JP2006093045A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 完成した放電ランプが自動車用などの反射鏡と組み合わせ使用した場合に発光部が小さく、配光分布などの光学設計が容易で発光特性やランプ特性が満足できる高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 可視光領域における平均直線透過率がT1 %の多結晶アルミナ製の内部全長L1が4〜9mm、内径L2が2〜6mm、肉厚t1が0.2〜2mmの筒状の容器本体の両端に、小径円筒部を有する平均直線透過率がT2 %の多結晶アルミナ製の円板状のエンドキャップを焼嵌めにより気密接合して内部に放電空間を形成し、上記平均直線透過率T1 、T2 の関係がT1 ≧15%>T2 の条件を満たすよう構成された放電容器を備えた高圧放電ランプL1およびこの放電ランプL1を用いた照明装置8である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透光性セラミックスである多結晶アルミナ製の放電容器からなる発光管内に金属ハロゲン化物を封入した高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた車両用前照灯などの照明装置に関する。
高圧放電ランプ、例えばメタルハライドランプは、建造物、道路、広場や競技場などの広域照明用をはじめ店舗や車両などの照明用の他、オーバヘッドプロジェクタや液晶プロジェクタなどの光学機器用の光源として広く使用されている。
メタルハライドランプは、発光管内に電極構体および金属ハロゲン化物、水銀および希ガスなどからなる放電媒体を封入した放電ランプであって、封入金属原子のスペクトル線や金属ハロゲン化物の分子スペクトルの発光を利用して、水銀ランプなどに比べて高い発光効率、相関色温度や演色性を得ることができるランプである。
このメタルハライドランプは発光管容器内に、発光金属としてNa、In、Tl、Li、Csなどの金属あるいはDy、Ho、Tm、Sc、Nd、Ceなどの希土類金属がヨウ素や臭素などのハロゲン化物として、また、これらハロゲン化物とともに必要に応じHgが封入され、高い発光効率または所望のランプ特性で点灯するよう構成している。
また、近時、メタルハライドランプの用途も拡大し、発光管の点灯方向が多様化し、例えば自動車の前照灯などに用いる場合は発光管の長手方向が水平方向の状態で点灯される。このため、放電空間内に対向配設された電極間に発生するアークは、対流現象によって中心部が電極間を結ぶ線より上昇した湾曲状をなし、発光管の容器中央部の温度上昇を来たしランプの特性が大きく変化して効率の低下や照射面に色むらを生じたり、ランプの立ち消えや短寿命などの不具合を招くことがあった。
このようなことから、上記金属ハロゲン化物との反応が石英ガラスより少なく耐蝕性および耐熱性に優れた透光性セラミックス製の材料からなる小形化した発光管用の放電容器が開発されている。
例えば、細径、短小化した透光性セラミックス容器からなる発光管内に、発光金属としてハロゲン化物を封入した自動車前照灯用のアークチューブ(発光管)が特許文献1に記載されている。
この特許文献1には、第1に透光性セラミックスからなる発光管の外径と全長との比率を規制することによって発光管をコンパクト化しても、熱変形や熱劣化することがなく所望の光束が得られると記載されている。
第2に発光管を形成する透光性セラミックスの平均直線透過率および全光束透過率を規制している。すなわち、発光管容器を、平均直線透過率が20%以下で全光線透過率が85%以上の乳白色の外観とすることによって、発光管からの出射光を拡散させ管全体が比較的に均一に発光して輝度むらや色むらなどの発生のない発光部を形成できると記載されている。
しかしながら、上述したように発光管容器の平均直線透過率が20%以下で乳白色の外観をしている場合は、発光管全体を均一に発光することができる利点はあるが、発光部が大きくなって点光源として許容されない場合がある。
特に、自動車用前照灯などの反射鏡は焦点位置などに発光部を配設して点灯させることによって最適の配光分布特性が得られるよう設計されるので、この発光部が大き過ぎると焦点以外の領域から光が放射されることになり、所望の配光特性を得ることができず、また、光学設計が大変難しくなることがある。
例えば前照灯においてすれ違いビームは、水平線より上方および対向車線に向かう光照射には厳しい制限(規格)があり、発光部が大きいとこれに見合った反射鏡や前面レンズなどの複雑な光学設計を行わなければならず、また、不所望方向への漏光も発生する虞があるので、所望の配光分布特性を確実に得ることが困難となるという不具合がある。
また、平均直線透過率が60〜85%の主に多結晶YAGからなる透光性セラミックス製の発光管容器を用いたメタルハライドランプが特許文献2に開示されている。すなわち、発光管容器中央の平均直線透過率を60〜85%とすることにより集光率を高め照射光の照度むらを防止するとともにランプの発光スペクトルの経時変化を抑制した液晶バックライト用のメタルハライドランプである。
しかし、この特許文献2に示された発光管容器は、発光管の中央が膨出した略球状体の両端部に小径円筒部が一体的に形成して構成されており、この小径円筒部に直接に電極構体がアルミナ製のスリーブを介し接合されるものである。
したがって、球状体端部の開口部が小径であり、直線透過率を60〜85%にするための表面処理が非常に繁雑であり、経済性、量産性などに問題があった。
また、特許文献2のメタルハライドランプのように小径円筒部が一体的に形成された放電容器では発光管軸方向の直線透過率も高いので、同方向への光放射も無視できず自動車用などのランプの場合は好ましくない。
特開2004−103461号公報(段落[0025]欄) 特開平10−255719号公報
本発明は、上述した発光管容器を耐熱性や耐蝕性の高い外観が乳白色のセラミックス材で形成した場合、光拡散性が高くなって自動車用などとして厳しい配光などの発光特性が満足できないことや、平均直線透過率を高めるための放電容器内面の研磨を容易に行い生産性を高めることに対処してなされたものである。
すなわち、容器本体部分とこの本体端部を閉塞するエンドキャップ部分の各セラミックス材の平均直線透過率を選択して材料を選定し、超小形で高効率の発光管放電容器を構成したもので、完成した放電ランプが自動車用などの反射鏡と組み合わせ使用した場合に発光部が小さく、配光分布などの光学設計が容易で発光特性やランプ特性が満足できる高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の高圧放電ランプは、可視光領域における平均直線透過率がT1 %の多結晶アルミナ製の内部全長L1が4〜9mm、内径L2が2〜6mm、肉厚t1が0.2〜2mmの筒状の容器本体の両端に、小径円筒部を有する平均直線透過率がT2 %の多結晶アルミナ製の円板状のエンドキャップを焼嵌めにより気密接合して内部に放電空間を形成し、上記平均直線透過率T1 、T2 の関係がT1 ≧15%>T2 の条件を満たすよう構成された放電容器、相互間隔Dが6mm以下となるように隔て対向配置された一対の電極を有する上記各小径円筒部内に固定された電極構体、上記放電容器内に封入された金属ハロゲン化物および始動ガスを含む放電媒体を有する発光管と、内部にこの発光管を管軸に沿って配設するとともに気密閉塞された外管とを具備していることを特徴としている。
容器本体およびエンドキャップを、微粒子の好ましくは平均粒径が10μm以下の多結晶アルミナまたはこのアルミナを主成分としたセラミックスで形成することにより、他のセラミックスより低コストで製造できるとともに常温からランプ放電時温度に亘り機械的強度を向上できる。すなわち、容器本体のセラミックスの肉厚を薄くすることも可能で、高い平均直線透過率を有する放電容器を得ることができる。
放電容器の主体をなす筒状の本体の可視光領域における平均直線透過率が15%以上で高輝度、高光束を呈し、反射鏡に組み込み用いた場合、アーク像径(発光部)が小さく光拡散が少ないので水平ラインのカットなどが容易に行える。
また、容器本体の端面を閉塞するエンドキャップは、平均直線透過率が本体より低い15%未満のアルミナで形成することにより、発光管軸方向への光放射が阻止抑制され、反射鏡に組み込み用いられる場合に、横広がりなど不所望な方向への光放射を低減することができ、上記と相俟って所望の配光分布特性が得られ易い。
また、筒状の容器本体などの各部寸法は、灯具に入れた際の配光や寿命改善などに基づき決定されるもので、内部全長L1が4mm未満であると例えば自動車用前照灯に最適な灯具配光設計が行える電極間距離(例えばJEL−215(自動車前照灯用HID光源規格)では中心値4.2mm)が確保できなくなどの不具合があり、また、9mmを超えると放電長(電極間距離)に対して放電空間が長くなり過ぎるために、エンドキャップ部にできる両端の最冷部温度が低下して著しい効率低下を来すなどの不具合がある。また、この内部全長L1とは、エンドキャップの内面からの寸法を指すが、内面が連続的の形状の場合は、最も接合部寄りを、非連続的の形状の場合は、最も主にこの内面の面積を決定している部分をいう。
反射鏡を有する灯具では配光制御のために外管に遮光膜を設けるが、外径が9mm以下の場合に十分な配光制御が行われる。最大で外径が12mm程度までならば灯具設計によっては十分な配光制御が可能になる。発光管外径が7mmまでならば発光管と外管との平均の間隔は0.5mm以上となり、内径8mm、肉厚1mm、外径10mmの石英ガラス製の外管に収容したランプを十分製造可能である。
また、発光管外径9mmまでならば内径10mm、肉厚1mm、外径12mmの石英ガラス製の外管に収容した構造になり、設計によっては十分な配光制御が可能になる。
容器本体の内径R1が0.8mm未満であると、電極付近のセラミック管が入力35W超すクラスになるとクラックリークして不点となる不具合が発生する虞があり、また、6mmを越えると効率が低下するなどの不具合がある。
また、容器本体の肉厚t1が0.2mm未満であると、最も温度が高くなる中央部から端部への熱伝導量が制限されるために温度勾配が大きくなり、クラック発生の原因となったり、中央部の温度上昇によるサーマルエッチングが生じるなどの不具合があり、また、2mmを超えると肉厚が増加することによる直線透過率が下がって発光効率の低下などの不具合がある。
本発明者等の実験によれば、上記数値規制範囲内であれば実用上問題はなかったが、寿命と効率のバランスやばらつきなどを考慮すると、容器本体は内部全長L1が5〜8mm、内径R1が2.4〜5mm、肉厚t1が0.25〜0.8mmの範囲が非常に好ましかった。
さらに、多結晶アルミナセラミックス相互の接合手段を焼嵌めによって行うことにより、セラミックペーストやフリットガラスなどの接着剤を用いる場合に比べ耐熱性が高められるだけでなく、接着剤からの不純ガスの発生もなくランプとして光束の低下や短寿命の発生を抑制することができる。
焼嵌めは、原材料の異なった多結晶アルミナを用いたり、成形時の成形圧力を異ならせたアルミナを用いたりあるいは一方を仮焼成しておき両者の収縮率を異ならせておくなどのことにより、焼成時、収縮により両者の接触部に圧力が加わり接触部分が単一相となって気密性の高い強固な接合が行われる。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
発光管の放電容器の主体をなす筒状の容器本体の材料としては、透光性、耐熱性やハロゲン化物からの耐蝕性が高い多結晶アルミナ(アルミニウム酸化物−Al23 )を用い形成する。
多結晶アルミナで筒状の容器本体を形成しているので、イットリウム酸化物(Y23 )や窒化アルミニウム(AlN)などの他の多結晶セラミックスに比べて任意形状の実現が容易で素材コストも低いので製造コストの低減などの利点があり、また、サファイア(Al23 )などの単結晶セラミックスに比べて加工時間の短縮や製造コストの低減などの利点がある。
また、平均直線透過率は高いほど好ましく、30%以上であれば十分に配光面でのグレアが低減でき、50%以上であればグレアのレベルも従来レベルより低くできる。また、セラミック管を用いるので石英管よりも長寿命または高効率化できる。
そして、多結晶アルミナによる上記容器本体は、例えば鋳込み成形、押出し成形や熱間等方圧加圧(HIP)成形などの手段で容易に製造できる。
放電容器の形状は、容器本体が直管状などの円筒形あるいは中央部分が膨出した長円形や球形で両端部が円筒形をしたものからなり、両端の開口部は多結晶アルミナからなる円板状のエンドキャップで気密に閉塞されている。
この円板状のエンドキャップは中央に電極構体を挿通して支持固定する細径の小径円筒部を一体成形によりあるいは別体を焼嵌めにより一体化することにより形成されている。
なお、このエンドキャップをイットリウム酸化物(Y23 )や窒化アルミニウム(AlN)などの多結晶セラミックスで形成した場合は、製造コストの増加や熱膨張係数差を原因とする接合強度の低下などの不具合があり、また、サファイア(Al23 )などの単結晶セラミックスで形成した場合は、直線透過率が高く不所望な発光管軸方向への光放射が増加するなどの不具合がある。
また、容器本体の平均直線透過率を高めるには、研磨によって表面の平滑度を高めたりその肉厚を薄くするなどの手段があり、研磨は内面および外面をダイヤモンドなどを含む粉体を吹き付けや擦らせるなどあるいは砥石などの研磨材(具)を用い機械的に磨くことにより行える。
そして、本発明では容器本体の内外面の少なくとも一面の表面を、凹凸の少ない平滑面とすることにより実現でき、この平滑度が緻密なほど平均直線透過率を高めることができるとともに容器本体が円筒状をしているので研磨作業が容易である。
このセラミックスからなる容器本体の平均直線透過率が15%未満の場合は、内部の高輝度アーク像が薄くなり、一方でアーク以外の発光管容器が明るく見えるため、自動車用前照灯などの場合に配光設計が困難で、配光面での光度が低く、また、迷光(グレア)が多いなどの不具合がある。
この平均直線透過率は、高いほど好ましいが、ばらつきなどを考慮すると最低で15%以上あれば実用上問題はないが、灯具の小形化やグレアのより低減化などを考慮すると30%以上、さらに、これらのレベルを透明ガラスランプ級に近付けることなどを考慮すると50%以上であるのが好ましい。
また、エンドキャップの平均直線透過率が15%以上の場合は、不所望なエンドキャップ方向への光量が増して、グレアや配光面光度低下などの不具合があり、低いほど迷光が少なく好ましいが、ばらつきなどを考慮すると平均10%以下であれば実用上問題はない。
また、本発明でいう平均直線透過率とは、可視光領域(380〜780nm)における直線透過率の平均値である。
一対の電極構体は、棒状体、パイプ状体やコイル状体などに形成され外部から電流を導入するために機能し、容器内のほぼ中心軸上において先端の電極部間が6mm以下の間隔を隔て対峙するよう導入導体が放電容器両端の小径円筒部内を挿通して封装固定されている。
この両電極部間の間隔Dは最大6mmで、6mmを越えると容器サイズが大のため容器温度が低下し効率が下がる。また、所望の配光を得るため灯具が大きくなるなどの不具合の発生があり、また、最低は発光効率の低下のため例えば自動車前照灯用では約2.5mm、液晶プロジェクター用バックライトなどでは約0.7mm程度までで、これらを勘案すると好ましくは3〜5mm程度であった。
材料としてはタングステン(W)、ドープドタングステン、モリブデン(Mo)やニオブ(Nb)やサーメット(金属粉末とセラミックスの焼成体)などの一種または複数種を接続して構成されている。
また、放電電極部としての作用をなす電極構体先端は、表面積を大きくして放熱を良好にするために、必要に応じてタングステン(W)線などからなるコイルを巻装することができる。また、電極構体の小径円筒部の端部から外部に導出した導入導体部分は発光管を支持するのに利用される。
また、この電極構体を小径円筒部内に固定する手段は、放電電極部と離れエンドキャップに比べ温度上昇が低い小径円筒部の開口部においてAl23 、SiO2 やDy23 などの金属酸化物の少なくとも一種類から構成されるフリットガラスからなる接着剤を介し気密接合されている。
放電媒体は、発光金属としてナトリウム(Na)、タリウム(Tl)、インジウム(In)、ツリウム(Tm)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ツリウム(Tm)、スカンジウム(Sc)、ネオジム(Nd)、セリウム(Ce)などの少なくとも一種のハロゲン化物および必要に応じアマルガムを含む水銀Hgが封入されている。
また、ハロゲンとしては、よう素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)またはフッ素(F)のいずれか一種または複数種を用いることができる。また、金属ハロゲン化物の封入量は、容器内容積0.1cc当たり0.2〜20mg程度であるが、発光特性あるいはランプ電力や放電容器の内容積などに応じて決められる。
また、始動および緩衝ガスとしてアルゴン(Ar)、キセノン(Xe)やネオン(Ne)などの希ガスが常温で8kPa〜2000kPa(パスカル)程度封入され、点灯中約500kPa程度以上の圧力を呈する。なお、この希ガスの封入圧力が8kPa未満であると、パッシェン曲線にもあるように放電開始が困難になり、また、2000kPaを超えると始動電圧が高くなって、口金の耐圧を超えてしまう。また、上記キセノン(Xe)を封入したら発光管は、始動直後にキセノン(Xe)の発光により光束の立上がり特性を高めることができる。
外管は、石英ガラス、ほうけい酸ガラスなどの硬質ガラスや半硬質ガラスなどのガラスあるいはセラミックスからなる透光性および耐熱性を有する材料で形成され、外管内は真空雰囲気であっても、窒素(N2 )やアルゴン(Ar)などの希ガスが封入されていてもよい。
また、不所望な方向への光放射を遮蔽するため外管の表面の一部に灰黒色などした耐熱性の被膜を形成したり、発光管の一部を外側から覆う遮蔽体などを配設してもよい。
また、外管内の給電線などに、外管内を清浄にするジルコニウム(Zr)−アルミニウム(Al)合金などのゲッタを設けておくことは構わない。
さらに、本発明の高圧放電ランプは、例えば、自動車などの車両用前照灯装置や光学装置などの照明装置に用いることができる。
請求項2の発明の高圧放電ランプは、容器本体両端の小径円筒部を含む発光管の全長L2(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式L2/P1が、0.5〜1.2の範囲内であることを特徴としている。
発光管の全長L2と、安定時のランプ電力P1との関係を規制することにより、容器端部の接合部(封止部)の温度を制御する作用を奏し、上記関係式L2/P1が、0.5未満の場合には、点灯時に容器端部(接合部)の温度が高くなり過ぎて、接合部からリークが発生する虞があり、また、1.2を超えた場合は灯具が大形化する不具合があり、特に好ましくは0.57〜1の範囲である。
なお、本発明中でいう発光管の全長L2とは、容器本体および本体両側に設けられた小径円筒部先端までの長さ(mm)である。また、安定時のランプ電力P1(W)とは、点灯後にランプ特性が安定する、通常10〜60分点灯後のランプ電力であり、また、後述するランプ投入電力P2(W)とは、ランプ始動直後のランプ電力を意味する。
請求項3の発明の高圧放電ランプは、対向した電極間の中心から小径円筒部先端までの長さL3(mm)が10mm〜20mmの範囲内であることを特徴としている。
上記長さL3(mm)が10mm未満および20mmを超えた場合は、上記請求項2に記載と同様な作用がある。
請求項4の発明の高圧放電ランプは、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式R1/P1が、0.04〜0.30の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式R1/P1が0.04未満の場合は、管壁負荷が増え発光管容器温度が高くなって白濁する虞があり、また、0.30を超えた場合は、最冷部温度が下がり発光効率の低下を招き、特に好ましくは0.06〜0.17の範囲である。
なお、本発明中でいう発光管の容器本体の内径R1(mm)とは、電極構体の電極先端と対向する部位の内径を指す。
請求項5の発明の高圧放電ランプは、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式R1/P1が、0.023〜0.04の範囲内であることを特徴としている。
細径のセラミックス管の内面を高温で白濁させつつ外表面の肉厚部は高い透明度を維持する使い方の内面全体を光る光源とみなす。
上記関係式R1/P1が0.023未満の場合は、容器本体に熱歪みによるクラックを生じる不具合があり、0.04を超えた場合は内面が白濁しないので十分なアーク太さが得られず、良好な配光が得られない。上記関係式R1/P1が好ましいのは内径が1.1mmの場合0.031であった。
請求項6の発明の高圧放電ランプは、発光管の容器本体の内表面積A(cm2 )と、ランプ投入電力P2(W)との関係式P2/Aが、10〜180W/cm2 (好ましくは10〜40W/cm2 )の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式P2/Aは発光管の管壁負荷値を規制したものであって、管壁負荷が10W/cm2 未満の場合は、最冷部温度が下がって発光効率の低下を招き、また、180W/cm2 を超える場合は、容器本体が極度に小形化されていることであって、容器本体の温度が高温となり、セラミックス容器が内面から白濁して透明度が失われる。
また、容器が細く内面が白濁するようなランプタイプでは、45〜180W/cm2 がよく、180W/cm2 を超えると極度に小形化されて容器本体が局部的に高温となり、熱歪みによるクラックが発生し易くなる。
なお、上記管壁負荷を算出する容器本体の内表面積Aとは、容器本体と両エンドキャップで形成される部分の内表面積で、小径円筒部分は含まない内表面積を指す。
請求項7の発明の高圧放電ランプは、円板状をなすエンドキャップの外径R2(mm)と、電極の先端部が接する容器本体の中心軸に直交する仮想平面から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R2/L4が、1.2〜10(好ましくは1.2〜4)の範囲内であることを特徴としている。
エンドキャップの平均直線透過率T2 が15%未満であるため、電極の対向方向への配光は、エンドキャップにより実質遮光されることになる。したがって、エンドキャップと電極構体の配設位置との関係次第で発光管の配光を制御することが可能である。
エンドキャップは焼嵌めにより接合されているので、エンドキャップの容器本体との接合部の電極構体側の先端位置が遮光角に大きく影響する。すなわち、エンドキャップの外径R2(mm)と電極の先端が接する容器本体の中心軸に直交する仮想平面から最も近接したエンドキャップの間隔L4(mm)との関係式R2/L4が1.2以上10未満(好ましくは1.2以上4未満)とすることで、好適な配光特性とランプ強度を確保することができる。
ランプの遮光角は、発光管の一端側において、電極先端とエンドキャップの電極構体側の先端位置とを結ぶ線と、容器本体の中心軸に直交する仮想平面とが交わる角度で表され、この角度は10度以上にする必要がある。
この角度が10度未満となると、放電よって有効に外部へ放射される光が減少し、ランプ効率が減少するためである。この遮光角を10度以上にするためには、関係式R2/L4を10以下にする必要がある。
また、遮光角が60度よりも大きいと、容器本体の中心軸方向に放射される光が多くなり、照明装置の反射手段を用いたときに光学的に遮光する割合が多くなるので好ましくない。
また、遮光角が60度となる発光管の構造は、電極と容器本体の距離が小さくなるか、電極のエンドキャップとの距離が大きくなることになるが、いずれもランプの温度や製造条件的にランプの耐久性が低下するように影響するので好ましくない。この遮光角を60度以下にするためには関係式R2/L4を1.2以上にする必要がある。
なお、上記間隔L4とは、容器本体の中心軸と直交する方向の各部仮想平面を基準面として測定され、突出部が形成されているエンドキャップの場合は突出部の先端面から電極先端面までの間隔を、また、平板状のエンドキャップの場合はエンドキャップの内面から電極先端面までの間隔を指す。
請求項8の発明の高圧放電ランプは、円板状をなすエンドキャップの周縁の突出部内周面と、容器本体の外周面部とが、焼嵌めにより気密接合されていることを特徴としている。
容器本体よりエンドキャップ側の方が高い熱収縮率を有する多結晶アルミナセラミックス材料を用いるなど、焼成時に容器本体端部の外周面を突出部の内周面が外側から圧力を加え締め付けるような状態で接触して強固な接合が行われる。
請求項9の発明の高圧放電ランプは、円板状をなすエンドキャップの外周面部と、容器本体の内周面部とが、焼嵌めにより気密接合されていることを特徴としている。
エンドキャップより容器本体側の方が高い熱収縮率を有する多結晶アルミナセラミックス材料を用いるなど、焼成時に容器本体端部の内周面がエンドキャップの周縁段部の外周面を外側から圧力を加え締め付けるような状態で接触して強固な接合が行われる。
請求項10の発明の高圧放電ランプは、エンドキャップの周縁に形成した突出部の高さL5(mm)と、エンドキャップの肉厚t2(mm)との関係式L5×t2が、0.5〜4の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式L5×t2が0.5未満の場合は、エンドキャップにクラックを生じたり、接合強度不足で接合部にリークを発生する虞があり、また、4を超えた場合は最冷部が発光管端部に形成され発光効率の低下を招く虞がある。
請求項11の発明の高圧放電ランプは、エンドキャップの肉厚t2(mm)と、突出部の肉厚t3(mm)との関係式t3/t2が、0.2〜4の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式t3/t2が0.2未満の場合は、強度不足により突出部にクラックを生じる虞があり、また、4を超えた場合は応力増大によりエンドキャップにクラックを生じる。
請求項12の発明の高圧放電ランプは、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、突出部の肉厚t3(mm)との関係式R1×t3が、1〜16の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式R1×t3が1未満の場合は、突出部または発光管容器にクラックを生じる虞があり、また、16を超えた場合は最冷部温度が低下するため発光効率の低下を招く虞がある。
請求項13の発明の高圧放電ランプは、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、エンドキャップの肉厚t2(mm)との関係式R1×t2が、1〜12の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式R1×t2が1未満の場合は、強度低下および応力が増してエンドキャップにクラックが発生し易くり、また、12を超えた場合は最冷部温度が下がり発光効率の低下を招く虞がある。
請求項14の発明の高圧放電ランプは、エンドキャップの周縁に形成した突出部の肉厚t2(mm)と、この突出部の高さL5(mm)との関係式L5/t2が、1〜4の範囲を満足し、かつ、エンドキャップの外径R2(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R2/L4が1.2〜10(好ましくは1.2〜4)の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式L5/t2が1未満の場合は、最冷部温度が下がり発光効率の低下を招き、また、4を超えた場合は放電空間長さL1が長くなり、著しい発光効率の低下を来す。
また、上記関係式R2/L4の限定理由は、上記請求項7に記載した通りである。
請求項15の発明の高圧放電ランプは、周縁に突出部を形成したエンドキャップの肉厚t3(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式t3/L4が、0.17〜2.5の範囲内であることを特徴としている。
上記関係式t3/L4)が0.17未満の場合は、最冷部温度が下がり発光効率の低下を招き、また、2.5を超えた場合は、立体角が大きくなって、灯具設計が困難になる不具合がある。
請求項16の発明の照明装置は、本体と、本体内に設けられた反射鏡と、反射鏡内に配設された上記請求項1ないし15のいずれか一記載の高圧放電ランプと、この高圧放電ランプに接続された点灯回路装置とを具備していることを特徴としている。
上記請求項1ないし15に記載の作用を奏する高圧放電ランプが装着された自動車用前照灯やプロジェクターなどの照明装置は、所望の配光分布特性が得られるとともに灯具設計の容易化がはかれる。
請求項1の発明によれば、多結晶アルミナの微粒子により高い平均直線透過率を有する放電容器を形成するとともにこの放電容器を含む発光管要部の構成寸法を規制したことにより、超小形化および高効率化がはかれた高圧放電ランプを提供できる。
請求項2の発明によれば、容器本体両端の小径円筒部を含む発光管の全長L2と、安定時のランプ電力P1との関係式L2/P1を規制したことにより、点灯時に容器端部の温度上昇を抑制して接合部からのリークの発生の虞がない長寿命であるとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項3の発明によれば、対向した電極間の中心から小径円筒部先端までの長さL3を規制したことにより、上記請求項2に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項4の発明によれば、発光管の容器本体の内径R1と、安定時のランプ電力P1との関係式R1/P1を規制したことにより、発光管容器の白濁化および最冷部温度の低下抑制がはかれるとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項5の発明によれば、発光管の容器本体の内径R1と、安定時のランプ電力P1との関係式R1/P1を規制したもので、白濁しても容器本体の内径R1が小さいので光拡散が少なく所望の配光特性が得易いとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項6の発明によれば、発光管の管壁負荷値を規制したものであって、所望の発光特性が得られ、容器にクラックの発生の虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項7の発明によれば、エンドキャップの外径R2と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4との関係式R2/L4を規制したものであって、所望の発光特性が得られ、容器にクラックの発生の虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項8の発明によれば、容器本体端部の外周面をエンドキャップ周縁の突出部の内周面が外側から圧力を加え締め付けるような状態で接触して強固な気密接合が行われているとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項9の発明によれば、容器本体端部の内周面がエンドキャップの外周面を外側から圧力を加え締め付けるような状態で接触して強固な気密接合が行われているとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。また、上記請求項8および9の発明では、相互の接合が焼嵌めであり、接着剤を用いる場合に比べ耐熱性が高められるだけでなく、不純ガスの発生もないのでランプとして光束の低下や短寿命の抑制がはかれる。
請求項10の発明によれば、エンドキャップの周縁に形成した突出部の高さL5と、肉厚t2との関係式L5×t2を規制することにより、エンドキャップにクラックを生じたり、接合部にリーク発生の虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項11の発明によれば、エンドキャップの肉厚t2と、突出部の肉厚t3との関係式t3/t2を規制することにより、周縁部に突出部を有するエンドキャップに応力や熱的影響が加わってもクラックを生じる虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項12の発明によれば、容器本体の内径R1と、突出部の肉厚t3との関係式R1×t3を規制することにより、突出部や容器にクラックを生じたり、発光効率の低下を招く虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項13の発明によれば、容器本体の内径R1と、エンドキャップの肉厚t2との関係式R1×t2を規制することにより、エンドキャップにクラックを生じたり、発光効率の低下を招く虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項14の発明によれば、エンドキャップの周縁に形成した突出部の肉厚t2と、この突出部の高さL5との関係式L5/t2およびエンドキャップの外径R2と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4との関係式R2/L4を規制したことにより、発光効率の低下の虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項15の発明によれば、周縁に突出部を形成したエンドキャップの肉厚t3と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4との関係式t3/L4を規制したことにより、発光効率の低下の虞がないとともに上記請求項1に記載と同様の効果を奏する高圧放電ランプを提供できる。
請求項16の発明によれば、上記請求項1ないし15に記載の効果を奏する高圧放電ランプが装着された自動車用前照灯などの照明装置は、所望の配光分布特性が得られるとともに灯具設計の容易化がはかれる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、自動車前照灯用の高圧放電ランプの実施の形態を示す一部断面正面図、図2は図1中の発光管部分を示す拡大縦断正面図、図3は図1中の高圧放電ランプを装着した自動車などの車両用前照灯の灯具の実施の形態を示す一部断面正面図である。
図において、高圧放電ランプLは、発光管1A、この発光管1Aを内部に収容した外管5、外管5を支持するとともに給電をなす一対の給電部材6A,6Bを接続した口金7を主体に構成されている。
上記発光管1Aは、透光性セラミックスからなる円筒状の容器本体11の両端に、円板状の基体部20の周縁に突出部21を形成したセラミックスからなるエンドキャップ2A,2Aを接合した放電容器10と、エンドキャップ2A,2Aの中央から外方に延長された小径円筒部3と、この小径円筒部3内に固定支持された電極構体4と、放電容器1内に放電媒体としてアルゴン(Ar)やキセノン(Xe)などの希ガスを含む始動および緩衝ガスならびに発光金属としてのよう化ナトリウム(NaI)、よう化タリウム(TlI)、よう化インジウム(InI)およびよう化ツリウム(TmI3 )などの金属ハロゲン化物と水銀とを封入して構成されている。
本発明において、上記放電容器10の円筒状の容器本体11を形成するセラミックスは、可視光領域(380〜780nm)における平均直線透過率T1 が15%以上の多結晶アルミナまたは多結晶アルミナを主成分とする材料からなり、全長L1が4〜9mm、内径R1が2〜6mm、肉厚t1が0.2〜2mmで構成されている。
そして、上記容器本体11の長手方向の内部全長L1は、図Aに示すように4mm未満であると例えば自動車用前照灯に最適な配光設計が行える電極間距離が確保できなくなどの不具合がある。また、9mmを超えると放電長(電極間距離)に対して放電空間が長くなり過ぎるために、エンドキャップ2A部にできる両端の最冷部温度が下がって著しく発光効率を低下する不具合がある。
また、容器本体11の肉厚t1は図Bに示すように0.2mm未満であると、最も温度が高くなる中央部から端部への熱伝導量が制限されるために温度勾配が大きくなり、クラック発生の原因となったり、中央部の温度上昇によるサーマルエッチングが生じるなどの不具合があり、また、2mmを超えると肉厚が増加することによって直線透過率の低下により効率が下がるなどの不具合がある。
また、エンドキャップ2Aおよび小径円筒部3は、上記容器本体11を形成するセラミックスより低い平均直線透過率T2 が15%未満の多結晶アルミナまたは多結晶アルミナを主成分とする材料からなり、エンドキャップ2Aの円板状の基体部分21は外径R2が2.3〜10mm、肉厚t2が0.8〜2mmで、この基体部分21の外周縁部から突出した突出部22は突出高さL5が0.5〜2mm、肉厚t3が0.5〜2mmである。また、小径円筒部3は、外径が1.2〜3mm、内径が0.3〜1.2mm、長さが8〜20mmである。
そして、エンドキャップ2Aは突出部22を容器本体11の端部に嵌め込み焼成(焼嵌め)することによって、容器本体11端部の外周面部と突出部22の内周面部とが気密に接合されている。
上記電極構体4,4は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)やニオブ(Nb)などの金属線材料を一種または複数種を直列的に接続した線状の導入導体41を小径円筒部3内を貫通させるとともに容器本体11内に臨む放電電極42とからなり、対向した両放電電極42,42の先端間で発光部が形成され、小径円筒部3の開口部においてガラス接着剤43を介し気密に封止られた対称構造をなし、容器本体11と両側のエンドキャップ2Aおよび小径円筒部3を含む全長L2が20〜50mmとしてある。
上記で小径円筒部3内面と導入導体41外面との間に隙間がある場合は導入導体41にタングステン(W)やモリブデン(Mo)などの細線を巻装して隙間を小さくしておくことが望ましい。また、放電電極部42は、先端にタングステン(W)線を巻装したコイル状電極であってもよい。
外管5は透明な石英ガラスやアルミノシリケートガラスなどからなる円筒状をなし、内部に収容した発光管1Aの両端から導出した導入導体41を直接あるいは導入導体41にガラスとのなじみがよいモリブデンMo線や箔などの金属部材51を介在させ、外管5端部を外部から加熱し収縮させて気密の封止部52,52を形成している。なお、この外管5内は、真空雰囲気あるいは窒素(N2 )やアルゴン(Ar)などが封入された希ガス雰囲気にしてある。また、この外管5の封止部52,52を含む全長は30〜80mm、外径は6〜12mm程度である。
この外管5は、一端側の封止部52近傍に巻装などにより固定した金属バンド70を介し、口金シェル71の凹部72内に環状に設けられた環状の金属片73にスポット溶接などの手段で固定保持されている。
また、外管5の端部から導出した一方の給電部材6Aを構成する上記金属部材51に接続している金属線61は口金シェル71の凹部72内および絶縁体に形成した透孔73を通りその先端は口金7の頂部の端子部材74に溶接やかしめあるいはろう付けにより接続されている。
また、口金7とは反対側の他方の給電部材6Bを構成する上記金属部材51に接続した金属線62は、外管5とほぼ並行して配設され口金シェル71の凹部72に隔壁を隔て設けられた透孔75を通りシェル71の外側面に環状に設けられた他方の端子部材76に溶接やかしめあるいはろう付けにより接続されている。また、外管5外を通る他方の金属線62の露出部はセラミックス製などの絶縁管63で覆われ電気的保護がなされている。なお、77はシェル71の外側端部に設けられたフランジ部である。
また、上記発光管L1と口金7との固定に際しては、例えば口金7のフランジ部77を基準として環状の金属片73上に外管5を抱持した金属バンド70の係止片を載置させ、発光管L1を仮点灯するなどするとともに発光管L1を移動させて焦点位置とのバランスを調整する発光(光源)部の位置合わせをした後、金属バンド70の係止片を環状の金属片73にスポット溶接などで一体化して、高圧放電ランプLが完成される。
図3は上記高圧放電ランプLが装着された自動車などの前照灯用の灯具8である。図中、81は反射鏡で、耐熱性合成樹脂、硬質ガラスまたは金属板などで成形した内面にアルミニウム等の光反射膜(図示しない。)が形成してあり、この反射鏡81の前面開口部には所定の配光特性を呈するよう設計されたレンズに代表される制光体82が設けられている。
そして、反射鏡81背面中央に設けたホルダ83の貫通孔内に上記実施の形態に示す放電ランプLのフランジ部77を挿入して位置決めするとともにフランジ部77の背面をホルダ83に係止したばね部材84により押圧して固定し、口金7にソケット9を接続して灯具8として完成する。
そして、このような構成の灯具8は、発光部と口金7との寸法位置関係の精度が高く、かつ、発光(光源)部と反射鏡81の焦点などとの位置関係の精度を高くできるので、放電ランプLを点灯回路装置(図示しない。)を介し点灯したとき、ばらつきの小さい所定の配光分布特性を得ることができる。
すなわち、上記放電ランプLは、放電容器10の主体をなす本体11の可視光領域における平均直線透過率T1 が15%以上で高輝度、高光束を呈し、反射鏡に組み込み用いた場合、発光管1Aの小形化に伴うアーク像径(発光(光源)部)も小さく光拡散が少ないので水平ラインのカットなどが容易に行え、所望の配光分布特性が得易い。
また、容器本体11の端面を閉塞するエンドキャップ2A,2Aを平均直線透過率T2 が本体11より低い15%未満のセラミックスで形成することにより、すなわち、放電容器10とエンドキャップ2Aの平均直線透過率の関係をT1 ≧15%>T2 とすることにより、発光管1A軸方向への光放射が阻止抑制され、反射鏡に組み込み用いられる場合に、不所望な方向への光放射を低減することができ、所望の配光分布特性が得易くなる。
図4および図5は本発明の発光管の他の実施の形態を示す要部の拡大縦断正面図で、図中、図2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。なお、これら実施の形態に示す発光管も、容器本体11およびエンドキャップが上記実施の形態と同じ条件の平均直線透過率を呈するセラミックスで形成されている。
図4はエンドキャップの形状が図2と異なるもので、円板状をなすエンドキャップ2Bは、容器本体11内に嵌め込まれたキャップ基体部21の外周面部と本体11の内周面部とを嵌め込み焼成(焼嵌め)することによって気密に接合されている発光管1Bである。すなわち、この円板状をなすエンドキャップ2Bは、小径部23と大径部24とを有する周縁に段部25が形成され、容器本体11の端面に大径部24が載置され、本体11内に嵌め込まれた小径部23の外周面部と本体11の内周面部とが焼嵌められることにより気密に接合されている。
また、図5はエンドキャップの形状が異なる発光管1Cの一方のキャップの接合部を示す断面図である。このエンドキャップ2Cの形状は外周面部がストレートであって、容器本体11内に嵌め込まれ、エンドキャップ2Cの外周面部と本体11の内周面部とが焼嵌められることによって気密に接合されている発光管1Cである。
そして、これら図4,5に示す発光管1B,1Cも上記発光管1Aと同様な作用効果を奏することが確認できた。
なお、本発明において、容器本体11とエンドキャップとの接合組み合わせは上記図2,4,5に限らず、例えば図2の形状の容器本体11に図4または図5に示すエンドキャップ2Bまたは2Cを組み合わせてもあるいは図4の形状の容器本体11に図2または図5に示すエンドキャップ2Aまたは2Cを組み合わせするよう、その組み合わせは適宜に行っても、もちろん差し支えない。
そして、上述した各部寸法で構成された高圧放電ランプLについて、本発明者等が実験を繰り返し行った結果、下記の要件を満たすことによりさらに品質の向上がはかれることが判った。
なお、図6ないし図18は各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたものに基づくグラフであって、規制値範囲内のものはもちろん他の要件をも満足しているものである。
すなわち、容器本体11の全長L1(=両端に接合されたエンドキャップ2A,2Aの内面間の間隔(放電空間を指す))を4〜9mmとしたものが用いられる。
図6のグラフは、縦軸に相対発光効率(%)を、横軸に全長L1を対比させたものである。この全長L1が4mm未満の場合は、灯具の配光設計に十分なアーク長が得られない。また、L1が9mmを超えた場合は、発光効率の低下を来し好ましくない。
また、容器本体11の肉厚t1は0.2〜2mmの範囲内がよく、t1が0.2mm未満の場合は、最も高温となる中央部から端部への熱伝導量が制限されるため、温度勾配が大きくなってクラックが発生したり、中央部にサーマルエッチングが起こる原因となる。また、2mmを超えた厚肉の場合は、平均直線透過率が低下して高い発光効率が得られない。
さらに、容器本体11の外径(R1+(2×t1)は、最大9mm以下、好ましくは7mm以下であればよい。
また、容器本体11両端の小径円筒部3,3を含む発光管1Aの全長L2(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式L2/P1を、0.5〜1.2の範囲内とする。
図7のグラフは、縦軸に2000時間後のクラックリークの発生率(%…実線)および発光管1A全長L2(mm…点線)を、横軸に上記関係式L2/P1を対比させたものである。上記関係L2/P1が0.5未満の場合は、電極の先端から容器端部(接合部)の距離が近接し過ぎて、点灯時に容器端部(接合部)の温度が許容値を超え、接合部からリークが発生する虞がある。
また、上記関係L2/P1が1.2を超えた場合は、ランプ全長が現行D2R/S以上に長くなり、結果的に自動車用灯具などの小形化設計が不可能になり、灯具が大形化する不具合がある。
この関係L2/P1が0.57〜1の範囲内ならば、寿命中のリークがJEL−215規格に記載の点灯サイクルで2000時間経過後に1/3以上の高い残存率が確保でき、ランプ全長はJEL−215規格を1mm以上下回ることが可能であり好ましかった。
また、対向した電極間の中心から小径円筒部先端までの長さL3(mm)を10mm〜20mmの範囲内とする。
図8のグラフは、縦軸にJEL−215規定点灯モード寿命1000時間でのクラック発生率(%)を、横軸に上記長さL3を対比させたものである。上記対向した電極間の中心から小径円筒部先端までの長さL3が10mm未満の場合は、電極の先端から容器端部(接合部)の距離が近接し過ぎて、点灯時に容器端部(接合部)の温度が許容値を超え、接合部からリークが発生する虞がある。
また、上記長さL3が20mmを超える場合は、ランプ全長が現行D2R/S以上に長くなり、結果的に自動車用灯具などの小形化設計が不可能になり、灯具が大形化する不具合がある。
また、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式R1/P1を0.04〜0.30の範囲内とする。
図9のグラフは、縦軸に相対白濁量(実線)および相対効率(%…点線)を、横軸に上記関係式R1/P1を対比させたものである。上記関係式R1/P1が0.04未満の場合は、発光管容器の内径が小さくなり過ぎて管壁負荷が増え、発光管容器温度が高くなって白濁する結果、拡散により見かけ上のアーク太さが大きくなり、配光が乱れる虞がある。
また、上記の関係R1/P1が0.30を超えた場合は、内径が大きくなり過ぎるため最冷部温度が下がり発光効率の低下を招き、これらを勘案すると0.06〜0.17の範囲が好ましかった。
また、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式R1/P1を、0.023〜0.04の範囲内とする。
図10のグラフは、縦軸に相対白濁量(実線)およびJEL−215規定点灯時間1000時間でのクラック発生率(%…点線)を、横軸に上記関係式R1/P1を対比させたものである。
ランプの初期点灯で発光管容器の内表面が白濁し、拡散により見かけ上のアーク太さが大きくなり、自動車用灯具などにおいて配光が乱れる虞がある。しかし、内径が小さいため、白濁しても自動車用灯具などの配光設計に必要な上限のアーク太さ(例えば35Wランプで約1.35mm前後)を満足できる。最適には内径1.1mmが最も灯具の配光制御がし易い。
上記関係R1/P1が0.023未満の場合は、内径が小さくなり過ぎて電極先端部が対面する容器面が電極と近接し過ぎるため、電極からの赤外線放射により容器本体の温度が局部的に高温となる。そして、容器本体の周囲の部分との温度差が大きくなって、容器本体に熱歪みによるクラックを生じるという不具合がある。
また、上記の関係R1/P1が0.04を超えた場合は、発光管容器の内表面が白濁し難くなるため、出荷前エージングによる白濁でアーク太さを大きくする効果が失われるため問題である。
また、発光管の容器本体の内表面積A(cm2 )と、ランプ投入電力P2(W)との関係式P2/Aを、10〜180W/cm2 の範囲内とする。
この発明は発光管の管壁負荷値を規制したものである。図11のグラフは、縦軸にJEL−215規定点灯時間1000時間でのクラック発生率(%…実線)、相対効率(%…点線)および相対白濁量(一点鎖線)を、横軸に上記関係式P2/Aとを対比させたものである。
上記関係管壁負荷P2/Aが10W/cm2 未満の場合は、発光管の最冷部温度が下がって発光効率の著しい低下を招く不具合がある。また、P2/Aの関係が180W/cm2 を越している場合は、容器本体が極度に小形化されていることであって、容器内面部分と電極先端部分とが近接し過ぎているため電極からの赤外線放射により容器本体の温度が局部的に高温となる。そして、容器本体の周囲の部分との温度差が大きくなって、容器本体に熱歪みによるクラックを生じるという不具合がある。
また、上記P2/Aの関係が好ましい範囲は10〜40W/cm2 であって、このP2/Aの関係が40〜80W/cm2 の場合に、白濁を生じることがあるがクラックは発生せず、内径が小さい発光管を設計するとき、白濁しても自動車用灯具の配光設計に必要な上限のアーク太さ(例えば35Wランプで約1.35mm前後)を満足できることもある。
また、円板状をなすエンドキャップの外径R2(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R2/L4を、1.2〜10とする。(なお、上記L4の正確な間隔は上述した説明に基づく。)
良好な灯具配光を得るためには、最も有効に利用している方向の光がむらなく放射されるようにランプのアーク放電形状は方向を変えて観察しても急激な形状変化がなく、連続的な変化を示す必要がある。
容器本体とエンドキャップとの接合部では部材の厚さや形状が変化するため、連続的な変化にならない場合がある。この問題を低減するため、最も有効利用する放射方向である、両電極間の領域と、発光管軸と直交する電極先端平面となす角度が接合部方向に0〜10度の領域とに、エンドキャップがない構成(R2/L4<2.5)とした。
図12のグラフは、縦軸にリーク発生率(%…実線)および相対効率(%…点線)を、横軸に上記関係式R2/L4とを対比させたものである。
最適には0〜26度(R2/L4<1)がより有効に放射を利用できる。一方、60度以上(R2/L4>0.3)では、結果的に突出が短い場合は内径が小さい、突出が長い場合はエンドキャップ間(放電空間=L1)が長い寸法設計となり、前者では電極付近の容器温度の上昇による容器のクラックが、後者では容器端部の温度低下による効率の低下が生じるため採用できない。
また、エンドキャップの周縁に形成した突出部の高さL5(mm)と、エンドキャップの肉厚t2(mm)との関係式L5×t2を、0.5〜4の範囲内とする。
図13のグラフは、縦軸にクラック発生率(%)を、横軸に上記関係式L5×t2を対比させたものである。上記関係L5×t2が0.5未満の場合は、温度勾配や強度不足などのためエンドキャップにクラックを生じたり、接合強度不足で接合部にリークを発生する虞がある。
また、上記の関係L5×t2が4を超えると、熱容量が増すため最冷部が発光管端部に形成され発光効率の低下を招く虞がある。
また、エンドキャップの肉厚t2(mm)と、突出部の肉厚t3(mm)との関係式t3/t2を、0.2〜4の範囲内とする。
図14のグラフは、縦軸にクラック発生率(%…実線)および相対効率(%…点線)を、横軸に上記関係式L5×t2を対比させたものである。上記関係式t3/t2が0.2未満で突出部の肉厚t3が薄い場合は、ランプ点灯直後の突出部への応力に対する強度不足により突出部にクラックを生じる虞がある。また、エンドキャップの肉厚t2が厚い場合は温度勾配により突出部にクラックを生じる。
また、上記の関係t3/t2が4を超え、エンドキャップの肉厚t2が薄く突出部への熱伝導量が小さく、突出部の肉厚t2が厚く熱容量が大きい場合は、ランプ点灯直後にエンドキャップ側の温度勾配が増し応力増大によりエンドキャップにクラックを生じる。
また、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、突出部の肉厚t3(mm)との関係式R1×t3を、1〜16の範囲内とする。
図15のグラフは、縦軸にリーク発生率(%…実線)および相対効率(%…点線)を、横軸に上記関係式R1×t3を対比させたものである。上記関係式R1×t3)が1未満の場合は、ランプ始動時の入力電力の投入時(定常点灯時の2倍程度)の熱応力により突出部の肉厚t3を薄くしたときは突出部に、また、容器本体の内径R1を小さくしたときは温度勾配により突出部または発光管容器にクラックを生じる虞がある。
上記の関係が16を超え、突出部の肉厚t3が厚い場合は熱容量の増大により突出部に、また、容器本体の内径R1が大きい場合には主発光部温度が下がり最冷部温度が低下するため発光効率の低下を招く虞がある。
また、発光管の容器本体の内径R1(mm)と、エンドキャップの肉厚t2(mm)との関係式R1×t2を、1〜12の範囲内とする。
また、上記関係式R1×t2が1未満の場合は、エンドキャップの肉厚t2が薄くなり強度低下および温度勾配の増大によりエンドキャップ側への応力が増してクラックが発生し易くなる。
上記の関係式R1×t2が12を超えると、エンドキャップの熱容量が増して容器温度が低下するため、最冷部温度が下がり発光効率の低下を招く虞がある。
また、エンドキャップの周縁に形成した突出部の肉厚t2(mm)と、この突出部の高さL5(mm)との関係式L5/t2が、1〜4の範囲を満足し、かつ、エンドキャップの外径R2(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R2/L4が、1.2〜10の範囲内とする。
上記請求項7の発明をさらに発展させたもので、エンドキャップが容器本体との接合部で容器を包む円筒形構成をもつ発光管の場合、この円筒端部が最も発光管中心(≒電極間中心)に近いエンドキャップ部位となる。
この場合、上記請求項7の発明で規定した「発光管軸と直交する電極先端平面となす角度が接合部方向に0〜10度の領域に、エンドキャップがない構成」を達成するには、通常のエンドキャップ構造(接合部では容器本体がエンドキャップを包み込む構造)よりも突出部の肉厚t2と、この突出部の高さL5の寸法の影響分だけ放電空間長さL1を長くする必要があり、この結果発光管放電部寸法が長くなることで最冷部温度が下がり発光効率の低下が生じる。
実用的な発光管強度が得られる寸法条件の範囲で試験した結果、発光効率の低下は突出部の肉厚t2と、この突出部の高さL5の寸法比率が1≦L5/t2≦5を満足する場合に十分小さくできることが判った。
図16は、縦軸に放電空間長の増加量(mm)<外径6mm円筒形容器での最小増加量>(実線)および発光効率相対値(%…点線)を、横軸に上記関係式L5/t2を対比させたものである。上記の関係式L5/t2が1未満であるとエンドキャップの最大径が大きくなり過ぎた結果、請求項7の発明の要件を満たすための放電空間長さL1が長くなることと、この部分の冷却により最冷部温度が下がり、著しい発光効率の低下を招く。
また、上記の関係式L5/t2が4を超えた場合は、エンドキャップの突出部高さL5が長くなり過ぎた結果、同様に放電空間長さL1が長くなり、著しい発光効率の低下を来す。
また、突出部の肉厚t2とこの突出部の高さL5は、ともに0.5mm未満であると、エンドキャップと容器本体との接合において強度不足によるクラックと、接合不十分によるリーク発生の虞があるので、最低でも0.5mm以上であるのが望ましい。
さらに、エンドキャップの外径R2と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4との関係式R2/L4が1.2〜10は、請求項7に記載したと同じ理由である。
また、周縁に突出部を形成したエンドキャップの肉厚t3(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式t3/L4を、0.17〜2.5の範囲内とする。
図17のグラフは、縦軸に相対発光効率(%)を、横軸に上記関係式t3/L4を対比させたものである。
エンドキャップの厚みを挟んでこの部位と反対側(発光管外表面の円周部)の部分が形状変形が大きいため、ここで放射光が屈折湾曲し、放射光が非連続となる問題がある。このエンドキャップ部は直線透過率が容器本体部分より低いが、この外周部位ではより透過率が高い本体部分と接合されるために擾乱が起き、この面では例えば接合面がより高い輝度で見掛け上発光する不具合が生じ、その結果、放射光強度がこの部分で非連続になる。
この非連続になることで請求項7の発明と同じように、灯具の配光が制御しにくくなり、灯具の設計が困難になる。この不具合の程度は、エンドキャップの最大径部の厚み(≒容器本体との接合厚み)が大きいほど、また、突出部の高さL5が小さいほど大きい。この傾向は、これらの場合に厚み部が電極先端(アーク生起部)に対して成す立体角が増すからである。
図17で示すようにエンドキャップの肉厚t3と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4との関係式t3/L4が0.17未満であると、実用的なエンドキャップ強度が得られる肉厚t3が0.5mm以上の場合において、電極の突出が大きくなり過ぎ、結果的に配光上適正な電極間距離4.2mm前後を維持するためには、放電空間長さL1が長くなって最冷部温度が下がり発光効率の低下を招くので不適切である。
また、上記の関係式t3/L4が2.5を超えた場合は、立体角が大きくなって、灯具設計が困難になる不具合がある。
さらに、容器本体11の内径半径R3と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R3/L4を、0.6〜5(好ましくは0.6〜2)とする。(なお、上記L4の正確な間隔は上述した説明に基づく。)
図18のグラフは、縦軸に相対発光効率(%)を、横軸に上記関係式R3/L4を対比させたものである。(なお、上記R3はR1/2である。)
上記関係式R3/L4が0.5未満の場合、R3値を変更のときはクラックリークの発生が、また、L4値を変更のときは効率の低下があって好ましくない。また、関係式R3/L4が5を超えると有効利用できる放射角範囲が減少してしまう。
Figure 2006093045
表1は実施例1ないし5の(図2、図4)に示す構造の発光管1Aや1Bを各20本試作し外管内に封装した自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法や特性などを測定した結果であって、この表1中のランプはいずれも所望の特性値が得られることを確認できた。
本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの実施の形態を示す一部断面正面図である。 図1中の発光管部分を示す拡大縦断正面図である。 図1中の高圧放電ランプを装着した自動車などの車両用前照灯の灯具の実施の形態を示す一部断面正面図である。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプ発光管の他の実施の形態を示す拡大断面正面図である。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプ発光管の他の実施の形態の要部を示す拡大断面正面図である。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。 本発明の自動車前照灯用の高圧放電ランプの各部寸法あるいは各部寸法と電気特性などを対比させたグラフである。
符号の説明
L:高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)、 1A〜1C:発光管、 10:放電容器、 11:容器本体、 2A〜2C:エンドキャップ、 20:基体部、 21:突出部、 3:小径円筒部、 4:電極構体、 5:外管、 6A,6B:給電部材、 7:口金、 8:灯具、

Claims (16)

  1. 可視光領域における平均直線透過率がT1 %の多結晶アルミナ製の内部全長L1が4〜9mm、内径L2が2〜6mm、肉厚t1が0.2〜2mmの筒状の容器本体の両端に、小径円筒部を有する平均直線透過率がT2 %の多結晶アルミナ製の円板状のエンドキャップを焼嵌めにより気密接合して内部に放電空間を形成し、上記平均直線透過率T1 、T2 の関係がT1 ≧15%>T2 の条件を満たすよう構成された放電容器、相互間隔Dが6mm以下となるよう隔て対向配置された一対の電極を有する上記各小径円筒部内に固定された電極構体、上記放電容器内に封入された金属ハロゲン化物および始動ガスを含む放電媒体を有する発光管と;
    内部にこの発光管を管軸に沿って配設するとともに気密閉塞された外管と;
    を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 容器本体両端の小径円筒部を含む発光管の全長L2(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式L2/P1が、0.5〜1.2の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  3. 対向した電極間の中心から小径円筒部先端までの長さL3が10mm〜20mmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電ランプ。
  4. 発光管の容器本体の内径R1(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式R1/P1が、0.04〜0.30の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  5. 発光管の容器本体の内径R1(mm)と、安定時のランプ電力P1(W)との関係式R1/P1が、0.023〜0.04の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  6. 発光管の容器本体の内表面積A(cm2 )と、ランプ投入電力P2(W)との関係式P2/Aが、10〜180W/cm2 の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  7. 円板状をなすエンドキャップの外径R2(mm)と、電極の先端部が接する容器本体の中心軸に直交する仮想平面から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R2/L4が、1.2〜10の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  8. 円板状をなすエンドキャップの周縁の突出部内周面と、容器本体の外周面部とが、焼嵌めにより気密接合されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  9. 円板状をなすエンドキャップの外周面部と、容器本体の内周面部とが、焼嵌めにより気密接合されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  10. エンドキャップの周縁に形成した突出部の高さL5(mm)と、エンドキャップの肉厚t2(mm)との関係式L5×t2が、0.5〜4の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の高圧放電ランプ。
  11. エンドキャップの肉厚t2(mm)と、突出部の肉厚t3(mm)との関係式t3/t2が、0.2〜4の範囲内であることを特徴とする請求項7または10記載の高圧放電ランプ。
  12. 発光管の容器本体の内径R1(mm)と、突出部の肉厚t3(mm)との関係式R1×t3が、1〜16の範囲内であることを特徴とする請求項8、10または11のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  13. 発光管の容器本体の内径R1(mm)と、エンドキャップの肉厚t2(mm)との関係式R1×t2が、1〜12の範囲内であることを特徴とする請求項8、10ないし12のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  14. エンドキャップの周縁に形成した突出部の肉厚t3(mm)と、この突出部の高さL5(mm)との関係式L5/t3が、1〜4の範囲を満足し、かつ、エンドキャップの外径R2(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式R2/L4が、1.2〜10の範囲内であることを特徴とする請求項8、10ないし13のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  15. 周縁に突出部を形成したエンドキャップの肉厚t2(mm)と、電極の先端部から最も近接したエンドキャップまでの間隔L4(mm)との関係式t2/L4が、0.17〜2.5の範囲内であることを特徴とする請求項8、10ないし14のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  16. 本体と;
    本体内に設けられた反射鏡と;
    反射鏡内に配設された上記請求項1ないし15のいずれか一記載の高圧放電ランプと;
    この高圧放電ランプに接続された点灯回路装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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