JP3562427B2 - 高圧水銀ランプ発光装置、およびその点灯方法 - Google Patents

高圧水銀ランプ発光装置、およびその点灯方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は高圧水銀ランプ、特に、放電容器内に0.15mg/mm以上の水銀が封入され、点灯時の水銀蒸気圧が百数十気圧以上にもなる高圧水銀ランプであって、液晶プロジェクタや投射型液晶ディスプレイ装置等のバックライトとして使用されるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
投射型液晶ディスプレイ装置は、矩形状のスクリーンに対して均一に、しかも十分な輝度、効率、及び演色性をもって画像を投射させることが要求される。このため、光源として、水銀や金属ハロゲン化物を封入させたメタルハライドランプが使われる。そして、メタルハライドランプでも、最近ではより一層の小型化、点光源化が進められ、電極間距離の極めて小さいものが実用化されている。
【0003】
このような背景のもと、メタルハライドランプに代わって、点灯時の水銀蒸気圧が百数十気圧以上にもなる高圧な水銀ランプが提案されている。これは、点灯開始時の水銀蒸気圧をより高くすることで、アークの広がりを抑える(絞り込む)とともに、より一層の光出力の向上を図るというものであり、例えば、特開平2−148561号公報、特開平6−52830号公報に開示されている。
【0004】
このような高圧水銀ランプは、高輝度、高効率および高演色性を実現するために、例えば百数十気圧以上もの水銀蒸気圧が必要であり、そのため、0.15mg/mm以上程度の水銀を放電容器内に封入させる必要がある。従って、ランプを始動させた後、発光管内表面に液体状で溜まっている水銀が温まって蒸気となり、蒸気圧が上昇して光出力が立ち上がるのに数分の時間を要する。この現象は従来から存在する水銀蒸気圧が高くない高圧水銀ランプ(例えば、点灯中の内圧80気圧以下)や低圧水銀ランプでは実用上顕著に発生しない現象といえる。また、一般に、放電ランプの始動時にはグロー放電が発生するが、その高い陰極降下電圧により陰極材料であるタングステンのスパッタリングが起こり、タングステンが放電容器内壁に付着して、ランプの光出力を低下させる。このことが、ショートアーク型高圧水銀ランプの長寿命化の障害となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、光出力の立ち上がり時間を短縮し、ランプ始動時に発生するグロー放電を防止することが可能な高圧水銀ランプ発光装置、およびその点灯方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる内容積300mm 以下の放電容器に一対の電極が対向配置され、0.15mg/mm 以上の水銀を封入した高圧水銀ランプの発光装置において、前記高圧水銀ランプを点灯始動する前に前記放電容器の発光部外表面温度を100℃以上に加熱する手段と、この加熱する手段に電気的に接続する加熱用電源と、前記高圧水銀ランプの両封止部から伸びる各外部リードに電気的に各々接続する主点灯回路を有し、前記加熱する手段は、金属線によって発光部を跨いで両方の封止部に巻きつけた導電性ヒータよりなり、かつ、高圧水銀ランプの一方の外部リードに電気的に接続させていることを特徴とする。また、請求項2に記載の発明は、導電性ヒータが高圧水銀ランプの陰極側の外部リードに電気的に接続されることを特徴とする。また、請求項3に記載の発明は、両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる放電容器に一対の電極が対向配置され、0.15mg/mm 以上の水銀を封入した高圧水銀ランプの点灯方法において、前記高圧水銀ランプを点灯始動する前に、前記放電容器の一方の封止部に巻き付けた後、金属線によって発光部を跨いで他方の封止部に巻き付けた構造の導電性ヒータによって、前記放電容器の発光部外表面温度を100℃以上に加熱しておくとともに、点灯始動時は、前記導電性ヒータの金属線がトリガワイヤとして機能させることを特徴とする。
【0007】
【作用】
上記発明によれば、高圧水銀ランプの光出力の立ち上がり時間を短縮するとともに、高圧水銀ランプ始動時に発生するグロー放電を防止することができる。具体的には、内容積300mm 以下の放電容器に0.15mg/mm以上の水銀を封入した高圧水銀ランプであって、その点灯始動前に放電容器の発光部外表面温度を100℃以上に加熱しておくことにより、点灯始動前から放電容器内の水銀を十分に蒸気化させておくことができ、高圧水銀ランプを絶縁破壊させて点灯開始させた段階では、放電容器内部の水銀の蒸気圧は既に十分に上昇している。このため、高圧水銀ランプの光出力の立ち上がり時間を短縮するとともに、高圧水銀ランプ始動時に発生するグロー放電を防止することができる。
【0008】
また、加熱手段として、放電容器の封止部に導電性ヒータを巻き付けて、この導電性ヒータを通電する構成を採用することで、簡単な構成によって、高圧水銀ランプの点灯始動前に放電容器の発光部外表面温度を所定値、例えば100℃以上に制御することができる。
【0009】
また、導電性ヒータを放電容器の一方の封止部に巻き付けて、金属線によって発光部を跨いで他方の封止部にも巻き付けた構造として、かつ、導電性ヒータは高圧水銀ランプの一方の外部リードに電気的に接続させることにより、点灯開始時に発光管部を跨いだ金属線によってトリガワイヤの働きをさせることができる。すなわち、点灯開始時に導電性ヒータへの通電は停止しているわけであるが、一方の外部リードとは電気的接続がされているため、放電ランプを点灯開始させるときの絶縁破壊電圧が金属線にも印加され、これがトリガワイヤとして働いて点灯始動を容易にさせることができる。すなわち、ランプ点灯始動前は発光部内を事前に加熱することで内部の水銀を蒸気化させて、点灯始動時(開始時)は加熱時に利用した導電性ヒータ同志をつなぐ金属線によってトリガワイヤの働きをさせることができる。
【0010】
また、導電性ヒータを高圧水銀ランプの陰極側の外部リードに電気的に接続することによって、ランプ定常点灯時において外部リード部の電位と同電位を陰極根元の封止部外面に印加することができ、ランプの耐圧強度を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の第1の実施例に係る高圧水銀ランプの構造、及び回路構成を示す。
高圧水銀ランプ1は、直流点灯型のものであり、その放電容器2は石英ガラスにより形成され、発光空間を形成する楕円球形の発光部3とこの発光部3の両端から外方に伸びるように連設されたロッド状の陰極側封止部4,陽極側封止部5を有する。
発光部3には、放電容器2の管軸上において、電極間距離が例えば2.0mm以下となる状態で陰極6、陽極7とが対向配置しており、陰極6は軸部分(図示しない)が陰極側封止部4内を伸び、当該陰極側封止部4に気密に埋設された陰極側金属箔8を介して外部リード9に電気的に接続されている。
陽極7についても、同様の構成とされる。図において、10は陽極側金属箔である。
【0012】
そして、発光部3内には、発光物質として水銀が封入され、また、点灯始動ガスとしてアルゴン、キセノン等の希ガスが封入される。希ガスは例えば、1.3×10Pa封入される。
ここで、水銀の封入量は0.15mg/mm以上が必要であって、この量は安定点灯時の水銀蒸気圧が百数十気圧以上になるものである。
【0013】
このような高圧水銀ランプの一例を紹介すると、発光部の最大外径12.0mm、最大内径7.5mm、発光空間長(ランプの軸方向の長さ)12.5mm、封入水銀量50mg、発光空間の内容積260mm、発光空間の内表面積250mm、管壁負荷0.8W/mm、定格電力200W、電極間距離1.5mmである。
【0014】
高圧水銀ランプ1には、陰極側封止部4と陽極側封止部5の両方に加熱する手段、例えば導電性ヒーターとしての金属線11,12がそれぞれの封止部4,5の全部または一部を覆うように巻き付けられて配設されている。
陰極側封止部4に設けられた金属線11の端部11aは金属線13によって加熱用電源Dに接続され、金属線11の他方の端部11bは金属線14によって陽極側封止部5に設けられた金属線12の端部12aにそれぞれ電気的に接続され、陽極側封止部5に設けられた金属線12の端部12bは金属線15によって回路SC、加熱用電源DCに接続される。
すなわち、金属線13,14,15を介して金属線11,12に電力を供給することにより、放電容器2が加熱される。
【0015】
上記構成において、最初に、高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCとは別に構成された金属線11,12を制御する回路SCにより金属線11,12に電力が供給されて放電容器2が加熱される。
そして、発光部3の外表面温度が規定温度、例えば250℃に達したことを熱電対、放射温度計等の温度検知器(図示しない)が検知すると、回路SCは金属線11,12への電力供給を停止し、放電容器2の加熱を終了する。
この規定温度は、水銀封入量や発光部内容積によって変化するが、少なくとも100℃以上にしておく必要がある。つまり、放電ランプが点灯始動する前に発光部3の外表面温度を100℃にまで昇温させることによって、予め放電容器2内に存在する水銀を蒸発させておくことができ、これにより光出力の早い立ち上がりと、点灯始動時に生じ易い不所望なグロー放電を良好に防止することができる。
【0016】
ここで、100℃という数値について、本発明者らが種々検討のすえ、点灯中の蒸気圧が百数十気圧、発光部内容積300mmという小型の高圧水銀ランプにおいて、その発光部の外表面を100℃以上にすることにより、発光部内の水銀を実質的に蒸気化することができ、光出力の実用的意味において早い立ち上がりと、実質的に不所望なグロー放電が発生することがないことを確認したものである。
【0017】
このような高圧水銀ランプの点灯始動前に発光部の外表面を少なくとも100℃に昇温させておいた後、当該加熱を停止させて、次いで、主点灯回路MCにより高圧水銀ランプ1に電力を供給して、高圧水銀ランプ1の電極間が絶縁破壊することで点灯始動する。
【0018】
本実施例においては、高圧水銀ランプ1の始動前に、高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCとは別に構成された金属線11,12を制御する回路SCにより金属線11,12に電力を供給し、放電容器2を加熱するので、始動時には、既に発光部3の温度が上昇し、水銀の蒸気圧もそれに応じて上昇しているため、始動後の光出力の立ち上がりが、始動前に放電容器2の加熱を行わない場合に比べて速くなる。
【0019】
なお、上記実施例では、加熱用回路SCと主点灯回路MCは完全に別個に構成されたものであったが、図5に示すように、少なくとも一方の封止部の外部リード9と導電性ヒータを電気的に接続することもできる。
この構成では、放電容器2の両方の封止部4,5に導電性ヒータを設けて、発光部3を跨ぐように金属線14が配置されるので、加熱手段を停止させた後の状態であっても、ランプ点灯始動時において高電圧を金属線14に印加することができ、金属線14がトリガワイヤとして機能して点灯始動性を改善することができる。具体的には、高圧水銀ランプ1の始動時には10数KVのピーク電圧を持つパルス高圧をランプの両電極に印加して放電空間内の気体を絶縁破壊するが、一方の外部リードに接続され同電位となった金属線14を発光部近傍を沿うように近接配置させることで、点灯始動を容易にすることができる。また、このようなトリガワイヤが存在しない場合に比べて、より低い高圧パルスによって電極間の絶縁破壊が可能になる。
【0020】
さらに、図5に示す実施例において、陰極側封止部4側の外部リード9に溶接や巻き付け等の手段により電気的接続をすることが以下の理由により、より効果的である。具体的には、陰極側封止部4に設けられた金属線11の端部11aは外部リード9と電気的接続を果たすことにより、主点灯回路MCとも電気的に接続される。
このような構成により、陰極側封止部4に設けた導電性ヒータ、すなわち金属線11が同電位ワイヤの機能を有する。陰極側封止部4に埋設されている陰極芯棒(図示しない)やモリブデンからなる陰極側金属箔8は、ランプの定常点灯時に負電位になるので封止部を構成する石英ガラスに含まれるナトリウムやカリウムなどのアルカリ成分を引き寄せる。これらアルカリ成分がモリブデンからなる陰極側金属箔8や封止部を構成する石英ガラスの界面に存在するとモリブデンからなる陰極側金属箔8と封止部を構成する石英ガラスの結合を切断して、両者の接合力を低下させ、結果としてランプ耐圧強度を低下させてしまう。
しかしながら、陰極側封止部4の外表面に金属線11を巻き付け、これを陰極側の外部リード9と電気的に接続すれば、ランプの定常点灯時において、陰極側封止部4の内部の陰極芯棒などよりも陰極側封止部4の外表面の金属線11の方が、陰極側封止部4内部の陰極芯棒やモリブデンからなる陰極側金属箔8を流れる電流による電圧降下分だけ低電位になる。このため、前述のアルカリ成分は陰極側封止部4の外表面側に引き出される。したがって、前記ランプ耐圧強度の低下という問題は防止できる。
【0021】
ここで、本発明の導電性ヒータに話しを戻す。発光部の外表面に保温膜を塗布するという技術が従来から存在している。しかしながら、本発明は、放電ランプの発光部を積極的に加熱する手段と、この加熱を停止できる手段を有するような構造を意図しており、このような加熱と停止の機能を持たない保温膜塗布などは本発明の技術的範囲に属するものではない。
また、本発明は、放電容器の封止部や放電容器内の電極を加熱するというものではなく、発光部を加熱することで放電空間を加熱することを目的とするものであって、その手段としては種々の方法や構造が適用できるが、放電容器内の一部を部分的に加熱するような手段は意図するものではない。したがって、従来から存在するような一方の封止部のみを加熱するものや、一方の電極サイドのみに保温膜を塗布するものも本願発明の技術的範囲に属するものではない。
【0022】
次に、このような予備加熱機構を設けた場合の効果について説明する。
例えば、50mg(内容積260mm)の水銀が発光部3に封入された直流点灯200W高圧水銀ランプの場合、始動前に放電容器2の加熱を行わずに高圧水銀ランプ1を始動させた場合には、光出力が安定時の90%になるまでに約90秒要するのに対し、始動前に放電容器2を加熱し、発光部3の最冷部の温度を約250℃まで昇温した後に高圧水銀ランプ1を始動させると、光出力が安定時の90%になるまでの立ち上がり時間が約20秒短縮される。
【0023】
更に、始動前に放電容器2を加熱することにより、発光部3の温度が上昇し、それに応じて水銀の蒸気圧の上昇した状態で高圧水銀ランプ1を始動した場合、室温で始動する場合に発生するグロー放電が完全に防止される。
すなわち、グロー放電による陰極材料のスパッタリングに起因する発光部3内面の黒化が完全に防止され、始動回数に伴う高圧水銀ランプ1からの光出力の低下が良好に抑制される。
【0024】
更に、前述の高圧水銀ランプ1と同一の直流点灯200W高圧水銀ランプについて、始動前に放電容器2の加熱を行った場合と行わない場合とで、始動時のランプ電圧の波形を比べたものを図2(a),(b)に示す。
始動前に放電容器2の加熱を行った場合、図2(a)に示したように、始動約5秒後にわずかに電圧の変動が認められるが、放電の位置が陰極のコイル上で変動したことによるものであって、グロー放電の発生は認められない。
それに対して、始動前に放電容器2の加熱を行わなかった場合、図2(b)に示したように、始動約5秒後に約5msに渡って200Vを超えるランプ電圧の変動が認められ、これはグロー放電の発生によるものと考えられる。
【0025】
尚、本実施例においては、加熱する手段として、金属線を設けたが、これに限るものではなく、シリコンラバーヒーター、シーズヒーター等の抵抗加熱を利用した発熱体用いて加熱しても、ハロゲンヒーター等の加熱用ランプを用いて光学的に加熱しても良い。また、本実施例においては、高圧水銀ランプとして、直流点灯型のものを用いたが、交流点灯型のものであっても良い。
また、本実施例においては、金属線、即ち加熱する手段を放電容器の両端の封止部に設けたが、水平点灯方式の場合と垂直点灯方式の場合に適用できる。ここで垂直点灯方式の場合は、必ずしも両方の封止部に加熱手段を設ける必要はなく、放電容器内のガス対流を考慮して一方の封止部に設けても発光部の温度を良好に昇温させることができる。例えば、陰極が下側に位置する形態の垂直点灯方式の場合には、陰極側封止部にのみ加熱する手段を設けても、本実施例と同様の作用・効果が得られる。
更に、本実施例においては、発光部の最冷部の温度を、熱電対、放射温度計等の温度検知器を用いて検出したが、この方法に限るものではなく、投入電力に対する到達温度と所要時間の関係を予め求めておき、経過時間より到達温度を検知しても良い。
【0026】
本発明の高圧水銀ランプの点灯方法は、ランプ点灯開始前に発光部の外表面を所定の温度、具体的には放電容器内の水銀が十分に蒸気化する温度であって100℃以上、具体的には250℃程度に、予め昇温させることであるが、例えば、以下のような待機モード的使用と暖気運転モード的使用が例示される。
【0027】
待機モードであるが、ランプ消灯の間、発光管外表面温度が100℃以上の一定温度に飽和する熱量を加熱手段によってランプに供給し続け、ランプの点灯始動直前に加熱手段による加熱を停止した後、ランプを点灯始動する。つまり、ランプの点灯時以外は常に加熱手段を機能させて、いつランプを点灯始動させても短時間の光出力の立ち上がりを得ようとするものである。
このような待機モードの場合、例えば、定格電力200Wのランプにおいて両側封止部に金属線を導電性ヒータとして設けて、発光管外表面を250℃に保つためには30W程度の待機電力を必要とするが、ランプ点灯始動には既に水銀が十分に蒸気化する温度に維持されているので、ランプ点灯始動後の光出力の立ち上がりは事前に加熱しない場合に比べて約20秒短縮される。
プロジェクタ装置に使用するランプの場合、たとえ30Wの待機電力を要したとしても、20秒短縮されて所望の光出力が得られる効果はきわめて意義がある。
【0028】
次に、暖気運転モードであるが、ランプの点灯始動に先立って、ランプ発光部外表面を所定時間加熱した後にランプを点灯始動するものである。すなわち、上記待機モードとは異なり、常に加熱手段を機能させるのではなく、ランプを点灯させる場合において、点灯始動に先立ち加熱手段を作動させるものであって、立ち上がり時間という意味では待機モードよりも遅くなるかもしれないが、待機時に電力消費をすることなく、また、ランプ点灯始動は常に放電容器内の水銀が蒸気化した状態で行われるのでグロー放電も問題を良好に解決できる。
一例をあげると、例えば、定格電力200Wのランプにおいて両側封止部に導電性ヒータを150W程度の電力で通電加熱させれば約10秒程度で放電容器内の水銀を完全に蒸気化することができる。加熱手段を設けない場合に比べて点灯始動後の光出力の立ち上がりは約20秒短縮されるので、加熱時間の10秒を考慮しても10秒間の時間短縮の効果を有することになる。
【0029】
図3に、本発明の第2の実施例に係るランプユニットの構造を示す。
本発明の第1の実施例に係る高圧水銀ランプ1が凹面反射鏡21に取り付けられ、凹面反射鏡21の前方開口には透光性材料からなる前面カバー22が取り付けられている。
高圧水銀ランプ1の陰極側封止部4は凹面反射鏡21の頂部から突出して、接着剤23を介して凹面反射鏡21に支持されている。
また、高圧水銀ランプ1の放電容器2の陰極側封止部4端部には、端子ネジ24付きの口金25が取り付けられており、陰極側封止部4端部の外部リード9に接続されている。また、凹面反射鏡21の側面には2ケ所に穴(図示しない)が設けられており、金属線11,12に電力を供給する金属線15が一方の穴から、高圧水銀ランプ1に電力を供給する給電線26が他方の穴からそれぞれ引き出される。
上記構成により、金属線11,12には端子ネジ24と給電線26から、高圧水銀ランプ1には端子ネジ24と給電線26から、それぞれ所定の電力が供給される。
【0030】
凹面反射鏡21は、耐熱性を有する硬質ガラス、例えば硼珪酸ガラスからなり、放物面もしくは 楕円面形状を有する。
また、前方開口は、例えば略四角形の開口を有する。
凹面反射鏡21の内表面は、例えば蒸着法によりチタニア(TiO)とシリカ(SiO)とを交互に積層した誘電体多層膜からなり、紫外線領域及び赤外線領域の光を透過して可視光のみを反射するように、それぞれの誘電体膜の厚み、膜数を規定して反射面を形成する。
凹面反射鏡21の中心軸は高圧水銀ランプ1の長手軸と一致しており、高圧水銀ランプ1の発光部(陰極6と陽極7の対向部)が凹面反射鏡21の焦点位置にくるように配置される。
【0031】
前面カバー22は、耐熱性を有する硬質ガラス、例えば硼珪酸ガラスからなる。そして、前面カバー22の表面は、例えば蒸着法によりチタニア(TiO)とシリカ(SiO)とを交互に積層した誘電体多層膜からなり、紫外線領域及び赤外線領域の光を反射して可視光のみを透過するように、それぞれの誘電体膜の厚み、膜数を規定して透過面を形成する。
また、前面カバー22は、凹面反射鏡21の前方開口に、接着剤、例えばシリコン樹脂系接着剤を用いて接着される。
【0032】
本実施例においては、高圧水銀ランプ1の始動前に、高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCとは別に構成された金属線11,12を制御する回路SCにより金属線11,12に電力を供給し、放電容器2を加熱するので、始動時には、既に発光部3の外表面温度が上昇し、水銀の蒸気圧もそれに応じて上昇しているため、始動後の光出力の立ち上がりが、始動前に放電容器2の加熱を行わない場合に比べて速くなる。
更に、始動前に放電容器2を加熱することにより、発光部3の外表面温度が上昇し、それに応じて水銀の蒸気圧の上昇した状態で高圧水銀ランプ1を始動した場合、室温で始動する場合に発生するグロー放電が完全に防止された。
すなわち、グロー放電による陰極材料のスパッタリングに起因する発光部3内面の黒化が完全に防止され、始動回数に伴う高圧水銀ランプ1からの光出力の低下が良好に抑制された。
【0033】
また、凹面反射鏡21の中心軸は高圧水銀ランプ1の長手軸と一致しており、高圧水銀ランプ1の発光部(陰極6と陽極7の対向部)が凹面反射鏡21の焦点位置にくるように配置したので、高圧水銀ランプ1からの放射光を凹面反射鏡21の前方開口方向に効率良く放射することができる。
【0034】
図4に、本発明の第3の実施例に係る投射型液晶ディスプレイ装置の構造を示す。
本発明の第2の実施例に係るランプユニット20が投射型液晶ディスプレイ装置30に搭載されている。
すなわち、この投射型液晶ディスプレイ装置30は、主点灯回路MCと高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCとは別に構成された金属線11,12を制御する回路SCに接続された本発明の第2の実施例に係るランプユニット20と、液晶駆動手段(図示しない)により駆動される液晶表示パネル31と、ランプユニット20から照射されて液晶表示パネル31を通した光をスクリーン32に投射する光学系、すなわち、ミラー33と投射レンズ34とからなる。
【0035】
上記構成において、最初に、高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCに並列に構成された金属線11,12を制御する回路SCにより金属線11,12に電力が供給されて放電容器2が加熱される。
そして、発光部3の外表面温度が規定温度、例えば250℃に達したことを熱伝対、放射温度計等の温度検知器(図示しない)が検知すると、回路SCは金属線11,12への電力供給を停止し、放電容器2の加熱を終了する。
次いで、高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCにより高圧水銀ランプ1に電力が供給され、高圧水銀ランプ1が点灯させられる。
【0036】
本実施例においては、高圧水銀ランプ1の始動前に、高圧水銀ランプ1の主点灯回路MCとは別に構成された金属線11,12を制御する回路SCにより金属線11,12に電力を供給し、放電容器2を加熱するので、始動時には、既に発光部3の外表面温度が上昇し、水銀の蒸気圧もそれに応じて上昇しているため、始動後の光出力の立ち上がりが、始動前に放電容器2の加熱を行わない場合に比べて速くなる。
更に、始動前に放電容器2を加熱することにより、発光部3の外表面温度が上昇し、それに応じて水銀の蒸気圧の上昇した状態で高圧水銀ランプ1を始動した場合、室温で始動する場合に発生するグロー放電が完全に防止された。
すなわち、グロー放電による陰極材料のスパッタリングに起因する発光部3内面の黒化が完全に防止され、始動回数に伴う高圧水銀ランプ1からの光出力の低下が良好に抑制された。
【0037】
従って、投射型液晶ディスプレイ装置30においては、始動回数に伴うスクリーン照度の低下が良好に抑制されるので、ランプユニット20の交換頻度の少ない、即ち保守に係わる負担の小さい投射型液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる内容積300mm 以下の放電容器に一対の電極が対向配置され、0.15mg/mm以上の水銀を封入した高圧水銀ランプにおいて、前記放電容器の発光部の外表面温度を100℃以上に制御することで高圧水銀ランプの光出力の立ち上がり時間を短縮するとともに、高圧水銀ランプ始動時に発生するグロー放電を防止することができる。従って、高圧水銀ランプ始動時のグロー放電による発光部内面の黒化が抑制されるので、始動回数に伴う光出力の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る高圧水銀ランプの構造、及び回路構成を示す図である。
【図2】高圧水銀ランプの始動時のランプ電圧の波形を示す図である。
【図3】本発明の高圧水銀ランプを使ったランプユニットの断面構造を示す図である。
【図4】本発明の高圧水銀ランプを使った投射型液晶ディスプレイ装置の断面構造を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る高圧水銀ランプの構造、及び回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 高圧水銀ランプ
2 放電容器
3 発光部
4 陰極側封止部
5 陽極側封止部
6 陰極
7 陽極
8 陰極側金属箔
9 外部リード
10 陽極側金属箔
11,12,13,14,15 金属線
20 ランプユニット
21 凹面反射鏡
22 前面カバー
23 接着剤
24 端子ネジ
25 口金
26 給電線
30 投射型液晶ディスプレイ装置
31 液晶表示パネル
32 スクリーン
33 ミラー
34 投射レンズ

Claims (3)

  1. 両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる内容積300mm 以下の放電容器に一対の電極が対向配置され、0.15mg/mm 以上の水銀を封入した高圧水銀ランプの発光装置において、
    前記高圧水銀ランプを点灯始動する前に前記放電容器の発光部外表面温度を100℃以上に加熱する手段と、この加熱する手段に電気的に接続する加熱用電源と、前記高圧水銀ランプの両封止部から伸びる各外部リードに電気的に各々接続する主点灯回路を有し、
    前記加熱する手段は、金属線によって発光部を跨いで両方の封止部に巻きつけた導電性ヒータよりなり、かつ、高圧水銀ランプの一方の外部リードに電気的に接続させていることを特徴とする高圧水銀ランプ発光装置。
  2. 前記導電性ヒータは、高圧水銀ランプの陰極側のリードに電気的に接続させていることを特徴とする請求項1の高圧水銀ランプ発光装置。
  3. 両端に封止部が形成された石英ガラスよりなる放電容器に一対の電極が対向配置され、0.15mg/mm 以上の水銀を封入した高圧水銀ランプの点灯方法において、
    前記高圧水銀ランプを点灯始動する前に、前記放電容器の一方の封止部に巻き付けた後、金属線によって発光部を跨いで他方の封止部に巻き付けた構造の導電性ヒータによって、前記放電容器の発光部外表面温度を100℃以上に加熱しておくとともに、
    点灯始動時は、前記導電性ヒータの金属線をトリガワイヤとして機能させることを特徴とする高圧水銀ランプの点灯方法。
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