JP3592508B2 - ステッピングモータ、光軸調整装置及び移動範囲設定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータに係り、特に車両用ヘッドライトの光軸調整装置に好適なステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステッピングモータには、マグネットロータの回転運動を直線運動に変換して出力するものがある。このステッピングモータのマグネットロータは、円筒状に形成され、その内周面に雌ネジが形成されている。その雌ネジには、雄ネジを外周面に形成した出力軸としてのシャフトが螺合されている。そのシャフトは、ステッピングモータのハウジングに対して回転不能及び軸線方向に移動可能に支持される。従って、このステッピングモータでは、マグネットロータが回転すると、シャフトがネジ作用により軸線方向に移動する。
【0003】
又、このようなステッピングモータにおいて、本願出願人は、マグネットロータの一端を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受をマグネットロータ内の一端に配設することにより、ステータと向き合ったマグネットロータの外周面積を確保しながら、軸方向寸法の小型化を図る技術を提案している(特願平9−190139号)。
【0004】
このステッピングモータは、例えば車両用ヘッドライトの自動光軸調整装置等に使用される。自動光軸調整装置とは、路面の段差等に応じて自動で光軸を上下に可変させ常に運転手の視野を確保するための装置であって、ステッピングモータは車両用ヘッドライトに備えられた反射鏡の角度を変化させるアクチュエータとして使用される。
【0005】
又、車両用ヘッドライトには、手動光軸調整装置が備えられている。手動光軸調整装置とは、車両用ヘッドライトの光軸を上下に可変させ光軸の基本位置を設定するための装置であって、ステッピングモータのシャフトとは別のシャフト(ボルト)を手動で動かすことにより前記反射鏡の角度の基本位置を決定し、自動光軸調整装置が変化させる反射鏡の角度の範囲を設定する装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら自動光軸調整装置(ステッピングモータ)のシャフト及び手動光軸調整装置のシャフトは、共に反射鏡の角度を変化させるためのものであるが、駆動源が異なるため別々に設けられている。そのため、両光軸調整装置を備えた車両用ヘッドライトは部品点数が増加し、その構造が複雑となる。又、両光軸調整装置を備えた車両用ヘッドライトは、大型化するとともに、コストが高くなる。
【0007】
本発明の目的は、小型化及び低コスト化を図りながら、モータの出力軸が移動可能な範囲を設定することができるステッピングモータ、光軸調整装置及び移動範囲設定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ケース内に配設され、回転磁界を発生するステータと、前記ステータ内に回転可能に配設され、該ステータが発生する回転磁界に基づいて回転するロータと、前記ロータ内に配設され、該ロータの回転に基づいて該ロータの回転軸線方向に直線移動する出力軸と、前記ロータ内の回転軸線方向の一端側に配設され、該ロータの回転軸線方向の当該一端側を回転可能に支持するとともに、前記出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受と、前記出力軸の外周面に形成される雄ネジに螺合され、前記出力軸の直線移動の範囲を規制する規制部材とを備えたステッピングモータにおいて、前記規制部材にて規制される前記出力軸の移動範囲を変更するための設定手段を該出力軸の軸線上に設けたことを要旨としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステッピングモータにおいて、前記設定手段は、前記出力軸の軸線方向に移動不能に設けられていることを要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のステッピングモータにおいて、前記規制部材は、前記ケースに対して該出力軸の軸線方向に所定の範囲移動可能且つ回転不能に設けられ、前記ロータの回転に基づいて前記出力軸と共に軸線方向に移動する係止部材であり、前記設定手段は、前記ケースに対して回転可能に支持された前記軸受であって、その軸受は前記出力軸を連れ回りさせるものであることを要旨としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のステッピングモータにおいて、前記ロータは、内周面に前記出力軸の雄ネジと螺合される雌ネジが形成され、前記係止部材は、前記出力軸の雄ネジに対する摩擦トルクがロータより大きい螺合部材であることを要旨としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のステッピングモータにおいて、前記ロータは、内周面に前記出力軸の雄ネジより径の大きい雌ネジが形成され、前記係止部材は、その外周面が前記ロータの雌ネジに螺合されるとともに、その内周面が前記出力軸の雄ネジに螺合される中間シャフトであることを要旨としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、ケース内に配設され、回転磁界を発生するステータと、前記ステータ内に回転可能に配設され、該ステータが発生する回転磁界に基づいて回転するロータと、前記ロータ内に配設され、該ロータの回転に基づいて該ロータの回転軸線方向に直線移動する出力軸と、前記ロータ内の回転軸線方向の一端側に配設され、該ロータの回転軸線方向の当該一端側を回転可能に支持するとともに、前記出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受と、前記出力軸に設けられ、前記出力軸の直線移動の範囲を規制する規制部材とを備えたステッピングモータにおいて、前記規制部材にて規制される前記出力軸の移動範囲を変更するための設定手段を該出力軸の軸線上に設けたことを要旨としている。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のステッピングモータにおいて、前記出力軸は、前記ロータの内周面に形成した雌ネジと螺合される雄ネジが形成され、前記規制部材は、前記ケースに対して該出力軸の一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能且つ回転不能に支持された回転止めと、前記軸受に軸線方向に移動可能に設けられ、前記出力軸の軸線方向への移動を前記出力軸の一端に当接して規制する当接部材とからなり、前記設定手段は、前記当接部材であることを要旨としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のステッピングモータを備えた光軸調整装置を要旨としている。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載のステッピングモータにおける出力軸の移動範囲を設定する移動範囲設定方法において、前記出力軸の一端が前記当接部材に当接していない状態に移動させた後、該当接部材を所望の位置に移動させ固定させることにより移動可能な範囲を設定することを要旨としている。
【0014】
請求項1、6に記載の発明によれば、ロータの回転軸線方向の一端側を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受がロータ内の回転軸線方向の一端側に配設されていることから、軸線方向に小型化が図られる。又、出力軸の軸線上に該出力軸の移動範囲を変更するための設定手段を設けたことから、周方向に大型化しない構成で、出力軸の移動範囲を変更することができる。
【0015】
請求項3、4及び5に記載の発明によれば、ロータが回転すると、出力軸はネジ作用により係止部材と共に軸線方向に移動する。このとき、係止部材はケースに対して軸線方向に所定の範囲移動可能であるため、出力軸も所定の範囲移動する。又、軸受をケースに対して回転させると、出力軸も連れ回りする。すると、出力軸が係止部材に対して軸線方向に移動する。従って、出力軸がロータにて直線移動される範囲が係止部材に対して移動した分だけ変位する。即ち、軸受を回転させれば、出力軸の移動範囲が変更される。又、ロータの回転軸方向一端側を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受を設定手段として利用するため、小型化を図りながら出力軸の基本位置を設定することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明によれば、ロータが回転すると、出力軸はネジ作用により回転止めと共に軸線方向に移動する。このとき、回転止めは一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能であるため、出力軸も一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能である。又、出力軸の他方の軸線方向への移動は軸受に設けられた当接部材にて所定の位置で規制される。この当接部材は軸線方向に移動可能に支持されているため、当接部材を軸線方向の所望の位置に移動させ固定すれば、出力軸の他方の軸線方向への移動可能な位置が変位する。又、当接部材はロータの回転軸線方向の一端側を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受に設けるため、小型化を図りながら出力軸の基本位置を設定することができる。
【0017】
請求項8に記載の発明によれば、光軸調整装置において、小型化を図りながら自動光軸調整及び手動光軸調整を行なうことができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7に記載のステッピングモータの出力軸の一端が前記当接部材に当接していない状態として、該当接部材を所望の位置に移動させ固定させることにより設定するため、当接部材が出力軸の一端に押し込む力を加えることはない。従って、設定時に当接部材が出力軸の一端を破損してしまうことは防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸調整装置に具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0019】
図2に示すように、車両用ヘッドライト1は、反射鏡2、光源バルブ3及び取付けカバー4等を備えている。反射鏡2は縦側断面が横U字型に形成されている。反射鏡2の上方側は、取付けカバー4に固定された支持部材5にて揺動可能に連結されている。又、反射鏡2の下方側は、取付けカバー4に固定された光軸調整装置(ステッピングモータ)6の出力軸7にて揺動可能に連結されている。従って、光軸調整装置6の出力軸7が図2において左右方向に移動すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。
【0020】
図1は、前記光軸調整装置(ステッピングモータ)6の縦側断面を示す。ケース8は、ハウジング9とハウジングカバー10とから構成されている。ハウジング9は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に延出し、ケース8の外部と内部を連通する円筒部9aが形成されている。ハウジング9はその一側(図1において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング11が装着される。
【0021】
前記円筒部9aの内周面には、環状の凸部9bが形成されている。円筒部9aの内周面には設定手段としての可動軸受け12が、周方向に摺動回転可能に、軸方向に移動不能に取着されている。詳述すると、可動軸受け12には、略円柱形状のメタル軸受部13と円柱形状のノブ部14が形成されている。メタル軸受部13の外周面は円筒部9aの内周面と同径に形成され、その外周面には前記環状の凸部9bと係合する環状の凹部13aが形成されている。そして、環状の凸部9bと環状の凹部13aが係合するように取着された状態で、ノブ部14は前記円筒部9aの開口面に内側の面が当接するようになっている。即ち、ノブ部14を手動で回転させると、メタル軸受部13が円筒部9aの内周面に対して摺動回転するようになっている。又、メタル軸受部13の先端面には、該メタル軸受部13の外周面から軸の中心を通って反対側の外周面まで貫通する2面巾凹部13bが形成されている。
【0022】
ハウジングカバー10は、前記ハウジング9と対向する側に大径凹部10aが凹設され、その大径凹部10aの中央部に小径凹部10bが凹設されている。小径凹部10bの壁面であって前記可動軸受け12に相対向する位置には、貫通孔10cが形成されている。小径凹部10bには、前記貫通孔10cを囲むようにガイド筒10dが前記可動軸受け12側に向かって延出形成されている。ガイド筒10dの内周面は6角形の案内溝10eが所定の長さに渡って形成されている。ガイド筒10dの先端には、ナット係止部10fが該ガイド筒10dの内周面から軸中心方向に向かって延出形成されている。
【0023】
前記ハウジング9と前記コネクタハウジング11との内周面側には、円環状に形成されたステータ15が配設され、そのステータ15は前記コネクタハウジング11に設けられた給電ターミナル16に公知の方法で接続されている。
【0024】
前記ステータ15の内周側には、ロータとしてのマグネットロータ17が回転可能に配設されている。詳述すると、マグネットロータ17は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部18と該マグネット部18の内周面に固着された合成樹脂性のカラム部19とから構成されている。そして、マグネット部18の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部19は、転がり軸受20の内輪と連結固定されている。転がり軸受20の外輪は前記ハウジングカバー10の大径凹部10aの内側面に対して固定されている。又、前記カラム部19の後端部内周面には軸受凹部19aが形成され、その軸受凹部19aは前記メタル軸受部13の外周面に対して摺動回転可能に支持されている。従って、マグネットロータ17は転がり軸受20及びメタル軸受部13に対して回転可能且つ軸線方向に移動不能に支持される。
【0025】
前記出力軸7は、その中央部分にネジ部7aが所定の長さに渡って形成され、その一基端部に2面巾部7bが形成されている。前記出力軸7は、前記ハウジングカバー10の貫通孔10cから嵌挿され、その2面巾部7bが前記メタル軸受部13の2面巾凹部13bに嵌合されている。従って、出力軸7は前記可動軸受け11に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持されている。前記ネジ部7aは前記カラム部19の内周面に形成された雌ネジ19bに螺合されている。又、前記ネジ部7aの前記ガイド筒10dと対応した位置には規制部材、係止部材及び螺合部材としての位置決め用ナット21が螺合されている。位置決め用ナット21は6角形のナットであって、前記6角形の案内溝10eに対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。尚、出力軸7のネジ部7aに対する位置決め用ナット21の摩擦トルクはネジ部7aに対するカラム部19の摩擦トルクより大きくなっている。
【0026】
従って、マグネットロータ17が正逆回転すると、該カラム部19と螺合している出力軸7は、位置決め用ナット21にて回転が規制され、位置決め用ナット21と一体的に前後方向(図1において左右方向)に移動する。又、可動軸受け12が正逆回転されると、ケース8に回転不能に支持された位置決め用ナット21に対して出力軸7が回転し、出力軸7が位置決め用ナット21に対して前後方向(図1において左右方向)に移動する。
【0027】
このように構成された光軸調整装置6は、自動光軸調整機能と手動光軸調整機能の2つの機能を備えている。
「自動光軸調整」
光軸調整装置6は、給電ターミナル16に図示しない電源装置よりパルス駆動電源が供給されると、ステータ15がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生する。すると、その回転磁界に応じてマグネットロータ17が正逆回転する。すると、マグネットロータ17のカラム部19と螺合している出力軸7は、位置決め用ナット21にて回転が規制されるため、位置決め用ナット21と一体的に前後方向(図1において左右方向)に移動する。従って、車両の前後の傾きに応じてパルス駆動電源を供給するようにすれば、自動で出力軸7が図2において左右に移動する。すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。尚、このときの出力軸7の基本位置、即ち反射鏡2の基本位置は位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している位置であって、出力軸7は案内溝10eの長さに応じた距離を移動することができる。
【0028】
「手動光軸調整」
反射鏡2の基本位置を設定する場合は、位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している状態で、可動軸受け12のノブ部14を手動にて正逆回転させる。すると、ケース8に回転不能に支持された位置決め用ナット21に対して出力軸7が回転するため、位置決め用ナット21に対して出力軸7が前後方向(図1において左右方向)に移動する。従って、位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している状態での出力軸7の基本位置が前後方向(図1において左右方向)に変位し、出力軸7が「自動光軸調整」にて移動する範囲が同様に変位する。その結果、反射鏡2の基本位置が設定される。
【0029】
次に、上記のように構成した光軸調整装置の特徴を以下に記載する。
(1)上記第1の実施の形態では、出力軸7及びマグネットロータ17を支持する可動軸受け12が該カラム部19の内周面に摺接して設けられているため、カラム部19の外周に形成されたマグネット部18の外周面積を確保しながら、軸線方向の小型化が図られている。しかも、この光軸調整装置(ステッピングモータ)6では、出力軸7の軸線上に該出力軸7の基本位置を設定するための可動軸受け12が配設されているため、出力軸7の基本位置を設定可能とするために周方向に大型化してしまうことはない。
【0030】
(2)又、この光軸調整装置(ステッピングモータ)6では、出力軸7の基本位置を設定するための設定手段として出力軸7及びマグネットロータ17を支持する可動軸受け12を利用するため、軸線方向の小型化及び部品点数の低減による低コスト化を図りながら、出力軸7の基本位置を設定することができる。
【0031】
(3)上記第1の実施の形態では、ロータがマグネットロータ17である永久磁石型のステッピングモータに具体化したため、ステータ15が励磁されていなくてもマグネットロータ17は保持トルクを有する。従って、ステータ15が励磁されていないときに、車両の振動等によりマグネットロータ17が回転してしまうことはない。
【0032】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸調整装置に具体化した第2の実施の形態を図3及び図4に従って説明する。尚、本実施の形態の光軸調整装置(ステッピングモータ)31は、上記第1の実施の形態と同様に図2に示す車両用ヘッドライト1に装着される。
【0033】
図3は、前記光軸調整装置(ステッピングモータ)31の縦側断面を示す。ケース32は、ハウジング33とハウジングカバー34とから構成されている。ハウジング33は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に延出し、ケース32の外部と内部を連通する円筒部33aが形成されている。ハウジング33はその一側(図3において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング35が装着される。
【0034】
前記円筒部33aの内周面には、環状の凸部33bが形成されている。円筒部33aの内周面には設定手段としての可動軸受け36が、周方向に摺動回転可能に、軸方向に移動不能に取着されている。詳述すると、可動軸受け36には、略円柱形状のメタル軸受部37と円柱形状のノブ部38が形成されている。メタル軸受部37の外周面は円筒部33aの内周面と同径に形成され、その外周面には前記環状の凸部33bと係合する環状の凹部37aが形成されている。そして、環状の凸部33bと環状の凹部37aが係合するように取着された状態で、ノブ部38は前記円筒部33aの開口面に内側の面が当接するようになっている。即ち、ノブ部38を手動で回転させると、メタル軸受部37が円筒部33aの内周面に対して摺動回転するようになっている。又、メタル軸受部37の先端面には、該メタル軸受部37の外周面から軸の中心を通って反対側の外周面まで貫通する2面巾凹部37bが形成されている。
【0035】
ハウジングカバー34は、前記ハウジング33と対向する側に大径凹部34aが凹設され、その大径凹部34aの中央部に中径凹部34bが凹設されている。中径凹部34bの中央部には、図4に示すA−A断面図のように、2面巾凹部34cが凹設されている。2面巾凹部34cの壁面であって、前記可動軸受け36に相対向する位置には、貫通孔34dが形成されている。
【0036】
前記ハウジング33と前記コネクタハウジング35との内周面側には、円環状に形成されたステータ39が配設され、そのステータ39は前記コネクタハウジング35に設けられた給電ターミナル40に公知の方法で接続されている。
【0037】
前記ステータ39の内周側には、ロータとしてのマグネットロータ41が回転可能に配設されている。マグネットロータ41は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部42と該マグネット部42の内周面に固着された合成樹脂性のカラム部43とから構成されている。そして、マグネット部42の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部43は、転がり軸受44の内輪と連結固定されている。転がり軸受44の外輪は前記ハウジングカバー34の大径凹部34aの内側面に対して固定されている。カラム部43の内周面には雌ネジ43aが形成され、該雌ネジ43aには規制部材及び係止部材としての中間シャフト45が螺合されている。中間シャフト45の先端部外周面の前記2面巾凹部34cと対応した位置には、図4に示すA−A断面図のように該2面巾凹部34cに内接する2面巾部45aが形成されている。又、中間シャフト45の後端部内周面には軸受凹部45bが形成され、その軸受凹部45bは前記可動軸受け36のメタル軸受部37の外周面に対して摺動回転可能に且つ軸線方向に移動可能に支持されている。従って、中間シャフト45は2面巾凹部34cに対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。又、前記マグネットロータ41は、前記転がり軸受44に支持されていることと、中間シャフト45と螺合していることから回転可能で軸方向に移動不能に支持される。
【0038】
出力軸46は、その中央部分にネジ部46aが所定の長さに渡って形成され、その一基端部に2面巾部46bが形成されている。前記出力軸46は、前記ハウジングカバー34の貫通孔34dから嵌挿され、その2面巾部46bが前記メタル軸受部37の2面巾凹部37bに嵌合されている。従って、出力軸46は前記可動軸受け36に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持されている。前記ネジ部46aは前記中間シャフト45の内周面に形成された雌ネジに螺合されている。
【0039】
従って、マグネットロータ41が正逆回転すると、該カラム部43と螺合している中間シャフト45は、2面巾凹部34cにて回転が規制され、出力軸46と一体的に前後方向(図3において左右方向)に移動する。又、可動軸受け36が正逆回転されると、中間シャフト45に対して出力軸46が回転し、同中間シャフト45に対して出力軸46が前後方向(図3において左右方向)に移動する。
【0040】
このように構成された光軸調整装置31は、自動光軸調整機能と手動光軸調整機能の2つの機能を備えている。
「自動光軸調整」
光軸調整装置31は、給電ターミナル40に図示しない電源装置よりパルス駆動電源が供給されると、ステータ39がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生する。すると、その回転磁界に応じてマグネットロータ41が正逆回転する。すると、マグネットロータ41のカラム部43と螺合している中間シャフト45は、2面巾凹部34cにて回転が規制されるため、出力軸46と一体的に前後方向(図3において左右方向)に移動する。従って、車両の前後の傾きに応じてパルス駆動電源を供給するようにすれば、自動で出力軸46が図2において左右に移動する。すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。尚、このときの出力軸46の基本位置、即ち反射鏡2の基本位置は中間シャフト45の軸受凹部45bの底部がメタル軸受部37の先端面に当接している位置であって、中間シャフト45及び出力軸46は該中間シャフト45の上面が2面巾凹部34cの底部に当接する位置まで移動することができる。
【0041】
「手動光軸調整」
反射鏡2の基本位置を設定する場合は、軸受凹部45bの底部がメタル軸受部37の先端面に当接している状態で、可動軸受け36のノブ部38を手動にて正逆回転させる。すると、2面巾凹部34cに回転不能に支持された中間シャフト45に対して出力軸46が回転するため、中間シャフト45に対して出力軸46が前後方向(図3において左右方向)に移動する。従って、軸受凹部45bの底部がメタル軸受部37の先端面に当接している状態での出力軸46の基本位置が前後方向(図3において左右方向)に変位し、出力軸46が「自動光軸調整」にて移動する範囲が同様に変位する。その結果、反射鏡2の基本位置が設定される。
【0042】
次に、上記のように構成した光軸調整装置の特徴を以下に記載する。
(1)上記第2の実施の形態では、出力軸46及び中間シャフト45を支持する可動軸受け36が中間シャフト45の内周面に摺接して設けられているため、中間シャフト45の外周側に設けられたマグネットロータ41の外周面積を確保しながら、軸線方向の小型化が図られている。しかも、この光軸調整装置(ステッピングモータ)31では、出力軸46の軸線上に該出力軸46の基本位置を設定するための可動軸受け36が配設されているため、出力軸46の基本位置を設定可能とするために周方向に大型化してしまうことはない。
【0043】
(2)又、この光軸調整装置(ステッピングモータ)46では、出力軸46の基本位置を設定するための設定手段として出力軸46及び中間シャフト45を支持する可動軸受け36を利用するため、軸線方向の小型化及び部品点数の低減による低コスト化を図りながら、出力軸46の基本位置を設定することができる。
【0044】
(3)上記第2の実施の形態では、ロータがマグネットロータ41である永久磁石型のステッピングモータに具体化したため、ステータ39が励磁されていなくてもマグネットロータ41は保持トルクを有する。従って、ステータ39が励磁されていないときに、車両の振動等によりマグネットロータ41が回転してしまうことはない。
【0045】
(第3の実施の形態)
以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸調整装置に具体化した第3の実施の形態を図5に従って説明する。尚、本実施の形態の光軸調整装置(ステッピングモータ)51は、上記第1の実施の形態と同様に図2に示す車両用ヘッドライト1に装着される。
【0046】
図5は、前記光軸調整装置(ステッピングモータ)51の縦側断面を示す。ケース52は、ハウジング53とハウジングカバー54とから構成されている。ハウジング53は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に膨出した凹部53aが形成されている。凹部53aの底部中央には貫通孔53bが形成されている。ハウジング53はその一側(図5において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング55が装着される。
【0047】
前記凹部53aの底部には、ナット56が回転不能に収容され固着されている。又、該凹部53aには、ナット56の一側面に円筒状のメタル軸受57が固着されている。そして、設定手段及び当接部材としてのボルト58は前記貫通孔53bから嵌挿され、ナット56に螺合され、そのネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面に介在される。従って、ボルト58を回転させると、ネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面を前後方向(図5において左右方向)に移動する。
【0048】
ハウジングカバー54は、前記ハウジング53の対向する側に大径凹部54aが凹設され、その大径凹部54aの中央部に小径凹部54bが凹設されている。小径凹部54bの壁面であって前記ハウジング53の貫通孔53bに相対向する位置には、貫通孔54cが形成されている。小径凹部54bには、前記貫通孔54cを囲むようにガイド筒54dが前記ハウジング53の貫通孔53b側に向かって延出形成されている。ガイド筒54dの内周面は6角形の案内溝54eが形成されている。
【0049】
前記ハウジング53と前記コネクタハウジング55との内周面側には、円環状に形成されたステータ59が配設され、そのステータ59は前記コネクタハウジング55に設けられた給電ターミナル60に公知の方法で接続されている。
【0050】
前記ステータ59の内周側には、ロータとしてのマグネットロータ61が回転可能に配設されている。詳述すると、マグネットロータ61は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部62と該マグネット部62の内周面に固着された合成樹脂性のカラム部63とから構成されている。そして、マグネット部62の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部63は、転がり軸受64の内輪と連結固定されている。転がり軸受64の外輪は前記ハウジングカバー54の大径凹部54aの内側面に対して固定されている。又、前記カラム部63の後端部内周面には軸受凹部63aが形成され、その軸受凹部63aは前記メタル軸受57の外周面に対して摺動回転可能に支持されている。従って、マグネットロータ61は転がり軸受64及びメタル軸受57に対して回転可能且つ軸線方向に移動不能に支持される。
【0051】
出力軸65は、その中央部分にネジ部65aが所定の長さに渡って形成され、前記案内溝54eと対応した位置には該案内溝54eと回転方向に係合する回転止め66が一体的に設けられている。前記出力軸65は、ハウジングカバー54の貫通孔54cから嵌挿され、その基端部が前記メタル軸受57に嵌挿されている。従って、出力軸65は前記メタル軸受57と前記案内溝54eによりケース52に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。前記出力軸65のネジ部65aは前記カラム部63の内周面に形成された雌ネジ63bに螺合されている。尚、本実施の形態では、前記ボルト58と回転止め66が規制部材を構成している。
【0052】
従って、マグネットロータ61が正逆回転すると、該カラム部63と螺合している出力軸65は、回転止め66にて回転が規制され、前後方向(図5において左右方向)に移動する。
【0053】
このように構成された光軸調整装置51は、自動光軸調整機能と手動光軸調整機能の2つの機能を備えている。
「自動光軸調整」
光軸調整装置51は、給電ターミナル60に図示しない電源装置よりパルス駆動電源が供給されると、ステータ59がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生する。すると、その回転磁界に応じてマグネットロータ61が正逆回転する。すると、マグネットロータ61のカラム部63と螺合している出力軸65は、回転止め66にて回転が規制されるため、前後方向(図5において左右方向)に移動する。従って、車両の前後の傾きに応じてパルス駆動電源を供給するようにすれば、自動で出力軸49が図2において左右方向に移動する。すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。尚、このときの出力軸65の基本位置、即ち反射鏡2の基本位置は出力軸65の基端部がボルト58のネジ先端部分58aに当接している位置であって、出力軸65は回転止め66が案内溝54eの終端、即ち小径凹部54bの底面に当接するまで移動することができる。
【0054】
「手動光軸調整」
反射鏡2の基本位置を設定する場合は、まず電源装置よりパルス駆動電源を供給し、出力軸65を回転止め66が案内溝54eの終端、即ち小径凹部54bの底面に当接している状態とする。次に、ボルト58をレンチ等を使用し手動にて正逆回転させる。すると、ボルト58のネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面を前後方向(図5において左右方向)に移動する。次に、電源装置よりパルス駆動電源を供給し、出力軸65をその基端部がボルト58のネジ先端部分58aに当接する状態とする。すると、ボルト58のネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面を移動した分だけ、出力軸65の基本位置が変位し、反射鏡2の基本位置が設定される。
【0055】
次に、上記のように構成した光軸調整装置の特徴を以下に記載する。
(1)上記第3の実施の形態では、出力軸65及びマグネットロータ61を支持するメタル軸受57が該カラム63の内周面に摺接して設けられているため、カラム部63の外周に設けられたマグネット部62の外周面積を確保しながら、軸線方向の小型化が図られている。しかも、この光軸調整装置(ステッピングモータ)51では、出力軸65の軸線上に該出力軸65の基本位置を設定するためのボルト58が配設されているため、出力軸65の基本位置を設定可能とするために周方向に大型化してしまうことはない。
【0056】
(2)又、この光軸調整装置(ステッピングモータ)51では、出力軸65の基本位置を設定するためのボルト58をそのネジ先端部分58aが出力軸65及びマグネットロータ61を支持するメタル軸受57の内周面に介在するように配設するため、軸線方向の小型化を図りながら、出力軸65の基本位置を設定することができる。
【0057】
(3)上記第3の実施の形態では、出力軸65の基本位置を設定する際に、出力軸65を回転止め66が案内溝54eの終端、即ち小径凹部54bの底面に当接している状態として、ボルト58を回転させて移動させるため、ボルト58のネジ先端部分58aが出力軸65を無理に押し込むことはない。従って、ボルト58が出力軸65の一端を押圧して破損させてしまうことはない。
【0058】
(4)上記第3の実施の形態では、ロータがマグネットロータ61である永久磁石型のステッピングモータに具体化したため、ステータ59が励磁されていなくてもマグネットロータ61は保持トルクを有する。従って、ステータ59が励磁されていないときに、車両の振動等によりマグネットロータ61が回転してしまうことはない。
【0059】
尚、本発明の実施の形態は上記のものに限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記各実施の形態のメタル軸受部13,37及びメタル軸受57は、例えば樹脂性の軸受等に変更してもよい。
【0060】
○上記各実施の形態では、車両用ヘッドライトの光軸調整装置6,31,51に具体化したが、マグネットロータ17,41,61の回転により出力軸7,46,65が移動する範囲を、手動にて変更する必要がある他の装置に具体化してもよい。
【0061】
○上記各実施の形態では、ロータがマグネットロータ17,41,61である永久磁石型のステッピングモータに具体化したが、例えばロータが歯車状に形成される可変レラクタンス型のステッピングモータ等、他のステッピングモータに具体化してもよい。
【0062】
上記各実施の形態から把握できる請求項に記載した以外の技術的思想を以下にその効果とともに記載する。
○前記ロータは、マグネットロータである。このようにすると、ロータがマグネットロータであるため、ステータが励磁されていなくても保持トルクを有する。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、小型化及び低コスト化を図りながら、モータの出力軸が移動可能な範囲を設定することができるステッピングモータ、光軸調整装置及びその設定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の光軸調整装置の要部断面図。
【図2】車両用ヘッドライトの要部断面図。
【図3】第2の実施の形態の光軸調整装置の要部断面図。
【図4】図3におけるA−A断面図。
【図5】第3の実施の形態の光軸調整装置の要部断面図。
【符号の説明】
7,46,65…出力軸、8,32,52…ケース、12,36…可動軸受け、21…位置決め用ナット、17,41,61…マグネットロータ、15,39,59…ステータ、45…中間シャフト、57…メタル軸受、58…ボルト、66…回転止め、7a,46a,65a…ネジ、19b,43a,63b…雌ネジ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータに係り、特に車両用ヘッドライトの光軸調整装置に好適なステッピングモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステッピングモータには、マグネットロータの回転運動を直線運動に変換して出力するものがある。このステッピングモータのマグネットロータは、円筒状に形成され、その内周面に雌ネジが形成されている。その雌ネジには、雄ネジを外周面に形成した出力軸としてのシャフトが螺合されている。そのシャフトは、ステッピングモータのハウジングに対して回転不能及び軸線方向に移動可能に支持される。従って、このステッピングモータでは、マグネットロータが回転すると、シャフトがネジ作用により軸線方向に移動する。
【0003】
又、このようなステッピングモータにおいて、本願出願人は、マグネットロータの一端を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受をマグネットロータ内の一端に配設することにより、ステータと向き合ったマグネットロータの外周面積を確保しながら、軸方向寸法の小型化を図る技術を提案している(特願平9−190139号)。
【0004】
このステッピングモータは、例えば車両用ヘッドライトの自動光軸調整装置等に使用される。自動光軸調整装置とは、路面の段差等に応じて自動で光軸を上下に可変させ常に運転手の視野を確保するための装置であって、ステッピングモータは車両用ヘッドライトに備えられた反射鏡の角度を変化させるアクチュエータとして使用される。
【0005】
又、車両用ヘッドライトには、手動光軸調整装置が備えられている。手動光軸調整装置とは、車両用ヘッドライトの光軸を上下に可変させ光軸の基本位置を設定するための装置であって、ステッピングモータのシャフトとは別のシャフト(ボルト)を手動で動かすことにより前記反射鏡の角度の基本位置を決定し、自動光軸調整装置が変化させる反射鏡の角度の範囲を設定する装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これら自動光軸調整装置(ステッピングモータ)のシャフト及び手動光軸調整装置のシャフトは、共に反射鏡の角度を変化させるためのものであるが、駆動源が異なるため別々に設けられている。そのため、両光軸調整装置を備えた車両用ヘッドライトは部品点数が増加し、その構造が複雑となる。又、両光軸調整装置を備えた車両用ヘッドライトは、大型化するとともに、コストが高くなる。
【0007】
本発明の目的は、小型化及び低コスト化を図りながら、モータの出力軸が移動可能な範囲を設定することができるステッピングモータ、光軸調整装置及び移動範囲設定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ケース内に配設され、回転磁界を発生するステータと、前記ステータ内に回転可能に配設され、該ステータが発生する回転磁界に基づいて回転するロータと、前記ロータ内に配設され、該ロータの回転に基づいて該ロータの回転軸線方向に直線移動する出力軸と、前記ロータ内の回転軸線方向の一端側に配設され、該ロータの回転軸線方向の当該一端側を回転可能に支持するとともに、前記出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受と、前記出力軸の外周面に形成される雄ネジに螺合され、前記出力軸の直線移動の範囲を規制する規制部材とを備えたステッピングモータにおいて、前記規制部材にて規制される前記出力軸の移動範囲を変更するための設定手段を該出力軸の軸線上に設けたことを要旨としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のステッピングモータにおいて、前記設定手段は、前記出力軸の軸線方向に移動不能に設けられていることを要旨としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のステッピングモータにおいて、前記規制部材は、前記ケースに対して該出力軸の軸線方向に所定の範囲移動可能且つ回転不能に設けられ、前記ロータの回転に基づいて前記出力軸と共に軸線方向に移動する係止部材であり、前記設定手段は、前記ケースに対して回転可能に支持された前記軸受であって、その軸受は前記出力軸を連れ回りさせるものであることを要旨としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のステッピングモータにおいて、前記ロータは、内周面に前記出力軸の雄ネジと螺合される雌ネジが形成され、前記係止部材は、前記出力軸の雄ネジに対する摩擦トルクがロータより大きい螺合部材であることを要旨としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のステッピングモータにおいて、前記ロータは、内周面に前記出力軸の雄ネジより径の大きい雌ネジが形成され、前記係止部材は、その外周面が前記ロータの雌ネジに螺合されるとともに、その内周面が前記出力軸の雄ネジに螺合される中間シャフトであることを要旨としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、ケース内に配設され、回転磁界を発生するステータと、前記ステータ内に回転可能に配設され、該ステータが発生する回転磁界に基づいて回転するロータと、前記ロータ内に配設され、該ロータの回転に基づいて該ロータの回転軸線方向に直線移動する出力軸と、前記ロータ内の回転軸線方向の一端側に配設され、該ロータの回転軸線方向の当該一端側を回転可能に支持するとともに、前記出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受と、前記出力軸に設けられ、前記出力軸の直線移動の範囲を規制する規制部材とを備えたステッピングモータにおいて、前記規制部材にて規制される前記出力軸の移動範囲を変更するための設定手段を該出力軸の軸線上に設けたことを要旨としている。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のステッピングモータにおいて、前記出力軸は、前記ロータの内周面に形成した雌ネジと螺合される雄ネジが形成され、前記規制部材は、前記ケースに対して該出力軸の一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能且つ回転不能に支持された回転止めと、前記軸受に軸線方向に移動可能に設けられ、前記出力軸の軸線方向への移動を前記出力軸の一端に当接して規制する当接部材とからなり、前記設定手段は、前記当接部材であることを要旨としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のステッピングモータを備えた光軸調整装置を要旨としている。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載のステッピングモータにおける出力軸の移動範囲を設定する移動範囲設定方法において、前記出力軸の一端が前記当接部材に当接していない状態に移動させた後、該当接部材を所望の位置に移動させ固定させることにより移動可能な範囲を設定することを要旨としている。
【0014】
請求項1、6に記載の発明によれば、ロータの回転軸線方向の一端側を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受がロータ内の回転軸線方向の一端側に配設されていることから、軸線方向に小型化が図られる。又、出力軸の軸線上に該出力軸の移動範囲を変更するための設定手段を設けたことから、周方向に大型化しない構成で、出力軸の移動範囲を変更することができる。
【0015】
請求項3、4及び5に記載の発明によれば、ロータが回転すると、出力軸はネジ作用により係止部材と共に軸線方向に移動する。このとき、係止部材はケースに対して軸線方向に所定の範囲移動可能であるため、出力軸も所定の範囲移動する。又、軸受をケースに対して回転させると、出力軸も連れ回りする。すると、出力軸が係止部材に対して軸線方向に移動する。従って、出力軸がロータにて直線移動される範囲が係止部材に対して移動した分だけ変位する。即ち、軸受を回転させれば、出力軸の移動範囲が変更される。又、ロータの回転軸方向一端側を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受を設定手段として利用するため、小型化を図りながら出力軸の基本位置を設定することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明によれば、ロータが回転すると、出力軸はネジ作用により回転止めと共に軸線方向に移動する。このとき、回転止めは一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能であるため、出力軸も一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能である。又、出力軸の他方の軸線方向への移動は軸受に設けられた当接部材にて所定の位置で規制される。この当接部材は軸線方向に移動可能に支持されているため、当接部材を軸線方向の所望の位置に移動させ固定すれば、出力軸の他方の軸線方向への移動可能な位置が変位する。又、当接部材はロータの回転軸線方向の一端側を回転可能に支持するとともに、出力軸の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受に設けるため、小型化を図りながら出力軸の基本位置を設定することができる。
【0017】
請求項8に記載の発明によれば、光軸調整装置において、小型化を図りながら自動光軸調整及び手動光軸調整を行なうことができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7に記載のステッピングモータの出力軸の一端が前記当接部材に当接していない状態として、該当接部材を所望の位置に移動させ固定させることにより設定するため、当接部材が出力軸の一端に押し込む力を加えることはない。従って、設定時に当接部材が出力軸の一端を破損してしまうことは防止される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸調整装置に具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0019】
図2に示すように、車両用ヘッドライト1は、反射鏡2、光源バルブ3及び取付けカバー4等を備えている。反射鏡2は縦側断面が横U字型に形成されている。反射鏡2の上方側は、取付けカバー4に固定された支持部材5にて揺動可能に連結されている。又、反射鏡2の下方側は、取付けカバー4に固定された光軸調整装置(ステッピングモータ)6の出力軸7にて揺動可能に連結されている。従って、光軸調整装置6の出力軸7が図2において左右方向に移動すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。
【0020】
図1は、前記光軸調整装置(ステッピングモータ)6の縦側断面を示す。ケース8は、ハウジング9とハウジングカバー10とから構成されている。ハウジング9は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に延出し、ケース8の外部と内部を連通する円筒部9aが形成されている。ハウジング9はその一側(図1において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング11が装着される。
【0021】
前記円筒部9aの内周面には、環状の凸部9bが形成されている。円筒部9aの内周面には設定手段としての可動軸受け12が、周方向に摺動回転可能に、軸方向に移動不能に取着されている。詳述すると、可動軸受け12には、略円柱形状のメタル軸受部13と円柱形状のノブ部14が形成されている。メタル軸受部13の外周面は円筒部9aの内周面と同径に形成され、その外周面には前記環状の凸部9bと係合する環状の凹部13aが形成されている。そして、環状の凸部9bと環状の凹部13aが係合するように取着された状態で、ノブ部14は前記円筒部9aの開口面に内側の面が当接するようになっている。即ち、ノブ部14を手動で回転させると、メタル軸受部13が円筒部9aの内周面に対して摺動回転するようになっている。又、メタル軸受部13の先端面には、該メタル軸受部13の外周面から軸の中心を通って反対側の外周面まで貫通する2面巾凹部13bが形成されている。
【0022】
ハウジングカバー10は、前記ハウジング9と対向する側に大径凹部10aが凹設され、その大径凹部10aの中央部に小径凹部10bが凹設されている。小径凹部10bの壁面であって前記可動軸受け12に相対向する位置には、貫通孔10cが形成されている。小径凹部10bには、前記貫通孔10cを囲むようにガイド筒10dが前記可動軸受け12側に向かって延出形成されている。ガイド筒10dの内周面は6角形の案内溝10eが所定の長さに渡って形成されている。ガイド筒10dの先端には、ナット係止部10fが該ガイド筒10dの内周面から軸中心方向に向かって延出形成されている。
【0023】
前記ハウジング9と前記コネクタハウジング11との内周面側には、円環状に形成されたステータ15が配設され、そのステータ15は前記コネクタハウジング11に設けられた給電ターミナル16に公知の方法で接続されている。
【0024】
前記ステータ15の内周側には、ロータとしてのマグネットロータ17が回転可能に配設されている。詳述すると、マグネットロータ17は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部18と該マグネット部18の内周面に固着された合成樹脂性のカラム部19とから構成されている。そして、マグネット部18の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部19は、転がり軸受20の内輪と連結固定されている。転がり軸受20の外輪は前記ハウジングカバー10の大径凹部10aの内側面に対して固定されている。又、前記カラム部19の後端部内周面には軸受凹部19aが形成され、その軸受凹部19aは前記メタル軸受部13の外周面に対して摺動回転可能に支持されている。従って、マグネットロータ17は転がり軸受20及びメタル軸受部13に対して回転可能且つ軸線方向に移動不能に支持される。
【0025】
前記出力軸7は、その中央部分にネジ部7aが所定の長さに渡って形成され、その一基端部に2面巾部7bが形成されている。前記出力軸7は、前記ハウジングカバー10の貫通孔10cから嵌挿され、その2面巾部7bが前記メタル軸受部13の2面巾凹部13bに嵌合されている。従って、出力軸7は前記可動軸受け11に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持されている。前記ネジ部7aは前記カラム部19の内周面に形成された雌ネジ19bに螺合されている。又、前記ネジ部7aの前記ガイド筒10dと対応した位置には規制部材、係止部材及び螺合部材としての位置決め用ナット21が螺合されている。位置決め用ナット21は6角形のナットであって、前記6角形の案内溝10eに対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。尚、出力軸7のネジ部7aに対する位置決め用ナット21の摩擦トルクはネジ部7aに対するカラム部19の摩擦トルクより大きくなっている。
【0026】
従って、マグネットロータ17が正逆回転すると、該カラム部19と螺合している出力軸7は、位置決め用ナット21にて回転が規制され、位置決め用ナット21と一体的に前後方向(図1において左右方向)に移動する。又、可動軸受け12が正逆回転されると、ケース8に回転不能に支持された位置決め用ナット21に対して出力軸7が回転し、出力軸7が位置決め用ナット21に対して前後方向(図1において左右方向)に移動する。
【0027】
このように構成された光軸調整装置6は、自動光軸調整機能と手動光軸調整機能の2つの機能を備えている。
「自動光軸調整」
光軸調整装置6は、給電ターミナル16に図示しない電源装置よりパルス駆動電源が供給されると、ステータ15がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生する。すると、その回転磁界に応じてマグネットロータ17が正逆回転する。すると、マグネットロータ17のカラム部19と螺合している出力軸7は、位置決め用ナット21にて回転が規制されるため、位置決め用ナット21と一体的に前後方向(図1において左右方向)に移動する。従って、車両の前後の傾きに応じてパルス駆動電源を供給するようにすれば、自動で出力軸7が図2において左右に移動する。すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。尚、このときの出力軸7の基本位置、即ち反射鏡2の基本位置は位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している位置であって、出力軸7は案内溝10eの長さに応じた距離を移動することができる。
【0028】
「手動光軸調整」
反射鏡2の基本位置を設定する場合は、位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している状態で、可動軸受け12のノブ部14を手動にて正逆回転させる。すると、ケース8に回転不能に支持された位置決め用ナット21に対して出力軸7が回転するため、位置決め用ナット21に対して出力軸7が前後方向(図1において左右方向)に移動する。従って、位置決め用ナット21が案内溝10eのナット係止部10fに当接している状態での出力軸7の基本位置が前後方向(図1において左右方向)に変位し、出力軸7が「自動光軸調整」にて移動する範囲が同様に変位する。その結果、反射鏡2の基本位置が設定される。
【0029】
次に、上記のように構成した光軸調整装置の特徴を以下に記載する。
(1)上記第1の実施の形態では、出力軸7及びマグネットロータ17を支持する可動軸受け12が該カラム部19の内周面に摺接して設けられているため、カラム部19の外周に形成されたマグネット部18の外周面積を確保しながら、軸線方向の小型化が図られている。しかも、この光軸調整装置(ステッピングモータ)6では、出力軸7の軸線上に該出力軸7の基本位置を設定するための可動軸受け12が配設されているため、出力軸7の基本位置を設定可能とするために周方向に大型化してしまうことはない。
【0030】
(2)又、この光軸調整装置(ステッピングモータ)6では、出力軸7の基本位置を設定するための設定手段として出力軸7及びマグネットロータ17を支持する可動軸受け12を利用するため、軸線方向の小型化及び部品点数の低減による低コスト化を図りながら、出力軸7の基本位置を設定することができる。
【0031】
(3)上記第1の実施の形態では、ロータがマグネットロータ17である永久磁石型のステッピングモータに具体化したため、ステータ15が励磁されていなくてもマグネットロータ17は保持トルクを有する。従って、ステータ15が励磁されていないときに、車両の振動等によりマグネットロータ17が回転してしまうことはない。
【0032】
(第2の実施の形態)
以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸調整装置に具体化した第2の実施の形態を図3及び図4に従って説明する。尚、本実施の形態の光軸調整装置(ステッピングモータ)31は、上記第1の実施の形態と同様に図2に示す車両用ヘッドライト1に装着される。
【0033】
図3は、前記光軸調整装置(ステッピングモータ)31の縦側断面を示す。ケース32は、ハウジング33とハウジングカバー34とから構成されている。ハウジング33は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に延出し、ケース32の外部と内部を連通する円筒部33aが形成されている。ハウジング33はその一側(図3において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング35が装着される。
【0034】
前記円筒部33aの内周面には、環状の凸部33bが形成されている。円筒部33aの内周面には設定手段としての可動軸受け36が、周方向に摺動回転可能に、軸方向に移動不能に取着されている。詳述すると、可動軸受け36には、略円柱形状のメタル軸受部37と円柱形状のノブ部38が形成されている。メタル軸受部37の外周面は円筒部33aの内周面と同径に形成され、その外周面には前記環状の凸部33bと係合する環状の凹部37aが形成されている。そして、環状の凸部33bと環状の凹部37aが係合するように取着された状態で、ノブ部38は前記円筒部33aの開口面に内側の面が当接するようになっている。即ち、ノブ部38を手動で回転させると、メタル軸受部37が円筒部33aの内周面に対して摺動回転するようになっている。又、メタル軸受部37の先端面には、該メタル軸受部37の外周面から軸の中心を通って反対側の外周面まで貫通する2面巾凹部37bが形成されている。
【0035】
ハウジングカバー34は、前記ハウジング33と対向する側に大径凹部34aが凹設され、その大径凹部34aの中央部に中径凹部34bが凹設されている。中径凹部34bの中央部には、図4に示すA−A断面図のように、2面巾凹部34cが凹設されている。2面巾凹部34cの壁面であって、前記可動軸受け36に相対向する位置には、貫通孔34dが形成されている。
【0036】
前記ハウジング33と前記コネクタハウジング35との内周面側には、円環状に形成されたステータ39が配設され、そのステータ39は前記コネクタハウジング35に設けられた給電ターミナル40に公知の方法で接続されている。
【0037】
前記ステータ39の内周側には、ロータとしてのマグネットロータ41が回転可能に配設されている。マグネットロータ41は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部42と該マグネット部42の内周面に固着された合成樹脂性のカラム部43とから構成されている。そして、マグネット部42の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部43は、転がり軸受44の内輪と連結固定されている。転がり軸受44の外輪は前記ハウジングカバー34の大径凹部34aの内側面に対して固定されている。カラム部43の内周面には雌ネジ43aが形成され、該雌ネジ43aには規制部材及び係止部材としての中間シャフト45が螺合されている。中間シャフト45の先端部外周面の前記2面巾凹部34cと対応した位置には、図4に示すA−A断面図のように該2面巾凹部34cに内接する2面巾部45aが形成されている。又、中間シャフト45の後端部内周面には軸受凹部45bが形成され、その軸受凹部45bは前記可動軸受け36のメタル軸受部37の外周面に対して摺動回転可能に且つ軸線方向に移動可能に支持されている。従って、中間シャフト45は2面巾凹部34cに対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。又、前記マグネットロータ41は、前記転がり軸受44に支持されていることと、中間シャフト45と螺合していることから回転可能で軸方向に移動不能に支持される。
【0038】
出力軸46は、その中央部分にネジ部46aが所定の長さに渡って形成され、その一基端部に2面巾部46bが形成されている。前記出力軸46は、前記ハウジングカバー34の貫通孔34dから嵌挿され、その2面巾部46bが前記メタル軸受部37の2面巾凹部37bに嵌合されている。従って、出力軸46は前記可動軸受け36に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持されている。前記ネジ部46aは前記中間シャフト45の内周面に形成された雌ネジに螺合されている。
【0039】
従って、マグネットロータ41が正逆回転すると、該カラム部43と螺合している中間シャフト45は、2面巾凹部34cにて回転が規制され、出力軸46と一体的に前後方向(図3において左右方向)に移動する。又、可動軸受け36が正逆回転されると、中間シャフト45に対して出力軸46が回転し、同中間シャフト45に対して出力軸46が前後方向(図3において左右方向)に移動する。
【0040】
このように構成された光軸調整装置31は、自動光軸調整機能と手動光軸調整機能の2つの機能を備えている。
「自動光軸調整」
光軸調整装置31は、給電ターミナル40に図示しない電源装置よりパルス駆動電源が供給されると、ステータ39がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生する。すると、その回転磁界に応じてマグネットロータ41が正逆回転する。すると、マグネットロータ41のカラム部43と螺合している中間シャフト45は、2面巾凹部34cにて回転が規制されるため、出力軸46と一体的に前後方向(図3において左右方向)に移動する。従って、車両の前後の傾きに応じてパルス駆動電源を供給するようにすれば、自動で出力軸46が図2において左右に移動する。すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。尚、このときの出力軸46の基本位置、即ち反射鏡2の基本位置は中間シャフト45の軸受凹部45bの底部がメタル軸受部37の先端面に当接している位置であって、中間シャフト45及び出力軸46は該中間シャフト45の上面が2面巾凹部34cの底部に当接する位置まで移動することができる。
【0041】
「手動光軸調整」
反射鏡2の基本位置を設定する場合は、軸受凹部45bの底部がメタル軸受部37の先端面に当接している状態で、可動軸受け36のノブ部38を手動にて正逆回転させる。すると、2面巾凹部34cに回転不能に支持された中間シャフト45に対して出力軸46が回転するため、中間シャフト45に対して出力軸46が前後方向(図3において左右方向)に移動する。従って、軸受凹部45bの底部がメタル軸受部37の先端面に当接している状態での出力軸46の基本位置が前後方向(図3において左右方向)に変位し、出力軸46が「自動光軸調整」にて移動する範囲が同様に変位する。その結果、反射鏡2の基本位置が設定される。
【0042】
次に、上記のように構成した光軸調整装置の特徴を以下に記載する。
(1)上記第2の実施の形態では、出力軸46及び中間シャフト45を支持する可動軸受け36が中間シャフト45の内周面に摺接して設けられているため、中間シャフト45の外周側に設けられたマグネットロータ41の外周面積を確保しながら、軸線方向の小型化が図られている。しかも、この光軸調整装置(ステッピングモータ)31では、出力軸46の軸線上に該出力軸46の基本位置を設定するための可動軸受け36が配設されているため、出力軸46の基本位置を設定可能とするために周方向に大型化してしまうことはない。
【0043】
(2)又、この光軸調整装置(ステッピングモータ)46では、出力軸46の基本位置を設定するための設定手段として出力軸46及び中間シャフト45を支持する可動軸受け36を利用するため、軸線方向の小型化及び部品点数の低減による低コスト化を図りながら、出力軸46の基本位置を設定することができる。
【0044】
(3)上記第2の実施の形態では、ロータがマグネットロータ41である永久磁石型のステッピングモータに具体化したため、ステータ39が励磁されていなくてもマグネットロータ41は保持トルクを有する。従って、ステータ39が励磁されていないときに、車両の振動等によりマグネットロータ41が回転してしまうことはない。
【0045】
(第3の実施の形態)
以下、本発明を車両用ヘッドライトの光軸調整装置に具体化した第3の実施の形態を図5に従って説明する。尚、本実施の形態の光軸調整装置(ステッピングモータ)51は、上記第1の実施の形態と同様に図2に示す車両用ヘッドライト1に装着される。
【0046】
図5は、前記光軸調整装置(ステッピングモータ)51の縦側断面を示す。ケース52は、ハウジング53とハウジングカバー54とから構成されている。ハウジング53は有底筒状に形成され、その底部中央には円筒状に後方に膨出した凹部53aが形成されている。凹部53aの底部中央には貫通孔53bが形成されている。ハウジング53はその一側(図5において上側)が切りかかれていて、その切りかかれた箇所にコネクタハウジング55が装着される。
【0047】
前記凹部53aの底部には、ナット56が回転不能に収容され固着されている。又、該凹部53aには、ナット56の一側面に円筒状のメタル軸受57が固着されている。そして、設定手段及び当接部材としてのボルト58は前記貫通孔53bから嵌挿され、ナット56に螺合され、そのネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面に介在される。従って、ボルト58を回転させると、ネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面を前後方向(図5において左右方向)に移動する。
【0048】
ハウジングカバー54は、前記ハウジング53の対向する側に大径凹部54aが凹設され、その大径凹部54aの中央部に小径凹部54bが凹設されている。小径凹部54bの壁面であって前記ハウジング53の貫通孔53bに相対向する位置には、貫通孔54cが形成されている。小径凹部54bには、前記貫通孔54cを囲むようにガイド筒54dが前記ハウジング53の貫通孔53b側に向かって延出形成されている。ガイド筒54dの内周面は6角形の案内溝54eが形成されている。
【0049】
前記ハウジング53と前記コネクタハウジング55との内周面側には、円環状に形成されたステータ59が配設され、そのステータ59は前記コネクタハウジング55に設けられた給電ターミナル60に公知の方法で接続されている。
【0050】
前記ステータ59の内周側には、ロータとしてのマグネットロータ61が回転可能に配設されている。詳述すると、マグネットロータ61は、公知の方法で磁極が形成された略筒状のマグネット部62と該マグネット部62の内周面に固着された合成樹脂性のカラム部63とから構成されている。そして、マグネット部62の先端から前方(図中、左方)に突出したカラム部63は、転がり軸受64の内輪と連結固定されている。転がり軸受64の外輪は前記ハウジングカバー54の大径凹部54aの内側面に対して固定されている。又、前記カラム部63の後端部内周面には軸受凹部63aが形成され、その軸受凹部63aは前記メタル軸受57の外周面に対して摺動回転可能に支持されている。従って、マグネットロータ61は転がり軸受64及びメタル軸受57に対して回転可能且つ軸線方向に移動不能に支持される。
【0051】
出力軸65は、その中央部分にネジ部65aが所定の長さに渡って形成され、前記案内溝54eと対応した位置には該案内溝54eと回転方向に係合する回転止め66が一体的に設けられている。前記出力軸65は、ハウジングカバー54の貫通孔54cから嵌挿され、その基端部が前記メタル軸受57に嵌挿されている。従って、出力軸65は前記メタル軸受57と前記案内溝54eによりケース52に対して回転不能且つ軸線方向に移動可能に支持される。前記出力軸65のネジ部65aは前記カラム部63の内周面に形成された雌ネジ63bに螺合されている。尚、本実施の形態では、前記ボルト58と回転止め66が規制部材を構成している。
【0052】
従って、マグネットロータ61が正逆回転すると、該カラム部63と螺合している出力軸65は、回転止め66にて回転が規制され、前後方向(図5において左右方向)に移動する。
【0053】
このように構成された光軸調整装置51は、自動光軸調整機能と手動光軸調整機能の2つの機能を備えている。
「自動光軸調整」
光軸調整装置51は、給電ターミナル60に図示しない電源装置よりパルス駆動電源が供給されると、ステータ59がそのパルス駆動電源に基づいて回転磁界を発生する。すると、その回転磁界に応じてマグネットロータ61が正逆回転する。すると、マグネットロータ61のカラム部63と螺合している出力軸65は、回転止め66にて回転が規制されるため、前後方向(図5において左右方向)に移動する。従って、車両の前後の傾きに応じてパルス駆動電源を供給するようにすれば、自動で出力軸49が図2において左右方向に移動する。すると、その移動距離に応じて反射鏡2が上下方向に傾き、光源バルブ3に基づく光軸が上下に可変する。尚、このときの出力軸65の基本位置、即ち反射鏡2の基本位置は出力軸65の基端部がボルト58のネジ先端部分58aに当接している位置であって、出力軸65は回転止め66が案内溝54eの終端、即ち小径凹部54bの底面に当接するまで移動することができる。
【0054】
「手動光軸調整」
反射鏡2の基本位置を設定する場合は、まず電源装置よりパルス駆動電源を供給し、出力軸65を回転止め66が案内溝54eの終端、即ち小径凹部54bの底面に当接している状態とする。次に、ボルト58をレンチ等を使用し手動にて正逆回転させる。すると、ボルト58のネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面を前後方向(図5において左右方向)に移動する。次に、電源装置よりパルス駆動電源を供給し、出力軸65をその基端部がボルト58のネジ先端部分58aに当接する状態とする。すると、ボルト58のネジ先端部分58aがメタル軸受57の内周面を移動した分だけ、出力軸65の基本位置が変位し、反射鏡2の基本位置が設定される。
【0055】
次に、上記のように構成した光軸調整装置の特徴を以下に記載する。
(1)上記第3の実施の形態では、出力軸65及びマグネットロータ61を支持するメタル軸受57が該カラム63の内周面に摺接して設けられているため、カラム部63の外周に設けられたマグネット部62の外周面積を確保しながら、軸線方向の小型化が図られている。しかも、この光軸調整装置(ステッピングモータ)51では、出力軸65の軸線上に該出力軸65の基本位置を設定するためのボルト58が配設されているため、出力軸65の基本位置を設定可能とするために周方向に大型化してしまうことはない。
【0056】
(2)又、この光軸調整装置(ステッピングモータ)51では、出力軸65の基本位置を設定するためのボルト58をそのネジ先端部分58aが出力軸65及びマグネットロータ61を支持するメタル軸受57の内周面に介在するように配設するため、軸線方向の小型化を図りながら、出力軸65の基本位置を設定することができる。
【0057】
(3)上記第3の実施の形態では、出力軸65の基本位置を設定する際に、出力軸65を回転止め66が案内溝54eの終端、即ち小径凹部54bの底面に当接している状態として、ボルト58を回転させて移動させるため、ボルト58のネジ先端部分58aが出力軸65を無理に押し込むことはない。従って、ボルト58が出力軸65の一端を押圧して破損させてしまうことはない。
【0058】
(4)上記第3の実施の形態では、ロータがマグネットロータ61である永久磁石型のステッピングモータに具体化したため、ステータ59が励磁されていなくてもマグネットロータ61は保持トルクを有する。従って、ステータ59が励磁されていないときに、車両の振動等によりマグネットロータ61が回転してしまうことはない。
【0059】
尚、本発明の実施の形態は上記のものに限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記各実施の形態のメタル軸受部13,37及びメタル軸受57は、例えば樹脂性の軸受等に変更してもよい。
【0060】
○上記各実施の形態では、車両用ヘッドライトの光軸調整装置6,31,51に具体化したが、マグネットロータ17,41,61の回転により出力軸7,46,65が移動する範囲を、手動にて変更する必要がある他の装置に具体化してもよい。
【0061】
○上記各実施の形態では、ロータがマグネットロータ17,41,61である永久磁石型のステッピングモータに具体化したが、例えばロータが歯車状に形成される可変レラクタンス型のステッピングモータ等、他のステッピングモータに具体化してもよい。
【0062】
上記各実施の形態から把握できる請求項に記載した以外の技術的思想を以下にその効果とともに記載する。
○前記ロータは、マグネットロータである。このようにすると、ロータがマグネットロータであるため、ステータが励磁されていなくても保持トルクを有する。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、小型化及び低コスト化を図りながら、モータの出力軸が移動可能な範囲を設定することができるステッピングモータ、光軸調整装置及びその設定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の光軸調整装置の要部断面図。
【図2】車両用ヘッドライトの要部断面図。
【図3】第2の実施の形態の光軸調整装置の要部断面図。
【図4】図3におけるA−A断面図。
【図5】第3の実施の形態の光軸調整装置の要部断面図。
【符号の説明】
7,46,65…出力軸、8,32,52…ケース、12,36…可動軸受け、21…位置決め用ナット、17,41,61…マグネットロータ、15,39,59…ステータ、45…中間シャフト、57…メタル軸受、58…ボルト、66…回転止め、7a,46a,65a…ネジ、19b,43a,63b…雌ネジ。
Claims (9)
- ケース(8,32)内に配設され、回転磁界を発生するステータ(15,39)と、
前記ステータ(15,39)内に回転可能に配設され、該ステータ(15,39)が発生する回転磁界に基づいて回転するロータ(17,41)と、
前記ロータ(17,41)内に配設され、該ロータ(17,41)の回転に基づいて該ロータ(17,41)の回転軸線方向に直線移動する出力軸(7,46)と、
前記ロータ(17,41)内の回転軸線方向の一端側に配設され、該ロータ(17,41)の回転軸線方向の当該一端側を回転可能に支持するとともに、前記出力軸(7,46)の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受(12,36)と、
前記出力軸(7,46)の外周面に形成される雄ネジ(7a,46a)に螺合され、前記出力軸(7,46)の直線移動の範囲を規制する規制部材(21,45)と
を備えたステッピングモータにおいて、
前記規制部材(21,45)にて規制される前記出力軸(7,46)の移動範囲を変更するための設定手段(12,36)を該出力軸(7,46)の軸線上に設けたことを特徴とするステッピングモータ。 - 請求項1に記載のステッピングモータにおいて、
前記設定手段(12,36)は、前記出力軸(7,46)の軸線方向に移動不能に設けられていることを特徴とするステッピングモータ。 - 請求項1又は2に記載のステッピングモータにおいて、
前記規制部材(21,45)は、
前記ケース(8,32)に対して該出力軸(7,46)の軸線方向に所定の範囲移動可能且つ回転不能に設けられ、前記ロータ(17,41)の回転に基づいて前記出力軸(7,46)と共に軸線方向に移動する係止部材(21,45)であり、
前記設定手段(12,36)は、
前記ケース(8,32)に対して回転可能に支持された前記軸受(12,36)であって、その軸受(12,36)は前記出力軸(7,46)を連れ回りさせるものであることを特徴とするステッピングモータ。 - 請求項3に記載のステッピングモータにおいて、
前記ロータ(17)は、内周面に前記出力軸(7)の雄ネジ(7a)と螺合される雌ネジ(19b)が形成され、
前記係止部材(21)は、前記出力軸(7)の雄ネジ(7a)に対する摩擦トルクがロータ(17)より大きい螺合部材(21)であることを特徴とするステッピングモータ。 - 請求項3に記載のステッピングモータにおいて、
前記ロータ(41)は、内周面に前記出力軸(46)の雄ネジ(46a)より径の大きい雌ネジ(43a)が形成され、
前記係止部材(45)は、その外周面が前記ロータ(41)の雌ネジ(43a)に螺合されるとともに、その内周面が前記出力軸(46)の雄ネジ(46a)に螺合される中間シャフト(45)であることを特徴とするステッピングモータ。 - ケース(52)内に配設され、回転磁界を発生するステータ(59)と、
前記ステータ(59)内に回転可能に配設され、該ステータ(59)が発生する回転磁界に基づいて回転するロータ(61)と、
前記ロータ(61)内に配設され、該ロータ(61)の回転に基づいて該ロータ(61)の回転軸線方向に直線移動する出力軸(65)と、
前記ロータ(61)内の回転軸線方向の一端側に配設され、該ロータ(61)の回転軸線方向の当該一端側を回転可能に支持するとともに、前記出力軸(65)の一端を軸線方向に移動可能に支持する軸受(57)と、
前記出力軸(65)に設けられ、前記出力軸(65)の直線移動の範囲を規制する規制部材(58,66)と
を備えたステッピングモータにおいて、
前記規制部材(58,66)にて規制される前記出力軸(65)の移動範囲を変更するための設定手段(58)を該出力軸(65)の軸線上に設けたことを特徴とするステッピングモータ。 - 請求項6に記載のステッピングモータにおいて、
前記出力軸(65)は、前記ロータ(61)の内周面に形成した雌ネジ(63b)と螺合される雄ネジ(65a)が形成され、
前記規制部材(58,66)は、
前記ケース(52)に対して該出力軸(65)の一方の軸線方向に所定の位置まで移動可能且つ回転不能に支持された回転止め(66)と、
前記軸受(57)に軸線方向に移動可能に設けられ、前記出力軸(65)の軸線方向への移動を前記出力軸(65)の一端に当接して規制する当接部材(58)とからなり、
前記設定手段(58)は、前記当接部材(58)であることを特徴とするステッピングモータ。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のステッピングモータを備えた光軸調整装置。
- 請求項7に記載のステッピングモータにおける出力軸(65)の移動範囲を設定する移動範囲設定方法において、
前記出力軸(65)の一端が前記当接部材(58)に当接していない状態に移動させた後、該当接部材(58)を所望の位置に移動させ固定させることにより移動可能な範囲を設定する移動範囲設定方法。
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