JP3591562B2 - 内燃機関の吸気系支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
自動車の内燃機関は、エンジン本体がマウント部材によって車体に固定され、車体への振動を低減させているが、エンジン本体から延設される吸排気管等または懸架系部品はそれぞれ固定位置より遠ざかり、吸排気管等または懸架系部品はエンジン本体の振動によって固有に振動することになる。したがって、これらの振動を抑制するため部材間にスティフナを連結することが有効である。本発明は、このような振動に対応する内燃機関の吸気系支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車に搭載する内燃機関はエンジン本体にトランスミッションが一体に連結され、マウント部材を介して車体に取り付けられている。図4に示す自動車1は前部にエンジン本体2およびトランスミッション3が配置され、後輪4を駆動するようになっている。この場合、図5、図6に示すように、エンジン本体2は車体5に対して横置きとなり、前後部のエンジン側ブラケット6にマウント部材7が装着され、このマウント部材7を介して車体側マウントブラケット8と連結されている。また、インテークマニホールド9はエンジン本体2の上部から車体後方に配置され、エキゾーストマニホールド10は車体前方側に配置されている。なお、符号11はクロスメンバ、符号12はダッシュパネルである。
【0003】
インテークマニホールド9は複数の多岐管13とサージタンク14からなっており、多岐管13がエンジン本体2と結合され、サージタンク14がエンジン本体2から離れた位置にある。そこで、エンジン本体2の側面に取り付けられている補機15の近傍と多岐管13の中間部とをスティフナ16で連結させ、インテークマニホールド9を強固に固定させてサージタンク14の振動を低減させるようにしている。また、エンジンの補機をスティフナにより安定に支持させる構造もある(実開平4−134728号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したスティフナ16は多岐管13との結合部から延びる方向が、インテークマニホールド9の振動方向に対し、振動を制動するには効率の低い支持となっている。
また、エンジン本体2の補機15が取り付けられている近傍にスティフナ16の一端を連結するため、補機15の形状とスティフナ16の形状とが互いに干渉し、この箇所のスペースが制限され効率の良いレイアウトを設定することが困難であった。
【0005】
本発明は、インテークマニホールドの支持を強化し、振動に強くなるようにした内燃機関の吸気系支持構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1の発明では、エンジン本体の一側にインテークマニホールドとエンジン側マウントブラケットとを取り付け、マウント部材を介して前記エンジン側マウントブラケットを車体側マウントブラケットに連結するとともに、前記インテークマニホールドと前記エンジン側マウントブラケットとの間をラダー状のスティフナで連結した内燃機関の吸気系支持構造において、前記エンジン側マウントブラケットに設けられ平行に延びる2本の腕の間にマウント部材を挿入するとともに、前記腕から延出される一対のフランジに前記スティフナの両足を固定したことを特徴とする。
【0008】
上記インテークマニホールドは多岐管とサージタンクからなり、エンジン本体の振動により、エンジン本体より遠い側のサージタンクが揺れるが、スティフナのエンジン側の支持を、多岐管の連結部と多岐管とエンジン本体との連結部とを結んだ線分のほぼ直交方向に位置させる。これによりスティフナの取付状態が多岐管の振動に対して堅固になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1、図2に示すように、エンジン本体2およびトランスミッション3は一体に組み付けられ、2つのエンジン側マウントブラケット6,6が車体前方側および車体後方側に結合されており(他のエンジン側マウントブラケットは図示を略す)、エンジン側マウントブラケット6,6は2本の板状の腕を平行に延ばしその間にマウント部材7が入るようになっている。マウント部材7は筒状ゴム材に鋼材の外筒と内筒が嵌着したものであり、内筒にエンジン側マウントブラケット6が結合している。また、車体5に設けた車体側マウントブラケット8にはマウント部材7の外筒が連結されている。
そして、車体後方側のエンジン側マウントブラケット6の先端部には、板状の腕に直交する面を備えた一対のフランジ6aを上方に延出し、スティフナ16の取り付け部としている。以下、エンジン側マウントブラケット6は車体後方側のものを指す。
【0010】
エンジン本体2には車体後部側にインテークマニホールド9および補機15が取り付けられ、車体前部側にエキゾーストマニホールド10が取り付けられている。インテークマニホールド9はサージタンク14と複数の多岐管13とからなり、多岐管13とエンジン側マウントブラケット6との間にスティフナ16が連結されている。具体的には、図3に示すように、ラダー状のスティフナ16が多岐管13の中間部とエンジン側マウントブラケット6とを連結させている。このスティフナ16は鋼板(SPHC等)を板金加工することで製作され、縁部はフランジ状となって断面コ字形状にされている。
【0011】
また、図1に示すように、エンジン本体2の壁面とその上部の車体後方に延びたインテークマニホールド9の多岐管13と車体後方に張り出したエンジン側マウントブラケット6において、多岐管13の中間部とエンジン側マウントブラケット6のフランジ6aを、スティフナ16を上下方向に配して連結し、四角い閉空間を作っている。これによって、従来よりもエンジン本体2からスティフナ16の取付位置が離れることにより、閉空間を大きく取れ、閉空間内で補機15の設置位置、あるいは補機15の容量の変更が容易になり、設計の自由度が増すことになる。
また、図2に示すように、インテークマニホールド9のサージタンク14の中心とエンジン側マウントブラケット6の中心を結ぶようにスティフナ16を配し、スティフナ16のエンジン側のフランジ6aのボルト締め付け位置とインテークマニホールド側のボルト締め付け位置をずらして(オフセット)いる。これにより取付剛性が向上する。
【0012】
また、スティフナ16はエンジン側マウントブラケット6の一対のフランジ6aにラダーの両足を固定し、インテークマニホールド9の特に重量の大きいサージタンク14を下から支持して、複数の多岐管13にラダーの両足をボルト位置をずらして固定している。これにより、エンジン側マウントブラケット6の取付剛性も向上し、インテークマニホールド9の振動を効率良く低減することができる。また、振動に対する影響が少なくなり、車室内音の改善に効果的である。なお、多岐管13は曲がっているので、多岐管13のスティフナ16取付位置(中間部)はサージタンク14からの鉛直線より外側に位置することもある。また、スティフナ16がラダー状なので、水平方向の剛性が大きくなり車室内音の低減を図ることができる。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成し、スティフナがインテークマニホールドを下方から支持するようにエンジン側マウントブラケットに上下方向に固定されることにより、インテークマニホールドの制動振動に対し効率良く低減させ、かつ、エンジン側マウントブラケットの取付剛性が向上し、車室内音の低減に効果を期するものである。また、スティフナがラダー形状のため、水平方向の剛性が向上し、車室内音の低減に効果を期するものである。
また、スティフナがエンジン本体より離れて取り付けられるので、スティフナにより形成されるエンジン本体の壁面に沿う閉空間が大きくなり、補機等のレイアウトの自由度が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態のエンジン設置構造の側面図である。
【図2】図1に示すエンジン設置構造の後面図である。
【図3】図1に示すエンジン設置構造のスティフナ連結部の斜視図である。
【図4】従来の自動車のエンジンの配置を示す平面図である。
【図5】従来のエンジン設置構造の側面図である。
【図6】図5に示すエンジン設置構造の後面図である。
【符号の説明】
2 エンジン本体
6 エンジン側マウントブラケット
9 インテークマニホールド
13 多岐管
16 スティフナ

Claims (1)

  1. エンジン本体の一側にインテークマニホールドとエンジン側マウントブラケットとを取り付け、マウント部材を介して前記エンジン側マウントブラケットを車体側マウントブラケットに連結するとともに、前記インテークマニホールドと前記エンジン側マウントブラケットとの間をラダー状のスティフナで連結した内燃機関の吸気系支持構造において、前記エンジン側マウントブラケットに設けられ平行に延びる2本の腕の間にマウント部材を挿入するとともに、前記腕から延出される一対のフランジに前記スティフナの両足を固定したことを特徴とする内燃機関の吸気系支持構造。
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