JP4880623B2 - 蛍光ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、トリプルコイルを備えた蛍光ランプに関する。
従来から、主線と前記主線に巻回された副線とからなり、前記副線が巻回された前記主線を一次巻回させてなる一次巻コイルを更に二次巻回して形成された二次巻コイル形状のフィラメントコイル(所謂トリプルコイル)を備えた蛍光ランプがある(特許文献1)。
このような蛍光ランプにおいて二次巻回の巻回ピッチが狭すぎると、陽極振動が不安定になってランプ出力光にちらつきが発生する。なぜなら、前記巻回ピッチが狭すぎると、二次巻コイルの内部空間に存在する水銀イオンをコイル外側に移動させるために必要な隙間がなくなり、水銀イオンが前記内部空間に偏在し、この水銀イオンが陽極表面に到達した電子を捕捉することで電子電流が分散され、陽極降下電圧による電子密度の増大が生じにくくなって、陽極振動が不安定になるからである。なお、陽極振動が不安定になるとランプ出力光にちらつきが発生する理由については後述する。
一方、二次巻回の巻回ピッチを広くすると、フィラメントコイルの抵抗値を確保することができない。なぜなら、フィラメントコイルのサイズはガラスバルブ内に収まる大きさに限定されるため、前記巻回ピッチを広げようとすると二次巻回の巻回数を減らさねばならず、その結果、主線の線長が短くなってしまうからである。
以上のような理由から、特許文献1の蛍光ランプのフィラメントコイルでは、ランプ出力光のちらつきが発生しにくく、かつ抵抗値を確保することができる範囲として、二次巻回の巻回ピッチを1.0〜1.5mmに規定している。
特開2002−56805号公報
蛍光ランプの品質をより向上させる試みの一環として、よりランプ出力光のちらつきが発生しにくい蛍光ランプが求められている。
本発明の目的は、よりランプ出力光のちらつきが発生しにくく、かつフィラメントコイルの抵抗値を確保することができる蛍光ランプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプは、主線と前記主線に巻回された副線とからなり、前記副線が巻回された前記主線を一次巻回させてなる一次巻コイルを更に二次巻回して形成された二次巻コイル形状のフィラメントコイルを備えた蛍光ランプであって、前記二次巻回の巻回ピッチPが1.5mmを超えて2.0mm以下であり、前記主線の直径DWが0.055mm以上0.080mm以下であり、前記一次巻コイルの直径D(mm)がP/5≦D≦P/3の関係を満たすことを特徴とする。なお、フィラメントコイルの二次巻回部分が湾曲している場合、前記二次巻回の巻回ピッチPとは、ランプ放電路の中央部側の巻回ピッチを意味する。
本発明に係る蛍光ランプは、二次巻回の巻回ピッチPが1.5mmを超えて2.0mm以下であり、主線の直径DWが0.055mm以上0.080mm以下であり、一次巻コイルの直径D(mm)がP/5≦D≦P/3の関係を満たすため、従来の蛍光ランプよりもランプ出力光のちらつきが発生しにくく、かつフィラメントコイルの抵抗値を確保することができる。
すなわち、二次巻回の巻回ピッチPが1.5mmを超えているため、二次巻コイルの内部空間に存在する水銀イオンをコイル外側に移動させるために必要な隙間を従来よりも大きく確保することができ、水銀イオンが前記内部空間に偏在しにくいため、よりランプ出力光のちらつきが発生しにくい。
また、主線の直径DWが0.080mm以下と細く、加えて一次巻コイルの直径D(mm)がP/5≦Dの関係を満たしているため前記主線の線長が長く、すなわち主線が細長いため、従来よりも巻回ピッチPを広くしてもフィラメントコイルの抵抗値を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る蛍光ランプおよび照明装置について、図面に基づき説明する。
本発明の蛍光ランプは、例えばJIS C 7617-2やJIS C 7618-2で規定された蛍光ランプとして使用できるが、以下に示す実施形態では、JIS C 7617-2に規定された直管型の蛍光ランプに適用した例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蛍光ランプの一部断面図である。なお、図1では蛍光ランプの一方の端部のみを示しており、他方の端部はこれと同様であるためその説明を省略する。また、図1では、説明を分かりやすくするためハッチングを付していない。
図1に示すように、蛍光ランプ10は、内面に蛍光体11が塗布されたガラスバルブ12と、ガラスバルブ12の端部を封止するステム13と、ステム13に突設された一対の導入線14a,14bと、一対の導入線14a,14b間に架設されたフィラメントコイル100と、ステム13におけるフィラメントコイル100側とは反対側の端部に固定された口金15と、口金15に固定され、かつ一対の導入線14a,14bのそれぞれに電気的に接続する一対の口金ピン16a,16bとを含む。
図2は、フィラメントコイルの一例を示す図であって、(a)はその全体模式図、(b)は(a)におけるX部分の拡大図である。図2に示すように、フィラメントコイル100は、主線101と前記主線101に巻回された副線102とからなり、前記副線102が巻回された前記主線101を一次巻回させてなる一次巻コイルを更に二次巻回して形成された二次巻コイル形状の所謂トリプルコイルである。なお、主線101および副線102は、例えばタングステン製の線材からなる。
また、フィラメントコイル100の表面の一部には、図示しない電子放出物質が付着している。この電子放出物質としては、例えば酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化カルシウム等を主成分として含むものが使用できる。なお、電子放出物質の付着量は、一本のフィラメントコイル100に対し、例えば4〜8mg程度である。トリプルコイルは、線材を一次巻回させてなる一次巻コイルを更に二次巻回させてなるフィラメントコイル(所謂ダブルコイル)と比較して、電子放出物質の保持力が強く、蛍光ランプ10に振動が加わっても電子放出物質が脱落しにくい。すなわち、より細い副線102に囲み込まれるように電子放出物質が付着するため、電子放出物質の脱落を低減できる。
また、フィラメントコイル100は、一対の一次巻回部分100a,100bと、二次巻回部分100cとからなる。一対の一次巻回部分100a,100bは、主線101が一次巻回のみで二次巻回されていない部分であって、当該一対の一次巻回部分100a,100bでそれぞれ一対の導入線14a,14bに接続されている。二次巻回部分100cは、主線101が一次巻回され更に二次巻回された部分であって、前記一対の一次巻回部分100a,100b間に位置する。
また、フィラメントコイル100は、二次巻回の巻回ピッチPが1.5mmを超えて2.0mm以下である。巻回ピッチPが1.5mm以下では、フィラメントに付着した電子放出物質が点灯により消耗した場合、ランプ出力光のちらつきの発生率が高くなる。ちらつきの発生率の実験データについては後述する。一方、巻回ピッチPが2.0mmを超えるとフィラメントコイルの抵抗値を確保することが困難になるとともに、二次巻回部分100cの形が崩れる可能性がある。なお、上記二次巻回の巻回ピッチPは、二次巻回部分100cの平均巻回ピッチを意味する。
また、フィラメントコイル100は、主線101の直径DWが0.055mm以上0.080mm以下である。直径DWが0.055mm未満では、主線101が細すぎるためにフィラメントコイル製作時、蛍光ランプ製作時にフィラメントコイル100に変形が生じる。一方、直径DWが0.080mmを超える場合は、主線101が太すぎるためにフィラメントコイル100の抵抗値を確保することが困難になる。なお、主線101の一次巻回の巻回ピッチは、例えば0.1mm以上0.5mm以下の範囲内にあることが好ましい。この場合、一次巻きコイル同士が接触しにくく、かつ揺れによる耐衝撃性も確保できるためである。さらに、0.2mm以上0.4mm以下の範囲内にあることがより好ましい。
また、フィラメントコイル100は、一次巻コイル201aの直径D(mm)がP/5≦D≦P/3の関係を満たしている。直径DがP/5未満では、主線101が短くなりすぎるためにフィラメントコイル100の抵抗値を確保することが困難になる。一方、直径DがP/3を超える場合では、フィラメントコイル製作時或いは蛍光ランプ製作時において取り付け前のフィラメントコイル100を取り扱う際、一のフィラメントコイル100の二次巻回部分100cのピッチ間に、他のフィラメントコイル100の一次巻回部分100a,100bが入り込んで抜けなくなり、二つのフィラメントコイル100が絡まるおそれがある。
なお、副線102の直径は、例えば0.015〜0.045mm程度であればよい。また、副線102により形成されたコイルの巻回ピッチは、例えば0.03以上0.2mm以下の範囲内にあることが好ましい。副線102により形成されたコイルの巻回ピッチが0.03mmより狭い場合、主線101を巻回させる際に副線102が密集することで、主線101が曲げにくくなるためである。また、副線102により形成されたコイルの巻回ピッチが0.2mmより広い場合、副線102同士の間隔が大きくなることで、エミッタを保持しにくくなるためである。
また、フィラメントコイル100は、二次巻回の巻回数が5〜7回であることが好ましい。巻回数が4回以下では、二次巻回部分100cの形が崩れる可能性がある。一方、巻回数が8回以上では、二次巻回の巻回ピッチPを1.5mmより大きくすることが困難となる。
蛍光ランプ10の典型的な構成において、ガラスバルブ12の寸法は、管内径が18〜38mm、管外径が20〜40mm、電極間距離が400〜2400mmである。
蛍光体11としては、例えば希土類蛍光体を使用することができる。希土類蛍光体としては、例えば赤色蛍光体(Y:Eu)、緑色蛍光体(LaPO:Ce、Tb)、青色蛍光体(BaMgAl1627:Eu、Mn)を混合してなる希土類蛍光体が挙げられる。通常、蛍光体11とガラスバルブ12との間には、アルミナやシリカなどを主成分とする保護膜(図示せず)が形成されている。ステム13の構成材料には、例えば鉛ガラス等が使用できる。
ガラスバルブ12の構成材料には、例えばソーダガラス等が使用できる。また、ガラスバルブ12内には、希ガス及び水銀が封入されている。希ガスとしては、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス等が使用できる。また、これらの希ガスを複数種含む混合ガスを使用することもできる。水銀の封入量は、例えば数mg程度である。
また、ガラスバルブ12に封入された希ガスのガス圧は、250Pa以上350Pa以下であることが好ましい。ガス圧が250Pa未満では、フィラメントコイル100に付着した電子放出物質の蒸発量が多くなりランプ寿命が短くなるおそれがある。一方、ガス圧が350Paを超える場合は、低温でグロースタータが再動作を繰り返しランプ寿命が短くなるおそれがある。
ただし、ガス圧が250Pa未満であっても、例えばアルゴンとクリプトンとの混合ガスを用いることによって、電子放射物質の蒸発量を少なくし、ランプ寿命の短寿命化を抑制することができる。この場合、50Vol%以上90Vol%以下の範囲内のアルゴンと10Vol%以上50Vol%以下の範囲内のクリプトンとの混合ガスであって、かつ150Pa以上350Pa以下の範囲内であることが好ましい。これにより、放電開始電圧を大きくあげることなくランプ温度が上昇する場合でもちらつきの発生を抑えることができる。
一般に、ランプ温度が上昇すると陽極振動が不安定になるため、ちらつきが発生しやすくなる(特開昭56−59449号公報)。なせなら、ランプ温度が上昇するとランプ内の水銀蒸気圧が上昇して二次巻コイルの内部空間に水銀イオンが偏在しやすくなるからである。
希ガスとして、クリプトンは、アルゴンよりも原子半径が大きく、水銀の蒸気が抑えられるため、ランプ温度の上昇に対して水銀蒸気圧が上昇しにくくなる。その結果、密閉された照明装置で点灯するようなランプ温度が上昇する場合でもちらつきの発生を抑えることができる。
より好ましくは、50Vol%以上90Vol%以下の範囲内のアルゴンと10Vol%以上50Vol%以下の範囲内のクリプトンとの混合ガスであって、200Pa以上350Pa以下の範囲内であってもよい。
蛍光ランプ10を点灯時に通電されるランプ電流は、300mA以上650mA以下であることが望ましい。ランプ電流が300mA未満では、フィラメントコイル100を電子放出物質が機能するのに充分な温度まで上昇させることができず、電子放出物質が熱電子を放出できなくなるおそれがある。一方、ランプ電流が650mAを超える場合は、フィラメントコイル100の温度が高くなりすぎて、電子放出物質が蒸発するおそれがある。
ランプ電流が300mA以上650mA以下の蛍光ランプとは、具体的には例えばランプ電流が300mA〜400mAのFL20(直管型20W)の蛍光ランプ、350mA〜450mAのFL40(直管型40W),FCL32(環状型32W),FCL40(環状型40W)の蛍光ランプ、およびランプ電流が550mA〜650mAのFCL30(環状型30W)の蛍光ランプが挙げられる。
次に、ちらつきの発生率の実験データについて説明する。
図3は、巻回ピッチの異なる蛍光ランプの点灯時間に対するちらつき発生率を示す図である。図3に示すように、巻回ピッチPが1.5mmを超える場合は、点灯4000時間を経過しても、ちらつき発生率が5%に到達しない。また、点灯4000時間を経過後、ちらつき発生率がほとんど増加していない。このような結果から、ランプ出力光のちらつきが発生しにくいことがわかる。これは、巻回ピッチPが大きいと二次巻コイルにより形成される内部空間に水銀イオンが偏在しにくく、電子放出物質が消耗しても電子の流入する部位が一定するため、陽極振動が安定して発生することによると考えられる。
なお、従来の蛍光ランプにおいて、ランプ出力光のちらつきが発生する原因について詳細に説明すると、蛍光ランプを点灯させるためには、まず電極を予熱して電子放出物質から熱電子を放出させる。このとき、一対の電極間に所定の電圧が印加され、陰極側の熱電子が反対側の電極(陽極)方向に加速されて放電が開始される。これによりガラスバルブ内の水銀原子が励起されて波長254nmの紫外線が放射され、この紫外線が蛍光体を励起して可視光線(ランプ出力光)が放射される。
商用周波数で蛍光ランプを交流点灯させる際、上記放電過程における電極近傍では、陰極サイクル時には電極から電子が放射され、陽極サイクル時には電極に電子が入射されるが、その陽極サイクル時において、いわゆる陽極振動が発生する。
陽極サイクル時において、電子は陽極降下電圧により加速され、大きなエネルギーを持って陽極表面に到達する。そして電極付近の水銀原子に衝突し、過剰の電離を引き起こす。その結果として陽極付近は電子密度が増大し、陽極降下電圧が一時的にゼロになるが、その後電子が徐々に拡散して電子密度が低下する。この電子密度が所定のレベルまで低下すると再び陽極降下電圧が発生し、電子が加速されて電子密度が増大する。このサイクルを「陽極振動」といい、数kHzの周期でこの振動が繰り返される。
上記陽極振動が安定して発生している状態では、ランプ出力光は比較的安定した状態で蛍光ランプから放射される。ところが、フィラメントコイルに被着させた電子放出物質が点灯により消耗すると、陽極サイクル時の電極において、電子の流入する部位が広がるため、電流密度が不規則に変化する。その結果、陽極振動が不規則に発生と消滅とを繰り返すこととなり、ランプ出力光にちらつきが発生するようになる。
次に、本発明の蛍光ランプを作動させる方法について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る蛍光ランプ10を作動させるための電気接続図の一例である。
図4では、商用周波数の交流電源20と、スイッチ21と、安定器22と、蛍光ランプ10とが直列接続されている。更に、グロースタータ23が蛍光ランプ10に接続されている。蛍光ランプ10を作動させる際は、まずスイッチ21を閉じる。これにより、蛍光ランプ10とグロースタータ23とに電圧がかかり、グロースタータ23内で放電が発生し、その熱でグロースタータ23に内蔵されるバイメタルスイッチが閉じる。その結果、蛍光ランプ10に大きな予熱電流が流れるため、蛍光ランプ10の電極が加熱される。次いで、グロースタータ23が冷えることによって上記バイメタルスイッチが開くと、安定器22の誘導現象によって大きな電圧が蛍光ランプ10の電極間にかかり、その内部に放電が発生して点灯する。なお、図4ではグロースタータ23を使用したが、グロースタータ23に代えて電子スタータを使用してもよい。また、本発明の蛍光ランプ10を電子安定器に応用してもよい。
以上、本発明の一実施形態に係る蛍光ランプについて説明してきたが、本発明の内容は上記の実施の形態に限定されず、例えば以下のような変形例が考えられる。
図5は、変形例に係る蛍光ランプのフィラメントコイルの一例を示す模式図である。変形例に係る蛍光ランプは、フィラメントコイル200の形状が異なる他は、基本的に上記実施の形態に係る蛍光ランプ10と同様の構成をしている。したがって、共通の構成部分には上記実施の形態と同じ符号を付してその説明は省略し、フィラメントコイル200の形状を中心に説明する。
図5に示すように、変形例に係るフィラメントコイル200は、主線201と前記主線201に巻回された副線202とからなり、前記副線202が巻回された前記主線201を一次巻回させてなる一次巻コイルを更に二次巻回して形成された二次巻コイル形状の所謂トリプルコイルである。
また、フィラメントコイル200は、一対の一次巻回部分200a,200bと、二次巻回部分200cとからなる。一対の一次巻回部分200a,200bは、主線201が一次巻回されているが二次巻回されていない部分であって、当該一対の一次巻回部分200a,200bでそれぞれ一対の導入線14a,14bに接続されている。二次巻回部分200cは、主線201が一次巻回され更に二次巻回された部分であって、前記一対の一次巻回部分200a,200b間に位置する。
また、フィラメントコイル200は、二次巻回部分201c全体が、前記フィラメントコイル200と前記一対の導入線14a,14bとの接続部を結ぶ仮想線Yよりもランプ放電路の中央側(矢印Aで示す側)に位置する。より具体的には、二次巻回部分200cの二次巻回の巻回軸Zの中央側がランプ放電路の中央側(矢印Aで示す側)に近くように略円弧状に湾曲している。このように二次巻回部分200cが湾曲しているため、導入線間14a,14bの間隔を大きくとることが困難な蛍光ランプであっても、二次巻回の巻回ピッチPを1.5mmより大きくすることができ、その結果、ランプ出力光のちらつきが発生しにくく、かつ、主線201の線長が長くなるため、フィラメントコイル200の抵抗値を確保することが容易である。
なお、湾曲の形状は略円弧形に限定されないが、例えば略Ω形、略M形、略倒U形、或いは、略倒V形など、二次巻回部分200cの巻回軸Z方向の長さを長くして主線201の線長を長くできる形状が好ましい。
二次巻回部分200cが湾曲しているため、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1は、ランプ放電路の端部側(矢印Aで示す側と反対側)の二次巻回ピッチP2よりも大きい。そして、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1は、1.5mmを超えて2.0mm以下である。
二次巻回部分200cが湾曲している場合は、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1が、本発明に係る二次巻回の巻回ピッチPに相当する。なぜなら、フィラメントコイルが陽極の場合、大半の電子はランプ放電路の中央部側からフィラメントコイル200に到達するため、二次巻回コイルの内部空間に存在する水銀イオンは主としてランプ放電路の中央部側で電子を捕捉することとなり、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1がランプ出力光のちらつき発生に大きな影響を及ぼすからである。
すなわち、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1さえ1.5mmを越えて2.0mm以下であれば、二次巻コイルの内部空間に存在する水銀イオンがランプ放電路の中央部側に溜りにくいため、ランプ出力光のちらつきを発生しにくくすることができる。
なお、フィラメントコイル200におけるランプ放電路の端部側からも二次巻回コイルの内部空間に電子は到達するが、仮にランプ放電路の端部側の二次巻回ピッチP2が1.5mmを越えて2.0mm以下であったとしても、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1が1.5mm以下であれば、二次巻回コイルの内部空間におけるランプ放電路の中央部側に到達する大半の電子が水銀イオンに捕捉されることには変わりがないため、ランプ放電路の端部側の二次巻回ピッチP2がランプ出力光のちらつき発生に及ぼす影響は小さいと言える。
なお、フィラメントコイル200におけるランプ放電路の端部側からも二次巻回コイルの内部空間に電子は到達するが、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1が狭ければ、二次巻回コイルの内部空間におけるランプ放電路の中央部側に水銀イオンが溜まりやすいため、ランプ放電路の中央部側に到達する大半の電子が水銀イオンに補足されることには変わりがないため、ランプ放電路の端部側の二次巻回ピッチP2がランプ出力光のちらつき発生に及ぼす影響は小さいと言える。
二次巻回部分200cは、仮想線Yとの最大隙間距離Lが5mm以下であることが好適である。最大距離Lが5mmを超えると二次巻回部分200cの形が崩れる可能性があると共に、蛍光ランプの電極間距離が短くなってしまう。
二次巻回部分200cの形崩れは、ランプ放電路の中央部側の二次巻回ピッチP1をランプ放電路の端部側の二次巻回ピッチP2で除した値である形崩れ値(P1/P2)により評価できる。形崩れ値は、1.5より小さいことが好ましい。形崩れ値が1.5以上である場合、フィラメントコイル200を曲げる際のばね力によってフィラメントコイル200がねじれてしまい、二次巻回コイル同士が接触して、磨り減ったり、断線したりするおそれがあるためである。
図6〜図9は、フィラメントコイルの形崩れに関する評価結果を示す図である。なお、図6〜図9における巻回軸Kとは、図5に示すように一次巻回部分200aの巻回軸(一次巻回部分200bの巻回軸は図示を省略)を意味し、二次巻直径Mとは、二次巻回部分200cの外径を意味し、導入線間の間隔Nとは、導入線14aとフィラメントコイル200との接合部203と、導入線14bと前記フィラメントコイル200との接合部204との間隔を意味する。
図6に示すように、二次巻直径Mが2.4mm、二次巻回数が6回、導入線間の間隔Nが15mmである実施例1のフィラメントコイルの場合、最大隙間距離Lを5mm以下にすればP1/P2を1.5よりも小さくすることができる。
図7に示すように、二次巻直径Mが2.4mm、二次巻回数が6回、導入線間の間隔Nが12mmである実施例2のフィラメントコイルの場合、最大隙間距離Lを3mm以下にすればP1/P2を1.5よりも小さくすることができる。
図8に示すように、二次巻直径Mが3mm、二次巻回数が7回、導入線間の間隔Nが18mmである実施例3のフィラメントコイルの場合、最大隙間距離Lを5mm以下にすればP1/P2を1.5よりも小さくすることができる。
図9に示すように、二次巻直径Mが1.5mm、二次巻回数が5回、導入線間の間隔Nが12mmである実施例4のフィラメントコイルの場合、最大隙間距離Lを4mm以下にすればP1/P2を1.5よりも小さくすることができる。
また、二次巻回部分200cが湾曲することによって、二次巻回部分200cのランプ放電路の中央側の巻回ピッチPがより大きくなるため、水銀イオンが外側に移動し易くなってよりランプ出力光のちらつきが発生しにくい。なお、前記最大隙間距離Lが5mmを超えると、二次巻回部分200cのランプ放電路の中央側とは反対側(矢印Aで示す側とは反対側)の巻回ピッチPが狭くなりすぎて、蛍光ランプ製作時に、近接する副線202同士、主線201同士、或いは主線201と副線202とが接触するおそれがあるため、前記最大隙間距離Lが5mm以下であることが好適である。
なお、フィラメントコイル200の一次巻回部分200a,200bについて、導入線14a,14bとの接続部203,204よりも端部側を、図5において符号Bで示す位置まで、角度α折り曲げることが考えられる。これにより、フィラメントコイル200がガラスバルブ12の内壁に近づくのを防止することができるため、前記内壁が黒化しにくくなる。なお、角度αは、折り曲げられていない一次巻回部分200a,200bの巻回軸Kと、前記符号Bで示す位置まで折り曲げられた一次巻回部分200a,200bの巻回軸K’とがなす角度である。
角度θと角度αとの和であるθ+αは、実施例1〜4のいずれにおいても90°以上であることが好ましい。この場合、図5に示すフィラメントコイル200の端部205(他方の端部は符号を省略)とガラスバルブの内面との間隔dが、一次巻回部分200a,200bの接続部(折り曲げ部)203,204とガラスバルブ12内面との距離以上になる。すなわち、間隔dを最大にできるため、ガラスバルブの内壁の黒化をより防止できる。
以上変形例に係る蛍光ランプについて説明してきたが、本発明に係る蛍光ランプは、必ずしも仮想線Yよりも中央側に位置する必要はなく、例えば二次巻回の巻回軸Zが仮想線Yと全部或いは一部重なるなど、二次巻回部分200cの一部のみが仮想線Yよりもランプ放電路の中央側(矢印Aで示す側)に位置してもよいことはいうまでもない。
本発明は、環状型蛍光ランプ、直管型蛍光ランプなど蛍光ランプ全般に広く利用することができる。
本発明の一実施形態に係る蛍光ランプの一部断面図 フィラメントコイルの一例を示す図であって、(a)はその全体を示す模式図であり、(b)は(a)のX部分の拡大図 巻回ピッチの異なる蛍光ランプの点灯時間に対するちらつき発生率を示す図 本発明の一実施形態に係る蛍光ランプを作動させるための電気接続図の一例 変形例に係るフィラメントコイルの一例を示す模式図 フィラメントコイルの形崩れに関する評価結果を示す図 フィラメントコイルの形崩れに関する評価結果を示す図 フィラメントコイルの形崩れに関する評価結果を示す図 フィラメントコイルの形崩れに関する評価結果を示す図
符号の説明
10 蛍光ランプ
11 蛍光体
12 ガラスバルブ
13 ステム
14a,14b 導入線
15 口金
16a,16b 口金ピン
20 交流電源
21 スイッチ
22 安定器
23 グロースタータ
100,200 フィラメントコイル
100a,100b,200a,200b 一次巻回部分
100c,200c 二次巻回部分
101,201 主線
102,202 副線

Claims (5)

  1. 管状のガラスバルブと、前記ガラスバルブの両端部の内部に配置されたフィラメントコイルとを有する蛍光ランプであって、
    前記フィラメントコイルは、主線と前記主線に巻回された副線とからなり、前記副線が巻回された前記主線を一次巻回させてなる一次巻コイルを更に二次巻回して形成された二次巻コイル形状で
    前記二次巻回の巻回ピッチPが1.5mmを超えて2.0mm以下であり、前記主線の直径DWが0.055mm以上0.080mm以下であり、前記一次巻コイルの直径D(mm)がP/5≦D≦P/3の関係を満たすことを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記フィラメントコイルは、一対の導入線間に架設されており、
    前記フィラメントコイルの二次巻回部分全体は、前記フィラメントコイルと前記一対の導入線との接続部を結ぶ仮想線よりもランプ放電路の中央側に位置することを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記フィラメントコイルは、二次巻回部分の両端部の一次巻回部分において、導入線に接続されており、
    前記一次巻回部分における前記導入線との接続部よりも端部側は、前記接続部よりも前記二次巻回部分側における前記一次巻回部分の延長線上よりも前記導入線側に存在することを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  4. 前記ガラスバルブ内には、希ガスおよび水銀が封入されており、
    前記希ガスのガス圧が、250Pa以上350Pa以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
  5. ランプ電流が、300mA以上650mA以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
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