JP2002352772A - 超高圧放電灯 - Google Patents

超高圧放電灯

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JP2002352772A
JP2002352772A JP2001156114A JP2001156114A JP2002352772A JP 2002352772 A JP2002352772 A JP 2002352772A JP 2001156114 A JP2001156114 A JP 2001156114A JP 2001156114 A JP2001156114 A JP 2001156114A JP 2002352772 A JP2002352772 A JP 2002352772A
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arc tube
discharge lamp
halogen
ultra
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JP2001156114A
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Atsuji Nakagawa
敦二 中川
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Phoenix Electric Co Ltd
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Phoenix Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒化や電極腐食の防止、電極腐食に起因
するフリッカの防止、長寿命化などを克服した超高圧放
電灯を開発すること。 【解決手段】 石英封体容器(1)に設けた発光管部(2)内
に一対の電極(3)が対向して配設されている超高圧放電
灯(A)であって、前記電極(3)がレニウムにて構成され、
発光管部(2)の管壁負荷が1.0W/mm2よりも大き
く、発光管部(2)内に0.2mg/mm3以上の水銀と、
Ar、Kr或いはXeのうちの少なくとも1つの希ガス
と、1×10-5〜1×10-2μmol/mm3のハロゲ
ンが封入されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超高圧放電灯の点
灯中のフリッカ(ちらつき)が皆無で演色性にも優れ寿命
も飛躍的に向上させることができ、特にプロジェクタ装
置のような光学機器用光源として非常に優れた超高圧水
銀放電灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶プロジェクタ装置のような光
学機器の画像投影用光源に超高圧放電灯が用いられる場
合が多い。特に、液晶プロジェクタ装置用の光源として
使用される超高圧水銀放電灯には、点灯中のフリッカの
発生がなく、しかもより鮮明で明るい映像をより長期間
にわたって確保することがランプメーカに要求されてお
り、現在のものに比べて遙かに小さい点光源、より高い
輝度、より長い寿命、点灯中のフリッカレス(点灯中の
フリッカの発生がない事)を求めてランプメーカはしの
ぎを削っている。その結果、封体容器の発光管部の内容
積は次第に小さくなり、要求される点灯時の発光管部内
の内圧も封体容器の材質が持つ強度の極限に近くなって
いるのが現状である。前記において、特に電極間距離が
1.3mm、特に1mm或いはそれ以下という極めて短
くなっている現状においては、点灯中のアークの僅かの
揺らぎも画面の大きなちらつきとなって現れ、プロジェ
クタ装置の品質を大きく損なうことになり、液晶プロジ
ェクタ装置用の光源としてのショートアーク型超高圧水
銀放電灯にあっては極めて重要な改善項目となってい
る。
【0003】このような要求に応える超高圧水銀放電灯
の例として、特開平2−148561号に記載のランプ
(B)が提案されている。この従来ランプ(B)は、(a)高い
輝度と、(b)改良された演色性を得るために、石英封体
容器の発光管部(22)に一対のタングステン対向電極(23)
を配設し、発光管部(22)内に水銀、希ガス及び動作状態
における遊離ハロゲンを封入したもので、0.2mg/
mm3以上の水銀を石英封体容器の発光管部(22)に封入
し、水銀蒸気圧は200バールよりも高く、管壁負荷が
1.0W/mm2よりも大きく、ハロゲンCl、Br又は
Iの少なくとも1つが1×10-5〜1×10-4μmol
/mm3にすることを提案している。ここで水銀封入量
を高め、点灯時の内圧を200バール以上にすること
で、連続スペクトルを得、放射された光スペクトルの赤
部分の増加を図り、演色性向上を達成している。そのた
めには高い壁温(約1000℃)に耐えられるように発光
管部(22)の容積をできる限り小さくすることが必要で、
その結果、管壁負荷が1.0W/mm2よりも大きくなっ
ている。なお、特開平2−148561号の発明当時に
は、現在ほどフリッカに対する要求が大きくなかったの
で、この点に関する記述はないが、後述するようにフリ
ッカは電極腐食に起因するため電極腐食が抑制されれば
必然的にフリッカも減少することになる。
【0004】さて、このような管壁負荷が1.0W/m
2よりも大きい従来ランプ(B)において、長寿命を確保
するためには、発光管部(22)の黒化と電極腐食を回避す
ることが重要であると述べている。発光管部(22)の黒化
防止に関しては、封入ハロゲンによるタングステン輸送
サイクルを採用しなければならないが、封入ハロゲン量
が多過ぎると急激な電極腐食を発生し寿命の低下を招く
ため、封入されるハロゲンCl、Br又はIの少なくと
も1つで1×10-6〜1×10-4μmol/mm3と極
めて少なくすることを提案している。
【0005】即ち、この従来ランプ(B)は前記極めて少
ない封入ハロゲン量により電極腐食を少なくすると共に
高い輝度と改良された演色性を持つ超高圧水銀放電灯で
あって、実質5000時間以上の長寿命を達成したとし
ている。しかしながら、「表1」に示す発明者の追試に
よると、前記極く少量の封入ハロゲン量では発光管部に
おける黒化が発生するだけでなく電極腐食の発生やこれ
に伴って生じる放電領域の表面の荒れによって点灯中の
フリッカも引き起こされている事も確認されている。
【0006】換言すれば、演色性向上は兎も角、前記従
来ランプ(B)の提案する条件では、要求される黒化や電
極腐食の防止、放電領域の表面の荒れに起因するフリッ
カの防止、長寿命化などはなお不十分であると言わざる
を得ない。
【0007】「表1」は、従来ランプ(B)のハロゲン濃
度範囲である1×10-6〜1×10- 4μmol/mm3
の範囲でランプを製作し、500時間の寿命テストを行
いその結果をまとめたものである。使用したハロゲンは
Brである。結果は5本ずつの平均および発生確率で表
示した。また、照度維持率のカッコ内は黒化していない
ランプの平均値である。また、電極表面上に発生したイ
ボ状突起(24)は2個以上発生したものをカウントした。
「表1」で使用されたランプの管壁負荷;0.9W/m
3、ランプ電力;150W、水銀封入量;0.18mg
/mm2、アーク長さ;1.0mmである。
【0008】
【表1】
【0009】表1によれば、前記ハロゲン濃度範囲内で
1×10-5μmol/mm3以下の範囲(試料番号1〜
3)では寿命テストの100時間目で早くも黒化してし
まっているか或いは4/5の黒化が現れ、300時間目
ではほぼ全てのランプで黒化或いは黒化が進行している
ことが判明した。また、それよりも多いハロゲン量(8
×10-5〜1×10-4μmol/mm3=試料番号4、
5)で黒化の確率は減少するものの、依然として黒化す
るランプが存在している。また電極の消耗や複数のイボ
状突起(24)の発生も現認された。その結果、第1従来ラ
ンプ(B)の場合では、照度の低下、フリッカによる点灯
時のちらつき解消や長寿命のランプの提供が不可能であ
ることが追試の結果、判明した。
【0010】そこで、発明者はハロゲン濃度を増やし当
該実験を続け、その結果をまとめたのが「表2」であ
る。実験に使用したハロゲンはHgBr2で、その濃度
範囲は1×10-4〜7×10-3μmol/mm3であ
る。当該ハロゲン濃度は特開平11−297268号に
開示された従来ランプ(第2従来ランプも(B)で代表す
る。)のハロゲン濃度に対応する。結果は5本ずつの平
均及び発生確率で表示した。また、照度維持率のカッコ
内は黒化していない従来ランプ(B)の平均値である。ま
た、イボ状突起(24)が2個以上発生したものをカウント
した。更に、「表2」中の、「表2」では発光管部(22)
の白濁も評価の対象に含めた。なお、「表2」中、「白
濁」の欄の*印は発光管部(22)の上部(22a)の膨張を意
味する。
【0011】
【表2】
【0012】「表1」および「表2」の結果から、黒化
の発生確率はハロゲン濃度の上昇と共に減少傾向にある
ことがわかる。ところが、ハロゲン濃度の上昇と共にイ
ボ状突起(24)が早期に発生するようになり、フリッカの
発生確率を押し上げている。これは、ハロゲン濃度が少
ない場合にはハロゲンサイクルが不十分で点灯時にタン
グステン電極(23)から蒸発したタングステンが発光管部
(22)の内面に付着して黒化を発生・促進させるのに対
し、ハロゲン濃度が高い場合には十分に高いハロゲンサ
イクルのためにタングステン電極(23)から蒸発したタン
グステンが発光管部(22)の内面に付着し、この付着タン
グステンがハロゲンサイクルによって電極(23)の先端部
分に再付着してイボ状突起(24)を形成することになる。
すなわち、後者のイボ状突起(24)の発生メカニズムは、
発光管(22)部内の蒸発タングステンがハロゲンと結合
し、これがアーク(25)中に運ばれて分解され、プラスイ
オン化したタングステンが電極(23)のカソード側に電気
的に引っ張られて堆積することによって発生する。
【0013】このように考えると、ハロゲン濃度が少な
い前者の場合には、ハロゲンサイクルが不十分であるた
め当然電極(23)の先端部分にイボ状突起(24)が発生しな
いはずであるが、「表1」によればハロゲン量が1×1
-6〜8×10-6μmol/mm3という試料1および
2の場合で、100時間点灯で早々と電極消耗が発生
し、試料2においてはイボ状突起(24)の発生が見られ、
イボ状突起(24)はハロゲンサイクルだけが原因ではない
ことが推測できる。なお、試料1および2回は全数黒化
のため300時間点灯は中止したので、100時間点灯
以上の場合における試料1のイボ状突起(24)の発生の有
無は不明である。
【0014】また、「表2」の結果から、「白濁」に関
してはハロゲン濃度の増大と共に発生確率、白濁領域共
に大きくなり、更に発光管部(22)の上部(22a)の膨張も
発生していることがわかる。これはイボ状突起(24)の発
生確率とも比例しており、特にイボ状突起(24)の発生場
所の近傍に発生していた。膨張した発光管部(22)および
白濁が大きな範囲で存在する従来ランプ(B)は、X線撮
影によると全て前記膨張や白濁が発生している発光管部
(22)の上面(22a)に対応する電極(23)の先端部上面に発
生していた。
【0015】これら膨張や白濁の生じている従来ランプ
(B)をリフレクタ(図示せず)から取り出して点灯し、そ
のアーク(25)を投影した結果、電極(23)先端の複数のイ
ボ状突起(24)から放電が起こっており、イボ状突起(24)
が二カ所以上あると放電開始位置がイボ状突起(24)の間
で頻繁に切り替わりつつ点灯しておりこれがフリッカの
原因であった。この放電開始位置の切り替わりの状態を
1時間にわたって投影により確認したが、その切り替わ
りのタイミングはまちまちで必ずしも一定していない。
しかしながらその中でアーク(25)が電極(23)上部のイボ
状突起(24)に移動し、ここで数10分間にわたって放電
が安定する場合があった。このことはアーク(25)が従来
の位置よりも上部にシフトし、発光管部(22)の上部(22
a)内面に近づくことを意味する。その結果、発光管部(2
2)の上部(22a)温度が急激に上昇し、この部分の石英ガ
ラスの白濁や膨張を招いたものと考えられる。
【0016】また、この従来ランプ(B)の発光管部(22)
の上部(22a)の温度を一時間にわたり計測した結果、そ
の温度が頻繁に変化し、また石英ガラスの使用可能な耐
熱温度を越えた異常な高温が観測された。ちなみに白濁
を生じない石英ガラスの正常温度は最大1050℃と考
えられている。「表3」に3本の試料の発光管部(22)上
部の10分毎の温度変化を示す。「表3」から前記正常
温度である最大1050℃を越える時があることを示し
ている。
【0017】
【表3】
【0018】なお、特開平11‐207268号には、
2×10-4〜7×10-3μmol/mm3以上のハロゲ
ンを封入することで、点灯時の短波長紫外線を良好に吸
収し、発光管部(22)を構成する石英ガラスへの前記短波
長赤外線の到達量を減少させ、石英ガラスのSiとOの
切断現象を防止すると共にSiとSiOの発生を抑制す
ることが記載されている。そしてその結果、白濁を抑制
し電極(23)の先端形状の変形を防止することができると
述べている。
【0019】しかしながら、前記追試ではハロゲン濃度
を増大させることにより、黒化現象は減少傾向にあるも
のの、白濁や電極の形状変化は増大される傾向にあるこ
とが判明した。更には、白濁はむしろ大きな電極(23)の
形状変化(すなわち、イボ状突起(24)の発生)により、ア
ーク(25)の位置が発光管部(22)の上部(22a)に近づき、
前記上部温度を上昇させることに起因していることが明
らかになった。
【発明が解決しようとする課題】
【0020】つまり黒化を抑制するための適切なハロゲ
ン量を封入し、なおかつ電極(23)の形状変化の少ない超
高圧水銀放電灯が、唯一当該において前述の要求を満足
することができるランプとなり得るものであることがわ
かる。そこで、発明者は前記従来技術が達成しなかった
黒化や電極腐食の防止、電極腐食に起因するフリッカの
防止、長寿命化などは、前記従来技術が提案するメカニ
ズムと異なるものによるものであると考え、これを克服
することで前記諸問題を一挙に解決しようとした。
【0021】
【課題を解決するための手段】「請求項1」は「石英封
体容器(1)に設けた発光管部(2)内に一対の電極(3)が対
向して配設されている超高圧放電灯(A)であって、前記
電極(3)がレニウムにて構成され、発光管部(2)の管壁負
荷が1.0W/mm2よりも大きく、発光管部(2)内に0.
2mg/mm3以上の水銀と、Ar、Kr或いはXeの
うちの少なくとも1つの希ガスと、1×10-5〜1×1
-2μmol/mm3のハロゲンが封入されている」こ
とを特徴とする。また、「請求項2」の超高圧放電灯
(A)は「電極距離が1.3mm以下である」ことを特徴と
し、「請求項3」はその電極(3)の構造に関し「電極本
体(4)の頭部にレニウムコイル(4a)が巻着されている」
ことを特徴とする。
【0022】タングステン電極(3)を使用した超高圧水
銀放電灯(A)における黒化や電極腐食、電極の放電領域
の表面の荒れに起因するフリッカの発生、短寿命化など
は従来に提唱されていたメカニズムと異なり、後述する
ように石英封体容器(1)の2次封止時に封体容器(1)の構
成材料である石英が分解して発光管部(2)中に入り込む
酸素が従来の電極材料であるタングステンを酸化するこ
とが原因であると考えられる。そこで、電極材料として
高温における耐酸化性に優れたレニウムを使用すること
で、前記発光管部(2)内の封入物の封入条件下におい
て、電極(3)の酸化を防止し、点灯時の電極腐食やイボ
状突起(24)の発生を防止することが出来、これに起因す
る発光管部(2)の白濁や膨張を解消することが出来た。
【0023】また、ハロゲン量を1×10-5〜1×10
-2μmol/mm3と十分なハロゲンサイクルを生じさ
せることができる量を封入しているので、黒化を防止す
ることができ、更に発光管部(2)の管壁負荷が1.0W/
mm2よりも大きく、発光管部(2)内に0.2mg/mm3
以上の水銀が封入されているので、演色性の向上も達成
できた。また、電極距離が1.3mm以下、特に1mm
以下(0.8mm以上)とすることで、プロジェクタ装置
用としてより好ましい点光源とすることができ、しかも
前述のようにレニウムを電極材料とすることでイボ状突
起(24)の発生を抑制することができるので、ちらつきの
ない明るく鮮明な画像を得ることができる。なお、電極
本体(4)の頭部にレニウムコイル(4a)を巻着しておくこ
とで、始動時の放電開始が容易になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施例を用
いて説明する。図1は本発明にかかるダブルエンド型の
超高圧水銀放電灯(A)の断面図である。勿論、シングル
エンド型の超高圧放電灯についても適用可能であるが、
ここではダブルエンド型の超高圧水銀放電灯(A)をその
代表例として説明する。封体容器(1)は熱膨張収縮がほ
とんど起こらない石英ガラスで構成されており、加工前
の封体容器(図示せず)は球体状の発光管部とその両端か
らストレートに伸びた円筒状の封止部分とで構成されて
いる。この石英ガラスの軟化点は1650℃近辺であり
封止加工温度は2000℃以上である。経験上、120
0℃以上で変形が生じ、前述のように2000℃以上で
分解してSiOとOになり、更に不安定なSiOはSi
とOに分解する。また、ごく少量ながら封体容器(1)そ
のものにSiOも含まれている。
【0025】超高圧放電灯用電極(3)の形状は、特に図
の形状に限られるものでないが、図示した電極(3)に従
って説明すると、算盤玉状の電極頭部(7)と、電極頭部
(7)から一体となって導出されている導通部分(8)とで構
成されている。電極全体をレニウムで構成してもよい
が、電極頭部(7)あるいは発光管部(2)内に露出している
部分をレニウムで構成してもよい。また、図3に示すよ
うに棒状のレニウム電極本体(4)の先端部分にレニウム
ワイヤ(5)を巻き付けてもよい。以下、本実施例では電
極全体がレニウムで形成されている場合をその代表例と
して説明する。レニウムの純度はランプ性能の面からい
えば高いほど好ましく、通常はスリー9からファイブ9
程度のものが使用される。
【0026】前記電極(3)の導通部分(8)の先端はモリブ
デン金属箔(11)の一端に溶接されており、モリブデン金
属箔(11)の他端には外部リード棒(12)が溶接されてい
る。これら電極(3)の導通部分(8)の基部、モリブデン金
属箔(11)の全体及び外部リード棒(12)の溶接部分とその
近傍部分は石英棒(10)中に埋設されてマウント(M)が構
成されている。前記マウント(M)は、図示しない石英筒
体の中に予め形成されている前記電極(3)、金属箔(11)
及び外部リード棒(12)の溶接体を挿入し、石英筒体を2
000℃以上の高熱で加熱収縮させ、前述のように電極
(3)の導通部分(8)の基部、モリブデン金属箔(11)の全体
及び外部リード棒(12)の溶接部分とその近傍部分を収縮
した石英ガラス棒(10)内に埋設して形成される。
【0027】このようにして予め形成された一方のマウ
ント(M)を封体容器(1)の加工前の一方の筒状の封止部分
(9a)内に挿入し、マウント(M)から引き出された外部リ
ード棒(12)の屈曲部分(図示せず)の弾発力にて封止部分
(9a)内の所定位置にマウント(M)を仮止めし、然る後、
封体容器(1)に不活性ガスを通流させつつ当該封止部分
(9a)を加熱収縮させて当該マウント(M)の電極頭部(7)を
発光管部(2)内の所定の位置に残した状態で埋設する
「第1封止工程」。
【0028】続いて、図4に示すように、発光管部(2)
内に前述の水銀や、ガスを含む必要充填物(0.2mg/
mm3以上の水銀と、Ar、Kr或いはXeのうちの少
なくとも1つの希ガスと、1×10-5〜1×10-2μm
ol/mm3のハロゲン)を封入し、然る後、他のマウン
ト(M)を残りの加工前の筒状の封止部分(9b)内に挿入
し、すでに固定されているマウント(M)の電極頭部(7)と
新たに挿入して仮固定したマウント(M)の電極頭部(7)と
の電極間距離(1から1.2mm或いは0.8mm)を正確
に設定する。前記マウント(M)の仮固定はマウント(M)か
ら引き出された外部リード棒(12)の屈曲部分(図示せず)
の弾発力にて行う。
【0029】この状態で新たに挿入したマウント(M)側
の封止部分(9b)の先端部分(9c)を加熱封止し(図4参
照)、続いて発光管部(2)を液体窒素で冷却しつつ新たに
挿入したマウント側の封止部分(9b)全体を加熱収縮さ
せ、電極頭部(7)を発光管部(2)内に残した状態で新たに
挿入したマウント(M)を封止部分(9b)に気密的に埋設す
る。これにより前記電極頭部(7)同士は正確に所定の距
離を保って対向状態にて配置されることになる「第2封
止工程」。
【0030】この第2封止工程では、第1封止工程と異
なり、封止部分(9b)の先端部分(9c)を封止した状態で加
熱し、不活性ガスを封体容器(1)に通流させつつ加熱す
ることができないので、2000℃以上の加熱によって
分解して発生したSiOや酸素がそのまま発光管部(2)
内に残留する。しかしながら、この電極材料がレニウム
であるため、この第2封止加熱中において電極(3)が前
記熱分解によって発生した酸素によってほとんど酸化さ
れない。最後に封止部分(9a)(9b)の不要箇所を切除して
図1に示す超高圧放電灯(A)となる。
【0031】次に、前記超高圧放電灯(A)の動作につい
て説明する。図1に示す超高圧放電灯(A)を図示しない
リフレクタに装着し、点灯すると電極(3)間にアーク(5)
が発生する。発光管部(2)内にはハロゲン他、前述のよ
うに第2封止加熱によって発生した酸素も存在する。こ
の場合、電極材料はレニウムであるから1000℃以下
では非常に酸化しにくく、1000℃以上においてもそ
の酸化特性はタングステンに比べると非常に小さいもの
である。従って、発光管部(2)内の酸素によって電極頭
部(7)およびその露出部分がタングステン電極ほど酸化
されず、タングステン電極比べてその蒸発量は著しく小
さく、急激な電極腐食が発生しない。このことは黒化防
止に有効であるだけでなく、十分な量のハロゲン封入量
によって適切なハロゲンサイクルが発生し、蒸発した発
光管部(2)の内に付着したレニウムは電極(7)に戻され
る。この場合でも前記ハロゲンサイクルによって電極腐
食やこれに伴う電極表面の荒れの発生の可能性がある
が、タングステン電極のようにイボ状突起(24)発生する
ことはなくフリッカを発生させるようなことはない。
【0032】なお、封体容器の材料として石英以外に酸
化アルミニウムの使用も考慮されるが、実際には熱衝撃
によりクラックが封体容器に発生するため、超高圧水銀
放電灯における実用性可能性はない。
【0033】「実験例」「表4」は発明にかかるレニウ
ム電極(3)を使用した超高圧水銀放電灯(A)の点灯試験結
果(試料番号;9〜12)で、管壁負荷;0.9W/mm3
消費電力;150W、水銀封入量;0.18mg/m
2、アーク長;1.0mm、使用ハロゲンはBrであ
る。試料5〜8のハロゲン量は、1×10-5μmol/
mm3、1×10-4μmol/mm3、1×10-3μmo
l/mm3、1×10-2μmol/mm3である。100
時間、500時間、1000時間、2000時間および
5000時間の寿命試験において、照度維持率は次第に
低下するものの5000時間の経過してもなお90%程
度の数値を維持しており、従来ランプの場合に比べて遙
かに高い照度維持率を長時間にわたって維持しているこ
とがわかる。
【0034】
【表4】
【0035】黒化やフリッカ、白濁、電極消耗、イボ状
突起の発生は5000時間後も見られず、プロジェクタ
装置用光源としてきわめて優れた性能を有することがわ
かった。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の超高圧放電
灯は、電極材料としてレニウムを使用しているので、2
次封止に発生した発光管部内の酸素によってほとんど酸
化されず、従来問題となっていた黒化やフリッカ、白
濁、電極消耗、イボ状突起の発生をなくすることができ
た。しかも、十分な水銀封入量と十分に高い管壁負荷に
より優れた演色性と十分に短いアーク長による画像の鮮
明さも同時に達成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超高圧放電灯の断面図。
【図2】図1の発光管部の拡大断面図。
【図3】本発明のレニウム電極の他の実施例の部分拡大
一部断面図。
【図4】本発明の超高圧放電灯の第2封止工程における
断面図。
【図5】従来ランプの発光管部の拡大断面図。
【符号の説明】
(A) 超高圧放電灯 (1)石英封体容器 (2)発光管部 (3)電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英封体容器に設けた発光管部内に
    一対の電極が対向して配設されている超高圧放電灯にお
    いて、 前記電極がレニウムにて構成され、発光管部の管壁負荷
    が1.0W/mm2よりも大きく、発光管部内に0.2m
    g/mm3以上の水銀と、Ar、Kr或いはXeのうち
    の少なくとも1つの希ガスと、1×10-5〜1×10-2
    μmol/mm3のハロゲンが封入されていることを特
    徴とする超高圧放電灯。
  2. 【請求項2】 電極距離が1.3mm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の超高圧放電灯。
  3. 【請求項3】 電極本体の頭部にレニウムコイルが
    巻着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の超高圧放電灯。
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