JP3595180B2 - ガラス位置決めクリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両におけるリアクォータウインドウガラスのように、車体の上下方向軸と、車体の前後方向軸との2軸で傾斜させてガラスを車体の略左右対称な位置に取り付けるためのガラス位置決めクリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記したリアクォータウインドウガラスは、車体後部の左右に取り付けられ、対称形状とされている。
そして、このリアクォータウインドウガラスは、車体の上下方向軸に対して傾き、車体の前後方向軸に対しても傾いている。
【0003】
このように2軸で傾斜しているリアクォータウインドウガラスを取り付ける場合、車体の被取付部に合成樹脂製のガラス位置決めクリップを取付部で取り付け、ガラス位置決めクリップを構成するガラス取付部のガラス取付面に、例えば両面接着テープでリアクォータウインドウガラスを接合させる。
そして、リアクォータウインドウガラスの周縁部分にガーニッシュを取り付け、外側からガラス位置決めクリップなどを見えないよう覆っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のガラス位置決めクリップは、1つのガラス取付面しか有していなかった。
したがって、左側用のガラス位置決めクリップと、右側用のガラス位置決めクリップとを別部品として用意しなければならないので、ガラス位置決めクリップが2種類になるとともに、ガラス位置決めクリップのコストが高くなる。
また、左側用および右側用のガラス位置決めクリップがあるので、左右を間違えて取り付けることがある。
このように左右を間違えて取り付けると、リアクォータウインドウガラスをしっかりと取り付けることができなかったり、リアクォータウインドウガラスの周縁の一部に隙間が発生する恐れがある。
【0005】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、左側用と右側用とを1部品で兼用することができ、コストを低くすることのできるガラス位置決めクリップを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、車体の略左右対称な位置に取り付けられる対称形状のガラスを位置決めするガラス位置決めクリップであって、車体の被取付部に係合する取付脚部と、この取付脚部に連設され、被取付部の被取付面に当接する端面を有する基台部と、
被取付部の被取付面に対して車体の上下方向軸を中心として第1所定角度傾斜し、かつ車体の前後方向軸を中心とし、取付脚部の端面と平行な面に対して第2所定角度傾斜した第1ガラス取付面、および、被取付部の被取付面に対して上下方向軸を中心として前記第1所定角度だけ第1ガラス取付面と反対側に傾斜し、かつ前後方向軸を中心とし、取付脚部の端面と平行な面に対して第2所定角度傾斜した第2ガラス取付面を有し、第1、第2ガラス取付面が基台部から突出した稜線を形成するガラス取付面部とを備えるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態であるガラス位置決めクリップの正面図、図2は図1に示したガラス位置決めクリップの平面図、図3は図1に示したガラス位置決めクリップの底面図、図4は図1に示したガラス位置決めクリップの背面図、図5は図1に示したガラス位置決めクリップの左側面図、図6は図1に示したガラス位置決めクリップの右側面図、図7は図3のA−A線による断面図、図8は図3のB−B線による断面図、図9は図5のC−C線による断面図である。
【0008】
これらの図において、Cは合成樹脂で成形されたガラス位置決めクリップを示し、例えば車両の車体に設けられた被取付部へ取り付けるための取付脚部1と、この取付脚部1に連設されたガラス取付部11とで構成されている。
上記した取付脚部1は、上下および前後に延びる平板状の基部2と、この基部2に先端(前端)から後端側へ拡開するように連設され、基部2の軸(先端から後端へ向かう軸)に対して対称の位置に位置する2つの弾性係合爪3とで構成されている。
そして、各弾性係合爪3の後端部の外側には、車体の取付孔の縁に係合する係合段部3sが設けられている。
【0009】
上記したガラス取付部11は、基部2の後端に連設され、先端側の端面12fが被取付面である車体の被取付部の表面に当接する基台部12と、この基台部12に連設されたガラス取付面部13とで構成されている。
そして、ガラス取付面部13には、被取付面に対して車体の上下方向軸を中心として第1所定角度傾斜し、かつ車体の前後方向軸を中心として第2所定角度傾斜した第1ガラス取付面13lと、被取付面に対して上下方向軸を中心として第1所定角度だけ第1ガラス取付面13lと反対側に傾斜し、かつ前後方向軸を中心として第2所定角度傾斜した第2ガラス取付面13rとが設けられている。
すなわち、各ガラス取付面13l,13rは、車体の上下方向軸に対して傾き、車体の前後方向軸に対しても傾いている。
【0010】
図10および図11はこの発明の一実施形態であるガラス位置決めクリップの使用例を示す説明図である。
なお、図10は車体の平面図に相当し、図11は車体の背面図に相当する。
図10または図11において、Lは車体の左側面を形成する左側ボディ、Rは車体の右側面を形成する右側ボディを示し、各ボディL,Rには、ガラス位置決めクリップCの取付脚部1の形状に対応させた取付孔(穴)l,rが設けられている。
なお、取付孔lと取付孔rとは、車体の左側(または右側)から見た場合、左右を反転させた形状となっている。
【0011】
Glは車体の左側に取り付ける左側リアクォータウインドウガラス、Grは車体の右側に取り付ける右側リアクォータウインドウガラス、Tは両面接着テープを示し、この両面接着テープTは、左、右側リアクォータウインドウガラスGl,Grをガラス取付面部13の各ガラス取付面13l,13rへ接合させるものである。
【0012】
次に、ガラス位置決めクリップの取り付けについて説明する。
まず、左側ボディLの取付孔lへガラス位置決めクリップCの取付脚部1を圧入すると、各弾性係合爪3は取付孔lの縁で押圧されることにより、基部2側へ縮閉するので、取付脚部1を取付孔l内へ挿入することができる。
そして、基台部12の端面12fが左側ボディLの表面(被取付面)に当接する状態まで取付脚部1を取付孔l内へ挿入すると、各弾性係合爪3が自身の弾性で拡開することにより、係合段部3sが取付孔lの内側縁に係合するので、図10および図11に示すように、ガラス位置決めクリップCを左側ボディLへ外れないように取り付けることができる。
【0013】
なお、説明を省略するが、取付孔rを利用することにより、図10および図11に示すように、右側ボディRにもガラス位置決めクリップCを同様に取り付けることができる。
【0014】
次に、リアクォータウインドウガラスの取り付けについて説明する。
上記したように左、右側ボディL,Rにガラス位置決めクリップCを取り付けた状態で、左側ボディLの場合は第2ガラス取付面13rに両面接着テープTを貼着した後、また、右側ボディRの場合は第1ガラス取付面13lに両面接着テープTを貼着した後、位置決めした左、右側リアクォータウインドウガラスGl,Grの所定部分を両面接着テープTに接着させることにより、左、右側リアクォータウインドウガラスGl,Grを所定位置に固定することができる。
【0015】
上述したように、この発明の一実施形態によれば、車体の被取付部の被取付面に対して車体の上下方向軸を中心として第1所定角度傾斜し、かつ車体の前後方向軸を中心とし、基台部12の端面12fと平行な面に対して第2所定角度傾斜した第1ガラス取付面13l、および、被取付部の被取付面に対して上下方向軸を中心として第1所定角度だけ第1ガラス取付面13lと反対側に傾斜し、かつ前後方向軸を中心とし、基台部12の端面12fと平行な面に対して第2所定角度傾斜した第2ガラス取付面13rを有し、第1、第2ガラス取付面13l,13rが基台部12から突出した稜線を形成するガラス取付部13を設けたので、左側用のガラス位置決めクリップCと、右側用のガラス位置決めクリップCとを1部品で兼用することができる。
【0016】
したがって、ガラス位置決めクリップCの在庫管理が楽になるとともに、ガラス位置決めクリップCのコストを低くすることができる。
また、ガラス位置決めクリップCを間違えて取り付けることがなくなるとともに、周縁に隙間が発生しない所期の状態に左、右側リアクォータウインドウガラスGl,Grを左、右側ボディL,Rの所定位置に取り付けることができる。
【0017】
上記した実施形態では、取付部の一例して取付脚部1を例示したが、同様に取り付けることのできる他の構成の取付部であってもよい。
また、上側が肉薄で、下側が肉厚の状態で使用する例で説明したが、上下が反転した状態、すなわち上側が肉厚で、下側が肉薄の状態、または前側が肉薄で、後ろ側が肉厚の状態、さらには前側が肉厚で、後ろ側が肉薄の状態でも使用できることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、車体の被取付部の被取付面に対して車体の上下方向軸を中心として第1所定角度傾斜し、かつ車体の前後方向軸を中心とし、基台部の端面と平行な面に対して第2所定角度傾斜した第1ガラス取付面、および、被取付部の被取付面に対して上下方向軸を中心として第1所定角度だけ第1ガラス取付面と反対側に傾斜し、かつ前後方向軸を中心とし、基台部の端面と平行な面に対して第2所定角度傾斜した第2ガラス取付面を有し、第1、第2ガラス取付面が基台部から突出した稜線を形成するガラス取付部を設けたので、左側用のガラス位置決めクリップと、右側用のガラス位置決めクリップとを1部品で兼用することができる。
【0019】
したがって、ガラス位置決めクリップの在庫管理が楽になるとともに、ガラス位置決めクリップのコストを低くすることができる。
また、ガラス位置決めクリップを間違えて取り付けることがなくなるとともに、周縁に隙間が発生しない所期の状態に、例えば左右のリアクォータウインドウガラスを左右のボディの所定位置に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態であるガラス位置決めクリップの正面図である。
【図2】図1に示したガラス位置決めクリップの平面図である。
【図3】図1に示したガラス位置決めクリップの底面図である。
【図4】図1に示したガラス位置決めクリップの背面図である。
【図5】図1に示したガラス位置決めクリップの左側面図である。
【図6】図1に示したガラス位置決めクリップの右側面図である。
【図7】図3のA−A線による断面図である。
【図8】図3のB−B線による断面図である。
【図9】図5のC−C線による断面図である。
【図10】この発明の一実施形態であるガラス位置決めクリップの使用例を示す説明図である。
【図11】この発明の一実施形態であるガラス位置決めクリップの使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
C ガラス位置決めクリップ
1 取付脚部
2 基部
3 弾性係合爪
3s 係合段部
11 ガラス取付部
12 基台部
12f 端面
13 ガラス取付面部
13l 第1ガラス取付面
13r 第2ガラス取付面
L 左側ボディ
R 右側ボディ
l,r 取付孔
Gl 左側リアクォータウインドウガラス
Gr 右側リアクォータウインドウガラス
T 両面接着テープ
Claims (1)
- 車体の略左右対称な位置に取り付けられる対称形状のガラスを位置決めするガラス位置決めクリップであって、
前記車体の被取付部に係合する取付脚部と、
この取付脚部に連設され、前記被取付部の被取付面に当接する端面を有する基台部と、
前記被取付面に対して前記車体の上下方向軸を中心として第1所定角度傾斜し、かつ前記車体の前後方向軸を中心とし、前記端面と平行な面に対して第2所定角度傾斜した第1ガラス取付面、および、前記被取付面に対して前記上下方向軸を中心として前記第1所定角度だけ前記第1ガラス取付面と反対側に傾斜し、かつ前記前後方向軸を中心とし、前記端面と平行な面に対して前記第2所定角度傾斜した第2ガラス取付面を有し、前記第1、第2ガラス取付面が前記基台部から突出した稜線を形成するガラス取付面部と、
を備えていることを特徴とするガラス位置決めクリップ。
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1998
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