JP3591170B2 - セラミックス放電ランプ、ランプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショートアーク型のセラミックス放電ランプ、並びに、このランプを光源とするランプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スカンジウム(Sc)やジスプロシウム(Dy)等の金属ハロゲン化物を放電媒体として気密封入する放電ランプにおいては、気密容器であるバルブに透光性セラミックス(Al2O3等)が用いられるようになってきている。これは、バルブ材料として従来から広く用いられている石英ガラスに比べ、耐熱性が高く、かつ、結晶構造を有するために封入物との反応が少ないという透光性セラミックスの特性が評価され、高効率で高寿命という性能が期待できるからである。
【0003】
一方、透光性セラミックスという材料自体も年々研究開発が進められており、10%程度だった光透過率も近年では80%程度まで向上している。このため、電極間のギャップについても、バルブの透過率が低かった時代には電極間ギャップが広いロングアークが不可欠であったのに対し、近年では電極間ギャップが5mm以下というようなショートアーク型の放電ランプが実用化されるに至っている。このようなショートアーク型の放電ランプは、高輝度、高演色という優れた特性を有し、なおかつ点光源としての用途も期待できるため、その性能の益々の向上が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、高圧ナトリウムランプ等の放電ランプにおけるバルブの形状としては、放電空間の部分が球形状に形成され、その両側から電気導入体を導くための直管形のパイプが延出するような形状となっている。ところが、このようなバルブ形状では、球形状部材と直管形パイプとの接合部が曲率を持ち、この周辺では結晶粒径が不均一であるために強度が落ちてしまい、この部分が破壊されやすいという問題がある。このようなバルブの破壊や強度劣化は、ショートアーク型放電ランプで特に顕著に生ずる。その理由を次に説明する。
【0005】
まず、ショートアーク型の放電ランプは、高輝度であるという特性の裏返しとして内圧および温度が高くなりやすく、バルブの寿命を縮めやすいという問題を本来的に持っている。この場合、高温になるのは電極の周辺、つまり、従来形状のバルブにおいて強度が弱い部分である。これが、ショートアーク型の放電ランプにおいてバルブの破壊や強度劣化が顕著に生ずる一つの理由である。別の理由として、多結晶構造であるセラミックスは、結晶粒径が小さいと強度が向上する反面透光性が落ち、結晶粒径が大きくなると透光性が向上する反面強度が落ちるという性質を持っている。このため、ショートアーク型の放電ランプは、その性質上バルブに高い透光性を求めることから、本来的にバルブの強度を犠牲にしている面がある。これが、ショートアーク型の放電ランプにおいてバルブの破壊や強度劣化が顕著に生ずるもう一つの理由である。
【0006】
このようなことから、電極間ギャップが狭まれば狭まるほど気密容器の肉厚を厚くしてその強度を確保する必要がある。ところが、気密容器の肉厚が厚くなると、気密容器自体の熱容量が増大し、ランプ特性が劣化するという問題がある。つまり、一定電圧下においては気密容器内に生ずる最冷部の温度が低下してランプ効率が悪くなったり、また、始動直後の光出力の立ち上がりが遅くなったり、さらには、始動性が低下したりするという問題である。そこで、気密容器の強度とランプ特性とのバランスという観点から気密容器の肉厚を設定し、気密容器の極端な強度低下やランプ特性の極端な劣化を防止する必要があるが、ある程度以上に電極間ギャップが狭くなると、気密容器の強度とランプ特性とをバランスさせることができなくなってしまう。
【0007】
一方、高圧放電ランプにおいて、放電空間の部分を球形状とせずにパイプ形状としたようなバルブが知られている。このようなバルブは、例えば、特開昭64−84564号公報、特公平3−1777号公報および特開平6−196131号公報に開示されている。これらの各公報に記載されたバルブは、いずれも、放電空間を形成するためのパイプ状部材の両端に直管形パイプを固定したような形状となっている。固定の手法としては、フリットガラスによる封止(特開昭64−84564号公報)、焼き嵌め(特公平3−1777号公報)という手法が紹介されている。ところが、これらの各公報に記載されたバルブは、いずれも、パイプ状部材と直管形パイプとの接合部の強度が弱く、ショートアーク型のセラミックス放電ランプに用いるには不都合である。特に、パイプ状部材と直管形パイプとをフリットガラスにより封止した場合には、フリットガラスが放電空間に近いため、放電空間に封入された放電媒体と反応し、この部分における気密性が維持できなくなってしまうという問題もある。
【0008】
また、上記と別の問題として、セラミックス放電ランプではバルブの両端を栓体で封止する必要があるの対し、製造時に栓体の位置決めが困難で製造が難しいという問題もある。つまり、栓体は、バルブ両端の開口部分に挿入された状態でソルダにより固定されるのが一般的であるが、この場合にバルブに対する栓体の位置決め基準がないために、その作業が困難かつ煩雑である。しかも、バルブに対して栓体を均一に封止することが困難なため、放電空間の容積が一定せず、製造誤差が大きいという問題も派生する。
【0009】
本発明の目的は、ランプ特性を低下させることなく気密容器の耐久性を向上させることができ、さらに、製造が容易で歩止まりが良好なショートアーク型のセラミックス放電ランプ、これを用いたランプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタを得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のセラミックス放電ランプは、透光性セラミックスにより一体に形成され、発光部に対応する部分の内周面が段差をもって径小部となった円筒状の気密容器と;気密容器内に封入された放電媒体と;気密容器の内周面に形成された段差を基準として気密容器の両端部を気密に封止し、気密容器の内部に発光部に対応する放電空間を形成する一対の栓体と;一対の栓体にそれぞれ支持された電気導入体の先端に設けられ、放電空間内で5mm以下のギャップで対向配置された一対の電極と;を具備する。
【0011】
ここで、「透光性セラミックス」としては、透光性のアルミナ、YAG、サファイア等が用いられ、透過率が高いことが望ましい。「一体に形成」というのは、一部材だけで形成されていることを意味し、したがって、複数部材が結合されて一体的に形成されているようなものは許容しない。「径小部」は、例えば、型成型や径小部以外の部分の切削加工等によって形成される。このような内容の「気密容器」は、例えば、長さ40mm前後、直径5.5mm前後、内径2.5mm前後、径小部の肉厚1.5mm前後および径小部以外の部分の肉厚1.0mm前後というような寸法に形成される。
【0012】
「放電媒体」として気密容器内に封入されているのは、例えば、適用のHg及びバッファガスとしてのアルゴン、キセノン等の希ガスである。この場合、希ガスの封入量は、数百torr程度である。放電媒体中には、用途に応じ、Li等の金属やDy2I等のメタルハライドが封入されていても良い。
【0013】
「栓体」は、例えば、アルミナによって形成されている。このような栓体は、気密容器の内周面に形成された段差を基準として位置決めされた後、例えばフリットガラスによって気密容器の両端部に固定されている(請求項3)。この場合、フリットガラスは放電空間から遠い位置に位置するため、放電空間に封入された放電媒体と反応しにくく、したがって、気密性が損なわれにくい。
【0014】
「電極」および「電気導入体」の材料としては、例えば、タングステンが用いられる。そして、二つの電極間のギャップは、5mm以下、望ましくは1.2〜1.5mmである(請求項2)。このようなショートアークであれば、高い発光輝度が得られ、演色性も高い。
【0015】
したがって、請求項1記載のセラミックス放電ランプでは、放電空間内の放電破壊によって放電媒体が発光すると、気密容器における電極の周辺部が発熱する。この場合、電極間ギャップが5mm以下というショートアーク型であるが故に発熱量が多く、気密容器に対するストレスが増大する。しかも、ショートアーク型という構造上、気密容器には高い透光性が要求されるので、気密容器の材料である透光性セラミックスとして結晶粒径が大きなものを用いざるをえず、したがって、気密容器の強度が低下しがちである。これに対し、気密容器は、円筒状をしているので部分的に結晶構造が変化して強度が劣化するような部位を持たず、また、一体に形成されているので強度が劣化する結合部分を持たず、さらに、最も高温になる発光部に対応する部分が径小部に形成されているのでこの部分の強度が向上する。これにより、気密容器の耐久性が懸念されるショートアーク型のセラミックス放電ランプであっても、気密容器に十分な耐久性が維持される。
【0016】
また、気密容器の発光部に対応しない部分では、気密容器の肉厚が薄くなるためにその熱容量が減少し、ランプ特性が良好になる。つまり、ランプ効率が向上し、始動直後の光出力の立ち上がりが速くなり、始動性が良好になる。
【0017】
さらに、栓体は、気密容器の内周面に形成された段差を基準として位置決めされた後、気密容器に固定される。このため、そのための作業が容易で栓体の位置決め精度も出しやすくなるため、放電空間の容積にバラツキが少なくなり、歩留まりが向上する。
【0018】
請求項4記載のランプ装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス放電ランプと;セラミックス放電ランプからの光を所定の方向に反射する反射鏡と;を具備する。したがって、セラミックス放電ランプからの光が反射鏡を反射し、所定の方向に導かれる。この場合、反射鏡にセラミックス放電ランプの一端が保持されているような構造であれば、セラミックス放電ランプの熱が反射鏡を通して外部に効率的に放熱される。
【0019】
請求項5記載の点灯装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス放電ランプと;セラミックス放電ランプの一対の電極にランプ電力を給電して安定的に点灯させる点灯回路と;を具備する。
【0020】
請求項6記載の液晶プロジェクタは、請求項5記載の点灯装置と;液晶駆動装置により駆動される液晶表示パネルと;点灯装置が備えるセラミックス放電ランプからの光を制御して液晶表示パネルを通してスクリーンに投光する光学系と;点灯装置、液晶駆動装置、液晶表示パネルおよび光学系を収容すると共に、液晶表示パネルを透過した光をスクリーンに投光させる開口が形成された筐体と;を具備する。
【0021】
したがって、請求項5記載の点灯装置および請求項6記載の液晶プロジェクタは、請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス放電ランプを具備しているので、これらの各請求項と同様の作用効果を奏する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1(a)はセラミックス放電ランプの縦断側面図、図1(b)は発光時のその温度分布を示すグラフである。
【0023】
セラミックス放電ランプ1は、概略的には、円筒状の気密容器2の両端が一対の栓体3で封止されて気密容器2の内部に図示しない放電媒体を封入する放電空間4が形成され、この放電空間4内に一対の電極5が位置するように各電極5と連なり導通する電気導入体6が栓体3に支持されて形成されている。
【0024】
気密容器2は、アルミナやYAG等の透光性セラミックスによって一体に形成されている。「一体に」というのは、一部材だけで形成されていることを意味する。つまり、複数部材が結合されて一体的に形成されているような構造ではない。また、気密容器2の材料である透光性セラミックスとしては、結晶粒径が大きな80%程度の光透過率を持ったものが用いられている。そして、気密容器2は、発光部LPに対応する部分の内周面が段差をもって径小部2aとなった円筒状に形成されている。このような径小部2aは、例えば、型成型や径小部2a以外の部分の切削加工等によって形成されている。このような内容の「気密容器」は、長さ40mm、直径5.5mm、内径2.5mmおよび径小部2aの肉厚1.5mmというような寸法で形成されている。径小部2a以外の部分の肉厚は、1.0mm程度である。
【0025】
放電媒体として気密容器2の内部に封入されているのは、例えば、適用のHg及びバッファガスとしてのアルゴン、キセノン等の希ガスである。この場合、希ガスの封入量は、数百torr程度である。放電媒体中には、用途に応じ、Li等の金属やDy2I等のメタルハライドが封入されていても良い。
【0026】
栓体3は、例えば、気密容器2の内径よりも僅かに小径のアルミナによって形成され、気密容器2の内周面に形成された小径部2aの段差を基準として位置決めされた後、フリットガラス7によって気密容器2の両端部に固定されている。気密容器2と栓体3との間に入り込んでいるフリットガラス7は、気密容器2の端部近傍だけである。したがって、気密容器2と栓体3との間のそれ以外の部分には、約50μm程度の微小空間8が形成されている。
【0027】
電極5および電気導入体6は、タングステンによって形成されている。二つの電極5の間のギャップGは、1.2〜1.5mm程度に設定されている。
【0028】
このような構成において、電気導入体6を通じて一対の電極5に図示しない始動回路からランプ電力を給電すると、放電空間4の内部に放電破壊が生じ、これによって放電媒体が発光する。この際、一対の電極5の間のギャップGが1.2〜1.5mmと極めて狭いため、高輝度で高演色というショートアーク型放電ランプの特性が発揮され、また、点光源としての使用可能性も広がる。
【0029】
一方、ショートアーク型放電ランプのマイナス特性である発光時の発熱量の増大を原因として、気密容器2においては電極5の周辺部の温度が上昇し(図1(b)参照)、気密容器2に対するストレスが増大する。しかも、ショートアーク型という構造上、気密容器2には高い透光性が要求されるので、気密容器2の材料である透光性セラミックスとして結晶粒径が大きなものを用いざるをえず、したがって、気密容器2の強度が低下しがちである。これに対し、本実施の形態のセラミックス放電ランプ1では、気密容器2が円筒状をしているので部分的に結晶構造が変化して強度が劣化するような部位が発生せず、また、気密容器2が一体に形成されているので強度が劣化する結合部分を持たず、さらに、最も高温になる発光部に対応する気密容器2の部分が径小部2aとされているので、この部分の強度が向上する。これにより、気密容器2に十分な耐久性が維持される。
【0030】
また、気密容器2の発光部に対応しない部分では、気密容器2の肉厚が薄くなるためにその熱容量が減少し、ランプ特性が良好になる。つまり、ランプ効率が向上し、始動直後の光出力の立ち上がりが速くなり、始動性が良好になる。
【0031】
さらに、栓体3は、気密容器2の内周面に形成された小径部2aのための段差を基準として位置決めされた後、気密容器2に固定される。このため、気密容器2の両端を栓体3で封止する際の作業が容易になり、栓体3の位置決め精度も出やすい。これにより、放電空間4の容積にバラツキが少なくなり、歩留まりが向上する。
【0032】
本発明の第3の実施の形態を図2に基づいて説明する。図2は、図1に示すセラミックス放電ランプを具備するランプ装置をその点灯装置と共に示す縦断側面図である。
【0033】
本実施の形態のランプ装置11は、セラミックス放電ランプ1を椀状をした反射鏡12の縮径内底部上において同心上に取り付けたランプ装置11である。
【0034】
反射鏡12は、ガラスまたは金属により碗状に形成された部材であり、その焦点位置を有する回転曲面の内面に多層干渉膜のダイクロックミラー膜12aを備える。これにより、赤外線を反射鏡12の背面側へ透過させる一方、可視光を透光口12b側へ反射させるように構成されている。
【0035】
反射鏡12の椀状底部のほぼ中心軸部には、その厚さ方向に貫通するように取付孔12cが形成されている。この取付孔12cには、セラミックス放電ランプ1の一端に外嵌固定したキャップ13の縮径端部13aが嵌入固定されている。ここで、キャップ13は、熱伝導効率が良好な素材を筒状に形成した部材であり、セラミックス放電ランプ1の一端に外嵌された状態で、電極5に連なる電気導入体6に電気的に接続された外部電極端子14aの回りの空間に充填された接着剤15によって固着されている。そして、キャップ13の先端部は、反射鏡12の取付孔12cを挿通する直径に縮径され、さらに、その取付孔12cより突出する外端部にはねじ山が連設されたねじ部13bが形成されている。そして、キャップ13の端部からは、外部電極端子14aに電気的に接続された球状の電気端子16が突出している。
【0036】
ここで、セラミックス放電ランプ1は、反射鏡12の背面側で、キャップ13のねじ部13bに止めナット17が強く締め付けられることにより反射鏡12に強固に固定されている。
【0037】
そして、セラミックス放電ランプ1のもう一方の電極5に連なる電気導入体6に電気的に接続された外部電極端子14bに電気的に接続されたアウタリード線18bが設けられ、このアウタリード線18bは、反射鏡12の一部に形成された導入孔19を貫通して背面側に導かれ、点灯回路20の一方の出力端に接続されている。点灯回路20の他方の出力端には、アウタリード線18aを介してセラミックス放電ランプ1の一方の電極5に導通する電気端子16が接続されている。
【0038】
したがって、点灯回路20から所定のランプ電力が一対のアウタリード線18a,bを介して電極5に安定的に供給されることで、セラミックス放電ランプ1が点灯する。この際、セラミックス放電ランプ1の気密容器2は優れた耐熱性を有するため、ランプ装置11の耐久性が向上する。
【0039】
本発明の第4の実施の形態を図3に基づいて説明する。図3は、図2に示すランプ装置を具備する液晶プロジェクタの縦断側面図である。したがって、第3の実施の形態と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。
【0040】
液晶プロジェクタ31は、ランプ装置11の投光前方に、例えばカラー等の液晶パネル32と光学系としての投光レンズ33とを設置し、液晶表示パネル32の表示される映像をスクリーン34上に投影するものである。また、点灯回路20を含むランプ装置11、液晶表示パネル32、この液晶表示パネル32を駆動する液晶駆動装置35は、筐体36内に収容されている。この筐体36は、投光レンズ33を通して投影される映像を通過させるための開口37を備える。
【0041】
したがって、液晶プロジェクタ31に用いられているランプ装置11は、優れた耐熱性を有する気密容器2を備えたセラミックス放電ランプ1を使用するので、ランプ装置11のライフサイクルが長くなり、その交換頻度が少なくなる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、気密容器の耐久性に過酷な条件を強いるショートアーク型のセラミックス放電ランプにおいて、気密容器を円筒形状とすることで、部分的に結晶構造が変化して強度が劣化するような部位を気密容器に生じさせないようにすることができ、また、気密容器を透光性セラミックスにより一体に形成することで、強度が劣化する結合部分を気密容器に生じさせないようにすることができ、さらに、気密容器の発光部に対応する部分の内周面を段差をもって径小部とすることで、気密容器において最も強度が必要な発光部の強度を高めることができ、したがって、気密容器に十分な耐久性を持たせることができる。また、気密容器の肉厚が薄くなる気密容器の発光部に対応しない部分において気密容器の熱容量を減少させることができ、したがって、ランプ特性を良好にすることができる。さらに、気密容器の両端を栓体で封止する際、径小部のために形成された気密容器内周面の段差を栓体の位置決め基準とすることができ、そのための作業を容易にして製造の容易化を図ることができる。この場合、栓体の位置決め精度が向上するために放電空間の容積のバラツキを少なくすることができ、したがって、歩留まりを向上させることができる。
【0043】
請求項2記載の発明は、電極間ギャップを1.2〜1.5mmに設定したので、気密容器の耐久性を損なうことなく、高輝度で高演色というショートアーク放電ランプの特性を存分に発揮させることができる。また、点光源としての使用可能性を持たせることができる。
【0044】
請求項3記載の発明は、栓体をフリットガラスによって気密容器の両端部に固定したので、フリットガラスは放電空間から遠い位置に位置するために放電空間に封入された放電媒体と反応しにくいため、気密性を損なうことなく確実に栓体を固定することができる。
【0045】
請求項4記載のランプ装置、請求項5記載の点灯装置および請求項6記載の液晶プロジェクタは、請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス放電ランプを具備しているので、これらの各請求項と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)はセラミックス放電ランプの縦断側面図、(b)は発光時のその温度分布を示すグラフである。
【図2】本発明の第2の実施の形態として、図1に示すセラミックス放電ランプを具備するランプ装置をその点灯装置と共に示す縦断側面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態として、図3に示すランプ装置を具備する液晶プロジェクタの縦断側面図である。
【符号の説明】
1 セラミックス放電ランプ
2 気密容器
2a 径小部
3 栓体
4 放電空間
5 電極
6 電気導入体
7 フリットガラス
11 ランプ装置
12 反射鏡
20 点灯回路
31 液晶プロジェクタ
32 液晶表示パネル
33 光学系
34 スクリーン
35 液晶駆動装置
36 筐体
37 開口
Claims (6)
- 透光性セラミックスにより一体に形成され、発光部に対応する部分の内周面が段差をもって径小部となった円筒状の気密容器と;
気密容器内に封入された放電媒体と;
気密容器の内周面に形成された段差を基準として気密容器の両端部を気密に封止し、発光部に対応する気密容器の内部に放電空間を形成する一対の栓体と;
一対の栓体にそれぞれ支持された電気導入体の先端に設けられ、放電空間内で5mm以下のギャップで対向配置された一対の電極と;
を具備することを特徴とするセラミックス放電ランプ。 - 電極間ギャップが1.2〜1.5mmであることを特徴とする請求項1記載のセラミックス放電ランプ。
- 栓体はフリットガラスによって気密容器の両端部に固定されていることを特徴とする請求項1記載のセラミックス放電ランプ。
- 請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス放電ランプと;
セラミックス放電ランプからの光を所定の方向に反射する反射鏡と;
を具備することを特徴とするランプ装置。 - 請求項1ないし3のいずれか一記載のセラミックス放電ランプと;
セラミックス放電ランプの一対の電極にランプ電力を給電して安定的に点灯させる点灯回路と;
を具備することを特徴とする点灯装置。 - 請求項5記載の点灯装置と;
液晶駆動装置により駆動される液晶表示パネルと;
点灯装置が備えるセラミックス放電ランプからの光を制御して液晶表示パネルを通してスクリーンに投光する光学系と;
点灯装置、液晶駆動装置、液晶表示パネルおよび光学系を収容すると共に、液晶表示パネルを透過した光をスクリーンに投光させる開口が形成された筐体と;を具備することを特徴とする液晶プロジェクタ。
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