JP3593282B2 - ピストン挙動解析用センサ取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべくピストンとシリンダライナとの間のギャップを測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるのに適するピストン挙動解析用センサ取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの高品質化のためにはエンジン作動時の種々のデータを解析することが重要であり、例えばピストン打音による異音が考えられる場合にはピストン挙動を解析すると良い。ピストン挙動解析にあっては、シリンダライナ内を往復運動するピストンがシリンダライナ内周面に対して必要なギャップを有していることから、シリンダライナ内をピストンがその半径方向に移動自在であるため、その移動をピストンとシリンダライナとのギャップの変化として検出することができ、その検出結果から上記解析が可能になる。
【0003】
一方、エンジン作動時のピストンオーバヒートを検出するべく、ピストンとシリンダライナとのギャップを検出するためにシリンダブロックにギャップセンサを取り付けたものとして、例えば特開平4−140430号に開示されているものがある。そのようにして設けたギャップセンサによるギャップ検出値を用いて上記ピストン挙動を解析することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報ではギャップセンサをシリンダライナのピストン下死点位置側に設けており、そのようなピストンの下死点位置側でのギャップ検出では、ピストン挙動の正確な把握は不十分であるという問題がある。
【0005】
そこで、挙動が不安定な上死点位置側でのギャップ検出が必要である。しかしながら、上死点位置側にギャップセンサを設ける場合には、燃焼室からの熱の影響を大きく受けることになり、それにより種々の弊害が起きる。例えばセンサ取付部とピストン(オイルリング)間のシール性が悪化すると、そこから潤滑油の漏れが生じ、オイル消費量が増大するという問題がある。また、上記公報では、クランクシャフトの軸線方向側のギャップを検出できないという問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、ピストンの上死点位置における挙動を何ら問題なく検出し得るセンサの取付構造を実現するために、本発明に於いては、エンジン(1)作動時におけるピストン(4a・4c)の挙動を解析するべく当該ピストン(4a・4c)とシリンダライナ(3a・3c)との間のギャップを少なくとも当該ピストン(4a・4c)の上死点側で測定するセンサ(7a・7b・8a・8b)をシリンダブロック(6)に取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、前記センサ(7a・7b・8a・8b)の収納ケース(11)が、前記シリンダライナ(3a・3c)を外囲するウォータジャケット(10)を貫通して設けられているものとした。
【0007】
これによれば、収納ケースを冷却水により好適に冷却することができ、そのようにして冷却された収納ケースを介してセンサを冷却することができ、燃焼室からの熱の影響を小さくすることができる。
【0008】
特に、前記収納ケース(11)の前記シリンダライナ(3a・3c)側が固定されていると共に、前記収納ケース(11)の前記ウォータジャケット(10)よりもエンジン外方側のシリンダブロック(6)に設けられた部分が、前記シリンダブロック(6)との相対的な熱変形が可能な状態にシール部材(16)によりシールされていると良い。これによれば、燃焼室の熱の影響によりシリンダブロックが熱変形しても確実にシールすることができる。
【0009】
また、前記センサ(7a・7b・8a・8b)の前記シリンダライナ(3a・3c)の内方に臨む部分が耐熱樹脂製の蓋体(15)により覆われているものとした。これによれば、燃焼室の熱に対して蓋体によりセンサを保護することができ、また蓋体が樹脂製であることからピストンが損傷することもないばかりでなく、加工が容易なため、蓋体を取り付けた後にボア加工を行うことができ、シール性も良い。
【0010】
また、前記センサ(7a・7b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線方向側から前記シリンダライナ(3a)の内方に向けて配設するものとした。これによれば、ピストンにおける熱変形の大きいトップランドに対して、クランクシャフトの軸線方向の比較的大きな変位を検出するため、ピストン挙動の検出精度を高くすることができる。
【0011】
また、前記センサ(7a・7b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線と直交する方向を避けた側から前記シリンダライナ(3a)の内方に向けて配設すると共に、前記シリンダブロック(6)における前記クランクシャフト(5)のスラスト規制部(17)を設けた所から前記クランクシャフト(5)の軸線方向に最も離れた端壁(6f)に設けるものとした。
【0012】
これにより、スラスト規制部から離れた位置にあるそのスラスト方向の変動量が大きいピストンのトップランドの位置を好適にかつ精度良く検出することができると共に、センサの取付構造も複雑になることがなく、シリンダブロックも大型化することがない。なお、センサは、クランクシャフトの軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設されれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0013】
また、第1センサ(7a・7b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線方向側から前記シリンダライナ(3a)の内方に向けて配設すると共に、第2センサ(8a・8b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線方向と直交する側から前記シリンダライナ(3c)の内方に向けて配設するものとした。これにより、クランクシャフトの軸線方向と、クランクシャフトの軸線方向に直交する方向とのそれぞれの方向に対するピストン変位を検出できるので、ピストン挙動を正確に把握できる。
【0014】
さらに、多気筒エンジン作動時におけるピストン(4a)の挙動を解析するべく当該ピストン(4a)とシリンダライナ(3a)との間のギャップを少なくとも当該ピストン(4a)の上死点側で測定するセンサ(7a・7b)をシリンダブロック(6)に取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、前記シリンダブロック(6)に、ウォータポンプ(18)から吐出される冷却水の導入口(6w)を形成し、該冷却水導入口(6w)に最も近いシリンダライナ(3a)の内方に向けて前記センサ(7a・7b)を配設するものとした。
【0015】
これにより、冷却効率の最も高い位置にセンサを配設することから、燃焼室からのセンサに対する熱影響を極力低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用されたエンジン1の要部側断面図である。なお、図1には直列4気筒エンジンが示されているが、本発明は、様々なエンジンに適用し得るものである。
【0018】
図1において、タイミングベルト(図示せず)を取り付ける側の1番気筒からフライホイール2を取り付ける側の4番気筒に至る各気筒毎に各シリンダライナ3a・3b・3c・3dが設けられており、各シリンダライナ3a〜3d内にそれぞれピストン4a・4b・4c・4dが往復動自在に受容されている。また、各ピストン4a〜4dとコネクティングロッドを介して連結されたクランクシャフト5が、シリンダブロック6に一体的に形成された各ジャーナル壁6a・6b・6c・6d・6eに設けられた各ジャーナル軸受を介して回転自在に支持されている。
【0019】
本図示例のエンジン1にあっては、4サイクルエンジンであって良く、各気筒別に所定のタイミングで燃焼室内の燃料を燃焼させると、爆発・排気・吸気・圧縮の各行程に伴って各ピストン4a〜4dが往復運動する。それによりクランクシャフト5が回転し、フライホイール2側からミッション(図示せず)に駆動力が出力される。
【0020】
このようなエンジン1におけるピストン挙動を、ピストンのトップランドとシリンダライナとのギャップ測定値や、ピストンスカートとシリンダライナとのギャップ測定値から解析することができる。例えば図2に示されるように、1番気筒に、そのシリンダライナ3aの内周面に臨むようにかつ上下に所定の間隔をあけた第1センサとしての各センサ7a・7bを設け、3番気筒には、気筒列方向から見て左右対称に、同様にそれぞれ上下に所定の間隔をあけた第2センサとしての各センサ8a・8bを設ける。
【0021】
第1センサの中で最も上方に位置するセンサ7aが、ピストン上死点位置でピストンのトップランド4Tとシリンダライナ3aとのギャップを測定しており(図5参照)、第2センサ8a・8bが、ピストン上死点位置でピストンスカート4Sとシリンダライナ3cとのギャップを測定している(図3参照)。また、第2センサにおける上側センサ8aと下側センサ8bとの間に、ピストン上死点位置におけるピストンピン9の軸心9aが位置するように第2センサ8a・8bが配設されているので、ピストンスカート4Sの挙動検出精度が向上している。なお、上記各センサ7a・7b・8a・8bは、例えば渦電流式ギャップセンサであって良い。
【0022】
3番気筒に設けられた各センサ8a・8bにあっては、図3に示されるように、ピストンピン9の軸線(クランクシャフト5の軸線に平行する線)に直交する向きに位置している。これにより、ピストンピン9の軸線回りの揺動によるピストン4のスラスト・反スラスト移動量を好適に検出し得る。また、各センサ8a・8bは、ピストン4cを受容するシリンダ室を画定するシリンダライナ3cを外囲するように設けられたウォータジャケット10を横切って設けられている。また、各センサ7a・7bも同様にウォータジャケット10を横切って設けられている。なお、図3に示されるように、ピストン4cには、そのトップランド4T側からトップリングR1・セカンドリングR2・オイルリングR3の3本のピストンリングが設けられている。
【0023】
図4に代表してセンサ8aの要部を拡大して示す。その図4に示されるように、センサ8aは、金属管状の収納ケース11と、その収納ケース11のシリンダ室内方に臨む部分に設けられたコア12とを有する。そのコア12から延びる信号線12aと、コア12に接合された温度補正用熱電対13の線とが、収納ケース11内に収納され、エンジン外方の図示されない測定機に接続される。なお、収納ケース11のシリンダライナ3c側の部分の外周面にはねじ山が形成されており、シリンダライナ3cを囲繞するスリーブ14にねじ結合にて固定されている。
【0024】
このように、収納ケース11がウォータジャケット10を横切って設けられていることから、冷却水により収納ケース11が冷却され、その収納ケース11を介してセンサ8aが冷却されるため、センサ8aの冷却構造を別個に設ける必要がない。なお、収納ケース11を真鍮等の放熱性の良い材質で形成されることが望ましく、またステンレス等の耐腐食性の強い材質で形成されることが望ましい。
【0025】
そして、コア12及び収納ケース11のシリンダライナ3c側先端面を覆う耐熱樹脂製蓋体15が設けられている。したがって、コア12はシリンダ室内の燃焼ガスに直接触れることがなく、かつ蓋体15により燃焼熱に対して保護されている。また、その蓋体15がシリンダライナ3cの内周面に露出することになるが、上記したように蓋体15は、樹脂製のため、埋め込み後にボア加工と同時にかつ容易に加工できると共に、ピストン3cに対して損傷を与えることもない。また、各センサ7a・7b・8a・8bが、渦電流式ギャップセンサの場合には、蓋体15が樹脂製であることから、蓋体15のセンサに対する磁性への影響も少なく、検出精度が向上する。
【0026】
また、収納ケース11は、ウォータジャケット10を貫通しかつシリンダブロック6の外壁部に挿通されているが、その挿通部分にあっては、シリンダブロック6が熱膨張した際に挿通方向に相対的なずれが生じる。そのずれを収納ケース11との間のすべりで逃げることができるように、収納ケース11とシリンダブロック6の外壁部との間には、収納ケース11を外囲する低摩擦材からなるシール部材16が設けられている。
【0027】
また、シリンダブロック6の外壁部を貫通して外方に延出している収納ケース11のシリンダブロック6の外壁部への取付にあっては、その外壁部へねじ結合した竹の子形管状部材19の軸線方向孔内に収納ケース11を貫通させて行っている。それら両者間にチューブ状シール部材20を介装し、竹の子形管状部材19の竹の子状外方突出部とチューブ状シール部材20とに渡ってゴムチューブ21を弾発的に嵌装し、そのゴムチューブ21の端部を内側のチューブ状シール部材20と共にバンド22にて収納ケース11に対して締め付けている。
【0028】
このようにすることにより、ウォータジャケット10を貫通させて設けたセンサ8aの収納ケース11と、シリンダブロック6の外壁部との間からの冷却水漏れを防止することができる。なお、シール部材16の代わりに液体パッキンを塗布しても良いし、またチューブ状シール部材20の代わりにシールテープを巻き付けるようにしても良い。
【0029】
ところで、3番気筒に設けた各センサ8a・8bはピストン行程の中間部における変位を検出するような位置に配設されているが、1番気筒における各センサ7a・7bにあっては、ピストン4aの上死点位置の変位を検出し得る位置に配設されている。また、それらセンサ7a・7bは、クランクシャフト5の軸線方向に位置しており、これによりピストン4aのクランクシャフト5軸線方向への移動を検出し得る。なお、図ではセンサ7a・7bをクランクシャフト5の軸線方向にシリンダライナ3aの内方へ向けて配設したが、クランクシャフト5軸線方向への移動を検出するためのセンサの配設にあっては、クランクシャフト5の軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設すれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0030】
さらに、本エンジンにあっては、図1に示されるように3番気筒と4番気筒との間のジャーナル壁6dに、クランクシャフト5のスラスト規制部17を設けている。したがって、その規制部17から最も離れている1番気筒におけるピストン4aの上記スラスト挙動が最も大きく、かつそのピストン4aの上死点位置近傍における挙動が最も大きくなり、各センサ7a・7bを上記したように配設することにより、上記スラスト挙動の変位量を好適に検出し得る。
【0031】
また本図示例では、シリンダブロック6のミッションへの出力取り出し側とは相反する端壁6fに、図5に併せて示されるように、前記したように上下一対のセンサ7a・7bが配設されている。なお、これら各センサ7a・7bこれにより、スラスト規制部17からクランクシャフト5の軸線方向に最も離れた所のピストン4aのトップランドの挙動を検出することになり、その挙動を精度良く検出することができる。
【0032】
また、上記端壁6f側には、タイミングベルトなどが設けられていると共に、ウォータポンプ18が設けられており、そのような大きな冷却源の近くに上記各センサ7a・7bが配設されていることから、センサ7a・7bに対する冷却効果を好適に高めることができる。なお、ウォータポンプ18にはラジエータ(図示せず)で放熱された冷却水が導入され、ウォータポンプ18から吐出される冷却水をシリンダブロック6内に導入するための冷却水導入口6wがシリンダブロック6の端壁6fに形成されている。
【0033】
【発明の効果】
このように本発明によれば、センサの収納ケースをウォータジャケットに貫通状態に設けて好適に冷却し、その収納ケースを介してセンサを冷却することができ、センサに対する燃焼室からの熱の影響を小さくすることができるため、センサの検出精度を高め得ると共に、そのようにセンサの収納ケースを設けた場合において、燃焼室の熱の影響によりシリンダブロックが熱変形してもセンサの収納ケースに影響を及ぼすことなくシールすることにより、何ら問題なく上記冷却水による冷却効果を奏し得る。
【0034】
また、燃焼室の熱に対して耐熱樹脂製蓋体によりセンサを保護することにより、センサ保護のための蓋体を設けてもピストンが損傷することがなく、かつ蓋体を取り付けた後に容易にシリンダボア加工を行うことができ、シール性も確保できるばかりでなく、蓋体が樹脂製のためセンサに対する磁性への影響も少なく、検出精度が向上する。
【0035】
また、ピストンにおける熱変形の大きいトップランドに対して、クランクシャフトの軸線方向である気筒列方向の比較的大きな変位を検出するため、ピストン挙動の検出精度を高くすることができる。特に、クランクシャフトのスラスト規制部から離れた位置にある変動量の大きなピストンのトップランドの位置を検出するセンサをシリンダブロックの端壁に設けることにより、ピストン挙動を好適にかつ精度良く検出することができると共に、センサの取付構造も複雑になることがなく、シリンダブロックも大型化することがない。なお、センサは、クランクシャフトの軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設されれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0036】
また、多気筒エンジンにおいてウォータポンプからの冷却水導入口に最も近いシリンダライナの内方に向けてセンサを配設することにより、冷却効率の最も高い位置にセンサが配設されるため、燃焼室からのセンサに対する熱影響を極力低減することができ、検出精度を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたエンジンの要部側断面図。
【図2】各センサの配設状態を示す模式的斜視図。
【図3】3番気筒におけるセンサの配設状態を示す要部断面図。
【図4】センサの要部を拡大して示す側断面図。
【図5】1番気筒におけるセンサの配設状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 エンジン
3a・3c シリンダライナ
4a・4c ピストン
5 クランクシャフト
6 シリンダブロック
6f 端壁
7a・7b センサ
8a・8b センサ
10 ウォータジャケット
11 収納ケース
15 蓋体
16 シール部材
17 スラスト規制部
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべくピストンとシリンダライナとの間のギャップを測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるのに適するピストン挙動解析用センサ取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの高品質化のためにはエンジン作動時の種々のデータを解析することが重要であり、例えばピストン打音による異音が考えられる場合にはピストン挙動を解析すると良い。ピストン挙動解析にあっては、シリンダライナ内を往復運動するピストンがシリンダライナ内周面に対して必要なギャップを有していることから、シリンダライナ内をピストンがその半径方向に移動自在であるため、その移動をピストンとシリンダライナとのギャップの変化として検出することができ、その検出結果から上記解析が可能になる。
【0003】
一方、エンジン作動時のピストンオーバヒートを検出するべく、ピストンとシリンダライナとのギャップを検出するためにシリンダブロックにギャップセンサを取り付けたものとして、例えば特開平4−140430号に開示されているものがある。そのようにして設けたギャップセンサによるギャップ検出値を用いて上記ピストン挙動を解析することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報ではギャップセンサをシリンダライナのピストン下死点位置側に設けており、そのようなピストンの下死点位置側でのギャップ検出では、ピストン挙動の正確な把握は不十分であるという問題がある。
【0005】
そこで、挙動が不安定な上死点位置側でのギャップ検出が必要である。しかしながら、上死点位置側にギャップセンサを設ける場合には、燃焼室からの熱の影響を大きく受けることになり、それにより種々の弊害が起きる。例えばセンサ取付部とピストン(オイルリング)間のシール性が悪化すると、そこから潤滑油の漏れが生じ、オイル消費量が増大するという問題がある。また、上記公報では、クランクシャフトの軸線方向側のギャップを検出できないという問題もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、ピストンの上死点位置における挙動を何ら問題なく検出し得るセンサの取付構造を実現するために、本発明に於いては、エンジン(1)作動時におけるピストン(4a・4c)の挙動を解析するべく当該ピストン(4a・4c)とシリンダライナ(3a・3c)との間のギャップを少なくとも当該ピストン(4a・4c)の上死点側で測定するセンサ(7a・7b・8a・8b)をシリンダブロック(6)に取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、前記センサ(7a・7b・8a・8b)の収納ケース(11)が、前記シリンダライナ(3a・3c)を外囲するウォータジャケット(10)を貫通して設けられているものとした。
【0007】
これによれば、収納ケースを冷却水により好適に冷却することができ、そのようにして冷却された収納ケースを介してセンサを冷却することができ、燃焼室からの熱の影響を小さくすることができる。
【0008】
特に、前記収納ケース(11)の前記シリンダライナ(3a・3c)側が固定されていると共に、前記収納ケース(11)の前記ウォータジャケット(10)よりもエンジン外方側のシリンダブロック(6)に設けられた部分が、前記シリンダブロック(6)との相対的な熱変形が可能な状態にシール部材(16)によりシールされていると良い。これによれば、燃焼室の熱の影響によりシリンダブロックが熱変形しても確実にシールすることができる。
【0009】
また、前記センサ(7a・7b・8a・8b)の前記シリンダライナ(3a・3c)の内方に臨む部分が耐熱樹脂製の蓋体(15)により覆われているものとした。これによれば、燃焼室の熱に対して蓋体によりセンサを保護することができ、また蓋体が樹脂製であることからピストンが損傷することもないばかりでなく、加工が容易なため、蓋体を取り付けた後にボア加工を行うことができ、シール性も良い。
【0010】
また、前記センサ(7a・7b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線方向側から前記シリンダライナ(3a)の内方に向けて配設するものとした。これによれば、ピストンにおける熱変形の大きいトップランドに対して、クランクシャフトの軸線方向の比較的大きな変位を検出するため、ピストン挙動の検出精度を高くすることができる。
【0011】
また、前記センサ(7a・7b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線と直交する方向を避けた側から前記シリンダライナ(3a)の内方に向けて配設すると共に、前記シリンダブロック(6)における前記クランクシャフト(5)のスラスト規制部(17)を設けた所から前記クランクシャフト(5)の軸線方向に最も離れた端壁(6f)に設けるものとした。
【0012】
これにより、スラスト規制部から離れた位置にあるそのスラスト方向の変動量が大きいピストンのトップランドの位置を好適にかつ精度良く検出することができると共に、センサの取付構造も複雑になることがなく、シリンダブロックも大型化することがない。なお、センサは、クランクシャフトの軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設されれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0013】
また、第1センサ(7a・7b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線方向側から前記シリンダライナ(3a)の内方に向けて配設すると共に、第2センサ(8a・8b)を、前記シリンダブロック(6)におけるクランクシャフト(5)の軸線方向と直交する側から前記シリンダライナ(3c)の内方に向けて配設するものとした。これにより、クランクシャフトの軸線方向と、クランクシャフトの軸線方向に直交する方向とのそれぞれの方向に対するピストン変位を検出できるので、ピストン挙動を正確に把握できる。
【0014】
さらに、多気筒エンジン作動時におけるピストン(4a)の挙動を解析するべく当該ピストン(4a)とシリンダライナ(3a)との間のギャップを少なくとも当該ピストン(4a)の上死点側で測定するセンサ(7a・7b)をシリンダブロック(6)に取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、前記シリンダブロック(6)に、ウォータポンプ(18)から吐出される冷却水の導入口(6w)を形成し、該冷却水導入口(6w)に最も近いシリンダライナ(3a)の内方に向けて前記センサ(7a・7b)を配設するものとした。
【0015】
これにより、冷却効率の最も高い位置にセンサを配設することから、燃焼室からのセンサに対する熱影響を極力低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用されたエンジン1の要部側断面図である。なお、図1には直列4気筒エンジンが示されているが、本発明は、様々なエンジンに適用し得るものである。
【0018】
図1において、タイミングベルト(図示せず)を取り付ける側の1番気筒からフライホイール2を取り付ける側の4番気筒に至る各気筒毎に各シリンダライナ3a・3b・3c・3dが設けられており、各シリンダライナ3a〜3d内にそれぞれピストン4a・4b・4c・4dが往復動自在に受容されている。また、各ピストン4a〜4dとコネクティングロッドを介して連結されたクランクシャフト5が、シリンダブロック6に一体的に形成された各ジャーナル壁6a・6b・6c・6d・6eに設けられた各ジャーナル軸受を介して回転自在に支持されている。
【0019】
本図示例のエンジン1にあっては、4サイクルエンジンであって良く、各気筒別に所定のタイミングで燃焼室内の燃料を燃焼させると、爆発・排気・吸気・圧縮の各行程に伴って各ピストン4a〜4dが往復運動する。それによりクランクシャフト5が回転し、フライホイール2側からミッション(図示せず)に駆動力が出力される。
【0020】
このようなエンジン1におけるピストン挙動を、ピストンのトップランドとシリンダライナとのギャップ測定値や、ピストンスカートとシリンダライナとのギャップ測定値から解析することができる。例えば図2に示されるように、1番気筒に、そのシリンダライナ3aの内周面に臨むようにかつ上下に所定の間隔をあけた第1センサとしての各センサ7a・7bを設け、3番気筒には、気筒列方向から見て左右対称に、同様にそれぞれ上下に所定の間隔をあけた第2センサとしての各センサ8a・8bを設ける。
【0021】
第1センサの中で最も上方に位置するセンサ7aが、ピストン上死点位置でピストンのトップランド4Tとシリンダライナ3aとのギャップを測定しており(図5参照)、第2センサ8a・8bが、ピストン上死点位置でピストンスカート4Sとシリンダライナ3cとのギャップを測定している(図3参照)。また、第2センサにおける上側センサ8aと下側センサ8bとの間に、ピストン上死点位置におけるピストンピン9の軸心9aが位置するように第2センサ8a・8bが配設されているので、ピストンスカート4Sの挙動検出精度が向上している。なお、上記各センサ7a・7b・8a・8bは、例えば渦電流式ギャップセンサであって良い。
【0022】
3番気筒に設けられた各センサ8a・8bにあっては、図3に示されるように、ピストンピン9の軸線(クランクシャフト5の軸線に平行する線)に直交する向きに位置している。これにより、ピストンピン9の軸線回りの揺動によるピストン4のスラスト・反スラスト移動量を好適に検出し得る。また、各センサ8a・8bは、ピストン4cを受容するシリンダ室を画定するシリンダライナ3cを外囲するように設けられたウォータジャケット10を横切って設けられている。また、各センサ7a・7bも同様にウォータジャケット10を横切って設けられている。なお、図3に示されるように、ピストン4cには、そのトップランド4T側からトップリングR1・セカンドリングR2・オイルリングR3の3本のピストンリングが設けられている。
【0023】
図4に代表してセンサ8aの要部を拡大して示す。その図4に示されるように、センサ8aは、金属管状の収納ケース11と、その収納ケース11のシリンダ室内方に臨む部分に設けられたコア12とを有する。そのコア12から延びる信号線12aと、コア12に接合された温度補正用熱電対13の線とが、収納ケース11内に収納され、エンジン外方の図示されない測定機に接続される。なお、収納ケース11のシリンダライナ3c側の部分の外周面にはねじ山が形成されており、シリンダライナ3cを囲繞するスリーブ14にねじ結合にて固定されている。
【0024】
このように、収納ケース11がウォータジャケット10を横切って設けられていることから、冷却水により収納ケース11が冷却され、その収納ケース11を介してセンサ8aが冷却されるため、センサ8aの冷却構造を別個に設ける必要がない。なお、収納ケース11を真鍮等の放熱性の良い材質で形成されることが望ましく、またステンレス等の耐腐食性の強い材質で形成されることが望ましい。
【0025】
そして、コア12及び収納ケース11のシリンダライナ3c側先端面を覆う耐熱樹脂製蓋体15が設けられている。したがって、コア12はシリンダ室内の燃焼ガスに直接触れることがなく、かつ蓋体15により燃焼熱に対して保護されている。また、その蓋体15がシリンダライナ3cの内周面に露出することになるが、上記したように蓋体15は、樹脂製のため、埋め込み後にボア加工と同時にかつ容易に加工できると共に、ピストン3cに対して損傷を与えることもない。また、各センサ7a・7b・8a・8bが、渦電流式ギャップセンサの場合には、蓋体15が樹脂製であることから、蓋体15のセンサに対する磁性への影響も少なく、検出精度が向上する。
【0026】
また、収納ケース11は、ウォータジャケット10を貫通しかつシリンダブロック6の外壁部に挿通されているが、その挿通部分にあっては、シリンダブロック6が熱膨張した際に挿通方向に相対的なずれが生じる。そのずれを収納ケース11との間のすべりで逃げることができるように、収納ケース11とシリンダブロック6の外壁部との間には、収納ケース11を外囲する低摩擦材からなるシール部材16が設けられている。
【0027】
また、シリンダブロック6の外壁部を貫通して外方に延出している収納ケース11のシリンダブロック6の外壁部への取付にあっては、その外壁部へねじ結合した竹の子形管状部材19の軸線方向孔内に収納ケース11を貫通させて行っている。それら両者間にチューブ状シール部材20を介装し、竹の子形管状部材19の竹の子状外方突出部とチューブ状シール部材20とに渡ってゴムチューブ21を弾発的に嵌装し、そのゴムチューブ21の端部を内側のチューブ状シール部材20と共にバンド22にて収納ケース11に対して締め付けている。
【0028】
このようにすることにより、ウォータジャケット10を貫通させて設けたセンサ8aの収納ケース11と、シリンダブロック6の外壁部との間からの冷却水漏れを防止することができる。なお、シール部材16の代わりに液体パッキンを塗布しても良いし、またチューブ状シール部材20の代わりにシールテープを巻き付けるようにしても良い。
【0029】
ところで、3番気筒に設けた各センサ8a・8bはピストン行程の中間部における変位を検出するような位置に配設されているが、1番気筒における各センサ7a・7bにあっては、ピストン4aの上死点位置の変位を検出し得る位置に配設されている。また、それらセンサ7a・7bは、クランクシャフト5の軸線方向に位置しており、これによりピストン4aのクランクシャフト5軸線方向への移動を検出し得る。なお、図ではセンサ7a・7bをクランクシャフト5の軸線方向にシリンダライナ3aの内方へ向けて配設したが、クランクシャフト5軸線方向への移動を検出するためのセンサの配設にあっては、クランクシャフト5の軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設すれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0030】
さらに、本エンジンにあっては、図1に示されるように3番気筒と4番気筒との間のジャーナル壁6dに、クランクシャフト5のスラスト規制部17を設けている。したがって、その規制部17から最も離れている1番気筒におけるピストン4aの上記スラスト挙動が最も大きく、かつそのピストン4aの上死点位置近傍における挙動が最も大きくなり、各センサ7a・7bを上記したように配設することにより、上記スラスト挙動の変位量を好適に検出し得る。
【0031】
また本図示例では、シリンダブロック6のミッションへの出力取り出し側とは相反する端壁6fに、図5に併せて示されるように、前記したように上下一対のセンサ7a・7bが配設されている。なお、これら各センサ7a・7bこれにより、スラスト規制部17からクランクシャフト5の軸線方向に最も離れた所のピストン4aのトップランドの挙動を検出することになり、その挙動を精度良く検出することができる。
【0032】
また、上記端壁6f側には、タイミングベルトなどが設けられていると共に、ウォータポンプ18が設けられており、そのような大きな冷却源の近くに上記各センサ7a・7bが配設されていることから、センサ7a・7bに対する冷却効果を好適に高めることができる。なお、ウォータポンプ18にはラジエータ(図示せず)で放熱された冷却水が導入され、ウォータポンプ18から吐出される冷却水をシリンダブロック6内に導入するための冷却水導入口6wがシリンダブロック6の端壁6fに形成されている。
【0033】
【発明の効果】
このように本発明によれば、センサの収納ケースをウォータジャケットに貫通状態に設けて好適に冷却し、その収納ケースを介してセンサを冷却することができ、センサに対する燃焼室からの熱の影響を小さくすることができるため、センサの検出精度を高め得ると共に、そのようにセンサの収納ケースを設けた場合において、燃焼室の熱の影響によりシリンダブロックが熱変形してもセンサの収納ケースに影響を及ぼすことなくシールすることにより、何ら問題なく上記冷却水による冷却効果を奏し得る。
【0034】
また、燃焼室の熱に対して耐熱樹脂製蓋体によりセンサを保護することにより、センサ保護のための蓋体を設けてもピストンが損傷することがなく、かつ蓋体を取り付けた後に容易にシリンダボア加工を行うことができ、シール性も確保できるばかりでなく、蓋体が樹脂製のためセンサに対する磁性への影響も少なく、検出精度が向上する。
【0035】
また、ピストンにおける熱変形の大きいトップランドに対して、クランクシャフトの軸線方向である気筒列方向の比較的大きな変位を検出するため、ピストン挙動の検出精度を高くすることができる。特に、クランクシャフトのスラスト規制部から離れた位置にある変動量の大きなピストンのトップランドの位置を検出するセンサをシリンダブロックの端壁に設けることにより、ピストン挙動を好適にかつ精度良く検出することができると共に、センサの取付構造も複雑になることがなく、シリンダブロックも大型化することがない。なお、センサは、クランクシャフトの軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設されれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0036】
また、多気筒エンジンにおいてウォータポンプからの冷却水導入口に最も近いシリンダライナの内方に向けてセンサを配設することにより、冷却効率の最も高い位置にセンサが配設されるため、燃焼室からのセンサに対する熱影響を極力低減することができ、検出精度を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたエンジンの要部側断面図。
【図2】各センサの配設状態を示す模式的斜視図。
【図3】3番気筒におけるセンサの配設状態を示す要部断面図。
【図4】センサの要部を拡大して示す側断面図。
【図5】1番気筒におけるセンサの配設状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
1 エンジン
3a・3c シリンダライナ
4a・4c ピストン
5 クランクシャフト
6 シリンダブロック
6f 端壁
7a・7b センサ
8a・8b センサ
10 ウォータジャケット
11 収納ケース
15 蓋体
16 シール部材
17 スラスト規制部
Claims (7)
- エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべく当該ピストンとシリンダライナとの間のギャップを少なくとも当該ピストンの上死点側で測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、
前記センサの収納ケースが、前記シリンダライナを外囲するウォータジャケットを貫通して設けられていることを特徴とするピストン挙動解析用センサ取付構造。 - 前記収納ケースの前記シリンダライナ側が固定されていると共に、前記収納ケースの前記ウォータジャケットよりもエンジン外方側のシリンダブロックに設けられた部分が、前記シリンダブロックとの相対的な熱変形が可能な状態にシール部材によりシールされていることを特徴とする請求項1に記載のピストン挙動解析用センサ取付構造。
- エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべく当該ピストンとシリンダライナとの間のギャップを少なくとも当該ピストンの上死点側で測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、
前記センサの前記シリンダライナの内方に臨む部分が耐熱樹脂製の蓋体により覆われていることを特徴とするピストン挙動解析用センサ取付構造。 - エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべく当該ピストンとシリンダライナとの間のギャップを少なくとも当該ピストンの上死点側で測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、
前記センサを、前記シリンダブロックにおけるクランクシャフトの軸線方向側から前記シリンダライナの内方に向けて配設したことを特徴とするピストン挙動解析用センサ取付構造。 - エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべく当該ピストンとシリンダライナとの間のギャップを少なくとも当該ピストンの上死点側で測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、
前記センサを、前記シリンダブロックにおけるクランクシャフトの軸線と直交する方向を避けた側から前記シリンダライナの内方に向けて配設すると共に、前記シリンダブロックにおける前記クランクシャフトのスラスト規制部を設けた所から前記クランクシャフトの軸線方向に最も離れた端壁に設けたことを特徴とするピストン挙動解析用センサ取付構造。 - エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべく当該ピストンとシリンダライナとの間のギャップを少なくとも当該ピストンの上死点側で測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、
第1センサを、前記シリンダブロックにおけるクランクシャフトの軸線方向側から前記シリンダライナの内方に向けて配設すると共に、
第2センサを、前記シリンダブロックにおけるクランクシャフトの軸線方向と直交する側から前記シリンダライナの内方に向けて配設したことを特徴とするピストン挙動解析用センサ取付構造。 - 多気筒エンジン作動時におけるピストンの挙動を解析するべく当該ピストンとシリンダライナとの間のギャップを少なくとも当該ピストンの上死点側で測定するセンサをシリンダブロックに取り付けるためのピストン挙動解析用センサ取付構造であって、
前記シリンダブロックに、ウォータポンプから吐出される冷却水の導入口を形成し、該冷却水導入口に最も近いシリンダライナの内方に向けて前記センサを配設したことを特徴とするピストン挙動解析用センサ取付構造。
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