JP2002512319A - 伸長可能な紙ウェブおよびウェブ形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の紙ウェブは縦中心線（Ｌ）および横中心線（Ｔ）を有し、複数個の第１の領域（６０）および複数個の第２の領域（６６）を構成する。この第１の領域（６０）は第２の領域（６６）を分離する境界を形成しており、抄紙ウェブの実質的に平面にある。第２の領域（６６）は上記平面から離して隆起させた複数個のリブ状要素（７４）を構成しており、第２の領域のリブ状要素（７４）は主リブ軸と平行で、かつ補助リブ軸と垂直に配置されている。第１の領域の全部または大部分は主リブ軸および補助リブ軸成分の双方を有する。第１および第２の領域は紙ウェブ材料が少なくとも１つの軸に沿って伸ばされたとき、幾何学的変形を生じる。本発明の方法はセルロース性基材を準備し、歯領域（４０７）および歯のない領域（４０８）を構成する第１のプラテン（４０２）を準備し、歯領域を構成する第２のプラテン（４０１）を準備し、組み合わされたとき、第１のプラテンの歯領域と、第２のプラテンの歯領域とがかみ合うように、第２のプラテンを第１のプラテンと整列させ、不連続の扇状折り曲げリブ状要素からなる領域を形成するため歯領域が紙ウェブを変形するように、セルロース性基材を第１のプラテンと第２のプラテンとの間で加圧する、工程からなる。任意的に、セルロース性基材１１１は加圧する前に湿潤させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の分野 本発明は紙ウェブおよび成形紙ウェブを製造する方法に関する。特に、本発明
はペーパタオル、ワイプ、美顔用ティッシュおよび化粧用ティッシュのような使
い捨て可能な吸収性紙ウェブおよびそのようなウェブを製造する方法に関する。

【０００２】 発明の背景 ペーパタオル、ワイプ、美顔用ティッシュおよび化粧用ティッシュのような使
い捨て可能な紙製品は長い間主として単一または限定した用途に合わせて普及し
ている。この種の紙製品は、一般に、意図した最終用途次第で柔らかさ、吸収性
および強さのレベルを変えることを要求される。柔らかさ、吸収性および強さに
加えて、特に、高級紙製品では使い捨て可能な紙製品の全体外観、手ざわりおよ
びでき映えも重要である。

【０００３】 使い捨て紙製品の全体外観、手ざわりおよびでき映えに寄与する重要な２つの
特性はかさおよび伸張性である。かさは坪量と紙の厚さとの比として定義される
。かさはエンボス加工などの方法で坪量を増すことなく、紙の厚さ、つまり２面
間の距離を増加して大きくすることができる。伸張性は引き裂きを生じることな
く、大きく紙を伸ばすことのできる能力を称する。伸張性は、典型的には、クレ
ープ加工されない紙ウェブ、特に、ティッシュ紙ウェブの特性ではない。クレー
プ加工または湿式微小縮小加工などによって紙を縮小することは伸張性を増加す
ることになるが、それはまた坪量を増大させることになる。

【０００４】 ティッシュ紙ウェブは、一般に、紙を構成する繊維の弾性が比較的低いために
破断するまでに僅か２、３パーセントしか伸びることができない。しかし、紙ウ
ェブの伸張性、より好ましくは、弾性を増すことは紙ウェブの全体外観および手
ざわりを大きく高めることになる。

【０００５】 坪量を大きく増加することなくかさを増すことは、紙の圧縮性を高めることに
よって紙の組織および主観的な柔らかさを改善し、使用者に触知可能な心地よさ
を印象づけることができる。伸張性を増すことはウェブの柔らかさの、すなわち
手による主観的な感触を増す方法で使い捨て可能な紙製品の全体外観、手ざわり
およびでき映えを改善することができる。ペーパタオル、ワイプおよび他のこす
って落とすのに有用な紙製品において伸張性を増すことは、使用中、望まないシ
ートの引き裂きを防ぐのに力を貸すことになる。

【０００６】 従来の抄紙機で抄造した紙ウェブは、典型的には、初期脱水および繊維の再配
置が生じる、互いに近寄る一対の長網ワイヤの装置などのような多孔表面に紙用
繊維の水性スラリーを堆積することによって形成される。長網ワイヤ上における
紙ウェブの初期紙層形成後に、紙は脱水によりさらに乾燥するためにプレス脱水
用フェルトに移送する。従来の抄紙機脱水フェルトは、典型的には、ウールまた
は合成材料からなる極細い繊維を堅く製織したフェルトで製作されている。紙を
脱水するために脱水フェルトと紙とはリンガ形洗浄機のロールと同様に、共に回
転する一対のロール間で圧搾される。このロールは紙およびフェルトから出る水
分をより効果的に抽出するために真空装置をしばしば組み入れている。さらなる
シート密集は圧力ロールにより全シート面をヤンキー・ドライヤーのような乾燥
ドラムに接着させるときに起こる。

【０００７】 従来の抄紙機上で経済的に紙を形成し、乾燥するのに必要な密集では紙ウェブ
は厚さが比較的小さく、こわさが比較的高く、伸張性が限定されている。厚さを
増すことは出発原料における紙用繊維の量を増加することによって達成すること
ができる。しかしながら、この方法によって厚さを増やすことはただ坪量を対応
して増加することになり、したがって、かさを大きくせず、あるいはまた相対的
なこわさを減少することになる。

【０００８】 最近では、よりかさを増し、より伸張性を高めた使い捨て可能な紙製品を製造
するために従来の抄紙機を改修、あるいは改良することが行われている。得られ
る消費製品に顕著な改良をもたらす、抄造方法における重要な改良の一つは従来
の脱水用プレスフェルト脱水を置き換える通気乾燥法の使用である。この通気乾
燥法ではプレスフェルト乾燥と同様に、ウェブはヘッドボックスから１パーセン
ト濃度（水性スラリーに占める繊維の重量パーセント）よりも小さい水性スラリ
ーをフォーミング・ワイヤ上に置いて始まる。初期脱水はそのフォーミング・ワ
イヤにおいて起こる。このウェブはフォーミング・ワイヤから空気透過性通気空
気乾燥ベルトに移送される。この場合の“湿時移送”はピックアップシューで起
き、この点でウェブが通気空気乾燥ベルトの起伏に合わせて型押しされる。

【０００９】 時が過ぎて、さらなる改良が必要となった。通気空気乾燥ベルトの重要な改良
の一つは強化構造体上に樹脂構成物を使用することである。この樹脂構成物は、
一般に、第１の面および第２の面と、これらの面の間に延びる偏向導管とを有す
る。この偏向導管はウェブの繊維が偏り、再配置される領域を与える。この装置
により通気空気乾燥ベルトは従来技術の製織ベルトによって達成できる不連続パ
ターンのみでなく、連続パターンあるいは望ましい任意のパターンを形成するこ
とができる。このようなベルトおよびそれによって製造したセルロース性繊維構
造はジョンソンらに付与された１９８５年４月３０日発行の米国特許第４，５１
４，３４５号明細書、トロクハンに付与された１９８５年７月９日発行の米国特
許第４，５２８，２３９号明細書、トロクハンに付与された１９８５年７月１６
日発行の米国特許第４，５２９，４８０号明細書およびトロクハンに付与された
１９８７年１月２０日発行の米国特許第４，６３７，８５９号明細書に見出すこ
とができる。上述の４つの特許はパターン化された樹脂構成物の好ましい構造な
らびに強化形通気空気乾燥ベルトおよびそれらで製作される製品を示す目的のた
めに参照としてここに取り入れられる。このベルトはいずれも現在の譲受人によ
って製造され、販売される、バウンティ・ペーパタオルおよびチャーミン・ウル
トラ・トイレットティッシュのような、商業的に多大な成功を収めている製品を
製造するために使用されている。

【００１０】 抄紙方法に対するさらに別の改良は複数坪量域を有する紙ウェブをもたらす、
特殊な抄紙装置を含んでいる。このような方法はその開示内容が参照としてここ
に取り入れられる、トロクハンらに付与された１９９３年９月１４日発行の米国
特許第５，２４５，０２５号明細書、トロクハンらに付与された１９９６年４月
２日発行の米国特許第５，５０３，７１５号明細書、トロクハンらに付与された
１９９３年７月９日発行の米国特許第５，５３４，３２６号明細書に記述されて
いる。

【００１１】 よりかさを増し、より伸張性を高めた使い捨て可能な紙製品を製造するための
上記した従来の抄紙機に対する改良のどれも既存の機械類および装備品への重要
な改良を伴う。組織および柔らかさなどの付随する特性と共に、かさを増すこと
は望ましいものであるが、必要な改良を取り入れるために従来の抄紙機を改修し
た場合の資本コストはしばしば手が出せなくなるものになる。

【００１２】 従来のおよび従来技術によらない抄紙機において、ある一定のレベルの伸張性
は、典型的には、紙を乾燥した後に、その紙に縮小操作を施すことによって生じ
る。縮小は多くの形態を利用することができるが、クレープ加工は最も普通の形
態である。クレープ加工は、典型的には、形成した乾燥紙がドクタブレードによ
って乾燥ドラムから除かれる場合のように、製造工程の最終工程の１つとして現
われる。単純化した見方では、クレープ加工は極めて細かい隆起からなるパター
ンを形成し、ウェブの流れ方向に対して横切る方向に折れている。極めて細かい
アコーディオン式の折り曲げ部の数および幅は限られた操作範囲で変化させるこ
とができ、その結果、得られるウェブは流れ方向にのみ伸張性を獲得する。幅方
向における伸張性は実質的に変化せず、破断するまでに僅か２、３パーセントし
か伸びることができない。これに加えて、クレープ加工はクレープ量に比例して
ウェブの坪量を増加する。したがって、クレープ加工で引き起こされる伸張性の
レベルについてはクレープ量に比例して坪量がどれだけ増えるかによって一定の
値が与えられる。

【００１３】 従来の、あるいは従来技術によらない抄紙機のいずれかで製造される紙の厚さ
およびかさを増すことは抄紙後の加工操作においてもなし遂げることができる。
加工操作はエンボス加工、プリント加工およびパッケージ加工のような、完成し
た紙を別の形態にさらに処理することを称する。たとえば、厚さをより厚くする
ことは１プライからなる紙を複数プライ製品へと積層することによって達成する
ことができ、かさを増すことはエンボス加工によって達成することができる。か
さおよび厚さはエンボス加工と積層加工とを組み合せて増大することが可能であ
る。しかしながら、従来のエンボス加工、特に、マクロ−パターン・エンボス加
工ではそのエンボスパターンを保持するためにシートのこわさは比較的大きくし
なければならない。また、従来のマクロ−パターン・エンボス加工は、典型的に
は、紙の伸張性に殆ど影響を及ぼさず、紙の弾性に実質的に影響を及ぼさない。
“マクロ−パターン・エンボス加工”とはパターンを約３０．４８ｃｍ（１２イ
ンチ）の距離から観察したとき、人間の目で容易に区別可能なパターンを形成す
る、エンボス加工を意味する。

【００１４】 したがって、紙ウェブ、特に、従来の抄紙機で製造される紙ウェブを少なくと
も１つの方向に伸張性を増加すると共に、かさを増し、組織ならびに良好な全体
外観および感触を有する、紙ウェブに加工する手段に対する要望がある。

【００１５】 これに加えて、少なくとも１つの方向に伸張性および弾性を増加すると共に、
かさおよび組織を増し、さらには良好な全体外観および手ざわりを有する、使い
捨て可能な紙製品を備えることは望ましい。

【００１６】 さらに、既存の抄紙機を改修するために費用を必要としない、抄紙後の操作で
かさおよび組織を増し、さらには良好な全体外観および手ざわりを有する、紙ウ
ェブを製造できることは望ましい。

【００１７】 発明の概要 本発明の紙ウェブは縦中心線および横中心線を有し、複数個の第１の領域およ
び複数個の第２の領域を構成する。この第１の領域は第２の領域を分離する境界
を形成しており、紙ウェブの実質的に平面にある。第２の領域は上記平面から離
して隆起させた複数個のリブ状要素を構成しており、第２の領域のリブ状要素は
主リブ軸と平行で、かつ補助リブ軸と垂直に配置されている。第１の領域の全部
または大部分は主リブ軸および補助リブ軸成分の双方を有する。第１および第２
の領域は抄紙ウェブ材料が少なくとも１つの軸に沿って伸ばされたとき、幾何学
的変形を生じる。

【００１８】 本発明の方法はセルロース性基材を準備し、歯領域および歯のない領域を構成
する第１のプラテンを準備し、歯領域を構成する第２のプラテンを準備し、組み
合わされたとき、第１のプラテンの歯領域と、第２のプラテンの歯領域とがかみ
合うように、第２のプラテンを第１のプラテンと整列させ、不連続の扇状折り曲
げリブ状要素からなる領域を形成するため歯領域が紙ウェブを変形するように、
セルロース性基材を第１のプラテンと第２のプラテンとの間で加圧する、工程か
らなる。任意的に、セルロース性基材は加圧する前に湿潤させることができる。

【００１９】 発明の詳細な説明 本発明はティッシュ紙ウェブに関連して説明されるが、用語“紙ウェブ”はこ
れに限定されない。“紙ウェブ”とは紙用繊維からなる水性スラリーを適する紙
層形成構造体上に置き、この後、引き続き任意の脱水手段によってそのスラリー
から水を除去する方法で一般に形成される、任意の種々のウェブを意味する。こ
のような“紙ウェブ”はペーパタオル、ワイプ、美顔用ティッシュおよびトイレ
ット・ティッシュのような、紙製品用ベースの紙を含む。この紙ウェブを形成す
る方法は、また、典型的には、クレープ加工または湿式微小縮小加工のような、
完成したウェブを縮小する手段と共に、脱水工程中、紙用繊維を顕著に再配置す
るための手段を含む。“紙ウェブ”は乾式ウェブに対する水の導入を含む、ある
いは含まない、多様な乾式方法によって形成される紙を含む。乾式紙ウェブは合
成繊維、ラテックスなどの使用を含む、この技術分野でよく知られた方法によっ
て結合される。

【００２０】 ここで用いられるとき、“繊維”は鉱物、植物、動物および合成の繊維を含む
、本発明の紙ウェブを形成する場合に使用に適する繊維を称する。好ましい繊維
は木材および非木材を含む、植物繊維である。本発明に関連して最も好ましい繊
維はティッシュ・ペーパのような、典型的には、セルロース紙製品として使用さ
れる、針葉樹および広葉樹のような、木材繊維である。一般に、適する木材繊維
は紙に柔軟性および引張り強さを与える、細長い、テーパ状の、厚い細胞壁を持
つ植物細胞である。

【００２１】 ティッシュ・ペーパを製造するのに好ましい紙用繊維は、一般に、非弾性であ
る。非弾性とは繊維が自然状態では弾性がないことを意味する。さらに、完成し
た紙ウェブ内の繊維同士が結合する性質のために、一般に、バス・ティッシュ、
タオルまたはワイプ用途に役立つ種類のティッシュ・ペーパは、自然状態では、
一般に、弾性として考慮されない。縮小加工は幾分かの伸張性を与えることがで
きるが、典型的な抄紙機上で形成される場合、セルロース紙製品はクレープ加工
しないとすれば、むしろ繊維同士の密度の高い結合のために非弾性を呈し、実質
的に伸びることができない。繊維同士の結合は伸びをもたらさないで、むしろ破
断を起こし、結果として引き裂きが生じる。

【００２２】 したがって、従来の抄紙機で形成されるティッシュ紙ウェブは実質的に非弾性
であるだけでなく、非弾性の、伸張性についてそれと認められる量を示さない。
言い換えると、熱可塑性材料を含有するウェブおよびフィルム材料と反対に、紙
ウェブは、一般に、自然状態では弾性または伸張可能であるとは考えられない。
紙ウェブは柔軟に変形可能な材料と係わりのある“分子レベル”の変形を獲得す
る傾向はない。しかしながら、以下に説明されるように、本発明の紙は予想外に
大きく伸張可能であり、一定限度までは弾性である。この驚くべき伸張性および
弾性は製造方法、すなわち、従来の、または従来技術によらない乾燥方法に関係
なく、ベース紙ウェブにもたらされる。

【００２３】 紙 本発明の紙ウェブは複数個の第１の領域および複数個の第２の領域を構成する
。ここで、第１の領域は第２の領域から視覚的に区別可能である。ここで用いら
れるとき、用語“視覚的に区別可能”はウェブ材料またはそのウェブ材料を利用
する目的物が正常な使用条件であるとき、正常な肉眼に基づいて容易に見分けら
れるウェブ材料の特徴を称する。第１の領域が第２の領域と視覚的に区別可能で
あることに加えて、この第１の領域は第２の領域が本発明の紙ウェブ表面に視覚
的に区別可能なパターンを形成するようにして第２の領域の境界を定めている。
この視覚的に区別可能なパターンの例は、ここに開示される、ダイアモンド形の
正規パターン、波状の波形パターン、三角形の正規パターン、各種形状の組み合
わせおよびその類似物を含む。

【００２４】 図１および図２を参照すると、引張り力が実質的にない状態で示される、厚さ
が増し、伸張性が増大し、弾性が増加した本発明の紙ウェブ５２の好ましい実施
例が示されている。この紙ウェブ５２は、以後、Ｌ軸、線または方向と呼ぶ、縦
中心線および、以後、Ｔ軸、線または方向と呼ぶ、横断または横中心線の２つの
中心線を有する。この横中心線“Ｔ”は、一般に、縦中心線“Ｌ”に対して垂直
である。ウェブ材料が形成される抄紙工程においては縦中心線は“流れ方向”（
ＭＤ）と平行であり、横中心線は“幅方向”（ＣＤ）と平行である。

【００２５】 抄紙ウェブ５２は区別可能な区域の“引張り可能な網状組織”を備えている。
ここで用いられるとき、“引張り可能な網状組織”は予め決められた方向に有効
な程度まで伸びることができる、相互に結ばれ、かつ相互に密接に関係した組織
群を称する。付言すれば、“引張り可能な組織”は有効なだけの弾性特性を備え
た紙ウェブを与える。“弾性”とはベース紙としては弾性を示さないにもかかわ
らず、本発明の紙ウェブに形成されたときには、組織に加えられ、その後に開放
される力に応じてゴム状の挙動を示すように、引張り可能な網状組織が紙ウェブ
に対して引張り力を復元させる性質を与えることを意味する。

【００２６】 引張り可能な網状組織は複数個の第１の領域６０および複数個の第２の領域６
６を含む。抄紙ウェブ５２は、また、第１の領域６０と第２の領域６６との間に
配置される移行領域６５を備える。この移行領域６５は第１の領域および第２の
領域の作用を複合化し、組み合わせた作用を呈する。本発明のすべての実施例は
この移行領域を備えるものであるが、本発明は区別可能な領域（たとえば、第１
の領域６０および第２の領域６６）のウェブ材料の作用によって主として定義さ
れると理解すべきである。したがって、本発明の後述する説明は移行領域６５の
ウェブ材料の複合化した作用には大きく左右されず、第１の領域６０および第２
の領域６６のウェブ材料の作用のみと関係する。

【００２７】 この第１の領域６０はここで“複数個”の第１の領域６０として説明されてい
るが、図１の好ましい実施例のように、幾つかの実施例では複数個の第１の領域
６０は相互に結合し、連続した網状組織からなる単一の領域を形成してもよい。
したがって、ここで用いられとき、用語“複数個”の第１の領域６０は連続した
単一網状組織領域を形成する相互に結合した第１の領域を包含する。それにもか
かわらず、連続した単一網状組織領域を保つ相互に結合した第１の領域６０は、
以下に説明されるように、たとえば、領域６１および領域６２のような不連続で
、相互に結合し、互いに交差している領域としても考慮される。

【００２８】 紙ウェブ５２は（図１および図２において見る人と向かい合う）第１の面およ
び反対側の第２の面（図示せず）を有する。図１に示す好ましい実施例において
は、引張り可能な網状組織は複数個の第１の領域６０および複数個の第２の領域
を備えている。符号６１によって示す一組みの第１の領域６０は、好ましくは、
直線であり、符号Ｄ１によって示す第１の方向に延びている。符号６２によって
示す残りの第１の領域６０は第１の方向と実質的に垂直である、符号Ｄ２によっ
て示す第２の方向に延びている。第１の方向が第２の方向に対して垂直であるこ
とは好ましいものであるが、第１の領域６１と領域６２とが互いに交差する限り
、第１の方向と第２の方向との角度はこれ以外の関係でも適する。好ましくは、
第１の方向と第２の方向との角度は４５°から１３５°の範囲であり、最も好ま
しくは、９０°である。第１の領域６１と領域６２との交差は第２の領域６６を
完全に取り囲む、図１の仮想線６３によって示す境界線を形成する。

【００２９】 交差している第１の領域６１と領域６２とは、図１に示すものと同様に、一般
に、真っ直ぐである必要はない。さらに、第１の領域６０は、図１に示すものと
同様に、交差している必要はない。たとえば、図２に示すように、第１の領域６
０は第１の方向Ｄ１および第２の方向Ｄ２に延びる部分を有する、網状構造を形
成した波状の交差しない第１の領域６０を構成してもよい。図２に示すこの波状
の交差しない第１の領域６０は第１の領域６０が完全に第２の領域６６の境界を
定める、図１のパターンに類似するパターンを形成するのではなく、第２の領域
６６を完全には境界を定めず、分離している。

【００３０】 好ましくは、第１の領域６０の幅は約０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ）か
ら約２．５４ｍｍ（０．１００インチ）までであり、より好ましくは、約０．７
６２ｍｍ（０．０３０インチ）から約１．２７ｍｍ（０．０５０インチ）までで
ある。しかしながら、第１の領域６０に対しては上記以外の幅寸法も適する。図
１に示すような好ましい実施例では、第１の領域６１と領域６２とは互いに垂直
で、等間隔に離間しており、したがって、第２の領域は、好ましくは、一般に、
正方形またはダイアモンド形である。一形態は中心から中心までの距離を約５．
３８５ｍｍ（０．２１２インチ）に保って平行に間隔を置く約１．０１６ｍｍ（
０．０４０インチ）の幅を有する、第１の領域を備える。しかしながら、第２の
領域６６には他の形状も適しており、第１の領域間の間隔および／または第１の
領域６０および領域６２のお互いの並び方を変えることによって達成してもよい
。

【００３１】 第１の領域６０の顕著な特性の一つは点線８８によって図１および図２に示す
“網状構造”からなる組織である。第１の領域６０に関して“網状構造”とは第
１の領域６０の部分が幾分かの復元力を及ぼすと同時に、紙ウェブの平面に伸び
を与える、２次元弾性体として形成されることを意味する。

【００３２】 図１および図２に示す第１の領域は第１の領域６０に適する、現状において好
ましいパターンを示すが、パターンはこれに限られない。これ以外の交差し、ま
たは交差しないパターンが第１および第２の領域の双方が加えられた引張り力に
よって幾何学的な変形を生じ、紙ウェブが少なくとも１つの方向に伸張性および
弾性を増加するという、唯一の制約を考慮して予測することが可能である。

【００３３】 図１および図２に示すように、この紙ウェブ５２は、図示の例の場合、紙ウェ
ブの横軸と実質的に平行な方向に力が作用したときに紙ウェブの横軸と実質的に
平行である軸に沿って伸びまたは弾性を示すように、以下に開示される方法によ
って“形成され”ている。ここで用いられるとき、用語“形成される”は紙ウェ
ブに外力からの伸長がなく、力の作用もないときに望ましい構造または幾何学的
形状を実質的に保持できる、紙ウェブ上に生じさせる、望ましい構造または幾何
学的形状についての生成を称する。

【００３４】 第１の領域６０は、巨視的には、面外変形を殆どあるいは全く受けないように
、後に続く工程によって実質的に修正されることのない、単一平面である。すな
わち、第１の領域６０内にある材料は紙ウェブ５２の形成工程の前後において実
質的に同一の状態にある。第２の領域６６は隆起した複数個のリブ状要素７４を
備える。このリブ状要素７４は、一般に、“扇状の折り曲げ”構造として説明可
能なものを形成するためにエンボス成形、デボス成形あるいはこれらの成形法の
組み合せを用いて成形することができる。各々リブ状要素７４の扇状折り曲げ構
造は紙ウェブ５２の縦軸と実質的に平行である、第１または主リブ軸７０および
紙ウェブ５２の横軸と実質的に平行である、第２または補助リブ軸７１を有する
。各リブ状要素７４については主リブ軸７０は補助リブ軸７１と実質的に垂直で
ある。このリブ状要素７４は要素間に形を持つ区域を置かず連続させることがで
きる。

【００３５】 リブ状要素７４の主リブ軸７０および補助リブ軸７１は、たとえば紙ウェブの
横軸と実質的に平行に主リブ軸７０の向きを定める方法で、図１または図３に示
すものと異なる方法で紙ウェブに対する向きを定めるようにしてもよい。また、
各リブ状要素７４の主リブ軸７０を互いに平行に揃えることはかさを増加するこ
とを含めて本発明の多くの利点を実現できるならば、たとえ実現できないとして
も、一般に、好ましい。

【００３６】 紙ウェブ５２が図３の矢印８０で示す軸方向の引張り力Ｄを受けると、第２の
領域６６にあるリブ状要素７４は幾何学的変形、すなわち広がりを生じ、伸びる
ことにほんの少し逆らう。これに加えて、第１の領域６０の形状は２次元弾性体
として作用する。すなわち、第１の方向Ｄ１と第２の方向Ｄ２との角度の変化を
生じて伸びるべく、第１の領域６０によって形成される、網状構造の機能により
軸方向の引張りに伴い変化する。第１の領域６０が幾何学的変形を生じると、第
１の領域６０が第２の領域６６と接し、分離し、さらに幾つかの例では、その境
界を定めているので、第２の領域６６は同様に形状が変化する。

【００３７】 したがって、紙ウェブ５２が伸びを生じたとき、第１の領域６０は幾何学的変
形を起こし、すなわち、網状構造から真っ直ぐに伸び、これにより第２の領域６
６の形状を変化させる。この第２の領域は伸長する方向と平行な方向に伸び、ま
たは長くなり、伸張する方向と垂直な方向に縮小する。以下により詳しく開示さ
れるように、幾何学的な変形以外の別の態様も観察されている。

【００３８】 図１および図３に示すように、第１の領域６０は交差していても、交差しなく
ても、一般に、紙ウェブの平面内に主リブ軸成分および補助リブ軸成分を有する
、第１の方向Ｄ１または第２の方向Ｄ２のどちらかに伸びる部分を備えている。
言い換えると、第１の方向Ｄ１または第２の方向Ｄ２は以下により詳しく説明さ
れるように、どちらも第２の領域６６の主リブ軸７０または補助リブ軸７１のい
ずれかと平行には配置しないのが好ましい。図１の第１の領域６０の交差する点
のように、主リブ軸または補助リブ軸成分のいずれも持たない第１の領域６０の
部分については、好ましくは、大きさを最小に保持し、このような構成により紙
ウェブの伸びまたは弾性特性上に殆ど影響を及ぼさないようにすることができる
。

【００３９】 主リブ軸および補助リブ軸成分の双方を持たない、第１の領域６０の部分は、
一般に、その大きさについて最小に保持することが望ましいといえるが、第１の
領域６０の大部分の区域を第２の領域６６の主リブ軸または補助リブ軸のいずれ
かと整列させることにより本発明の多大な利点を実現することができる。たとえ
ば、主リブ軸７０と平行な幾つかの第１の領域６４を有する、図４に示す紙ウェ
ブはかさを保ち、かつ伸長することができる。このような形態は主リブ軸が、図
１０に示すように、ウェブ形成工程中、流れ方向に順次一致する、縦軸Ｌと平行
に整列している場合に流れ方向の引張り強さを保持するのに有用である。ウェブ
形成工程中、幅方向に順次一致する、横軸Ｔと平行に整列させる、主リブ軸７０
を備えるものでは、図４に示されるような主リブ軸７０と平行な、幾つかの第１
の領域６４を備える、上記以外の形態も予測し得る。

【００４０】 理論に拘束されないで本発明に係る紙ウェブの伸長可能な、すなわち弾性の特
性はリブ状要素に倣い３次元幾何学的方法で“広げる”、第２の領域６６の扇状
折り曲げ構造の働きによるものである。同時に、第１の領域６０は、図３に示す
ように、紙ウェブの平面において、一般に、２次元の幾何学的方法を用いて加え
られる負荷に対し一般に、垂直方向に収縮する。この第１の領域６０の収縮およ
び結果として起こる第２の領域６６での形状の変化は２次元ポアソン効果に類似
すると考えることができる。たとえば、図１を参照した場合に最もよく判るよう
に、紙ウェブが、一般に、横中心線Ｔと平行な方向に伸ばされると、第２の領域
６６の形状は、図３に示すように、一方向で伸び、他の方向で縮小するように、
変化する。上述のように、同時に起こる第２の領域６６の拡張と第１の領域６０
の収縮とは主リブ軸７０または補助リブ軸７１が第１の領域６０の第１の方向Ｄ
１または第２の方向Ｄ２のいずれかと平行に並ぶのを避けることで与えられる。

【００４１】 本発明の紙ウェブの極めて有利な特性の一つは少なくとも１つの方向の伸びる
のに応じてかさが増加する能力である。理論に拘束されることは望まず、この動
作はここに図５および図６を参照して幾何学的変形における不連続態様という、
用語を用いて説明される。図５は図１に示す紙ウェブ５２の、引き伸ばされない
部分の５−５線に沿う横断面を示している。第２の領域６６は、最初に、本発明
の方法によって形成される、典型的なリブ状要素７４について示している。最初
の形成時点でリブ状要素は紙ウェブに初期厚さＣ１を与える。図２および図６に
矢印８０で示す軸方向の伸びＤが生じたとき、第２の領域６６のリブ状要素７４
は幾何学的変形を伴う第１の態様、すなわち、アコーディオン式にリブ状要素が
広がる。この第１の態様の幾何学的変形が起こると、第２の領域６６の形状は、
同時に、幾何学的変形を伴う第２の態様に変化する。すなわち、図３に示すよう
な第１の領域６１と領域６２とが交差する第１の領域６０によって形成される網
状構造の変位を引き起こす。この幾何学的変形を伴う第２の態様が生じると、第
２の領域６６は伸長方向と垂直な方向に収縮するか、または縮小する。第２の領
域６６の形状が変化すると、第２の領域６６のリブ状要素７４は、一般に、伸び
る方向と垂直な反らせる力によって本来の位置の平面から離れる、幾何学的変形
を伴う第３の態様になる。図６に示すように、この伸びと同時に生じる、紙ウェ
ブの反り、すなわち、“ふくらみ”は厚みを増加する。仮に、紙ウェブの弾性範
囲を超えて伸びるならば、この増加した厚さの大部分は伸びを除いた後も、内部
にとどまり、紙ウェブに新たな厚さＣ２を与える。この“ふくらみ”は紙ウェブ
に対してより一層の組織およびかさを与え、さらに本発明の抄紙ウェブの厚みを
生成する望ましい特性を増大する。

【００４２】 したがって、本発明の紙の極めて有利な成果の一つは第２の領域６６に形成さ
れる隆起したリブ状要素によりかさと組織とを増加することができ、これに加え
て、第１および第２の領域間の幾何学的関係により伸長性を増すことが可能にな
る。また、ベース紙および（以下に議論されるような）使用される工程条件次第
で紙は少なくとも１つの方向に大きな量の弾性を示す。これに加えて、伸長性お
よび弾性を増加することにより消費者の受け入れに重要である、良好な外観およ
び手ざわりを与えることができる。

【００４３】 製造方法 図７について参照すると、図１に示す紙ウェブ５２を形成するために使用され
る装置４００が示されている。この装置４００はかみ合いプレート４０１、４０
２を備えている。このプレート４０１、４０２は各々複数個のかみ合い歯４０３
、４０４を備える。プレート４０１、４０２は本発明の紙ウェブを形成するため
に所定の圧力のもとで共に運ばれる。

【００４４】 プレート４０２は歯を刻んだ領域４０７と溝を刻設した領域４０８とを備える
。プレート４０２は歯領域４０７内に複数個の歯４０４を備えている。プレート
４０１はプレート４０２の歯４０４とかみ合う歯４０３を備える。プレート４０
１、４０２の間で紙ウェブを形成するとき、プレート４０２の溝領域４０８とプ
レート４０１の歯４０３との間に位置決めされる紙ウェブの部分は実質的に変形
しない。これらの領域は図１に示す抄紙ウェブ５２の第１の領域６０に相当する
。（歯を構成する）プレート４０２の歯領域４０７とプレート４０１の歯４０３
との間に位置決めされる紙ウェブの部分は増加的に形成され、紙ウェブ５２の第
２の領域６６にリブ状要素７４を作り出す。

【００４５】 図７は図１に示すような第１の領域６０のパターンを有する紙を製造する場合
に適するプレートを示すが、この技術分野において熟練せる技術者は図２および
図４に示すパターンのような、別のパターンを製造するために類似したプレート
を容易に想到することができる。本発明の紙は第１の領域６０については“網状
構造”からなるパターンに形成し、第２の領域６６については、上記説明のよう
な第１および第２の領域が幾何学的変形を生じるように、隆起したリブ状要素を
備えるようにする限り、独立したパターンであると考える。このパターンは本発
明の範囲に含まれる。このようなパターンは幾何学的変形を伴うここに開示され
た態様を生じさせ、紙が伸長性、弾性を呈し、さらに引張るときに厚さを増す。

【００４６】 さらに、図７は歯領域を備えた１枚のプレート（プレート４０１）および溝、
すなわち歯のない領域を備えた１枚のプレート（プレート４０２）を示している
が、この技術分野において熟練せる技術者は歯領域４０７および溝領域４０８の
双方を有するプレートを容易に想到することができる。この形態においては、重
なり合う、または偏心させた位置にあるパターン、規則的に、またはランダムに
偏心させたパターンとかみ合う同一パターンのプレートを使用することは利点が
ある。歯領域ならびに一方のプレートが第１のパターンを形成する、歯のない領
域を有し、他方のプレートが異なるパターンの第２のパターンを形成する、歯の
ない領域を有する、歯のない領域の双方を備えたプレートを使用することは利点
がある。プレート設計および形態におけるこれらの例ならびに他の変形例はすべ
て限定されない、本発明の好ましい、予測し得る実施例の典型的な例を示すこと
を意図する。

【００４７】 図８はかみ合い歯４０３、４０４の部分的横断面を示している。リブ状要素の
深さ、間隔および数は本発明の紙ウェブの有効な伸びと共に、厚さの増加を調節
するために変えることができる。特に、リブ状要素７４の数、間隔および深さは
第２の領域の表面パス全長を決定する。ここで用いられるとき、“表面パス全長
”は参照としてここに取り入れられる、チャペルらに付与された１９９６年５月
２１日発行の米国特許第５，５１８，８０１号明細書に開示されるような、軸と
実質的に平行に当該領域の起伏表面に沿って測定した値を称する。本発明の抄紙
ウェブに好ましい歯の形態は歯の高さが１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）、
ピッチが０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）である。

【００４８】 完成した本発明の紙ウェブ形成物の高さはかみ合いプレートのかみ合い深さに
よって定まる。図８に示すように、かみ合い深さＥは歯４０３の先端から歯４０
４の先端までの距離を測定する。理論に拘束されないで紙ウェブの永久変形は紙
が柔軟には変形しないので、繊維結合を解放し、再配向することによってなし遂
げられると考える。かみ合い深さＥのレベルを大きくすればする程、繊維結合の
解放が増し、再配向も増大する。したがって、紙ウェブの引張り特性はかみ合い
深さを増加するに従い減少する傾向にある。ある決められた初期厚さの場合、歯
の高さＴＨ、ピッチＰおよびかみ合い深さＥは引張り特性、厚さならびにウェブ
の弾性および伸長性についての良好なバランスを得るために調節することができ
る。

【００４９】 紙ウェブの不連続部分が同時に変形する、ウェブ形成方法は静的方法で達成す
ることができる。これに代わる方法では、ウェブ形成方法は移動する紙ウェブを
間欠的に接触させ、その紙ウェブを本発明の成形した紙ウェブに成形する、連続
形動的プレスを用いても達成することができる。このような動的プレスは、図９
に示すように、かみ合い歯を刻んだプレスロール５００を備えている。ロール５
０２は歯領域５０７および溝領域５０８を備える。ロール５０２は歯領域５０７
に複数個の歯５０４を備える。ロール５０１はロール５０２の歯５０４とかみ合
う歯５０３を備えている。紙ウェブをロール５０１、５０２間で形成するとき、
ロール５０２の溝領域５０８とロール５０１の歯５０３との間に位置決めされる
紙ウェブの部分は実質的に変形せずに残る。これらの領域は図１に示す紙ウェブ
５２の第１の領域６０に相当する。

【００５０】 動的プレスロール５００は、好ましくは、本発明の紙ウェブを製造する方法に
おける要素の１つとして、図１０に図式的に示すフォーミング装置６００で使用
される。フォーミング装置６００はロールストック６１０から連続している紙ウ
ェブ５０を巻き戻す手段を構成する。この紙ウェブ５０を本発明の紙ウェブ５２
に形成するプレスロール５００に適当な手段６０５によって案内する。紙ウェブ
５２を形成した後、さらに紙ウェブ５２を巻き取りロール６２０のような加工工
程まで適当な手段６０５によって案内する、さらなる方法、変形例は参照として
ここに取り入れられる、チャペルらに付与された１９９６年５月２１日発行の米
国特許第５，５１８，８０１号明細書に十分に開示された方法および変形例を含
めて予測し得る。

【００５１】 図９は歯領域を備えた１個のロール（ロール５０１）と、溝、すなわち、歯の
ない領域を備えた１個のロール（ロール５０２）とを示しているが、この技術分
野において熟練せる技術者は歯領域５０７および溝領域５０８の双方を有するロ
ールを容易に想到することができる。この形態においては、重なり合うパターン
と、または少しずれた位置で規則的に、またはランダムに少しずれたパターンと
かみ合う同一パターンのロールを使用することは利点がある。歯領域ならびに一
方のロールが第１のパターンを形成する、歯のない領域を有し、他方のロールが
異なるパターンの第２のパターンを形成する、歯のない領域を有する、歯のない
領域の双方を備えたロールを使用することは利点がある。類似して、溝領域５０
８によって形成される、同一または異なるパターンを備えた直径が相違するロー
ルを使用することは利点がある。ロール設計および形態におけるこれらの例なら
びに他の変形例はすべて限定されない、本発明の好ましい、予測し得る実施例の
典型的な例を示すことを意図する。

【００５２】 本発明に係る方法は、代替的な実施例では、プレスロール５００における成形
の前に紙ウェブ５０に湿潤剤を添加する工程を含む。好ましい湿潤剤は水である
が、たとえば、湿潤紙力増強薬品、柔軟化薬品を含む、他の湿潤剤を添加しても
よい。湿潤剤の添加は厚みの増加および伸長性特性に大きな影響を及ぼすもので
はないが、工程を終了した後、紙がこうむる可能性のある引張強さの減少を最小
にとどめるのに効果を現す。理論に拘束されないで、たとえば水のような湿潤剤
の添加はセルロース性繊維構造体の可塑化に力を貸すために一定量の引張強さを
保持する効果を現す。水の添加はセルロース構造体を可塑化し、乾燥条件のもと
でこうむる可能性のある多量の繊維の破断を生じないで、本発明の方法によって
一段と容易に形成することができる。この可塑化は、多分、セルロース構造内部
の水素結合の低下によるもので、繊維の膨張によっておこり、繊維が可塑化し、
繊維はより柔軟性を増すことができる。ハーキュリーズ社（Ｈｅｒｃｕｌｅｓ
Ｉｎｃ．，デラウェア州、ウィルミントン）から商品名７ＭＴとして入手可能な
カイメン５５７Ｈ、すなわち、カルボキシメチルセルロース（ＣＭＣ）のような
、ウェブ形成中に添加される湿潤紙力増強剤は繊維を可塑化する間、その構造を
結合したままにするのに力を貸す。

【００５３】 図１０に示すように、重量を基準とした水分含有量で約１０％から８０％、好
ましくは、４０％から６０％までの予め決められた量の水を紙ウェブに対して水
供給装置６４０から添加する。一実施例では、重量基準で５０％レベルの水を紙
ウェブに加えて引張強さの減少を最小にとどめるのに成功した。成形後、紙ウェ
ブ５２は適当な手段を用いて乾燥、すなわち、紙ウェブを形成し、巻き取りロー
ル６２０に巻き取った後、蒸発させて乾燥するように、さらなる加工操作で処理
する。

【００５４】 本発明の紙ウェブは積層紙、すなわち、複数プライ紙ウェブを含む。積層紙は
成形工程の前、成形工程中、あるいは成形工程の後に、この技術分野において熟
練せる技術者に知られた結合方法を幾つか組み合せることによって接合する。こ
のような結合方法は、これに限定されないが、熱結合、圧力結合および接着結合
（これに限定されないが、スプレー接着剤、ホットメルト接着剤、ラテックス・
ベース基接着剤およびその類似物を含む、多くの接着剤のいずれかを使用する）
、結合を含む。接着剤結合は積層する前に接着剤の層を１プライの表面に均一に
塗布するか、または規則正しい、もしくは任意のパターンで結合する、たとえば
スポットのような不連続結合箇所として、少なくとも１プライに対して接着剤を
塗布してなし遂げることができる。これに代わる方法では、接着剤は、たとえば
、図１の連続した第１の領域に相当する、網状組織のような、連続した網状組織
に少なくとも１プライに対して塗布してもよい。

【００５５】 積層紙は、一実施例では３Ｍ社から販売される“スパーク７７”（登録商標）
の圧力感応性スプレー接着剤を用いて従来の紙の２プライを接合する方法で製造
する。接着剤の極めて薄いミストを均一に１プライに対して塗布し、２プライ目
を接着剤を含ませたそのプライの上面にどちらのプライにもしわを生じさせない
ように注意して慎重に置く。この後、２プライを共に確実に結合するために軽い
ハンド・プレッシャを使用する。

【００５６】 複数プライ積層紙に形成したとき、本発明の紙ウェブは多様な形態のいずれか
の状態に位置決めする。たとえば、リブ状要素７４からなる第２の領域６６を備
える２プライからなるウェブを形成したとき、積層構造は重なり合うようにそれ
ぞれ第２の領域６６を位置決めする。これに代わる方法では、積層したとき、重
なり合わないように第２の領域の各層を置くことは利点がある。類似して、一方
の紙ウェブの第１のパターンおよび他方の紙ウェブの異なるパターンを用いて複
数プライ積層紙を形成することも利点がある。

【００５７】 紙ウェブの伸長性については望まないという、条件の場合、複数プライ積層紙
はベース紙のどちらかの伸長性を失わせ、各ベース紙が実質的に２倍のかさを備
えるように製造してもよい。これは他のプライをなす第２の領域６６の主リブ軸
７０と、一般に、垂直である、第２の領域６６の主リブ軸７０を有する、本発明
の、少なくとも２プライの紙ウェブを積層することによって達成することができ
る。たとえば、図１を参照すると、縦中心線“Ｌ”と、一般に、平行な主リブ軸
７０を備える第２の領域６６を有する、１枚の紙ウェブと、縦中心線“Ｌ”と、
一般に、垂直である主リブ軸７０を備える第２の領域６６を有する、別の抄紙ウ
ェブとを積層する。紙ウェブ５２は第１の軸７０と、一般に、平行な方向には殆
ど伸長性を示さないように作られるので、この方法で製造される積層紙はどちら
の方向にも殆ど伸長性を示さないことになる。

【００５８】 実施例 以下は本発明の特定の実施例の具体例である。厚さ、伸びおよび引張強さに関
するデータは後記の試験方法の項に開示する方法によって得た。

【００５９】 具体例１ 本発明の紙ウェブを図７に示すプレートに類似する、かみ合いプレートを用い
て製造した。幅約１２７．０ｍｍ（５インチ）、長さ約３０４．８ｍｍ（１２イ
ンチ）および厚さ約１９．０５ｍｍ（０．７５インチ）の２枚のプレートを製造
するために機械加工した金型にアルミニウムを鋳込むことにより製作した。空洞
域にはエポキシ材を充填した。プレートの歯は実質的に三角形、すなわち、基底
約０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）および半径約０．２０３２ｍｍの頂点を
備える、テーパに形成した。各歯の高さは１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）
であり、これらの歯は０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）のピッチで配置した
。各々プレートは２枚組みで運ばれるとき、組み合うプレートの位置を一貫して
正確に保つために位置決め用孔およびピンを用いて心出しした。図７の溝領域４
０８に相当する、一続きの溝は図７のプレート４０２に相当する、プレートの歯
面に機械加工した。この溝は中心から中心までの間隔が６．９８５ｍｍ（０．２
７５インチ）の平行溝で、幅が１．０１６ｍｍ（０．０４０インチ）と測定され
た。

【００６０】 ２８７．７ｍ²（３０００ｓｑ．ｆｔ）あたり９０７２ｇ（２０ｌｂｓ）の坪
量を有するノーザン・ソフトウッド・クラフト繊維からなる単プライ紙ウェブを
従来の抄紙装置上で製造した。この紙は乾燥紙ウェブの重量基準で約８０％まで
蒸留水を用いて平均して水を含ませた。この水を含ませた紙を紙ウェブの流れ方
向が図７に示す縦中心線Ｌに相当する、縦方向に向くように２枚のプレート間に
置いた。特に、言及する点として、この形態では縦の流れ方向が形成されるウェ
ブのリブ状要素の補助リブ軸と平行になることである。

【００６１】 プレート間の所定の位置に紙ウェブを保持させたかみ合いプレートを全面に確
実に平均した圧力を作用させるべくプレートより大きいプラテンを備えた油圧プ
レスに置いた。プレートのかみ合い量を０．４５７２（０．０１８インチ）に制
限するためにプレートの端の部分にスペーサを置いた。このプレートを油圧プレ
スで２７５，８００ｈＰａ（４０００ｌｂｓ）の圧力で加圧し、プレートのかみ
合い歯によって紙に変形を生じさせた。圧力は約１０秒後に逃がし、紙を空気乾
燥に掛けた。

【００６２】 ベース紙ウェブおよび成形紙ウェブを以下に説明される試験方法によって試験
し、比較した。ベース紙ウェブは８．１ミル（０．００８インチ）の厚さを有し
、６．１％の幅方向の伸びを示した。かみ合いプレート間で加圧して成形した後
、紙ウェブは２４．１ミルの厚さを有し、２４．４％の幅方向の伸びを示した。
紙ウェブの坪量が実質的に変わらずに保たれるので、厚さの増加は約２００％の
かさを増加させる。したがって、かさおよび幅方向の伸びは実質的に増加した。

【００６３】 具体例２ 本発明の紙ウェブを図１０に示す工程を用いて抄造した。プレスロール５００
からなる成形ローラは溝を機械加工で刻み、図９に示すロール５０１、５０２に
相当する、長さ２５４ｍｍ（１０インチ）、直径１５２．４ｍｍ（６インチ）の
鋼製ロールに仕上げた。この機械加工した溝は、図９に示すような歯５０３、５
０４に相当する、歯に合わせて形成した。この歯は実質的に三角形で、基底約０
．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）および半径約０．１０１６ｍｍ（０．００４
インチ）から０．２０３２ｍｍ（０．００８インチ）の頂点を保ってテーパに形
成した。各歯の高さは１．５２４ｍｍ（０．０６０インチ）であり、これらの歯
は０．７６２ｍｍ（０．０３０インチ）のピッチで配置した。図９の溝領域５０
８に相当する、一続きの溝は図９のロール５０２に相当する、ロールに機械加工
した。この溝は中心から中心までの間隔が６．９８５ｍｍ（０．２７５インチ）
の平行溝で、幅が１．１０６ｍｍ（０．０４０インチ）と測定された。２個のロ
ールは図１０に示すプレスロール５００に相当する、歯領域を備えたプレスロー
ルを形成するためにかみ合い関係を保って配置した。

【００６４】 ２８７．７ｍ²（３０００ｓｑ．ｆｔ）当り９０７２ｇ（２０ｌｂｓ）の坪量
を有するノーザン・ソフトウッド・クラフト繊維からなる単プライ紙ウェブを従
来の抄紙装置上で製造し、図１０のロール６１０に相当するロール上に準備した
。プレスロールが様々なかみ合いレベルを保てるように配置を変えながら、１分
間１３．７１６ｍ（４５フィート）の速度で紙ウェブをプレスロールに供給した
。プレスロールの歯領域および歯のない領域は紙ウェブの流れ方向が形成される
紙のリブ状要素の主リブ軸と平行となるように配置した。もし、水を供給するの
であれば、プレスロールで成形する前に、スプレーシステムズ社（ＳｐｒａｙＳ
ｙｓｔｅｍｓ Ｃｏ．，イリノイ州、フィートン）のノズル、特にノズルナンバ
ー２８５０／７３３２０のノズルを用いて水を添加する。

【００６５】 次の表１は様々なかみ合いレベルを保って紙ウェブに水を添加した場合にベー
ス紙ウェブの厚さおよび幅方向の伸びがどのように変化するかを調べたときの値
を示している。これに加えて、ウェブ形成の前に、紙ウェブに水を添加した場合
には流れ方向の引張り強さがさらに有利な結果をもたらすことを示している。表
１から判るように、厚さおよび流れ方向の伸びはかみ合いを増すに従い増加する
。水の添加があるときと、添加がない場合の０．５０８ｍｍ（０．０２０インチ
）のかみ合いから得られる結果の比較は特に注目すべきである。流れ方向の引張
り強さについてはかみ合いを増すに従い低下しているものの、水の添加により特
定のかみ合いでの流れ方向の引張り強さに関する特性は改善することができる。

【００６６】

【表１】

【００６７】 試験方法 厚さ 紙ウェブの厚さは直径５．０８ｃｍ（２インチ）のプレッサー・フートを用い
て１５ｇ／ｃｍ²（９５ｇ／ｉｎ²）の圧縮荷重を負荷したときの予め調湿された
紙の厚さを測定した。“予め調湿された”とはＴＡＰＰＩ法の＃Ｔ４０２０Ｍ−
８８に従って２４時間にわたって温度２３±１°Ｃ、相対湿度５０±２％に保た
れる、ウェブを意味する。この厚さはスイング−アルバート社（Ｔｈｗｉｎｇ−
Ａｌｂｅｒｔ Ｃｏ．，ペンシルベニア州、フィラデルフィア）のスイング−ア
ルバート・モデル８９−１１厚さ試験機を用いて測定した。

【００６８】 引張りおよび百分比伸び試験 引張試験は引張力に対する百分比伸び特性を測定するために使用した。この試
験はスイング−アルバート社（Ｔｈｗｉｎｇ−Ａｌｂｅｒｔ Ｃｏ．，ペンシル
ベニア州、フィラデルフィア）から入手可能なスイング−アルバート・インテレ
クトII−ＳＤ モデルＮｏ．１４５１−２４ＰＧＢ上で実施した。

【００６９】 この試験のために使用した試料は長軸を試料の最大伸長性を示す方向と平行に
切り出す、２５．４ｍｍ（１インチ）幅×１５２．４ｍｍ（６インチ）長さの試
料である。この試料は正確に２５．４ｍｍ幅の試料を切り出すために鋭利なイグ
ザクト・ナイフまたは鋭利な角度で切るのに適する、いずれかの切断装置を用い
て切り出す必要がある（もし、試料の伸長性を示す方向が１つよりも多ければ、
資料はその代表的な方向と平行に採取しなければならない）。この試料は変形領
域の全体パターンの均整に配慮して代表する区域が選ばれるように切り出さなけ
ればならない。（変形部分の大きさまたは領域１および領域２の相対的な幾何学
的形状のどちらかの変動から）試料はここに提案した試料よりも場合によっては
大きくまたは小さく切り出す必要がある。この場合、試料として使用される代表
区域から採取される、好ましくは、概略図を含む、試料の大きさ、変形領域の区
域について（いずれかの報告データと共に）書きとめることは極めて重要である
。

【００７０】 スイング−アルバート引張試験機の把持部は試験応力の方向と垂直である１つ
の線に沿って把持力を集中させるように設計した空気駆動の把持部からなる。把
持力線間距離は把持部のそばに保持した鋼製の定規によって測定し、この値は１
０．１６ｃｍ（４インチ）であった。この距離はこれ以降“標準長さ”と称する
。長軸が百分比伸びの方向と垂直になるように試料を把持部に取り付けた。クロ
スヘッド速度は１０．１６ｃｍ（４インチ）に設定された。このクロスヘッドは
試料が破断しクロスヘッドが停止するまで試料を引き伸ばすそして最初の位置（
伸び０％）に戻る。百分比伸びは紙試料の破損前に、最大荷重が達成されたとき
の百分比伸び量である。表１には３個の試料についての平均した百分比伸びを記
録した。

【００７１】 本発明の特定の実施例が図面に示され、説明されているが、この技術分野にお
いて熟練せる技術者が本発明の意図するところおよび範囲から離れず多様な変更
ならびに改良をなし得ることは明らかである。さらに、本発明の完全な紙ウェブ
は第１および第２の領域の引張り可能な網状組織を含むものであるが、本発明は
第１および第２の領域を構成する引張り可能な網状組織を有する、紙ウェブにつ
いて特定部分に限り備えさせるようにしてもよい。したがって、上記説明は本発
明の範囲内である、このようなすべての変更ならびに改良について添付した請求
の範囲に包含することを意図する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明に係る紙ウェブの好ましい実施例の平面図である。

【図２】 図２は本発明に係る紙ウェブの代替的な実施例の平面図である。

【図３】 図３は引張り状態にある図１に示す紙ウェブの平面図である。

【図４】 図４は本発明に係る紙ウェブの代替的な実施例の平面図である。

【図５】 図５は図１に示す５−５線に沿う横断面図である。

【図６】 図６は図３に示す６−６線に沿う横断面図である。

【図７】 図７は歯を表わすために装置の一部を傾けている、本発明の紙ウェブを形成す
るために使用される装置の斜視図である。

【図８】 図８は本発明の紙ウェブを形成するために使用される装置のかみ合い歯を示す
断面図である。

【図９】 図９は本発明の紙ウェブを形成するのに有用な好ましい装置の斜視図である。

【図１０】 図１０は本発明の紙ウェブを形成する、好ましい方法を示す図式的側面図であ
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，Ｅ Ａ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，Ｇ Ｈ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ， ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，Ｍ Ｗ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ， ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (71)出願人 ＯＮＥ ＰＲＯＣＴＥＲ ＆ ＧＡＮＢＬ Ｅ ＰＬＡＺＡ，ＣＩＮＣＩＮＮＡＴＩ， ＯＨＩＯ，ＵＮＩＴＥＤ ＳＴＡＴＥＳ ＯＦ ＡＭＥＲＩＣＡ (72)発明者 リチャーズ・マーク・ライアン アメリカ合衆国 オハイオ州，ミドルタウ ン，エルモ・プレス，2912 Ｆターム(参考） 3E078 BB51 BC06 DD09 4L055 AA02 AC06 AH50 AJ07 BE15 CH21 FA16 GA29 【要約の続き】 るため歯領域が紙ウェブを変形するように、セルロース 性基材を第１のプラテンと第２のプラテンとの間で加圧 する、工程からなる。任意的に、セルロース性基材１１ １は加圧する前に湿潤させることができる。

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦中心線および横中心線、複数個の第１の領域および複数個
   の第２の領域を有する紙ウェブであって、前記第１の領域は前記第２の領域を分
   離する境界を形成しており、前記紙ウェブは、前記第１の領域が前記紙ウェブの
   平面にありおよび前記第２の領域が前記平面から離して隆起させた複数個のリブ
   状要素を構成しており、前記第２の各領域の該リブ状要素は主リブ軸と平行でか
   つ補助リブ軸と垂直に配置されており、前記第１の各領域の全部または大部分は
   主リブ軸および補助リブ軸成分の双方を有し、前記紙ウェブが少なくとも１つの
   該軸に沿って伸ばされたとき前記第１および第２の領域が幾何学的変形を生じる
   紙ウェブ。
2. 【請求項２】 前記第１の領域が前記第２の領域を完全に取り囲む境界を形
   成するように、前記第１の領域が連続した網状組織を形成する請求項１記載の紙
   ウェブ。
3. 【請求項３】 前記第１の領域が前記紙ウェブの該平面に幾何学的変形の第
   １の態様を生じることのできる網状構造を形成しており、前記紙ウェブが少なく
   とも１つの該軸に沿って伸ばされたとき、前記変形の第１の態様が前記紙ウェブ
   の該平面内における前記網状構造の全体的な伸長である請求項１または２のいず
   れか１項に記載の抄紙ウェブ。
4. 【請求項４】 前記リブ状要素が幾何学的変形の第２の態様を生じることの
   できる扇状折り曲げ構造を形成しており、前記抄紙ウェブが少なくとも１つの該
   軸に沿って伸ばされたとき、前記幾何学的変形の第２の態様が前記扇状の折り曲
   げ構造の全体的な広がりである請求項１、２または３のいずれか１項に記載の抄
   紙ウェブ。
5. 【請求項５】 前記リブ状要素が幾何学的変形の第３の態様を生じることが
   でき、前記紙ウェブが少なくとも１つの該軸に沿って伸ばされたとき、前記幾何
   学的変形の第３の態様が前記第２の領域の該平面から離れる伸長である請求項１
   、２、３および４のいずれか１項に記載の紙ウェブ。
6. 【請求項６】 縦中心線および横中心線、複数個の第１の領域および複数個
   の第２の領域を有する少なくとも１プライを備えた複数プライ紙ウェブであって
   、前記第１の領域は前記第２の領域を分離する境界を形成しており、前記紙ウェ
   ブは、前記第１の領域は該抄紙ウェブの平面にありおよび前記第２の領域は前記
   平面から離して隆起させた複数個のリブ状要素を構成しており、前記第２の各領
   域の該リブ状要素は主リブ軸と平行でかつ補助リブ軸と垂直に配置されており、
   前記第１の各領域の全部または大部分は主リブ軸および補助リブ軸成分の双方を
   有することによって、前記紙ウェブ材料が少なくとも１つの該軸に沿って伸ばさ
   れたとき前記第１および第２の領域が幾何学的変形を生じる複数プライ紙ウェブ
   。
7. 【請求項７】 前記第１の領域が前記第２の領域を完全に取り囲む境界を形
   成するように、少なくとも１プライの前記第１の領域が連続した網状組織を形成
   する請求項６に記載の複数プライ紙ウェブ。
8. 【請求項８】 （ａ） セルロース性基材を準備し、 （ｂ） 歯領域および歯のない領域を構成する第１のプラテンを準備し、 （ｃ） 歯領域を構成する第２のプラテンを準備し、組み合わされたとき、前
   記第１のプラテンの該歯領域と、前記第２のプラテンの該歯領域とがかみ合うよ
   うに、前記第２のプラテンを前記第１のプラテンと整列させ、 （ｄ） 不連続の扇状折り曲げリブ状要素からなる領域を形成するため前記歯
   領域が前記紙ウェブを変形するように、前記セルロース性基材を前記第１のプラ
   テンと第２のプラテンとの間で加圧する、 工程からなるセルロース性ウェブを製造する方法。
9. 【請求項９】 （ａ） セルロース性基材を準備し、 （ｂ） 相手とかみ合う歯領域を有する第２のロールと組み合わされる、歯領
   域および歯のない領域を有する第１のロールを構成する、一組みの歯付きプレス
   ロールを準備し、 （ｃ） 不連続の扇状折り曲げリブ状要素からなる領域を形成するため前記第
   １ロールの前記歯領域が前記抄紙ウェブを変形するように、前記セルロース性基
   材を前記一組みの歯付きプレスロール間で加圧する、 工程からなるセルロース性ウェブを製造する方法。
10. 【請求項１０】 前記第２のロールが、さらに歯のない領域を構成する請求
    項９に記載の方法。