JP3562062B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納した商品およびその販売動作が外部から見える、いわゆるシースルー形式の自動販売機に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
シースルー形式の自動販売機として、以下に説明する缶飲料用の自動販売機が知られている。この自動販売機では、販売機本体に内蔵した商品収納庫に合わせて、メインドアの商品ディスプレイを大きく形成すると共に、商品収納庫の断熱ドアを透明な部材で構成し、商品ディスプレイ越しに、商品収納庫内の商品が見えるようになっている。この場合、硬貨投入口などを設けたパネル状の接客部は、商品の視認の邪魔にならないように商品ディスプレイの脇に縦長に配設されている。そして、接客部の背後のスペースには、商品収納庫の側板を利用して商品ストッカーが形成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の自動販売機では、接客部の背後の空きスペースを商品ストッカーとして利用しているが、商品ストッカーに収納した商品は、そのままでは自動販売の対象とはならない。このため、商品ストッカーのスペースに相当する分、自動販売機の大きさに比して商品の収納数が少なくなってしまう問題があった。
【０００４】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、シースルー形式の自動販売機としての機能を損なうことなく、商品の収納数を多くすることができる自動販売機を提供することをその目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
請求項１の自動販売機は、前面の左右方向に、透明な前面パネルおよび接客部が並設され、前面パネルを介して前方から内部が視認可能な自動販売機であって、前面パネルの背面側に配置され、販売時に商品を１つずつ払い出すためのベンドメカニズムを有し、複数の商品をそれぞれ収納するとともに収納した複数の商品を商品見本として用いる複数の第１商品コラムと、複数の第１商品コラムに対応するように設けられ、販売時に商品を選択するために操作される複数の選択ボタンと、接客部の背面側に配置され、販売時に商品を１つずつ払い出すためのベンドメカニズムを有するとともに、複数の第１商品コラムのうちの所定の第１商品コラムに収納されたのと同一の品目の複数の商品を収納する第２商品コラムと、販売時に、複数の選択ボタンのうちの所定の第１商品コラムに対応して設けられた所定の選択ボタンが操作されたときに、所定の第１商品コラムおよび第２商品コラムの一方のベンドメカニズムを作動させる制御手段と、を備え、制御手段は、所定の第１商品コラムのベンドメカニズムよりも優先して、第２商品コラムのベンドメカニズムを作動させることを特徴とする。
【０００６】
この構成によれば、販売時に、複数の選択ボタンのうちの所定の第１商品コラムに対応して設けられた所定の選択ボタンが操作されたときに、所定の第１商品コラムおよび第２商品コラムの一方のベンドメカニズムを作動させるので、接客部の背面側のスペースを、販売する商品の収納部分として有効に活用することができる。したがって、例えば所定の第１商品コラムに「売れ筋商品」を収納するとともに、第２商品コラムにも、「売れ筋商品」と同一の品目の商品を収納することにより、前面パネルを介して見える複数の第１商品コラムに各種の商品をバランス良く配設できるとともに、自動販売機内に「売れ筋商品」をより多く収納することができる。また、所定の第１商品コラムのベンドメカニズムよりも優先して、第２商品コラムのベンドメカニズムを作動させるので、接客部の背面側に配置されるために外部からは見えない第２商品コラムの商品を、前面パネルを介して見える所定の第１商品コラムの商品よりも先行して販売することができる。
【０００９】
請求項１の自動販売機において、複数の第１商品コラムおよび第２商品コラムは、それぞれのベンドメカニズムに向かって傾斜し、商品を転動可能に収納する複数枚の棚板を有していることが、好ましい。
【００１０】
この構成によれば、第１および第２商品コラムの数が多くなって、各商品コラム毎の商品の収容数が少なくなり、全体の商品の収容数を変化させることなく、商品の種別毎の数をきめ細かく設定（配分）することができる。したがって、各種類の商品がほぼ同時に売切れとなるような商品設定が可能となり、ローディング効率を向上させることができる。
【００１１】
請求項２の自動販売機において、複数枚の棚板はそれぞれ、後下がりに傾斜するとともに上下方向に並んだ状態で配設され、最下位の棚板の下方には、複数の第１商品コラムおよび第２商品コラムから落とし込まれた商品を前方に導く前下り傾斜したシュートが配設されており、最下位の棚板の下側には、シュートとの間に商品の転動を許容する空間を存するとともに、プリクール商品を収納する収納部が設けられていることが、好ましい。
【００１２】
この構成によれば、第１および第２商品コラムの構造に基づいて生ずる空きスペースを、プリクール商品の収納スペースとして有効利用することができる。プリクール商品を商品収納庫に収納しておけば、商品が売り切れた後であっても、適温の商品の販売を迅速に開始することができ、カートン単位の商品のローディングも容易になる。
【００１３】
請求項１の自動販売機において、複数の第１商品コラムはそれぞれ、ベンドメカニズムに向かって傾斜し、商品を転動可能に収納する複数枚の棚板を有し、第２商品コラムは、サーペンタイン形式のコラムで構成されていることが、好ましい。
【００１４】
この構成によれば、第２商品コラムをサーペンタイン形式のコラムとすることにより、単一種の「売れ筋商品」や「お勧め商品」をこの部分に多量に収納しておくことができると共に、前面パネルを介して見える各種の商品をバランス良く配設することができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機は、缶ジュースや缶コーヒーなどの缶飲料を販売するものであり、図１はその正面図、図２はその縦断面図、図３はその横断面図である。これらの図に示すように、この自動販売機１は、販売機本体２と、販売機本体２の前面に開閉自在に取り付けたメインドア３とで構成されている。販売機本体２の内部には、前面に断熱ドア４を有する商品収納庫５が広く設けられており、商品収納庫５内には、左右方向に５列の商品ラック６が配設されている。
【００１６】
各列の商品ラック６には、上下方向に多数の商品コラム７が積み重なるように配設されており、その４個または２個の商品コラム７をコラム群とし、各コラム群には同一の商品Ａが収納されるようになっている。商品ラック６の後端と商品収納庫５の後壁との間には落下通路８が形成され、落下通路８の下流端には、前方に向かって前下り傾斜したシュート９が配設されている。各商品コラム７から払い出された商品Ａは、落下通路８を落下すると共にシュート９上を転動し、払出口１０から販売口１１に導かれる。
【００１７】
落下通路８には、商品ラック６側に各商品コラム７の後端から吊り下げるようにして可動板１２が設けられると共に、これに対応して後壁側に波板１３が設けられていて、落とし込まれる商品Ａが、サーペンタインの通路と同様に、制動されながら落下するようになっている。
【００１８】
メインドア３には、上記の断熱ドア４に対応するように商品ディスプレイ１４が広く設けられており、また商品ディスプレイ１４の右脇には、これに横並びに縦長パネル状の接客部１５が設けられている。そして、接客部１５には、紙幣投入口１６、金銭表示器１７、硬貨投入口１８および返却レバー１９などが設けられると共に、その上部が看板部１５ａとして活用されている。また、上記のコラム群に対応させ、すなわちコラム群の最下位の商品コラム７の最前端の商品Ａに対応させて、商品ディスプレイ１４の前面には選択ボタン２０が設けられている。さらに、商品ディスプレイ１４の下側には、販売口１１および硬貨返却口２１が配設されている。
【００１９】
この場合、商品ディスプレイ１４を構成する前面パネル２２は、透明なガラスやアクリル樹脂などで構成され、また、この前面パネル２２越しに見える断熱ドア４も、複層構造の透明なガラスやアクリル樹脂などで構成されている。さらに、各商品コラム７を構成する棚板２３も透明なガラスやアクリル樹脂などで構成されている。したがって、この自動販売機１では、商品ディスプレイ１４越しに、各商品ラック６に収納した商品Ａが見えるようになっている。すなわち、自動販売機１が、いわゆるシースルー構造になっており、ストックされている商品Ａや販売時に商品Ａが順次送られてゆく様子などが、外部から視認できるようになっている。もっとも、接客部１５の背後に位置する最右端の商品ラック６ａは、前面を上記の接客部１５により覆われており、収納した商品Ａは見えない。
【００２０】
各商品ラック６には、図２に示すように、上下に重なるように配設した多数の商品コラム７が組み込まれている。この多数の商品コラム７は、商品ラック６を構成する左右の側板（図示省略）に多数の棚板２３を斜めに取り付けて形成されており、その後端部に設けたベンドメカニズム２４により、個々に商品が払い出せるようになっている。
【００２１】
この場合、上記のコラム群に従って、１つの選択ボタン２０により、４個または２個の商品コラム７のベンドメカニズム２４が適宜作動する。また、接客部１５の背後に位置する商品ラック６ａの商品コラム（第２商品コラム）７ａも、いずれかの選択ボタン２０に割り振られており、該当する選択ボタン２０により作動する。すなわち、接客部１５の背後に位置する複数の商品コラム７ａは、いずれかのコラム群に属しており、該当するコラム群の商品Ａと同一の商品Ａが補充用として収納されている。この場合、１つの商品コラム７ａには、６個（図示の場合）の商品Ａが収納可能であり、この６個を単位として商品Ａの補充数を設定することができる。このことは、商品Ａの種別毎にその収容本数をきめ細かく設定できることを意味し、商品の種別にかかわらずその販売残数を一定にすることができる。
【００２２】
一方、外部から見える部分では、上記したように、相互に隣接する４個または２個の商品コラム（第１商品コラム）７をコラム群として、これに同一商品Ａが収納されており、各コラム群を単位として、その各商品コラム７のベンドメカニズム２４が、図外の制御手段により制御されて、商品Ａの販売が実行される。例えば、最上部の４個の商品コラム７から成るコラム群では、最上段の商品コラム７から商品Ａの販売を開始し、第２段目、第３段目と販売していって、最後に選択ボタン２０が配設されている第４段目の商品コラム７の商品Ａを販売するようにする。これに関連して、上記の接客部１５の背後に位置する商品コラム７ａの商品は、これらの商品コラム７の商品Ａに先行して販売されることが好ましい。
【００２３】
なお、第４段目の商品コラム７の最前端の商品Ａを、ストッパーなどにより転動不能としておき、この商品Ａを残したまま売り切れとしてもよい。すなわち、選択ボタン２０に対応する商品Ａを商品見本として、常に残しておくようにしてもよい。かかる場合には、顧客に対し、売切れ後も商品Ａをアピールすることができ、またオペレータに対し、各商品コラム７に誤って異なる商品Ａをローディングしてしまうのを防止することができる。
【００２４】
この実施形態において、各商品コラム７は斜め後下がりに配設される一方、シュート９は斜め前下がりに配設されている。したがって、最下位の棚板２３の前部下側には空きスペースが生ずる。このため、図２に示すように、各商品ラック７の最下位の棚板２３の前部下側には、プリクール商品Ａａを収納する収納棚（収納部）２５が設けられている。収納棚２５は、シュート９との間に商品Ａが転動するための十分な間隙を存して、配設されている。これにより、商品収納庫５内の空きスペースを有効に利用することができる。
【００２５】
以上のように第１実施形態によれば、接客部１５の背後のスペースに商品コラム７ａを設けているので、この部分の商品Ａは外部から見えないが、この空きスペースを有効に利用することができる。
【００２６】
次に、図４および図５を参照して、第２実施形態について説明する。この第２実施形態では、接客部１５の背後に位置する商品ラック６ａがサーペンタイン形式の４連の商品コラム（第２商品コラム）３０を有するラックで構成されている。また、接客部１５の上部の看板部１５ａに相当する部分には、商品ディスプレイ１４が延在しており、この部分から各商品コラム３０のトッププレート３０ａに収納した商品Ａが見えるようになっている。そして、この４連の商品コラム３０を１コラム群として、この部分に選択ボタン２０が配設されている。この場合、コラム群には同一商品Ａを多量に収納できるため、例えば「お勧め商品」や「売れ筋商品」を収納しておくようにする。なお、トッププレート３０ａの最前端の商品Ａは、ストッパー３１により転動不能とし、商品Ａが売り切れとなっても、これらを商品見本として常に残しておくことが、好ましい（図５参照）。
【００２７】
このように、接客部１５の背後に位置する商品コラム３０をサーペンタイン形式のものにしているので、同一種の多量の商品Ａを収納することができ、この部分に「お勧め商品」や「売れ筋商品」を収納しておけば、商品ディスプレイ１４全体として、１つのコラム群の見えがかり部分が、極端に大きくなるのを防止することができる。
【００２８】
なお、両実施形態では、接客部が１商品ラック分の幅となっているが、コインメカニズムなどの納まりを考慮し、接客部を２商品ラック分の幅とすることも可能である。
【００２９】
【発明の効果】
以上のように本発明の自動販売機によれば、商品ディスプレイ越しに商品およびその販売動作が外部から見えると共に、接客部の背後に生ずる空きスペースを有効に活用することができるので、商品購入意欲を喚起するという利点を生かしつつ、商品の収容数を十分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施形態に係る自動販売機の正面図である。
【図２】第１実施形態に係る自動販売機の縦断面図である。
【図３】第１実施形態に係る自動販売機の横断面図である。
【図４】本発明の第２実施形態に係る自動販売機の正面図である。
【図５】第２実施形態に係る自動販売機の縦断面図である。
【符号の説明】
１ 自動販売機
４ 断熱ドア
５ 商品収納庫
６ 商品ラック
７ 商品コラム（第１商品コラム）
７ａ 商品コラム（第２商品コラム）
９ シュート
１４ 商品ディスプレイ
１５ 接客部
２０ 選択ボタン
２３ 棚板
２４ ベンドメカニズム
２５ 収納棚
３０ 商品コラム（第２商品コラム）
Ａ 商品
Ａａ プリクール商品

Claims (4)

1. 前面の左右方向に、透明な前面パネルおよび接客部が並設され、当該前面パネルを介して前方から内部が視認可能な自動販売機であって、
   前記前面パネルの背面側に配置され、販売時に商品を１つずつ払い出すためのベンドメカニズムを有し、複数の商品をそれぞれ収納するとともに当該収納した複数の商品を商品見本として用いる複数の第１商品コラムと、
   当該複数の第１商品コラムに対応するように設けられ、販売時に商品を選択するために操作される複数の選択ボタンと、
   前記接客部の背面側に配置され、販売時に商品を１つずつ払い出すためのベンドメカニズムを有するとともに、前記複数の第１商品コラムのうちの所定の第１商品コラムに収納されたのと同一の品目の複数の商品を収納する第２商品コラムと、
   販売時に、前記複数の選択ボタンのうちの前記所定の第１商品コラムに対応して設けられた所定の選択ボタンが操作されたときに、当該所定の第１商品コラムおよび前記第２商品コラムの一方のベンドメカニズムを作動させる制御手段と、を備え、
   前記制御手段は、前記所定の第１商品コラムのベンドメカニズムよりも優先して、前記第２商品コラムのベンドメカニズムを作動させることを特徴とする自動販売機。
2. 前記複数の第１商品コラムおよび前記第２商品コラムは、それぞれの前記ベンドメカニズムに向かって傾斜し、商品を転動可能に収納する複数枚の棚板を有していることを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。
3. 前記複数枚の棚板はそれぞれ、後下がりに傾斜するとともに上下方向に並んだ状態で配設され、当該最下位の棚板の下方には、前記複数の第１商品コラムおよび前記第２商品コラムから落とし込まれた商品を前方に導く前下り傾斜したシュートが配設されており、
   前記最下位の棚板の下側には、前記シュートとの間に商品の転動を許容する空間を存するとともに、プリクール商品を収納する収納部が設けられていることを特徴とする請求項２に記載の自動販売機。
4. 前記複数の第１商品コラムはそれぞれ、前記ベンドメカニズムに向かって傾斜し、商品を転動可能に収納する複数枚の棚板を有し、
   前記第２商品コラムは、サーペンタイン形式のコラムで構成されていることを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。

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