JP3591085B2 - 自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、販売する商品および商品の販売動作が外部から見える、いわゆるシースルー形式の自動販売機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シースルー形式の自動販売機として、以下に説明する缶飲料用の自動販売機が知られている。この自動販売機では、販売機本体に内蔵した商品収納庫に合わせて、メインドアの商品ディスプレイを大きく形成すると共に、商品収納庫の断熱ドアを透明な部材で構成し、商品ディスプレイ越しに、商品収納庫内の商品が見えるようになっている。商品は、商品収納庫内に収納した上下2段、左右4列の商品コラムにそれぞれ収容されており、商品ディスプレイの脇には各商品コラムに対応して、テンキー形式の商品選択ボタンが配設されている。各商品コラムは、上流端の商品投入口から商品収納庫の奥行き幅いっぱいに「S」字状に延びるストック通路と、ストック通路の下流端に設けたベンドメカニズムとで、構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の自動販売機では、ストック通路が「S」字状に形成されているため、通路のコーナー部分などに間隙が生じやすく、上下2段、左右4列、計8個の商品コラムしか搭載することができない。このため、商品の収容本数が少なくなると共に、商品の種類が少なく限定されてしまう問題があった。また、商品別の収容量が、各商品コラムに収容できる商品の本数単位になり、きめ細かな商品数の設定が不可能であった。このことは、サーペンタイン形式の商品コラムを有する自動販売機でも同様であり、ある商品が売り切れているにも拘らず、他の商品は多量に売れ残っているなどの不具合を生じていた。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、商品の十分な収容本数およびその種類を確保することができると共に、各種の商品をほぼ同時に売り切ることができる自動販売機を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の自動販売機は、透明な前面パネルを介して、前方から内部が視認可能な自動販売機であって、前面パネルの背面側に配置され、各々が複数の商品を前後方向に並んだ状態で収納するとともに、販売時に1つの商品を払い出す複数の商品コラムと、これらの複数の商品コラムのうち、互いに隣接するとともに同一種の商品を収納する複数の商品コラムを、コラム群として設定するコラム群設定手段と、設定されたコラム群に対応して、前面パネルのコラム群に属する複数の商品コラムの1つの前方に設けられ、販売時にコラム群の商品を選択するために操作される商品選択ボタンと、コラム群から商品を販売する際に、商品選択ボタンから遠い商品コラムから優先して商品を払い出し、最後に商品選択ボタンに最も近い商品コラムから商品を払い出すように、商品の払い出し順序を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、透明な前面パネルの背面側に、複数の商品コラムが配置されるので、自動販売機の前方から、それらの商品コラムに収納された商品およびその販売動作を見ることができ、それにより、商品購入者に対して商品を強くアピールできるとともに、商品別の販売実績をその収納数で表現することができる。また、コラム群設定手段により、複数の商品コラムのうち、互いに隣接するとともに同一種の商品を収納する複数の商品コラムを、コラム群として設定する。この設定されたコラム群に対応して、前面パネルには、コラム群に属する複数の商品コラムの1つの前方に、商品選択ボタンが設けられる。そして、コラム群から商品を販売する際に、制御装置により、商品選択ボタンから遠い商品コラムから優先して商品を払い出し、最後に商品選択ボタンに最も近い商品コラムから商品を払い出すように、商品の払い出し順序が制御される。これにより、商品選択ボタンの後方には、コラム群のすべての商品が売り切れるまで、コラム群の商品見本としての商品が存在するので、商品購入者は、商品の選択を誤ることなく、コラム群の商品を確実に購入することができる。
【0007】
請求項1の自動販売機において、コラム群設定手段は、コラム群に属する複数の商品コラムの設定を変更可能に構成されていることが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、商品の販売実績などに応じて、コラム群に属する商品コラムの設定を容易に変更することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機は、缶ジュースや缶コーヒーなどの缶飲料を販売するものであり、図1はその正面図、図2はその縦断面図である。両図に示すように、この自動販売機1は、販売機本体2と、販売機本体2の前面に開閉自在に取り付けたメインドア3とで構成されている。販売機本体2の内部には、前面に断熱ドア4を有する商品収納庫5が広く設けられており、商品収納庫5内には、左右方向に4列の商品ラック6が配設されている。
【0014】
各列の商品ラック6には、上下方向に多数の商品コラム7が積み重なるように配設されており、4個ないし2個の商品コラム7を1コラム群Cとし、各コラム群Cには同一の商品Aが収容されている。商品ラック6の後端と商品収納庫5の後壁との間には落下通路8が形成され、落下通路8の下流端には、前方に向かって前下り傾斜したシュート9が配設されている。各商品コラム7から払い出された商品Aは、落下通路8を落下すると共に各シュート9上を転動し、払出口10から販売口11に導かれる。
【0015】
落下通路8には、商品ラック6側に各商品コラム7の後端から吊り下げるようにして可動板12が設けられると共に、これに対応して後壁側に波板13が設けられていて、落とし込まれる商品Aが、サーペンタインの通路と同様に、制動されながら落下するようになっている。
【0016】
メインドア3には、上記の断熱ドア4に対応するように商品ディスプレイ14が広く設けられており、商品ディスプレイ14の右側に位置する接客部15には、紙幣投入口16、金銭表示器17、硬貨投入口18および返却レバー19などが設けられている。また、商品ディスプレイ14の下側には、販売口11および硬貨返却口20が配設されている。
【0017】
さらに、上記のコラム群Cに対応して、すなわちコラム群Cの最下位の商品コラム7の最前端の商品Aaに対応して、商品ディスプレイ14の前面には選択ボタン(商品選択ボタン)21が設けられている。この場合、選択ボタン21は、商品ディスプレイ14内に配設した支持部材22の前面に取り付けられており、支持部材22の後部は、対応する最下段の商品コラム7の最前端の商品Aaを指し示すように、楔状に形成されている。これにより、商品Aの選択の誤りを防止できるようになっている。
【0018】
この場合、商品ディスプレイ14を構成する前面パネル23は、透明なガラスやアクリル樹脂などで構成され、また、この前面パネル23越しに見える断熱ドア4も、複層構造の透明なガラスやアクリル樹脂などで構成されている。したがって、この自動販売機1では、商品ディスプレイ14越しに、各商品コラム7に収納した商品Aが見えるようになっている。すなわち、自動販売機1が、いわゆるシースルー構造になっており、ストックされている商品Aや販売時に商品Aが順次送られてゆく様子などが、外部から視認できるようになっている。なお、各商品コラム7を構成する棚板24も、透明なガラスやアクリル樹脂などで構成することが、好ましい。
【0019】
一方、各商品ラック6には、図2に示すように、上下に重なるように配設した多数の商品コラム7が組み込まれている。この多数の商品コラム7は、商品ラック6を構成する左右の側板(図示省略)に多数の棚板24を斜めに取り付けて形成されている。各商品コラム7は商品Aを1列に収容可能に構成されており、前端部に設けた商品投入口31と、後端部に設けたベンドメカニズム32と、商品投入口31からベンドメカニズム32に向かって後下り傾斜して延びるストック通路33とで構成されている。
【0020】
この場合、各商品コラム7のベンドメカニズム32は上記のコラム群Cに従って、対応する選択ボタン21に割り振られており、この割り振りの設定は、図3に示すように、コントローラ(CPU)25(制御装置)と設定器26とから成る設定手段(コラム群設定手段)により行われる。例えば、左端の商品ラック6では、各コラム群Cを上から4個、3個、3個、2個、2個の商品コラム7で構成して、最上部のコラム群Cの4個の商品コラム7を「1」の選択ボタン21に対応させ、次の3個の商品コラム7を、「2」の選択ボタン21に対応させ、さらに次の3個を「3」の選択ボタン21に、次の2個を「4」の選択ボタン21に、次の2個を「5」の選択ボタン21に、それぞれ対応させている。
【0021】
なお、この実施形態では、各コラム群Cの最下段の商品コラム7の位置に選択ボタン21を配設しているが、選択ボタン21の位置にある商品コラム7の商品Aを、最後に販売するようにすれば、選択ボタン21の位置をコラム群Cの最下段の商品コラム7の位置とする必要はない。例えば、左端の商品ラック6において、選択ボタン21の位置を変えることなく、上から6段目までの商品コラム7を1コラム群Cとして「1」の選択ボタン21に対応させる。そして、上から1段目の商品コラム7から販売を開始し、2段目、3段目と販売を進め、その次は6段目、5段目の順で販売し、4段目の商品コラム7の商品Aを最後に販売するようにする。このようにすれば、商品購入者が商品Aの選択を誤ることがなく、かつ選択ボタン21を移動させることもなく、単に設定器26によるコラム設定のみで、選択ボタン21とコラム群Cとを対応させることができる。
【0022】
次に、各コラム群Cにおける商品Aの販売手順について、最上段のコラム群Cを例に詳細に説明する。上述したように、1段目、2段目、3段目の順で商品Aを販売し、最後に4段目の商品コラム7の商品Aを販売してもよいが、例えば、ストッパなどにより、4段目の商品コラム7の最前端の商品Aaを転動不能として残しておき、1段目の商品コラム7の最後端の商品Aから販売し、次に2段目の最後端の商品A、さらに3段目、4段目と販売し、これを繰り返してゆくようにしてもよい(図3参照)。また、各段の最前端の商品A,Aaを全て残しておくようにしてもよい。このようにすれば、商品Aが売り切れとなった後でも、最前端の商品A,Aaを商品見本として残しておくことができ、商品ディスプレイ14のアピール性(満杯感)を向上させることができる。
【0023】
このように、実施形態の自動販売機1によれば、ベンドメカニズム32を搭載した多数の商品コラム7のいくつかを、適宜組み合わせてコラム群Cとし、これを1つの選択ボタン21により、それぞれ販売動作させるようにしているので、商品Aの種類毎に商品Aの収容本数をきめ細かく設定することができる。この場合、各種の商品Aをその販売実績に応じて設定すれば、各商品Aがほぼ同時に売り切れとなり、ローディング効率を向上させることができる。また、商品ディスプレイ14越しに、実際に販売される商品Aおよびその販売動作が見えるので、商品見本を省略することができると共に、商品Aのアピール度を高めることができる。
【0024】
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機1では、選択ボタン21に代えてテンキー41の操作により商品Aの選択が行われるようになっている。メインドア3の接客部15には、1から20までのキー41aをマトリクス状に配置したテンキー41が設けられており、また各コラム群Cの最下段の商品コラム7に対応して、商品ディスプレイ14の前面パネル23に1から20の番号表示42が付されている。この場合、テンキー41および番号表示42が選択ボタン21に相当し、各商品コラム7は、該当するコラム群Cに従って設定器26により、テンキー41の各キー41aに対応するように設定されている。
【0025】
なお、番号表示42を粘着シールなどで構成し、これを前面パネル23の裏面側から貼着するようにしておけば、コラム群Cの変更を極めて簡単に行うことができる。
【0026】
次に、図5を参照して、本発明の第3実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機1では、収納した商品Aが商品ディスプレイ14越しに見えることを利用し、各列のコラム群Cの商品コラム7の数を販売実績に応じて割り振っている。そして、この割振りにより商品ディスプレイ14越しに見える商品群の模様を、一種の展示パターンとして取り入れている。
【0027】
この実施形態では、番号表示42が不揃いとなるが、あたかも商品の人気(売れ筋)を棒グラフで表した如くに見え、商品Aのアピール度を高めることができる。すなわち、従来に無い商品Aの展示パターンとすることができ、商品Aの購入意欲を喚起することができる。
【0028】
次に、図6を参照して、本発明の第4実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機1では、全ての商品コラム7に対して番号表示42を付しておき、この番号表示42とは別にコラム群Cを設定したものである。商品コラム7は、4列、14段で構成されているため、計56個あり、各商品コラム7には1から56の番号表示42が、それぞれ付されている。この場合、テンキー51は0から9までのキー51aで構成され、所望の商品Aの番号をキー入力することにより、商品Aを選択できるようになっている。
【0029】
この実施形態では、選択した商品Aが、その番号の商品コラム7から直接販売されるため、商品Aおよびその動きが見えるという、シースルー形式の自動販売機1の特性を、十分に生かすことができる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明の自動販売機によれば、商品の十分な収容本数と十分な種類とを確保することができると共に、各種の商品をほぼ同時に売り切ることができるという、商品別の販売実績に応じたきめ細かな販売が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動販売機の正面図である。
【図2】実施形態に係る自動販売機の縦断面図である。
【図3】実施形態に係る自動販売機のコラム設定系の説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る自動販売機の正面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る自動販売機の正面図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る自動販売機の正面図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
4 断熱ドア
5 商品収容庫
6 商品ラック
7 商品コラム
14 商品ディスプレイ
21 選択ボタン
24 棚板
25 コントローラ
26 選択器
32 ベンドメカニズム
33 ストック通路
41 テンキー
51 テンキー
A 商品
C コラム群
Claims (2)
- 透明な前面パネルを介して、前方から内部が視認可能な自動販売機であって、
前記前面パネルの背面側に配置され、各々が複数の商品を前後方向に並んだ状態で収納するとともに、販売時に1つの商品を払い出す複数の商品コラムと、
これらの複数の商品コラムのうち、互いに隣接するとともに同一種の商品を収納する複数の商品コラムを、コラム群として設定するコラム群設定手段と、
当該設定されたコラム群に対応して、前記前面パネルの当該コラム群に属する複数の商品コラムの1つの前方に設けられ、販売時に当該コラム群の商品を選択するために操作される商品選択ボタンと、
前記コラム群から商品を販売する際に、前記商品選択ボタンから遠い商品コラムから優先して商品を払い出し、最後に前記商品選択ボタンに最も近い商品コラムから商品を払い出すように、商品の払い出し順序を制御する制御装置と、
を備えていることを特徴とする自動販売機。 - 前記コラム群設定手段は、前記コラム群に属する複数の商品コラムの設定を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
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- 1996-09-25 KR KR1019960042407A patent/KR0184655B1/ko not_active IP Right Cessation
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