JPH05283050A

JPH05283050A - 投光光源装置

Info

Publication number: JPH05283050A
Application number: JP4074353A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Honda; 和雄本田; Hiromichi Kawashima; 弘道川島; Mamoru Furuya; 守古谷
Original assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Current assignee: Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date: 1992-03-30
Filing date: 1992-03-30
Publication date: 1993-10-29

Abstract

(57)【要約】【目的】両端部に保温膜を設けたランプから放射された
光のうちレフレクタで反射面で反射される反射光の光量
を多く確保し、レフレクタの奥部側に位置する封止部の
温度上昇を抑制した投光光源装置を提供する。【構成】発光管１０の両端部に形成した保温膜１８ａ、
１８ｂの形成高さＨ₁、Ｈ₂を、レフレクタ２の取付け
部に取着される側の保温膜１８ａの高さＨ₁を、他端側
の保温膜１８ｂの高さＨ₂より低くした。【作用】レフレクタの取付け部に取着される封止部側の
保温膜の高さＨ₁を他方より低くしたので、こちら側の
遮光が少なくなり、反射面に向かう光量が多くなり、ま
たフレクタの奥部側に位置することで温度が上昇し勝ち
な封止部の温度上昇を抑止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、メタルハライドランプ
を光源とし、プロジェクタ装置などのような画像投影装
置に適用して有効な投光光源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、文字、表、図形等の画像を拡大し
て表示面に投影することにより表示する手段として、カ
ラー液晶プロジェクタ装置が開発されている。

【０００３】カラー液晶プロジェクタ装置の基本的原理
は、図２に示す通り、光源１と、この光源から放射され
た光を反射するレフレクタ２と、この反射光を集光する
集光レンズ３を備えており、この集光レンズ３から投光
された光は、青色光を反射するダイクロイックミラー
（波長選択性反射鏡）４により青色光が反射され、この
青色光はミラー５で反射されて液晶パネル（ＬＣＤ）６
を照射し、この液晶パネル６の画像を青色に着色してダ
イクロイックミラー７、８および投影レンズ９を介して
スクリーン１０に投影させる。

【０００４】また、上記集光レンズ３から投光された光
のうち、赤色および緑色の光は前記青色光を反射するダ
イクロイックミラー４を透過し、そのうちの赤色光はダ
イクロイックミラー１１で反射され、液晶パネル１２を
照射し、この液晶パネル１２の画像を赤色に着色し、こ
の赤色画像は上記ダイクロイックミラー７で反射されて
他のダイクロイックミラー８を透過し投影レンズ９を介
してスクリーン１０に投影される。

【０００５】さらに、上記赤色光を反射するダイクロイ
ックミラー１１を透過した緑色光は、液晶パネル１３を
照射し、この液晶パネル１３の画像を緑色に着色し、こ
の緑色画像をミラー１４および上記ダイクロイックミラ
ー８で反射して投影レンズ９を介してスクリーン１０に
投影させる。

【０００６】したがって、３個の液晶パネル６、１２お
よび１３の画像をコントロールすることによりスクリー
ン１０の前面に３色の画像を重ねて投影し、これにより
色調されたカラーの画像が映し出されることになる。

【０００７】このようなカラー液晶プロジェクタ装置の
光源としては、所定の光出力が必要であるため、光出力
が大きく、発光効率が高く、演色性にも優れ、かつ寿命
特性も良好なメタルハライドランプを使用しており、こ
の種のメタルハライドランプは、光源の小形化にも大き
く寄与する利点がある。

【０００８】メタルハライドランプは、第３図に示す通
り、石英ガラス等からなる発光管１０の両端に封止部１
４ａ、１４ｂを形成してあり、これら封止部１４ａ、１
４ｂにそれぞれ電極１１ａ、１１ｂを封装してある。電
極１１ａ、１１ｂはそれぞれ電極軸１６に電極コイル１
７を巻回して構成されており、電極軸１６が上記封止部
１４ａ、１４ｂに封着された金属箔導体１２ａ、１２ｂ
に接続されている。このため、電極軸１６、１６の先端
は放電空間内で相互に所定の電極間距離ｌを存して対向
されている。そして、上記金属箔導体１２ａ、１２ｂは
外部リ−ド線１３ａ、１３ｂを介して、封止部１４ａ、
１４ｂに被着された口金１５ａ、１５ｂに接続されてい
る。

【０００９】このような発光管１０には、緩衝金属とし
ての水銀が封入されているとともに、発光金属として金
属ハロゲン化物が封入されており、かつアルゴン等の希
ガスが封入されている。金属ハロゲン化物としては、希
土類金属ハロゲン化物が発光効率に優れ、色温度が高く
なり、例えばヨウ化スカンジウムＳｃＩ₃、ヨウ化ジス
プロシウムＤｙＩ₃、よう化ホルミウムＨｏＩ₃、よう
化ツリウムＴｍＩ₃などが封入されている。

【００１０】そして、このようなメタルハライドランプ
１は、レフレクタ２に取付けられている。レフレクタ２
は金属またはガラスからなる回転２次曲面の本体に、ア
ルミニユームなどからなる反射面２１を形成し、前面２
２が大きく開口されているとともに、頂部に取付け孔２
３を設けてある。この取付け孔２３には上記ランプ１の
一方の封止端部に被着した口金１５が挿入され、接着剤
２４などにより固定されている。

【００１１】この場合、通常は、ランプ１のランプ軸、
つまり対向する一対の電極１１ａ、１１ｂ間を結ぶ線
が、レフレクタ２の中心軸、すなわち光軸Ｏ−Ｏ上に位
置するようにしてレフレクタ２に取付けられており、か
つランプ１の発光中心がレフレクタ２の焦点位置に合致
するか、または若干前面開口部２２側に位置するように
して配置されている。

【００１２】このような構成の投光光源装置において
は、ランプ１の寿命中、封止部１４ａ、１４ｂにおける
電極軸１６の根元と対応する箇所にクラックが発生し、
ランプ寿命が短くなる場合があった。

【００１３】本発明者らはこのような短寿命ランプにつ
いて詳細に調べた結果、電極軸が封着されている封止部
の上記電極軸の周囲にクラックが集中して発生している
こと、および同じく封止部の上記電極軸の周囲の石英に
強い歪みや応力が発生していることをつきとめた。

【００１４】また、電極軸周囲の石英は、著しく変色
し、かつ変質および膨脹していることも確認され、この
部分から発光物質として封入した金属ハロゲン化物、つ
まりＳｃＩ₃、ＤｙＩ₃、ＨｏＩ₃、ＴｍＩ₃などが検
出された。このような調査の結果、電極軸の周囲の封止
部にクラックが発生する原因は以下の理由によるものと
考えられた。

【００１５】すなわち、電極軸１６を石英封止部１４
ａ、１４ｂに封着した場合、熱膨脹差により電極軸１６
の周囲と石英との間に微小な隙間が発生し、この隙間に
金属ハロゲン化物が侵入する。一方、この種のメタルハ
ライドランプ１は、小形であるにも拘らず高出力が要求
されるものであるため管壁負荷が高負荷となっており、
発光管１０の温度が上昇し、かつ電極軸１６を通じて封
止部に伝えられる熱が大きく、したがって電極軸周囲の
封止部の温度が高くなる。

【００１６】このような高温状態の電極軸周囲の隙間に
侵入した金属ハロゲン化物は、高温の石英（ＳｉＯ₂）
と反応して、例えばＳｉＩ₄とＳｃ₂Ｏ₃を生成し、こ
のため石英が変質したり、不所望な膨脹を発生する。一
方、電極軸の根元部周囲の封止部の温度が高くなると熱
歪みや熱応力を発生し、しかも点滅によるヒートサイク
ルのため熱応力は増大する。

【００１７】このようなことから、封止部の電極軸の周
囲にクラックが発生し、かつ強い歪みや応力が発生し、
また、変色、変質および膨脹などが発生し、この結果ラ
ンプ寿命が著しく低下するものと考えられる。

【００１８】したがって、このような不具合を防止する
ための対策としては、上記調査結果から、電極軸１６の
周囲と石英との間の隙間に金属ハロゲン化物が侵入する
のを防止すること、および電極軸１６周囲の石英の温度
を下げる、のが効果的であると考えられる。

【００１９】しかしながら、後者の電極軸１６周囲の石
英温度を下げるためには、電極軸を長くして電極先端の
熱を根元の石英に伝導させないようにする必要があり、
このようにすると電極軸が長くなり発光管が大きくな
る。また、上記の温度は大幅に引き下げないとその効果
は期待できないが、この部分の温度をそのレベルまで引
き下げると、この箇所に最冷部が発生し、余剰の金属ハ
ロゲン化物が凝集して上記隙間に侵入し易くなるばかり
でなく、点灯中の金属ハロゲン化物の蒸気圧が低くな
り、発光効率が著しく低下する不具合がある。よって、
電極軸１６周囲の石英温度を下げる手段は好ましくない
ことが判った。

【００２０】これに対し、電極軸１６の周囲と石英との
間の隙間に金属ハロゲン化物が侵入するのを防止するこ
とを検討した。上記隙間に金属ハロゲン化物が侵入する
のを防止するには、この近傍に金属ハロゲン化物が存在
しないようにすればよく、すなわち電極軸１６の根元部
分に最冷部を形成しない、さらに言えば電極軸１６の根
元部付近を除いた他の箇所に最冷部を形成すべく電極軸
１６の根元部を他の箇所に形成される最冷部の温度より
高く保つようにすれば、効果的であるとの結論に達し
た。

【００２１】このようなことから、本発明者らは図３に
示すように、電極軸１６の根元部分と対応する封止部お
よび発光管１０の外面に、アルミナなどのような耐熱性
の塗布膜からなる保温膜１８ａ、１８ｂを形成すること
を試みた。電極軸１６の根元部分を保温膜１８ａ、１８
ｂで覆うと電極軸１６の根元部の温度が高く保たれ、他
の箇所に最冷部が形成されるようになるから、電極軸１
６の根元部分に余剰の金属ハロゲン化物が凝集すること
がなくなり、電極軸１６の周囲と石英との間の隙間に金
属ハロゲン化物が侵入するのを防止することができる。

【００２２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
示すランプ１の場合、両端の封止部１４ａ、１４ｂから
放電空間側に亘って形成された保温膜１８ａ、１８ｂの
塗布領域が、両端側で同等高さ（Ｈ₁＝Ｈ₂）とされて
いる。ところが、この種の保温膜は保温作用ばかりでな
り光を遮る作用があり、したっがってランプ１から放射
される光を遮断する不具合がある。

【００２３】一般に、光源から出た光をレフレクタによ
り反射して制御する場合は、光源から直接前方に向かう
直射光よりも光源からレフレクタに向かって照射されて
反射面で反射された反射光の方が光量を多くする必要が
ある。

【００２４】このため、上記のように一端封止部１４ａ
をレフレクタ２の取付け孔２３に固定した投光装置の場
合は、ランプから出た光のうち、レフレクタ２の反射面
２１に向かう光量を多くする必要があり、つまり後方に
向かう光量を多く確保する必要がある。

【００２５】にも拘らず、一方の保温膜１８ａの塗布領
域を他方の保温膜１８ｂの塗布領域と同等にすると、有
効な反射光の量が少なくなり、照射効率が低下する不具
合がある。

【００２６】また、回転２次曲面からなるレフレクタ２
の場合、頂部付近、つまり奥深い部分ではランプから放
出された熱がこもり易く、ランプ１においては、一端側
の封止部１４ａが他端側封止部１４ｂよりも温度上昇し
勝ちになる。このため両端側封止部１４ａ、１４ｂ間で
同等面積の保温膜１８ａ、１８ｂを形成すると、一端側
の封止部１４ａの温度が過剰に高くなり、外部リード線
１３ａと金属箔導体１２ａとの接合部で酸化が進み、箔
切れや導通不良を発生する。

【００２７】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、ランプから放射さ
れた光のうち反射面で反射される反射光の光量を多く確
保して照射効率を高くすることができ、かつレフレクタ
の奥部側に位置する封止部の温度上昇が過度にならない
ように抑制した投光光源装置を提供しようとするもので
ある。

【００２８】

【課題を解決するための手段】本発明は、発光管の両端
部に形成した保温膜の形成領域、つまり形成高さを、レ
フレクタの取付け部に取着される側の保温膜の方を他端
側の保温膜よりも低くしたことを特徴とする。

【００２９】

【作用】本発明によれば、レフレクタの取付け部に取着
された封止部側の保温膜の形成高さを低くしたので、こ
の保温膜の遮光作用が少なくなり、反射面で反射される
光量が多くなり、照射効率を高くすることができる。ま
た、このことはフレクタの奥部側に位置する封止部の保
温作用が低くなるので、こちら側の封止部の温度上昇を
抑止し、過度な温度上昇を抑えることができる。

【００３０】

【実施例】以下、本発明について、図１に示す実施例の
もとづき説明する。

【００３１】プロジェクタ装置の全体構造は第２図に示
された通りであり、本実施例に採用されている投光光源
装置は図１に示されている。本実施例と、図３に示す例
とはそのほとんどの構成が同一であってよく、よって同
一箇所は同一番号を付して説明を省略する。

【００３２】本実施例のメタルハライドランプ１は２２
０Ｗタイプであり、その発光管１０に封装された電極１
１ａ、１１ｂはそれぞれ、電極軸１６と、電極コイル部
１７とで構成されており、電極軸１６は線径０．７mmの
タングステンＷによって形成されるとともに、電極コイ
ル部１７は線径０．６mmのタングステンＷにて形成さ
れ、この電極コイル部１７は上記電極軸１６の先端部に
３〜４回巻回されている。これら電極１１ａ、１１ｂの
先端間の離間距離、すなわち電極間距離ｌは、約６mm程
度に形成されており、したがってこのメタルハライドラ
ンプは極めて小形であり、点光源に近づくように構成さ
れている。

【００３３】上記発光管１０内には、緩衝金属としての
所定量の水銀と、希土類金属ハロゲン化物からなる金属
ハロゲン化物、およびアルゴンなどの希ガスが封入され
ている。

【００３４】上記ランプ１には、電極軸１６の根元部分
と対応する封止部１４ａ、１４ｂから発光管１０の外面
にかけて、アルミナなどのような耐熱性塗布膜からなる
保温膜１８ａ、１８ｂが形成されている。この場合、両
端の封止部１４ａ、１４ｂから放電空間側に亘って形成
された保温膜１８ａ、１８ｂの塗布領域は、レフレクタ
２の奥部に位置される一端側の保温膜１８ａの形成高さ
Ｈ₁が、前面投光部２２側に位置する保温膜１８ａの形
成高さＨ₂よりも低く（Ｈ₁＜Ｈ₂）形成されているも
のである。

【００３５】このような構成によれば、ランプ１におけ
る各電極軸１６の根元部分を保温膜１８ａ、１８ｂで覆
ったので、電極軸１６の根元部の温度が高く保たれ、他
の箇所に最冷部が形成されるようになり、電極軸１６の
根元部分に余剰の金属ハロゲン化物が凝集することがな
くなり、電極軸１６の周囲と石英との間の隙間に金属ハ
ロゲン化物が侵入するのを防止することができる。

【００３６】しかも、レフレクタ２の頂部に固定される
側の保温膜１８ａの形成高さＨ₁を、前面投光部２２側
に位置する保温膜１８ａの形成高さＨ₂よりも低く（Ｈ
₁＜Ｈ₂）形成したから、一端側の被覆面積が小さくな
り、ランプ１から放射される光のうち、レフレクタ１に
向かって照射される光量を多くなる。よって、反射面２
１で制御される反射光が増し、照射効率が向上する。

【００３７】しかも、上記一端側の保温性能が低くなる
ので、レフレクタ２の奥深い部分では熱が滞留すること
により一端側の封止部１４ａの温度が高くなっても、保
温作用が低くなることで、過度な温度上昇が防止され、
外部リード線１３ａ金属箔導体１２ａとの接合部で酸化
や箔切れが生じるのを回避することができる。このよう
なことから、ランプ寿命が向上するようになる。なお、
本発明の光源は、メタルハライドランプに限定されるも
のではなく、両端封止形の放電灯であれば実施可能であ
る。

【００３８】また、本発明の投光光源装置は、プロジェ
クタ装置の光源に制約されるものではなく、その他映写
機や幻燈機などのような画像投影装置の光源、または他
の投光装置に適用してもよい。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によると、レ
フレクタの取付け部に取着された封止部側の保温膜の高
さを他端側に比べて低くしたので、この保温膜の遮光作
用が少なくなり、反射面で反射される光量が多くなり、
照射効率を高くすることができる。また、フレクタの奥
部側に位置する封止部の保温作用が低くなるので、こち
ら側の封止部が過度に温度上昇するのを抑止し、外部リ
ード線と金属箔導体との接合部で酸化や箔切れが生じる
のを回避することができる。このようなことから、ラン
プ寿命を長くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すレフレクタとメタルハ
ライドランプを示す断面図。

【図２】プロジェクタ装置の原理図。

【図３】従来例のレフレクタとメタルハライドランプを
示す断面図。

【符号の説明】１…メタルハライドランプ、２…レフレクタ、３…スク
リ−ン、４…レンズ、５…液晶表示面、１０…発光管、
１１ａ、１１ｂ…電極、１２ａ、１２ｂ…金属箔導体、
１３ａ…１３ｂ…外部リ−ド線、１４ａ、１４ｂ…圧潰
封止部、１５ａ、１５ｂ…口金、１６…電極軸、１７…
電極コイル、１８ａ、１８ｂ…保温膜、２１…反射面、
２２…前面投光部、２３…取付け孔。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内面に反射面を形成し、前面に投光部を
設けるとともに背部に取付け部を形成した曲面からなる
レフレクタと、発光管の両端に封止部を形成し、これら封止部に電極を
封装し、上記一端の封止部が上記レフレクタの取付け部
に取着されてこのレフレクタに収容された放電灯と、上記電極の根元に対向してそれぞれの封止部の外面に形
成された保温膜と、を具備した投光光源装置において、上記レフレクタの取付け部に取着される封止部側に形成
された保温膜の放電空間側に向かう形成高さを、他端側
の封止部に形成された保温膜の形成高さよりも低くした
ことを特徴とする投光光源装置。
【請求項２】上記放電灯は、発光管内に水銀と金属ハ
ロゲン化物および希ガスを封入したメタルハライドラン
プであることを特徴とする請求項１に記載の投光光源装
置。