JP2001076676A - 高圧放電ランプ、投光装置およびプロジェクタ装置 - Google Patents

高圧放電ランプ、投光装置およびプロジェクタ装置

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JP2001076676A
JP2001076676A JP24541199A JP24541199A JP2001076676A JP 2001076676 A JP2001076676 A JP 2001076676A JP 24541199 A JP24541199 A JP 24541199A JP 24541199 A JP24541199 A JP 24541199A JP 2001076676 A JP2001076676 A JP 2001076676A
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pressure discharge
electrode
lamp
sealing portion
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Takeshi Kinoshita
剛 木下
Hiromichi Kawashima
弘道 川島
Ichiro Tanaka
以知郎 田中
Hisashi Yoshida
寿 吉田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 封止部内に埋設された金属箔と電極軸との接
続部を改善することにより、電極軸と封止部ガラスとの
接合強度を高め、点灯時に高温、高圧になっても封止部
のクラック等の発生を低減できる高圧放電ランプ、投光
装置およびプロジェクタ装置を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 膨出部12およびこれより延びた封止部
13を有する石英ガラス製の透光性気密容器1と、この
封止部13内に封止された金属箔2の一端側に接続さ
れ、この接続部23を含む封止部13ガラス内に位置す
る部分に金属線コイル4を巻装するとともに膨出部12
内に延出した側の先端に電極5を設けた電極軸3と、上
記金属箔2の他端側に接続した外部導入線6と、上記気
密容器1内に封入された放電媒体とを備えた高圧放電ラ
ンプL1およびこの高圧放電ランプL1を装着した投光
装置7ならびにこの投光装置7を用いたプロジェクタ装
置9である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透光性気密容器と
して石英ガラスを用い特に内部が高圧となる高圧放電ラ
ンプの封止部に設けられる導入構体の構造およびこの放
電ランプを装着した照明用や光学用の投光装置ならびに
この投光装置を用いた画像表示用等のプロジェクタ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、車両前照灯等の照明用や液晶プロ
ジェクタ等の画像表示用の光源として高圧放電ランプが
採用されている。また、この高圧放電ランプの中にあっ
ても、特に点光源に近く、配光制御が容易なショートア
ークタイプの高圧放電ランプ、たとえばキセノンランプ
やメタルハライドランプ等は、最近普及めざましい液晶
プロジェクタ装置や大画面TV装置の光源として用いら
れている。
【0003】この液晶プロジェクタ装置とは、画像を投
影する装置であり、静止画はもちろんのこと動画も投影
できる。また、ビデオ信号またはパソコンの画像信号を
入力することにより、いろいろな画像の投影ができるこ
とからプレゼンテーションの道具として用いられたり、
簡易的なシアター用あるいは大画面TV用等種々の分野
で使用されている。
【0004】しかし、この液晶プロジェクタ装置は、現
時点では高価で使用頻度も高くなく対費用効果を考える
と各所へ据え付けられるものではなく、プロジェクタ装
置を持ち運び使用されることが多く、また、格納してお
くにもスペースが小さい方が好ましいことから、プロジ
ェクタ装置の小形軽量化が要望されている。
【0005】この小形軽量化のために液晶パネルは年々
小形化され、現在1.3インチの大きさにまでなった。
また、この小形化された液晶パネルに用いる光源部分も
これに対応して効率よく集光できるよう小形化が要望さ
れている。
【0006】この光源の小形化を実現するためには、放
電ランプのアーク長を短くすることが最も効率がよい方
法であるが、従来のままアーク長を短くするとランプ電
圧が低下し、それにともないランプ電流が増大するとい
う問題が生じた。
【0007】ランプ電流が増大するということは、点灯
装置が大形化して、狙いとする小形化のコンセプトから
外れてしまうため採用できない。
【0008】そこで、ランプ電圧を低下させずにアーク
長を短くするには、アークでのインピーダンスを高くす
る、言い換えれば点灯中の気密容器内の圧力を上げれば
よい。
【0009】この点灯中の気密容器内の圧力が高いラン
プは、たとえば特開平6−52830号公報等に記載さ
れている。このようなランプは点灯装置を小形化させる
だけではなく、ランプの出力特性をも向上させ、小形軽
量化には最適のランプとなっている。
【0010】ところが、上述したような点灯中の容器内
の圧力が高いランプの場合には、少々なことでもランプ
の信頼性を大きく損なうことがあることが分かった。た
とえば、ランプを点灯した直後に流れる電流(Io)か
ら定格点灯に達したときときのランプ電流(IL)の変
化が大きい場合、熱によるストレスから封止部の電極や
金属箔と透光性容器である石英ガラスとの間に熱歪が発
生し、点滅を繰り返すことにより、ランプが希に破裂す
ることがあったり、また、製造の封止工程において、封
止のばらつきや封止部内の電極軸や金属箔と石英ガラス
との間の熱膨張係数差により石英ガラスに歪みやクラッ
クが発生し、点灯後に内部圧力が高まると耐えられずこ
の封止部の歪みやクラックの発生部位から破裂するとい
う問題があった。
【0011】上述したようにショートアーク放電ランプ
は、点灯中の透光性気密容器内の圧力が200気圧以上
の高圧であるため、気密容器形成の際の加工歪みやラン
プ点滅による熱衝撃によって生じた応力が増大して気密
容器が破裂し、透光性気密容器のみならず、透光性気密
容器を配設している器具の反射鏡や制光体等にも破損を
招くことがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記封
止部内に埋設された金属箔と電極軸との接続部を改善す
ることにより、電極軸と封止部ガラスとの接合強度を高
め、点灯時に高温、高圧になっても封止部のクラック等
の発生が低減できる高圧放電ランプ、投光装置およびプ
ロジェクタ装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の高圧放電ランプは、放電空間を形成する膨出部および
これより端部側に延びた封止部を有する石英ガラス製の
透光性気密容器と、この封止部内に気密封止された金属
箔と、この金属箔の一端側に接続され、この接続部を含
む上記封止部ガラス内に位置する部分に金属線コイルを
巻装するとともに膨出部内に延出した側の先端に電極を
設けた電極軸と、上記金属箔の他端側に接続するととも
に上記封止部外に導出した外部導入線と、上記透光性気
密容器内に封入された放電媒体とを具備していることを
特徴とする。
【0014】このランプは点灯時に、封止部が高温とな
り、また、放電空間内も昇温して相当な高圧となり、封
止部内の電極軸や金属箔とガラスとの間に熱膨張係数差
等によりストレスが生じるが、電極軸に巻装した金属細
線からなるコイルが石英ガラスと電極軸との間に生じる
歪みを吸収する緩衝材として働き、歪みを低減して封止
部に生じるクラック等による破損を防止する。
【0015】また、このランプは、電極構体を組立てる
とき電極軸と金属箔とが抵抗溶接等で接続され、通常、
比較的大径で熱容量も大きい電極軸よりも金属箔側が多
く溶融して電極軸と接合されるが、電極軸にコイルを巻
装しておくことにより、溶接時に熱容量が小さい金属箔
とコイルとがよく融合して確実強固な接合がなされる。
【0016】また、本発明は、石英ガラス製の透光性気
密容器を用いた、ショートアーク水銀ランプ、ショート
アークメタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、キセ
ノンランプや一般的な放電ランプ等の高圧放電ランプや
超高圧放電ランプに適用が可能である。
【0017】また、本発明の石英ガラス製の透光性気密
容器は、中央部の膨出部と端部側の封止部とは一体に成
形したものであっても、膨出部に後から封止部管を接合
して一体化したものであってもよい。
【0018】本発明の請求項2に記載の高圧放電ランプ
は、電極軸に巻装された金属線コイルは、金属箔と電極
軸との接続部の1/2以上の長さで、かつ、封止部ガラ
ス内の電極軸の1/2以上の長さに介在していることを
特徴とする。
【0019】電極軸に巻装された金属線コイルが、上記
範囲にあれば上記請求項1に記載したと同様な作用を奏
する。
【0020】本発明の請求項3に記載の高圧放電ランプ
は、電極軸と、この電極軸に巻装された金属線コイルと
の関係が下記数値範囲内であることを特徴とする。
【0021】D=0.25〜1.30mm 0.05≦d/D≦0.30 110≦(p/d)×100≦180 (ただし、D…電極軸の外径、d…金属線コイルの線径
mm、p…金属線コイルのピッチmm、a…金属線コイ
ルの長さmm、) 本発明は、金属線コイルの線径等と、電極の軸径等との
関係を数値規制することによって格別の作用を奏する。
【0022】すなわち、本発明は、軸径が0.25〜
1.30mmの電極軸と、線径が0.05〜0.20m
mのコイル形成金属線とを用いる、ランプ電力が30〜
300W程度のランプに適用ができる。
【0023】そして、上記金属線コイルの線径dmmと
電極軸径Dmmとの関係d/Dが0.05未満になる
と、コイルによる石英ガラスと電極軸との緩衝材として
の効果が低下し、また、d/Dが0.30より大きくな
ると、コイルと石英ガラスとの間に歪みが増加する。
【0024】また、金属線コイルのピッチpと、金属線
コイルの線径dmmとの関係(p/d)×100%が1
10未満になると、コイルのピッチpが密になり過ぎ緩
衝材としての効果が低下し、また、p/d×100%が
180より大きくなると、コイルのピッチpが疎になり
過ぎ緩衝材としての効果が低下し、石英ガラスとの間に
歪みが増加して好ましくない。
【0025】本発明の請求項4に記載の高圧放電ランプ
は、封止部が、焼萎み封止した横断面がほぼ円形状をな
していることを特徴とする。
【0026】封止部が、成形金型を用いないガラス管を
縮径して焼萎めガラスを中心に集めその横断面をほぼ円
形に形成する封止部形状とすることによって、どの部分
をとっても熱加工後の残存歪量はほぼ均一分布で、局部
的なばらつきが小さい。
【0027】本発明の請求項5に記載の投光装置は、反
射鏡と、この反射鏡に臨み配設された上記請求項1ない
し4のいずれか一に記載の高圧放電ランプとを具備して
いることを特徴とする。
【0028】上記請求項1ないし請求項4に記載したと
同様な作用を奏する高圧放電ランプを反射鏡に組込んだ
投光装置は、ランプの封止部がクラック等により破損す
ることを防止できる。
【0029】また、本発明の投光装置は、照明用のスポ
ットライト等に適用ができる。また、放射光は可視光域
はもちろん紫外線域から赤外線域までの広い波長域の光
放射を行うことができる。さらに、反射鏡の前面には、
レンズや保護カバー等が設けられていてもよい。
【0030】また、本発明の投光装置は、屋内外の一般
照明用、店舗照明用、プロジェクタのバックライト用あ
るいは自動車や鉄道車両の前照灯用等に広く使用でき
る。
【0031】本発明の請求項6に記載のプロジェクタ装
置は、請求項5に記載の投光装置と、投光装置の反射鏡
の前面に配設された光学系レンズと、投光装置の反射鏡
と光学系レンズとの間に配設された表示画面とを具備し
ていることを特徴とする。
【0032】本発明のプロジェクタ装置は、上記請求項
5に記載した投光装置を備えているので、上記請求項5
に記載したと同様な作用を奏する。
【0033】また、本発明のプロジェクタ装置は、表示
画面が液晶に限らず、光化学、半導体製造や映像関係等
多くの分野の光照射に適用できるものである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1および図2は本発明に係る高
圧放電ランプとしてショートアーク水銀放電ランプL1
を示し、図1は正面図、図2は図1のランプの電極構体
を拡大して示す正面図である。
【0035】図中、1は石英ガラスからなる略長円形状
の透光性気密容器で、中央部に放電空間11を形成する
膨出部12およびこれより両端部側に延びる封止部1
3、13を有し、この封止部13、13内には、肉厚が
15〜35μmのリボン状のモリブデンMoからなる金
属箔2がそれぞれ封止されている。また、この金属箔
2、2の一端側の上記放電空間11内に延出してモリブ
デンMoやタングステンW等からなる軸径Dが0.25
〜1.30mmの電極軸3が、また、他端側にはモリブ
デンMoやタングステンW等からなるその先端部を封止
部13の外部に導出した線径が0.3〜0.8mmの外
部導入線6がそれぞれ溶接により接続してある。
【0036】また、上記封止部13、13は、ガラス管
を周囲から加熱して、軟化したガラス管を外方から金形
により押圧圧潰して形成したものではなく、軟化したガ
ラスをガラス管内部を負圧等して中心の金属箔2の周り
に集めるようにした焼萎めにより封止部13を形成した
もので、この封止部13の横断面はほぼ円形状をなして
いる。
【0037】そして、それぞれの電極軸3、3の一端側
と金属箔2との溶接部23を含む封止部13のガラス内
に埋没した電極軸3部分の周囲には、モリブデンMoや
タングステンW等の線径dが0.05〜0.20mmの
金属細線で形成したコイル4が巻装され、また、電極軸
3の他端の放電空間11内に位置する部分にはモリブデ
ンMoやタングステンW等の金属線を数ターン巻回した
電極5が設けられ、それぞれの電極5、5は所定の放電
間隙を隔て対向配設されている。
【0038】また、上記透光性気密容器1の放電空間1
1内には、放電媒体として水銀HgとアルゴンArガス
とが所定量封入されてショートアーク水銀放電ランプL
1を構成している。
【0039】このランプL1の具体例として、たとえば
石英ガラスからなる透光性気密容器1は全長が約8m
m、膨出部12の最大径が約9mm、放電空間11内容
積が約0.05cc、封止部13の横断面径が約5.5
mmで、モリブデンMoからなる金属箔2は肉厚が約2
0μm、幅が約2mm、長さが約17mmで、タングス
テンW線からなる電極軸3は外径が約0.4mm、長さ
が約9mmで、この電極軸3の一端部から約5mmの長
さに亘りモリブデンMoからなる外径が約75μmの金
属細線をピッチ間隔約37.5μm(約45ターン)で
巻装してコイル4としてある。また、電極軸3の他端部
の電極5は外径約0.2mmのタングステンW線を約7
ターン巻回してある、また、封止部13からは外径が約
0.4mmのモリブデンMoからなる外部導入線7が導
出されている。
【0040】また、上記電極軸3の封止部13のガラス
内に埋没される部分の長さは約2〜5mmで、上記放電
空間11内にはランプ電圧が約80V以上となる約15
mgの水銀Hgと、常温で約33.5kPaのアルゴン
Arガスとが封入してある。このような構成のショート
アーク水銀ランプL1は、ランプ電力が100〜150
Wで点灯され、点灯中の内部圧力が高められる結果、発
光効率は55〜65Lm/Wが得られた。
【0041】また、このランプL1は点灯時に、封止部
13が高温となり、また、放電空間11内も昇温して1
5MPaを超える高圧となり、封止部13内の電極軸3
や金属箔2とガラスとの間に熱膨張係数差等により歪み
が生じるが、電極軸3に巻装した金属細線からなるコイ
ル4が容器1を構成する石英ガラスと電極軸3との間に
発生する歪みを吸収する緩衝材として働き、歪みを低減
して封止部13に生じるクラック等の破損を防止でき
る。
【0042】また、この電極軸3に巻装されたコイル4
は、金属箔2との溶接部23から封止部13のガラス内
に埋没される電極軸3部分にあれば上記作用効果を奏し
好ましいが、本発明者等の試作では金属箔2との溶接部
23の1/2以上の長さと、ガラス内に埋没される電極
軸3の1/2以上の長さに亘りコイル4が巻装されてい
れば上記と同様な作用効果を奏する。
【0043】また、このランプL1の封止部13は焼萎
めてガラスを中心に集めその横断面をほぼ円形状に形成
することによって、どの部分をとっても熱加工歪みがほ
ぼ均一で、高温、高圧となっても、封止部13にクラッ
ク発生等の破損を防止できる。
【0044】さらに、このランプL1は、電極構体を組
立てるとき電極軸3と金属箔2とを抵抗溶接等で接続
し、通常、比較的大径で熱容量も大きい電極軸3よりも
金属箔2側が多く溶融して電極軸3と接合されるが、電
極軸3の外周に金属細線からなるコイル4を巻装してお
くことにより、溶接時に熱容量が小さい金属箔2とコイ
ル4がよく溶融して確実強固な接合がなされる。
【0045】そして、本発明者等は、電極軸と、この電
極軸に巻装された金属線コイルとの関係について種々究
明したところ、下記表の結果を得、下記数値範囲内であ
ればその作用効果が顕著であることが分かった。
【0046】表1は、上記実施の形態に示すショートア
ーク水銀ランプL1(試料A)と比較のため上記実施の
形態と同仕様で上記のショートアーク水銀ランプからコ
イル4を巻装していない従来ランプ(試料B)とを同封
止条件で製作し、負荷を上げるため水銀Hg量を15、
18、20mgを封入して試作し、初期点灯(10分間
点灯)したときの破損の発生を調べた。
【0047】
【表1】 この表1から明らかなように、初期点灯時の破損の発生
率は本発明ランプ(試料A)の方が格段に低いことが分
かり、効果があることが確認できた。
【0048】また、金属線コイルの線径dmmと、電極
軸径Dmmとの関係d/Dが0.05未満になると、コ
イル4による石英ガラスと電極軸3との緩衝材としての
効果が低下し、また、d/Dが0.30より大きくなる
と、コイル4と石英ガラスとの間に歪みが増加し、クラ
ックが発生して効果が低下する。
【0049】また、金属線コイルのピッチpと、金属線
コイルの線径dmmとの関係(p/d)×100%が1
10未満になると、コイルのピッチpが密になり過ぎ緩
衝材としての効果が低下し、また、p/d×100%が
180より大きくなると、コイル4のピッチpが疎にな
り過ぎ緩衝材としての効果が低下し、石英ガラスとの間
に歪みが増加し、クラックが発生して効果が低下する。
【0050】したがって、これらを勘案すると、電極軸
径Dmmと、金属線コイルの線径dmmと、金属線コイ
ルのピッチpmm、金属線コイル部の長さammとの間
の関係は下記の数値範囲が好ましい。
【0051】D=0.25〜1.30mm 0.05≦(d/D)≦0.30 120≦(p/d)×100≦180 また、図3は上記ショートアーク水銀ランプL1を組込
んだ本発明の投光装置7の実施の形態を示す一部断面正
面図で、図中、図1と同一部分には同一の符号を付して
その説明は省略する。
【0052】図3において、71はランプL1の透光性
気密容器1の一方の封止管13に取付けられ外部導入線
6と接続した端子部72を備えた口金、端子部72およ
び他方の外部導入線6は給電線73、74を介して点灯
電源装置75に接続している。
【0053】また、8はガラスや金属等の材料で形成さ
れた反射鏡で、回転放物面や回転楕円面等の回転二次曲
面をなす光反射用曲面81を備え、背面中央部には上記
ショートアーク水銀ランプL1の口金71部を固定する
ための基体筒状部82が一体に突設されている。この基
体筒状部82内にはランプL1の口金71部が挿入さ
れ、シリカとアルミナを主体とする耐熱性接着剤83で
接合固定してある。
【0054】また、84は光反射用曲面81に形成した
ダイクロイック膜等の光干渉膜やクロム、アルミニウ
ム、銀等の全光反射膜で、ここでは酸化チタンTiO2
からなる高屈折率層と酸化ケイ素SiO2 からなる低屈
折率層とを交互に多層形成した可視光透過赤外線反射膜
である。
【0055】このような構成の投光装置7は、点灯電源
装置75から通電してショートアーク水銀ランプL1を
点灯させると、このランプL1からの光は、一部は直射
光で一部は可視光透過赤外線反射膜84に入射して可視
光が反射光となって反射鏡8の前方へ放射される。な
お、可視光透過赤外線反射膜84に入射した赤外線は反
射膜84および反射鏡8を透過して反射鏡8の後方へ放
出され、反射鏡8の前方には熱線の少ない可視光の放射
ができる。また、反射鏡の前面には、レンズや保護カバ
ー等が設けられていてもよい。
【0056】そして、この反射鏡8に取付けられたショ
ートアーク水銀ランプL1も、電極軸3の基端部側にコ
イル4が巻装してあるので、点灯時に封止部13が高温
になったり放電空間11の内部が高圧雰囲気になって
も、封止部13のガラスにクラックやリーク等の破損を
防止できる。したがって、上述したと同様な作用効果を
奏する投光装置7を提供することができる。
【0057】また、図4は上記投光装置7を用いた本発
明の液晶プロジェクタ装置9の実施の形態を示す概略図
で、図中、図1ないし図3と同一部分には同一の符号を
付してその説明は省略する。
【0058】図4において、91は光学系レンズ、92
はスクリーン等の投影面で、投光装置7と光学系レンズ
91との間に表示画面として液晶画面93が配設されて
いる。
【0059】この液晶プロジェクタ装置9は、投光装置
7内のランプL1から放射された光を反射鏡8で集光し
て光学系レンズ91を介し投影面92に投射するもの
で、投光装置7と光学系レンズ91との間に配設した液
晶画面93上に表示された画像を投影面92に拡大して
投影されるようになっている。
【0060】そして、このようにプロジェクタ装置9に
装備された投光装置7内のランプL1も、点灯時に封止
部13のガラスにクラックやリーク等の破損を防止でき
るので、短寿命となる虞がない。したがって、上述した
作用効果を奏する投光装置7を装備しているので、短期
に投光装置7を交換することを要しない液晶プロジェク
タ装置9を提供することができる。
【0061】また、図5ないし図7は本発明の高圧放電
ランプの他の実施の形態を示す正面図で、図中、図1お
よび図2と同一部分には同一の符号を付してその説明は
省略する。
【0062】図5および図6に示す放電ランプは、容器
を二重管構造としたものである。図5に示すランプL2
は、上記放電ランプL1の気密容器1を囲むとともに両
端部15、15がそれぞれ内方ランプL1の封止部1
3、13に溶着された石英ガラスからなる外囲容器10
を備えたもので、端部に口金やホルダ(図示しない。)
が取着されて車両用前照灯用等の光源として用いられ
る。
【0063】また、図6の放電ランプL3は、上記放電
ランプL1がステムS1のリード線S2、S3にバンド
状部材S4、S4を介して支持され、このステムS1が
硬質ガラスや石英ガラスからなる外囲容器10内に収容
して封止されているもので、これら二重管からなる放電
ランプL2、L3は内部ランプL1の保温やリード線S
2、S3の酸化防止、紫外線遮断や紫外線遮断被膜を形
成できるほか内部ランプL1の容器1が破裂した際の防
護をなす。
【0064】また、上記放電ランプL1は、両端封止形
の構造のものであったが、図7に示すように透光性気密
容器1の一端に封止部13を形成した一端封止形の高圧
放電ランプL4であっても、上述したと実施の形態と同
様な作用効果を奏する。
【0065】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ない。たとえば、高圧放電ランプは上記のショートアー
ク水銀ランプに限らず、ハロゲン化物としてよう素や臭
素等のハロゲンと、タリウムTl、インジウムIn、ス
ズSn、ジスプロシウムDy、ホルミウムHoやツリウ
ムTm等のハロゲン化物を封入したショートメタルハラ
イドランプ、超高圧水銀ランプやキセノンガスを高圧封
入したキセノンランプ等でもよく、その気密容器の形状
も図示の長円形状に限らず、楕円形状、球形状や直管形
状等のランプでもよい。
【0066】さらに、金属箔と電極軸とを接続する溶接
手段は、抵抗溶接に限らず、アーク溶接やプラズマ溶接
等、他の溶接手段によるものであっても適用ができる。
【0067】さらにまた、本発明のランプ、投光装置や
プロジェクタ装置は、実施の形態に示すもの限らず、照
明、光化学、半導体製造や映像関係等の多くの分野の光
照射に適用できるものである。
【0068】
【発明の効果】請求項1ないし3の発明によれば、電極
軸に巻装したコイルが歪みを吸収する緩衝材として働き
歪みを低減して、高温・高圧となるランプにおいて封止
部に生じるクラック等による破損の防止がはかれる長寿
命の品質の向上した高圧放電ランプを提供できる。
【0069】また、電極軸と金属箔との接合部は、凹凸
をなした接合(ぬれ)面となるため両者の接合強度およ
び気密性が向上できるとともに、確実強固な溶接がなさ
れる。
【0070】請求項4の発明によれば、ガラスを焼萎め
て封止部を形成したことにより横断面をほぼ円形状に形
成することができ、局部的に弱い箇所のない破損防止が
はかれる高圧放電ランプを提供できる。
【0071】請求項5の発明によれば、上記請求項1な
いし4に記載した効果を奏する高圧放電ランプを反射鏡
に組込んだものにおいて、短寿命の発生のない品質の高
い信頼性の向上した投光装置を提供できる。
【0072】請求項6の発明によれば、上記請求項5に
記載した効果を奏する投光装置を装備したものにおい
て、短寿命の発生のない品質の高い信頼性の向上したプ
ロジェクタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプの実施の形態を示す正
面図である。
【図2】図1のランプ端部の封止部に封止される電極構
体の拡大正面図である。
【図3】本発明の投光装置の実施の形態を示す一部断面
正面図である。
【図4】本発明のプロジェクタ装置の実施の形態を示す
概略説明図である。
【図5】本発明の高圧放電ランプの他の実施の形態を示
す一部断面正面図である。
【図6】本発明の高圧放電ランプの他の実施の形態を示
す正面図である。
【図7】本発明の高圧放電ランプの他の実施の形態を示
す正面図である。
【符号の説明】
L1:高圧放電ランプ(ショートアーク放電ランプ) L2、L3:高圧放電ランプ(二重管形放電ランプ) L4:高圧放電ランプ(一端封止形放電ランプ) 1:透光性気密容器 11:放電空間 12:膨出部 13:封止部 2:金属箔 3:電極軸 4:金属線コイル 5:電極 7:投光装置 8:反射鏡 9:プロジェクタ装置(液晶プロジェクタ装置) 91:光学系レンズ 93:表示画面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 以知郎 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 吉田 寿 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 Fターム(参考) 5C039 HH04 HH07 5C043 AA14 BB09 CC12 CD02 DD12 EA09 EC01 EC11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を形成する膨出部およびこれよ
    り端部側に延びた封止部を有する石英ガラス製の透光性
    気密容器と;この封止部内に気密封止された金属箔と;
    この金属箔の一端側に接続され、この接続部を含む上記
    封止部ガラス内に位置する部分に金属線コイルを巻装す
    るとともに膨出部内に延出した側の先端に電極を設けた
    電極軸と;上記金属箔の他端側に接続するとともに上記
    封止部外に導出した外部導入線と;上記透光性気密容器
    内に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴
    とする高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】 電極軸に巻装された金属線コイルは、金
    属箔と電極軸との接続部の1/2以上の長さで、かつ、
    封止部ガラス内の電極軸の1/2以上の長さに介在して
    いることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ラン
    プ。
  3. 【請求項3】 電極軸とこの電極軸に巻装された金属線
    コイルとの関係が下記数値範囲内であることを特徴とす
    る請求項1に記載の高圧放電ランプ。 D=0.25〜1.30mm 0.05≦d/D≦0.30 110≦(p/d)×100≦180 (ただし、D…電極軸の外径、d…金属線コイルの線径
    mm、p…金属線コイルのコイル間の隙間mm、)
  4. 【請求項4】 上記封止部は、焼萎み封止した横断面が
    ほぼ円形状をなしていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか一に記載の高圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】 反射鏡と;この反射鏡に臨み配設された
    上記請求項1ないし4のいずれか一に記載の高圧放電ラ
    ンプと;を具備していることを特徴とする投光装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項5に記載の投光装置と;この
    投光装置の反射鏡の前面に配設された光学系レンズと;
    上記投光装置の反射鏡と光学系レンズとの間に配設され
    た表示画面と;を具備していることを特徴とするプロジ
    ェクタ装置。
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