JPH10188896A - 放電ランプ、ランプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタ - Google Patents

放電ランプ、ランプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタ

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JPH10188896A
JPH10188896A JP8349971A JP34997196A JPH10188896A JP H10188896 A JPH10188896 A JP H10188896A JP 8349971 A JP8349971 A JP 8349971A JP 34997196 A JP34997196 A JP 34997196A JP H10188896 A JPH10188896 A JP H10188896A
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七生 村瀬
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泰博 岩藤
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弘道 川島
Mamoru Furuya
守 古谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 根元放電に起因する放電ランプのバルブの亀
裂発生を防止する条件を満足し、且つ温度上昇に起因す
る失透を防止する。 【解決手段】 石英ガラスにより形成されたバルブ2
に、少なくとも金属ハロゲン化物を含む放電媒体、およ
び相対向する陽極9と陰極12とを封入してなる放電ラ
ンプ1において、点灯初期時に陽極9の先端と陰極の根
元付近との間の根元放電を防止するに足る必要最小限の
範囲でバルブ2の陰極12側の全外周中の一部を保温す
る保温膜13を設ける。従って、根元放電に起因するバ
ルブ2の亀裂発生を防止することができる。また、点灯
時にはバルブ2の温度は対流により下部より上部が高く
なるが、保温膜13によるバルブ2の陰極12側の外周
の保温領域が制限されるため、保温膜13を下側に向け
た状態での水平点灯の使用形態の場合には、バルブ2の
上部での放熱作用を促進し、失透を防止することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電ランプ、ラン
プ装置、点灯装置および液晶プロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】近来、例えば特開平8−87066号公
報に記載されているように、点光源、高輝度、高効率、
高演色性等の特性を活かしたショートアークタイプの放
電灯、特にメタルハライドランプが液晶プロジェクタ等
の光源として普及している。
【0003】このように用いられる光源として、石英ガ
ラス製のバルブに、金属ハロゲン化物(金属とハロゲン
との化合物)、水銀、希ガスを封入するとともに、放電
空間内で対向する陽極と陰極とをバルブ内に設けて放電
ランプを形成し、この放電ランプを半球状の反射鏡の中
心に装着し、陽極と陰極とに直流電圧を印加して両極間
で放電させるようにしたものがある。
【0004】この直流駆動式の場合、陽極側が高温とな
るが陰極側はあまり熱を発しない。陰極側の熱が低いの
は、反射鏡の開放側に位置することも一つの理由であ
る。一方、金属ハロゲン化物は点灯時に蒸発するが消灯
時は固形化する。この場合、陰極側の方が温度が低いの
で金属ハロゲン化物は陰極の根元に溜り易い。これによ
り、次の点灯初期時にはハロゲンがまだ蒸発しないの
で、陰極の根元に固形化して溜った金属ハロゲン化物と
陽極との間である割合で放電が発生する。これを根元放
電と称している。この根元放電により、陰極の根元付近
のバルブ管壁内面の一部が部分的に温度上昇し、バルブ
に内部歪による亀裂が発生することがある。
【0005】このようなことから、消灯時に陰極側に金
属ハロゲン化物が溜り、この結果、点灯初期時に根元放
電が生ずることがないようにするために、バルブの陰極
側の全外周を保温膜で覆うことにより、陰極側の温度が
あまり下がらないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
陰極側の全外周を保温膜で覆うと、光軸を略水平にして
点灯(以下、水平点灯と称する)する場合に、温度は対
流により上部が高くなる。特に、発光効率を高めるため
に、管壁負荷(バルブ内表面積当りのワッテージ)を高
めた放電ランプや、光学系とのマッチングの関係で陽極
と陰極との距離を長くし陰極突出長さを短くした放電ラ
ンプの場合に、バルブの陰極側の上部が高温になる。保
温膜の内側は特に高温となる。このような場合には失透
が成長する。この失透とは、バルブの材料である石英ガ
ラスの原子と、金属ハロゲン化物の金属原子とが入れ替
わって組織構造が変わる現象であり、外観では白っぽく
なり、性質は脆くなる。これにより光束維持率が低下し
寿命が短くなる問題がある。
【0007】そこで本発明は、根元放電に起因するバル
ブの亀裂発生を防止する条件を満たし、且つ温度上昇に
起因する失透を防止し得る放電ランプ、これを用いたラ
ンプ装置、点灯装置および液晶プロジェクタを提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の放電ラン
プは、石英ガラスにより形成されたバルブと;バルブに
封入された少なくとも金属ハロゲン化物を含む放電媒体
と;前記バルブの両端に設けられた一対の電気導入体
と;これらの電気導入体に電気的に接続されるとともに
前記バルブ内の放電空間内で互いに対向配置された陽極
および陰極と;点灯初期時に前記陽極の先端と前記陰極
の根元付近との間の根元放電を防止するに足る必要最小
限の範囲で前記バルブの前記陰極側の全外周中の一部を
保温する保温膜と;を具備する。
【0009】従って、バルブの陰極側は陽極側に比して
温度が低いが保温膜により保温されているため所定の温
度以上に保持される。従って、消灯時に金属ハロゲン化
物が陰極の根元に偏って溜る作用が抑制される。これに
より、点灯初期時に根元放電の発生が防止される。ま
た、点灯時にはバルブの温度は対流により下部より上部
が高くなるが、保温膜によるバルブの陰極側の外周の保
温領域が制限されるため、保温膜を下側に向けた状態で
の水平点灯の使用形態の場合には、バルブの上部での放
熱作用が促進される。
【0010】この場合、水銀、希ガス等は上記放電媒体
とともにバルブに封入することも可能である。また、保
温膜は、熱を逃がさない膜状のものであればよく、例え
ば酸化アルミナによる膜、或いはバルブ側の内面の反射
率の高い反射膜等が適用される。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の放電ラ
ンプであって、バルブの陰極側の全外周の略半周を保温
膜により保温するようにした。従って、保温膜を下側に
向けた状態での水平点灯の使用形態の場合には、陰極側
におけるバルブの下部半周の温度の下がり過ぎが有効に
防止され、上部半周での放熱作用が促進される。
【0012】請求項3記載のランプ装置は、請求項1ま
たは2記載の放電ランプと;放電ランプからの光を所定
の方向に反射する反射鏡と;を具備する。
【0013】請求項4記載の点灯装置は、請求項1また
は2記載の放電ランプと;放電ランプの一対の電極にラ
ンプ電力を給電して安定的に点灯させる点灯回路と;を
具備する。
【0014】請求項5記載の液晶プロジェクタは、保温
膜を下側に向けて光軸が略水平になるように支持された
請求項4記載の点灯装置と;液晶駆動装置により駆動さ
れる液晶表示パネルと;点灯装置が備える放電ランプか
ら照射されて液晶表示パネルを通した光をスクリーンに
投光する光学系と;点灯装置、液晶駆動装置、液晶表示
パネルおよび光学系を収容すると共に、液晶表示パネル
を透過した光をスクリーンに投光させる開口が形成され
た筐体と;を具備する。
【0015】したがって、請求項3記載のランプ装置、
請求項4記載の点灯装置および請求項5記載の液晶プロ
ジェクタは、請求項1または2記載の放電ランプを具備
しているので、点灯初期時に根元放電の発生が防止され
る。また、水平点灯の使用形態の場合には、バルブの上
部での放熱作用が促進される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
及び図2に基づいて説明する。図1は水平点灯の使用形
態における放電ランプおよびランプ装置の縦断側面図、
図2は図1において底面側より見た水平断面図である。
【0017】図中、1は放電ランプである。放電ランプ
1のバルブ2は石英ガラスにより形成され、両端には封
止部3,4が形成されている。このバルブ2には、金属
ハロゲン化物、水銀、希ガス等の放電媒体が封入され、
封止部3,4には金属箔5,6が密封されている。一方
の金属箔5の一端には口金7に支持されて点灯回路(図
示せず)に接続される電気導入部であるリード端子8が
接続され、他端には陽極9が接続されている。他方の金
属箔6の一端にはリード線10を介してが点灯回路に接
続される電気導入部であるリード端子11が接続され、
他端には陰極12が接続されている。そして、バルブ2
の陰極12側の全外周中の一部には保温膜13が貼付さ
れている。この保温膜13が貼付された範囲は、点灯初
期時に陽極9の先端と陰極12の根元付近との間の根元
放電を防止するに足る必要最小限の範囲であり、この例
では略半周である。
【0018】このような放電ランプ1は、口金7を半球
形の反射鏡14の中心に挿入し、口金7の外周と反射鏡
14の内面との間にセメント15等を充填することによ
りランプ装置16が形成される。
【0019】このような構成において、リード端子8に
直流電圧を印加することにより陽極9と陰極12との間
で放電が生じ金属ハロゲン化物のハロゲンが蒸発する。
このときのハロゲンが蒸発する中での放電によりバルブ
2が発光する。この場合、バルブ2は陽極9側より陰極
12側の温度が低くなるが、陰極12側は保温膜13に
より保温されているため所定の温度以上に保持される。
従って、消灯時に金属ハロゲン化物が陰極12の根元に
偏って溜る作用が抑制される。
【0020】次回の点灯初期時には、金属ハロゲン化物
は固形化の状態であるが、前回の消灯時に金属ハロゲン
化物が陰極12の根元に偏って溜る作用が抑制されてい
るので、根元放電の発生が防止される。これにより、バ
ルブ2の陰極12側の内壁が局部的に高温となる状態が
回避され、従って、バルブ2に亀裂が入ることを防止す
ることができる。
【0021】また、点灯時にバルブ2の温度は対流によ
り下部より上部が高くなるが、水平点灯の使用形態で
は、保温膜13が下側になるようにランプ装置16を支
持することにより、バルブ2の陰極12側の上部の熱を
保温膜13が存在しない上部管壁から放熱させることが
できる。従って、高温による失透を防止することができ
る。この場合、バルブ2の陰極12側の全外周の略半周
を保温膜13で保温することにより、水平点灯の使用形
態の場合には、陰極12側におけるバルブ2の下部半周
の温度の下がり過ぎを有効に防止することができ、上部
半周での放熱作用を促進することができる。
【0022】以上、保温膜13による効果、保温膜13
の保温領域を制限することによる効果について説明した
が、これを立証するために、バルブの陰極側の全周に保
温膜を形成した従来の放電ランプと、バルブ2の陰極1
2側の外周の略半周に保温膜13を形成した本案の放電
ランプ1との比較実験を行った。その結果について説明
する。
【0023】まず、発光効率については従来構成も本案
構成も略同等の結果が得られた。根元放電は、本案構成
で発生しないことが確認された。従来構成の場合は本案
構成のものより保温性が高いので根元放電は発生しな
い。従来構成と本案構成との差は、照度および失透につ
いてである。すなわち、従来構成のものは、保温膜によ
る保温性が高く、その分点灯時に温度が高くなるため、
100時間点灯後の結果、6個中4個が失透した。これ
に対して、本案構成のものは、全数(6個)失透しない
結果が得られた。また、照度については従来構成のもの
より5%アップしたことが確認された。これは放電ラン
プ1の陰極12側の全周に保温膜13を形成する場合に
比して、光を通す範囲が広くなるためである。
【0024】次に、本発明の第2の実施の形態を図3に
基づいて説明する。図1および図2において説明した部
分と同一部分は同一符号を用い説明も省略する。図3は
点灯装置を含む液晶プロジェクタの内部構造の概略を縮
小して示す縦断側面図である。
【0025】図中、17は点灯装置である。この点灯装
置17は、前述した放電ランプ1と、この放電ランプ1
に安定化した電力を給電する点灯回路18とにより形成
されている。この点灯回路18は放電ランプ1のリード
端子8及びリード線10(共に図1参照)に接続され
る。
【0026】液晶プロジェクタ19は、放電ランプ1の
投光前方に、例えばカラー等の液晶表示パネル20と光
学系としての投光レンズ21とを設置し、液晶表示パネ
ル20の表示される映像をスクリーン22上に投影する
ものである。また、点灯回路18を含む点灯装置17、
液晶表示パネル20、この液晶表示パネル20を駆動す
る液晶駆動装置23は、筐体24内に収容されている。
この筐体24は、投光レンズ21を通して投影される映
像を通過させるための開口25を備える。
【0027】このように、液晶プロジェクタ19を構成
するランプ装置16、点灯装置17は、バルブ2の陰極
12側の全外周中の一部を保温膜13で保温する放電ラ
ンプ1を使用しているので、前述したように根元放電、
失透を防止することができる。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、点灯初期時に
陽極の先端と陰極の根元付近との間の根元放電を防止す
るに足る必要最小限の範囲でバルブの陰極側の全外周中
の一部を保温する保温膜を具備するので、バルブの陰極
側は陽極側に比して温度が低いが保温膜により所定の温
度を保つことができる。従って、消灯時に金属ハロゲン
化物が陰極の根元に偏って溜る作用を抑制し、これによ
り、点灯初期時に根元放電の発生および根元放電に起因
するバルブの亀裂の発生を防止することができる。ま
た、点灯時にはバルブの温度は対流により下部より上部
が高くなるが、保温膜によるバルブの陰極側の外周の保
温領域が制限されているため、保温膜を下側に向けた状
態での水平点灯の使用形態の場合には、バルブの上部で
の放熱作用を促進し、温度上昇に起因する失透を防止す
ることができる。
【0029】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
放電ランプであって、バルブの陰極側の全外周の略半周
を保温膜により保温するようにしたので、保温膜を下側
に向けた状態での水平点灯の使用形態の場合には、陰極
側におけるバルブの下部半周の温度の下がり過ぎを有効
に防止し、上部半周での放熱作用を促進することができ
る。
【0030】さらに、請求項3記載のランプ装置、請求
項4記載の点灯装置および請求項5記載の液晶プロジェ
クタは、請求項1または2記載の放電ランプを具備して
いるので、保温膜を下側に向けた状態での水平点灯の使
用形態の場合には、放電ランプの根元放電に起因するバ
ルブの亀裂の発生および失透を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、水平
点灯の使用形態における放電ランプ及びランプ装置の縦
断側面図
【図2】図1において底面側より見た水平断面図
【図3】本発明の第2の実施の形態を示すもので、点灯
装置を含む液晶プロジェクタの内部構造の概略を縮小し
て示す縦断側面図
【符号の説明】
1:放電ランプ 2:バルブ 8:電気導入体 9:陽極 11:電気導入体 12:陰極 13:保温膜 14:反射鏡 16:ランプ装置 17:点灯装置 18:点灯回路 20:液晶表示パネル 21:光学系 22:スクリーン 23:液晶駆動装置 24:筐体 25:開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 守 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスにより形成されたバルブと;
    バルブに封入された少なくとも金属ハロゲン化物を含む
    放電媒体と;前記バルブの両端に設けられた一対の電気
    導入体と;これらの電気導入体に電気的に接続されると
    ともに前記バルブ内の放電空間内で互いに対向配置され
    た陽極および陰極と;点灯初期時に前記陽極の先端と前
    記陰極の根元付近との間の根元放電を防止するに足る必
    要最小限の範囲で前記バルブの前記陰極側の全外周中の
    一部を保温する保温膜と;を具備することを特徴とする
    放電ランプ。
  2. 【請求項2】 バルブの陰極側の全外周中の略半周を保
    温膜により保温するようにしたことを特徴とする請求項
    1記載の放電ランプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の放電ランプと;
    放電ランプからの光を所定の方向に反射する反射鏡と;
    を具備することを特徴とするランプ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の放電ランプと;
    放電ランプの陽極と陰極とに電力を給電して安定的に点
    灯させる点灯回路と;を具備することを特徴とする点灯
    装置。
  5. 【請求項5】 保温膜を下側に向けて光軸が略水平にな
    るように支持された請求項4記載の点灯装置と;液晶駆
    動装置により駆動される液晶表示パネルと;点灯装置が
    備える放電ランプから照射されて液晶表示パネルを通し
    た光をスクリーンに投光する光学系と;点灯装置、液晶
    駆動装置、液晶表示パネルおよび光学系を収容すると共
    に、液晶表示パネルを透過した光をスクリーンに投光さ
    せる開口が形成された筐体と;を具備することを特徴と
    する液晶プロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000222936A (ja) * 1999-01-28 2000-08-11 Ushio Inc 光源装置
US7541690B2 (en) 2005-10-24 2009-06-02 Sony Corporation Signal transmission method, signal transmission device, and liquid crystal projector
US7744249B2 (en) 2005-04-21 2010-06-29 Panasonic Corporation High-pressure discharge lamp, lamp unit and image display device

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