JP3591210B2 - 四輪駆動車のトランスファ固定装置 - Google Patents

四輪駆動車のトランスファ固定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、四輪駆動車のトランスファを固定するトランスファ固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
四輪駆動車のトランスファを固定するトランスファ固定装置が従来より知られている。たとえば、公開実用新案公報昭和62年第189231号に記載されたトランスファ固定装置はその一例である。図9と図10とに車両上方および車両後方から見た図をそれぞれ示すように、上記公報に記載の四輪駆動車の駆動力伝達装置200は、車両前方に配設された横置きエンジン204と、その横置きエンジン204に車両側方から連結されたトランスアクスル206と、そのトランスアクスル206に車両側方から連結されて上記横置きエンジン204の車両後方側に配設されたトランスファ208とを含んでおり、上記横置きエンジン204と上記トランスアクスル206とは、図11に示すエンジンマウント210のような固定装置を介して図示しない車体に固定されている。
【0003】
上記エンジンマウント210は、上記横置きエンジン204に連結されるエンジン側部材212と、車体に連結される車体側部材214と、それら二つの部材の間に設けられてそれらの微小な相対移動を許容するゴム製のインシュレータ216とを含んでいる。上記横置きエンジン204および上記トランスアクスル206は、定在的振動波である図9の車両前後方向の振動モードaおよび図10の車両上下方向の振動モードbに示すように振動するが、一般に、上記エンジンマウント210のような固定装置の防振特性や取付位置が上記振動モードaおよびbの振幅を共に抑制するように設定される。
【0004】
一方、上記トランスファ208は、定在的振動波である図9の車両前後方向の振動モードcおよび図10の車両上下方向の振動モードdに示すように振動するが、この振動を抑制するために、上記トランスファ208の中央部220とその中央部220よりも上記トランスアクスル206から遠ざかる側であって外形が小さいために上記横置きエンジン204からの距離が大きい先端部222とが、トランスファ固定装置226を構成する二つのスチフナ228および230によりそれぞれ上記横置きエンジン204に固定されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
しかしながら、上記トランスファ208の振動の振幅が大きい部位である上記先端部222を上記横置きエンジン204に固定する上記スチフナ230では、それら先端部222と横置きエンジン204との距離が大きいために相互の結合剛性が十分に得られにくいので、上記トランスファ208の先端部222と上記横置きエンジン204とが相対的に振動し易い状況にある。この相対的な振動は上記横置きエンジン204を介して前記エンジンマウント210および車体に伝達されるので、車体には、上記振動モードaおよびbで示した振動と、その振動とは振動数や位相が一般に異なる上記先端部222と上記横置きエンジン204との相対的な振動とを重ね合わせた複雑な振動が伝達されることになる。このため、このような複雑な振動を上記エンジンマウント210の防振特性のチューニングによって共に十分に減衰させることは困難であるため、車体に伝達される振動を十分に低減させることができなかった。たとえば、形状や材質を変化させることで静的および動的ばね定数を設定し、上記ゴム製のインシュレータ216の共振振動数を上記重ね合わされた互いに振動数が異なる二種の振動のいずれか一方の振動数に一致させ、そのインシュレータ216の共振振動数と振動数が一致した振動を上記インシュレータ216による吸収によって減衰させることは比較的容易に行ない得るが、振動数が異なる二種の振動をこのような共振振動数の調整に基づく防振特性のチューニングによって共に十分に減衰させることは一般に困難なことである。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車体に伝達される振動を一層低減させることができる四輪駆動車のトランスファ固定装置を得るところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、車体側に固定される車体側部材原動機側に固定される原動機側部材それら車体側部材および原動機側部材の間に設けられてそれらの相対振動を許容するインシュレータとを備えた原動機用マウントを介して車体に固定された原動機と、該原動機に連結されたトランスアクスルと、該トランスアクスルに連結されたトランスファとを含む四輪駆動車の前記トランスファを固定するトランスファ固定装置において、前記トランスファの前記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分を前記原動機用マウントの原動機側部材に固定してその原動機とトランスファとの間の結合剛性を高めたことにある。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、上記トランスファの振動し易い部分すなわち上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分を、重量が大きい上記原動機を車体に固定するために本来的に剛性が十分に大きくされた上記原動機用マウントの原動機側部材に固定したことから、上記原動機と上記トランスファとの間の結合剛性が高められて相対的な振動が生じにくくなり、且つトランスファが原動機側部材に直接連結されてそれに支えられることにより、上記原動機用マウントが吸収すべき振動モードが単純化および明確化されるので、上記原動機用マウントの防振特性のチューニングによって上記原動機の振動を容易に且つ十分に減衰させることができる。その結果、車内の静粛性を容易に向上させることができる。
【0009】
また、上記原動機を車体に固定する上記原動機用マウントが上記トランスファ固定装置としても機能するようになることから、トランスファを固定する装置が原動機用マウントとは別に設けられる場合に比して、車両の重量や製造コストを抑えることができる利点がある。
【0010】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、上記トランスファの前記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分は、上記トランスファの定在的振動波を示す振動モードの振幅が最大の位置の近傍の部分とされる。このようにすれば、上記トランスファが、その振動モードの振幅が最大の位置の近傍において前記原動機側部材に固定されることになるので、振動モードの振幅が比較的小さい位置において上記原動機側部材に固定される場合に比較して上記トランスファの振動をより好適に抑制できる利点がある。
【0011】
また、好適には、上記トランスファが、その内部に両端部が軸受を介して回転可能に支持される円筒状の部材である第1ギヤ部材と、左右1対の駆動輪の一方に接続され且つ上記第1ギヤ部材に中心軸が一致させられた状態で貫通させられ、さらに上記第1ギヤ部材の上記一方の駆動輪側の端部が支持される位置よりも上記一方の駆動輪側の位置において上記トランスファの内部に軸受を介して支持される車軸とを含むようにされるとともに、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分の位置が、上記車軸が軸受を介して支持される位置の近傍とされる。このようにすれば、上記車軸が上記トランスファの内部において軸受を介して支持される位置が、その車軸に接続される一方の駆動輪に近づけられることから、上記車軸に作用する曲げ応力を抑制することができるので、上記車軸の外径、延いてはその車軸を支持する軸受の外径を小さくすることができ、さらには上記トランスファの上記車軸が軸受を介して支持される位置の近傍すなわち上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分の外形を小型化できる。したがって、上記原動機側部材の断面形状を、上記小型化された部分が小さくなった分だけ大きくすることができるので、上記原動機側部材の曲げ剛性、延いては上記トランスファの取付剛性をより好適に確保できる利点がある。たとえば、上記原動機側部材が上記小型化された部分の上側に配設される場合は、上記原動機側部材の断面形状を下側へ大きくすることができることから、上記原動機側部材の曲げ剛性を向上させることができるので、上記トランスファの取付剛性をより好適に確保できることになる。
【0012】
また、好適には、上記原動機側部材が上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分の上方に配設され、その原動機側部材の下側には、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分の外周面に対向し且つその外周面の上側からわずかに離間して位置する湾曲面が形成される。このようにすれば、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分を跨ぐように配設される上記原動機側部材の上下方向の厚みを、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分に干渉することなく好適に大きくすることができるので、上記原動機側部材の曲げ剛性、延いては上記トランスファの取付剛性を十分に確保できる利点がある。
【0013】
また、好適には、上記原動機側部材が上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分の上方に配設され、その原動機側部材の両端部には、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分の外周の下側をその外周の下側からわずかに離間した状態で、その部分を原動機側部材と共に囲む湾曲した補強部材の両端部がそれぞれ一体的に連結される。このようにすれば、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分に干渉することなく上下方向の厚みを好適に大きくすることができる上記補強部材によって、上記原動機側部材の曲げ剛性、延いては上記トランスファの取付剛性を一層十分に確保できる利点がある。
【0014】
また、好適には、上記トランスファ固定装置は、上記トランスファの上記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分に設けられた第1固定部と、上記原動機側部材の中間位置に備えられた第2固定部と、それら第1固定部と第2固定部との両方にそれぞれボルトにより連結される連結部材とを含むようにされる。一般に、ボルトによる連結の際には、ボルトの径よりもそのボルトが貫通させられる穴の径の方が大きくされることから、その穴の径がボルトの径より大きい分だけ、そのボルトにより連結される二つの部分の相対的な位置のずれが許容される。したがって、上述のようにすれば、上記第1固定部と上記連結部材とがボルトを用いて連結される箇所と、上記第2固定部と上記連結部材とがボルトを用いて連結される箇所との二箇所において、上記相対的な位置のずれが許容されるので、上記連結部材が用いられない場合たとえば上記トランスファの第1固定部と上記原動機側部材の第2固定部とが直接ボルトにより連結される場合等のように、上記トランスファと前記原動機との相対的な位置のずれを許容できる箇所が一箇所だけである場合に比して、組付誤差等に起因する上記トランスファと上記原動機との相対的な位置の変動を吸収させることができ、上記トランスファの組付作業を容易にすることができるという利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例であるトランスファ固定装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は、四輪駆動車の駆動力伝達装置10が、フロントエンジンマウント12、レフトエンジンマウント14、ライトエンジンマウント16およびリヤエンジンマウント18を介して図示しない車体のメインフレームやそのメインフレームの車両前方に図示しない防振ゴムを介して固定されるサブフレーム20に固定される状況の一例を示す斜視図であり、図2は、上記駆動力伝達装置10と、原動機用マウントである上記リヤエンジンマウント18と、上記サブフレーム20の車両後方側の部分との相対的な配置を示す平面図である。
【0017】
上記駆動力伝達装置10は、図2に示すように、出力軸が車両左右方向すなわち車両の幅方向或いは横方向となるように配設された原動機である横置きエンジン24と、その横置きエンジンの車両左側の端部に車両左側方から連結されたトランスアクスル26と、上記横置きエンジン24の車両後方に隣接し且つその横置きエンジン24の長手方向と略平行な方向に上記トランスアクスル26から突き出すように配設されたトランスファ28とを含んで、上記横置きエンジン24の出力を、上記トランスアクスル26および上記トランスファ28からそれぞれ車両左右方向に突き出た左右前輪の車軸32および34等を介して図示しない左右の前輪に伝達するとともに、上記トランスファ28から車両後方に突き出た連結部36を介して図示しないプロペラシャフト、図示しない後輪デファレンシャルギヤ、図示しない後輪の車軸等を介して図示しない左右の後輪にも伝達する。
【0018】
上記駆動力伝達装置10の前記サブフレーム20への固定は、図1に示すように、上記横置きエンジン24が前記フロントエンジンマウント12およびリヤエンジンマウント18を介してそれぞれ上記サブフレーム20の車両前方側および車両後方側の部分に固定されるとともに、上記トランスアクスル26が前記レフトエンジンマウント14を介して上記サブフレーム20の車両左側の部分に固定されることによって成されている。また、上記駆動力伝達装置10は、上記横置きエンジン24が前記ライトエンジンマウント16を介して前記図示しないメインフレームの車両右側の部分に固定されることによって上記メインフレームにも固定されている。
【0019】
上記トランスファ28は、前述のように前記トランスアクスル26に連結されるとともに、図3にも示すように、そのトランスアクスル26に連結された基部から所定距離離間した部分であってその基部よりも外径が小さいために上記横置きエンジン24からの距離が上記貴部に比較して大きい先端部40の上側に備えられた固定部42が、上記リヤエンジンマウント18のエンジン側部材44に二本のボルト45を用いて固定されることによって、そのエンジン側部材44に直接支えられている。上記固定部42は、図10および図11に示した前記従来のトランスファ108の振動モードcおよびdと同様の本実施例のトランスファ28の振動モードの振幅が最大の位置の近傍に備えられている。
【0020】
上記リヤエンジンマウント18は、図2のI−I視断面図である図4にも示すように、上記横置きエンジン24の車両後方側に面した部分に車両前後方向に略平行な状態に固定されて上記固定部42の上方を通る長手状の部材である原動機側部材すなわち上記エンジン側部材44と、上記サブフレーム20上の車両後方側の部分に固定された車体側部材すなわちフレーム側部材46と、それらエンジン側部材44およびフレーム側部材46の間に設けられ、それらの相対的な振動あるいは微小な相対移動を許容する防振装置すなわちゴム製のインシュレータ48とを含んでおり、重量が大きい上記横置きエンジン24を支持して車体に固定するために、上記エンジン側部材44およびフレーム側部材46は、その剛性が十分に大きくされている。
【0021】
上記トランスファ28は、上記固定部42が上記剛性が大きくされたエンジン側部材44の中間位置50に固定されることによって、上記横置きエンジン24との相対的な振動が好適に抑制されるとともに、上記サブフレーム20に上記インシュレータ48およびフレーム側部材46を介して固定される上記エンジン側部材44に直接支えられることによって、上記インシュレータ48が吸収すべき振動モードが単純且つ明確にされる。また、上記固定部42が固定される中間位置50は上記エンジン側部材44の横置きエンジン24に固定される部分に比較して上記インシュレータ48に近い位置にあって上記トランスファ28がエンジン側部材44に直接支えられることから、トランスファ28が横置きエンジン24を介して支えられる場合に比較して、トランスファ28の固有の別の振動が生じて外乱となることが好適に抑制されるため、横置きエンジン24を固定するための前記リヤエンジンマウント18、前記フロントエンジンマウント12等の制振特性のチューニングも容易になる。本実施例においては、上記トランスファ28の先端部40に備えられた固定部42と、その固定部42が固定される上記エンジン側部材44を含む上記リヤエンジンマウント18と、上記二本のボルト45とによって、トランスファ固定装置52が構成されているのである。
【0022】
上記エンジン側部材44の中間位置50の下側には、上記トランスファ28の先端部40の外周面に対向し且つその外周面の上側からわずかに離間して位置する湾曲面54が形成されることによって、上記先端部40を跨ぐように配設されている。その結果、上記エンジン側部材44の下側の大きさが上記トランスファ28の先端部40に干渉することなくその両端側ほど大きくされており、上記エンジン側部材44の剛性が全体として十分に確保されているので、上記中間位置50に上記固定部42を介して固定される上記トランスファ28の取付剛性も十分に確保されている。
【0023】
上記インシュレータ48はよく知られた通常の防振用のゴムであり、その形状や材質を変更して静的および動的ばね定数を設定することによって、上記エンジン側部材44と上記フレーム側部材46との間の防振特性すなわち上記横置きエンジン24とサブフレーム20との間の防振特性のチューニングを行なうことができる。なお、この防振特性のチューニングにおいては、上記リヤエンジンマウント18の上記サブフレーム20上における位置が変更される場合もある。本実施例のトランスファ固定装置52が前述のように上記横置きエンジン24と上記トランスファ28との相対的な振動を好適に抑制することができることから、上記横置きエンジン24と上記サブフレーム20との間の振動モードが単純化され、その単純な振動を抑制するための上記防振特性のチューニングも容易になるので、通常はその防振効果も大きくなる。
【0024】
つぎに、上記トランスファ28の前記先端部40の外径が一層小さくされている構造を詳細に説明する。図5は、上記トランスファ28の内部を拡大して示す断面図であり、図6は、図5におけるJ−J視断面図である。
【0025】
上記トランスファ28は、▲1▼前記トランスアクスル26のトランスアクスルケース60の組合せ面62に密着させられる組合せ面64を備えて上記トランスアクスル26の車両右方側に接続されるとともに、車両後方側に車両前後方向に延びる貫通穴を有する長手状のエクステンションハウジング68が取り付けられ、且つ車両前方側へ開く開口部70を有するトランスファケース72と、▲2▼そのトランスファケース72の開口部70の周囲に形成された組合せ面74に密着させられることによりその開口部70を塞ぐトランスファケースカバー76と、▲3▼一方の端部80および他方の端部82においてころがり軸受84および86を介して上記トランスファケース72に回転可能に支持された概して円筒状のリングギヤマウントケース90と、このリングギヤマウントケース90の軸方向の中間部外周にボルトにより固定されたハイポイドギヤであるリングギヤ92とを含む第1ギヤ部材94と、▲4▼車両前方側の一方の端部に上記リングギヤ92と噛み合わされるハイポイドギヤであるピニオンギヤ98が形成されるとともに、車両後方側の他方の端部100が、前記連結部36を車両後方側に備えて図示しないプロペラシャフトと連結させられる継手部材102とスプライン嵌合させられた第2ギヤ部材104とを含むものである。
【0026】
上記第2ギヤ部材104は、車両前方側すなわちリングギヤ92側の端部の2箇所において2つのころがり軸受110および112を介して回転可能に支持されて上記トランスファケース72内に装着されるとともに、車両後方側の端部100が継手部材102およびすべり軸受116を介して上記エクステンションハウジング68に支持されている。なお、上記ころがり軸受84、86、110および112は、外輪とそれ以外の部分とが分離可能な円すいころ軸受である。
【0027】
前記右前輪の車軸34は、その右前輪側の端部118が車軸用軸受たるころがり軸受120を介して上記トランスファケース72に回転可能な状態で支持されるとともに、前記トランスアクスル26側の端部122が車軸用軸受たるころがり軸受124を介して前記トランスアクスル26に内蔵された図示しない前輪デファレンシャルギヤ装置のデファレンシャルケースの車両右側に一体的に設けられた円筒状部材126の内周面に相対回転可能に支持されている。なお、上記車軸34の端部118を支持する上記ころがり軸受120や前記リングギヤマウントケース90の一方の端部80を支持する上記ころがり軸受84は、前記先端部40の内部に設けられている。
【0028】
上記リングギヤマウントケース90の他方の端部82は、前記ころがり軸受86が嵌め着けられている位置よりも先端側の外周面において、上記円筒状部材126の先端部の内周面とスプライン嵌合させられている。このスプライン嵌合により、前記横置きエンジン24の出力が、上記図示しない前輪デファレンシャルギヤ装置のデファレンシャルケース、前記第1ギヤ部材94、前記第2ギヤ部材104、前記継手部材102、図示しないプロペラシャフト、前輪と後輪との回転数の違いを許容する差動装置としての図示しないビスカスカップリング、図示しない後輪デファレンシャルギヤ装置等を介して後輪にも伝達される。
【0029】
上記リングギヤマウントケース90の一方の端部80に嵌め着けられたころがり軸受84は、上記トランスファケース72に上記開口部70を通して車両前方側から取り付けられる固定部材すなわち軸受キャップ130とトランスファケース72との間に挟持されている。上記トランスファケース72にころがり軸受84に向かって形成された円環状の受面132と上記ころがり軸受84の外輪との間の受面132側にリング状のスペーサ136が、ころがり軸受84側にシム138がそれぞれ嵌め入れられている。上記リングギヤマウントケース90の他方の端部82に嵌め着けられたころがり軸受86は、上記トランスファケース72の前記トランスアクスル26側に設けられた段付穴140内に、リング状のシム142とともに嵌め入れられている。上記スペーサ136、シム138およびシム142の厚さを設定することにより、上記2つのころがり軸受84および86の予圧が適正に調整される。
【0030】
上記軸受キャップ130は、図6にも示すように、前記組合せ面74と平行に上記トランスファケース72の内部に形成された取付面144に2本のボルト146によって取り付けられるとともに、上記ころがり軸受84の外周面と略同じ曲率の円筒状の内周面の一部を形成する凹曲面150が形成されたものである。上記トランスファケース72には、上記凹曲面150と対を成し、凹曲面150とともに上記ころがり軸受84の外周面と略同じ曲率の円筒の内周面を構成する凹曲面152が形成されている。これらの凹曲面150および152により構成される円筒の内周面によって、上記ころがり軸受84が上記軸受キャップ130が上記トランスファケース72に取り付けられることによりトランスファケース72に強固に固定される。
【0031】
前記第1ギヤ部材94は、その中心軸上に、前記図示しない右前輪に接続される側の端部118において上記トランスファケース72に回転可能に支持される車軸34が貫通させられる円筒状の部材であり、その車軸34は、上記第1ギヤ部材94の前記一方のころがり軸受84を介して上記トランスファケース72に支持される位置よりも、車両右側の位置において上記ころがり軸受120を介して上記トランスファケース72に回転可能に支持されている。したがって、上記車軸34が上記トランスファケース72に支持される位置をその車軸34に接続される駆動輪に近づけることができることから、上記車軸34に作用する曲げ応力を抑制することができるので、上記車軸34の外径、延いては上記車軸34を支持するころがり軸受120や、第1ギヤ部材94の端部80およびその端部80を支持するころがり軸受84の外径等を小さくすることができ、前記先端部40の外径を小さくすることができるのである。上記先端部40の外径が小さくされると、その先端部40を跨ぐように配設された前記エンジン側部材44の上下方向の厚みを大きくすることができ、上記エンジン側部材44の剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性を十分に確保することができるようになる。
【0032】
このように、本発明のトランスファ固定装置52によれば、上記トランスファ28の振動し易い部分すなわち上記先端部40を、重量が大きい上記横置きエンジン24を前記サブフレーム20を介して車体に固定するために本来的に剛性が十分に大きくされた上記リヤエンジンマウント18のエンジン側部材44に固定したことから、上記横置きエンジン24と上記トランスファ28との間の結合剛性が高められて相対的な振動が生じにくくなり、且つトランスファ28がエンジン側部材44に直接連結されてそれに支えられることにより、上記リヤエンジンマウント18が吸収すべき振動モードが単純化および明確化されるので、上記リヤエンジンマウント18の防振特性のチューニングによって上記横置きエンジン24の振動を容易に且つ十分に減衰させることができる。その結果、車内の静粛性を容易に向上させることができる。
【0033】
また、上記横置きエンジン24を上記サブフレーム20を介して車体に固定する上記リヤエンジンマウント18が上記トランスファ固定装置52としても機能するようになることから、トランスファを固定する装置が原動機用マウントとは別に設けられる場合に比して、車両の重量や製造コストを抑えることができる利点がある。
【0034】
また、上記トランスファ28の前記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち前記先端部40は、上記トランスファ28の定在的振動波を示す振動モードの振幅が最大の位置の近傍に位置しているので、上記トランスファ28が、その振動モードの振幅が最大の位置の近傍において上記エンジン側部材44に固定されることになるので、振動モードの振幅が比較的小さい位置において上記エンジン側部材44に固定される場合に比較して上記トランスファの振動をより好適に抑制できる利点がある。
【0035】
また、上記トランスファ28が、その内部に前記一方の端部80および他方の端部82がそれぞれ前記ころがり軸受84および86を介して回転可能に支持される円筒状の部材である前記第1ギヤ部材94と、右前輪に接続され且つ上記第1ギヤ部材94に中心軸が一致させられた状態で貫通させられ、さらに上記第1ギヤ部材94の上記一方の端部80が支持される位置よりも上記右前輪側の位置において上記トランスファ28の内部にころがり軸受120を介して支持される前記車軸34とを含むようにされるとともに、上記先端部40の位置が、上記車軸34が上記ころがり軸受120を介して支持される位置の近傍とされている。したがって、上記車軸34が上記トランスファ28の内部において上記ころがり軸受120を介して支持される位置が、その車軸34に接続される右前輪に近づけられることから、上記車軸34に作用する曲げ応力を抑制することができるので、上記車軸34の外径、延いてはその車軸34を支持する上記ころがり軸受120の外径を小さくすることができ、さらには上記トランスファ28の上記車軸34が上記ころがり軸受120を介して支持される位置の近傍すなわち上記先端部40の外形を小型化できる。そのため、上記エンジン側部材44の断面形状を、上記先端部40の外形が小型化された分だけ大きくすることができるので、上記エンジン側部材44の曲げ剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性をより好適に確保できる利点がある。上記エンジン側部材44は上記先端部40の上側に配設されており、その断面形状を下側へ大きくできることから、上記エンジン側部材44の曲げ剛性を向上させることができるので、上記トランスファの取付剛性をより好適に確保できることになる。
【0036】
また、上記エンジン側部材44が上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40の上方に配設され、そのエンジン側部材44の下側には、上記先端部40の外周面に対向し且つその外周面の上側からわずかに離間して位置する湾曲面54が形成されていることから、上記先端部40の外周の上側を跨ぐように配設された上記エンジン側部材44の上下方向の厚みを、上記先端部40に干渉することなく好適に大きくすることができるので、上記エンジン側部材44の曲げ剛性、延いては上記トランスファの取付剛性を十分に確保できる利点がある。
【0037】
つぎに、本発明の別の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分については同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】
図7に示すように、本実施例のリヤエンジンマウント160は、前述の実施例のエンジン側部材44と同様の部材の両端部に、上記先端部40の外周の下側をその外周の下側からわずかに離間した状態で囲む湾曲面162が上側に形成されて全体として湾曲した形状の補強部材164の両端部がそれぞれ一体的に連結されたエンジン側部材166と、前述の実施例のリヤエンジンマウント18と同じフレーム側部材46およびインシュレータ48とを含んでいる。
【0039】
その結果、上記エンジン側部材164の前記中間位置50の下側には、前記湾曲面54と上記湾曲面162とが内周面を構成する貫通穴168が形成され、上記先端部40の前記固定部42は、その貫通穴168に上記先端部40が貫通させられた状態で上記エンジン側部材166の前記中間位置50に固定されている。本実施例においては、上記トランスファ28の先端部40に備えられた固定部42と、その固定部42が固定される上記エンジン側部材166を含む上記リヤエンジンマウント160と、上記二本のボルト45とによって、トランスファ固定装置170が構成されているのである。
【0040】
このように、本発明のトランスファ固定装置170によれば、上記トランスファ28の振動し易い部分すなわち上記先端部40を、重量が大きい前記横置きエンジン24を前記サブフレーム20を介して車体に固定するために本来的に剛性が十分に大きくされた上記エンジン側部材166に固定したことから、上記横置きエンジン24と上記トランスファ28との間の結合剛性が高められて相対的な振動が生じにくくなり、且つトランスファ28がエンジン側部材166に直接連結されてそれに支えられることにより、上記リヤエンジンマウント160が吸収すべき振動モードが単純化および明確化されるので、上記リヤエンジンマウント160の防振特性のチューニングによって上記横置きエンジン24の振動を容易に且つ十分に減衰させることができる。その結果、車内の静粛性を容易に向上させることができる。
【0041】
また、上記横置きエンジン24を上記サブフレーム20を介して車体に固定する上記リヤエンジンマウント160が上記トランスファ固定装置170としても機能するようになることから、トランスファを固定する装置が原動機用マウントとは別に設けられる場合に比して、車両の重量や製造コストを抑えることができる利点がある。
【0042】
また、上記トランスファ28の前記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40は、上記トランスファ28の定在的振動波を示す振動モードの振幅が最大の位置の近傍の部分とされているので、上記トランスファ28が、その振動モードの振幅が最大の位置の近傍において上記エンジン側部材166に固定されることになるので、振動モードの振幅が比較的小さい位置において上記原動機側部材に固定される場合に比較して上記トランスファ28の振動をより好適に抑制できる利点がある。
【0043】
また、上記トランスファ28が、その内部に両端部80および82が前記ころがり軸受84および86を介して回転可能に支持される円筒状の部材である前記第1ギヤ部材94と、右前輪に接続され且つ上記第1ギヤ部材94に中心軸が一致させられた状態で貫通させられ、さらに上記第1ギヤ部材94の上記右前輪側の端部80が支持される位置よりも上記右前輪側の位置において上記トランスファ28の内部に前記ころがり軸受120を介して支持される前記車軸34とを含むようにされるとともに、上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40の位置が、上記車軸34が上記ころがり軸受120を介して支持される位置の近傍とされている。したがって、上記車軸34が上記トランスファ28の内部において上記ころがり軸受120を介して支持される位置が、その車軸34に接続される上記右前輪に近づけられることから、上記車軸34に作用する曲げ応力を抑制することができるので、上記車軸34の外径、延いてはその車軸34を支持する上記ころがり軸受120の外径を小さくすることができ、さらには上記トランスファ28の上記車軸34が上記ころがり軸受120を介して支持される位置の近傍すなわち上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分である上記先端部40の外形を小型化できる。そのため、上記エンジン側部材166の断面形状を、上記小型化された部分すなわち上記先端部40が小さくなった分だけ大きくすることができるので、上記エンジン側部材166の曲げ剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性をより好適に確保できる利点がある。本実施例のように、上記エンジン側部材166が上記先端部40の上側に配設される場合は、上記エンジン側部材166の断面形状を下側へ大きくすることができることから、上記エンジン側部材166の曲げ剛性を向上させることができるので、上記トランスファ28の取付剛性をより好適に確保できることになる。
【0044】
また、上記エンジン側部材166が上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40の上方に配設され、そのエンジン側部材166の下側には、上記先端部40の外周面に対向し且つその外周面の上側からわずかに離間して位置する前記湾曲面54が形成されているので、上記先端部40を跨ぐように配設された上記エンジン側部材166の上下方向の厚みを、上記先端部40に干渉することなく好適に大きくすることができるので、上記エンジン側部材166の曲げ剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性を十分に確保できる利点がある。
【0045】
また、上記エンジン側部材166が上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40の上方に配設され、そのエンジン側部材166の両端部には、上記トランスファ28の上記先端部40の外周の下側をその外周の下側に接触しない程度に離間した状態で、その部分をエンジン側部材166と共に囲む湾曲した補強部材164の両端部がそれぞれ一体的に連結されているので、上記トランスファ28の上記先端部40に干渉することなく上下方向の厚みを好適に大きくすることができる上記補強部材164によって、上記エンジン側部材166の曲げ剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性を一層十分に確保できる利点がある。
【0046】
つぎに、本発明のさらに別の実施例を図面に基づいて説明する。図8に示すように、本実施例のリヤエンジンマウント176は、図3、図4等に示した前述の実施例のエンジン側部材44と同様の部材であってその下側に形成された湾曲面54の一部に切欠178が設けられたものであるエンジン側部材180と、前述の実施例のリヤエンジンマウント18等と同じフレーム側部材46およびインシュレータ48とを含んでいる。また、本実施例のトランスファ28の先端部40には、上記切欠178の内部に、その切欠178の内面からわずかに離間した状態で収容される第1固定部すなわち固定部182が形成されている。
【0047】
上記先端部40に形成された固定部182は、連結部材184を介して上記エンジン側部材180の第2固定部すなわち中間位置50に固定される。上記固定部182および中間位置50は、それぞれ二本ずつの前記ボルト45が螺合させられる二つの雌ねじ穴を備えており、また、上記連結部材184は、それら合計四つの雌ねじ穴に対応する四つの貫通穴を備えている。そして、上記固定部182の上記中間位置50への固定は、上記合計四本のボルト45が上記連結部材184の四つの貫通穴を通された後に上記固定部182および上記中間位置50に備えられた各二つの雌ねじ穴にそれぞれ螺合されることによって成される。上記連結部材184に備えられる四つの貫通穴の内径は、上記ボルト45を容易に貫通させることができるようにそのボルト45の外径よりも、たとえば1〜2mm程度のわずかな値だけ大きくされている。本実施例においては、上記トランスファ28の先端部40に備えられた固定部182と、上記エンジン側部材180を含む上記リヤエンジンマウント176と、それらを連結する上記連結部材184および上記四本のボルト45とによって、トランスファ固定装置186が構成されているのである。
【0048】
このように、本発明のトランスファ固定装置186によれば、上記トランスファ28の振動し易い部分すなわち上記先端部40を、重量が大きい前記横置きエンジン24を前記サブフレーム20を介して車体に固定するために本来的に剛性が十分に大きくされた上記エンジン側部材180に固定したことから、上記横置きエンジン24と上記トランスファ28との間の結合剛性が高められて相対的な振動が生じにくくなり、且つトランスファ28がエンジン側部材180に直接連結されてそれに支えられることにより、上記リヤエンジンマウント176が吸収すべき振動モードが単純化および明確化されるので、上記リヤエンジンマウント176の防振特性のチューニングによって上記横置きエンジン24の振動を容易に且つ十分に減衰させることができる。その結果、車内の静粛性を容易に向上させることができる。
【0049】
また、上記横置きエンジン24を上記サブフレーム20を介して車体に固定する上記リヤエンジンマウント176が上記トランスファ固定装置186としても機能するようになることから、トランスファを固定する装置が原動機用マウントとは別に設けられる場合に比して、車両の重量や製造コストを抑えることができる利点がある。
【0050】
また、上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち前記先端部40は、上記トランスファ28の定在的振動波を示す振動モードの振幅が最大の位置の近傍の部分とされているので、上記トランスファ28が、その振動モードの振幅が最大の位置の近傍において上記エンジン側部材180に固定されることになるので、振動モードの振幅が比較的小さい位置において上記エンジン側部材180に固定される場合に比較して上記トランスファ28の振動をより好適に抑制できる利点がある。
【0051】
また、上記トランスファ28が、その内部に前記両端部80および82が前記ころがり軸受84および86を介して回転可能に支持される円筒状の部材である前記第1ギヤ部材94と、前記右前輪に接続され且つ上記第1ギヤ部材94に中心軸が一致させられた状態で貫通させられ、さらに上記第1ギヤ部材94の上記右前輪側の端部80が支持される位置よりも上記右前輪側の位置において上記トランスファ28の内部に前記ころがり軸受120を介して支持される前記車軸34とを含むようにされるとともに、上記トランスファ28の上記先端部40の位置が、上記車軸34が上記ころがり軸受120を介して支持される位置の近傍とされているので、上記車軸34が上記トランスファ28の内部において上記ころがり軸受120を介して支持される位置が、その車軸34に接続される上記右前輪に近づけられることから、上記車軸34に作用する曲げ応力を抑制することができるので、上記車軸34の外径、延いてはその車軸34を支持する上記ころがり軸受120の外径を小さくすることができ、さらには上記トランスファ28の上記車軸34が上記ころがり軸受120を介して支持される位置の近傍すなわち上記トランスファ28の上記先端部40の外形を小型化できる。したがって、上記エンジン側部材180の断面形状を、上記先端部40が小さくなった分だけ大きくすることができるので、上記エンジン側部材180の曲げ剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性をより好適に確保できる利点がある。本実施例のように、上記エンジン側部材180が上記小型化された先端部40の上側に配設される場合は、上記エンジン側部材180の断面形状を下側へ大きくすることができることから、上記エンジン側部材180の曲げ剛性を向上させることができるので、上記トランスファ28の取付剛性をより好適に確保できることになる。
【0052】
また、上記エンジン側部材180が上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40の上方に配設され、そのエンジン側部材180の下側には、上記先端部40の外周面に対向し且つその外周面の上側からわずかに離間して位置する湾曲面54が形成されることから、上記先端部40を跨ぐように配設される上記エンジン側部材180の上下方向の厚みを、上記先端部40に干渉することなく好適に大きくすることができるので、上記エンジン側部材180の曲げ剛性、延いては上記トランスファ28の取付剛性を十分に確保できる利点がある。
【0053】
また、上記トランスファ固定装置186は、上記トランスファ28の上記トランスアクスル26に連結された部分から所定距離離間した部分すなわち上記先端部40に設けられた前記固定部182と、上記エンジン側部材180の中間位置50と、それら固定部182と中間位置50との両方にそれぞれ前記ボルト45により連結される連結部材184とを含むようにされている。一般に、ボルトによる連結の際には、ボルトの径よりもそのボルトが貫通させられる穴の径の方が大きくされることから、その穴の径がボルトの径より大きい分だけ、そのボルトにより連結される二つの部分の相対的な位置のずれが許容される。したがって、上述のようにすれば、上記固定部182と上記連結部材184とが上記ボルト45を用いて連結される箇所と、上記中間位置50と上記連結部材184とが上記ボルト45を用いて連結される箇所との二箇所において、上記相対的な位置のずれが許容されるので、上記連結部材184が用いられない場合たとえば上記トランスファ28の上記固定部182に相当する部分と上記エンジン側部材180の上記中間位置50に相当する部分とが直接上記ボルト45により連結される場合等のように、上記トランスファと前記原動機との相対的な位置のずれを許容できる箇所が一箇所だけである場合に比して、組付誤差等に起因する上記トランスファ28と上記横置きエンジン24との相対的な位置の変動を吸収させることができ、上記トランスファ28の組付作業を容易にすることができるという利点がある。
【0054】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は以下に示す態様でも実施できる。
【0055】
たとえば、前述の実施例のインシュレータ48の代わりに、そのインシュレータ48と同様のゴム製のインシュレータと、内部に液体が封入された二つの液室を有し且つそれらの間にオリフィスを内蔵してそれら二つの液室間で上記液体の出入りを許容することによって、比較的振動数の低い振動を好適に抑制する液体封入式防振装置とを含むよく知られた液体封入式インシュレータのような他の防振装置を設けてもよい。また、上記二つの液室間の上記液体の流量を電気的に制御して抑制する振動の振動数を変化させ得るよく知られた電子制御装置付きの液体封入式インシュレータを用いてもよい。
【0056】
また、前述の実施例のトランスファ28の中央部が、図7および図8に示した前記従来のスチフナ228と同様のスチフナを介して上記横置きエンジン24に固定されるようにしてもよい。このようにすれば、上記トランスファ28を上記横置きエンジン24にさらに大きい剛性で固定することができるので、上記横置きエンジン24と上記トランスファ28との相対的な振動をさらに好適に抑制できる利点がある。このようなスチフナは、上記トランスファ28が元々剛性が大きい前記エンジン側部材44等に既に固定されているため、上記従来のスチフナ228より剛性が小さくても、得られる制振効果は大きくなる。
【0057】
また、図8に示した前記エンジン側部材180の両端部に、図7に示した前記エンジン側部材166に一体的に接続された前記補強部材164と同様の補強部材の両端部がそれぞれ接続されてもよい。このようにすれば、上記トランスファ28の組付けの容易性と、上記横置きエンジン24と上記トランスファ28との相対的な振動のより好適な抑制効果とを共に得ることができるという利点がある。
【0058】
その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】四輪駆動車の駆動力伝達装置が、フロントエンジンマウント、リヤエンジンマウント等を介してサブフレームに固定される状況を示す斜視図である。
【図2】上記駆動力伝達装置と、上記リヤエンジンマウントと、上記サブフレームの車両後方側の部分との相対的な配置を示す平面図である。
【図3】上記駆動力伝達装置のトランスファが上記駆動力伝達装置の横置きエンジンに本発明のトランスファ固定装置によって固定される状況を拡大して示す斜視図である。
【図4】図2のI−I視断面図である。
【図5】上記トランスファの内部構成を示す平面断面図である。
【図6】図5のJ−J視断面図である。
【図7】本発明の別の実施例のトランスファ固定装置を示す図4に相当する図である。
【図8】本発明のさらに別の実施例のトランスファ固定装置を示す図4に相当する図である。
【図9】従来のトランスファ固定装置を示す平面図である。
【図10】図9の従来のトランスファ固定装置の車両後方視を示す図である。
【図11】従来の原動機用マウントの一例を示す図である。
【符合の説明】
18:リヤエンジンマウント(原動機用マウント)
20:サブフレーム(フレーム)
24:横置きエンジン(原動機)
26:トランスアクスル
28:トランスファ
44、166、180:エンジン側部材(原動機側部材)
46:フレーム側部材(車体側部材)
48:インシュレータ
52、170、186:トランスファ固定装置

Claims (1)

  1. 車体側に固定される車体側部材原動機側に固定される原動機側部材それら車体側部材および原動機側部材の間に設けられてそれらの相対振動を許容するインシュレータとを備えた原動機用マウントを介して車体に固定された原動機と、該原動機に連結されたトランスアクスルと、該トランスアクスルに連結されたトランスファとを含む四輪駆動車の前記トランスファを固定するトランスファ固定装置において、
    前記トランスファの前記トランスアクスルに連結された部分から所定距離離間した部分を前記原動機用マウントの原動機側部材に固定して該原動機とトランスファとの間の結合剛性を高めたことを特徴とする四輪駆動車のトランスファ固定装置。
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