては、フィードフォワード制御が用いられる。また、第1設定値P1は、エンジン性能、車種や運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。具体例としては、例えば、0〜0.02MPa程度の数値が挙げられる。
これに対し、所定時間t0は、トルク段差が生じない容量まで速やかに低下させるための容量指令値PL(c)に対して、ロックアップクラッチ2の実際の解放動作が追従するようになるまでを考慮した猶予時間である。所定時間t0は、実際のロックアップ解放動作が容量指令値PL(c)に対して追従するようになったであろうと推定できる時間として設定することができる。このため、所定時間t0は、例えば、エンジン性能、車種や運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
更に所定時間t0が経過した後もステップ6aでは、図4に示すように、容量指令値PL(c)を、第1設定値P1よりも大きく且つ足離し時のロックアップ容量P0(本形態では更に、後述の設定値P2)よりも小さな第2設定値P3まで上昇させるように制御する。容量指令値PL(c)として第2設定値P3を指令後は、容量指令値PL(c)を緩やかな傾斜をもって徐々に減少させるように制御する。これにより、実際にロックアップを解除するための制御は、実容量PLが容量指令値PL(c)に追従するようになった状態で行われるようになる。
このように容量指令値PL(c)を制御すれば、ロックアップへの進行に伴い容量指令値PL(c)を増加させている最中に、アクセルペダル10の急激な足離し等に伴いロックアップを中止して解放させる状況であっても、ロックアップクラッチ8の応答性を重視して、大きなトルク段差が生じるまで容量指令値PL(c)を急激に減少させなくても、ロックアップクラッチ8を解除することができる。
しかも、ロックアップの解除に伴い容量指令値PL(c)を急激に減少させることでロックアップを早急に解除するに際し、当該容量指令値PL(c)を実容量PLが容量指令値PL(c)に対して遅れるような場合でも、所定時間t0の待ち時間の間に、当該容量指令値PL(c)に追い着くことで結果的に追従できるようになる。
これにより、ロックアップクラッチ8の解放に伴い生じる、いわゆるトルク段差を小さく抑えつつ、ロックアップクラッチ8を早急に解放させることができる。このため、アクセルペダル10からの足離しがあったときも、スムーズなロックアップクラッチ8の解除を行うことができる。
また、本形態では、第2所定値P3まで上昇させた後は、ロックアップ容量PLを徐々に低下させるようにランプ(傾斜)を持たせてから、ロックアップ容量PLが完全に抜けるよう(0MPaになるよう)、当該ロックアップ容量PLを急激に低下させるが、この低下のタイミングは、アイドルスイッチSw(a)がONされたときから予め設定した時間ΔTに達したときをもって低下させることも、ロックアップ容量PLが予め設定した第3油圧P4に達したときをもって低下させることもできる。更に、この場合、設定時間ΔT及び第3設定値P4も、エンジン性能、車種や運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
更に、本形態の如く、図3のマップを用いて、アイドルスイッチSw(a)がONされたときの回転数偏差Δ及びロックアップ容量指令値PL(c)によって、ロックアップクラッチ8がこのまま解除に向かって動作すると何らかのショックが生じると推定されるときに、ステップ6aにて実行される、足離しによるロックアップ解除制御が開始されるように制御すれば、ロックアップクラッチ8にて解放や締結がそのまま行われてもショックが発生しない状態での当該ロックアップ解除制御制御を省略することができる。
ここで、図6に示す比較例のタイムチャートを参照すると、ドライブ時スリップ締結状態からコースト時スリップ締結状態への過渡時のロックアップ容量制御では通常、同図の領域Z1に示すように、エンジン回転数Ne及びエンジントルクTeはアクセルペダル10からの足離しに対する応答性が良い。
このため、図6の領域Z3に示すように、アクセルペダル10からの足離しに応じてロックアップクラッチ8を解放させる際に、ロックアップクラッチ8の間で大きなトルク段差が生じないように、ロックアップ容量PLをΔPだけ急激に減少させるように容量指令値PL(c)としてPL(c)=P2を指令すれば、ロックアップクラッチ8は本来、大きなトルク段差を生じない状態で、速やかに解放される。
しかしながら、図6に示すように、ロックアップ進行中に、容量指令値PL(c)を急激に減少させてロックアップを解除させようとしても、例えば、ロックアップクラッチ8の締結・解放を司る実容量PLが油圧媒体である場合、容量指令値PL(c)からの実容量PLを急激に減少させる指令に対し、実容量PLの減少が追従できないときがある。
この場合、ロックアップクラッチ8のトルク容量(以下、「ロックアップ締結トルク」)TLCの減少も実容量PLと共に容量指令値PL(c)に対して遅れる結果、ロックアップ締結トルクTLCは、エンジントルクTeの減少よりも遅れる。このため、ロックアップ締結トルクTLCの減少がエンジントルクTeの減少に対してしっかり追従できない。
従って、ロックアップクラッチ8は、実際には、同図の領域Z2に示すように、エンジントルクTeの変化に伴う軌跡(図中の点線)とロックアップ締結トルクTLCの変化に伴う軌跡(図中の一点鎖線)とが交差していることからも明らかなように、そのロックアップの進行を中止できないことでロックアップされる。これにより、図6に示す如く、容量指令値PL(c)を制御するときは、同図の領域Z4に示すように、大きな締結ショックを発生させる。
これに対し、本形態の制御装置では、図4の領域X1に示すように、エンジン回転数Ne及びエンジントルクTeはアクセルペダル10からの足離しに対する応答性が良い。
しかも、本形態の制御装置では、同図に示すように、ロックアップ進行中にロックアップを解除させようとするとき、領域X3に示すように、容量指令値PL(c)を第1設定値P1まで急激に減少させた後、この第1設定値P1を容量指令値PL(c)とする状態を所定時間t0まで保持するので、容量PLが油圧媒体であっても、所定時間t0が経過するまでの間に、実容量PLが容量指令値PL(c)に対して追従する。
この場合、ロックアップ締結トルクTLCの減少も実容量PLと共に容量指令値PL(c)に対して遅れを生じないことから、ロックアップ締結トルクTLCもエンジントルクTeと共に減少する。即ち、ロックアップ締結トルクTLCの減少もエンジントルクTeの減少に対してしっかり追従できる。
従って、実際のロックアップクラッチ8も、同図の領域X2に示すように、エンジントルクTeの変化に伴う軌跡(図中の点線)とロックアップ締結トルクTLCの変化に伴う軌跡(図中の一点鎖線)とが交差していないことからも明らかなように、そのロックアップの進行が中止され、当該ロックアップも解除される。
即ち、本形態の制御装置によれば、図4の領域X4に示すように、ロックアップの進行中に当該ロックアップが解除されることでトルク段差が生じても、このトルク段差に起因するショックの発生を小さく抑えつつ、ロックアップクラッチ8を解除することができる。なお、容量P2は、ロックアップクラッチ8を解放する際に大きなトルク段差を発生させない値を設定することができ、例えば、エンジン性能、車種や運転者の要求等に応じて適宜設定することができる。
ところで、本形態のエンジンコントローラ9bは、ロックアップ容量PLの情報を変速機コントローラ9bと共有している。このため、図2にて説明のステップ6bでは、ステップ6aでのロックアップ解除制御に連動して、エンジン1に対し協調制御を行うことも可能である。以下、協調制御として、上述したように、エンジンコントローラ9aによって実行されるフューエルカット制御及びフューエルカットリカバー制御を併せて実行したときを第2の形態として説明する。
本形態では、エンジントルクTeは、アイドルスイッチSw(a)がONされてから一定の時間t2が経過するまで、第1設定値P1よりも大きくなるように制御される。具体例としては、図4に示すように、エンジントルクTeが、第1設定値P1にヒステリシス値hを加算した値T1(=P1+h)になるようにエンジン1を制御する。エンジントルクT1としては、実際のロックアップ容量PLに当該ロックアップ容量PLのヒステリシス圧hを持たせた値が挙げられる。
なお、エンジントルクTeを上昇させておく時間t2は、予め設定した時間とすることも、変速機コントローラ9bからのロックアップ容量PLの情報に応じて決定することもできる。
このように、足離しによるロックアップ解除制御に連動して、エンジン1に対する協調制御を行えば、フューエルカット制御(燃料噴射制御)がアクセルペダル10からの足離しによって実行されることでエンジントルクTeが急激に低下するようなときも、その低下を抑えることができる。このため、エンジン1に対する協調制御を併せて行えば、アクセルペダル10からの足離しによってロックアップクラッチ8の入力側負荷が減少しても、エンジン1に対する協調制御を併せて行うことなく、アクセルペダル10からの足離しによって単純に減少する場合に比べてその減少が抑えられる。
即ち、足離しによるロックアップ解除制御に連動して、アクセルペダル10からの足離しから一定の時間t2が経過するまで、エンジントルクTeが第1設定値P1よりも大きくなるように、当該エンジントルクTeを制御すれば、ロックアップクラッチ8の入出力間での滑りが生じ易くなることで、ロックアップクラッチ8に対する制御性が向上することから、ショックの発生防止に有効である。
ここで、図5に示す本形態に係るタイムチャートを参照すると、本形態の制御装置では、容量指令値PL(c)に対しては第1の形態と同様の制御を実行しているが、同図の領域Y2に示すように、エンジン1に対する協調制御は実行していない。このため、第1の形態では、エンジントルクTeが比較的急激に減少するのに対し、本形態では、エンジントルクTeの減少が所定時間t2まで生じていない。
即ち、実際のロックアップクラッチ8も、同図の領域Y2に示すように、エンジントルクTeの変化に伴う軌跡(図中の点線)とロックアップ締結トルクTLCの変化に伴う軌跡(図中の一点鎖線)とが、第1の形態(図4の領域X2参照)に比べて、より離間していることからも明らかなように、そのロックアップの進行をより確実に中止できている。
なお、図4〜6の符号Gは、車両前進時の加速度である。また、符号TLC及び符号TTCはそれぞれ、トルクコンバータ2の伝達トルク及びロックアップ容量トルクであり、その加算値を破線で示す。
更に、上記の各形態では、エンジンコントローラ9a及び変速機コントローラ9bがそれぞれ、ロックアップクラッチ制御手段及びエンジントルク制御手段に相当する。なお、本形態では、エンジンコントローラ9a及び変速機コントローラ9bは別体として設けたが、1つのコントローラとすることも可能である。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
2a ポンプインペラ
2b タービンランナ
3 自動変速機
4 コントロールバルブユニット
4a シフトソレノイド
4b シフトソレノイド
4c ロックアップソレノイド
5 変速機出力軸
6 ディファレンシャルギア機構
7 車輪
8 ロックアップクラッチ
9a エンジンコントローラ
9b 変速機コントローラ
10 アクセルペダル
11 スロットルバルブ
12 エアクリーナ
13 インジェクタ
14 点火装置
w(a) アイドルスイッチ
w(b) インヒビタスイッチ
Th スロットル開度センサ
i インペラ回転センサ
t タービン回転センサ
o 変速機出力回転センサ

Claims (2)

  1. エンジンと駆動輪との間の動力伝達系に配置され、容量の増加により締結がなされる一方、当該容量の減少により解放がなされるロックアップクラッチと、アクセルペダルからの足離しに応じてロックアップクラッチの容量を減少させるように制御するロックアップクラッチ制御手段とを有し、
    当該ロックアップクラッチ制御手段は、足離し後のロックアップクラッチの動作経過を推定し、ロックアップクラッチがこのまま動作するとショックが生じると推定されるとき、アクセルペダルからの足離しによって前記容量を、予め設定した第1設定値まで低下させると共に、当該第1設定値に低下させた状態を所定時間まで保持するように指令制御し、更に、当該所定時間の経過後は、ロックアップクラッチの容量を、第1設定値よりも大きく且つ足離し時の前記容量よりも小さな第2設定値まで上昇させるように指令制御し、その後は、前記容量を徐々に低下させるように指令制御するものである、車両のロックアップクラッチの制御装置。
  2. 請求項1において、ロックアップクラッチ制御手段と連動して、アクセルペダルからの足離しから所定の時間中のエンジントルクが第1設定値よりも大きくなるように、当該エンジントルクを指令制御するエンジントルク制御手段を有する、車両のロックアップクラッチの制御装置。
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