JP3594738B2 - 水解性ウエットシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水洗トイレットなどに流すことができる清掃用、または殺菌用、あるいは人体のおしり拭き用などとして使用される水解性ウエットシートに係り、特に従来のものよりも嵩高にして扱いやすいようにした水解性ウエットシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
トイレットの清掃などにおいては水解性ウエットシートが使用される。この水解性ウエットシートは、木材パルプ繊維などの繊維と、水溶性または水により膨潤するバインダーとで構成された水解性シート(水解紙)に、清浄薬液が含浸されたものである。清浄薬液は前記水解性シートのバインダーの溶解を抑制するものであり、また多量の水が与えられたときには希釈化され、前記水解性シートの水解を妨げないものとなっている。また前記清浄薬液には、必要に応じて界面活性剤、殺菌剤または消臭剤などが含まれる。
前記清浄薬液が含浸された水解性ウエットシートは、トイレットなどの親水性の汚れを拭き取った後に、水洗トイレット内に捨てて水で流すと、多量の水により前記清浄薬液が希釈化され、水解紙が水解されるものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の水解性ウエットシートは、平坦な水解性シート(水解紙)が1枚で使用され、あるいは2、3枚が重ねて使用されるものであったため、シートそのものの嵩が低く、非常に薄いものであった。したがって、掌でシートを押さえ清掃場所を拭く際に、シートを手で保持する感触を得ることができず、例えば掌とシートとが滑りやすく、使用感触の悪いものであった。
また平坦な水解紙では、清掃場所から汚れを十分に拭き取ることができない欠点があった。また2、3枚の水解紙を重ね、水解紙に細かな凹凸エンボス加工を施したものもある。この細かな凹凸により、汚れを拭きとる効果がやや高くなるが、シート全体の嵩が低いため、掌で押さえて拭く作業を行なうときの取り扱いが不便である点において充分な改良がなされていなかった。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、水解性シートを嵩高に構成できるようにして、清掃作業のときに掌でシートを保持しやすく、また布雑巾に近い感触を得ることができるようにした水解性ウエットシートを提供することを目的としている。
【0005】
さらに本発明は、嵩高のシートの表面に細かな皺を現出させて、掌との間で滑りにくくするのみならず、清掃場所の汚れを拭き取りやすくした水解性ウエットシートを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の水解性ウエットシートは、低い伸び率のクレープを有しまたはクレープを有しない第1の水解性シートと、前記第1の水解性シートよりも相対的に高い伸び率となるクレープを有する第2の水解性シートとが、部分的に接合されている水解性ウエットシートにおいて、
前記第1および第2の水解性シートを接合する接合部は、短接合部が間隔を開けて列方向に並び、この列が所定幅を開けて平行に設けられており、
前記第1および第2の水解性シートおよび前記短接合部の水解を抑制する薬液が含浸されて、この薬液の含浸により第2の水解性シートが、第1の水解性シートよりも高い率で伸びて嵩高とされ、
前記第2の水解性シートに、前記短接合部の配列ピッチに応じた皺が現れていることを特徴とするものである。
【0007】
前記水解性シート(水解紙)は、例えば天然パルプ(木材パルプ)繊維、レーヨンなどの化学繊維と、バインダーとで構成されている。バインダーは、水溶性または水で膨潤し、または徐々に水解し、多量の水で繊維間の結合を解除できるものである。このバインダーとしては、カルボキシルメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロースなどが使用される。前記バインダーが水溶性になるか水膨潤性になるかは、バインダーのエーテル化度やエステル結合の数、分子量、水解性シートに含浸される薬液および薬液中の含有イオンにより決められる。
【0008】
さらに、他のバインダーとしては、ポリビニルアルコール、デンプン、カラギーナン、ガラクトマンナン、アクリル酸エステルなどが例示できる。
【0009】
水解性シートは、湿式抄紙法などにより形成された水解紙にクレープ加工が施されたものである。クレープ加工は、水解性シートに微細な皺を与える加工を意味する。クレープを有する水解性シートは、液が含浸すると伸びるが、この伸び率は、元の長さをx、液に水解性シートを浮かべて伸たときの長さをΔxとしたときに、{(Δx−x)/x}×100(%)で表わされる。
【0010】
第1の水解性シートと第2の水解性シートは、部分的に接合されるが、この接合は、前記水溶性バインダーまたは水により膨潤するバインダーと同種のものが接着剤として用いられる。または水解性シートに含まれている前記バインダーを用いて、水解性シートどうしを部分的に接合してもよい。
【0011】
前記薬液は、水解性シートの前記バインダーおよび接合剤などによる接合部を不溶化し水解性シートの水解を抑制して、シートの強度を高めるとともに、水洗トイレットに流されたときには、多量の水により希釈化されてバインダーおよび接合部を溶解しまたは膨潤させ、水解性シートの水解を妨げないものである。この薬液すなわち清浄薬液は、水と有機溶剤とから成り、この有機溶剤は、エタノール、イソプロピルアルコールなどであり、好ましくはこの有機溶剤にカルシウムやストロンチュームなどの金属イオンが含まれる。この清浄薬液では有機溶剤中の金属塩が前記バインダーまたは接合剤と架橋コンプレックスを生じ、前記バインダーまたは接着剤が不溶化される。この水解性ウエットシートが水洗トイレットに流されると、前記清浄薬液の架橋コンプレックスが多量の水により希釈化されて、バインダーおよび接合部(接着剤)が水溶可能または水により膨潤可能になり、各水解性シート間の接合が分離可能になり且つ水解性シートが水解可能となる。
【0012】
清浄薬液は、有機溶剤(金属イオンをを含有するものを含む)を5〜95重量%含み、水を95〜5重量%含むものが好ましい。またトイレットなどに存在する親水性の汚れの拭き取りを目的とする場合には、水が30〜95重量%、好ましくは40〜95重量%、有機溶剤を70〜5重量%、好ましくは60〜5重量%の範囲で含むものが好ましい。また有機溶剤と水からなる清浄薬液は、積層された水解性シートの全重量に対して重量が0.5倍〜5倍の範囲で含浸される。また、清浄薬液には、必要に応じて界面活性剤、殺菌剤、消臭剤などが含まれる。
【0013】
水解性シートは、液が含浸するとクレープの微細な皺が伸びるが、この伸び率が相違する水解性シートの組み合わせにより本発明の水解性ウエットシートが形成される。例えば低伸び率のクレープを有しまたはクレープを有しない第1の水解性シートの表裏両面または片面に、前記第1の水解性シートよりも伸び率の高いクレープを有する第2の水解性シートが重ねられる。そして、各水解性シートどうしが前記接着剤などにより部分的に接合されたものとなる。接合後に前記清浄薬液が含浸されると水解性シートのクレープ皺が伸びようとするが、シート間でのクレープ加工による伸び率の違いにより、高伸び率の第2の水解性シートが接合部間にて膨らみを発生し、嵩高の水解性ウエットシートが完成する。
【0014】
また、接合部のパターンを例えば図3に示すように工夫することにより、高伸び率の第2の水解性シートに小さな皺が現出し、図1に示すような外観を呈するものとなる。
【0015】
この水解性ウエットシートは嵩高であるために取り扱いが容易で、掌で保持したときに布雑巾に近い感触を得ることができる。また前記皺が現出しているために、掌から滑りにくく、また微細な汚れも十分に払拭できるものとなる。
【0016】
本発明では、液が含浸したときの、水解性シート間での伸び率の差が20%以上で80%以下であることが好ましく、さらに好ましくは30%以上で60%以下である。
【0018】
すなわち図3に示すように、短接合部が形成されている部分▲1▼では水解性シートの伸びが抑制され、隣接する短接合部の間の部分▲2▼では水解性シートが伸びるため、短接合部のピッチに対応した凹凸▲3▼▲4▼による皺Bが現出することになる。この皺Bが現出することにより、図1に示すように、ウエットシートの嵩高感が高まり、また、掌との間で滑りにくく、さらに前記皺Bにより汚れを払拭しやすくなる。
【0019】
また、短接合部は、クレープ皺の延びる方向に対して傾斜して形成されていることが好ましい。前記短接合部がクレープ皺に対して傾斜していると、短接合部の列にてその両側のクレープ皺が連続しないように分離され、短接合部の列と列との間で、第2の水解性シートに膨らみおよび皺が形成されやすくなる。
【0020】
さらにウエットシートの少なくとも外面に現れている水解性シートに、複数の小穴が形成されていることが好ましい。本発明の水解性ウエットシートでは、伸び率の高い水解性シートと伸び率の低い水解性シートの間に空隙が形成されて嵩高になるが、この空隙を形成することにより、水洗トイレットに捨てたときに浮力が大きくなり、水で流されにくくなる場合が予測される。この場合、図6に示すように、水解性シートに小穴を穿孔しておくことにより、水解性シート間の空隙内の空気が抜けやすくなって、トイレット内で流れやすくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の水解性ウエットシートの構造を示す斜視図、図2(A)(B)(C)はその製造工程の一部を簡単に説明する断面図、図3は接着接合部の形状とこれにより現出する皺の状態を説明する平面図である。
この水解性ウエットシート1は、トイレットやその他の場所の清掃用またはおしり拭き用などとして使用されるものであり、使用後は水洗トイレットに捨てることができ、水洗トイレットの多量の水により分解または解離できるものである。
【0022】
前記水解性ウエットシート1は、3枚の水解性シート(水解紙)S1、およびS2、S2とが積層されたものであり、積層された3枚の水解性シートS1、およびS2、S2は、接着接合部Aにより部分的に接着接合されている。前記接着接合部Aは、X方向へ一定の幅を開け、Y方向(列方向)に沿って形成されている。3枚重ねの中央に位置する第1の水解性シートS1は、液が含浸したときの伸び率の低いクレープを有するもの、またはクレープ加工が施されていないものであり、表裏両面に重ねられている第2の水解性シートS2、S2は、液が含浸したときに前記水解性シートS1よりも高い伸び率となるクレープを有するものである。
【0023】
3枚の水解性シートS1、S2、S2には清浄薬液が含浸されている。この清浄薬液は、水解性シート中のバインダーおよび前記接着接合部Aの水溶または膨潤を抑制して清掃作業中のシート強度を保つものである。また水洗トイレットに流されて多量の水が与えられたときには希釈化されて水解性シートの水解を妨げないものであり、水性清浄薬液が用いられる。
【0024】
この清浄薬液が水解性シートに含浸されると、クレープ加工による微細な皺が伸びるが、中央の第1の水解性シートS1は伸び率が低く、表裏両側の第2の水解性シートS2、S2は伸び率が高く、しかもシートS1とシートS2は接着接合部Aにより互いに拘束されているため、表裏両側の高伸び率の水解性シートS2は、接着接合部Aと接着接合部Aとの間で膨らみを持って変形する。したがって、図1に示すように、水解性ウエットシート1は全体が嵩高になる。さらに表裏両側の水解性シートS2、S2には、細かな皺Bが現出する。その結果、掌で保持したときに布雑巾と同等の感触を得ることができ、また嵩高のために掌で保持しやすくなる。また前記皺Bの現出により、汚れを拭き取りやすくなる。なお、前記皺Bの現出は接着接合部Aの構造とも関係するが、この点に関しては後述する。
【0025】
清掃作業が終了した時点で、水解性ウエットシート1を水洗トイレットに捨てて流すと、清浄薬液中の金属イオンとカルボキシメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロースとの反応により生じた架橋コンプレックスが多量の水により希釈化され、各水解性シートS1およびS2、S2が水解または膨潤して接着性が低下し、さらには接着剤の部分が解離して、トイレット内で流される。
【0026】
前記各水解性シートS1、S2、S2の素材は、木材パルプ繊維、非木材パルプ繊維、またはレーヨン繊維などである。水解性シートに用いられるバインダーとしては、カルボキシルメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロースなどが使用される。前記バインダーが水溶性になるか水膨潤性になるかは、バインダーのエーテル化度やエステル結合の数、分子量、水解性シートに含浸される薬液および薬液に含まれるイオンにより決められる。
または、バインダーとして、ポリビニルアルコール、デンプン、カラギーナン、ガラクトマンナン、アクリル酸エステルなどが使用される。
【0027】
各水解性シートS1、S2、S2は、通常の製紙抄造機を用いた湿式抄紙法などで製造され、その後にクレープ加工が施される。前述のように、中央の第1の水解性シートS1は液が含浸したときの伸び率が低い低クレープ加工が施され、またはクレープ加工が施されない。また表裏両側の第2の水解性シートS2、S2は液を含浸したときの伸び率の高い高クレープ加工が施される。シートS1とシートS2とのこの伸び率の差は20%以上で80%以下が好ましく、さらに好ましくは30%以上で60%以下である。伸び率の差が前記範囲よりも小さい場合には、水解性ウエットシート1の全体を嵩高にすることができず、また前記範囲よりも大きいと、水解性ウエットシートの厚みが大きくなりすぎ、容器内に重ねて収納したときに収納枚数を多くできなくなる。
【0028】
次に、接着接合部Aに用いられる接着剤は、水による溶解が可能なもの、または水により膨潤し多量の水で解離可能な水膨潤性接着剤が使用される。これらの接着剤としては前記水解性シートS1、S2、S2のバインダーと同じものを使用することが好ましく、具体的な材質は、前記バインダーとして例示したものと同じである。なお、接着接合部Aでは、水解性シートの表面に前記接着剤をパターン塗布してもよいが、水解性シートに含まれているバインダーをそのままシート相互の接着剤として使用することが可能である。すなわちバインダーを含んだ水解性シートどうしを重ね、シートに対し部分的に水分または溶媒を含ませ、その部分にてシートどうしを加圧し且つ加熱して乾燥させシート間を接着してもよい。
【0029】
各シートS1、S2、S2に含浸させる薬液すなわち水性清浄薬液は、各水解性シートに含まれるバインダーおよび接着接合部Aの接着剤のカルボキシメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロースと架橋コンプレックスを生成してカルボキシメチル化パルプなどの溶解または膨潤を抑止して清掃時でのシートの強度を保ち、しかも水洗トイレット内で多量の水で流されるときに前記架橋コンプレックスが希釈化され、シートが水解または膨潤され、また接着剤が水解または膨潤されるものであり、水と有機溶剤とから成る。有機溶剤は、エタノールまたはイソプロピルアルコールなどであり、さらにこの有機溶剤にはマグネシウム、カルシウム、ストロンチューム、亜鉛などの金属イオンが含まれる。この金属イオンとカルボキシルメチル化パルプまたはカルボキシメチルセルロースとの間で架橋コンプレックスが生じて複雑な網目構造をとることにより、接着剤が水不溶性となる。
【0030】
清浄薬液は、積層された水解性シートの全重量に対して0.5〜5倍の範囲で含浸させるのが好ましい。また清浄薬液中の前記有機溶剤は5〜95重量%、水は95〜5重量%の範囲が好ましい。またウエットシートがトイレットなどに存在する親水性の汚れを拭き取ることを目的とする場合には、水が30〜95重量%、有機溶剤は70〜5重量%であることが好ましく、さらには好ましくは水が40〜95重量%、有機溶剤が60〜5重量%である。
また前記清浄薬液には、必要に応じて、界面活性剤、殺菌剤、防臭剤などが含まれる。
【0031】
この水解性ウエットシート1の製造方法の一例を図2に基づいて説明する。
まず図2(A)に示すように、低クレープ加工またはクレープ加工を施していない水解性シートS1の表裏両側に高クレープ加工の水解性シートS2、S2が重ねられるが、その前にシートの合わせ面に接着剤が塗布される。図2(A)に示す例では、中央の水解性シートS1の表裏両面に接着剤2が塗布される。そして、3枚重ねられた水解性シートS1、S2、S2が加湿されながら加熱板4および5により挟圧される。加熱板5には接着接合部Aのパターンに合わせたエンボス部5aが設けられており、このエンボス部5aによりシートが加熱され且つ加圧される。この加熱加圧により、接着剤2の水分または溶媒が飛ばされて乾燥され、シートS1、S2、S2が接着接合部Aにて互いに接合される。この接合された状態が図2(B)である。
【0032】
図2(B)に示す水解性シートS1、S2、S2の積層体に、前記清浄薬液が含浸させられると、クレープ加工の微細な皺が伸び、中央の水解性シートS1と、表裏両側の水解性シートS2、S2との伸び率の差により、接着接合部Aと接着接合部Aとの間の水解性シートS2に膨らみが発生し、図1および図2(C)に示すように嵩高の水解性ウエットシート1となる。
次に、図1では表裏両側の水解性シートS2に細かな皺Bが現出しているが、この細かな皺Bを効果的に現出させるためには、接着接合部Aの構造を図3に示すパターンとすることが好ましい。
【0033】
図3でのX−Y座標は、図1に示すX−Y座標に対応している。X方向が前記クレープ加工による微細な皺の形成方向(クレープ方向;微細な皺の凸の頂点または凹の谷部の延びる方向)である。図3ではクレープの微細な皺の1本を符号bで示している。また接着接合部Aは、短い長さで直線状の複数の短接合部aが列をなして配されて構成されており、各短接合部aにて、シートS1とS2とが互いに接着されている。短接合部aはY方向へ一定のピッチにて間欠的に形成され、その配列方向はY方向である。また短接合部aが並ぶ列(Y列)は、X方向へ所定の間隔を開けて形成されている。
【0034】
各シートS1、S2、S2に前記清浄薬液が含浸されると、クレープ加工による微細な皺がY方向へ膨らもうとする。このとき接着接合部Aの部分の水解性シートS2に着目すると、短接合部aの部分▲1▼では水解性シートS1とS2が接着されているため、この部分▲1▼では水解性シートS2にY方向への延びが発生しにくく、逆に短接合部aと短接合部aとで挟まれた部分▲2▼では、水解性シートS2がY方向に伸びやすく、この延び(イ)により部分▲2▼では弛みが発生しやすい。その結果、Y方向に配列された接着接合部Aと接着接合部Aとで挟まれたLの領域では、両側の短接合部aの部分▲1▼を結ぶ谷部▲3▼が形成され、また両側の部分▲2▼を結ぶ山部▲4▼が現出する。したがって、接着接合部Aに挟まれたLの領域では、短接合部aの配列ピッチとほぼ一致した凹凸の皺Bが現出される。この皺Bが現出することにより、図1に示すように水解性ウエットシート1の全体に視覚的なボリューム感が生じる。またこの皺Bが現れることにより、掌にフィットしやすくなり、またこの皺Bにより汚れを拭き取る効果を高くできる。
以上から、伸び率の高い水解性シートS2に皺Bを効果的に現出させるために、接着接合部Aにおいて短接合部aを一定のピッチで形成することが好ましい。
【0035】
さらに、図3に示すように、各短接合部aはクレープの形成方向(X方向)に対して角度を有する傾斜した短い直線形状となっている。その結果、Lの領域でのクレープによる微細な皺bと、その隣りにおいて接着接合部Aに挟まれる領域L1でのクレープの微細な皺bとが、短接合部aにより必ず分断されるものとなる。そのため、接着接合部Aで挟まれた領域LおよびL1において水解性シートS2が確実に膨らむようになり、嵩高のウエットシート1を形成しやすくなる。
なお、接着接合部Aの列方向は、図4に示すように、X方向およびY方向に対して角度を有する向きであってもよい。また図4においても接着接合部Aを、所定ピッチにて並ぶ短接合部aにより形成することが好ましい。
【0036】
また、上記のように接着接合部Aおよび短接合部aは、クレープ方向(X方向)と交叉する方向であることが必要である。
なお接着接合部Aは、短接合部aが並ぶことにより形成されたものに限らず、接着接合部AにおいてシートS1とシートS2とが直線状に連続して接着されたものであってもよく、あるいはスポット状の接着接合部がX−Y方向に一定の間隔を開けて規則的にまたはランダムに配列されているものであってもよい。
【0037】
図5は本発明の変形例を示している。
図5は、低伸び率のクレープ加工が施されたまたはクレープ加工が施されていない水解性シートS1と、高伸び率のクレープ加工が施された水解性シートS2とが2枚重ねとされ部分的に接着接合部Aにおいて接合されたものである。
図5に示した水解性ウエットシート1も、清浄薬液を含浸したときに、シートS1とシートS2との伸び率の差により、シートS2が接着接合部の間にて膨らみ、嵩高のシートとなる。
【0038】
次に、この水解性ウエットシートでは、清浄薬液を含浸したときに、水解性シートS2の伸び率が水解性シートS1の伸び率よりも高いために、図2(C)に示すように、接着接合部間でシートS2が膨らんで、シートS1とシートS2との間に空隙Cが形成される。そのため、水洗トイレットに捨てたときに浮力が大きくなり、トイレット内にて流れにくくなるおそれがある。
そのため、図6に示すように、各シートS1およびS2あるいは少なくとも外側に位置するシートS2に小穴3を複数穿孔しておくことが好ましい。この小穴3を穿孔しておくと、水洗トイレットに捨てたときに、シートS1とシートS2間の空隙C内の空気が前記小穴3から抜け出て浮力が低下し、水洗トイレット内に沈んで流れやすくなる。
【0039】
【実施例】
実施例および比較例として、図1ないし図3に示したのと同じ構造の水解性ウエットシート1を製造した。各実施例と比較例は、以下の表1に示すように、水解性シートのクレープによる伸び率の差を変えたものであり、その他の条件は全て同じとした。
【0040】
(水解紙)
針葉樹クラフトパルプ(N−BKP) 90重量%
バインダー 10重量%
前記針葉樹クラフトパルプはCSF(カナディアン・スタンダード・フリーネス)が600mlになるように調整されたものを使用した。バインダーは水により膨潤して接着力が低下するものであり、エーテル化度0.4のカルボキシメチル化パルプのNa塩(ニチリン化学製)を使用した。
通常の製紙抄造機を用い、クレープ加工前の目付が25g/mの水解性シート(水解紙)を製造し、クレープ加工を行なった。クレープ加工による伸び率は各実施例および比較例ごとに相違させた。
【0041】
(接着剤)
水解性シートどうしを接着する接着剤は、エーテル化度が0.8ないし1.0の水溶性のカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学製の品番「2280」)の0.2%溶液を用いた。
水解性シートに対し、前記接着剤をグラビア印刷によりストライプ状に塗布し、図3に示す短接合部aと同じパターンのエンボス部5aを有する加熱板5およ加熱板4を用い、3枚のシートを加湿しながら加圧し、三層構造のシートを製造した。
【0042】
(伸び率)
水解性シートS1と水解性シートS2の伸び率を表1のように設定し、それぞれの実施例および比較例について清浄薬液を含浸させ、シートS2を膨潤させた。そのときの水解性ウエットシート1全体の厚さ寸法を測定した。測定結果は、表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003594738
【0044】
(シートの厚み)
表1に示すように、高伸び率のシートS2と低伸び率のシートS1との伸び率の差が20%以上で80%以下に設定すると、水解性ウエットシート1の厚みが0.6mm以上となり、単に3枚のシートを積層しただけの比較例1に比べて厚みを50%以上増加できることが解った。よってシートの伸び率の差を20%以上に設定することが好ましく、さらに好ましくは30%以上である。またあまり厚みが大きすぎると、水解性ウエットシート1を重ねて収納したときに嵩が大きくなり過ぎるため、シートS1とシートS2の伸び率の差は80%以下に設定することが好ましく、さらに好ましくは60%以下である。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明では、液を含浸させたときに伸び率に差が生じる水解性シートを部分的に接合することにより、液の含浸状態で伸び率の大きいシートに膨らみが発生し、嵩高のウエットシートを形成できる。この嵩高のウエットシートは、布雑巾に近い保持感触を得ることができる。また接合部を、複数の短接合部で構成することにより、高伸び率のシートに細かな皺を現出させることができ、掌で保持しやすくなり、またこの皺により汚れの拭き取り効果を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水解性ウエットシートの全体の構造を示す斜視図、
【図2】(A)(B)(C)は、本発明の水解性ウエットシートの製造工程の一部を順に示す断面図、
【図3】シート間を接着接合する接着接合部のパターンを示す平面図、
【図4】接着接合部の他のパターンを示す平面図、
【図5】シートの積層構造の他の構成例を示す断面図、
【図6】シートに小穴を穿孔した変形例を示す断面図、
【符号の説明】
1 水解性ウエットシート
2 接着剤
3 小穴
S1 低伸び率の第1の水解性シート
S2 高伸び率の第2の水解性シート
A 接着接合部
B 皺
a 短接合部

Claims (5)

  1. 低い伸び率のクレープを有しまたはクレープを有しない第1の水解性シートと、前記第1の水解性シートよりも相対的に高い伸び率となるクレープを有する第2の水解性シートとが、部分的に接合されている水解性ウエットシートにおいて、
    前記第1および第2の水解性シートを接合する接合部は、短接合部が間隔を開けて列方向に並び、この列が所定幅を開けて平行に設けられており、
    前記第1および第2の水解性シートおよび前記短接合部の水解を抑制する薬液が含浸されて、この薬液の含浸により第2の水解性シートが、第1の水解性シートよりも高い率で伸びて嵩高とされ、
    前記第2の水解性シートに、前記短接合部の配列ピッチに応じた皺が現れていることを特徴とする水解性ウエットシート。
  2. 第1の水解性シートの表裏両面に第2の水解性シートが接合されている請求項1記載の水解性ウエットシート。
  3. 液が含浸したときの第1の水解性シートと第2の水解性シートとの伸び率の差が20%以上で80%以下である請求項1または2記載の水解性ウエットシート。
  4. 短接合部は、クレープ皺の延びる方向に対して傾斜して形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の水解性ウエットシート。
  5. 短接合部の列間に挟まれる領域でのクレープが短接合部と交叉する請求項記載の水解性ウエットシート。
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