JPH07199181A - 投写型表示装置 - Google Patents

投写型表示装置

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JPH07199181A
JPH07199181A JP5334114A JP33411493A JPH07199181A JP H07199181 A JPH07199181 A JP H07199181A JP 5334114 A JP5334114 A JP 5334114A JP 33411493 A JP33411493 A JP 33411493A JP H07199181 A JPH07199181 A JP H07199181A
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JP
Japan
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light
metal halide
halide lamp
display device
lamp
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JP5334114A
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English (en)
Inventor
Jiro Ito
治郎 伊藤
Tomiyoshi Ushiyama
富芳 牛山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な表示品位で映像投写を行うことがで
き、しかも、小型軽量化された投写型表示装置を実現す
ること。 【構成】 液晶プロジェクターの照明装置の構成要素で
あるメタルハライドランプは、その電極間距離が2.5
mmから3.5mmである。ここからの出射光は、2イ
ンチ以下もしくは有効表示部の面積が約1240平方m
m以下のサイズの液晶パネルで変調される。変調後は、
投写レンズによってスクリーン上に投写表示される。こ
の構成によれば、小型軽量で、明るく、照度差が少な
く、しかも色バランスのよい投写映像を形成できる投写
型表示装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光束変調を行うライト
バルブの画像をスクリーン上に拡大表示する投写型表示
装置に関し、さらに詳しくは、光源としてメタルハライ
ドランプを備え、ライトバルブとして液晶パネルを備え
た構成の投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】投写型表示装置としては、ライトバルブ
として透過型の液晶パネルを使用した液晶プロジェクタ
ーが知られている。この液晶プロジェクターは小型軽量
であるので、各種の用途に使用されている。液晶プロジ
ェクターは、基本的には、3原色の色成分を含む光束を
出射する照明装置と、この照明装置の出力光を3原色の
各色光に分離する色分離手段と、この色分離手段から出
射する3つの原色光を変調して画像情報に応じた光学像
を形成する各色に対応して配置された3つの透過型液晶
パネルと、これらの液晶パネルからの出力光を1つの合
成する色合成手段と、この色合成手段からの出力光を受
けて、液晶パネルの光学像をスクリーン上に投写する投
写レンズから構成されている。そして、照明装置として
は、他の形式のランプに比べて発光効率、演色性、寿命
の点で優れているメタルハライドランプが一般的に使用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この構
成の液晶プロジエクターにおいては、照明装置からの光
を色分離手段を介して直接に液晶パネル上に照射してい
るので、光源としてメタルハライドランプを使用した場
合においても、依然として、その発光むらに起因してス
クリーン上に色むらが発生し、また、スクリーン上に投
写された画像の中心と周辺部分との間には照度差ができ
てしまう。したがって、CRT直視の画像に比べると、
表示品質が劣っている。よって、液晶プロジェクターの
表示品質の改善に対する要望が依然としてある。
【0004】また、液晶プロジェクターにおいては、そ
の明るさの改善および小型軽量化に対する要望は依然と
して高い。更なる明るさの改善、小型軽量化を実現する
ためには、例えば、その光源であるメタルハライドラン
プの小型化を図ればよい。しかし、メタルハライドラン
プを小型化するためにその電極間距離(アーク長)を短
くすると、その発光スペクトルが輝線スペクトルにな
り、投写画像の色むらが強くなってしまう。また、例え
ば、小サイズの液晶パネルを用いて装置の小型化を図る
ことも考えられるが、単に小さな液晶パネルを用いた場
合には、そこにおける集光率が低下してしまい、スクリ
ーン上での投写映像の照度が低下してしまうので、好ま
しくない。
【0005】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
良好な表示品位で画像投写を行うことができ、しかも、
小型軽量化された投写型表示装置を実現することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用】上記の課題を解決
するために、本発明においては、照明装置と、この照明
装置の出力光を変調して画像情報に応じた光学像を形成
する少なくとも1つのライトバルブと、このライトバル
ブの光学像を投写する投写レンズとを有する投写型表示
装置において、次の構成を採用している。すなわち、照
明装置として、メタルハライドランプと、ここからの放
射光を反射して出力する反射鏡とを備えたものを採用
し、当該メタルハライドランプの発光管における発光部
の一対の電極間の距離を約2.5mmから約3.5mm
の範囲内に設定している。さらに、ライトバルブとし
て、2インチ(約5.08cm)以下のサイズの透過型
液晶パネルを用いるようにしている。
【0007】ここで、本発明の対象となる投写型表示装
置としては、3原色の色成分を含む光束を出射する照明
装置と、この照明装置の出力光を3原色の各色光に分離
する色分離手段と、この色分離手段から出射する3つの
原色光を変調して画像情報に応じた光学像を形成する各
色に対応して配置された3つのライトバルブと、これら
3つのライトバルブからの出力光を1つの合成する色合
成手段と、この色合成手段からの出力光を受けて前記ラ
イトバルブの光学像を投写する投写レンズとを有するも
のでもよい。この場合においては、各ライトバルブとし
て、2インチ以下のサイズの透過型液晶パネルを使用す
ればよい。
【0008】本発明で使用する液晶パネルは、一般には
矩形形状のものであり、その有効表示部の対角寸法が2
インチ以下のサイズのものである。したがって、本明細
書において、液晶パネルのサイズとは、この対角寸法を
意味している。あるいは、本発明で使用する液晶パネル
は、その有効表示部の面積として規定した場合には、約
1240平方mm以下のものとすることが好ましい。
【0009】本発明の構成によれば、電極間距離を短く
して小型化したメタルハライドランプを使用しているの
で、装置の小型化を達成でき、明るい画面を得ることが
できる。また、液晶パネルとして2インチ以下のもの、
あるいはその面積が約1240平方mm以下のものを使
用しているので、このような小さな光源を使用しても、
パネル上での集光率の低下を防止できる。よって、スク
リーン上において充分な明るさの投写画像を得ることが
できる。
【0010】上記のランプとしては、メタルハライドバ
ルブの電極間距離を狭くしたことに対応させて、その入
力電力を約130Wから約180Wの範囲に設定するこ
とが好ましい。このようにすると、ランプの発光効率を
充分なレベルに保持できる。また、ランプの発光管にお
ける発光部を、その外径および長さが約9mmから約1
1mmの範囲である全体として楕円球あるいは概ね球形
状とすることが好ましい。このようにすると、ランプの
管壁負荷を抑制でき、また、その光学的特性の低下、特
に演色性の低下を抑制できる。
【0011】また、メタルハライドランプの電極を構成
している電極芯棒としては、その直径を約0.55mm
から約0.65mmの範囲内にすることが好ましい。こ
の理由は、この範囲よりも細い電極芯棒では熱容量が小
さいので熱破損等が発生するおそれがあり、逆に0.6
5mmよりも太い場合には、ランプ始動電圧の上昇を招
くと共に、電極の熱損失が大きくなりランプ発光効率、
演色性などの発光特性の低下を招くおそれがあるからで
ある。
【0012】さらに、メタルハライドランプの発光管に
封入されている金属ハロゲン化物は、少なくともDy、
Nd、Csのハロゲン化物を含み、その封入量を、約
0.2mgから約0.6mgの範囲内にすることが好ま
しい。これよりも多い場合には、発光管の失透が早期に
始まりランプ寿命が短くなってしまう。逆に、これより
も少ない場合には、発光特性が低下し、また、発光管の
黒化も生じ易くなるので好ましくない。
【0013】ここで、封入される金属ハロゲン化物とし
ては、更に、ハロゲン化錫、ハロゲン化鉛およびハロゲ
ン化亜鉛のうちの少なくとも1つを、約0.05mgか
ら約0.1mgの範囲内の量だけ加えることが好まし
い。このようにすると、発光管内の蒸気圧を高めること
ができ、演色性を更に改善でき、より色バランスのとれ
たランプを実現できる。また、長寿命化も達成できる。
この範囲よりも多い量を加えると、発光効率が低下する
ので好ましくない。また、この範囲よりも少ない量の場
合には、これらの金属ハロゲン化物を加えることによる
効果が得られない。
【0014】また、封入される金属ハロゲン化物とし
て、沃化水銀の代わりに、臭化水銀を添加することが好
ましい。この臭化水銀の添加量は、当該臭素量と、封入
されている総沃素量とのモル比が約0.1から約0.6
の範囲内とすることが好ましい。この範囲の量の臭素を
添加すると、臭素は活性度が高く、したがって電極のタ
ングステンとの結び付きが強く、反応速度が早いので、
発光管内の黒化を防止でき、ランプ寿命を長くすること
ができる。添加量が上記の範囲より多い場合には、臭素
によって電極との反応が激しくなり、その消耗を招くの
で好ましくない。また、上記の範囲よりも少ない場合に
は、添加することによる効果が得られない。
【0015】次に、メタルハライドランプの発光管の形
状としては、その反射鏡の開口部側の形状を細くするこ
とが好ましい。反射鏡と組み合わせることにより、ラン
プはその反射鏡の底部側の温度は高まるが、これに比べ
て反射鏡の開口部側の温度はそれ程上昇しない。本発明
では、反射鏡の開口部側の部分の形状を細くしてあるの
で、この部分の温度を高めることができ、これによっ
て、発光管の温度バランスを改善でき、発光スベクトル
が改善される。
【0016】反射鏡の開口部側の温度を高めるために
は、この開口部側に位置しているランプの発光管のシー
ル部およびこれに連続する発光部の外周を保温膜で覆え
ばよい。しかし、本発明のように小型化した発光管にお
いて、保温膜による被覆範囲が広すぎると、反射鏡の底
部側の発光管の部分が高温になり過ぎてしまい、好まし
くない。そこで、反射鏡の開口部側にある発光管のシー
ル部およびこれに連続する発光部の外周のうち、少なく
ともシール部の外周のみを保温膜で覆うようにすること
が好ましい。また、これに連続する発光部の部分を保温
膜で覆う場合には、シール部と発光部の境界から反射鏡
の底部側に向けて約2mm以下の幅にすることが好まし
い。このように保温膜を形成することにより、発光管の
最高温部の温度を上昇を抑制することができる。
【0017】次に、本発明の別の形態は、上記構成の投
写型表示装置において、照明装置とライトバルブとの
間、あるいは照明装置と色分離手段との間に、複数のレ
ンズが前記照明手段の出力光の主軸に対して垂直な面内
に配列された構成のレンズ板を少なくとも1枚含む均一
照明光学素子を配置するようにしている。
【0018】本発明によれば、前述した小型のメタルハ
ライドランプおよび液晶パネルを組み合わせて用いる効
果に加えて、均一照明光学素子を備えているので、スク
リーン上の投写映像の照度比、色むらをより一層抑制す
ることでき、高品質の映像を得ることができる。なお、
使用するメタルハライドランプとしては、前述した入力
電力、電極間距離、管寸法、電極芯棒直径のものを使用
することが好ましい。また、ランプの封入金属ハロゲン
化物としても前述したものを用いることが好ましい。
【0019】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の実施例を説
明する。
【0020】(第1の実施例)図1は、本発明を適用し
た投写型表示装置の概略ブロック図である。この液晶プ
ロジェクター1の光源は、メタルハライドランプ2と反
射鏡4との組み合わせからなる照明装置6によって構成
されている。この照明装置6からの出射光の光軸方向に
沿って、照明装置6の側から、緑反射ダイクロイックミ
ラー7、赤反射ダイクロイックミラー8、アルミニウム
が蒸着された反射ミラー9がこの順番で配置されてい
る。これらのミラーは光軸に対して同一方向に向けて4
5度の角度で配列されている。緑反射ダイクロイックミ
ラー7に対して、光軸方向に対して直交する方向には、
一定の間隔を於いて、アルミニウムが蒸着された反射ミ
ラー10が配置されている。同様な配置関係で、赤反射
ダイクロイックミラー8に対峙させて赤反射ダイクロイ
ックミラー11が配置され、アミルミニウムが蒸着され
た反射ミラー9に対峙させて青透過ダイクロイックミラ
ー12が配置されている。また、赤反射ダイクロイック
ミラー8とアルミニウムが蒸着された反射ミラー9の間
には青色用液晶パネル13が配置され、赤反射ダイクロ
イックミラー8、11の間には、赤色用液晶パネル14
が配置され、反射ミラー10と赤反射ダイクロイックミ
ラー11の間には、緑色用液晶パネル15が配置されて
いる。
【0021】上記の緑反射ダイクロイックミラー7およ
び赤反射ダイクロイックミラー8により、照明装置6か
らの出力光Wを3原色の各色光R、G、Bに分離する色
分離手段が構成されている。また、ダイクロイックミラ
ー12によって、各液晶パネル13、14、15から出
力される色光を1つに合成する色合成手段が構成されて
いる。
【0022】また、本例においては、液晶パネル13、
14、15として、1.3インチのサイズのものを使用
している。すなわち、本例で使用している液晶パネル1
3、14、15は、縦、横の長さ比が3:4の矩形形状
をしており、その対角線の寸法が1.3インチ(約3.
30cm)のものである。
【0023】照明装置6から出射された光Wは、ダイク
ロイックミラー7、8により、赤、緑、青の各色光R、
G、Bに分離される。分離された各色光は、それぞれ、
対応する色の液晶パネル14、15、13を通過する。
通過する際に、それぞれの色に対応する画像信号により
光の強度が調整される。強度調整、すなわち変調された
各色光は、ダイクロイックミラー11、12を通って合
成され、合成された光学像は、投射レンズ16によっ
て、スクリーン17上に投写される。
【0024】図2は本例における照明装置6の概略断面
図である。この図において、2はメタルハライドランプ
であり、4はこのランプが取付けられた反射鏡である。
本例のメタルハライドランプ2の発光管21は石英硝子
製であり、その中央に形成されている発光部22は、概
ね球形に近い楕円球形状をしており、この発光部22の
両側には電極シール部23、24が一体成形されてい
る。発光部22の内部においては、元端側がシール部2
3、24内に封入された電極芯棒25、26がほぼ同軸
線上において、一定の間隔を於いて対向配置されてい
る。これらの電極芯棒25、26の先端から僅かに後退
した位置には、それぞれ、タングステン線を蜜に巻くこ
とにより形成したコイル27、28が配置されている。
シール部23、24内に埋設されている各電極芯棒2
5、26の元端側は、それぞれモリブデン箔29、30
を介して、モリブデンワイヤ31、32に接続されてい
る。これらのモリブデンワイヤ31、32の他端側は、
それぞれ口金33およびニッケルリード線34に接続さ
れている。
【0025】一方、反射鏡4は、図に示すように断面が
放物線形状の反射面41を備え、その反射面の底部中央
には、ランプ取付穴42が形成されている。この取付穴
42に、上記構成のランプの口金33の部分が挿入さ
れ、耐熱性の接着剤によって固着されている。ここに、
ランプ2は、その電極芯棒25、26の軸心が、反射面
41の中心軸に一致する状態に取付けられている。な
お、ランプのニッケルリード線34は反射鏡4を貫通し
て裏面側に引き回され、外部接続用の端子35に接続さ
れている。口金33の底面側にも、外部接続用の端子部
材36が取付けられる。
【0026】ここで、本例のメタルハライドランプ2の
発光管21は、ランブ電力150W用に設計したもので
ある。この発光管21における発光部22の最大外径D
は、10mmである。また、その長さL、すなわち、電
極心棒25、26の埋設表面の間の距離は10mmであ
る。この発光部の肉厚はほぼ1mmに設定されている。
次に、発光部22内に封入されている一対の電極芯棒2
5、26は、その外径が0.6mmであり、またそれら
の間の距離、すなわち電極間距離ALは3mmに設定さ
れている。さらに、本例においては、発光管21内に
は、金属ハロゲン化物として、沃化ディスプロシウム、
沃化ネオジウムおよび沃化セシウムを0.3mg封入す
ると共に、バッファガスとしての水銀および始動用補助
ガスとしてのアルゴンを封入した。
【0027】このように構成した本例の照明装置6を用
いた投写型表示装置1においては、良好なスクリーン照
度が得られ、また、演色性にも優れ、さらに、長時間に
渡る照度維持率が得られることが確認された。
【0028】ここで、本発明の特徴となる構成は、入力
電力が約130から約180Wの範囲で、電極間距離A
Lを約2.5mmから約3.5mmの範囲としたメタル
ハライドランプ2と、サイズが2インチ以下の液晶パネ
ル13、14、15とを組み合わせたことにある。この
点について以下に説明する。
【0029】まず、本発明者は、上記構成のメタルハラ
イドランプ2を用いて、入力電力の変化に対する発光効
率および管壁負荷の変動を測定した。この結果を図3に
示す。図において特性曲線101で示すように、発光効
率(lm/W)は、入力電力が130Wを下回ると急激
に低下することが分かる。一方、管壁負荷(W/cm2
)は特性曲線102で示すように、入力電力にほぼ比
例して増加することが見て取れる。管壁負荷が90W/
cm2 を越える状態になると、石英硝子製の発光管21
に破裂等のおそれが高まる。したがって、これら発光効
率および管壁負荷の関係から、入力電力は、約130W
から約180Wの範囲内が好ましい。図の特性曲線は、
前述したように電極間距離ALが3mmの場合である
が、この距離ALを約2.5mmから約3.5mmの範
囲で変化させた場合にもほぼ同様な結果が得られた。
【0030】次に、本例の投写型表示装置1において、
上記構成のメタルハライドランプ2の電極間距離ALを
変化させた場合における発光効率の変動、液晶パネル1
3ないし15上での集光率の変動を測定した。集光率の
測定値は、液晶パネルの外接円についてのものである。
図4(B)の曲線103は電極間距離ALに対する集光
率(%)の変化を示し、曲線104は発光効率(lm/
W)の変化を示す。これらの曲線から分かるように、集
光率は電極間距離ALを短くすればする程改善される。
すなわち、プロジェクター用の光源としては、点光源に
近ければ近い程利用しやすく、明るい画面を得ることが
できる。しかし、電極間距離ALを短くし過ぎると、電
子の衝突が電極に対して激しくなるので、電極の温度が
上昇し、電極であるタングステンが融点を越えて徐々に
飛散してしまう。
【0031】これに対して、曲線104で示すように、
発光効率の方は、電極間距離ALが長くなる程、すなわ
ち、電極間のアーク長が長くなる程、改善される。この
ように、電極間距離ALに対する発光効率および集光率
は逆に関係にある。したがって、スクリーン照度等は、
これらの双方の値を考慮する必要がある。
【0032】図4(A)には、各電極間距離ALに対す
る、これらの双方の値を掛け合わせた値をプロットして
得られる曲線105を示してある。この曲線105から
分かるように、電極間距離ALが約2.5mmから約
3.5mmの範囲において、特に良好な結果が得られ
る。
【0033】次に、本例の投写型表示装置1において、
液晶パネル13、14、15のサイズ変化に対する集光
率の変化を測定した。図5にはこの結果を示してある。
この図において、縦軸は、液晶パネル13、14、15
と相似形の対角線寸法が4インチの液晶パネルの集光率
を1とした時の集光率比であり、横軸は、液晶パネルの
サイズである。図の曲線121は、本例のランプ2(電
極間距離が3mm)を使用した場合に得られた曲線であ
り、曲線122は、本例のランプ2の電極間距離を5m
mにした場合に得られた曲線であり、曲線123はその
電極間距離を2.5mmにした場合の曲線であり、曲線
124はその電極間距離を3.5mmにした場合の曲線
である。
【0034】ここで、電極間距離が5mmのメタルハラ
イドランプは従来から液晶プロジェクター用の光源とし
て一般的に利用されているものである。このようなラン
プを使用した場合には、曲線122から分かるように、
液晶パネルのサイズが2インチを下回るサイズになる
と、急激に集光率が低下してしまう。したがって、液晶
パネルとしては大きなサイズのものを使用しないと、ス
クリーン照度を充分に確保することができない。これに
対して、本例のランプ2を使用した場合には、液晶パネ
ルのサイズが2インチ以下となっても急激な集光率の低
下は無く、0.5インチ程度のサイズのものでも比較的
高い集光率が得られることが確認された。したがって、
2.5mmから3.5mmの電極間距離のランプと、2
インチ以下の液晶パネルとを組み合わせることにより、
スクリーン照度を確保できる。
【0035】このように、液晶パネルサイズを2インチ
以下にすることにより、電極間距離の小さなメタルハラ
イドランプを使用しても、集光率の低下を抑制すること
ができる。よって、本例によれば、小型のランプおよび
液晶パネルを用いて、スクリーン照度を充分に確保する
ことの可能な小型軽量の投写型表示装置を実現すること
ができる。
【0036】なお、本例においては、液晶パネル13、
14、15として、縦横の比が3:4で対角線寸法が2
インチの矩形形状のものを使用している。しかし、液晶
パネルの形状は、このようなものに限定されるものでは
ない。縦横の寸法比の異なる矩形形状の液晶パネルを用
いることもできる。この場合においては、縦横の比が
3:4で対角線寸法が2インチの液晶パネルの面積に相
当するサイズと同一あるいはこれ以下の面積の液晶パネ
ルを使用すれば、本例と同様な効果を得ることができ
る。すなわち、液晶パネルの有効表示部の面積が約12
40平方mm以下の液晶パネルを使用すれば、同様な効
果を得ることができる。
【0037】次に、発光管21の発光部22の寸法につ
いて説明する。投写型表示装置の光源としては、赤、
緑、青の各色の発光スペクトルのバランスがとれている
ことが必要である。スクリーン上での白色は、赤、緑、
青の光量比により決まる。電極間距離ALを本例のよう
に短くすると、スペクトルが水銀の輝線スペクトルにな
り易い。このため、緑の輝線が強く、緑の光量を減らさ
ないと、スクリーン上で緑がかった白色になってしま
う。しかし、比視感度の高い緑を減らすことは、スクリ
ーン上で得られる明るさを低減することになる。これで
は、電極間距離ALを短くしたことにより得たスクリー
ン照度の向上が相殺されてしまう。ここで、ランプのス
ペクトル分布を決めている要素が発光管内の蒸気圧であ
り、蒸気圧を決めているのが発光管の最冷部の温度であ
る。よって、発光管の寸法を小さくすることにより、最
冷部の温度を高めればよい。このようにして最冷部の温
度を高めることにより、発光管内の蒸気圧を高め、封入
金属の発光を促進させて、水銀の輝線スペクトルを弱め
ることができる。
【0038】本発明者は、この点に鑑みて、本例のメタ
ルハライドランプ2において、発光管21の管径Dを変
化させ、それに対する平均演色評価数(Ra)を測定し
た。すなわち、発光部22の外径Dの変化に対する平均
演色評価数の変動を測定した。図6の曲線106はこの
関係を表している。発光管の寸法を小さくすることによ
り、発光管の最冷部の温度を高め、発光管内の蒸気圧が
高まり、封入金属が発光して輝線スペクトルが弱まる。
このことは、曲線106に示すように平均演色評価数
(Ra)が高まることに対応しており、平均演色評価数
が高まれば、色バランスが良くなり、投写型表示装置の
光源として使用するのに、より適したものになる。しか
し、管の寸法を小さくしすぎると、管壁負荷が増大し、
管の破裂等のおそれも高まる。また、最高部の温度も高
まり、発光管の素材である石英硝子も耐えられない状態
になるおそれがある。これらの点を考慮すると、発光管
は、概ね楕円球、あるいは概ね球形状のものとし、その
発光部の外径Dおよび長さLを、約9mmから約11m
mの範囲内にすることが好ましいことが確認された。次
に、本例のメタルハライドランプ2における一対の電極
芯棒25、26の直径について説明する。従来において
一般的に使用されている入力電力が150Wのメタルハ
ライドランプにおける電極芯棒の直径は約0.5mmで
あり、また、電極間距離は約5mmである。本例のよう
に、電極間距離ALを約2.5mmから約3.5mmに
狭くした場合には、電子が電極であるタングステンに激
しく衝突するようになり、電極温度がタングステンの融
点を越え、電極が徐々に飛散するおそれがある。このよ
うな事態になると、電極間が長くなり、タングステンと
石英の反応により発光管内が黒化してしまう、といった
弊害が発生する。本例では、このような弊害を回避する
ために、電極芯棒を従来において使用されているものよ
りも太くし、その直径を0.6mmに設定している。一
般に、電極芯棒の直径を約0.55mm以上にすればよ
い。このように太くすることにより、電極の熱容量が大
きくなり、電極の飛散が発生しにくくなり、発光管内の
黒化も防止できる。これによりランプの長寿命化を達成
できる。本発明者の実験によれば、電極の直径を0.6
5mmよりも太くすると、ランプ始動電圧の上昇や、電
極熱損失の増大化を招き、発光特性が低下するおそれが
あり、このましくないことが確認された。したがって、
電極直径は、約0.55mmから約0.65mmの範囲
が好ましい。
【0039】ここで、上記構成のメタルハライドランプ
2の発光管内に封入されている金属ハロゲン化物の封入
量と、寿命との関係について考察する。本発明者は、こ
の関係を調べるために、封入量に対するランプの照度維
持率の関係を測定した。図7には、点灯時間に対する照
度維持率(%)の変動曲線を示してあり、この図におい
て、曲線107は封入量が0.4mgの場合、曲線10
8は封入量が0.6mgの場合、曲線109は封入量が
0.8mgの場合である。これらの曲線から分かるよう
に、封入量が多くなると、寿命が短くなる。これは、封
入量が多くなると、発光管の大きさに対して封入金属が
蒸発しきれなくなり、金属ハロゲン化物の液層が発光管
の下側に溜まってしまう。この液層が発光管の素材であ
る石英硝子と反応して、失透を起こす。失透が始まる
と、発光管内全体に失透が急速に広まり、寿命が短くな
る。封入量を0.6mg以下に抑えることにより、金属
ハロゲン化物の液層と石英の反応が防止され、この反応
による失透が抑制されることが確認された。しかしなが
ら、封入量を0.2mg未満にすると、発光特性が低下
する、発光管の黒化が生じ易くなる、等の弊害が発生す
るので好ましくない。したがって、この金属ハロゲン化
物の封入量を、約0.2mgから約0.6mgの範囲内
に設定することにより、発光特性を維持しつつ、ランプ
の長寿命化を達成することができる。
【0040】次に、本例のランプにおける色バランスを
更に改善するためには、封入する金属ハロゲン化物とし
て、ハロゲン化錫、ハロゲン鉛、あるいはハロゲン化亜
鉛のうちの一つを、約0.05mgから約0.1mgの
範囲で添加すればよい。一例としてハロゲン化錫を0.
05mg添加した場合には、発光管内の蒸気圧が高ま
り、水銀の輝線スペクトルが抑制され、他の金属ハロゲ
ン化物の発光が促進され、平均演色評価数(Ra)が向
上して色バランスが良くなることが確認された。しか
し、ハロゲン化錫の添加量を0.1mgよりも多くする
と、発光効率の低下を招くので好ましくない。逆に、添
加量が0.05mgよりも少ない場合には、添加する効
果が得られない。よって、添加量は、約0.05mgか
ら約0.1mgの範囲内が好ましい。なお、ハロゲン化
鉛、ハロゲン化亜鉛の場合も同様である。
【0041】一方、本例のランプにおいて、更なる長寿
命化を図るためには、沃化水銀の代わりに臭化水銀を発
光管内に添加すればよい。臭化水銀を添加した場合に
は、例えば、沃化水銀を添加する場合にくらべて、臭素
の活性度が高いので、タングステンとの結合が強く、反
応速度も早い。したがって、発光管内の黒化を防止で
き、ランプ寿命を延ばすことができる。臭素(Bモル)
は、総沃素量(Aモル)に対して、B/Aが、約0.1
から約0.6の範囲となるように設定すればよい。これ
よりも少ない添加量では、臭化水銀を添加する効果が得
られない。逆にこれよりも多い添加量では、活性度が高
い臭素によって電極であるタングステンが反応し、電極
が細くなったり、折れやすくなる。なお、図8には、同
一添加量で、臭化水銀を添加した場合(曲線110)、
沃化水銀を添加した場合(曲線111)におけるランプ
の点灯時間に対する照度維持率(%)の変動を示してあ
る。この図から分かるように、臭化水銀を添加した方
が、照度維持率が良く、したがって、ランプの寿命を延
ばすことが可能である。
【0042】(発光管の別の実施例)図9には、上記の
第1の実施例におけるメタルハライドランプの別の実施
例を示してある。本例のメタルハライドランプ60は、
その発光管形状が異なっている以外は、前述したランプ
2と同一であるので、対応する部分には同一の符号を付
し、以下においてはそれらの部分の説明は省略する。
【0043】メタルハライドランプを投写型表示装置の
照明装置として使用する場合、反射鏡等で光を集める。
この場合のメタルハライドランプ60の発光管62の温
度分布は次のようになる。反射鏡4に囲まれている発光
管面は、ランプ単体の時に比べて反射鏡に囲まれている
ために、温度が上昇する。逆に、反射鏡4の開口部側の
発光管面の温度は、ランプ単体の時と同等あるいは若干
上昇する程度である。ここで、ランプ61の発光スペク
トルは、発光管の最も温度の低い部分、すなわち、最冷
部の温度に依存するので、この部分の温度を高めること
により、発光スペクトルは改善される。この最冷部は、
反射鏡4の開放部側の発光管における発光部62とシー
ル部24の境界部分にほぼ位置する。
【0044】本例においては、この最冷部の温度を高め
るために、発光管における反射鏡の開口部側の形状を細
くし、これによって、この部分を、電極間に形成される
アークに近づけるようにしている。すなわち、発光管6
1の発光部62の形状は、反射鏡の底部側においては、
楕円球あるいは概ね球形状をしているが、反対側におい
ては、ほぼ円錐台形状となるように細くしてある。
【0045】このように、本例においては、発光管61
の発光部62の形状を、反射鏡開口部側において細くし
てあるので、その最冷部の温度を高めることができ、ラ
ンプの発光スペクトルを改善することができる。なお、
発光部62の反射鏡の開口部側の形状は、本例のような
円錐台形状以外の形状としても良いことは勿論である。
図10には、発光管61の変形例を示してある。この図
に示すメタルハイラドランプ70においては、その発光
管71における反射鏡開口部側の部分を、保温膜で被覆
することにより、最冷部の温度を高めて、より一層の発
光スペクトルの改善を図っている。すなわち、本例にお
いては、発光管71の反射鏡開口部側のシール部24の
外周面のほぼ全体と、これに連続している発光部72の
外周部分とを、保温膜75により被覆してある(図にお
いては、保温膜の形成範囲を斜線で示してある。)。こ
のように保温膜75を形成することにより、発光管71
の最冷部の温度を高めて、発光スペクトルを改善するこ
とができる。
【0046】ここで、従来においてもこのような保温膜
を形成したものが知られている。しかし、本例において
は、発光部72の外周に形成した保温膜75を、シール
部24と発光部72の境界から発光部側に向けての幅が
約2mm以下となるように形成してあることを特徴とし
ている。すなわち、本例においては、前述したように、
発光管の寸法を小さくしてあるので、その分、発光管7
1内の最高温部の温度も高まっている。このため、従来
のように、発光部72の外周を広く保温膜で覆ってしま
うと、この最高温部の温度が高くなり過ぎてしまい、発
光管の素材である石英が劣化してしまう。本例では、こ
の発光部72を覆う保温膜を少ない範囲に限定してある
ので、高温による石英の失透を防止でき、ランプ寿命を
延ばすことができる。
【0047】なお、本例では、シール部24の外周と、
これに連続している発光部72の外周の双方に保温膜を
形成しているが、シール部24のみに保温膜を形成して
もよいことは勿論である。
【0048】また、本例においては、ライトバルブとし
て3つの液晶パネルを使用しているが、液晶パネルを1
つ、あるいは2つ備えた形式の投写型表示装置に対して
も本発明を同様に適用することができる。
【0049】(第2の実施例)図11には、本発明を適
用した第2の実施例である投写型表示装置200の光学
系のブロック図を示してある。本例の投写型表示装置2
00の照明装置は、メタルハライドランプ201と曲面
反射鏡202により構成される。メタルハライドランプ
201および反射鏡202の構成は、前述した第1の実
施例におけるランプ2および反射鏡4と同一であるの
で、以下においてはその詳細な説明は省略する。
【0050】この照明装置からの出射光は、第1レンズ
板203、第2レンズ板204で構成される均一照明光
学素子218を通過して、青緑反射ダイクロイックミラ
ー205と、青反射ダイクロイックミラー206と、反
射鏡207で構成される色分離光学系220に入射す
る。ランプ201の白色光Wに含まれる青色光Bは、色
分離光学系220の2枚のダイクロイックミラー20
5、206で反射される。赤色光Rは、青緑反射ダイク
ロイックミラー205を通過した後に反射鏡207で反
射される。残りの緑色光Gは、青緑反射ダイクロイック
ミラー205反射され、次に、青反射ダイクロイックミ
ラー206を透過する。
【0051】次に、各色光R、Bは、それぞれ平行化レ
ンズ208a、208bの直後に置かれた液晶パネル2
09a、209bに入射して変調され、各色光に対応し
た映像情報が付加される。一方、緑色光Gは、リレーレ
ンズ212と、2枚のフィールドレンズ210、214
と、2枚の反射鏡211、213で構成される光伝達手
段221を経た後に、液晶パネル209cに入射し、変
調される。ここで、本例においても、各液晶パネルは、
縦横の寸法比が3:4の横長の長方形をしており、その
対角線長さが1.3インチのものである。
【0052】各液晶パネル209a、209b、209
cで変調された後の各色光は、次に色合成手段であるク
ロスダイクロイックミラー215に入射する。このクロ
スダイクロイックミラー215は、緑反射の誘電体多層
膜と赤反射の誘電体多層膜をX字状に配置した状態で含
んでいる。したがって、青色光は、ここを通過し、赤色
光および緑色光はここで反射されるので、全ての色光が
1つの合成される。合成されることにより形成された光
学像は、投写レンズ216によってスクリーン217上
に投写表示される。
【0053】本例の均一照明光学素子218は、一般的
にインテグレータと呼ばれているものであり、その構成
を、図12(A)に示してある。この図に示すように、
均一照明光学素子218は、第1および第2のレンズ板
203、204で構成されている。第1のレンズ板20
3は、同一形状をした複数枚の矩形レンズ301を同一
平面上においてマトリックス状に配列した構成をしてい
る。同様に、第2のレンズ板204も、同一形状をした
複数枚の矩形レンズ302を同一平面上においてマトリ
ックス状に配列した構成をしている。第1のレンズ板2
03の各矩形レンズ301の形状は、照明対象の液晶パ
ネル209a、209b、209cと相似形とされてい
る。各矩形レンズ301の像は、第2レンズ板204の
対応する位置にある各矩形レンズ302によって、液晶
パネル上に重畳結像されるので、各液晶パネルは、均一
な照度で色むらも殆ど無く照明される。
【0054】なお、第1レンズ板203と第2レンズ板
204は必ずしも分離する必要はなく、各矩形レンズの
サイズを小さくして入射光束の分割数を増やせば、各レ
ンズ板203、204を接近させることができ、さらに
は、1枚のレンズ板に一体化することも可能である。ま
た、第2レンズ板204は、必ずしも矩形レンズで構成
する必要はなく、例えば六角形のレンズを配列してもよ
い。各レンズ板に含まれる複数のレンズの配列や構成法
は、この他にも様々なものが考えられる。
【0055】例えば、図12(B)に示すように、均一
照明光学素子として、複数の円柱レンズ303で構成さ
れる第1レンズ板203と、同じく複数の円柱レンズ3
04で構成される第2レンズ板204を用いて構成する
ことができる。この構成を採用した場合には、上記の図
12(A)に示すものに比べて、照明対象の中心照度が
高くなる。また、レンズ構成が比較的簡単であるので、
薄型化が容易となるなどの利点がある。
【0056】以上説明したように、本例の投写型表示装
置200においては、均一照明光学素子218を備えた
ことを特徴としている。一般的に、本例のような電極間
距離を短くしたランプを用いてスクリーン照度を高めた
場合には、光がスクリーンの投写面の中心付近に集中し
てしまい、その中央部分と周辺部分の照度差が大きくな
るおそれがある。また、スクリーンの投写面の中心付近
と周辺部分の間で色むらできるおそれがある。しかし、
本例においては、上記のように、照明装置と色分離光学
系の間に、均一照明光学素子を配置してあるので、スク
リーン上での照度差、色の違い、あるいは色むらが抑制
される。
【0057】また、本例では、ランプ201の電極間距
離を3mmにしてあるので次のような利点も得られる。
すなわち、従来において一般的に使用されている電極間
距離が5mm程度のランプを用いた場合には、均一照明
光学素子218の後段側の第2レンズ板206の各レン
ズ302上にできる光源像が、これらのレンズ寸法より
も大きくなってしまうおそれがある。このような事態が
生ずると、各レンズに呑み込まれない光源像の部分の光
を利用することができないので、その分、スクリーン上
で得られる光量も少なくなってしまう。本例では、電極
間距離が3mmのランプ201を使用しているので、第
2レンズ板206上にできる光源像の寸法を、各レンズ
302の寸法以下にすることができる。このため、光源
像の全ての光を利用でき、スクリーン照度を高めること
ができる。
【0058】また、ランプは、電極間を放電して光を発
生し、ほぼ電極の点から点への放電となるが、この点が
安定しないで、ちらつきが生ずることがある。特に、ハ
ロゲン化錫、ハロゲン化鉛、ハロゲン化亜鉛のうち少な
くも1つを封入した場合には、特に生じ易く、画面上に
おいてもこのちらつきが現れてしまう。これは、点付近
の輝度が高いためであり、その点が安定しないことに起
因して、画面上でもちらつきが分かり易くなってしま
う。しかし、本例のように均一照明光学素子と組み合わ
せることにより、このようなちらつきが殆ど分からなく
なる。これは、均一照明光学素子を入れることにより、
光が分散されて、ランプにちらつきが生じてもスクリー
ン上では分からなくなるからである。
【0059】このように、本例の投写型表示装置200
は、電極間距離が3mmの小型のメタルハライドランプ
201と、1.3インチのサイズの小型の液晶パネル2
09a、209b、209cと、これらの間に配置した
均一照明光学素子218とを組み合わせたことを特徴と
しており、この構成により、明るく、照度差が少なく、
しかも色バランスのよい投写画像を形成することができ
る。
【0060】なお、本発明者の実験によれば、上記構成
の投写型表示装置において、そのランプの入力電力を1
30Wから180Wの範囲とし、その電極間距離を2.
5mmから3.5mmの範囲とし、さらに、液晶パネル
のサイズを2インチ以下とした場合に、本例と同様の好
適な結果が得られること確認された。
【0061】次に、本例の投写型表示装置においても、
前述した第1の実施例におけるようにランプ201の管
寸法、その電極芯棒の直径を規定することにより、好ま
しい結果が得られた。さらには、ランプ201の封入金
属ハロゲン化物も、前述した第1の実施例に関して述べ
た物質を封入することにより、好ましい結果が得られ
た。
【0062】また、本例においても使用するランプ20
1として、図9、図10に示すような形状のもの、保温
膜を形成したものを採用することができることは勿論で
ある。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、投写型
表示装置において、その照明装置として、メタルハライ
ドランプと、ここからの放射光を反射する反射鏡とを備
えたものを採用し、このメタルハライドランプの発光管
の発光部の両端に封着されている一対の電極間の距離を
約2.5mmから約3.5mmの範囲内に設定してい
る。さらに、ライトバルブとして、有効表示部の対角寸
法が2インチ(約5.08cm)以下のサイズの透過型
液晶パネル、あるいは有効表示部の面積が約1240平
方mm以下の透過型液晶パネルを用いるようにしてい
る。本発明のこの構成によれば、電極間距離を短くして
小型化したメタルハライドランプを使用しているので、
装置の小型化を達成でき、スクリーン上において充分な
明るさを確保することができる。
【0064】また、本発明では、ランプの入力電力を約
130Wから約180Wの範囲内としている。また、メ
タルハライドランプの発光管における発光部を、その外
径および長さが約9mmから約11mmの範囲である全
体として楕円球あるいは球形状としている。さらに、本
発明では、メタルハライドランプの電極を構成している
電極芯棒を、その直径が約0.55mmから約0.65
mmの範囲内にしている。さらにまた、本発明では、メ
タルハライドランプの発光管に封入されている金属ハロ
ゲン化物として、少なくともDy、Nd、Csのハロゲ
ン化物を含み、その封入量を、約0.2mgから約0.
6mgの範囲内にしている。これに加えて、封入される
金属ハロゲン化物として、更に、ハロゲン化錫、ハロゲ
ン化鉛およびハロゲン化亜鉛のうちの少なくとも1つ
を、約0.05mgから約0.1mgの範囲内の量だけ
加えるようにしている。さらには、封入される金属ハロ
ゲン化物として、沃化水銀の代わりに臭化水銀を添加す
るようにしている。これらの構成を採用することによ
り、ランプの光学的特性を改善、あるいは良好なレベル
に保持でき、またランプ寿命を延ばすことができる。よ
って、投写映像の表示品位に優れ、しかも寿命の長い投
写型表示装置を実現できる。
【0065】同様に、本発明では、照明装置の構成要素
であるメタルハライドランプの発光管の形状として、そ
の反射鏡の開口部側の形状を細くするようにしている。
また、反射鏡の開口部側の温度を高めるために、反射鏡
の開口部側にある発光管のシール部およびこれに連続す
る発光部の外周のうち、少なくともシール部の外周のみ
を保温膜で覆うようにしている。さらに、これに連続す
る発光部の部分を保温膜で覆う場合には、シール部と発
光部の境界から反射鏡の底部側に向けて約2mm以下の
幅にするようにしている。これらの構成を採用したラン
プを備えることによっても、表示品位に優れた投写型表
示装置を実現できる。
【0066】一方、本発明の投写型表示装置において
は、その照明装置に対して、そこからの出力光の出射側
に、複数のレンズが照明装置の出力光の主軸に対して垂
直な面内に配列された構成のレンズ板を少なくとも1枚
含む均一照明光学素子を配置するようにしている。ま
た、照明装置として、メタルハライドランプと、ここか
らの放射光を反射して出力する反射鏡とを備えたものを
採用している。さらに、当該メタルハライドランプの発
光管の発光部の一対の電極間の距離を約2.5mmから
約3.5mmの範囲内に設定している。さらにまた、ラ
イトバルブとして、2インチ(約5.08cm)以下、
あるいは有効表示部の面積が約1240平方mm以下の
透過型液晶パネルを用いるようにしている。
【0067】本発明のこの構成によれば、短アークのラ
ンプ、小さいサイズの液晶パネルおよび均一照明光学素
子をを組み合わせて用いることにより、スクリーン上の
投写映像の照度比、色むらをより一層抑制することで
き、高品質の映像を得ることができる。また、スクリー
ン照度を高めることができ、明るい画面を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である投写型表示装置を
示す概略ブロック図である。
【図2】図1の照明装置を示す概略断面図である。
【図3】入力電圧に対する発光効率および管壁負荷の変
動を示すグラフである。
【図4】(B)は電極間距離に対するパネル上集光率お
よび発光効率の変動を示すグラフであり、(A)はその
集光率および発光効率の乗算値を電極間距離に対してプ
ロットしたグラフである。
【図5】液晶パネルのサイズに対する集光率比の変動を
示すグラフである。
【図6】発光管の寸法に対する演色評価数の変動を示す
グラフである。
【図7】封入金属ハロゲン化物の量を変化させた場合に
おける、メタルハライドランプの点灯時間に対する照度
維持率の変化を示すグラフである。
【図8】臭化水銀または沃化水銀を添加した場合におけ
る、メタルハライドランプの点灯時間に対する照度維持
率の変化を示すグラフである。
【図9】メタルハライドランプの別の実施例を示す概略
断面図である。
【図10】図8のメタルハライドランプの変形例を示す
概略断面図である。
【図11】本発明の第2の実施例である投写型表示装置
を示す概略ブロック図である。
【図12】(A)は、図11の装置に用いられている均
一照明光学素子を示す概略斜視図であり、(B)はその
変形例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1・・・プロジェクター 2・・・メタルハライドランプ 4・・・反射鏡 21・・・発光管 22・・・発光部 23、24・・・シール部 25、26・・・電極芯棒 41・・・反射面 42・・・取付穴 60、70・・・メタルハライドランプ 61、71・・・発光管 62、72・・・発光部 75・・・保温膜 AL・・・電極間距離 D・・・発光部の外径 L・・・発光部の長さ 200・・・投写型表示装置 201・・・ランプ 202・・・反射鏡 203・・・第1レンズ板 204・・・第2レンズ板 205、206・・・ダイクロイックミラー 207、211、213・・・反射鏡 209a、209b、209c・・・液晶パネル 215・・・ダイクロイックミラー 216・・・投写レンズ 217・・・スクリーン 218・・・均一照明光学素子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明装置と、この照明装置の出力光を変
    調して画像情報に応じた光学像を形成する少なくとも1
    つのライトバルブと、このライトバルブの光学像を投写
    する投写レンズとを有する投写型表示装置において、 前記照明装置は、メタルハライドランプと、ここからの
    放射光を反射して出力する反射鏡とを備えており、前記
    メタルハライドランプの発光管の発光部の一対の電極間
    の距離は約2.5mmから約3.5mmの範囲内であ
    り、 前記ライトバルブは、2インチ(約5.08cm)以下
    のサイズの透過型液晶パネルであることを特徴とする投
    写型表示装置。
  2. 【請求項2】 3原色の色成分を含む光束を出射する照
    明装置と、この照明装置の出力光を3原色の各色光に分
    離する色分離手段と、この色分離手段から出射する3つ
    の原色光を変調して画像情報に応じた光学像を形成する
    各色に対応して配置された3つのライトバルブと、これ
    ら3つのライトバルブからの出力光を1つに合成する色
    合成手段と、この色合成手段からの出力光を受けて前記
    ライトバルブの光学像を投写する投写レンズとを有する
    投写型表示装置において、 前記照明装置は、メタルハライドランプと、ここからの
    放射光を反射して前記色分離手段の側に向けて出力する
    反射鏡とを備えており、前記メタルハライドランプの発
    光管における発光部の一対の電極間の距離は約2.5m
    mから約3.5mmの範囲内であり、 前記ライトバルブのそれぞれは、2インチ(約5.08
    cm)以下のサイズの透過型液晶パネルであることを特
    徴とする投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 照明装置と、この照明装置の出力光を変
    調して画像情報に応じた光学像を形成する少なくとも1
    つのライトバルブと、このライトバルブの光学像を投写
    する投写レンズとを有する投写型表示装置において、 前記照明装置は、メタルハライドランプと、ここからの
    放射光を反射して出力する反射鏡とを備えており、前記
    メタルハライドランプの発光管の発光部の一対の電極間
    の距離は約2.5mmから約3.5mmの範囲内であ
    り、 前記ライトバルブは、その有効表示部の面積が約124
    0平方mm以下のサイズの透過型液晶パネルであること
    を特徴とする投写型表示装置。
  4. 【請求項4】 3原色の色成分を含む光束を出射する照
    明装置と、この照明装置の出力光を3原色の各色光に分
    離する色分離手段と、この色分離手段から出射する3つ
    の原色光を変調して画像情報に応じた光学像を形成する
    各色に対応して配置された3つのライトバルブと、これ
    ら3つのライトバルブからの出力光を1つに合成する色
    合成手段と、この色合成手段からの出力光を受けて前記
    ライトバルブの光学像を投写する投写レンズとを有する
    投写型表示装置において、 前記照明装置は、メタルハライドランプと、ここからの
    放射光を反射して前記色分離手段の側に向けて出力する
    反射鏡とを備えており、前記メタルハライドランプの発
    光管における発光部の一対の電極間の距離は約2.5m
    mから約3.5mmの範囲内であり、 前記ライトバルブのそれぞれは、その有効表示部の面積
    が約1240平方mm以下のサイズの透過型液晶パネル
    であることを特徴とする投写型表示装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、前記液晶パ
    ネルは、その有効表示部の面積が約1240平方mm以
    下のものであることを特徴とする投写型表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5におい
    て、前記メタルハライドランプの入力電力は約130W
    から約180Wの範囲内であることを特徴とする投写型
    表示装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のうちの何れかの項に
    おいて、前記メタルハライドランプの発光管における発
    光部は、その外径および長さが約9mmから約11mm
    の範囲である全体として楕円球あるいは概ね球形状をし
    ていることを特徴とする投写型表示装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のうちの何れかの項に
    おいて、前記電極を構成している電極芯棒の直径が約約
    0.55mmから約0.65mmの範囲内であることを
    特徴とする投写型表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のうちの何れかの項に
    おいて、前記メタルハライドランプの発光管に封入され
    ている金属ハロゲン化物は、少なくともDy、Nd、C
    sのハロゲン化物を含み、その封入量は、約0.2mg
    から約0.6mgの範囲内であることを特徴とする投写
    型表示装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記金属ハロゲン
    化物として、更に、ハロゲン化錫、ハロゲン化鉛および
    ハロゲン化亜鉛のうちの少なくとも1つを、約0.05
    mgから約0.1mgの範囲内の量で含んでいることを
    特徴とする投写型表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10において、前記金
    属ハロゲン化物として、臭化水銀を含み、当該臭素量
    と、総沃素量とのモル比が約0.1から約0.6の範囲
    内であることを特徴とする投写型表示装置。
  12. 【請求項12】 請求1ないし11のうちの何れかの項
    において、前記メタルハライドランプの発光管における
    前記反射鏡の開口部側の形状を細くしてあることを特徴
    とする投写型表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のうちの何れかの
    項において、前記反射鏡の開口部側にある前記発光管の
    シール部およびこれに連続する発光部の外周のうち、少
    なくともシール部の外周が保温膜により被覆されている
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記保温膜によ
    り被覆されたシール部に連続する発光部の外周も保温膜
    により被覆されており、この発光部の保温膜は、シール
    部と発光部の境界から前記反射鏡の底部側に向けて約2
    mm以下の幅で形成されていることを特徴とする投写型
    表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のうちの何れかの
    項において、前記照明装置に対して、そこからの出力光
    の出射側には、複数のレンズが前記照明装置の出力光の
    主軸に対して垂直な面内に配列された構成のレンズ板を
    少なくとも1枚含む均一照明光学素子を備えていること
    を特徴とする投写型表示装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6149276A (en) * 1998-01-28 2000-11-21 Nec Corporation Image projector

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