JP3590673B2 - レジスト膜画像の除去方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体集積回路装置などの製造において、半導体基板上の不要となつたレジスト膜画像を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路装置の製造において、シリコンウエハなどの半導体基板上にレジスト材を塗布し、通常のフオトプロセスにて、所定のレジスト膜画像(レジストパタ―ン)が形成され、これをマスクとして、たとえば開口部にP+ 、B+ 、As+ 、Sb+ などのイオン注入、その他エツチングなどの種々の処理が施される。この際、上記のイオンは、レジスト膜画像の上表面層にも注入される。その後、不要となつたレジスト膜画像が除去されて、所定の回路が形成される。さらに、つぎの回路を形成するため、再度レジスト材を塗布するというサイクルが繰り返し行われる。このような回路の形成において、不要となつたレジスト膜画像を除去する方法としては、イオンアシストエツチング(灰化手段)、溶剤(剥離液)や薬品による方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、レジスト膜画像の上表面層に前記イオンが注入されて、レジスト膜画像の上表面層が硬化、変質すると、この上表面層は耐熱性が高くかつ反応性が低いことから、通常の灰化手段では、除去作業に長時間を要し、実用上除去が困難となる。さらに、レジスト材中の不純物イオンや前記注入イオンが半導体基板上に残留し、その後の熱処理により半導体基板中に注入され、設計通りの半導体集積回路の構築が不可能となり、半導体装置の特性を劣化させる。また、溶剤や薬品を用いる方法では、作業環境を害するという問題がある。
【0004】
特開平6−302509号公報には、レジスト材の上面にレジスト除去体を貼り付け、このレジスト除去体の剥離処理により、物品上のレジスト材を除去する方法が提案されている。この方法によると、灰化手段、溶剤または薬品による方法に不可避とされた前記のような問題は少ないが、レジスト膜画像が存在しない部分での接着力が大きいため、レジスト除去体の剥離時にウエハ上にこの除去体の一部が残存し、半導体基板を汚染することがあつた。
【0005】
したがつて、本発明は、半導体基板上の不要となつたレジスト膜画像を、レジスト材中の不純物イオンが半導体基板中に注入されたり、作業環境を害することなく、また半導体基板の汚染といつた問題を生じることなく、簡単かつ確実に剥離除去する方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、レジスト除去体として特定の硬化型感圧性接着シ―ト類を用いるとともに、これを半導体基板のレジスト膜画像上に特定状態に貼り付け処理し、感圧性接着剤の硬化後に剥離処理することにより、従来の灰化手段、溶剤または薬品による方法の問題点、たとえば、レジスト材中の不純物イオンが半導体基板中に注入されたり、作業環境を害するといつた問題を生じることなく、また半導体基板の汚染といつた問題を生じることもなく、レジスト膜画像を簡単かつ確実に剥離除去できることを見い出し、本発明を完成するに至つたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、半導体基板上に存在するレジスト材からなる画像の除去方法において、このレジスト膜画像上に、ダミ―ウエハの鏡面側に対する180度剥離接着力が硬化前で200〜1,000g/10 mm 幅であり、硬化後に10〜64g/10 mm 幅となる硬化型感圧性接着シ―ト類を貼り付け、加圧ないし加熱により硬化型感圧性接着剤の一部をレジストパタ―ンの凹部に浸透させたのち、この接着シ―ト類を硬化させ、その後、この接着シ―ト類とレジスト材とを一体に剥離することを特徴とするレジスト膜画像の除去方法に係るものである。
【0008】
【発明の構成・作用】
本発明に用いる硬化型感圧性接着シ―ト類は、フイルム基材上に厚さが約10〜180μmの硬化型感圧性接着剤の層を設けて、シ―ト状やテ―プ状の形態としたものであり、上記の接着剤には、感圧接着性を有するとともに、熱または紫外線などの活性エネルギ―線で硬化する性質を有する種々のタイプの接着剤が包含される。硬化作業性や回路基板に熱的な悪影響を与えないという観点からは、紫外線硬化型感圧性接着剤が好ましく、この場合、フイルム基材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ―トなどからなる、厚さが約10〜100μm程度の紫外線透過性の樹脂フイルムが用いられる。
【0009】
本発明においては、このような構成からなる硬化型感圧性接着剤として、とくに、ダミ―ウエハの鏡面側に対する180度剥離接着力が硬化前で200〜1,000g/10 mm 幅であり、硬化後に10〜64g/10 mm 幅となるものが選択使用される。硬化後の上記接着力が上記より大きくなりすぎると、剥離処理に問題があり、さらに糊残りによる半導体基板の汚染などの問題も生じやすく、レジスト膜画像の簡単かつ確実な剥離除去に支障をきたしやすい。
【0010】
このような接着特性を有する硬化型感圧性接着剤としては、感圧接着性ポリマ―に分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個以上有する不揮発性低分子量体を含有させてなるものが好ましい。感圧接着性ポリマ―は、一般の感圧性接着剤に適用される公知の各種ポリマ―がいずれも使用できるが、とくに好ましいポリマ―として、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを主モノマ―としたアクリル系ポリマ―が挙げられる。
【0011】
このアクリル系ポリマ―は、上記の主モノマ―、つまりアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数が通常12以下のアルコ―ルとのエステルのほか、必要によりカルボキシル基または水酸基を有するモノマ―や、その他の改質用モノマ―を用いて、これらを常法により溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などの方法で重合させることにより、合成することができる。
【0012】
カルボキシル基含有モノマ―としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが、水酸基含有モノマ―としては、たとえば、ヒドロキシエチルアクリレ―ト、ヒドロキシプロピルアクリレ―トなどが、それぞれ用いられる。これらモノマ―の使用量は、全モノマ―中、通常20重量%以下とするのが好ましい。その他の改質用モノマ―としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、グリシジルメタクリレ―トなどが用いられる。これら改質用モノマ―の使用量は、主モノマ―との合計量中、通常50重量%以下とするのが好ましい。
【0013】
なお、上記のアクリル系ポリマ―の合成にあたり、共重合モノマ―として、重合性炭素−炭素二重結合を2個以上有するものを用いるか、あるいは合成後のアクリル系ポリマ―に重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を官能基間の反応により化学結合させるなどして、アクリル系ポリマ―の分子内に重合性炭素−炭素二重結合を導入しておくことにより、このポリマ―自体も紫外線の照射による重合硬化反応に関与させるようにしてもよい。
【0014】
このようなモノマ―から構成されるアクリル系ポリマ―の分子量は、重量平均分子量で、通常30万〜200万であるのが好ましい。分子量が低すぎると、これに分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個以上有する不揮発性低分子量体を配合したときに、低粘度となつて、保存中に流れるなどの不都合を生じやすく、また高くなりすぎると、取り扱い上の問題を生じやすい。
【0015】
このアクリル系ポリマ―をはじめとする感圧接着性ポリマ―に配合される分子内に重合性炭素−炭素二重結合を1個以上有する不揮発性低分子量体(以下、硬化性化合物という)は、上記ポリマ―との相溶性にすぐれて接着剤全体の流動化に寄与し、レジストパタ―ンの凹部への流動浸透、密着に好結果を与え、しかも加熱や紫外線などの照射により重合して接着剤全体を硬化させるものである。このような作用効果を奏するうえで、分子量が10,000以下であるのがよく、とくに硬化時の接着剤層の三次元網状化が効率良くなされるように、5,000以下の分子量を有しているのがよい。
【0016】
このような硬化性化合物の具体例としては、たとえば、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリレ―ト、テトラメチロ―ルメタントリ(メタ)アクリレ―ト、テトラメチロ―ルメタンテトラ(メタ)アクリレ―ト、市販のオリゴエステル(メタ)アクリレ―ト、下記のウレタン(メタ)アクリレ―ト系オリゴマ―などの(メタ)アクリレ―ト系化合物が挙げられる。その他、特公平5−25907号公報(とくに従来技術の欄)に記載されているようなオルガノポリシロキサン組成物などが用いられる。
【0017】
ウレタン(メタ)アクリレ―ト系オリゴマ―は、ポリオ―ル化合物、多価イソシアネ―ト化合物、ヒドロキシ(メタ)アクリレ―トなどより合成されるものである。ポリオ―ル化合物には、エチレングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、ブタンジオ―ル、ペンタンジオ―ル、トリメチロ―ルエタン、トリメチロ―ルプロパン、ペンタエリスリト―ルなどが、多価イソシアネ―ト化合物には、トルエンジイソアネ―ト、フエニレンジイソシアネ―ト、ヘキサメチレンジイソシネ―ト、ジフエニルメタンジイソシアネ―ト、ジメチルジフエニルジイソシアネ―ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシネ―ト、キシレンジイソシアネ―トなどが、ヒドロキシ(メタ)アクリレ―トには、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ―ト、ポリエチレングリコ―ル(メタ)アクリレ―ト、ペンタエリスリト―ルトリ(メタ)アクリレ―トなどがある。
【0018】
このような硬化性化合物は、前記の感圧接着性ポリマ―100重量部に対し、1〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは20〜100重量部の割合で用いられる。この使用量が少なすぎると、レジスト膜画像の剥離効果が十分でなくなる場合があり、また多すぎると、保存時に接着剤が流れ出すおそれがあり、好ましくない。
【0019】
硬化型感圧性接着剤には、熱硬化の場合、ベンゾイルパ―オキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどの加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤が添加される。紫外線などの光硬化の場合、ベンゾイン、ベンゾインエチルエ―テル、ジベンジル、イソプロピルベンゾインエ―テル、ベンゾフエノン、ミヒラ―ズケトンクロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、アセトフエノンジエチルケタ―ル、ベンジルジメチルケタ―ル、α−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン、2−ヒドロキシメチルフエニルプロパンなどの光重合開始剤が添加される。これらの重合開始剤は、感圧接着性ポリマ―100重量部に対し、0.1〜15重量部の範囲で用いられる。
【0020】
また、この硬化型感圧性接着剤には、半導体基板に貼り付ける際の作業性を良くする点から、感圧接着性ポリマ―を架橋して接着剤としての凝集力を高めるための架橋剤、たとえば、カルボキシル基ないし水酸基を有するアクリル系ポリマ―に対し、上記官能基と反応する多官能性化合物として、ポリイソシアネ―ト、ポリエポキシ、各種金属塩、キレ―ト化合物などを含ませてもよい。これら多官能性化合物の使用量は、感圧接着性ポリマ―100重量部に対し、20重量部以下の範囲内で上記ポリマ―の分子量などに応じて適宜決めればよい。
【0021】
さらに、このような硬化型感圧性接着剤には、上記の多官能性化合物と同様の使用目的で、微粉シリカなどの充てん剤を含ませるようにしてもよい。また、この硬化型感圧性接着剤中には、粘着付与樹脂、着色剤、老化防止剤などの公知の各種添加剤のほか、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエ―テル、ベンゾキノン、ブチルカテコ―ル、トリ−p−ニトロフエニルメチルなどの重合禁止剤を、必要により含ませることもできる。これら種々の添加剤の使用量は、硬化型感圧性接着剤として公知の通常の使用量でよい。
【0022】
本発明においては、このように構成される硬化型感圧性接着シ―ト類を用い、以下の如くレジスト膜画像を除去する。まず、半導体基板のレジスト膜画像上に硬化型感圧性接着シ―ト類を貼り付け、加圧および/または加熱により硬化型感圧性接着剤の一部をレジストパタ―ンの凹部に浸透させて、十分に密着させる。通常のレジストパタ―ンは、回路形成後の基板に凹状に付着していたり、回路形成の段階で表面に微細な凹凸を有する状態となつていることが多いため、これら凹部への浸透・密着によつて、剥離操作を容易にする。
【0023】
加圧ないし加熱は、上記接着剤のレジストパタ―ン凹部への浸透・密着によるレジスト材と上記接着剤との一体化を促進するためのものであり、その条件は、半導体基板上のレジストパタ―ンの付着状況や上記接着剤の種類などに応じて、適宜決定すればよい。一般には、指圧からロ―ル圧までの広い条件下で、接着剤の硬化や側面へのはみ出しが起こらない、通常10〜200℃の温度を選べばよい。加圧だけか、あるいは加熱だけでもよい。
【0024】
このように貼り付け処理したのち、この接着シ―ト類をほぼ完全に硬化させる所定の硬化処理に供する。この硬化処理は、接着シ―ト類の種類に応じて、熱硬化または光硬化が選ばれるが、既述のとおり、半導体基板への熱的影響を考慮すると、光硬化とくに紫外線の照射による硬化が望ましく、この場合、通常300〜5,000mj/cm2 の照射量とするのがよい。
【0025】
この硬化処理により、上記接着剤はレジスト材と一体化した状態で硬化して、その弾性率が著しく増大し、これに伴つてレジスト材と半導体基板との接着力が大きく低下することから、硬化後は剥離が容易で、汚染性が少ない。そのうえ、上記接着剤はレジストパタ―ンの凹部に食い込み状に浸透して硬化するため、この硬化後に接着シ―ト類を剥離することにより、半導体基板上のレジスト材は、上記接着シ―ト類と一体となつて、簡単かつ完全に剥離除去される。また、レジスト膜画像のない面に対しても、パ―テイクルの付着が少ない。
【0026】
しかも、このようにレジスト膜画像を剥離除去する方法によると、灰化手段を用いる従来方法のような作業の長時間化や、レジスト材中の不純物イオンが半導体基板に注入されるといつた心配が全くなく、また溶剤を用いる従来方法におけるような作業環境の悪化といつた心配もとくにない。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、本発明の方法によれば、半導体基板上のレジスト膜画像を、レジスト材中の不純物イオンが半導体基板に注入されたり、作業環境を害するといつた問題を一切生じることなく、しかも半導体基板の汚染という問題を生じることもなく、簡単かつ確実に剥離除去することができる。
【0028】
【実施例】
つぎに、本発明を、参考例、実施例および比較例により、さらに具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。また、以下において、「ダミ―ウエハ(鏡面側)」とあるのは、「ダミ―ウエハの鏡面側」の意味である。
【0029】
参考例1
5インチのシリコンウエハ(半導体基板)の表面に、クレゾ―ルノボラツク樹脂とポリヒドロキシ化合物のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルと乳酸エチルからなるポジ型フオトレジストを塗布し、加熱、露光、現像を行い、レジストパタ―ン(膜画像)を全表面に形成したのち、P+ イオンを加速エネルギ―80KeVで注入量1×1016ions/cm2 の濃度で全面に注入した。
【0030】
実施例1
アクリル酸n−ブチル80部、アクリル酸エチル15部、アクリル酸5部からなるモノマ―混合物を、酢酸エチル150部、アゾビスイソブチロニトリル0.1部を用いて、窒素気流下、60℃で12時間溶液重合を行い、重量平均分子量が56万のアクリル系ポリマ―の溶液Aを得た。
【0031】
つぎに、この溶液Aに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてポリエチレングリコ―ルジアクリレ―ト10部、ジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト10部、トリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト30部、多官能性化合物としてジフエニルメタンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン3部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0032】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を、厚さが50μmのポリエステルフイルム上に、乾燥後の厚さが45μmとなるように塗布し、130℃で3分乾燥して、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、下記の要領にて、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は235g/10mm幅、硬化後の同接着力は13g/10mm幅であつた。
【0033】
<180度剥離接着力の測定>
ダミ―ウエハとして、信越半導体製の4インチのシリコンダミ―ウエハ(片面ポリツシユド)を用い、このウエハ上に幅10mm、長さ100mmの短冊状にした接着シ―トを貼り付け、ホツトプレ―ト(130℃)上で3分間加熱したのち、硬化前の接着力を測定した。また、上記の加熱後、フイルム基材側から空冷式高圧水銀灯により紫外線(46mj/cm2 ・秒)を23秒間照射して感圧性接着剤を硬化させたのち、硬化後の接着力を測定した。各測定は、23℃,65%RHの雰囲気下、剥離速度300mm/分、剥離角度180度の条件で行つた。
【0034】
つぎに、参考例1によりP+ のイオン注入を行つたシリコンウエハのレジスト膜画像の全面に、上記の接着シ―トを貼り付け、130℃で3分加熱押圧して、接着剤の一部を上記画像の凹部に浸透させたのち、高圧水銀ランプにて紫外線を1,000mJ/cm2 照射し、接着シ―トを硬化させた。その後、接着シ―トを剥離したところ、レジスト膜画像は接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0035】
実施例2
実施例1で得たアクリル系ポリマ―の溶液Aに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてポリエチレングリコ―ルメタクリレ―ト20部、トリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト30部、多官能性化合物としてトリレンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0036】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は538g/10mm幅、硬化後の同接着力は12g/10mm幅であつた。
【0037】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みたところ、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。また、ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0038】
実施例3
アクリル酸n−ブチル90部、アクリロニトリル10部、アクリル酸5部からなるモノマ―混合物を、実施例1と同様に重合して、重量平均分子量が62万のアクリル系ポリマ―の溶液Bを得た。
【0039】
つぎに、この溶液Bに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてテトラメチロ―ルメタントリアクリレ―ト30部、ジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト5部、多官能性化合物としてジフエニルメタンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0040】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は345g/10mm幅、硬化後の同接着力は14g/10mm幅であつた。
【0041】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みたところ、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。また、ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0042】
実施例4
実施例1で得たアクリル系ポリマ―の溶液Aに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト10部、ポリエチレングリコ―ルジアクリレ―ト10部、多官能性化合物としてジフエニルメタンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0043】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は300g/10mm幅、硬化後の同接着力は64g/10mm幅であつた。
【0044】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みたところ、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。また、ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0045】
実施例5
実施例3で得たアクリル系ポリマ―の溶液Bに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてトリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト30部、ジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト5部、多官能性化合物としてジフエニルメタンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0046】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は465g/10mm幅、硬化後の同接着力は17g/10mm幅であつた。
【0047】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みたところ、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。また、ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0048】
実施例6
実施例3で得たアクリル系ポリマ―の溶液Bに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてポリエチレングリコ―ルメタクリレ―ト20部、フエノキシポリエチレングリコ―ル40部、多官能性化合物としてポリエポキシ化合物0.01部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0049】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は357g/10mm幅、硬化後の同接着力は17g/10mm幅であつた。
【0050】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みたところ、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。また、ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0051】
実施例7
アクリル酸2−エチルヘキシル50部、アクリル酸メチル50部、アクリル酸10部からなるモノマ―混合物を、製造例1と同様に重合して、重量平均分子量が90万のアクリル系ポリマ―の溶液Cを得た。
【0052】
つぎに、この溶液Cに、アクリル系ポリマ―100部に対して、硬化性化合物としてトリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト30部、多官能性化合物としてジフエニルメタンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0053】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は720g/10mm幅、硬化後の同接着力は23g/10mm幅であつた。
【0054】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みたところ、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に簡単に剥離除去された。また、ウエハ表面には接着剤の付着もみられず、ほとんど汚染されていなかつた。
【0055】
比較例1
実施例1で得たアクリル系ポリマ―の溶液Aに、アクリル系ポリマ―100部に対し、硬化性化合物としてポリエチレングリコ―ルジメタクリレ―ト60部、トリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト90部、ジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト30部、多官能性化合物としてジフエニルメタンジイソシアネ―ト3部、重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン5部を、均一に混合して、硬化型感圧性接着剤の溶液を調製した。
【0056】
この硬化型感圧性接着剤の溶液を用いて、実施例1と同様にして、硬化型感圧性接着シ―トを作製した。この接着シ―トの硬化前のダミ―ウエハ(鏡面側)に対する180度剥離接着力と、硬化後の同接着力を、前記と同様にして、測定したところ、硬化前の上記180度剥離接着力は153g/10mm幅、硬化後の同接着力は288g/10mm幅であつた。
【0057】
つぎに、この硬化型感圧性接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、シリコンウエハ上のレジスト膜画像の剥離除去を試みた。しかしながら、レジスト膜画像は、この接着シ―トと一体に剥離除去されず、ウエハ周辺部(レジスト未塗布部分)への接着力が大きすぎて、剥離作業を容易に行えず、所期の目的を果たせなかつた。
Claims (1)
- 半導体基板上に存在するレジスト材からなる画像の除去方法において、このレジスト膜画像上に、ダミ―ウエハの鏡面側に対する180度剥離接着力が硬化前で200〜1,000g/10 mm 幅であり、硬化後に10〜64g/10 mm 幅となる硬化型感圧性接着シ―ト類を貼り付け、加圧ないし加熱により硬化型感圧性接着剤の一部をレジストパタ―ンの凹部に浸透させたのち、この接着シ―ト類を硬化させ、その後、この接着シ―ト類とレジスト材とを一体に剥離することを特徴とするレジスト膜画像の除去方法。
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