JP4083919B2 - ピストン挙動解析方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン作動時におけるピストンのクランク角度に対するシリンダライナとのギャップ変化によりピストン挙動を解析するようにしたピストン挙動解析方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの高品質化のためにはエンジン作動時の種々のデータを解析することが重要であり、例えばピストン打音による異音が考えられる場合にはピストン挙動を解析すると良い。ピストン挙動解析にあっては、シリンダライナ内を往復運動するピストンがシリンダライナ内周面に対して必要なギャップを有していることから、シリンダライナ内をピストンがその半径方向に移動自在であるため、その移動をピストンとシリンダライナとのギャップの変化として検出することができ、その検出結果から上記解析が可能になる。
【0003】
一方、エンジン作動時のピストンオーバヒートを検出するべく、ピストンとシリンダライナとのギャップを検出するためにシリンダブロックにギャップセンサを取り付けたものとして、例えば特開平4−140430号に開示されているものがある。そのようにして設けたギャップセンサによるギャップ検出値を用いて上記ピストン挙動を解析することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ギャップセンサによるギャップ検出値は、ギャップセンサの取付状態の影響を大きく受けてしまい、取付精度が悪いと検出精度も低下してしまうという問題がある。また、エンジン作動時には、エンジン回転速度の高低変化や負荷の大小変化により、ギャップセンサ取付部に対する熱の影響が変化することになる。例えばギャップセンサの収納ケースがステンレス製からなりシリンダブロックがアルミニウム製である場合には両者間に熱膨張の変形量の違いによる歪みが生じるため、シリンダライナに対するギャップセンサの取付位置が取付設定時に対して数μm程度ずれるという問題がある。また、エンジン高速回転時には、ギャップセンサとクランク角度センサとの応答周波数の違いにより、ピストン上死点位置でのギャップ検出精度が低下する虞がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、エンジン作動時におけるピストンとシリンダライナとのギャップを検出するセンサにおいて種々の外因による検出誤差の発生を極力防止することを実現するために、本発明に於いては、エンジン作動時におけるピストン(4c)のクランク角度に対するシリンダライナ(3c)とのギャップ変化によりピストン挙動を解析するようにしたピストン挙動解析方法において、前記シリンダライナ(3c)に設けたセンサ(8a)により前記ピストン(4c)と前記シリンダライナ(3c)とのギャップを検出すると共に、前記ピストン(4c)と前記シリンダライナ(3c)との当接状態に対応する基準値とエンジン作動時に検出されたギャップ検出値(V)の最小値からなる作動時最小値(Vmin)との偏差(ΔV)を求め、前記エンジン作動時におけるギャップ検出値(V)に対して前記偏差(ΔV)分を補正して実ギャップ値とするものとした。
【0006】
これによれば、エンジン回転速度の高低変化や負荷の大小変化による熱の影響をギャップセンサ取付部が受けて、シリンダライナに対するギャップセンサの取付位置が取付設定時に対してずれるような場合でも、エンジン作動時のギャップ最小値をピストンがシリンダライナに当接した0点位置として、エンジン作動時における0点補正を行うことにより、エンジン作動時におけるギャップ検出値から誤差を排除することができる。
【0007】
特に、前記エンジン作動時に検出されたギャップ検出値(V)の最小値を複数のサイクル数に渡って取り出し、前記取り出された複数の前記最小値に基づいて前記作動時最小値(Vmin)を算出すると良く、これによれば、上記0点補正を行う際の基準となる最小値を複数取り出すことから、例えばそれらの平均値を算出することにより、0点補正するための作動時最小値を高精度に算出し得る。
【0008】
(削除)
【0009】
(削除)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用されたエンジン1の要部側断面図である。なお、図1には直列4気筒エンジンが示されているが、本発明は、様々なエンジンに適用し得るものである。
【0012】
図1において、タイミングベルト(図示せず)を取り付ける側の1番気筒からフライホイール2を取り付ける側の4番気筒に至る各気筒毎に各シリンダライナ3a・3b・3c・3dが設けられており、各シリンダライナ3a〜3d内にそれぞれピストン4a・4b・4c・4dが往復動自在に受容されている。また、各ピストン4a〜4dとコネクティングロッドを介して連結されたクランクシャフト5が、シリンダブロック6に一体的に形成された各ジャーナル壁6a・6b・6c・6d・6eに設けられた各ジャーナル軸受を介して回転自在に支持されている。
【0013】
本図示例のエンジン1にあっては、4サイクルエンジンであって良く、各気筒別に所定のタイミングで燃焼室内の燃料を燃焼させると、爆発・排気・吸気・圧縮の各行程に伴って各ピストン4a〜4dが往復運動する。それによりクランクシャフト5が回転し、フライホイール2側からミッション(図示せず)に駆動力が出力される。
【0014】
このようなエンジン1におけるピストン挙動を、ピストンのトップランドとシリンダライナとのギャップ測定値や、ピストンスカートとシリンダライナとのギャップ測定値から解析することができる。例えば図2に示されるように、1番気筒に、そのシリンダライナ3aの内周面に臨むようにかつ上下に所定の間隔をあけた第1センサとしての各センサ7a・7bを設け、3番気筒には、気筒列方向から見て左右対称に、同様にそれぞれ上下に所定の間隔をあけた第2センサとしての各センサ8a・8bを設ける。
【0015】
第1センサの中で最も上方に位置するセンサ7aが、ピストン上死点位置でピストンのトップランド4Tとシリンダライナ3aとのギャップを測定しており(図5参照)、第2センサ8a・8bが、ピストン上死点位置でピストンスカート4Sとシリンダライナ3cとのギャップを測定している(図3参照)。また、第2センサにおける上側センサ8aと下側センサ8bとの間に、ピストン上死点位置におけるピストンピン9の軸心9aが位置するように第2センサ8a・8bが配設されているので、ピストンスカート4Sの挙動検出精度が向上している。なお、上記各センサ7a・7b・8a・8bは、例えば渦電流式ギャップセンサであって良い。
【0016】
3番気筒に設けられた各センサ8a・8bにあっては、図3に示されるように、ピストンピン9の軸線(クランクシャフト5の軸線に平行する線)に直交する向きに位置している。これにより、ピストンピン9の軸線回りの揺動によるピストン4のスラスト・反スラスト移動量を好適に検出し得る。また、各センサ8a・8bは、ピストン4cを受容するシリンダ室を画定するシリンダライナ3cを外囲するように設けられたウォータジャケット10を横切って設けられている。また、各センサ7a・7bも同様にウォータジャケット10を横切って設けられている。なお、図3に示されるように、ピストン4cには、そのトップランド4T側からトップリングR1・セカンドリングR2・オイルリングR3の3本のピストンリングが設けられている。
【0017】
図4に代表してセンサ8aの要部を拡大して示す。その図4に示されるように、センサ8aは、金属管状の収納ケース11と、その収納ケース11のシリンダ室内方に臨む部分に設けられたコア12とを有する。そのコア12から延びる信号線12aと、コア12に接合された温度補正用熱電対13の線とが、収納ケース11内に収納され、エンジン外方の図示されない測定機に接続される。なお、収納ケース11のシリンダライナ3c側の部分の外周面にはねじ山が形成されており、シリンダライナ3cを囲繞するスリーブ14にねじ結合にて固定されている。
【0018】
このように、収納ケース11がウォータジャケット10を横切って設けられていることから、冷却水により収納ケース11が冷却され、その収納ケース11を介してセンサ8aが冷却されるため、センサ8aの冷却構造を別個に設ける必要がない。なお、収納ケース11を真鍮等の放熱性の良い材質で形成されることが望ましく、またステンレス等の耐腐食性の強い材質で形成されることが望ましい。
【0019】
そして、コア12及び収納ケース11のシリンダライナ3c側先端面を覆う耐熱樹脂製蓋体15が設けられている。したがって、コア12はシリンダ室内の燃焼ガスに直接触れることがなく、かつ蓋体15により燃焼熱に対して保護されている。また、その蓋体15がシリンダライナ3cの内周面に露出することになるが、上記したように蓋体15は、樹脂製のため、埋め込み後にボア加工と同時にかつ容易に加工できると共に、ピストン3cに対して損傷を与えることもない。また、各センサ7a・7b・8a・8bが、渦電流式ギャップセンサの場合には、蓋体15が樹脂製であることから、蓋体15のセンサに対する磁性への影響も少なく、検出精度が向上する。
【0020】
また、収納ケース11は、ウォータジャケット10を貫通しかつシリンダブロック6の外壁部に挿通されているが、その挿通部分にあっては、シリンダブロック6が熱膨張した際に挿通方向に相対的なずれが生じる。そのずれを収納ケース11との間のすべりで逃げることができるように、収納ケース11とシリンダブロック6の外壁部との間には、収納ケース11を外囲する低摩擦材からなるシール部材16が設けられている。
【0021】
また、シリンダブロック6の外壁部を貫通して外方に延出している収納ケース11のシリンダブロック6の外壁部への取付にあっては、その外壁部へねじ結合した竹の子形管状部材19の軸線方向孔内に収納ケース11を貫通させて行っている。それら両者間にチューブ状シール部材20を介装し、竹の子形管状部材19の竹の子状外方突出部とチューブ状シール部材20とに渡ってゴムチューブ21を弾発的に嵌装し、そのゴムチューブ21の端部を内側のチューブ状シール部材20と共にバンド22にて収納ケース11に対して締め付けている。
【0022】
このようにすることにより、ウォータジャケット10を貫通させて設けたセンサ8aの収納ケース11と、シリンダブロック6の外壁部との間からの冷却水漏れを防止することができる。なお、シール部材16の代わりに液体パッキンを塗布しても良いし、またチューブ状シール部材20の代わりにシールテープを巻き付けるようにしても良い。
【0023】
ところで、3番気筒に設けた各センサ8a・8bはピストン行程の中間部における変位を検出するような位置に配設されているが、1番気筒における各センサ7a・7bにあっては、ピストン4aの上死点位置の変位を検出し得る位置に配設されている。また、それらセンサ7a・7bは、クランクシャフト5の軸線方向に位置しており、これによりピストン4aのクランクシャフト5軸線方向への移動を検出し得る。なお、図ではセンサ7a・7bをクランクシャフト5の軸線方向にシリンダライナ3aの内方へ向けて配設したが、クランクシャフト5軸線方向への移動を検出するためのセンサの配設にあっては、クランクシャフト5の軸線と直交する方向を避けた側、すなわちほぼ180度であって180度より小さい範囲内に配設すれば良く、そのように配設することによりピストンのクランクシャフトの軸線方向への挙動を検出することができる。
【0024】
さらに、本エンジンにあっては、図1に示されるように3番気筒と4番気筒との間のジャーナル壁6dに、クランクシャフト5のスラスト規制部17を設けている。したがって、その規制部17から最も離れている1番気筒におけるピストン4aの上記スラスト挙動が最も大きく、かつそのピストン4aの上死点位置近傍における挙動が最も大きくなり、各センサ7a・7bを上記したように配設することにより、上記スラスト挙動の変位量を好適に検出し得る。
【0025】
また本図示例では、シリンダブロック6のミッションへの出力取り出し側とは相反する端壁6fに、図5に併せて示されるように、前記したように上下一対のセンサ7a・7bが配設されている。なお、これら各センサ7a・7bこれにより、スラスト規制部17からクランクシャフト5の軸線方向に最も離れた所のピストン4aのトップランドの挙動を検出することになり、その挙動を精度良く検出することができる。
【0026】
また、上記端壁6f側には、タイミングベルトなどが設けられていると共に、ウォータポンプ18が設けられており、そのような大きな冷却源の近くに上記各センサ7a・7bが配設されていることから、センサ7a・7bに対する冷却効果を好適に高めることができる。なお、ウォータポンプ18にはラジエータ(図示せず)で放熱された冷却水が導入され、ウォータポンプ18から吐出される冷却水をシリンダブロック6内に導入するための冷却水導入口6wがシリンダブロック6の端壁6fに形成されている。
【0027】
このようにして構成されたセンサ7a・7b・8a・8bを用いたピストン挙動の検出要領を図6のブロック図を参照して以下に示す。なお、図6ではセンサ8aを代表として示している。
【0028】
図6に示されるように、センサ8aの出力値は、AD変換器AD1にてアナログ信号からデジタル信号に変換され、主制御部ECU内に設けられた第1ゲート処理回路21と第2ゲート処理回路22とにそれぞれ入力している。第1ゲート処理回路21には、図1に示されるようにクランクシャフト5に取り付けられたクランクプーリ23を用いてクランク角度を検出するためのクランク角度センサ24の出力値がAD変換器AD2を介して、また例えばシリンダヘッドのカム側に設けられた図示されないシリンダセンサの出力値がAD変換器AD3を介して、それぞれ上記第1ゲート処理回路21に入力している。さらに、前記した熱電対13の出力信号が、AD変換器AD4を介して、主制御部ECU内の温度スパン補正処理回路25に入力している。上記シリンダセンサとクランク角度センサ24とによにり、各気筒の各行程やピストンの上死点位置等が検出される。
【0029】
主制御部ECU内では、上記第1ゲート処理回路21の出力信号が0点補正処理回路26に入力し、その0点補正処理回路26には上記第2ゲート処理回路22の出力信号が入力している。その0点補正処理回路26からの出力信号と上記温度スパン補正処理回路25からの出力信号とが加算され、ピストン挙動検出回路27に入力している。そして、ピストン挙動検出回路27からのピストン挙動信号が、主制御部ECU外のCRT等の表示手段28に出力され、表示手段28によりピストン挙動を目視することができるようになっている。
【0030】
次に、センサ8aにより検出されたピストン4c及びシリンダライナ3c間のギャップの変化を示す図7の波形図を参照して、本発明の制御要領について示す。なお、図7では、縦軸にギャップ量を、横軸に時間(クランク角度)を示している。なお、本図示例では4サイクルエンジンの場合を示している。
【0031】
本センサ8aにあっては、上記したように渦電流式ギャップセンサを用いており、図8に示されるように、センサから被測定物(ピストン4c)までの距離の長短に応じて出力電圧が大小変化する特性を示すものである。
【0032】
図7に示されるように、圧縮行程の途中まではギャップ検出値としてのセンサ出力Vが上限値に達しており、センサ8aにピストン4cが近付いてくるとその影響を受けてセンサ出力Vが低下し始める。本図示例では、上限値よりも若干低いトリガー電圧V1を設定しており、そのトリガー電圧V1をセンサ出力Vが下回ったらセンサ8cによりピストン4cを検出可能になったことを認識する。
【0033】
圧縮行程の次の爆発行程における中間部を通過するとピストン4cがセンサ8cから遠ざかるため、図7に示されるように、センサ出力Vが再び上限値に達する状態になる。そして、次の排気・吸気行程においても、上記圧縮・爆発行程と同様に、排気行程の途中からセンサ出力Vが低下(ピストン4c検出)し、次の吸気行程の途中からセンサ出力Vが上限値に達する。したがって、図7において、区間A・Bは、センサ8aによりピストン4cを検出することができる区間である。
【0034】
また、本センサ8aにはアルミニウム用を採用しており、区間A・Bにおいて、その中央の上死点前後の区間C・Dに現れている比較的なだらかに変化する部分はアルミニウム製ピストン4cのピストンスカートを検出している波形を示している。それに対して、区間C・D以外の部分に現れているくし歯形状部分は3本の鋼製ピストンリングの通過を検出している波形を示している。
【0035】
前記したように本センサ8aにあっては、図8に示されるようにセンサ出力Vが線形的に変化する特性であるが、雰囲気温度20度の場合を示す実線と雰囲気温度100度の場合を示す波線とにより示されるように、一般に温度の違いでドリフトしてしまう。したがって、センサ8aの取り付け時に0点とした位置がエンジン作動時の高温雰囲気ではずれてしまうことになり、所定の回転速度や所定の負荷の場合にはある程度のずれでドリフト量を補正することができるが、それらが刻々と変化する場合には対処できない。
【0036】
本発明では、上記区間C(D)内で最小の出力値(最もセンサ8aに近付いた値)を、シリンダライナ3cの内周面にピストン4cが摺接したことを示す0出力に対応する作動時最小値Vminとして記憶し、予め記憶されている基準温度(例えば20度)における0出力である基準値と作動時最小値Vminとの偏差ΔVを求め、検出値Vに対して偏差ΔVを補正(加算あるいは減算)する0点補正を行う。
【0037】
ここで、区間C(D)の判別にあっては、第2ゲート処理回路22においてセンサ出力Vをゲート処理して行う。センサ出力Vにはピストンスカートを検出する前後の区間に上記したように3本のピストンリングを検出する波形が現れることから、その中で最も影響の大きい(センサ出力Vが最小となる)ピストンリングの通過位置としてのトップリング出力値E・F(H・I)のみをクランク角度検出用トリガー電圧V2により検出するようにしている。トップリング出力値E・F(H・I)は区間C(D)内で2回現れるが、これは、センサ8aに対して上死点位置を挟んで上昇・下降の各状態でトップリングが通過するためである。
【0038】
したがって、2つのトップリング出力値E・F(H・I)の間の中点が上死点位置になるため、それらトップリング出力値E・F(H・I)の間に区間C(D)が存在することになるため、区間A(B)を判別したら、両トップリング出力値E・F(H・I)間でセンサ出力値Vが最小となった値を作動時最小値Vminとすれば良い。なお、各区間E・F・H・Iの行程(圧縮・爆発・排気・吸気)の判別は、区間A・B間のセンサ出力値Vが上限値に達している区間Gを介する状態を認識することで可能である。
【0039】
このようにして、第2ゲート処理回路22において検出処理された作動時最小値Vminを0点補正処理回路26に出力する。その0点補正処理回路26には、第1ゲート処理回路21にてゲート処理された上記区間A(B)内におけるセンサ出力(検出値)Vも入力している。そして、0点補正処理回路26において、前記したようにセンサ出力値Vに対して偏差ΔVを加算する0点補正を行う。
【0040】
このとき、偏差ΔVの精度を上げるために、複数サイクルに渡って作動時最小値Vminを複数個検出し、例えば平均化するなどして良い。
【0041】
これにより、熱の影響を受けて検出値Vが基準温度における特性に対してドリフトしても、そのドリフト分を補正することができ、実際のギャップとほぼ等しいギャップ値を得ることができる。なお、回路上は、作動時最小値Vminが図7に示されるように負の値となることから、検出値Vから作動時最小値Vminを減算する演算が行われることになる。
【0042】
また、温度スパン補正処理回路25では、熱電対13からの温度検出値に基づき、予め記憶されているセンサ8aの温度特性に応じて温度スパンの補正処理を行う。例えば、図8に示されるように、100℃におけるセンサ毎の特性I・IIに応じて、温度補正する。
【0043】
また、クランク角度に対するピストン4cのギャップ量の変化を見ることにより、シリンダ内におけるピストン4cの上昇・下降時の挙動を解析することができる。そのために、クランク角度とギャップ量とを検出しているが、従来例で示したようにクランク角度をクランク角度センサ24で検出しただけでは、ギャップセンサ8aとクランク角度センサ24との各応答周波数の違いにより、特にエンジン高速回転域で位相ずれが生じてしまい、その場合には、ピストン挙動をクランク角度毎に表示しない表示形態とする時には正確なクランク角度になり得ないという問題がある。
【0044】
これに対して、トップリング出力値E・F(H・I)間のクランク角度を予め記憶(設定)しておくことにより、両値の検出タイミング間のクランク角度を求めることができる。また、上記したように2つのトップリング出力値E・F(H・I)の間の中点が上死点位置になるため、各2つのトップリング出力値E・F(H・I)をクランク角度検出用トリガー電圧V2に基づいて検出したら、それら両値の検出タイミングの中点を上死点位置として算出することができる。そして、ギャップセンサ8aの出力波形から求めた上死点位置とクランク角度センサ24による上死点位置信号とを比較して、クランク角度センサ24のクランク角度信号の位相ずれを補正することができる。
【0045】
このようにして0点補正・クランク角度位相ずれ補正・温度スパン補正の各処理を行った信号をピストン挙動検出回路27に入力し、ピストン挙動検出回路27にて例えば所定のクランク角度毎のピストン位置(シリンダライナとのギャップ)をグラフ処理して、表示手段28により目視可能に表示することができ、このようにして表示されたピストン挙動グラフは、熱歪みによる誤検出やセンサの周波数応答性の違いによる影響を排除した正確なものとなる。
【0046】
なお、特に区間C・Dの波形に顕著に現れているように、区間A・Bでは、ピストンに対する燃焼荷重と慣性荷重との相互関係から、ピストンは互いに逆の挙動を示す。
【0047】
【発明の効果】
このように本発明によれば、エンジン作動時の熱の影響を受けて、シリンダライナとギャップセンサとの材質の違いによる熱膨張の差によりセンサ位置がずれるような場合でも、エンジン作動時のギャップ最小値をピストンがシリンダライナに当接した0点位置として0点補正を行うことから、エンジン作動時における検出値に誤差が生じることを防止することができる。特に、上記0点補正を行う際の基準となる最小値を複数取り出すことにより、例えばそれらの平均値を算出することにより0点補正するための作動時最小値を高精度に算出し得る。
【0048】
また、ピストンとシリンダライナとのギャップを検出するセンサによりピストン位置を直接的に見ることにより、ピストンの上死点位置を正確に検出することができ、別個に設けたクランク角度センサによるクランク角度との間に高速回転時における周波数応答性の違いが生じても、その補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたエンジンの要部側断面図。
【図2】各センサの配設状態を示す模式的斜視図。
【図3】3番気筒におけるセンサの配設状態を示す要部断面図。
【図4】センサの要部を拡大して示す側断面図。
【図5】1番気筒におけるセンサの配設状態を示す要部断面図。
【図6】本発明に基づく制御を示すブロック図。
【図7】本発明の制御方法を示すセンサの波形図。
【図8】センサの温度特性を示す図。
【符号の説明】
3c シリンダライナ
4c ピストン
8a センサ
E・F トップリング出力値(ピストンリングの通過位置)
V センサ出力(ギャップ検出値)
Vmin 作動時最小値
ΔV 偏差

Claims (2)

  1. エンジン作動時におけるピストンのクランク角度に対するシリンダライナとのギャップ変化によりピストン挙動を解析するようにしたピストン挙動解析方法において、
    前記シリンダライナに設けたセンサにより前記ピストンと前記シリンダライナとのギャップを検出すると共に、
    前記ピストンと前記シリンダライナとの当接状態に対応する基準値とエンジン作動時に検出されたギャップ検出値の最小値からなる作動時最小値との偏差を求め、前記エンジン作動時におけるギャップ検出値に対して前記偏差分を補正して実ギャップ値とすることを特徴とするピストン挙動解析方法。
  2. 前記エンジン作動時に検出されたギャップ検出値の最小値を複数のサイクル数に渡って取り出し、前記取り出された複数の前記最小値に基づいて前記作動時最小値を算出することを特徴とする請求項1に記載のピストン挙動解析方法。
JP13862399A 1999-05-19 1999-05-19 ピストン挙動解析方法 Expired - Fee Related JP4083919B2 (ja)

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