JP2000205439A - 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置 - Google Patents

油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置

Info

Publication number
JP2000205439A
JP2000205439A JP11005675A JP567599A JP2000205439A JP 2000205439 A JP2000205439 A JP 2000205439A JP 11005675 A JP11005675 A JP 11005675A JP 567599 A JP567599 A JP 567599A JP 2000205439 A JP2000205439 A JP 2000205439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
transient
drive signal
hydraulic
solenoid valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11005675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3598860B2 (ja
Inventor
Ryoji Hanebuchi
良司 羽渕
Masafumi Kinoshita
雅文 木下
Tatsuya Ozeki
竜哉 尾関
Yoshikazu Tanaka
義和 田中
Toshinari Suzuki
俊成 鈴木
Katsumi Kono
克己 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP567599A priority Critical patent/JP3598860B2/ja
Publication of JP2000205439A publication Critical patent/JP2000205439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3598860B2 publication Critical patent/JP3598860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニヤソレノイド弁をそれから出力される油
圧信号が振動しないように駆動する油圧制御回路用リニ
ヤソレノイド弁の駆動装置を提供する。 【解決手段】 駆動信号変化判定手段146により駆動
信号SDがそれまでの第1の値SD1 から第2の値SD
2 へ変化させることが判定された場合には、駆動信号過
渡制御手段148により、第1の値SD1 から第2の値
SD2 へ到達する間において、その第2の値SD2 に対
する差が一定値ΔSDTRとなるように予め定められた過
渡値SDTRを経てから第2の値SD2 へ向かうように駆
動信号SDが変化させられることから、過渡値SDTR
第2の値SD2 との差が一定となるので、過渡値SDTR
と第2の値SD2 との差が大きいことに起因する油圧信
号の振動(脈動)が好適に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧制御回路に用
いられるリニヤソレノイド弁の制御装置に関し、特に、
そのリニヤソレノイド弁の駆動信号の変化に関連してそ
れから出力される油圧信号が振動することを防止する技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用自動変速機を制御するためなどの
油圧制御回路では、電子制御装置からの駆動信号に従っ
て連続的に変化する油圧信号を出力するリニヤソレノイ
ド弁が用いられる。このようなリニヤソレノイド弁は、
通常、電気的な駆動信号が供給される電磁ソレノイド
と、その電磁ソレノイドが励磁されることにより発生す
る磁力に基づいてスプリングの付勢力などに抗して駆動
される弁子とを備え、その駆動信号に応じて大きさが連
続的に変化させられる油圧信号を油圧制御回路へ出力す
るように構成されている。
【0003】ところで、上記のようなリニヤソレノイド
弁を駆動するための駆動信号が変化させられるに際し
て、弁子がその移動ストローク端に張りついている状態
から変化させられるときと、その移動ストロークの中間
から変化させられるときとでは応答性に比較的大きなば
らつきが発生するという問題があった。
【0004】これに対し、リニヤソレノイド弁を駆動す
るための駆動信号がそれまでの第1の値から第2の値に
変化させられるに際して、その第1の値から一定の中間
値を経て第2の値へ変化させることが提案されている。
これによれば、弁子は上記中間値に対応する移動ストロ
ーク中の位置を経てから第2の値に対応する値へ変化さ
せられるので、応答性のばらつきが好適に抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
リニヤソレノイド弁の制御装置によれば、駆動信号が第
1の値から第2の値に変化させられる過程で一旦保持さ
れる中間値は、第2の値とは関連なく設定されるため、
中間値と第2の値との差が大きい場合にはリニヤソレノ
イド弁から出力される油圧信号に振動(脈動)が発生す
る場合があるという不都合があった。特に、上記リニヤ
ソレノイド弁の弁子が、それから出力される油圧信号か
ら導かれるフィードバック圧に基づいてその油圧信号を
安定させる方向の推力を受けるように構成された場合
に、上記の不都合が顕著である。
【0006】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、リニヤソレノイ
ド弁をそれから出力される油圧信号が振動しないように
駆動する油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の駆動装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、電気的な駆動信号が
供給される電磁ソレノイドと、その電磁ソレノイドが励
磁されることにより発生する磁力に基づいて駆動される
弁子とを備え、その駆動信号に応じて大きさが連続的に
変化させられる油圧信号を油圧制御回路へ出力する油圧
制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置であって、
(a) 前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させら
れることを判定する駆動信号変化判定手段と、(b) その
駆動信号変化判定手段により前記駆動信号が第1の値か
ら第2の値へ変化させることが判定された場合には、第
1の値から第2の値へ到達する間において、その第2の
値に対する差が一定値となるように予め定められた過渡
値を経てからその第2の値へ向かうように前記駆動信号
を変化させる駆動信号過渡制御手段とを、含むことにあ
る。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、駆動信号変化判定手
段により前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化さ
せることが判定された場合には、駆動信号過渡制御手段
により、第1の値から第2の値へ到達する間において、
その第2の値に対する差が一定値となるように予め定め
られた過渡値を経てからその第2の値へ向かうように前
記駆動信号が変化させられることから、過渡値と第2の
値との差が一定となるので、過渡値と第2の値との差が
大きいことに起因する油圧信号の振動(脈動)が好適に
防止される。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記駆動信号過
渡制御手段は、前記過渡値から前記第2の値への変化方
向が予め設定された一定の方向となるように前記駆動信
号を変化させるものである。たとえば、前記駆動信号過
渡制御手段は、前記第2の値よりも大きい側或いは低い
側においてその第2の値に対して一定の差を有する過渡
値を決定する過渡値決定手段と、駆動信号をその過渡値
に保持するための過渡値保持時間を決定する過渡値保持
時間決定手段とを含み、前記駆動信号を、その過渡値決
定手段により決定された過渡値においてその過渡値保持
時間決定手段により決定された過渡値保持時間だけ保持
させた後に前記第2の値へ変化させるものである。この
ようにすれば、駆動信号は過渡値から第2の値へ向かっ
て一定の方向で変化させられることから、リニヤソレノ
イド弁の特性のヒステリシスの影響を受けないので、リ
ニヤソレノイド弁からの出力すなわち油圧信号の精度が
好適に高められる。
【0010】また、好適には、前記リニヤソレノイド弁
は、それから出力される油圧信号を調圧する調圧作動状
態と、その油圧信号が限界値であるために調圧しない非
調圧作動状態とを有するものであり、前記駆動信号過渡
制御手段は、そのリニヤソレノド弁の調圧作動状態と非
調圧作動状態とでは、前記駆動信号を前記過渡値に保持
する過渡値保持時間幅を変更するものである。たとえ
ば、リニヤソレノイド弁がその調圧作動状態であるか否
かを判定するリニヤソレノイド弁作動状態判定手段が設
けられ、上記駆動信号過渡制御手段内の過渡値保持時間
決定手段は、そのリニヤソレノイド弁作動状態判定手段
による判定結果に基づいて前記駆動信号を過渡値に保持
する過渡値保持時間幅を変更するものである。このよう
にすれば、リニヤソレノイド弁が調圧状態であるか非作
動状態であるかに合わせて前記駆動信号が過渡値とされ
る時間幅が変更されるので、油圧信号が駆動信号の第2
の値に対応する値へ向かう過程で過渡値に対応する値へ
向かって局所的に回曲させられることが好適に防止され
る。
【0011】また、好適には、前記油圧制御回路の作動
油の温度を検出する油温センサが設けられ、前記駆動信
号過渡制御手段内の過渡値保持時間決定手段は、その油
温センサに検出された作動油の温度に基づいて、前記駆
動信号が前記過渡値に保持される過渡値保持時間幅又は
その過渡値と前記第2の値との差を補正するものであ
る。このようにすれば、油温に起因する作動油の粘度変
化に拘らず、油圧信号が滑らかに変化させられる利点が
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0013】図1には、車両のエンジン10に連結され
るトルクコンバータ12、自動変速機14、差動歯車装
置16、上記自動変速機14の変速段を制御する油圧制
御装置すなわち油圧制御回路18、その油圧制御回路1
8を制御する変速用電子制御装置20等が示されてい
る。上記エンジン10から出力された動力は、上記トル
クコンバータ12、上記自動変速機14、上記差動歯車
装置16、左右の車軸22および24等を経て図示しな
い駆動輪へ伝達される。
【0014】上記トルクコンバータ12は、上記エンジ
ン10のクランク軸26に連結されたポンプ翼車28
と、上記自動変速機14の入力軸30に連結され且つ流
体を介してポンプ翼車28から動力が伝達されるタービ
ン翼車32と、一方向クラッチ34を介して位置固定の
ハウジング36に固定された固定翼車38と、ポンプ翼
車28およびタービン翼車32を図示しないダンパを介
して直結するロックアップクラッチ40とを備えてい
る。
【0015】上記自動変速機14は、前進4速、後進1
速のギヤ段が達成される多段変速機であり、上記入力軸
30と、一組のラビニヨ式遊星歯車装置44と、そのラ
ビニヨ式遊星歯車装置44のリングギヤ46とともに回
転するリングギヤ48と、エンジン10からの駆動力を
前記差動歯車装置16へ出力し或いはそのリングギヤ4
8と差動歯車装置16との間で動力を伝達する出力軸と
して機能するカウンタ軸50とを備えている。
【0016】上記ラビニヨ式遊星歯車装置44は、1組
のシングルピニオン遊星歯車装置52と1組のダブルピ
ニオン遊星歯車装置54とが、キャリヤ56と上記リン
グギヤ46とを共用して成るものである。上記シングル
ピニオン遊星歯車装置52は、サンギヤ58と上記キャ
リヤ56に取り付けられたプラネタリギヤ60と上記リ
ングギヤ46とにより構成されている。また、上記ダブ
ルピニオン遊星歯車54は、サンギヤ62と、相互に一
体的に結合され且つ上記キャリヤ56に回転可能な状態
で取り付けられた第1ピニオンギヤ64および第2ピニ
オンギヤ66とにより構成されている。
【0017】上記シングルピニオン遊星歯車装置52お
よび上記ダブルピニオン遊星歯車装置54の構成要素の
一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つのク
ラッチC1,C2,C3によって互いに選択的に連結さ
れるようになっている。また、上記シングルピニオン遊
星歯車装置52および上記ダブルピニオン遊星歯車装置
54の構成要素の一部は、3つのブレーキB1,B2,
B3によって前記ハウジング36に選択的に連結され、
さらに、それらの構成要素の一部は2つの一方向クラッ
チF1,F2によってその回転方向により上記ハウジン
グ36と係合させられる。なお、前記トルクコンバータ
12および前記自動変速機14の上記カウンタ軸50以
外の部分は、上記入力軸30等の軸心に対して対称的に
構成されているため、図1においてはその軸心の下側を
省略して示してある。
【0018】油圧式摩擦係合装置である上記クラッチC
1,C2,C3、ブレーキB1,B2,B3は、例えば
多板式のクラッチや1本または巻付け方向が反対の2本
のバンドを備えたバンドブレーキ等にて構成され、前記
変速用電子制御装置20からの指令に従って作動する前
記油圧制御回路18によりそれ等の摩擦係合および係合
解除がそれぞれ制御されることにより、図2に示すよう
に変速比γ(=入力軸30の回転数/カウンタ軸50の
回転数)がそれぞれ異なる前進4段・後進1段の変速段
が得られる。図2の「1ST」、「2ND」、「3RD」、
「4TH」は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギ
ヤ段,第3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記
変速比γは第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従
って順次小さくなる。また、図2において、「P」、
「R」、「N」、「D」、「2」、「L」は、シフトレ
バー84の手動操作により択一的に選択されるパーキン
グ(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル
(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、セカンド(2)
レンジ、ロー(L)レンジをそれぞれ示している。上記
PレンジおよびNレンジは車両を走行させないときに選
択される非走行レンジであり、Rレンジ、Dレンジ、2
レンジ、Lレンジは車両を後進或いは前進走行させるた
めの走行レンジである。また、2レンジ、Lレンジは、
車両の駆動力を高めるだけでなくエンジンブレーキを発
生させるため、エンジンブレーキレンジでもある。
【0019】また、図2において、○印は係合或いは作
動状態を示し、×印は開放或いは非作動状態を示してい
る。たとえば、Dレンジにおける第2速ギヤ段から第3
速ギヤ段へのアップ変速は、クラッチC1の係合が維持
されつつクラッチC2が係合させられることにより実行
される。また、第4速ギヤ段と第3速ギヤ段との間の変
速は、2つの摩擦係合装置のうちの一方の開放作動と他
方の係合作動により実現される所謂クラッチツウクラッ
チ変速であって、たとえば第4速ギヤ段から第3速ギヤ
段への4→3ダウン変速は、クラッチC1の係合作動と
ブレーキB1の開放作動とがオーバラップ状態またはア
ンダーラップ状態で実行されることにより行われる。
【0020】上記油圧制御回路18は、上記自動変速機
14のギヤ段の制御等に使用される3つのソレノイド弁
SV1乃至SV3、後述のスロットル開度センサ76に
より検出されたスロットル開度TAすなわちエンジン負
荷に対応した大きさの油圧信号である制御油圧PS を発
生するリニアソレノイド弁SLT、たとえば前記ロック
アップクラッチ40の摩擦係合、その摩擦係合の解除お
よびそのスリップ量等の制御のための油圧を発生するリ
ニヤソレノイド弁SLU、および油圧制御回路18中の
作動油の油温TOIL を検出する作動油温検出装置として
機能する油温センサ88等を備えている。
【0021】前記変速用電子制御装置20は、CPU7
0、RAM72、ROM74、図示しない入出力インタ
ーフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであっ
て、それには、前記エンジン10の図示しない吸気配管
に設けられたスロットル弁の開度TAを検出するスロッ
トル開度センサ76、上記エンジン10の回転数NE
検出するエンジン回転数センサ78、前記タービン翼車
32の回転数NT すなわち入力軸30の回転数NINを検
出する入力軸回転数センサ80、前記カウンタ軸50の
回転数NC すなわち車速Vを検出するための車速センサ
82、シフトレバー84の操作位置すなわちL、S、
D、N、R、Pレンジのいずれかを検出する操作位置セ
ンサ86、油圧制御回路18内の作動油温度を検出する
油温センサ88から、スロットル開度TAを表す信号、
エンジン回転数NE (r.p.m.)を表す信号、入力軸回転数
IN(r.p.m.)を表す信号、出力軸回転数NC (r.p.m.)す
なわち車速Vを表す信号、シフトレバー84の操作位置
STを表す信号、油圧制御回路18内の作動油温度T
OIL を表す信号がそれぞれ供給される。上記変速用電子
制御装置20のCPU70は、予めROM74に記憶さ
れたプログラムに従ってRAM72を用いつつ上記入力
信号を処理し、その処理結果に基づいて、たとえば、車
両の走行状態の検出、上記電磁開閉弁SV1乃至SV
3、リニヤソレノイド弁SLTおよびSLUの制御等を
実行する。
【0022】図3は、上記油圧制御回路18の要部の構
成を概略説明する図である。図3において、元圧発生装
置すなわちライン圧発生装置90は、エンジン10によ
って回転駆動される油圧ポンプ92から圧送される作動
油の圧力をそのエンジン負荷に応じた値に調圧したライ
ン油圧PL を、各油圧式摩擦係合装置C1、C2、C
3、B1、B2、B3の元圧としてシフト弁装置94な
どへ出力する。マニアル弁96は、シフトレバー84に
対して機械的に連結されたものであり、そのシフトレバ
ー84の走行レンジ選択操作に応答して上記ライン油圧
L を切り換えることにより、選択された走行レンジに
対応した油圧、たとえばRレンジ圧、Dレンジ圧、2レ
ンジ圧、Lレンジ圧をシフト弁装置94へ出力する。ま
た、電磁開閉弁SV1およびSV2は、専らギヤ段を選
択するために前記変速用電子制御装置20によって作動
させられることにより、信号圧をシフト弁装置94へ出
力する。
【0023】上記シフト弁装置94は、マニアル弁96
からの走行レンジに対応した油圧と2つの第1電磁開閉
弁SV1および第2電磁開閉弁SV2からの油圧信号と
に基づいて変速時に切換作動させられる1−2シフト
弁、2−3シフト弁、3−4シフト弁などを備えてお
り、図2に示す作動に従って、各油圧式摩擦係合装置C
1、C2、C3、B1、B2、B3へ係合油圧を選択的
に供給する。それら油圧式摩擦係合装置C1、C2、C
3、B1、B2、B3のうち、クラッチC1、C2、C
3およびブレーキB1、B2には、それらの係合油圧す
なわち係合トルクの上昇を緩和するためのC1アキュム
レータAC1、C2アキュムレータAC2、C3アキュムレ
ータAC3、B1アキュムレータAB1、B2アキュムレー
タAB2がそれぞれ接続されている。上記C1アキュムレ
ータAC1およびB1アキュムレータA B1と、上記C2ア
キュムレータAC2、C3アキュムレータAC3、およびB
2アキュムレータAB2とには、変速用電子制御装置20
からの指令によって変化され得るライン油圧PL がその
アキュム背圧としてそれぞれ供給されており、変速過渡
期間内における各油圧式摩擦係合装置の係合油圧すなわ
ち変速過渡圧を調節する変速過渡制御のために、ライン
油圧PL が変化させられて変速フィーリングが改善され
るようになっている。
【0024】なお、上記シフト弁装置94とクラッチC
1およびC1アキュムレータAC11の間には、第3電磁
開閉弁SV3からの油圧信号およびブレーキB1の係合
圧P B1に基づいてそれらの間の流通抵抗を切り換えるこ
とにより車両状態に応じてクラッチC1の係合タイミン
グまたは解放タイミングを調節するための、オリフィス
を備えた複数の油路とそれら複数の油路を切り換える油
路切換弁とを備えたオリフィス切換弁装置98が、設け
られている。
【0025】図4は、前記油圧制御回路18のうち、前
記クラッチC1や前記ブレーキB1等に供給される作動
油の元圧であるライン油圧PL を発生させるライン圧発
生装置90を詳しく説明する図である。図4において、
エンジン10によって回転駆動されることにより油圧ポ
ンプ92は、還流した作動油をストレーナ100を介し
て吸引することによりライン圧調圧弁102へ圧送す
る。
【0026】ライン圧調圧弁102は、プランジャ11
0と、そのプランジャ110に当接した状態で軸方向の
移動可能に設けられて入力ポートbと出力ポートdとの
間を開閉するスプール弁子112と、そのスプール弁子
112をばね受板114を介して閉弁方向に付勢するス
プリング116とを備えており、その入力ポートbに供
給される前記油圧ポンプ92からの作動油の油圧を、リ
ニヤソレノイド弁SLTから上記入力ポートaに供給さ
れる制御油圧PS に基づいて、エンジン10の負荷すな
わち自動変速機14の入力トルクに対応した大きさのラ
イン油圧PL に調圧する。上記ライン圧調圧弁102の
入力ポートcには、上記入力ポートbの油圧がフィード
バック油圧として供給されている。上記スプリング11
6の付勢力をWREG 、上記スプール弁子112のランド
118の環状の受圧面の面積をA REG1、上記スプール弁
子112を出力ポートdの閉弁方向に付勢するプランジ
ャ110の受圧面の面積をAREG2とすれば、上記ライン
油圧PL は次式(1)で表される。ここで、(1)式
は、上記ライン油圧PL が上記制御油圧PS に比例して
発生させられることを示している。制御油圧PS がエン
ジン負荷、或いは自動変速機14の入力トルクNINの大
きさを表す通常の場合には、上記ライン油圧P L は、油
圧式摩擦係合装置のすべりが発生しない範囲で必要且つ
充分な値となるようなエンジン負荷、或いは自動変速機
14の入力トルクNINに対応した大きさとなる通常の調
圧値に調圧されている。
【0027】
【数1】 PL =(AREG2/AREG1)・PS +WREG /AREG1 ・・・(1)
【0028】上記リニアソレノイド弁SLTは、その入
力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁
子120と、そのスプール弁子120を開弁方向に付勢
するスプリング122とを備えている。上記入力ポート
aには、一定圧PSOL が供給され、その一定圧PSOL
変速用電子制御装置20から電磁ソレノイドSSLT へ出
力される励磁電流に対応して調圧された油圧として制御
油圧(油圧信号)PSが出力ポートbにおいて発生させ
られる。上記電磁ソレノイドSSLT の励磁電流ISLT
対応する駆動信号SDに従って上記スプール弁子120
を上記出力ポートbの閉弁方向へ付勢する付勢力を
I 、上記スプリング122の付勢力をWSL T 、スプー
ル弁子120のランド124の環状の受圧面の面積をA
SLT とすると、上記ランド124とランド126との間
のフィードバック油室128と上記出力ポートbとは油
路130によって連通させられていて、ランド124の
環状の受圧面に作用する油圧は上記制御油圧PS となっ
ているので、上記制御油圧PSの駆動信号SDすなわち
励磁電流ISLT に対する変化特性は、式(2)或いは図
5で表される。なお、図5に示す特性を厳密に表す図6
に示すように、その変化特性にはヒステリシスが形成さ
れている。また、リニアソレノイド弁SLTでは、数式
(2)から明らかなように、フィードバック油室128
内に作用された制御油圧PS に基づく推力PS ・ASLT
および電磁ソレノイドSSLT の推力FI とスプリング1
22の付勢力WSLT とが釣り合うようにすなわち数式
(2)が成立するように調圧作動が行われるので、制御
油圧PS が安定させられる反面、駆動信号SDの僅かな
変化に対する制御油圧PS の応答性が比較的低いという
特徴がある。図5の調圧作動領域では上記数式(2)が
成立するように調圧作動が行われ、図5の非調圧作動領
域では制御油圧PS がその上限値PSmax或いは下限値0
である限界値に張り着いて数式(2)を成立させる調圧
作動が行われていない。
【0029】
【数2】 PS =WSLT /ASLT −FI /ASLT ・・・(2)
【0030】図4において、減圧弁132は、入力ポー
トaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁子13
6と、そのスプール弁子136を開弁方向に付勢するス
プリング138とを備え、その入力ポートaに供給され
る上記ライン油圧PL を、上記一定圧PSOL に調圧して
その出力ポートbに発生させ、上記リニヤソレノイド弁
SLT、前記リニヤソレノイド弁SLUなどへ供給す
る。上記減圧弁132の入力ポートcには、上記出力ポ
ートbの油圧がフィードバック油圧として供給されてい
る。上記一定圧PSOL は、上記スプール弁子136の上
記入力ポートcに連通する受圧面積をAMOD 、上記スプ
リング138の付勢力をWMOD とすれば、式(3)で表
される一定圧となる。
【0031】
【数3】PSOL =WMOD /AMOD ・・・(3)
【0032】図7は、前記変速用電子制御装置20の制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7
において、変速制御手段142は、シフトレバー84の
走行レンジ選択操作に対応して予め選択された変速線図
から、車速センサ82から得られた車速Vとスロットル
開度TA、燃料噴射量F、吸入空気量Q、アクセルペダ
ル操作量などのいずれかにより表されるエンジン負荷と
に基づいて自動変速機14の変速判断を行うとともに変
速指令を出力する変速点制御と、自動変速機14の変速
期間内において変速の度合いを上記車速Vに基づいて判
定し、その変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合油
圧を過渡的に制御して変速フィーリングを改善する変速
過渡制御とを実行する。
【0033】ライン圧制御手段144は、自動変速機1
4のギヤ段に応じて予め設定された関係から実際の自動
変速機14の入力トルクTINすなわちタービントルクT
T に基づいて変速期間において係合している油圧式摩擦
係合装置にすべりを発生させない範囲で可及的に小さい
ガード圧PLGRDを決定し、そのガード圧PLGRDと同じ圧
またはそれに余裕値αを加えた圧(PLGRD+α)と同じ
大きさのライン圧PLをライン圧調圧弁102から出力
させるように、前記リニヤソレノイド弁SLTに対して
駆動信号SDを供給する。
【0034】駆動信号変化判定手段146は、上記ライ
ン圧制御手段144から供給された駆動信号SDが変化
したか否かを判定する。駆動信号過渡制御手段148
は、駆動信号変化判定手段146により駆動信号SDが
変化したと判定された場合には、それまでの第1の値S
1 から変化後の目標値である第2の値SD2 への変化
期間において、図8に示すように、その第2の値SD2
に対する差(振幅値)ΔSDTRが一定値となるように予
め定められた過渡値SDTRの所定の保持時間TTRだけ保
持させることを経てからその第2の値SD2 へ向かうよ
うに駆動信号SDを変化させる。すなわち、上記駆動信
号変化判定手段146は、上記第2の値SD2 よりも大
きい側或いは低い側においてその第2の値SD2 に対し
て一定の差ΔSDTRを有する過渡値SDTRを決定する過
渡値決定手段150と、駆動信号SDを一旦その過渡値
SDTRに保持するための過渡値保持時間TTRを予め設定
された一定値、或いはリニヤソレノイド弁SLTの作動
状態に関連した値に決定する過渡値保持時間決定手段1
52とを含み、駆動信号SDを、それまでの第1の値S
1 から過渡値決定手段150により決定された過渡値
SDTRにおいて過渡値保持時間決定手段152により決
定された過渡値保持時間TTRだけ保持させた後に、変化
後の目標値である第2の値SD2 へ変化させる。
【0035】ここで、上記第2の値SD2 と過渡値SD
TRとの差ΔSDTRが過大であると、図8の1点鎖線に示
すように、過渡値保持時間TTR経過後の駆動信号SDが
振動し、上記差ΔSDTRが過少であると、図8の1点鎖
線に示すように、過渡値保持時間TTR経過後の駆動信号
SDが収束するまでの時間が長くなって応答性が低下す
る。上記第2の値SD2 と過渡値SDTRとの差ΔSDTR
は、上記駆動信号SDの振動が発生しない範囲でその応
答性が得られるように予め実験的に求められた一定値で
ある。
【0036】リニヤソレノイド弁作動状態判定手段15
4は、リニヤソレノイド弁SLTの作動状態がたとえば
図5に示す調圧作動領域であるか否かを、そのリニヤソ
レノイド弁SLTに供給される駆動信号SDの変化前の
大きさすなわち第1の値SD 1 の大きさ、或いはそのリ
ニヤソレノイド弁SLTから出力される制御油圧PS
大きさに基づいて判断する。前記過渡値保持時間決定手
段152は、上記リニヤソレノイド弁作動状態判定手段
154によりリニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態
であると判定された場合には、調圧作動状態であると判
定されない場合に比較して短い過渡値保持時間TTRを決
定してそれに変更する。たとえば、リニヤソレノイド弁
SLTの調圧作動状態における過渡値保持時間TTRの値
がβに決定されるとすると、リニヤソレノイド弁SLT
の調圧作動状態における過渡値保持時間TTRの値がα
(>β)に決定される。この過渡値保持時間TTRが大き
すぎると、図8の破線に示すように、制御圧PS が変化
後の第2の値SD2 とは反対側へ一旦変化してから回曲
する現象が発生し、小さすぎると、駆動信号SDを一旦
過渡値SDTRとする効果が得られ難くなる。上記α或い
はβは、それらが両立するように予め実験的に求められ
たものである。
【0037】また、上記過渡値保持時間決定手段152
は、たとえば図9に示す予め記憶された関係から油温セ
ンサ88により検出された実際の作動油の温度TOIL
基づいて油温補正係数KOIL を決定し、その油温補正係
数KOIL を上記過渡値保持時間TTRに乗算することによ
り、油温TOIL が高くなるほど小さくなるように過渡値
保持時間TTRを補正する。
【0038】以下、変速用電子制御装置20の制御作動
の要部を図10、図11および図12を用いて説明す
る。図10は、リニヤソレノイド弁の駆動信号過渡制御
ルーチンを示し、図11は過渡値保持時間決定ルーチン
を示し、図12は油温補正ルーチンを示している。
【0039】図10において、前記駆動信号判定手段1
46に対応するSA1では、リニヤソレノイド弁SLT
に対してライン圧調圧主案144から供給される駆動信
号SDの変化指令があったか否か判断される。このSA
1の判断が否定された場合は本ルーチンが終了させられ
るが、肯定された場合は、前記駆動信号過渡制御手段1
48に対応するSA2以下が実行される。図8或いは図
13のt0 時点はこの状態を示す。
【0040】次いで、SA2では、それまでの駆動信号
SDの大きさである第1の値SD1が変化後の第2の値
SD2 よりも大きいか否かが判断される。このSA2の
判断が肯定される場合は、駆動信号の変化指令がたとえ
ば図13の上段に示す状態であり、前記過渡値保持時間
決定手段152に対応するSA5において、たとえば図
11に示す過渡値保持時間決定ルーチンが実行されるこ
とにより過渡値保持時間TTRが決定され、図12に示す
油温補正ルーチンが実行されることにより、その過渡値
保持時間決定ルーチンにより決定された過渡値保持時間
TRが油温TOI L に基づいて補正される。
【0041】図11のSB1では、駆動信号SDのそれ
までの変化前の値である第1の値SD1 又はリニヤソレ
ノイド弁SLTからの出力である制御圧PS が読み込ま
れる。続くSB2では、リニヤソレノイド弁SLTが調
圧作動状態であるか否かすなわち図5の調圧作動領域内
であるか否かが、上記第1の値SD1 又は制御圧PS
基づいて判断される。上記SB2の判断が肯定された場
合は、リニヤソレノイド弁SLTの調圧作動状態である
ので、SB3において相対的に小さい値βが過渡値保持
時間TTRとして採用されるが、上記SB2の判断が否定
された場合は、リニヤソレノイド弁SLTの非調圧作動
状態であるので、SB4において相対的に小さい値αが
過渡値保持時間TTRとして採用される。
【0042】図12のSC1では、油温センサ88によ
り検出された油圧制御回路18の作動油の温度TOIL
読み込まれ、SC2では、たとえば図9に示す予め記憶
された関係から実際の油温TOIL に基づいて油温補正係
数KOIL が決定され、SC3では、上記過渡値保持時間
決定ルーチンにおいて決定された過渡値保持時間TTR
その油温補正係数KOIL が乗算されることによりその過
渡値保持時間TTRが補正される。
【0043】図10に戻って、SA6では、駆動信号S
Dの変化指令が出されてから或いは過渡値SDTRが駆動
信号SDとして出力されてからの経過時間tが、上記S
A5において設定された過渡値保持時間TTRよりも小さ
いか否かが判断される。当初はSA6の判断が肯定され
るので、前記過渡値決定手段150に対応するSA7に
おいて、駆動信号SDの内容が変化後の第2の値SD2
から一定の差ΔSDTRを差し引いた値(SD2 −ΔSD
TR)すなわち過渡値SDTRとされる。そして、SA9に
おいて過渡値SDTRとされた駆動信号SDが出力され
る。図13のt2時点がこの状態を示す。
【0044】以上のステップが繰り返し実行されるう
ち、経過時間tが過渡値保持時間TTRに到達して上記S
A6の判断が否定されると、SA8において、駆動信号
SDの内容が変化後の第2の値SD2 とされ、SA9に
おいてそれが出力される。図13のt3 時点がこの状態
を示す。これにより、図13の下段に示す制御圧PS
応答性良くしかも振動を発生せず変化させられる。
【0045】しかし、変化前の駆動信号SDの大きさで
ある第1の値SD1 が変化後の第2の値SD2 よりも大
きくない場合はSA2の判断が否定されるので、SA3
において、変化前の駆動信号SDの大きさである第1の
値SD1 が変化後の第2の値SD2 よりも小さいか否か
が判断される。通常、このSA3の判断が肯定されるの
で、SA4において、第1の値SD1 と第2の値SD2
との差(SD2 −SD 1 )が予め設定された差ΔSDTR
よりも小さいか否かが判断される。このSA4の判断が
肯定される場合は、図8の上段に示す状態である。次い
で、前述のように、SA5乃至SA9が実行されること
により駆動信号SDが変化させられ、図8の下段に示す
ように制御圧PS が応答性良くしかも振動を発生せず変
化させられる。
【0046】上記SA4の判断が否定された場合は、た
とえば図14の上段に示す状態であるので、経過時間t
が過渡値保持時間TTRに到達した後は、SA8において
駆動信号SDの内容が変化後の第2の値SD2 とされ、
SA9においてそれが出力されることにより、図14の
下段に示す制御圧PS が出力される。
【0047】上述のように、本実施例によれば、駆動信
号変化判定手段146(SA1)により駆動信号SDが
それまでの第1の値SD1 から第2の値SD2 へ変化さ
せることが判定された場合には、駆動信号過渡制御手段
148(SA2乃至SA9)により、第1の値SD1
ら第2の値SD2 へ到達する間において、その第2の値
SD2 に対する差が一定値ΔSDTRとなるように予め定
められた過渡値SDTRを経てから第2の値SD2 へ向か
うように駆動信号SDが変化させられることから、過渡
値SDTRと第2の値SD2 との差が一定となるので、過
渡値SDTRと第2の値SD2 との差が大きいことに起因
する油圧信号の振動(脈動)が好適に防止される。
【0048】また、本実施例によれば、駆動信号過渡制
御手段148は、過渡値SDTRから第2の値SD2 への
変化方向が予め設定された一定の方向となるように駆動
信号SDを変化させるものである。すなわち、前記駆動
信号過渡制御手段148は、第2の値よりも低い側にお
いてその第2の値SD2 に対して一定の差ΔSDTRを有
する過渡値SDTRを決定する過渡値決定手段150(S
A7)と、駆動信号SDをその過渡値SDTRに保持する
ための過渡値保持時間TTRを決定する過渡値保持時間決
定手段152(SA5)とを含み、駆動信号SDを、そ
の過渡値決定手段150により決定された過渡値SDTR
において過渡値保持時間決定手段152により決定され
た過渡値保持時間TTRだけ保持させた後に第2の値SD
2 へ変化させるものである。このため、駆動信号SDは
過渡値SDTRから第2の値SD2へ向かって一定の方向
で変化させられることから、リニヤソレノイド弁SLT
の弁特性のヒステリシスの影響を受けないので、リニヤ
ソレノイド弁からの出力すなわち油圧信号PS の精度が
好適に高められる。
【0049】また、本実施例によれば、リニヤソレノイ
ド弁SLTは、それから出力される油圧信号PS を調圧
する調圧作動状態と、その油圧信号PS が限界値である
ために調圧しない非調圧作動状態とを有するものであ
り、駆動信号過渡制御手段148は、そのリニヤソレノ
ド弁SLTの調圧作動状態と非調圧作動状態とでは、駆
動信号SDを過渡値SDTRに保持する過渡値保持時間幅
TRを変更するものである。すなわち、リニヤソレノイ
ド弁SLTがその調圧作動状態であるか否かを判定する
リニヤソレノイド弁作動状態判定手段154が設けら
れ、上記駆動信号過渡制御手段148内の過渡値保持時
間決定手段152は、そのリニヤソレノイド弁作動状態
判定手段154による判定結果に基づいて上記過渡値保
持時間幅TTRを変更するものであることから、リニヤソ
レノイド弁SLTが調圧状態であるか非作動状態である
かに合わせて駆動信号SDが過渡値SDTRとされる過渡
値保持時間幅TTRが変更されるので、油圧信号PS が駆
動信号SDの第2の値SD2 に対応する値へ向かう過程
で過渡値SDTRに対応する値へ向かって局所的に回曲さ
せられることが好適に防止される。
【0050】また、本実施例によれば、油圧制御回路1
8の作動油の温度を検出する油温センサ88が設けら
れ、上記過渡値保持時間決定手段152は、その油温セ
ンサ88に検出された作動油の温度TOIL に基づいて、
駆動信号SDが過渡値SDTRに保持される過渡値保持時
間幅TTRを補正するものであるので、温度TOIL に起因
する作動油の粘度変化に拘らず、油圧信号PS が滑らか
に変化させられる利点がある。
【0051】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
得るものである。
【0052】たとえば、前述の実施例の駆動信号過渡制
御においては、過渡値SDTRが変化後の第2の値SD2
よりも常に差ΔSDTRだけ低く設定されてその過渡値S
TRから第2の値SD2 への変化が必ず増加方向とされ
ていたが、過渡値SDTRが変化後の第2の値SD2 より
も常に差ΔSDTRだけ高く設定されてその過渡値SD TR
から第2の値SD2 への変化が必ず減少方向とされてい
ても差し支えない。要するに、過渡値SDTRが変化後の
第2の値SD2 への変化方向は一定であればよいのであ
る。
【0053】また、前述の実施例の駆動信号過渡制御手
段148は、過渡値SDTRから第2の値SD2 への変化
方向が予め設定された一定の方向となるように駆動信号
SDを変化させるものであったが、必ずしも一定の方向
でなくても、リニヤソレノイド弁SLTの応答性を高め
る上では一応の効果が得られる。要するに、第2の値S
2 に対する差が一定値ΔSDTRとなるように予め定め
られた過渡値SDTRを経てからその第2の値SD2 へ向
かうように駆動信号SDを変化させればよいのである。
【0054】また、前述の実施例のリニヤソレノイド弁
SLTは、駆動信号SDの増加に伴ってそれから出力さ
れる制御圧(油圧信号)PS が減少する特性を備えてい
たが、反対に、駆動信号SDの増加に伴ってそれから出
力される制御圧(油圧信号)PS も増加する特性を備え
ていてもよい。
【0055】また、前述の実施例の過渡値保持時間決定
手段152では、予め記憶された関係から実際のリニヤ
ソレノイド弁SLTの作動状態および油温TOIL に基づ
いて、駆動信号SDが過渡値SDTRに保持される過渡値
保持時間TTRが直接決定されてもよい。
【0056】また、前述の実施例の過渡値保持時間決定
手段152は、駆動信号SDが過渡値SDTRに保持され
る過渡値保持時間幅TTRを油温TOIL に基づいて補正す
る機能を備えたものであったが、必ずしもそのような油
温補正機能を備えていなくてもよい。
【0057】また、前述の実施例の過渡値保持時間決定
手段152は、リニヤソレノイド弁SLTの作動状態に
応じて過渡値保持時間幅TTRを変更する機能を備えたも
のであったが、必ずしもそのような過渡値保持時間幅T
TRの変更機能を備えていなくてもよく、過渡値保持時間
幅TTRは一定値であっても一応の効果が得られるのであ
る。
【0058】また、前述の実施例の油圧制御回路18
は、車両用自動変速機14の変速ギヤ段を制御するため
のものであったが、他の機械を制御するためのものであ
っても差し支えない。
【0059】また、前述の実施例において、リニヤソレ
ノイド弁SLTを駆動するための駆動信号SDは、直流
電流信号だけではなく、デューティ比或いは平均電流が
制御される鋸歯波或いは矩形波などのパルス信号であっ
てもよい。
【0060】また、前述の実施例において、駆動信号過
渡制御手段148は、リニヤソレノイド弁SLTの調圧
作動状態と非調圧作動状態とでは、駆動信号SDを過渡
値SDTRとする時間幅を変更するものであったが、その
過渡値SDTRと第2の値SD 2 に対する差(振幅値)Δ
SDTRを変更するものであっても差し支えない。このよ
うにしても、同様の効果が得られる。
【0061】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を含む車両用動力
伝達装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機において、それに備えられた
摩擦係合装置の作動の組み合わせにより達成される変速
段を説明する図である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御装置の要
部構成を概略説明するブロック図である。
【図4】図3のライン圧発生装置の油圧回路構成を具体
的に説明する油圧回路図である。
【図5】図4のリニヤソレノイド弁の駆動信号と出力圧
との関係を示す特性図である。
【図6】図5の特性図におけるヒステリシスを説明する
図である。
【図7】図1の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図8】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレノ
イド弁への駆動信号過渡制御の作動を説明するタイムチ
ャートであって、変化前の値(第1の値)が変化後の値
(第2の値)よりも小さい場合を示している。
【図9】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレノ
イド弁への駆動信号過渡制御において、過渡値保持時間
の油温補正に用いる油温補正係数を決定するための予め
記憶された関係を示す図である。
【図10】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートであって、駆動信号過渡制御
ルーチンを示す図である。
【図11】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートであって、過渡値保持時間決
定ルーチンを示す図である。
【図12】図1の変速用電子制御装置の制御作動の要部
を説明するフローチャートであって、過渡値保持時間を
油温に基づいて補正するための油温補正ルーチンを示す
図である。
【図13】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレ
ノイド弁への駆動信号過渡制御の作動を説明するタイム
チャートであって、変化前の値(第1の値)が変化後の
値(第2の値)よりも大きい場合を示している。
【図14】図1の変速用電子制御装置によるリニヤソレ
ノイド弁への駆動信号過渡制御の作動を説明するタイム
チャートであって、変化前の値(第1の値)が変化後の
値(第2の値)よりも小さく且つその変化前の値と変化
後の値との差が前記過渡値と変化後の値との差よりも大
きい場合を示している。
【符号の説明】
18:油圧制御回路 120:スプール弁子(弁子) 146:駆動信号変化判定手段 148:駆動信号過渡制御手段 SLT:リニヤソレノイド弁 SSLT :電磁ソレノイド PS :制御油圧(油圧信号) SD:駆動信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾関 竜哉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田中 義和 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊成 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 河野 克己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3H089 AA03 BB10 BB14 BB21 DB02 EE38 JJ12 3H106 DA02 DA23 DB02 DB12 DB23 DB32 DC09 DD05 EE20 FB43 KK17 3J052 AA02 CA31 FB02 FB31 HA02 LA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的な駆動信号が供給される電磁ソレ
    ノイドと、該電磁ソレノイドが励磁されることにより発
    生する磁力に基づいて駆動される弁子とを備え、該駆動
    信号に応じて大きさが連続的に変化させられる油圧信号
    を油圧制御回路へ出力する油圧制御回路用リニヤソレノ
    イド弁の制御装置であって、 前記駆動信号が第1の値から第2の値へ変化させられる
    ことを判定する駆動信号変化判定手段と、 該駆動信号変化判定手段により前記駆動信号が第1の値
    から第2の値へ変化させることが判定された場合には、
    該第1の値から第2の値へ到達する間において、該第2
    の値に対する差が一定値となるように予め定められた過
    渡値を経てから該第2の値へ向かうように前記駆動信号
    を変化させる駆動信号過渡制御手段とを、含むことを特
    徴とする油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号過渡制御手段は、前記過渡
    値から前記第2の値への変化方向が予め設定された一定
    の方向となるように前記駆動信号を変化させるものであ
    る請求項1の油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記リニヤソレノイド弁は、それから出
    力される油圧信号を調圧する調圧作動状態と該油圧信号
    が限界値であるために調圧しない非調圧作動状態とを有
    するものであり、 前記駆動信号過渡制御手段は、該リニヤソレノイド弁の
    調圧作動状態と非調圧作動状態とでは、前記駆動信号を
    前記過渡値とする時間幅又は該過渡値と前記第2の値と
    の差を変更するものである請求項1または2の油圧制御
    回路用リニヤソレノイド弁の制御装置。
JP567599A 1999-01-12 1999-01-12 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置 Expired - Lifetime JP3598860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP567599A JP3598860B2 (ja) 1999-01-12 1999-01-12 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP567599A JP3598860B2 (ja) 1999-01-12 1999-01-12 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000205439A true JP2000205439A (ja) 2000-07-25
JP3598860B2 JP3598860B2 (ja) 2004-12-08

Family

ID=11617686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP567599A Expired - Lifetime JP3598860B2 (ja) 1999-01-12 1999-01-12 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3598860B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002246228A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Max Co Ltd ソレノイドアクチュエータの制御方法
JP2008011596A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Honda Motor Co Ltd モータの制御装置
JP2011033059A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Honda Motor Co Ltd 自動変速機の油圧制御装置
JP2011066177A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用リニアソレノイドの制御装置
JP2011208754A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Jatco Ltd 自動変速機の制御装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002246228A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Max Co Ltd ソレノイドアクチュエータの制御方法
JP4714999B2 (ja) * 2001-02-19 2011-07-06 マックス株式会社 ソレノイドアクチュエータの制御方法
JP2008011596A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Honda Motor Co Ltd モータの制御装置
JP4757722B2 (ja) * 2006-06-27 2011-08-24 本田技研工業株式会社 モータの制御装置
JP2011033059A (ja) * 2009-07-29 2011-02-17 Honda Motor Co Ltd 自動変速機の油圧制御装置
CN101988573A (zh) * 2009-07-29 2011-03-23 本田技研工业株式会社 自动变速器的液压控制装置
JP2011066177A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Hitachi Automotive Systems Ltd 車両用リニアソレノイドの制御装置
JP2011208754A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Jatco Ltd 自動変速機の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3598860B2 (ja) 2004-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3915714B2 (ja) 変速機の制御装置
JP4655434B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
JP3846438B2 (ja) 車両用摩擦係合装置の制御装置
US5827153A (en) Apparatus for reducing pressure of frictional coupling device of vehicle automatic transmission upon shifting to non-drive position
JP2004293744A (ja) 車両用直結クラッチの制御装置
JP2003182408A (ja) 自動変速機の制御装置
JP3598860B2 (ja) 油圧制御回路用リニヤソレノイド弁の制御装置
JP3860926B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3873905B2 (ja) 変速機の制御装置
US6361472B1 (en) Controller for an automatic transmission
JP3531513B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3865962B2 (ja) 車両用自動変速機の油圧制御装置
JP3617360B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP4072915B2 (ja) 自動変速機用油圧制御装置
JP3528650B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3435618B2 (ja) 無段自動変速機の変速制御装置
JP3873906B2 (ja) 変速機の制御装置
JP2576715B2 (ja) 車両用直結クラッチ付流体式伝動装置のスリップ制御装置
JP3536700B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3536701B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPS6235151A (ja) 自動変速機のライン圧制御装置
JP4134754B2 (ja) 変速機の制御装置
JP3557935B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JPH0532869U (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP3514148B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040906

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070924

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8