JP2540248B2 - 投写型液晶表示装置 - Google Patents

投写型液晶表示装置

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JP2540248B2
JP2540248B2 JP3094267A JP9426791A JP2540248B2 JP 2540248 B2 JP2540248 B2 JP 2540248B2 JP 3094267 A JP3094267 A JP 3094267A JP 9426791 A JP9426791 A JP 9426791A JP 2540248 B2 JP2540248 B2 JP 2540248B2
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弘 鎌倉
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ライトバルブとメ
タルハライドランプを用いた投写型液晶表示装置に関す
る。
【0002】
【発明の概要】本発明において、メタルハライドランプ
の第1の発光輝点は放物面鏡の公式(y=x2 /4f)
のf値より小さく、第2の発光輝点はf値より大きく設
定されており、第2の発光輝点の周辺のみをフロスト構
造にすると共に、該第1の発光輝点の光度に対して該第
2の発光輝点の光度を50%以下にすることにより、集
光効率が高く、照度ムラが少なくカラーユニフォーミテ
ィが良好な投写型液晶表示装置が提供できる。
【0003】
【従来の技術】従来から知られている投写型液晶表示装
置として、例えば、ハロゲンランプを用いた液晶ライト
バルブによる投写型カラー表示装置(1986年5月に
行われたソサエティ・フォア・インフォメイション・デ
ィスプレイの技術論文要録375ページ〜378ページ
に掲載された論文「LCD Full Color V
ideo Projector」)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ハロゲンラン
プを用いた液晶表示装置は、明るさも不十分で、また画
像品質としての色合い(色再現性)や白色の色温度(テ
レビ受像機のNTSCの基準色温度は6500K)に関
しては、テレビ受像機並の画質を得ることが難しく、さ
らには画像の重要な要素であるユニフォーミティ(カラ
ーユニフォーミティも含む)も十分ではなかった。
【0005】そこで本発明は、このような問題点を解決
するもので、その目的とするところは、投写した画像の
スクリーン上での照度ムラを低下させ、ユニフォーミテ
ィが良好な投写型液晶表示装置を供することにある。
【0006】さらに本発明の他の目的は、効率の高い色
分離および色合成を可能にした投写型液晶表示装置を供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る投写型液晶
表示装置は、画像形成のための液晶ライトバルブを用い
た投写型液晶表示装置であって、液晶ライトバルブを照
射する光源は、水銀およびその他のハロゲン化金属によ
り構成されたメタルハライドランプであり、第1の発光
輝点を放物面鏡の公式(y=x2/4f)のf値より小
さく、第2の発光輝点を該f値より大きく設定し、該第
2の発光輝点の周辺のみをフロスト構造にしたものであ
る。
【0008】
【作用】本発明の上記構成によれば、集光効率が高く、
出射光束の大きく、しかも照度ムラが少なくユニフォー
ミティを良好にすることが可能になる。
【0009】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明を適用した投
写型液晶表示装置の実施例を説明する。
【0010】まず、本発明の一実施例における投写型液
晶表示装置に用いる、メタルハライドランプの構造につ
いて詳しく述べる。
【0011】図1は、リフレクタ付きランプの断面を示
す断面図である。本図において、放電灯10は、複合化
合物(水銀やハロゲン化金属等)が充填されたメタルハ
ライドランプである。電極11は、タングステンで形成
された電極で、モリブデン12を熱圧着してある。
フレクタ13はセラミックセメント14により、放電
10に接着固定されている。
【0012】リフレクタ13は、放物面鏡(パラボラリ
フレクタとも呼ぶ)であり、リフレクタの光学焦点位置
(f)は(y=x2 /4f)の公式によるf値である。
【0013】タングステン電極11は、数mmの極間距
離が保たれており、リフレクタの反射面側の電極の先端
を第1の発光輝点15とし、もう一方の電極を第2の発
光輝点16として、第1の発光輝点はリフレクタの光学
焦点位置(f)より短い位置に設定され、第2の発光輝
点16は、リフレクタの光学焦点位置(f)より長い位
置に設定されている。
【0014】放電灯10は石英の発光管であり、第1の
発光輝点側の周辺と第2の発光輝点側の周辺において
は、透過特性が異なるフロスト構造(梨地表面加工)に
してある。
【0015】図2は、本発明の一実施例に用いるメタル
ハライドランプのハロゲン化金属の異なる3種類(a)
(b)(c)の分光特性を示す。
【0016】図2の(a)は、水銀と他のハロゲン化金
属の割合が70:1のランプであり、水銀(Hg)が
5.35mg、セシウム(Cs)が110ug、ディス
プロジウム(Dy)が50ug、ネオジウム(Nd)が
40ug、その他の金属が微量充填されている。
【0017】図2の(b)は、水銀と他の金属の割合が
70:1のランプであり、水銀(Hg)が22.5m
g、ディスプロジウム(Dy)が40ug、ホルミウム
(Ho)が30ug、タリウム(Tl)が140ug、
ツリウム(Tm)が20ug、その他の金属が微量充填
されている。
【0018】図2の(c)は、水銀と他の金属割合が、
80:1のランプであり、水銀(Hg)が24.8m
g、セシウム(Cs)が180ug、ディスプロジウム
(Dy)が100ug、ホルミウム(Ho)が90u
g、錫(Sn)が170ug、タリウム(Tl)が12
30ug、ツリウム(Tm)が80ug、その他の金属
が微量充填されている。
【0019】これらの3種類のメタルハライドランプに
おいて、色温度は図2(a)が5600K、図2(b)
が5100K、図2(c)が4630Kである。
【0020】これらのランプを、投写光学系を用いて投
写すると、出射光の各スペクトル(R,G,Bの色再現
性)は、ランプの各波長域のエネルギー比によって色合
いを決定するため、放電のアークの中心部においては、
色温度が高い水銀のスペクトル分布が集中し、その周辺
部分には、他のハライド金属の放電スペクトルが周辺を
取りまくように放電するため、ハライド金属の各々の色
光でかなりバラつきカラーユニフォーミティが劣化す
る。
【0021】特に、窯化リチウム(Li−I2 )やナト
リウム(Na),ルビジウム(Rb)等の赤色の発光色
を決定するハライド金属は、水銀スペクトルの周辺を取
りまくように放電するため、他の輝線スペクトルに比べ
著しく特出しており、そのためスクリーンに投写した場
合のカラーユニフォーミティが悪くなる。
【0022】そのため、特にこれらのハライド金属と水
銀の発光スペクトルをアーク位置の最適化と、発光間の
フロスト構造により光学的に混ぜ合わせて投射すること
により、色ムラの少ないカラーユニフォーミティが実現
できる。
【0023】図3は、投写光学系のライトバルブからメ
タルハライドランプの具体的な設計距離および最適なリ
フレクター形状を示した寸法図である。
【0024】リフレクターは、ライトバルブの照射面ま
で450mmのワーキングディスタンスを有している。
ライトバルブの有効照射面は直径120mm、リフレク
ターの開口径は145mmである。
【0025】メタルハライドランプのアークの第1の発
光点はリフレクターの焦点より−0.5mm、第2の発
光輝点はリフレクターの焦点より+5.5mmにある。
また、リフレクターの後方のリブ径は直径10mmであ
る。
【0026】図4は、照度分布を示すグラフであり、図
3に示した照明光学系を用いて第1の発光輝点の光度
と、第2の発光輝点の光度を変化させたときの、ライト
バルブ面の照度分布である。
【0027】図4の(a)は第1の発光輝点と第2の発
光輝点の光度が等しい場合の照度分布を、同図(b)は
第2の発光輝点が第1の発光輝点の50%の光度を、同
図(c)は第2の発光輝点が30%のときのシミュレー
ション値を示す。
【0028】この結果から分かるように、第2の発光輝
点が第1の発光輝点と同じ光度の場合においては、中心
の照度が著しく高くなり照度ムラが大きい。それに比較
して、第2の発光輝点の照度を30%程度にすることに
より、照度比は改善される。また、このシミュレーショ
ンでは表わせないが、第2の発光輝点の管面はほぼ1/
2をフロスト構造にすることにより、カラーユニフォー
ミティも著しく改善され均一な白色光が得られた。
【0029】図5は、本実施例によるランプを用いた投
写型液晶表示装置の構造を示す。すなわち、透過型液晶
ライトバルブを1枚用いた投写型液晶表示装置の斜視図
である。
【0030】図5において、ランプ30は、図1で示し
たメタルハライドランプであり、ランプより出射された
光は、熱線カットフィルタ31で赤外線を反射もしくは
吸収させる。
【0031】透過型液晶ライトバルブ32は、2枚の透
明電極上に、薄膜トランジスタや、ダイオード素子から
成るアクティブマトリクス型液晶パネル、もしくは時分
割駆動を用いたパッシブ型液晶パネルにより構成され、
コンピュータグラフィクスや、テレビ等の画像データ
は、投写レンズ33によりスクリーン上に結像される。
【0032】これらの光学系は、ケース34にすべて収
められるが、液晶ライトバルブの画像形成部分は、より
小型でしかも画素密度が多く光透過率の高いことが理想
である。
【0033】この液晶ライトバルブの光透過率は、カラ
ー表示の場合にはカラーフィルタの透過率とランプのR
GBの分光特性に依存し、ランプの光束を効率よく出射
するためにはRGBの3色の光の発光エネルギーを輝度
信号のエネルギーに合わせる必要があり、メタルハライ
ドランプのハライド金属の種類により発光エネルギーを
コントロールしている。
【0034】図6は、透過型液晶ライトバルブを3枚用
いた投写型表示装置の平面図である。本図において、ラ
ンプ40は、図1で示したメタルハライドランプであ
り、ランプ40より出射した光は、ダイクロイックミラ
ー43により、各々赤色,青色,緑色の3原色に色分離
される。
【0035】これらの3原色は、透過型液晶ライトバル
ブ44を照射する。照射した光はライトバルブにより輝
度信号に比例した透過エネルギーに変調される。これら
の光エネルギーは、可逆的に設けられたダイクロイック
ミラー45により画像合成され、投写レンズ46により
スクリーン上に画像を結像させる。ミラー47は、光学
軸を折り曲げるための反射鏡である。
【0036】
【発明の効果】以上、述べたように本発明によれば、投
写型液晶表示装置に用いるメタルハライドランプは、水
銀とその他のハロゲン化金属の割合が例えば70:1か
ら80:1の成分比率で、ハロゲン化金属として希土類
金属を用いた放電灯の第1の発光輝点は放物面鏡の公式
(y=X2 /4f)のf値より小さく、第2の発光輝点
はf値より大きく設定されており、第2の発光輝点の周
辺のみをフロスト構造にすると共に、該第1の発光輝点
の光度に対して該第2の発光輝点の光度を50%以下に
することにより、照度ムラを少なくし、かつ、カラーユ
ニフォーミティが著しく改善でき、ハイビジョンなどの
高画質を追及した投写型液晶表示装置などに用いること
により特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるリフレクター付ラン
プの断面図である。
【図2】本発明の一実施例におけるハロゲン化金属の異
なるメタルハライドランプの分光特性図である。
【図3】本実施例のライトバルブからメタルハライドラ
ンプの具体的な距離およびリフレクター形状を示した寸
法図である。
【図4】図3に示した光学系におけるライトバルブ面の
照度分布図である。
【図5】本発明の一実施例による液晶ライトバルブを1
枚用いた投写型液晶表示装置の斜視図である。
【図6】本発明の一実施例による透過型液晶ライトバル
ブを3枚用いた投写型表示装置の平面図である。
【符号の説明】
10 放電灯 11 電極 13 リフレクター 15 第1の発光輝点 16 第2の発光輝点 30 ランプ 32 液晶ライトバルブ 43 ダイクロイックミラー 46 投写レンズ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成のための液晶ライトバルブを用
    いた投写型液晶表示装置において、 液晶ライトバルブを照射する光源は、水銀およびその他
    のハロゲン化金属により構成されたメタルハライドラン
    プであって、第1の発光輝点を放物面鏡の公式(y=x
    2 /4f)のf値より小さく、第2の発光輝点を該f値
    より大きく設定し、該第2の発光輝点の周辺のみをフロ
    スト構造にすると共に、該第1の発光輝点の光度に対し
    て該第2の発光輝点の光度を50%以下にすることを特
    徴とする投写型液晶表示装置。
JP3094267A 1991-04-24 1991-04-24 投写型液晶表示装置 Expired - Lifetime JP2540248B2 (ja)

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