JP2010067472A - 高圧水銀ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 放電容器に早期に黒化が生じることが抑制され、長時間安定した照度を維持することができる高圧水銀ランプを提供する。
【解決手段】 発光管部(12)の両端に封止部(13,14) が連接された石英ガラスよりなる放電容器(11)と、発光管部(12)内に互いに対向するよう管軸方向に沿って配置された、電極棒(21,26) の先端に電極体(22,27) が形成されてなる一方の電極(20)および他方の電極(25)とを備え、発光管部(12)内に0.16mg/mm3 以上の水銀と、1×10-6〜1×10-2μmol /mm3 のハロゲンと、希ガスとが封入された、交流点灯型の高圧水銀ランプ(10)において、放電容器(11)には、一方の電極(20)および他方の電極(25)の各々を包囲する外表面領域に、全周にわたって一方の保温部材(24)および他方の保温部材(29)が設けられ、一方の保温部材(24)の熱容量は他方の保温部材(29)の熱容量の30〜80%である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば投射型プロジェクターの光源として好適に用いることができる交流点灯型の高圧水銀ランプに関するものである。
投射型プロジェクター装置においては、矩形のスクリーンに対して、均一にかつ十分な演色性をもって画像を映し出すことが要求され、その光源ランプについては、より一層の小型化および点光源化が求められている。このような理由から、投射型プロジェクター装置の光源ランプとしては、従来使用されていたメタルハライドランプに代わり、放電容器内に0.16mg/mm3 以上の水銀が封入された、水銀蒸気圧が極めて高い高圧水銀ランプが提案されている(特許文献1参照。)。
このような高圧水銀ランプの一例における構成を図8に示す。この高圧水銀ランプ50は、略球状の発光管部52の両端に柱状の封止部53が連接された石英ガラスよりなる放電容器51を有し、この放電容器51の発光管部52内には、それぞれ電極棒55の先端に電極体56が形成されてなる一対の電極54が互いに対向するよう配置されている。電極棒55の各々の基端には、封止部53内に気密に埋設された金属箔57を介して、封止部53の外端から外方に突出して伸びるよう設けられた外部リード棒58が電気的に接続されている。そして、放電容器51の発光管部52内には、水銀、希ガスおよびハロゲンが封入されている。
このような高圧水銀ランプ50においては、定常点灯されると、電極54間に放電が生じ、放電容器51の発光管部52内から外部に光が放射される。このとき、放電容器51は、放電熱の伝熱や、光の輻射熱によって高温に加熱される。特に、定常点灯時に、発光管部52内においてガスの熱対流が生じるため、発光管部52の上側部分は、下側部分よりも高い温度例えば1000℃以上の温度に加熱される。
しかしながら、放電容器51を構成する石英ガラスは、1000℃以上の温度に加熱されると、非晶質構造から結晶構造に相転移し、当該石英ガラスにはクリストバライト相が形成されるため、放電容器51の発光管部52、特にその上側部分に失透が生じ、その結果、高圧水銀ランプ50の照度が低下する、という問題がある。そのため、高圧水銀ランプ50の点灯中には、放電容器51を空冷することが行われている。
然るに、放電容器51を空冷しながら高圧水銀ランプ50を定常点灯させると、発光管部52における電極54を包囲する領域に早期に黒化が生じる、という問題がある。この発光管部52の黒化が生じる理由は、ハロゲンサイクルが機能しないことによるものと考えられる。
具体的に説明すると、高圧水銀ランプ50の点灯中においては、電極54は高温に加熱され、当該電極54を構成する物質例えばタングステンが蒸発し、封入物であるハロゲンと反応することにより、ハロゲン化タングステンが生成される。このハロゲン化タングステンは、高温の電極に接触すると、タングステンとハロゲンとに分解され、当該タングステンは電極表面に堆積する。この一連のサイクルをハロゲンサイクルという。しかしながら、放電容器51が空冷されている場合には、蒸発したタングステンがハロゲンと反応する前に凝固して発光管部52の内表面に付着し、これにより、発光管部52の黒化が生じる。このような発光管部52の黒化は、発光管部52の下側部分や封止部53付近においてより顕著に生ずる。これは、発光管部52内におけるガスの熱対流により、当該発光管部52の下側部分が上側部分より低温となるためである。
そして、ハロゲンサイクルを機能させ、発光管部に黒化が生じることを抑制するため、放電容器の封止部における外表面領域に保温部材が設けられた高圧水銀ランプが提案されている(特許文献2参照。)。
特開平11−297269号公報 特開2004−87473号公報
しかしながら、交流点灯型の高圧水銀ランプにおいては、放電容器の封止部における外表面領域に保温部材が設けられていても、発光管部に黒化が早期に生じる、という問題があることが判明した。これは、以下の理由によるものと考えられる。
高圧水銀ランプを定常点灯した後に消灯すると、放電熱の伝熱や光の輻射熱がなくなるため、当該高圧水銀ランプは自然冷却される。ここで、交流点灯型の高圧水銀ランプにおいては、一対の電極の各々は略同一の大きさであるため、それぞれの電極は温度差が生じることなく冷却される。一方、放電容器の発光管部内に封入された水銀は、ランプの点灯によって蒸発し、ランプの消灯によって、冷却された電極の各々の表面に凝縮して付着する。このとき、一対の電極の各々に付着する水銀は互いに略同量である。
そして、高圧水銀ランプを再度点灯し、一方の電極と他方の電極との間にグロー放電が開始すると、一方の電極には数百ボルトの高い電圧によって加速された陽イオンが衝突するが、実際には、一方の電極には水銀が付着しているため、当該一方の電極の表面に付着した水銀に陽イオンが衝突し、これにより、水銀が蒸発する。然るに、一方の電極において水銀が付着していない部分に直接陽イオンが衝突した場合には、当該一方の電極を構成する物質例えばタングステンが蒸発することになるが、点灯直後においては、放電容器の発光管部は、放電熱の伝熱や輻射熱を受けておらず、加熱されていない状態であるため、蒸発したタングステンが凝固して発光管部の内表面に付着し、これにより、発光管部の黒化が生じる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、放電容器に早期に黒化が生じることが抑制され、長時間安定した照度を維持することができる高圧水銀ランプを提供することにある。
本発明の高圧水銀ランプは、発光管部の両端に封止部が連接された石英ガラスよりなる放電容器と、この放電容器の発光管部内に互いに対向するよう管軸方向に沿って配置された、それぞれ電極棒の先端に電極体が形成されてなる一方の電極および他方の電極とを備えてなり、当該放電容器の発光管部内に0.16mg/mm3 以上の水銀と、1×10-6〜1×10-2μmol/mm3 のハロゲンと、希ガスとが封入された、交流点灯型の高圧水銀ランプにおいて、
前記放電容器には、前記一方の電極を包囲する外表面領域に、一方の保温部材が設けられ、前記他方の電極を包囲する外表面領域に、他方の保温部材が設けられており、
当該一方の保温部材の熱容量は、当該他方の保温部材の熱容量の30〜80%であることを特徴とする。
本発明の高圧水銀ランプにおいては、一方の保温部材および他方の保温部材は、放電容器に巻き回されたコイル、金属膜、セラミックス膜または誘電体多層膜よりなることが好ましい。
また、直流電圧により一方の電極が陰極として始動され、グロー放電からアーク放電に移行した後に交流電圧により駆動されることが好ましい。
本発明の高圧水銀ランプにおいては、放電容器には、一方の電極および他方の電極の各々の電極棒を包囲する外表面領域に、一方の保温部材および他方の保温部材が設けられていることにより、当該高圧水銀ランプの定常点灯中において、当該高圧水銀ランプが保温されて加熱状態が確実に維持されるので、蒸発した電極物質が発光管部に付着することが抑制される。
しかも、一方の保温部材の熱容量が他方の保温部材の熱容量の30〜80%であることにより、高圧水銀ランプを消灯したときには、他方の電極が一方の電極より保温され、従って、一方の電極が他方の電極よりも冷却されやすく、当該一方の電極には、多量の水銀が凝縮して付着するので、当該高圧水銀ランプを、一方の電極を陰極として始動したときには、陽イオンが一方の電極に直接衝突することが抑制され、これにより、一方の電極の電極物質が蒸発することが抑制される結果、当該高圧水銀ランプの始動時において、電極物質が発光管部に付着することが抑制される。
従って、本発明の高圧水銀ランプによれば、放電容器に早期に黒化が生じることが抑制され、長時間安定した照度を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に係る高圧水銀ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。 この高圧水銀ランプ10は交流点灯型のものであって、略球状の発光管部12の両端にそれぞれ柱状の一方の封止部13および他方の封止部14が連接された石英ガラスよりなる放電容器11を有し、この放電容器11の発光管部12内には、水銀、希ガスおよびハロゲンが封入されている。
放電容器11の発光管部12内には、それぞれ高融点金属例えばタングステンよりなる一方の電極20および他方の電極25が、互いに対向するよう当該発光管部12の管軸に沿って配置されている。一方の電極20および他方の電極25の各々は、電極棒21,26の先端に電極体22,27が形成されて構成されている。図示の例では、電極体22,27の各々は、略半球状の先端部分を有すると共に先端に突起Tが形成され、基端部分には金属線Wが巻き回されて構成されている。
一方の電極20における電極棒21の基端は、一方の封止部13内に気密に埋設された例えばモリブデンよりなる金属箔15の一端に接続され、この金属箔15の他端には、一方の封止部13の外端から外方に突出して伸びるよう設けられた外部リード棒16が接続されている。また、他方の電極25における電極棒26の基端は、他方の封止部14内に気密に埋設された例えばモリブデンよりなる金属箔17の一端に接続され、この金属箔17の他端には、他方の封止部14の外端から外方に突出して伸びるよう設けられた外部リード棒18が接続されている。
放電容器11には、一方の電極20の電極棒21を包囲する外表面領域に、全周にわたって一方の保温部材24が設けられ、他方の電極25の電極棒26を包囲する外表面領域に、全周にわたって他方の保温部材29が設けられている。
発光管部12内に封入される水銀の封入量は、0.16mg/mm3 以上とされ、この封入量は、温度条件によっても異なるが点灯時に150気圧以上の極めて高い蒸気圧となるものであり、これにより、投射型プロジェクター装置の光源として好適な高圧水銀ランプが得られる。
発光管部12内に封入されるハロゲンとしては、沃素、臭素、塩素などを例示することができる。
また、ハロゲンの封入量は、1×10-6〜1×10-2μmol/mm3 とされる。
発光管部12内に封入される希ガスとしては、アルゴン、クリプトン、キセノンおよびこれらの混合物を例示することができる。
また、希ガスの封入圧は、例えば6.65〜26.6kPaである。
そして、本発明において、一方の保温部材24の熱容量は、他方の保温部材の熱容量の30〜80%とされる。一方の保温部材24の熱容量が過小である場合には、高圧水銀ランプの定常点灯中において、当該高圧水銀ランプが十分に保温されず、蒸発した電極物質が発光管部12に付着しやすくなり、その結果、放電容器11に早期に黒化が生じる。一方、一方の保温部材24の熱容量が過大である場合には、高圧水銀ランプ10の消灯時に、一方の電極20が冷却されにくくなり、当該一方の電極20には、十分な量の水銀が付着されないため、高圧水銀ランプ10の始動時において、電極物質が蒸発して発光管部に付着する結果、放電容器11に早期に黒化が生じる。
図示の例では、一方の保温部材24および他方の保温部材29の各々は、放電容器11に巻き回されたコイルによって構成されている。このような構成においては、コイルの巻き数を選択することにより、或いは、用いられるコイルの径を変更することにより一方の保温部材24および他方の保温部材29の熱容量を調整することができる。また、一方の保温部材24および他方の保温部材29を構成するコイルは、一方の封止部13または他方の封止部14の外表面にコイル同士を重ねずに巻き回されていても、コイル同士を重ねて巻き回されていてもよく、更に、コイル同士を重ねずに巻き回される場合には、コイル同士が接触するよう密に巻き回されていても、コイル同士が離間して疎に巻き回されていてもよい。
かかるコイルの材質としては、ニクロム線(Ni−Cr)、鉄−クロム線(Fe−Cr)、カンタル線(Fe−Cr−Al)などを例示することができる。
また、放電容器11の外表面における一方の保温部材24および他方の保温部材29が設けられる領域は、電極棒21,26を包囲する領域とされるが、具体的には、図2に示すように、放電容器11の外表面における位置P1から位置P2までの間の領域R1であり、好ましくは位置P1から位置P3までの間の領域R2である。ここで、位置P1は、放電容器11における発光管部12と一方の封止部13(他方の封止部14)との境界から電極棒21(26)の基端位置までの距離をL1としたとき、発光管部12と一方の封止部13(他方の封止部14)との境界から2×L1の距離を離間した位置であり、位置P2は、電極体22(27)の先端位置である。また、位置P3は、電極体22(27)の突起Tから当該電極体22(27)の先端部分の球面の接線を引き、この接線と放電容器11の外表面とが交差する位置である。
このような高圧水銀ランプ10においては、適宜の点灯装置によって、直流電圧により一方の電極20が陰極として始動され、一方の電極20および他方の電極25間のグロー放電がアーク放電に移行した後に交流電圧により駆動されることが好ましく、これにより、高圧水銀ランプ10を始動したときには、陽イオンが一方の電極20に必ず衝突するようになり、他方の電極20に衝突することが回避されるので、高圧水銀ランプ10の始動時において、他方の電極の電極物質が蒸発することを防止することができる。
上記の高圧水銀ランプ10の動作を図3を参照しながら説明すると、一方の電極20および他方の電極25間には、直流電圧が印加されることにより、水銀アークが発生し、直流電圧の印加から時間t1が経過すると、グロー放電が発生し、更に、グロー放電の発生から時間t2が経過すると、アーク放電が発生する。そして、グロー放電がアーク放電に移行してから一定時間経過した後(直流電圧の印加から時間T1が経過した後)に交流電圧により駆動されて定常点灯され、放電容器11の発光管部12内から外部に光が放射される。このとき、放電容器11は、放電熱の伝熱や、光の輻射熱によって高温に加熱されるが、適宜の冷却手段により、発光管部12特にその上側部分が空冷される。
而して、放電容器11には、一方の電極20および他方の電極25の各々の電極棒21,26を包囲する外表面領域に、全周にわたって一方の保温部材24および他方の保温部材29が設けられているため、高圧水銀ランプ10の定常点灯中において、当該高圧水銀ランプ10が保温されて加熱状態が確実に維持されるので、蒸発した電極物質が発光管部12に付着することが抑制される。
そして、交流電圧の印加から時間T2が経過した後に高圧水銀ランプ10が消灯されると、一方の電極20および他方の電極25が冷却され、発光管部12内において蒸発した水銀が一方の電極20および他方の電極25の各々の表面に凝縮して付着する。然るに、一方の保温部材24の熱容量が他方の保温部材29の熱容量の30〜80%であるため、他方の電極25が一方の電極20より保温され、従って、一方の電極20が他方の電極25よりも冷却されやすく、これにより、一方の電極20の表面には、他方の電極25の表面よりも多量の水銀が凝縮して付着する。
而して、高圧水銀ランプ10を、一方の電極20を陰極として直流電圧により再度始動したときには、一方の電極20の表面には多量の水銀が付着しているので、陽イオンが一方の電極20に直接衝突することが抑制され、これにより、一方の電極20の電極物質が蒸発することが抑制される結果、当該高圧水銀ランプ10の始動時において、電極物質が発光管部12に付着することが抑制される。
従って、上記の高圧水銀ランプ10によれば、放電容器11に早期に黒化が生じることが抑制され、長時間安定した照度を維持することができる
図4は、本発明に係る高圧水銀ランプを具えたランプ装置の一例における構成を示す説明用断面図である。このランプ装置は、例えば図1に示す構成の高圧水銀ランプ10と、この高圧水銀ランプを取り囲むよう配置されたリフレクター30とを備えてなる。
具体的に説明すると、リフレクター30は、例えば放物面状の光反射部31を有し、この光反射部31の中央底部には、当該リフレクター30の軸方向に沿って後方に伸びる筒状の頸部32が形成されている。リフレクター30の頸部32の筒孔内には、高圧水銀ランプ10の放電容器11における他方の封止部14が、当該リフレクター30の軸方向に沿って挿入されて当該頸部32の後端から突出するよう配置されている。
リフレクター30の頸部32の外周には、スリーブ状のリフレクターベース35が設けられている。このリフレクターベース35は、リフレクター30の頸部32の外径より大きい内径を有するリフレクター支持部36と、高圧水銀ランプ10の他方の封止部14の幅より大きい内径を有するランプ支持部37とが連続して一体に形成されている。このリフレクターベース35のリフレクター支持部36の筒孔内には、リフレクター30の頸部32が挿入され、この状態で接着材38により固定されており、一方、リフレクターベース35のランプ支持部37の筒孔内には、高圧水銀ランプ10の他方の封止部14が挿入され、この状態で接着材39により固定されている。
また、34は、高圧水銀ランプ10における一方の封止部13に設けられた外部リード棒16と、給電線(図示省略)とをかしめて固定する固定部材である。
このようなランプ装置によれば、高圧水銀ランプ10は、リフレクター30の頸部32の筒孔内に他方の封止部材14が挿入された状態で配置されているため、当該高圧水銀ランプ10を消灯したときには、他方の電極25が一方の電極20より一層保温され、一方の電極20が他方の電極25よりも一層冷却されやすくなるので、高圧水銀ランプ10の始動時において、電極物質が発光管部12に付着することが確実に抑制される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明においては種々の変更を加えることが可能である。
例えば、一方の保温部材および他方の保温部材は、金属膜、セラミックス膜または誘電体多層膜よりなるものであってもよい。このような構成においては、膜の体積、具体的には膜の厚みや面積を変更することにより一方の保温部材および他方の保温部材の熱容量を調整することができる。このような一方の保温部材および他方の保温部材を構成する場合には、金属膜の材質としては、金(Au)、モリブデン(Mo)などを例示することができ、セラミックス膜の材質としては、SiO2 、Al2 3 などを例示することができ、誘電体多層膜の材質としては、ZrO2 −SiO2 、Ta2 5 −SiO2 、HfO2 −SiO2 などを例示することができる。
また、図5に示すように、一方の電極20(他方の電極25)は、電極体22(27)の先端部にテーパ部が形成されてなるものであってもよい。このような一方の電極20(他方の電極25)を用いる場合には、放電容器11の外表面において、一方の保温部材24(他方の保温部材29)が設けられる好ましい領域R2を決定するための位置P3は、電極体22(27)の先端からテーパ部の基端縁に接する直線を引き、この直線と放電容器11の外表面とが交差する位置である。
また、図6に示すように、一方の電極20(他方の電極25)は、電極棒21(26)の先端にテーパ状の電極体22(27)が連続して一体に形成されてなるものであってもよい。このような一方の電極20(他方の電極25)を用いる場合には、放電容器11の外表面において、一方の保温部材24(他方の保温部材29)が設けられる好ましい領域R2を決定するための位置P3は、電極体22(27)のテーパ面に沿って引いた直線と放電容器11の外表面とが交差する位置である。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈実施例1〜11および比較例1〜8〉
図1に示す構成に従い、下記の仕様の高圧水銀ランプ(10)を作製した。
放電容器(11):石英ガラス製,全長51mm,発光管部(12);長さ9mm,最大外径10mm,発光管部(12)内の容積64.8mm3 ,一方の封止部(13);幅6mm×6mm,長さ17mm,他方の封止部(14);幅6mm×6mm,長さ25mm
一方の電極(20):タングステン製,全長6.65mm,電極棒(21)の径0.4mm,電極体(22)の長さ2.75mm,径1.5mm
他方の電極(25):タングステン製,全長6.65mm,電極棒(26)の径0.4mm,電極体(27)の長さ2.75mm,径1.5mm
金属箔(15,17):モリブデン製
外部リード棒(16,18):モリブデン製,全長8.5mm,外径0.5mm
一方の保温部材(24):線径φ0.3mmの鉄クロム線を放電容器(11)の一方の封止部(13)に下記表1に示す回数巻き回してなるもの
他方の保温部材(29):線径φ0.3mmの鉄クロム線を放電容器(11)の他方の封止部(14)に下記表1に示す回数巻き回してなるもの
封入物:水銀0.27mg/mm3 ,ハロゲン(臭素)7×10-4μmol/mm3 ,アルゴンガス13kPa
管壁負荷:2.2W/mm2
〈実験例1〉
作製した高圧水銀ランプ(10)を水平に配置し、定格電圧80V、定格電力230Wで5秒間直流電圧を印加し、その後、定格電圧80V、定格電力230Wで交流電圧を印加して3.5時間定常点灯させ、その後、30分間消灯し、この点灯・消灯のサイクルを合計で200回繰り返して行った。ここで、最初に高圧水銀ランプ(10)を点灯する前に、一方の電極(20)の表面に予め水銀を付着させておいた。そして、高圧水銀ランプ(10)を観察し、始動時における放電容器の黒化の発生の有無、および定常点灯中における放電容器の黒化の発生の有無を調べた。ここで、発光管部の両端部付近において当該発光管部付近に円形状に発生する黒化を、始動時における発生とし、発光管部の両端部付近において当該発光管部の一部または下側部分または全周にわたって発生する黒化を、定常点灯中における発生とした。以上、結果を下記表1に示す。また、表1には、他方の保温部材(29)の熱容量H2に対する一方の保温部材(24)の熱容量H1の比H1/H2の値を示した。
Figure 2010067472
表1の結果から明らかなように、実施例1〜11に係る高圧水銀ランプによれば、放電容器に、始動時の黒化および定常点灯中の黒化のいずれについても、早期に発生することがないことが確認された。
これに対し、比較例1〜5に係る高圧水銀ランプにおいては、一方の保温部材の熱容量が他方の保温部材の熱容量の30%未満であるため、放電容器には、定常点灯中の黒化が早期に発生し、また、比較例6〜9に係る高圧水銀ランプにおいては、一方の保温部材の熱容量が他方の保温部材の熱容量の80%を超えるため、放電容器には、始動時の黒化が早期に発生した。
〈実験例2〉
実施例6に係る高圧水銀ランプを8本(これらをランプA1〜A8とする。)、比較例8に係る高圧水銀ランプを3本(これらをランプB1〜B3とする。)用意し、これらの高圧水銀ランプについて、実験例1と同様の点灯・消灯のサイクルを合計で1000回繰り返して行い、点灯開始時における照度を100%として、点灯時間の経過による照度の維持率の変化を測定した。以上、結果を図7に示す。
図7の結果から明らかなように、実施例6に係る高圧水銀ランプによれば、長時間安定した照度を維持することができることが確認された。
これに対し、比較例8に係る高圧水銀ランプにおいては、点灯を開始してから早期に照度が低下した。
本発明に係る高圧水銀ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。 図1に示す高圧水銀ランプの要部を拡大して示す説明用断面図である。 本発明に係る高圧水銀ランプに供給されるランプ電流と時間との関係を示す図である。 本発明に係る高圧水銀ランプを具えたランプ装置の一例における構成を示す説明用断面図である。 本発明に係る高圧水銀ランプの他の例における要部を拡大して示す説明用断面図である。 本発明に係る高圧水銀ランプの更に他の例における要部を拡大して示す説明用断面図である。 実施例6および比較例8に係る高圧水銀ランプの照度維持率を示す図である。 従来の高圧水銀ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。
符号の説明
10 高圧水銀ランプ
11 放電容器
12 発光管部
13 一方の封止部
14 他方の封止部
15 金属箔
16 外部リード棒
17 金属箔
18 外部リード棒
20 一方の電極
21 電極棒
22 電極体
24 一方の保温部材
25 他方の電極
26 電極棒
27 電極体
29 他方の保温部材
30 リフレクター
31 光反射部
32 頸部
34 固定部材
35 リフレクターベース
36 リフレクター支持部
37 ランプ支持部
38,39 接着材
50 高圧水銀ランプ
51 放電容器
52 発光管部
53 封止部
54 電極
55 電極棒
56 電極体
57 金属箔
58 外部リード棒
T 突起
W 金属線

Claims (4)

  1. 発光管部の両端に封止部が連接された石英ガラスよりなる放電容器と、この放電容器の発光管部内に互いに対向するよう管軸方向に沿って配置された、それぞれ電極棒の先端に電極体が形成されてなる一方の電極および他方の電極とを備えてなり、当該放電容器の発光管部内に0.16mg/mm3 以上の水銀と、1×10-6〜1×10-2μmol/mm3 のハロゲンと、希ガスとが封入された、交流点灯型の高圧水銀ランプにおいて、
    前記放電容器には、前記一方の電極を包囲する外表面領域に、一方の保温部材が設けられ、前記他方の電極を包囲する外表面領域に、他方の保温部材が設けられており、
    当該一方の保温部材の熱容量は、当該他方の保温部材の熱容量の30〜80%であることを特徴とする高圧水銀ランプ。
  2. 一方の保温部材および他方の保温部材は、放電容器に巻き回されたコイルよりなることを特徴とする請求項1に記載の高圧水銀ランプ。
  3. 一方の保温部材および他方の保温部材は、金属膜、セラミックス膜または誘電体多層膜よりなることを特徴とする請求項1に記載の高圧水銀ランプ。
  4. 直流電圧により一方の電極が陰極として始動され、グロー放電からアーク放電に移行した後に交流電圧により駆動されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高圧水銀ランプ。
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