JP3597741B2 - 溶融塩電解用処理装置および電解処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融塩電解用処理装置および電解処理方法に関し、とくに、使用済み核燃料の溶融塩電解用処理装置および電解処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉等での使用済み核燃料(以下、単に使用済み燃料)を溶融塩中で電解処理する方法は、乾式再処理法として知られており、たとえば、「原子力工業」第40巻、第10号、(1994)p.31〜39には、使用済み燃料を塩化物の溶融塩中で溶融し、電気化学反応を利用して、使用済み燃料からウランやプルトニウムを、酸化物の形態で陰極析出物(UO2 )や沈殿物(PuO2 )として分離し回収する方法が開示されている。
【0003】
さらに、特開平11−64577号公報では、たとえば耐火物を内張した電気炉を用い、使用済み燃料を塩化物などの溶融塩中で電解再処理する方法が開示されている。内張した耐火物の内表面に金属酸化物をプラズマ溶射して、耐火物の寿命を向上させたり、また、溶融塩中に浸漬した電極を回転させながら電解することにより、電解析出効率を向上させることなどが提案されている。
【0004】
しかし、特開平11−64577号公報による方法では、使用済み燃料の処理回数が増加するに伴って、耐火物が溶融塩や腐食性ガスなどによって損耗するので、耐火物の寿命が短くなる。また、廃棄するこれらの耐火物は、放射性物質に汚染された2次廃棄物となる。さらに、電解析出効率を向上させるために電極を回転させるなどによって、装置が複雑になったり、また電解析出効率が低いという問題がある。
【0005】
ところで、使用済み燃料を溶融塩中で電解処理する方法ではないが、特開平5−157897号公報では、硝酸塩の形態の放射性廃棄物を溶融処理することによって、白金属元素を分離回収する方法が提案されている。内部が水冷却されたるつぼを用い、るつぼの外周部に備えた通電コイルを作動させて、硝酸塩を溶融させ、かつ電磁ピンチ力により白金属元素を溶融物の中心部に集積させて分離する方法である。
【0006】
この方法で提案されている内部が水冷却されたるつぼを用いることにより、従来の使用済み燃料を溶融塩中で電解処理する際の、耐火物の寿命の問題や2次廃棄物の増加の問題を解決できる可能性のあることが期待される。しかし、この方法で開示された範囲の技術だけでは、使用済み燃料からウランやプルトニウムを、酸化物の形態で陰極析出物(UO2 )や沈殿物(PuO2 )として分離し回収することは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶融塩電解用処理装置および電解処理方法、とくに、使用済み燃料を乾式再処理する際に、耐火物などの2次放射性廃棄物が発生することを抑制でき、酸化物または金属の形態で使用済み燃料を効率的に分離回収できる溶融塩電解用処理装置およびその装置を用いた電解処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)に示す溶融塩電解用処理装置、および下記(2)と(3)に示すその装置を用いた溶融塩中での電解処理方法にある。
【0009】
(1)水冷可能で複数のスリットによって複数のセグメントに分割された炉壁部を有するるつぼと、炉壁部の外周部に配置された通電コイルと、通電コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、るつぼ内部に装入された導電性の少なくとも1本の電極と、電極同士の間または電極とるつぼ壁との間に溶融塩浴を介して直流電流を流す電源とを有する溶融塩電解用処理装置。
【0010】
(2)上記(1)1に記載の溶融塩電解用処理装置を用いる電解処理方法であって、るつぼ内に塩を装入し、少なくとも1本の導電性の電極をるつぼと非接触にるつぼ内に装入し、通電コイルに高周波電流を通電して塩を溶融し、電極同士の間または電極とるつぼ壁との間に溶融塩浴を介して直流電流を流して、電解処理物を電解処理する溶融塩中での電解処理方法。
【0011】
(3)上記(2)に記載の溶融塩中での電解処理方法であって、通電コイルに高周波電流を通電するとともに、塩素ガスを溶融塩中に吹き込む溶融塩中での電解処理方法。
【0012】
本発明が対象とする溶融塩は、Na、K、Liなどのアルカリ金属の塩化物を主成分とする塩を溶融したもので、溶融温度は650〜800℃である。また、臭化物、フッ化物、硝酸塩等の溶融状態で導電性のものでもよい。
【0013】
本発明者らは、前述の本発明の課題を、次の▲1▼〜▲3▼によって解決した。
【0014】
▲1▼本発明の装置は、るつぼが、たとえば銅や銅合金製で、炉壁部が複数のスリットによって内部水冷却が可能な複数のセグメントに分割されており、炉壁部の外周部に通電コイルを備える。一般的にコールドクルーシブルと呼ばれている装置である。
【0015】
このようなスリットを有する装置を用いるので、通電コイルに高周波電流を通流することによって、るつぼの内表面やるつぼ内に装入した塩化物やその他の導電性材料の表面近くに誘導電流が発生し、塩化物やその他の導電性材料が加熱され、高周波電流の条件によっては、塩化物が溶解し溶融塩となる。その溶融塩中で電解処理物を溶融し、溶融塩中に装入した電極を用いて電解反応を起こさせる。すなわち、高周波電流によって発生する高周波交流磁場の中で、直流電流による電解処理を行う。
【0016】
るつぼ内の塩化物の溶融塩中に、金属(Ag、CuおよびNi)の塩化物を添加し、黒鉛製の電極の間に直流の電位場を与える実験を行った。それによって、電極間の電位差1V未満の条件で、陰極の表面に平滑かつ緻密な析出物を生成させた。電解処理後、電極を引上げ、析出物を回収して調査したところ、金属添加量の90質量%以上が析出して回収できたことが分かった。
【0017】
高周波交流磁場の中で電解用直流電場を作用させると、高周波交番磁場と直流電場との相互作用により、溶融塩にローレンツ力が働く。しかし、電解用直流電場が一定の向きであるのに対し、高周波交流磁場は、磁界の発振周期毎に磁界の向きが反転し、かつ、その周期は非常に短い。したがって、溶融塩がローレンツ力に追従できないので、高周波交流磁場によって、直流電場による電解析出反応が大きく妨げられることはないことが分かった。
【0018】
▲2▼通電コイルに高周波電流を通電することによって塩化物を溶融させる際、高周波交流磁場により溶融塩の周辺部には渦電流が発生する。この渦電流と高周波交流磁場との相互作用によって、溶融塩の内部にローレンツ力が働き、溶融塩全体が攪拌されるようになる。つまり、溶融塩全体が電磁攪拌される。さらに、導電性物質である電極も通電コイルに通電した高周波電流によって加熱されるので、電極の温度は溶融塩よりもさらに高くなる。つまり、電極から溶融塩に向かって温度勾配が形成されるため、電極付近の溶融塩には、熱対流が生じやすくなる。これらのことから、電極周囲の溶融塩は著しく攪拌されながら、溶融塩全体が攪拌される。したがって、電解析出反応が効果的に起こるのである。
【0019】
▲3▼るつぼの内表面および溶融塩の表面近くに発生した誘導電流の電磁気的相互作用によって溶融塩にピンチ力が作用する。すなわち、溶融塩にるつぼの内表面から離れようとする力が働くので、表面近くの溶融塩とるつぼの内表面とは非接触となる。したがって、るつぼが溶融塩によって腐食されにくくなる。
【0020】
さらに、通電コイルに通電する電流値とるつぼの冷却水量などを調整することにより、るつぼの内表面と溶融塩との間に、固相の塩を形成させることができる。固相の塩をこのように形成させることにより、るつぼの内表面は溶融塩と直接接触しないので、腐食しにくくなる。したがって、るつぼの寿命が向上するので、廃棄するべきるつぼなどの2次放射性廃棄物を少なくすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融塩電解用処理装置、およびその装置を用いた溶融塩中での電解処理方法を以下に説明する。
【0022】
まず、本発明の装置を説明する。図1は、本発明の溶融塩電解用処理装置の例を示す図である。るつぼ1の外周部には、一定の間隔を設けて通電コイル2を配置する。通電コイル2に高周波電流を通電するための高周波電源3を備える。るつぼ内部には、少なくとも1本の導電性の電極をるつぼと非接触に配置する。1本の電極の場合には、電極とるつぼ壁との間に直流電流を通電し、2本以上の電極の場合には、これら電極同士の間に直流電流を通電する。また、直流電流を通電するための直流電源6を配置する。図1では、2本の電極、すなわち、陽極の電極5aおよび陰極の電極5bを配置した例を示す。
【0023】
図2は、図1に示するつぼの横断面の一部を示す図である。るつぼの炉壁部は、スリット7によって、その内部に冷却水通水路8を有する複数のセグメント9に分割されている。
【0024】
複数のセグメント9で構成された炉壁部の外周部は、たとえば4弗化エチレン樹脂などの非導電性樹脂12で被覆することによって補強を行うのがよい。これにより、各セグメント9が熱変形することを防止できる。この樹脂の厚さは、るつぼの大きさによって変えればよく、たとえば、深さ250mm、上端の内径150mm程度の大きさのるつぼの場合で、0.5〜5.0mm程度の厚さの樹脂がよい。
【0025】
るつぼは、銅や銅合金製とするのがよい。また、るつぼの内表面には、たとえば、酸化物系セラミックスの溶射被膜層10を形成させるのがよい。るつぼの形状は、図1では底部を有する円筒形状の例を示したが、横断面形状は矩形でも楕円でも構わない。また、円筒形状でなく、たとえば、るつぼ上部側が底部より大きいテーパー形状でもよく、その他の形状でも構わない。
【0026】
スリット7はるつぼの炉壁部を貫通する隙間であって、通電コイル2を配置する領域に備えるのがよい。るつぼの上端部近傍および底部近傍では、スリットはなくてもよい。スリットの隙間の幅は0.1〜1.0mm程度であればよい。スリットとスリットとの間の間隔は、10〜40mm、望ましくは15〜25mmであればよい。
【0027】
るつぼの外周部に配置される通電コイル2は、内部に冷却水通水路11を有し、水冷できる構造とする。通電コイルは、通常の銅または銅合金製の管でよい。
【0028】
溶融塩中に装入する電極は、溶融塩中で比較的安定な導電性材料がよく、Fe、Cr、Niの1種以上を含んだ金属または黒鉛を用いるのがよい。形状は、直径10〜50mm程度(るつぼ内寸の1/20〜1/4程度)の棒状のものがよい。横断面形状は、矩形でも構わない。
【0029】
次に、本発明の装置を用いた溶融塩中での電解処理方法を説明する。
【0030】
図3は、溶融塩中での電解処理方法の例を示す図である。蓋13を備えたるつぼ1内で溶融した溶融塩4中に、電解処理物16を装入する。また、陽極の電極5aと陰極の電極5bを溶融塩中に浸漬し、両電極間に直流電圧を印加し、陰極の電極側に析出物14を電解析出させる。溶融中に、通電コイル2に通電する高周波電流およびるつぼ内の冷却水量を調整し、るつぼ1の内表面側に固相の塩15を形成させる。
【0031】
本発明の方法は、電解処理物が使用済み燃料の場合に好適な方法である。溶融塩中に電解処理物16として使用済み燃料を装入し、通電コイル2に高周波電流を通電するとともに、溶融塩4中に浸漬したステンレス鋼、黒鉛、またはAl2 O3 などの酸化物系セラミックスのガス導入管17から塩素ガス18を溶融塩中に吹き込むのが望ましい。溶融塩中に塩素ガスを吹き込むことにより、酸化ウランが陽イオン化され、この陽イオン化した酸化ウランが陰極の電極に電解析出しやすくなる。
【0032】
具体的な溶融塩の形成、電解析出工程などについて、以下に簡単に説明する。るつぼ内に、常温下で固体の塩化物を、たとえば使用済み燃料とともに装入する。使用済み燃料は、塩化物が溶融した後、溶融塩中に装入してもよい。るつぼの炉壁部を構成する各セグメントおよび通電コイルに所定の流量の冷却水を通水しながら、通電コイルに高周波電流を通電する。塩化物は溶融状態での導電率は大きいので、いったん溶融後には、溶融保持が容易であるが、固体の塩化物は、導電率が著しく小さいので、溶融しにくい。そのため、溶融開始時には、るつぼ内に金属や黒鉛等の導電性材料を装入して、誘導加熱の際の熱源とするのがよい。溶融塩の温度は、通電コイルに印加する高周波交番電力により調整する。また、通電コイルに印加する高周波交番電力およびるつぼの冷却水量を調整して、るつぼの内表面に塩の固相を形成させるのがよい。
【0033】
【実施例】
使用済み燃料を溶融塩中で電解処理することを想定して、次に説明する塩化物の溶融および電解処理の試験を行った。
【0034】
(本発明例1)
図1および図2に示す構成の装置を用いて、塩化物を溶融して保持し、その後電解処理物を添加した後、電解析出を行った。その際、塩素ガスを溶融塩中には導入しなかった。電解処理後は、電極をるつぼから取り出すとともに、溶融物は吸引してるつぼの外部に取り出した。
【0035】
るつぼの内表面の腐食状況、および電解析出時の回収率を調査した。電解析出時の回収率とは、析出して回収できた金属の量を溶融塩中に添加した金属塩化物中の金属の量で除した値を%表示したものである。
【0036】
用いたるつぼは銅合金製で、その内表面には硬質Crメッキ層を形成させた。深さ250mm、上端の内径150mmの円筒形で、スリット幅0.2mm、スリット長さ(高さ方向)200mm、スリット数20本である。スリットで分割された各セグメントの内部は水冷可能な構造である。るつぼの炉壁部の外周部に設けた通電コイルは、内部が水冷可能な銅製の管であり、巻き数は6である。溶融塩の保持中には、中央部にある溶融塩中にAl2 O3 製の保護管に入れた熱電対を装入して溶融塩の温度を測定するとともに、シース熱電対の先端部をるつぼ内表面に接触させてるつぼの内表面の温度を測定した。
【0037】
塩化物は、NaCl:50質量%、KCl:50質量%で、合計5kgの塩化物を用いた。その溶融塩の融点は670℃である。
【0038】
塩化物の粉末をるつぼ内に装入し、初期の誘導加熱時の熱源として、直径30mmの円柱状の黒鉛製電極を2本、るつぼ上部より装入した。通電コイルやるつぼ壁に冷却水を通水するとともに、周波数300kHz、電力50KWの高周波電流を通電コイルに通電した。黒鉛製電極が誘導加熱されて赤熱し、その後塩が完全に溶融した後、溶融塩の温度が700℃となるように高周波交番電力を調整した。
【0039】
溶融塩の溶融状態を10分間保持し、その際のるつぼの内表面温度を測定した。溶融塩の融点より低い約250℃であった。溶融物がるつぼ内表面側で約3mmの厚さで固化しているのが確認できた。
【0040】
次に、使用済み燃料の代わりに、溶融塩中にNi、Fe、およびCrの塩化物を添加した。その際、溶融塩1kgに対して各金属の含有率がそれぞれ0.2molとなるようそれぞれの金属塩化物の添加量を調整して添加した。電解処理に際し、もっとも還元電位が低いNiを選択的に回収するために、ポテンショスタットを用いて、定電位電解を行った。
【0041】
電解用の電極には、初期の誘導加熱時の熱源に使用した円柱状の黒鉛製電極2本を用い、その1本を陰極(作用極)に、他の1本を陽極(対極)とした。また、参照極としてAg/AgClを用いた。参照極に対する陰極(作用極)の電位を−0.5V一定になるようにして、陰極(作用極)と陽極(対極)との間に溶融塩浴を介して直流電流を流して5時間電解を行った。電解開始後の陰極(作用極)の電流値は10Aで、5時間後の電流値は0.1Aであった。
【0042】
5時間後に、電極を溶融塩から引き上げ、陰極(作用極)表面の析出物を掻き採って回収した。析出物は緻密な金属膜が堆積したような形態を呈していた。析出物を化学分析したところ、その組成は90質量%以上のNiを主成分とする金属であり、Niの選択的な析出回収が可能であることと、Niの初期投入量に対する回収率は90%であることが分かった。Niイオンの還元電位は、酸化ウランイオンの還元電位に比較的近いものであるので、この結果から、本発明を使用済み燃料の乾式再処理に十分適用できることが分かった。
【0043】
また、電極を溶融塩から引き上げた直後に溶融塩を吸引してるつぼ外部に取り出したところ、固化した塩がるつぼ内表面に付着していた。付着した塩をるつぼから取り除きるつぼの内表面を観察したところ、内表面が腐食された跡は認められなかった。
【0044】
(比較例1)
用いたるつぼは厚さ20mmの黒鉛製で、内面の形状は本発明例1に用いたるつぼと同じである。ただし、各セグメントは水冷できない構造である。また、通電コイルは備えていない。抵抗発熱体方式による電気炉内に、本発明例1と同じ塩化物の粉末を装入したるつぼを配置し、炉内温度を700℃まで上昇させ、10分間保持した。その際のるつぼの温度を測定したところ、溶融塩の融点より高い700℃であった。溶融物がるつぼの内表面で固化していないことが確認できた。
【0045】
次に、本発明例1と同様の方法で、溶融塩中にNi、Fe、およびCrの塩化物を添加し、ポテンショスタットを用いて、定電位電解を5時間行った。電解開始後の陰極(作用極)の電流値は8Aであったが、電解開始して30分後には、電流値が低下し、2時間後の電流値は0.1A、5時間後には0.01Aまで低下した。本発明例1に比べると、単位時間当りの電解析出効率が低下していた。5時間後に、電極を溶融塩から引き上げ、電極表面の析出物を掻き採って回収した。電極の部位によって、析出物の量はばらついていた。また、一部の析出物はスポンジ状を呈し、所々に空隙が見られた。Niの初期投入量に対する回収率は30%であった。
【0046】
電極を溶融塩から引き上げた直後に溶融塩を吸引してるつぼ外部に取り出したところ、溶融塩の一部が液滴としてるつぼ内表面に付着していただけで、固化した塩がるつぼ内表面に付着した形跡は認められなかった。るつぼを放冷した後、るつぼの内表面を観察したところ、黒鉛製るつぼの内表面は、肌が荒れていた。また、溶融塩の湯面レベル位置に相当する部分では、腐食が著しく進行しるつぼの厚さが減っているのが観察された。数回の溶融試験にしか使用できない程度のるつぼの損耗であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の溶融塩電解用処理装置およびその装置を用いたは溶融塩中における電解処理方法の適用により、とくに、使用済み燃料を乾式再処理する際に、2次放射性廃棄物の発生を抑制でき、かつ効率的に酸化物の形態で使用済み燃料を分離回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融塩電解用処理装置の例を示す図である。
【図2】本発明の装置に用いるるつぼの横断面の一部を示す図である。
【図3】溶融塩中での電解処理方法の例を示す図である。
【符号の説明】
1:るつぼ 2:通電コイル 3:高周波電源
4:溶融塩 5a:陽極の電極 5b:陰極の電極
6:直流電源 7:スリット 8:冷却水通水路
9:セグメント 10:溶射被膜層 11:通電コイルの冷却水通水路
12:非導電性樹脂 13:蓋 14:析出物
15:固相の塩 16:電解処理物
17:ガス導入管 18:塩素ガス
Claims (3)
- 水冷可能で複数のスリットによって複数のセグメントに分割された炉壁部を有するるつぼと、炉壁部の外周部に配置された通電コイルと、通電コイルに高周波電流を供給する高周波電源と、るつぼ内部に装入された導電性の少なくとも1本の電極と、電極同士の間または電極とるつぼ壁との間に溶融塩浴を介して直流電流を流す電源とを有することを特徴とする溶融塩電解用処理装置。
- 請求項1に記載の溶融塩電解用処理装置を用いる電解処理方法であって、るつぼ内に塩を装入し、少なくとも1本の導電性の電極をるつぼと非接触にるつぼ内に装入し、通電コイルに高周波電流を通電して塩を溶融し、電極同士の間または電極とるつぼ壁との間に溶融塩浴を介して直流電流を流して、電解処理物を電解処理することを特徴とする溶融塩中での電解処理方法。
- 請求項2に記載の溶融塩中での電解処理方法であって、通電コイルに高周波電流を通電するとともに、塩素ガスを溶融塩中に吹き込むことを特徴とする溶融塩中での電解処理方法。
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