JP3139015B2 - メタルハライドランプ装置 - Google Patents

メタルハライドランプ装置

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JP3139015B2 JP02295461A JP29546190A JP3139015B2 JP 3139015 B2 JP3139015 B2 JP 3139015B2 JP 02295461 A JP02295461 A JP 02295461A JP 29546190 A JP29546190 A JP 29546190A JP 3139015 B2 JP3139015 B2 JP 3139015B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、メタルハライドランプ装置に関し、特に
反射鏡を備え光学的に限定した領域に配光させる、比較
的小型の映像用光源等として用いられるメタルハライド
ランプ装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、外管を用いることなく発光管と反射鏡とを、一
体的にあるいは取り外し可能に組み合わせて構成した小
型のメタルハライドランプ装置は、その演色性の良さと
発光効率が高いことなどの特徴により、オーバーヘッド
プロジェクタ,オーバーヘッドタイプの液晶プロジェク
タあるいは液晶プロジェクションテレビ、更には映写機
等の光源として使用され普及しつつある。
一般にこのような装置に使用される光源としては、そ
の特徴上から色特性の良好なものが望まれ、従来はハロ
ゲン電球が用いられている。しかしハロゲン電球は色特
性は良いが、発光効率が約30m/Wと低く、大きなスク
リーン照度を得るには高ワットのものを使用しなくては
ならない。高ワットのランプを用いると光源から発する
熱の処理上から装置が大型化するし、発熱量も大きく、
その熱処理自体も非常に難しいという問題点があった。
これに対してメタルハライドランプは、ハロゲン電球
に比べ、発光効率が大きく、更に発光管内に少なくとも
ハロゲン化ディスプロシウムを封入し、その蒸気圧を高
めアーク温度を下げて動作させれば、赤色域の発光が増
大し、色特性の良い分光分布が得られる。
従来、上記のような装置に用いられるメタルハライド
ランプは、第8図に示すように、例えば定格ランプ電力
150Wのものでは、電極間距離5mm、最大外径φ11mm,最大
内径φ8.8mmのほぼ球形の発光管101に、所定のランプ電
圧となるように水銀と始動補助用ガスとしてのアルゴン
を150torr封入する他に、沃化ディスプロシウムと沃化
ネオジウムと沃化セシウムとを、それぞれ重量比で4:2:
3に選定し、内容積0.4ccに対し0.5mgを封入して構成さ
れている。
このように構成した発光管101は、その両端ワイヤを
それぞれニッケルリード線102と口金103に接続し、更に
この発光管101を取り囲むようにして、硬質ガラスから
なりコールドミラー膜を備えた反射鏡104を、その中心
軸が発光管101の軸心とほぼ一致するように取り付け、
リード線102の一端を反射鏡104の外側へ導出し端子105
に接続し、メタルハライドランプ装置111を構成してい
る。
そしてこのように構成されたメタルハライドランプ装
置111を液晶プロジェクタの光源として用いる場合に
は、例えば第9図に示すように、メタルハライドランプ
装置111を下向きに鉛直方向に配置し、全反射ミラー11
2,液晶パネル113,投影レンズ114を介してスクリーン115
に投影するように構成される。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記光学装置等に用いる従来のメタルハラ
イドランプは、第8図に示したように、反射鏡104の開
口部側に位置する電極の周辺部のランプ外表面には、反
射兼保温膜106が形成されているが、他のランプ外表面
部分はクリア面で構成されている。このような構成のメ
タルハライドランプを、図示のように、クリア面を反射
鏡104の底部へ向けて、該反射鏡104内に配置して点灯し
た場合、発光管101のアークの発光部が発光管101の中心
に位置していると仮定すると、発光部よりクリア面へ向
けて出射した光は、クリア面において散乱を受けずに、
ほぼ直線的に通過する。
そこでレンズ系を介して、第10図に示すような縦横比
3:4のスクリーン上に投射した場合、メタルハライドラ
ンプからクリア面を通して出射した直進光は、該ランプ
の近傍の反射鏡部分で反射され、レンズ系を通してスク
リーン上に到達する。このクリア面を通過する直進光は
殆ど散乱を受けずかなりの量となり、また反射鏡のうち
発光管の近くの部分へ出射した直進光は、その離心率が
小さなことから反射した光量も多くなるので、スクリー
ンのA−A′線に沿った照度分布を測定すると、第11図
において曲線aで示すように、中心付近の照度は著しく
高いが、周辺照度は著しく低くなる。そして上記スクリ
ーンを9等分した領域の中心の測定点〜において測
定した照度に関する照度比を、 で表すと、発光管の大部分をクリア面としたメタルハラ
イドランプを用いた場合は、10%程度という極めて低い
値となる。
この照度比は、経験的に30%以上が、視覚的に好まし
いとされており、上記のようにクリア面のメタルハライ
ドランプを用いたものでは、低い照度比によりスクリー
ン上の照度ムラが生じ、著しく不快になるという問題点
があった。
一方、この照度ムラによる不快感を除去するために、
発光管全表面に亘ってフロスト部を形成することが考え
られる。このフロスト部は、クリアな発光管外表面にガ
ラスビーズを高圧ガスを用いて噴射する、いわゆるサン
ドブラスト加工法によって、発光管外表面をナシ地処理
することで得られるものである。このようにして得られ
たフロスト部をもつ発光管においては、第12図に示すよ
うに、発光管中心の発光部より放射される光122はフロ
スト部121において約1/2がそのまま直進光123として出
射し、残りの光は直進光の周辺に散乱する光124として
フロスト部121から出射される。
したがって発光管101の保温膜106を除いた全表面にフ
ロスト部121を形成した発光管101を反射鏡内に配置して
スクリーンに照射させた場合、出射した光は離心率の比
較的大きい反射鏡の部分に約1/2の直進光が当たって反
射され、スクリーンの中心部の周辺に到達する。また散
乱を受けた光は、それぞれスクリーンの中心部付近や周
辺部に僅かな量であるが到達し、スクリーン上のA−
A′線に沿った照度分布を測定すると、第11図において
点線の曲線bで示すようになる。この測定照度からわか
るように、照度比は大きくすることができるけれども、
全体の照度が低下してしまい、中心部においても所望の
照度が得られなくなってしまい、光量を散乱させすぎて
無駄にしてしまっているという問題点がある。
更にかかるメタルハライドランプ装置においては、次
のような問題点がある。すなわち、メタルハライドラン
プにおいては、発光管管壁温度を高くして封入メタルハ
ライドの蒸気圧を高めることにより良好な色特性が得ら
れる。ところが、メタルハライドランプを鉛直方向に配
置して使用する場合、外管を設けずに発光管を裸のまま
使用する場合は、外管を設けた場合に比べ、発光管を構
成する石英容器の上下の内表面の温度差が大きくなる。
したがって、溶けた封入添加物が存在する発光管の下側
の温度(最冷部)を、外管付きのランプとほぼ同じ温度
に上げて所望の蒸気圧を得ることで色を良くしようとす
ると、上側の石英容器内表面温度が著しく高温となり、
特に色特性を良くするディスプロシウムを封入したラン
プにおいては、早期に発光管の上部での失透現象が起こ
る。
この場合全光束はあまり変化しないが、この失透によ
る保温効果によって、色特性上、色温度が低下したり、
また失透により散乱が大きくなってスクリーン上の照度
低下が大きくなり、したがって画面が暗くなったり、色
が変化したりし、更にはランプ電圧上昇が大きくなって
しまうという問題点があった。
本発明は、従来のメタルハライドランプ装置における
上記問題点を解消するためになされたもので、スクリー
ン上の照度ムラや色ムラを発生させることなく最適なス
クリーン照度を与えるだけでなく、発光管を構成する石
英容器内表面のディスプロシウムによる失透現象の発生
を抑制した長寿命のメタルハライドランプ装置を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記問題点を解決するため、本発明は、放物面あるい
は楕円面等の反射面を有する反射鏡と、両電極間を結ぶ
軸心が前記反射鏡の中心軸とほぼ一致するように該反射
鏡の前面に配置した外管を用いないメタルハライドラン
プとからなるメタルハライドランプ装置において、前記
メタルハライドランプは、前記反射鏡の開口部側に位置
する電極周辺部のランプ外表面に形成した反射兼保温膜
と、該反射兼保温膜の端縁から、両電極間中央近傍部ま
でのランプ外表面乃至反射鏡の底部側に位置する電極の
コイル中央近傍部までのランプ外表面に形成したフロス
ト部とを設けるものである。
このようにフロスト部を、ランプ外表面の全面ではな
く、反射兼保温膜の端縁から、両電極間中央近傍部まで
のランプ外表面乃至反射鏡の底部側に位置する電極のコ
イル中央近傍部までのランプ外表面に、部分的に設ける
ことにより、スクリーンに照射したとき、全体の照度低
下を少なくすると共に、中心部において所望の照度が得
られる。したがって照度比を30%以上にして照度ムラを
小さくし、且つスクリーンの平均照度を良好にして明瞭
な映像を得ることが可能となる。
また本発明は、放物面あるいは楕円面等の反射面を有
する反射鏡と、両電極間を結ぶ軸心が前記反射鏡の中心
軸とほぼ一致するように該反射鏡の前面に配置した外管
を用いないメタルハライドランプとからなり、該メタル
ハライドランプを軸心を鉛直方向に向けて用いるメタル
ハライドランプ装置において、前記メタルハライドラン
プは、前記反射鏡の開口部側に位置する電極周辺部のラ
ンプ外表面に形成した反射兼保温膜と、該反射兼保温膜
の端縁から、両電極間中央近傍部までのランプ外表面乃
至反射鏡の底部側に位置する電極のコイル中央近傍部ま
でのランプ外表面に形成したフロスト部とを備え、且つ
点灯時上部となる電極の発光管内壁よりの突出長Luを下
部となる電極の突出長Ldに対して、1.2≦Lu/Ld≦1.8の
範囲に設定するものである。
このようにフロスト部を部分的に形成することによ
り、上記のように照度ムラを少なくし平均照度を高める
という作用が得られると共に、電極部の配置を非対称と
することにより、外管を設けずに発光管を裸のまま用い
た場合であっても、発光管の上下部の温度分布の差が小
さくなる。したがって色特性の良好な光源を得るためデ
ィスプロシウムのハロゲン化物を封入したものにおいて
も、石英発光管の高温による失透速度が遅くなり、ラン
プ寿命期間中、光学的に利用率の大きい上側を充分利用
することができ、照度低下を低減して高照度でスクリー
ン照度維持率を改善し、長寿命と発光効率の向上を計る
ことができる。
〔実施例〕
以下、本発明に係るメタルハライドランプ装置の第1
の実施例を、第1図及び第2図に基づき説明する。
第1図は、メタルハライドランプ装置の反射鏡の一部
を破断面で示す側面図で、第2図は、メタルハライドラ
ンプ部分の拡大した側面図である。図において、1は最
大外径11mm,最大内径8.8mm,内容積0.4ccの石英容器から
なる断面楕円形状の発光管で、該発光管1内には、その
両端に電極2a,2bを電極間距離が5mmになるように設けて
いる。電極2a,2bは直径0.45mm,長さ6.5mmのThO2含有の
タングステン芯棒に、直径が0.32mmのタングステン線を
コイル長さ2.5mmに巻回した密巻コイルを、芯棒の先端
から0.5mm離して配置して形成している。
そしてこの電極2a,2bに溶接したモリブデン製の幅1.5
mm,長さ12mmのエッジ付箔3a,3bが、発光管1との気密を
保持するために設けられ、その延長上に直径が0.6mmの
モリブデン線からなるワイヤ4a,4bが設けられ、外部か
ら電力が供給されるようになっている。そして発光管1
内には水銀,アルゴンのほかに、3種の沃化物,すなわ
ち沃化ディスプロシウム,沃化ネオジムと沃化セシウム
をそれぞれ重量比で4:2:3に選定したものが0.5mg封入さ
れている。
また、発光管1の、後述する反射鏡9の開口部側9aに
位置する電極2aの周辺部に対応するランプ外表面には、
例えばAl2O3−SiO2混合物などからなる光反射性で且つ
耐熱性の反射兼保温膜5を塗布形成している。更に、該
保温膜5の端縁5aから両電極2a,2b間の中央部に対応す
るランプ外表面を越え、更に反射鏡8の底部側9bに位置
する電極2bの先端近傍部に対応するランプ外表面までフ
ロスト加工を施し、フロスト部6を形成している。
そしてこのように構成した発光管1は、第1図に示す
ように、そのワイヤ4a,4bをそれぞれニッケルリード線
7と口金8に接続し、この発光管1を取り囲むようにし
て、内面にコールドミラー膜を備えた硬質ガラスからな
るφ90mm,f=15の反射鏡9を、その中心軸が発光管1の
軸心とほぼ一致するように取り付け、リード線7の一端
を該反射鏡9の外側へ導出して端子10に接続し、メタル
ハライドランプ装置を構成している。
このように構成したメタルハライドランプ装置を、お
よそ270Hzの矩形波を用いて150W定格で点灯すると、全
光束12000lm,演色評価数Ra85,色温度7000Kの発光特性を
示し、発光効率も80lm/Wであり、映像用光源としては優
れた特性を有している。
そして、所定の光学系で第10図に示したスクリーンに
投射したところ、4000lxの平均照度が得られた。そして
同じくスクリーンのA−A′に沿って照度分布を測定し
たところ、第3図において一点鎖線で示す曲線cのよう
な照度特性が得られ、照度比は30%となり、照度ムラや
色ムラは生じなかった。なお第3図においては、比較の
ため、第11図に示した曲線a,bを合わせて示している。
上記のように高い平均照度と適切な照度比が得られる
のは、次のような理由によるものと考えられる。すなわ
ち、第4図に示すように、本実施例のメタルハライドラ
ンプにおいて、反射鏡9の底部側9bのクリア部分1aから
出射される光11は、散乱されることなくランプ表面より
直進的に射出され、反射鏡9で反射されてスクリーンの
中心部に向けてそのまま投射される。このクリア部分1a
を透過した光は、上記のように散乱されることなく、直
進的に射出されるため、スクリーン上の中心部の照度は
高くなる。
一方、フロスト部6に向けて射出された光は、そのま
まフロスト部6を透過して直進的に射出される光Sはほ
ぼ1/2となり、スクリーンの中心部より若干離れた部分
に照射される。フロスト部6において散乱された光D1,D
2は、スクリーンの中心方向あるいは周辺部分に照射さ
れる。このような発光管1の発光部から放射される光の
ランプ表面からの射出態様により、第3図において一点
鎖線の曲線cで示す照度分布特性が得られるものと考え
られる。
また本発明においては、ランプの反射鏡の開口部側の
電極周辺部に対応するランプ表面に反射兼保温膜5を設
けているが、これにより次のような作用効果が得られて
いる。すなわち、かかる反射兼保温膜5を設けない場合
は、発光管1の中心発光部から、この反射兼保温膜形成
予定領域に向けて放射される光の多くは、反射鏡に当た
らない方向に射出されるため、このようなメタルハライ
ドランプ装置を用いるオーバーヘッドプロジェクタ等の
装置においては迷光となって、スクリーン上に到達しな
い。これに対して本発明のように反射兼保温膜5を設け
ることにより、発光管の中心発光部より放射された光
は、反射兼保温膜5で再度乱反射されて中心に戻され、
有効に利用される。したがって発光効率を向上する。更
に反射兼保温膜5によりランプ封入物質の蒸気圧が上昇
し、それにより光量が増加するため発光効率が向上す
る。
本発明は、以上述べたように、ランプ外表面に所定範
囲にわたり部分的にフロスト部6を形成するものである
が、次にこのフロスト部の最適な形成範囲の設定に当た
って行った実験について説明する。
第2図に示す発光管1において、反射兼保温膜5の端
縁5aから電極2b側の発光管1の内壁端面1bまでの長さを
L、反射兼保温膜5の端縁5aからフロスト部6の先端縁
6aまでの長さをlとし、l/Lの数値、すなわちフロント
部6の長さを変えた種々のランプを用意した。そして第
1図に示すように、反射鏡9を設け、ランプ入力を150W
一定とし、スクリーン上の9点の測定点の平均照度が最
大になるように調整して、l/Lに対する平均照度を測定
したところ、第5図に実線で示すような結果が得られ
た。なお第5図において、横軸は前記l/L(%)を表し
ているが、0%は前記ランプ外表面にフロスト部が形成
されていない場合を、100%は同ランプ外表面の全面に
フロスト部が形成されている場合を示す。また縦軸はス
クリーン平均照度(lx)を表している。
前記スクリーン上の9点の平均照度は、メタルハライ
ドランプ装置からレンズを介してスクリーン上に照射
し、第10図に示したように該スクリーンを9等分した各
領域の中央部〜における照度を測定し、平均した値
であり、前記第5図の実線上の数値は、前記スクリーン
上の最大照度に対する最小照度の比である照度比を表し
ており、この照度比は照度ムラの目安を示している。
そこで、第5図中の前記実線のプロット点に記入した
スクリーン照度比と平均照度とを比較検討すると、同図
から明らかなように、l/Lが10%程度の場合は、平均照
度が約5000lxと高いが、照度比が20%程度であり、照度
ムラが大きいことがわかる。一方、l/Lが80%程度にな
ると照度比が34%程度に上昇するが、平均照度が3500lx
程度に低下してしまうことがわかる。
照度比は、視覚的に30%以上必要とされているので、
次にこの照度比を30%に固定し、ランプと反射鏡との相
対位置を調整して平均照度が最大になるようにして、l/
Lと平均照度との関係を求めたところ、第5図で破線で
示すような結果が得られた。
この第5図において実線及び破線で示した測定曲線か
らわかるように、ランプ外表面に形成するフロスト部の
比率を示すl/Lが25〜70%の範囲であれば、照度比が30
%以上と良好であり、且つ平均照度が4000lx以上と良好
である。すなわち、スクリーン上の照度ムラが小さく、
且つスクリーン上に明るい映像を現出でき、良好な光学
特性を得ることができる。
なお、前記l/Lが25%未満、例えば20%の場合、照度
比を30%にすると平均照度が3900lx以下となり画面が暗
くなり良好な画像が得られない。これに対し平均照度を
4000lx以上、例えば4500lx以上にして画面を明るくしよ
うとすると、照度比が24%程度と小さくなり、照度ムラ
が目立つことになる。一方、l/Lが70%を越えると、照
度比は大となって照度ムラは小さくなるが、例えばl/L
が80%になると、照度比は3500lx程度以下となるよう
に、画面が暗くなり良好な画像が得られなくなる。した
がってl/Lは25%未満あるいは70%を越えた場合、いず
れも良好な光学特性が得られない。
次に、前記実測値に基づき、本発明のランプ外表面の
フロスト部形成部分の最適範囲であるl/L=25%〜70%
に対応する発光管の発光部あるいは電極等の位置関係に
ついて調査したところ、次のような結果が得られた。
すなわち、l/L=25%とは、フロスト部6を反射兼保
温膜5の端縁5aから電極間のほぼ中央部1cまでのランプ
外表面に形成していることであり、またl/L=70%と
は、フロスト部6が反射兼保温膜5の端縁5aから、反射
鏡の底部側に位置する電極2bのほぼコイル中央までのラ
ンプ外表面に形成していることであることが実証され
た。
したがって本発明においてフロスト部の形成範囲は、
反射兼保温膜の端縁から、両電極間中央近傍部までのラ
ンプ外表面乃至反射鏡の底部側に位置する電極のコイル
中央近傍部までのランプ外表面に設定するものである。
上記第1実施例では、上記のようにフロスト部を部分
的に形成して照度ムラを小さくし、且つスクリーンの平
均照度を良好にしたものであるが、そのように構成した
メタルハライドランプにおいて、更に封入メタルハライ
ドの蒸気圧を高めて色特性を良好にするため、発光管1
の反射鏡9の開口側9aの温度(最冷部)を上げようとす
ると、反射鏡9の底部側9bの発光管1の内表面温度が著
しく高温となり、ディプロシウムを封入したランプにお
いては、発光管を構成する石英容器に早期に失透現象が
起こり、スクリーン上の照度低下が著しくなり、また色
特性が悪化することがある。
第2実施例は、この失透現象の発生を抑制し、長寿命
化を計るようにしたものである。第6図は、第2実施例
のランプ部分を示す側面図である。図において、21はほ
ぼ断面楕円形状とし中央に発光部を有する透光性の石英
容器からなる発光管で、該発光管21の上部には、直径が
0.5mmで長さが8.5mmのタングステン芯棒に、直径0.35mm
のタングステンをコイル長さ2.5mmに巻回した密巻コイ
ルを芯棒先端より0.5mm隔てて配置した上部電極22bを設
け、下部には芯棒の長さのみ6.5mmと短くした同様な構
成の下部電極22aが設けられている。
本発明においては、上部電極22bの発光管内壁からの
突出長luを下部電極22aの突出長Ldに対して、1.2≦Lu/L
d≦1.8の範囲に設定し、失透現象を抑制させるための適
切な範囲とするものであるが、この実施例では、Luを6m
m、Ldを4mmとし、Lu/Ldを1.5に設定している。
そして、各電極22a,22bは電気的接続と石英容器の気
密を保持するためにモリブデン箔23a,23bにそれぞれ接
続され、該モリブデン箔にはモリブデンリード線24a,24
bが接続され、その両端より電力が供給されるようにな
っている。
また、発光管内容積は約0.6ccであり、最大外径は11m
m、最大内径は8.8mm、アーク長5mmで、前記第1実施例
の発光管よりも発光部全長は長いものである。その内部
には発光物質としての沃化ディスプロシウム,沃化ネオ
ジム,沃化セシウムを、それぞれ重量比で4:2:3に選定
したものを0.6mgと、水銀及びアルゴンガスを封入して
いる。また、発光管の下部電極22aの外表面には酸化ジ
ルコニウムを主成分とする反射兼保温膜25が被着されて
いる。
そして、更に発光管21の外表面には、第1実施例と同
様に、前記反射兼保温膜25の端縁25aから上部電極22bの
先端部近傍までの範囲に亘りフロスト部26が形成されて
いる。
そして、このように構成された発光管21に第1実施例
と同様に、硬質ガラスからなり内面にコールドミラー膜
を形成した外径100mmの放物面反射鏡を設け、鉛直方向
に配置して該反射鏡の前面開口部から光が放射されるよ
うに構成する。そして例えば、その前方に色フィルター
と映像用液晶とを光学的に配置してレンズで投影するよ
うに構成すると、オーバーヘッドプロジェクションTVが
得られる。第7図に、該オーバーヘッドプロジェクショ
ンTVの概略図を示す。図において、31は本実施例に係る
メタルハライドランプ装置、32,33,34は全反射ミラー、
35,36,37,38は色フィルター(ダイクロイックミラ
ー)、39,40,41は透過型映像用液晶、42は投影レンズ、
43はスクリーンを示す。
このように構成されたメタルハライドランプ装置は、
電子安定器により、およそ270Hzの矩形波で、定格ラン
プ電力を150Wとして鉛直方向に配置して点灯してスクリ
ーンに投射すると、全光束:12500lm,色温度:7000K,演色
評価数Ra:85,特殊演色評価数R9:60,平均照度:4100lx,照
度比:35%のように優れた良好な特性を示す。
次に本発明において上記のように、発光管における上
部電極22bの突出長Luの下部電極22aの突出長Ldに対する
比率の範囲を設定するに当たって行った実験について説
明する。
まず上部電極22bの突出長Luを下部電極22aの突出長と
等しく4mmにして、アーク長を7mmに設定した以外は、第
6図に示した第2実施例と同一の構成のメタルハライド
ランプ装置を作成し、オーバーヘッドプロジェクション
TVの光源として用い、500時間使用したのち、スクリー
ン照度を初期値と比較したところ、平均照度で半減し、
中心照度はそれ以下になることが判明した。
そこで直ちに発光管を取り出して調査したところ、上
部電極22bの近傍の発光管部分において石英の失透によ
る白濁物がみられ、中心発光部よりこの部分に放射され
た光が、その部分において散乱することによって、反射
鏡に有効に光が到達せず、したがってスクリーン照度が
低下し、中心照度の低下が最も大きくなることが判明し
た。また上部電極22bの近傍の発光管を構成している石
英容器の内表面の著しい失透は、上部電極近傍の石英容
器内表面温度が著しく高温になるために発生しているこ
とも判明した。
そこで上部発光管上部の発光に有効な部分の失透の発
生を遅くする手段として、上部電極22bの発光管内壁か
らの突出長Luを下部電極22aの突出長Ldより長くして実
験してみたところ、その突出長によって失透する速さに
違いが生ずることが見出された。すなわち石英容器の形
状,寸法は変更せず、上記第2実施例で示したと同様に
上部電極22bの芯棒を下部電極22aの芯棒に比べて約2mm
長い8.5mmとし、上部電極22bの突出長を6mmとしてアー
ク長を5mmとしたものを作成し、定格電極150Wとして発
光管表面温度を調べたところ、上部及び下部電極の突出
長を同一にしたランプに比較して、発光管中央部は僅か
に高温となるが、上部電極近傍は下部電極近傍とほぼ同
様にあまり高温にならないことが判明した。
そしてこのように構成した発光管を反射鏡に取り付け
照度を測定したところ、両電極突出長を同一にしたラン
プに比べ中心照度は20%増加し、周辺照度はほぼ同じ値
を示した。また実装状態で500時間点灯後の照度を調べ
たところ、減光率は25%であり、上下の両電極の突出長
を同じにしたランプに比べて著しく改善された。
更に上部電極22bの突出長Luについて、種々の発光管
を作成し実験を行ったところ、下部電極22aの突出長Ld
に対して、1.2倍以上にしないと殆ど効果がなく、一
方、1.8倍を越える値とした場合は、所望の蒸気圧が得
られず、色が悪化したり、また発光分布が悪くなり、使
用できる状態のランプが得られなくなることが判明し
た。
そこで本発明においては、上部電極の突出長Luを下部
電極の突出長Ldに対して、1.2≦Lu/Ld≦1.8の範囲に設
定するものである。そしてこの範囲内に設定した場合
は、発光管の形状を長めにしてアーク長を例えば7.5mm
としても、充分照度維持率がよく、実用上差し支えない
特性をもつ光源として利用できることも判明した。
また第6図に示した第2実施例において、第1実施例
と同様に、ランプ外表面のフロスト部の比率l/Lに対す
る照度比及びスクリーン平均照度を測定したところ、第
5図と同様な傾向を示すプロット曲線図が得られた。
すなわち、l/L=25%〜70%に規定することにより、
スクリーン平均照度が高くて画面が明るく、且つ、照度
比が大きくて照度ムラが小さいので、良好な光学特性が
得られた。
〔発明の効果〕
以上実施例に基づいて説明したように、本発明によれ
ば、ランプ外表面に反射兼保温膜及び所定の範囲内で部
分的にフロスト部を形成したので、スクリーンに照射し
たとき全体の照度低下を少なくすると共に、所望の照度
比を得ることができ、スクリーン上の照度ムラや色ムラ
を発生させることなく最適なスクリーン照度を与えるこ
とができる。
またフロスト部を部分的に形成すると共に電極部の配
置を所定の範囲内で非対称とすることにより、上記効果
に加えて、石英発光管の失透速度を遅くしてランプ寿命
期間中の照度低下を低減し、長寿命と発光効率の向上を
計ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るメタルハライドランプ装置の第
1実施例の一部破断側面図、第2図は、その発光管を拡
大して示す側面図、第3図は、スクリーンに投射したと
きの照度分布を示す図、第4図は、発光管から出射され
る光の経路を示す図、第5図は、ランプ外表面のフロス
ト部形成比率とスクリーン平均照度との関係を示す図、
第6図は、本発明の第2実施例の発光管を拡大して示す
側面図、第7図は、メタルハライドランプ装置を用いた
オーバーヘッドプロジェクションTVの構成例を示す概略
図、第8図は、従来のメタルハライドランプ装置の一部
破断側面図、第9図は、メタルハライドランプ装置を用
いた液晶プロジェクタの概略図、第10図は、平均照度及
び照度比測定のために用いるスクリーンを示す図、第11
図は、第10図に示したスクリーンのA−A′線に沿った
従来のメタルハライドランプ装置の照度分布を示す図、
第12図は、発光管全外表面にフロスト部を形成したラン
プにおける光の出射態様を示す図である。 図において、1,21は発光管、2a,22aは下部電極、2b,22b
は上部電極、5,25は反射兼保温膜、6,26はフロスト部、
7はリード線、8は口金、9は反射鏡を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−76874(JP,A) 特開 平1−294344(JP,A) 実開 昭60−65968(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 61/35 H01J 61/20 H01J 61/30 H01J 61/52 H01J 61/88

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放物面あるいは楕円面等の反射面を有する
    反射鏡と、両電極間を結ぶ軸心が前記反射鏡の中心軸と
    ほぼ一致するように該反射鏡の前面に配置した外管を用
    いないメタルハライドランプとからなるメタルハライド
    ランプ装置において、前記メタルハライドランプは、前
    記反射鏡の開口部側に位置する電極周辺部のランプ外表
    面に形成した反射兼保温膜と、該反射兼保温膜の端縁か
    ら、両電極間中央近傍部までのランプ外表面乃至反射鏡
    の底部側に位置する電極のコイル中央近傍部までのラン
    プ外表面に形成したフロスト部とを備えていることを特
    徴とするメタルハライドランプ装置。
  2. 【請求項2】放物面あるいは楕円面等の反射面を有する
    反射鏡と、両電極間を結ぶ軸心が前記反射鏡の中心軸と
    ほぼ一致するように該反射鏡の前面に配置した外管を用
    いないメタルハライドランプとからなり、該メタルハラ
    イドランプを軸心を鉛直方向に向けて用いるメタルハラ
    イドランプ装置において、前記メタルハライドランプ
    は、前記反射鏡の開口部側に位置する電極周辺部のラン
    プ外表面に形成した反射兼保温膜と、該反射兼保温膜の
    端縁から、両電極間中央近傍部までのランプ外表面乃至
    反射鏡の底部側に位置する電極のコイル中央近傍部まで
    のランプ外表面に形成したフロスト部とを備え、且つ点
    灯時上部となる電極の発光管内壁よりの突出長Luを下部
    となる電極の突出長Ldに対して、1.2≦Lu/Ld≦1.8の範
    囲に設定したことを特徴とするメタルハライドランプ装
    置。
  3. 【請求項3】前記メタルハライドランプの外表面に形成
    した反射兼保温膜の端縁から、反射鏡の底部側の発光管
    内壁端面までの長さをLとし、前記反射兼保温膜の端縁
    から前記フロスト部の先端縁までの長さをlとしたと
    き、l/Lを0.25〜0.7の範囲に設定したことを特徴とする
    請求項1又は2記載のメタルハライドランプ装置。
  4. 【請求項4】前記メタルハライドランプの内部に少なく
    ともハロゲン化ディスプロシウムを封入したことを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のメタルハライド
    ランプ装置。
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