JP2002293247A - ステアリング用ダイナミックダンパ - Google Patents

ステアリング用ダイナミックダンパ

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JP2002293247A JP2001100769A JP2001100769A JP2002293247A JP 2002293247 A JP2002293247 A JP 2002293247A JP 2001100769 A JP2001100769 A JP 2001100769A JP 2001100769 A JP2001100769 A JP 2001100769A JP 2002293247 A JP2002293247 A JP 2002293247A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステアリングホイールにおける振動低減効果
が、一層有利に且つ安定して発揮され得る、新規な構造
のステアリング用ダイナミックダンパを提供することを
目的とする。 【解決手段】 ステアリングコラムまたはステアリング
ホイールに固着されるブラケット20に対してマス部材
22a,22bをバネ部材24a,24bで弾性的に支
持せしめることによって構成された副振動系26a,2
6bを設けて、副振動系26bの固有振動数を20〜3
0Hzのアイドリング振動周波数にチューニングすると共
に、副振動系26aの固有振動数を30Hzより大きなス
テアリング系固有振動数にチューニングした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のステアリングコラムや
ステアリングホイールに装着されてステアリングホイー
ルの振動を低減するステアリング用ダイナミックダンパ
に関するものである。
【0002】
【背景技術】自動車におけるステアリングホイールは、
自動車の運転に際して、常時、運転者が直接に手で握っ
ている部分であって、運転者は、ステアリングホイール
の微振動に対しても敏感に知覚し得ることから、ステア
リングホイールにおける振動は、自動車の乗心地に大き
な影響を与えることとなり、自動車においては、従来か
ら、ステアリングホイールの防振が重要視されている。
【0003】そして、従来から、ステアリングホイール
の振動を低減するための一つの方策としてステアリング
ホイール等にダイナミックダンパを装着した構造が提案
されており、かかるダイナミックダンパによって構成さ
れた副振動系の固有振動数を、ステアリング系の固有振
動数にチューニングすることによって、ステアリングホ
イールの振動低減が図られている。
【0004】ところが、本発明者等が詳細に検討したと
ころ、特に近年の自動車においては、従来のようにダイ
ナミックダンパを装着するだけでは、必ずしも有効な防
振効果が実現され得ないという現状が明らかとなったの
である。
【0005】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、ステアリングホイールにおける振動低減効
果が、一層有利に且つ安定して発揮され得る、新規な構
造のステアリング用ダイナミックダンパを提供すること
にある。
【0006】
【解決手段】すなわち、前述の如き問題に関して、本発
明者等が、近年の自動車のステアリング系について鋭意
検討したところ、近年では、操舵感の向上等のためにス
テアリングホイールにおける強度部材の材質が、従来の
鉄系金属からアルミニウム合金やマグネシウム合金等の
軽金属に変化してきており、それに伴って、ステアリン
グ系の固有振動数が高周波数域に移行していることが明
らかとなった。
【0007】そして、本発明者等が、更に検討を加えた
ところ、近年では、燃費向上等の傾向から、自動車の内
燃機関におけるアイドリング回転数が低下してきてお
り、それに伴って、停車状態下でステアリング系に対し
て加振力として作用するアイドリング振動の周波数域
が、低周波数域に移行していることが明らかとなった。
【0008】また一方、従来構造の鉄系金属の強度部材
からなるステアリングホイールを備えた自動車について
検討してみると、一般に、ステアリング系の固有振動数
が、20〜30Hz程度となっており、この周波数域
が、従来の一般的な自動車におけるアイドリング周波数
域に略一致しているという事実も明らかとなった。
【0009】そして、これらを総合的に考察してみる
と、従来構造のステアリング系では、単一のダイナミッ
クダンパを装着せしめて、かかるダイナミックダンパの
固有振動数をステアリング系の固有振動数にチューニン
グすることによって、アイドリング振動周波数域を含ん
でステアリング振動が有効に低減されていたものが、近
年では、ステアリング系の構造上の変化だけでなく、パ
ワーユニット系の変化までもが影響して、結果的に従来
構造のダイナミックダンパでは、必ずしも有効な制振効
果が発揮されない状態となっている。特に、ステアリン
グ系の固有振動数を基準としてチューニングした従来構
造のダイナミックダンパを装着した場合には、ダイナミ
ックダンパのチューニング周波数(ステアリング系の固
有振動数)を挟んだ低周波側と高周波側で、それぞれ、
振動レベルが反対に悪化してしまう周波数域が新たに発
生することとなり、ステアリング系固有振動数より低周
波数域に存在するアイドリング振動周波数域では、かか
るダイナミックダンパの装着によって、反対に、ダイナ
ミックダンパを装着しない状態よりも悪化してしまうこ
とも明らかとなった。これらのことから、特に、近年の
自動車のステアリング系における振動状態の悪化の傾向
を理論付けることが出来たのである。
【0010】しかも、本発明者等が、更に検討したとこ
ろ、近年、多くの自動車が採用するに至ったチルトステ
アリング機構等のステアリングホイールの位置調節機構
により、ステアリングホイールの設定位置を変化させる
ことに伴ってステアリング系の固有振動周波数が変化す
る場合があり、その設定状態によっては、予め装着され
ているダイナミックダンパのチューニング周波数から外
れてしまい、それによって、ステアリングホイールの振
動を悪化させることも明らかとなった。
【0011】そして、本発明者等は、このような検討に
よって見い出し得た新たな知見に基づいて、特に近年の
ステアリングホイールの振動に関する新たな問題を解決
することを目的として、本発明を完成し得たのである。
【0012】ここにおいて、本発明の第一の態様は、自
動車のステアリングコラムまたはステアリングホイール
に装着されて、該ステアリングホイールの振動を低減す
るステアリング用ダイナミックダンパにおいて、前記ス
テアリングコラムまたは前記ステアリングホイールに固
着されるブラケットに対してマス部材をバネ部材で弾性
的に支持せしめることによって構成された副振動系を、
互いに独立して複数設けて、それら複数の副振動系の少
なくとも一つの固有振動数を20〜30Hzのアイドリ
ング振動周波数にチューニングすると共に、それら複数
の副振動系の他の少なくとも一つの固有振動数を30H
zより大きなステアリング系固有振動数にチューニング
したことを、特徴とする。
【0013】すなわち、本発明者等は、従来では認識さ
れていなかったステアリング系の振動を詳細に検討した
結果、ステアリングホイールにおける振動低減のために
は、ステアリング系の固有振動数域に加えて、アイドリ
ング振動周波数域での振動を低減するようにチューニン
グした複数のダイナミックダンパを利用することが有効
であることを、理論的乃至は実験的に、新たに見い出し
得たのである。そして、本発明においては、ステアリン
グ系の固有振動数とアイドリング振動周波数のそれぞれ
にチューニングせしめられた二つの実質的に独立した副
振動系を採用したことによって、近年の自動車において
も、ステアリングホイールの振動を、自動車の走行状態
に応じて、安定して低減せしめ得る制振装置が実現され
るに至ったのである。
【0014】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされたステアリング用ダイナミックダ
ンパにおいて、前記ステアリングホイールにおける強度
部材が、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金
属によって形成されていることを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、ステアリングホイールの軽量化
に伴って問題となり易い、アイドリング振動よりも高周
波数域でのステアリングホイールの共振による振動に対
しても、有効な制振効果が発揮され得るのである。
【0015】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされたステアリング用ダイナ
ミックダンパにおいて、アイドリング振動周波数とステ
アリング系固有振動数にそれぞれチューニングした前記
各副振動系における前記バネ部材を、何れも、前記ステ
アリングホイールの中心軸に直交する方向で剪断変形せ
しめられるゴム弾性体によって形成したことを、特徴と
する。このような本態様に従う構造とされたステアリン
グ用ダイナミックダンパにおいては、バネ部材が圧縮変
形せしめられる場合に比して、バネ部材のばね定数を小
さくすることが可能となり、マス部材の大形化やバネ部
材の耐久性の低下を軽減乃至は回避しつつ、副振動系の
固有振動数を、ステアリング系固有振動数やアイドリン
グ振動周波数にチューニングすることが出来るのであ
る。
【0016】また、本発明の第四の態様は、前記第三の
態様に従う構造とされたステアリング用ダイナミックダ
ンパであって、アイドリング振動周波数とステアリング
系固有振動数にそれぞれチューニングした前記各副振動
系におけるゴム弾性体において、前記ステアリングホイ
ールの中心軸に直交する方向の断面形状を円形断面とし
たことを、特徴とする。このような本態様に従う構造と
されたステアリング用ダイナミックダンパにおいては、
例えば、ステアリングホイールの回動によってバネ部材
に対する振動入力方向が変化した場合においても、副振
動系の固有振動数の変化が軽減乃至は回避されて、安定
した制振効果が発揮され得ると共に、互いに異なる径方
向から入力される複数の振動に対しても、有効な制振効
果を得ることが出来るのである。
【0017】また、本発明の第五の態様は、前記第三又
は第四の態様に従う構造とされたステアリング用ダイナ
ミックダンパにおいて、前記ブラケットと前記マス部材
の対向方向において、前記ゴム弾性体の弾性主軸を、該
マス部材の慣性主軸に略一致させたことを、特徴とす
る。このような本態様に従う構造とされたステアリング
用ダイナミックダンパにおいては、ステアリングホイー
ルの中心軸に直交した方向の振動入力に際してのマス部
材の振動状態の安定化が図られ得るのであり、それによ
って、目的とする制振効果をより有効に且つ安定して得
ることが可能となるのである。
【0018】また、本態様においては、ゴム弾性体の弾
性中心をマス部材の重心に近づけることが望ましく、そ
れによって、マス部材の振動状態の更なる安定化が図ら
れて、中心軸に直交する方向の振動入力時におけるマス
部材の回転や傾動(首振り)変位が軽減乃至は防止され
得ることから、目的とする制振効果を一層有利に且つ安
定して得ることが可能となるのである。なお、このよう
にゴム弾性体の弾性中心をマス部材の重心に近づける構
成は、例えば、ゴム弾性体の周りにおいてブラケット側
に突出するマス部材を採用すること等によって有利に実
現され得る。
【0019】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0020】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としてのステアリング用ダイナミックダンパ10が装着
された振動部材としてのステアリングホイール11が示
されていると共に、図2乃至4には、図1に示されたダ
イナミックダンパ10の単体図が示されている。
【0021】より詳細には、ステアリングホイール11
は、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属に
よって形成された強度部材12と、かかる強度部材表面
を被覆する合成樹脂等からなる被覆層とから構成されて
いる。また、強度部材12は、円環形状のリング部14
とかかるリング部14の略中央に位置せしめられたボス
部16が、複数本のスポーク18によって一体的に連結
された構造とされている。そして、ボス部16は、図示
しないステアリングコラムによって保持されたメインシ
ャフトの先端に固定されるようになっており、ステアリ
ングホイールを回動操作することによって、メインシャ
フトを介して車輪を操蛇し得るようになっている。即
ち、本実施形態では、ステアリングホイール、メインシ
ャフトおよびステアリングコラムと、かかるステアリン
グコラムに装着されたターンシグナルスイッチなどを含
んで、主振動系としてのステアリング系が構成されてい
る。そして、そのように構成されたステアリング系に対
して、ダイナミックダンパ10が取付られている。
【0022】このダイナミックダンパ10は、ステアリ
ングホイール11の強度部材12に固着されるブラケッ
ト20に対して、マス部材としてのダンパマス22a,
22bが、バネ部材としての弾性連結部材24a,24
bを介して、弾性支持せしめられた構造とされており、
主振動系としてのステアリング系に対する副振動系26
a,26bを構成している。
【0023】より詳細には、図2乃至4に示されている
如く、ブラケット20は、金属等の硬質材によって形成
されており、長手プレート形状を有する本体部28に対
して、一対の固定用取付片30,30と、複数(本実施
形態では4つ)の取付部34,34,34,34がそれ
ぞれ幅方向両側に突出するようにして一体的に設けられ
た構造とされている。具体的には、固定用取付片30,
30は、本体部28の長手方向両端部において、幅方向
一方の側(図2中下側)に向かって突設されている。各
固定用取付片30は、全体として略矩形平板形状を有し
ており、突出方向中央部分で僅かに屈曲されていると共
に、その突出先端部分には、ボルト孔32が形成されて
いる。また、取付部34,34,34,34は、本体部
28の長手方向で相互に離隔した4箇所において、本体
部28の幅方向一方の側(図2中上側)に向かって突設
されている。各取付部34は、それぞれ略矩形平板形状
を有しており、その突出先端部分には、取付孔36が形
成されている。
【0024】一方、弾性連結部材24a,24bは、互
いに略同一の形状及び構造を有しており、それぞれ、連
結ゴム弾性体40によって相互に弾性連結せしめられた
一対の固定金具38,38によって構成されている。こ
の一対の固定金具38,38は、互いに略同一の形状と
された薄肉の矩形平板金具によって構成されており、各
固定金具38の四隅には、それぞれ、ボルト挿通孔42
が形成されている。そして、各固定金具38の中央部分
には、貫通孔44が形成されており、かかる貫通孔44
の径方向外方において、複数個の連通孔46が周方向に
等間隔で離隔して形成されている。また、連結ゴム弾性
体40は、全体として略一定の円形断面で軸方向にスト
レートに延びる中実ロッド形状を有している。この連結
ゴム弾性体40は、相互に離隔して対向位置する一対の
固定金具38,38の間に介在せしめられて、その軸方
向両端面において、一対の固定金具38,38の対向面
に対して、加硫接着されており、これにより、一対の固
定金具38,38を備えた連結ゴム弾性体40の一体加
硫成形品としての弾性連結部材24a,24bがそれぞ
れ形成されている。このような一体加硫成形品としての
弾性連結部材24a,24bにおいては、連結ゴム弾性
体40の軸方向両端面が、一対の固定金具38,38に
設けられた貫通孔40および連通孔46の各開口部を覆
うようにして、固定金具38の対向面に対して、それぞ
れ加硫接着せしめられていることから、連結ゴム弾性体
40が、各固定金具38に設けられた貫通孔40及び複
数の連通孔46を通って、各固定金具38の対向面と反
対側の表面にまで延び出して配設されるようになってい
る。これにより、一対の固定金具38,38は、その中
央部分が連結ゴム弾性体40の軸方向両端部に対して、
それぞれ、埋め込まれた状態で、固着されているのであ
り、それによって、連結ゴム弾性体40の固定金具3
8,38に対する接着強度の向上が有利に図られ得る。
なお、本実施形態においては、各弾性連結部材24を構
成する一対の固定金具38,38は、連結ゴム弾性体4
0挟んだ軸方向の投影において、略完全に重なりあうよ
うにして、対向位置せしめられており、各弾性連結部材
24が全体として対称形状となるようにされている。こ
れにより、ブラケット20やダンパマス22に対して弾
性連結部材24を取り付ける際の方向性等の問題が回避
されて、弾性連結部材24の組付作業性の向上が有利に
図られ得る。
【0025】そして、このような構造とされた弾性連結
部材24aは、その一方の取付金具38において、ブラ
ケット20の長手方向一方の側(図2中右側)に設けら
れた二つの取付部34,34に対して重ね合わされると
共に、それら取付部34,34に設けられた取付孔3
6,36および取付金具38の一方の側(図2中下側)
に設けられたボルト挿通孔42,42に対して、取付ボ
ルト48,48がそれぞれ螺着されることによって、ブ
ラケット20に対して固定的に取付られるようになって
いる。同様に、弾性連結部材24bは、その一方の取付
金具38において、ブラケット20の他方の側(図2中
左側)に設けられた二つの取付部34,34に対して重
ね合わされると共に、それら取付部34,34の取付孔
36,36および固定金具38の一方の側(図2中下
側)に設けられたボルト挿通孔42,42に対して、取
付ボルト48,48がそれぞれ螺着されることによっ
て、ブラケット20に対して固定的に取付られるように
なっている。
【0026】また一方、このような弾性連結部材24
a,24bに対して、それぞれ取り付けられるダンパマ
ス22a,22bは、全体として厚肉の略矩形ブロック
形状を有しており、鉄等の高比重な金属材によって形成
されている。そして、ダンパマス22a,22bは、そ
の高さ寸法および肉厚寸法が略同一とされている一方、
幅寸法、即ち、ブラケット20の長手方向と平行な長さ
寸法が、異ならされており、ダンパマス22aの幅寸法
よりもダンパマス22bの幅寸法の方が大きくなるよう
に設定されている。さらに、ダンパマス22a,22b
は、それぞれ、内側マス部49と、外側マス部54から
構成されている。即ち、各ダンパマス22は、その厚さ
方向略中央部分おいて、弾性連結部材24側に配設され
る内側マス部49と、弾性連結部材24から軸方向外方
に突出して設けられる外側マス部54に分割された構造
とされており、それら内側マス部49と外側マス部54
が対向面間で相互に重ねあわされてボルト固定されるこ
とによってダンパマス22が構成されるようになってい
る。
【0027】より詳しくは、内側マス部49は、その幅
方向中央部分において、弾性連結部材24を挟んだ幅方
向両側(図2中左右方向両側)へ分割される外側分割体
50および内側分割体52からなる分割構造体とされて
いる。外側分割体50は、略矩形の厚肉平板形状を有し
ており、略一定の半円形断面で板厚方向に貫通すると共
に、内側分割体52との対向面に開口する切欠部56が
設けられている。同様に、内側分割体52は、略矩形の
厚肉平板形状を有しており、略一定の半円形断面で板厚
方向に貫通すると共に、外側分割体50との対向面に開
口する切欠部58が設けられている。このような構造と
された外側および内側分割体50,52は、切欠部5
6,58が開口するそれぞれの対向面において、弾性連
結部材24を幅方向(左右方向)両側から挟み込むよう
にして、僅かな隙間を隔てて対向位置せしめられるよう
になっている。ここにおいて、外側および内側分割体5
0,52においては、各対向面に開口する切欠部56,
58が設けられていることから、かかる切欠部56,5
8の協働によって、外側および内側分割体50,52の
対向面間に、大径の収容孔が形成されるようになってお
り、かかる収容孔の径方向内方に弾性連結部材24が隙
間を隔てて略同心的に収容配置されるようになってい
る。このように、互いに対向位置せしめられた外側およ
び内側分割体50,52は、ブラケット20から離隔し
た他方の固定金具38に対して、固定金具38に設けら
れたボルト孔42および内外側分割体52,50に設け
られたボルト孔に螺着される取付ボルト60によって、
ボルト固定されるようになっている。即ち、上述の如き
分割構造の内側マス部49を採用したことにより、弾性
連結部材24の周囲に内側マス部49を配設することが
可能となるのである。
【0028】一方、外側マス部54は、内側マス部49
よりも肉厚寸法の大きなの略矩形平板形状を有してお
り、内側マス部49に対する重ね合わせ面に開口する凹
所64を備えている。そして、外側マス部54が内側マ
ス部49に対して重ね合わされる際に、内側マス部49
の表面に重ね合わされて軸方向外方に突出する固定金具
38や、かかる固定金具38に螺着される取付ボルト6
0の頭部が、凹所64内に収容配置される。即ち、外側
マス部54を内側マス部49の表面に対して接近して重
ねあわせることが可能となり、外側マス部54の弾性連
結部材24からの軸方向外方への突出量を抑えることが
可能となる。このようにして、内側マス部49に対して
重ね合わされた外側マス部54は、内側マス部49の外
周縁部に設けられた複数の収容穴66から外側マス部5
4を貫通して延びるボルト72によって一体的に連結固
定されており、これによって、ダンパマス22が構成さ
れるようになっているのである。
【0029】ここにおいて、本実施形態では、上述の如
きダンパマス22a,22bの幅寸法が互いに異なるよ
うに設定されていることから、ダンパマス22a,22
bの質量が互いに異ならされている。即ち、ダンパマス
22aにおける幅方向の寸法がダンパマス22bよりも
小さくされており、それによって、ダンパマス22bの
質量がダンパマス22aの質量よりも大きくされてい
る。
【0030】そして、上述のように、ダンパマス22
a,22bが弾性連結部材24a,24bを介してブラ
ケット20に対して弾性的に連結されることにより、副
振動系26a,26bが構成されているのであり、本実
施形態では、副振動系26aの固有振動数がステアリン
グ系固有振動数にチューニングされていると共に、副振
動系26bの固有振動数がアイドリング振動周波数にチ
ューニングされている。また、このように副振動系26
が構成されたダイナミックダンパ10にあっては、弾性
連結部材24を構成する連結ゴム弾性体40の弾性主軸
とダンパマス22の慣性主軸は略一致せしめられている
と共に、ダンパマス22の重心は、連結ゴム弾性体40
の弾性中心に近い位置に設定されている。
【0031】そして、上述の如き構造とされたダイナミ
ックダンパ10は、弾性連結部材24a,24bを構成
する連結ゴム弾性体40a,40bの中心軸が、それぞ
れ、ステアリングホイールの中心軸に対して平行となる
ように、ブラケット20の固定部30,30に形成され
たボルト孔32,32に挿通されるボルト74,74に
よって、ステアリングホイールの強度部材12のボス部
16に対してボルト固定されて、装着されるようになっ
ている。
【0032】ここにおいて、上述の如き構造とされたダ
イナミックダンパ10は、アイドリング振動が、副振動
系26bの共振作用に基づく制振効果によって低減され
得ると共に、ステアリング系の固有振動が副振動系26
aの共振作用に基づく制振効果によって低減され得るの
であり、近年の自動車においても、ステアリングホイー
ルの振動を、自動車の各種走行状態や停車状態に応じ
て、安定して低減することが出来るのである。
【0033】また、本実施形態では、ステアリングホイ
ールの中心軸に直交する方向、即ち、連結ゴム弾性体4
0a,40bの軸直角方向に主たる振動が入力されるこ
とから、連結ゴム弾性体40a,40bが剪断変形せし
められることとなって、連結ゴム弾性体40a,40b
の振動入力方向でのばね定数を小さくすることが可能と
なる。
【0034】それ故、本実施形態のダイナミックダンパ
10は、ダンパマス22a,22bの大形化や連結ゴム
弾性体40a,40bの耐久性の低下を伴うことなく、
アイドリング振動やステアリング系の固有振動のような
低周波数域の振動に対しても、有効な制振効果を得るこ
とが出来るのである。
【0035】また、本実施形態では、弾性連結部材24
を構成する連結ゴム弾性体40の断面形状が、ステアリ
ングホイールの中心軸に直交する方向で円形断面とされ
ていることから、主たる振動入力方向とされるステアリ
ングホイールの中心軸に直交する何れの方向からの振動
に対しても、有効な制振効果を発揮することが可能とな
る。それ故、本実施形態のダイナミックダンパ10は、
例えば、ステアリングホイールの回動によって振動入力
方向が変化した場合等においても、有効な制振効果を発
揮することが出来るのである。
【0036】また、本実施形態では、ダンパマス22を
構成する内側マス部49における外側および内側の分割
体50,52が、外側マス部54よりもブラケット20
側に位置せしめられていることから、連結ゴム弾性体4
0の自由長とダンパマス22の質量を両立して有利に確
保することが出来ると共に、ダイナミックダンパ10の
コンパクト化が可能となり、それによって、ダイナミッ
クダンパ10の装着状態下におけるダンパマス22の他
の部材への干渉が有利に防止され得る。
【0037】また、本実施形態では、ダンパマス22を
構成する内側マス部材49が、外側マス部54よりもブ
ラケット20側に位置せしめられていることから、ダン
パマス22の重心を連結ゴム弾性体40の弾性中心に近
づけることが可能となり、それによって、安定した制振
効果を発揮することが出来るのである。
【0038】また、本実施形態では、連結ゴム弾性体4
0の弾性主軸がダンパマス22の慣性主軸と略一致して
いることから、ステアリングホイールの中心軸に直交し
た方向の入力振動に際してのマス部材の振動状態の安定
化が図られ得るのであり、それによって、目的とする制
振効果を安定して得ることが出来るのである。
【0039】因みに、上述の如き構造とされたダイナミ
ックダンパ10を、ステアリングホイールに取り付け
て、加速度±0.29Gで周波数スイープ加振した場合
のステアリングホイールの振動状態を測定した結果を、
実施例1として、図5に示す。また、ダイナミックダン
パを装着していないステアリングホイールと、ステアリ
ングホイールに対して一つのマス部材を一つのバネ部材
で弾性的に支持せしめて一つの副振動系を構成したステ
アリングホイールの固有振動周波数域にチューニングし
た従来構造のダイナミックダンパについても、それぞ
れ、同様な測定試験を行い、それらの測定結果を比較例
1および比較例2として、図5に併せ示す。
【0040】図5に示された測定結果から明らかなよう
に、従来構造のダイナミックダンパ(比較例2)は、ダ
イナミックダンパが装着されていない場合(比較例1)
において問題となっていた振動周波数:Aの振動に対し
ては、有効な制振効果を発揮していることが認められる
が、ダイナミックダンパを装着したことにより、かかる
振動周波数:Aの振動の低周波側(振動周波数:B)と
高周波側(振動周波数:C)に新たな振動が、それぞ
れ、発現することが認められる。そして、これら振動周
波数:B,Cが、近年の自動車において、それぞれ、ア
イドリング振動周波数およびステアリング系固有振動数
に略一致することとなり、従来構造のダイナミックダン
パを装着することによって、アイドリング振動周波数お
よびステアリング固有振動数では、ダイナミックダンパ
を装着しない場合よりも振動状態が悪化することが認め
られる。ここにおいて、本発明に従う構造とされたダイ
ナミックダンパ10(実施例1)においては、比較例1
で問題となっていた振動周波数:Aの振動に対して有効
な制振効果が発揮されていると共に、比較例2で問題と
なっていたアイドリング振動周波数に相当する振動周波
数:Bの振動およびステアリング系固有振動数に相当す
る振動周波数:Cの振動に対しても、それぞれ、有効な
制振効果を発揮していることが認められる。
【0041】次に、図6乃至9には、本発明の第二の実
施形態としてのステアリング用ダイナミックダンパ76
が示されている。このダイナミックダンパ76は、図示
しない振動部材としてのステアリングホイールやステア
リングコラムに固着されるブラケット78に対して、マ
ス部材としてのダンパマス80a,80b,80cが、
それぞれ、バネ部材としての複数個(本実施形態では3
個ずつ)の弾性連結部材82a,82b,82cを介し
て、弾性支持せしめられた構造とされており、ステアリ
ングホイールやステアリングコラム等によって構成され
る主振動系としてのステアリング系に対する副振動系8
6a,86b,86cを構成している。
【0042】より詳細には、ブラケット78は、金属等
の硬質材によって形成されており、略平板形状の本体部
分88に対して、かかる本体部分88の長手方向両端部
分からその幅方向一方(図5中下方)の側に向かって突
設された固定部90,90が一体形成された構造とされ
ている。ブラケット78の本体部分88の長手方向両端
部分は、その幅寸法が、長手方向外方に行くに従って次
第に小さくされている。また、固定部90,90は、そ
れぞれ、全体として略平板形状を有しており、突出方向
中央部分で扁平クランク状に屈曲されていると共に、そ
の突出先端部分には、ボルト孔92が形成されている。
また、本体部分88には、長手方向両端部分および長手
方向中央部分において、それぞれ、複数個(本実施形態
では3個ずつ)の貫通孔94が形成されている。
【0043】一方、弾性連結部材82は、図10にも示
されているように、2つのボルト96,96と連結ゴム
弾性体98を含んで構成されている。また、連結ゴム弾
性体98は、略一定の円形断面で軸方向にストレートに
延びる中実ロッド形状を有しており、その軸方向両端面
が2つのボルト96,96の頭部の軸方向端面に対し
て、それぞれ、加硫接着されており、それによって、連
結ゴム弾性体98が、2つのボルト96,96を有する
一体加硫成形品(弾性連結部材82)として形成されて
いる。なお、かかる一体加硫成形品(弾性連結部材8
2)においては、2つのボルト96,96と連結ゴム弾
性体98が、同軸的に位置せしめられている。また、本
実施形態では、連結ゴム弾性体98の形状,大きさ及び
材質は、それぞれ略同一とされている。そして、弾性連
結部材82を構成する2つのボルト96,96の一方
が、ブラケット78に形成された貫通孔94に挿通され
るようになっており、かかるボルト96にナット102
が螺着されて、弾性連結部材82がブラケット78に対
して、ボルト固定されるようになっている。
【0044】また一方、ダンパマス80a,80b,8
0cは、それぞれ、鉄等の高比重な金属材によって形成
されており、全体として矩形ブロック形状を有している
と共に、その外周縁部には、外方に開口して略一定の断
面で厚さ方向一方から他方に向って所定の長さに亘って
延びる切欠部104が複数個(本実施形態では3個)形
成されている。そして、これら切欠部104が形成され
た位置において、厚さ方向他方から一方に向って、略一
定の円形断面で所定の長さに亘って延びる収容穴106
が形成されていると共に、切欠部104と収容穴106
は連通孔108によって厚さ方向で相互に連通されてい
る。なお、本実施形態では、かかる収容穴106の深さ
方向(ダンパマス80の厚さ方向)の寸法は、切欠部1
04の延出方向(ダンパマス80の厚さ方向)の寸法よ
りも十分小さくされている。
【0045】ここにおいて、本実施形態では、ダンパマ
ス80a,80b,80cは、それらの長手方向の寸法
(図6中の左右方向)の寸法が互いに異なっており、そ
れによって、ダンパマス80a,80b,80cの質量
が互いに異なるように設定されているのである。即ち、
本実施形態では、ダンパマス80aの長手方向の寸法が
最小とされていると共に、ダンパマス80bの長手方向
の寸法が最大とされており、それによって、ダンパマス
80aの質量が最小とされていると共に、ダンパマス8
0bの質量が最大とされている。なお、ダンパマス80
a,80cは、ブラケット78の本体部分88に対応し
て、その幅寸法が長手方向外方に行くに従って小さくさ
れている。
【0046】そして、ダンパマス80に形成された複数
個の連通孔108に対して、切欠部104側から弾性連
結部材82を構成する2つのボルト96,96の他方の
ボルト96が挿通された後、かかるボルト96にナット
110が螺着されて、ダンパマス80が弾性連結部材8
2に対してボルト固定されることとなり、それによっ
て、ダンパマス80がブラケット78に対して複数個の
(本実施形態では3個)の弾性連結部材82を介して弾
性的に支持せしめられており、かかる複数個の弾性連結
部材82とダンパマス80によって、副振動系86が構
成されている。また、上述のように、ダンパマス80が
複数個の弾性連結部材82を介してブラケット78に対
して弾性的に支持された状態下において、かかる複数個
の弾性連結部材82の弾性主軸とダンパマス80の慣性
主軸は略一致するようになっていると共に、ダンパマス
80の重心はブラケット78側に位置せしめられてい
る。なお、本実施形態では、上述のように、ダンパマス
80に弾性連結部材82が固定された状態下において、
ナット110は、収容穴106内に位置せしめられてお
り、それによって、ナット110がダンパマス80のブ
ラケット78と反対側の端面よりも外方に突出しないよ
うになっている。
【0047】ここにおいて、本実施形態では、副振動系
86a,86b,86cの固有振動数が、それぞれ、チ
ルト位置等に起因して変化したステアリング系固有振動
数、アイドリング振動周波数およびステアリング系固有
振動数にチューニングされている。
【0048】そして、上述の如き構造とされたダイナミ
ックダンパ76は、複数の弾性連結部材82a,82
b,82cにおける連結ゴム弾性体98a,98b,9
8cの中心軸が、それぞれ、ステアリングホイールの中
心軸に対して平行となるように、ブラケット78の固定
部90,90に形成されたボルト孔92,92に挿通さ
れる図示しないボルトによって、ステアリングコラム若
しくはステアリングホイルに対して、ボルト固定され
て、装着されるようになっている。
【0049】ここにおいて、上述の如き構造とされたダ
イナミックダンパ76は、アイドリング振動,ステアリ
ング振動およびチルト位置の変化等ステアリング系の状
態の変化に起因して周波数域が変化したステアリング振
動について、それぞれ、副振動系86b,86c,86
aの共振作用に基づく制振効果によって低減され得るの
であり、第一の実施形態と同様に、近年の自動車におい
ても、ステアリングホイールの振動を、自動車の各種走
行状態や停車状態に応じて、安定して低減することが出
来るのである。
【0050】また、本実施形態では、第一の実施形態と
同様に、ステアリングホイールの中心軸に直交する方
向、即ち、弾性連結部材82を構成する連結ゴム弾性体
98の軸直角方向に主たる振動が入力されることから、
連結ゴム弾性体98が剪断変形せしめられることとなっ
て、連結ゴム弾性体98の振動入力方向でのばね定数を
小さくすることが可能となる。
【0051】また、本実施形態では、複数の弾性連結部
材82を介して、ダンパマス80がブラケット78に弾
性的に支持されていることから、ダンパマス80の回転
や傾動が抑えられて、ダンパマス80の支持状態が安定
することとなり、それによって、安定した制振効果を発
揮することが出来るのである。しかも、ダンパマス80
の振動変位状態の安定性を確保しつつ、ばね定数を小さ
く設定することができることから、アイドリング振動や
ステアリング系の固有振動のような低周波数域の振動に
対しても、有効な制振効果を得ることができるのであ
る。
【0052】また、本実施形態では、第一の実施形態と
同様に、弾性連結部材82を構成する連結ゴム弾性体9
8の断面形状が、ステアリングホイールの中心軸に直交
する方向で円形断面とされていることから、主たる振動
入力方向とされるステアリングホイールの中心軸に直交
する何れの方向のばね定数も略一定とされて、それら各
方向の入力振動に対しても、有効な制振効果を発揮する
ことが可能となる。それ故、本実施形態のダイナミック
ダンパ76においても、例えば、ステアリングホイール
の回動によって振動入力方向が変化した場合等において
も、安定した制振効果を発揮することが出来るのであ
る。
【0053】また、本実施形態では、ダンパマス80の
切欠部104内に弾性連結部材82を構成する連結ゴム
弾性体98が位置せしめられていることから、連結ゴム
弾性体98の自由長とダンパマス80の質量を両立して
有利に確保しつつ、ダンパマス80のブラケット78か
らの突出量を抑えて、ダイナミックダンパ76のコンパ
クト化を有利に図ることが可能となる。それによって、
ダイナミックダンパ76の装着状態下におけるダンパマ
ス80の他の部材への干渉が有利に防止され得る。
【0054】加えて、本実施形態では、ダンパマス80
の切欠部104内に弾性連結部材82を構成する連結ゴ
ム弾性体98が位置せしめられていることから、ダンパ
マス80の重心を複数個の連結ゴム弾性体98の弾性中
心に近づけることが可能となり、それによって、ダンパ
マス80の首振り変位を抑えて、安定した制振効果を得
ることが出来るのである。
【0055】以上、本発明の幾つかの実施形態について
詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本
発明は、かかる実施形態における具体的な記載によっ
て、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0056】例えば、前記第一の実施形態に示されてい
るようなダブルマスタイプの場合において、第二の実施
形態のように、一つのマス部材が複数のバネ部材を介し
てブラケットに対して弾性的に支持せしめられる構成を
採用することも可能であり、また、前記第二の実施形態
で示されているようなトリプルマスタイプの場合におい
て、第一の実施形態のように、一つのマス部材が一つの
バネ部材を介してブラケットに対して弾性的に支持せし
められる構成を採用することも可能である。更に、一つ
のマス部材が複数個のバネ部材を介して弾性支持せしめ
られる場合には、バネ部材の個数は、前記第二の実施形
態の個数に限定されるものではないが、3個以上として
もよい。
【0057】また、前記第一の実施形態において、弾性
連結部材24を構成する一対の固定金具38,38の一
方を用いないで、弾性連結部材24を直接にマス部材に
加硫接着するようにしてもよい。
【0058】また、前記第一の実施形態では、弾性連結
部材24の周囲に内側マス部49が配設されていたが、
弾性連結部材24の突出先端面から軸方向外方側に突出
して配設されるマス部材のみを採用する構造としても良
く、或いは、弾性連結部材24の突出先端面から軸方向
内方側に突出して配設されるマス部材のみを採用する構
造も可能である。
【0059】また、前記実施形態では、マス部材の重心
がゴム弾性体の弾性中心の近くに設定されていたが、こ
のような設定は必ずしも必要ではない。
【0060】また、本発明において採用されるマス部材
やバネ部材は、装着スペースや目的とする制振効果が発
揮される振動周波数域等を考慮して設定,変更されるも
のであって、前記実施形態のものに限定されず、例え
ば、多角形断面を有するバネ部材や円形断面を有するマ
ス部材を採用することも可能であり、それに伴って、ブ
ラケットの形状を変更することも勿論可能である。
【0061】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたステアリング用ダイナミックダンパ
においては、互いに独立した複数の副振動系を設けて、
それら複数の副振動系の少なくとも一つをアイドリング
振動周波数にチューニングすると共に、それら複数の副
振動系の他の少なくとも一つをステアリング系固有振動
数にチューニングすることにより、近年の自動車におい
ても、ステアリングホイールの振動を、自動車の走行状
態や停車状態に応じて、安定して低減することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのステアリング
用ダイナミックダンパが取り付けられたステアリングホ
イールを概略的に示す図である。
【図2】図1に示されたステアリング用ダイナミックダ
ンパの単体図である。
【図3】図2に示されたステアリングホイール用ダイナ
ミックダンパの断面図であり、図4におけるIII−I
II断面に相当する図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面図である。
【図5】本実施形態のステアリングホイール用ダイナミ
ックダンパの振動加速度の周波数特性の測定結果を、比
較例と共に示すグラフである。
【図6】本発明の第二の実施形態としてのステアリング
ホイール用ダイナミックダンパの単体図である。
【図7】図6におけるVII−VII断面図である。
【図8】図6におけるVIII−VIII断面図であ
る。
【図9】図6におけるIX−IX断面図である。
【図10】図6に示されたダイナミックダンパに採用さ
れている弾性連結部材の単品図である。
【符号の説明】
10 ダイナミックダンパ 20 ブラケット 22 ダンパマス 24 弾性連結部材 26 副振動系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D030 DB00 DB07 DC22 3J048 AA06 AD06 BA05 BA19 BF02 EA36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のステアリングコラムまたはステ
    アリングホイールに装着されて、該ステアリングホイー
    ルの振動を低減するステアリング用ダイナミックダンパ
    において、 前記ステアリングコラムまたは前記ステアリングホイー
    ルに固着されるブラケットに対してマス部材をバネ部材
    で弾性的に支持せしめることによって構成された副振動
    系を、互いに独立して複数設けて、それら複数の副振動
    系の少なくとも一つの固有振動数を20〜30Hzのア
    イドリング振動周波数にチューニングすると共に、それ
    ら複数の副振動系の他の少なくとも一つの固有振動数を
    30Hzより大きなステアリング系固有振動数にチュー
    ニングしたことを特徴とするステアリング用ダイナミッ
    クダンパ。
  2. 【請求項2】 前記ステアリングホイールにおける強度
    部材が、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金
    属によって形成されている請求項1に記載のステアリン
    グ用ダイナミックダンパ。
  3. 【請求項3】 アイドリング振動周波数とステアリング
    系固有振動数にそれぞれチューニングした前記各副振動
    系における前記バネ部材を、何れも、前記ステアリング
    ホイールの中心軸に直交する方向で剪断変形せしめられ
    るゴム弾性体によって形成した請求項1又は2に記載の
    ステアリング用ダイナミックダンパ。
  4. 【請求項4】 アイドリング振動周波数とステアリング
    系固有振動数にそれぞれチューニングした前記各副振動
    系におけるゴム弾性体において、前記ステアリングホイ
    ールの中心軸に直交する方向の断面形状を円形断面とし
    た請求項3に記載のステアリング用ダイナミックダン
    パ。
  5. 【請求項5】 前記ブラケットと前記マス部材の対向方
    向において、前記ゴム弾性体の弾性主軸を、該マス部材
    の慣性主軸に略一致させた請求項3又は4に記載のステ
    アリング用ダイナミックダンパ。
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