JPH09208905A - レジスト除去用接着シ―ト類とこれを用いたレジスト膜画像の除去方法 - Google Patents

レジスト除去用接着シ―ト類とこれを用いたレジスト膜画像の除去方法

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JPH09208905A
JPH09208905A JP1420396A JP1420396A JPH09208905A JP H09208905 A JPH09208905 A JP H09208905A JP 1420396 A JP1420396 A JP 1420396A JP 1420396 A JP1420396 A JP 1420396A JP H09208905 A JPH09208905 A JP H09208905A
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JP1420396A
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Yuji Okawa
雄士 大川
Takayuki Yamamoto
孝幸 山本
Yasuo Kihara
康夫 木原
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジスト除去用接着シ―ト類を用いて、気泡
の巻き込み、シワ、浮きなどの問題を生じることなく、
半導体基板などの物品上の不要となつたレジスト材を、
イオン注入による表面層の変質などに左右されることな
く、簡単かつ確実に除去することを目的とする。 【解決手段】 フイルム基材上にガラス転移点が20℃
以上のポリマ―とタツク付与剤を含む接着剤層を設けて
レジスト除去用接着シ―ト類を構成し、これをレジスト
膜画像が存在する物品上に貼り付け、上記接着剤層が硬
化型であるときはこれを硬化させたのちに、この接着シ
―ト類とレジスト膜画像とを一体に剥離することによ
り、レジスト膜画像を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体、回路、各
種プリント基板、各種マスク、リ―ドフレ―ムなどの微
細加工部品の製造段階における微細パタ―ンの形成工程
において、レジスト膜画像、つまりレジスト材からなる
画像を除去するためのレジスト除去用接着シ―ト類とこ
れを用いたレジスト膜画像の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路装置の製造においては、
シリコンウエハなどの半導体基板上にレジスト材を塗布
し、通常のフオトプロセスにより、所定のレジスト膜画
像(レジストパタ―ン)が形成される。これをマスクと
して、たとえば開孔部にP+ 、B+ 、As+ などのイオ
ン注入、その他エツチングなど種々の処理が施される。
この際、前記イオンは、レジスト膜画像の上表面層にも
注入される。
【0003】その後、不要になつたレジスト膜画像が除
去され、所定の回路が形成される。ついで、つぎの回路
を形成するため、再度レジスト材を塗布するというサイ
クルが繰り返し行われる。また、各種基板に回路を形成
する場合も、画像形成後、不要になつた画像が除去され
る。この際、不要になつたレジスト膜画像の除去は、イ
オンアシストエツチング(灰化手段)、溶剤(剥離液)
や薬品による方法、あるいはレジスト膜画像の上面に接
着シ―ト類を貼り付け、この接着シ―ト類とレジスト膜
画像とを一体に剥離するテ―プ工法にて行われている。
【0004】しかしながら、レジスト膜画像の除去に通
常の灰化手段を用いると、レジスト材中の不純物イオン
や前記の注入イオンが半導体基板上に残留し、その後の
熱処理により半導体基板中に注入され、設計どおりの半
導体集積回路の構築が不可能となり、半導体装置の特性
を劣化させる問題があつた。また、とくに灰化手段に酸
素プラズマを使用した場合は、半導体基板にダメ―ジを
与えることがあり、半導体装置の信頼性を劣化させる問
題もあつた。さらに、溶剤(剥離液)や薬品による方法
では、作業環境を害するという問題があつた。
【0005】他方、テ―プ工法は、このような問題のな
い方法として、特開平4−345015号、同5−27
5324号などの公報に提案されている。この方法は、
レジスト膜画像中の不純物がウエハに注入されたり、作
業環境を害するという問題がなく、簡単かつ確実な除去
方法として、その実用化が期待されている。
【0006】しかるに、上記のテ―プ工法では、回路形
成に際しP+ イオンなどを高ド―ズ量または高エネルギ
―量で注入し、このイオン注入にてレジストパタ―ンの
表面層が変質した場合、接着シ―ト類による剥離性が悪
くなり、全面残さず剥離除去することが難しかつた。と
くに、パタ―ン端部において変質したレジストが物品に
直接付着している場合、その剥離除去が難しかつた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな問題を克服するため、先に、テ―プ工法に用いる接
着シ―ト類として、ガラス転移点が20℃以上の接着性
ポリマ―を用いたものを提案した。この接着シ―ト類に
よれば、レジスト膜画像に貼り付ける接着剤層が固くな
り、剥離に要する力を上記画像に対し余すことなく伝え
ることができるので、上記画像の剥離性をある程度向上
させることができた。
【0008】しかし、この種の接着シ―ト類は、接着剤
層が常温でタツクを有しないため、シ―ト類の作成時
に、接着剤層に対向して設けられるセパレ―タとの間、
またはセパレ―タを設けない場合はフイルム基材の背面
との間に、気泡を巻き込みやすかつた。気泡は、接着剤
層の表面平滑性を損ない、貼り付け時にレジスト膜画像
との密着性を悪くし、また接着剤層が吸湿しやすくなつ
て弾性率が低下したり、接触面の疎水性に差異が生じて
接着剤成分に部分的なバラツキを生じ、これらのことが
原因で上記画像の剥離性がいまひとつ満足できなかつ
た。
【0009】また、このような気泡の巻き込みがない場
合でも、シ―ト類間が滑りやすく、シ―ト類の作成時の
ほんのわずかなテンシヨンの差でも滑つてしまい、シワ
が入りやすかつた。さらに、接着剤層が常温でタツクを
有しない場合、レジスト膜画像への貼り付け時に浮きを
生じやすかつた。このようなシワや浮きの発生も、レジ
スト膜画像の剥離性を十分なものとできない原因となつ
ていた。
【0010】本発明は、このような事情に照らし、上記
提案の接着シ―ト類をさらに改良して、気泡の巻き込
み、シワ、浮きなどの問題を回避し、半導体基板などの
物品上の不要となつたレジスト材を、イオン注入による
表面層の変質などに左右されることなく、簡単かつ確実
に除去することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、テ―プ工法に用
いる接着シ―ト類として、ガラス転移点が20℃以上の
接着性ポリマ―にタツク付与剤を加えて適度な粘着性を
付与したものを用いることにより、気泡の巻き込み、シ
ワ、浮きなどの問題が回避されて、このシ―ト類とレジ
スト膜画像との一体剥離性に好結果が得られ、上記画像
の表面層の変質に関係なく、簡単かつ確実に剥離除去で
きることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0012】すなわち、本発明は、フイルム基材上に接
着剤層を設けたレジスト除去用接着シ―ト類において、
上記の接着剤層はガラス転移点が20℃以上のポリマ―
とタツク付与剤を含むことを特徴とするレジスト除去用
接着シ―ト類に係るものである。また、本発明は、レジ
スト膜画像が存在する物品上に、上記のレジスト除去用
接着シ―ト類を貼り付け、上記シ―ト類の接着剤層が硬
化型であるときはこれを硬化させたのちに、この接着シ
―ト類とレジスト膜画像とを一体に剥離することを特徴
とするレジスト膜画像の除去方法に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における接着シ―ト類は、
フイルム基材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる、
厚さが約10〜150μm程度の樹脂フイルムを用い、
この上に厚さが約10〜180μm程度の接着剤層を設
けて、シ―ト状やテ―プ状などの形態としたものであ
る。
【0014】本発明においては、上記の接着剤層が、ガ
ラス転移点(Tg)が20℃以上であるポリマ―にタツ
ク付与剤を加えたものであることを特徴としている。こ
の接着剤層には、必要により架橋剤や、微粉シリカなど
の充填剤、粘着付与剤、着色剤、老化防止剤などの各種
の添加剤を通常の使用量で加えてもよい。
【0015】Tgが20℃以上であるポリマ―は、(メ
タ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、酢
酸ビニルなどの単独または共重合体、上記単量体と(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルなどの他の単量体との
共重合体などが用いられる。これらポリマ―の分子量
は、重量平均で通常10万〜100万であるのがよい。
分子量が低すぎると凝集力が小さくなり、レジスト膜画
像を剥離する際に凝集破壊しやすく、また高くなりすぎ
ると粘度が大きくなつたり、他の成分との混合が困難と
なるなどの取り扱い上の問題を生じやすい。
【0016】タツク付与剤としては、アクリル系粘着剤
などにタツキフアイア―として通常使用されるものが使
用可能である。使用量としては、接着剤層の粘着性とし
て、JIS Z−0237にしたがつて測定される傾斜
角度30度でのボ―ルタツクが2以上、好ましくは3以
上となるように、Tgが20℃以上であるポリマ―の種
類に応じて適宜設定すればよい。なお、接着剤層のボ―
ルタツクが大きくなりすぎると、取り扱いに支障をきた
すおそれがあるため、通常では15以下、好ましくは1
0以下に設定するのがよい。
【0017】架橋剤は、Tgが20℃以上であるポリマ
―を架橋して凝集力を高め、レジスト膜画像への貼り付
け作業性などに好結果を与えるものである。たとえば、
カルボキシル基や水酸基含有モノマ―を共重合させたポ
リマ―に対し、上記官能基と反応する多官能性化合物と
して、ポリイソシアネ―ト化合物、ポリエポキシ化合
物、各種金属塩、キレ―ト化合物などを含ませて、シ―
ト類の成形段階で上記反応を促進させることにより、上
記ポリマ―の架橋を行わせることができる。使用量とし
ては、上記ポリマ―100重量部に対して、通常20重
量部以下とするのがよい。多すぎると、架橋に関係しな
い成分が半導体基板表面などに移行し、これがパ―テイ
クルとして付着残存するため、好ましくない。
【0018】このような成分を含有する接着剤層は、非
硬化型のものであつてもよいが、より良好な剥離効果を
得るには、硬化型であるのが好ましい。この場合、前記
のタツク付与剤として、分子内に不飽和二重結合を1個
以上有する化合物(以下、硬化性化合物という)を用い
るのがよい。また、このような硬化性化合物のほか、硬
化触媒として重合開始剤を含ませるのが普通である。さ
らに、光硬化型のものでは熱による重合反応を防止する
観点から、重合禁止剤として、たとえば、ハイドロキノ
ン、ベンゾキノン、ブチルカテコ―ル、トリ−P−ニト
ロフエニルメチルなどを含ませるようにしてもよい。
【0019】硬化性化合物は、分子量が通常1万以下で
あるのがよく、硬化時の接着剤層の三次元網状化が効率
良くなされるように、とくに5千以下の分子量を有して
いるのが好ましい。具体的には、トリメチロ―ルプロパ
ントリアクリレ―ト、テトラメチロ―ルメタントリアク
リレ―ト、ポリエチレンオキサイドジ(メタ)アクリレ
―ト、エトキシ化ペンタエリスリト―ルテトラアクリレ
―ト、エトキシ化トリメチロ―ルプロパントリアクリレ
―ト、市販のオリゴエステルアクリレ―トなどが用いら
れる。
【0020】また、特公平5−25907号公報(とく
に、その従来技術の欄)に記載されているようなオルガ
ノポリシロキサン組成物や、その他、下記のポリオ―ル
化合物と多価イソシアネ―ト化合物とヒドロキシ(メ
タ)アクリレ―トなどより合成されるウレタンアクリレ
―ト系オリゴマ―、下記のポリオ―ル化合物とカルボン
酸とヒドロキシ(メタ)アクリレ―トなどより合成され
るエステルアクリレ―ト系オリゴマ―などが用いられ
る。
【0021】上記のポリオ―ル化合物としては、エチレ
ングリコ―ル、プロピレングリコ―ル、ジエチレングリ
コ―ル、ブタンジオ―ル、ペンタンジオ―ル、トリメチ
ロ―ルエタン、トリメチロ―ルプロパン、ペンタエリス
リト―ルなどが挙げられる。また、多価イソシアネ―ト
化合物としては、トルエンジイソシアネ―ト、フエニレ
ンジイソシアネ―ト、ヘキサメチレンジイソシアネ―
ト、ジフエニルメタンジイソシアネ―ト、ジメチルジフ
エニルジイソシアネ―ト、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネ―ト、キシレンジイソシアネ―トなどが挙げら
れる。
【0022】さらに、ヒドロキシ(メタ)アクリレ―ト
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ―
ト、ポリエチレングリコ―ル(メタ)アクリレ―ト、ペ
ンタエリスリト―ルアクリレ―トなどが挙げられる。ま
た、カルボン酸としては、フタル酸などの芳香族ジカル
ボン酸類、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸,クロト
ン酸、テトロ―ル酸などの脂肪族カルボン酸類、その他
カルボキシル基を3個以上有するカルボン酸などが挙げ
られる。
【0023】これらの硬化性化合物は、タツク付与剤と
して、接着剤層の前記ボ―ルタツクが2以上となるよう
な割合で用いられるが、一般には、Tgが20℃以上で
あるポリマ―100重量部に対し、20〜500重量
部、好ましくは30〜300重量部、さらに好ましくは
50〜200重量部の割合で用いるのがよい。使用量が
少なすぎると、接着剤層のタツクに問題を生じやすく、
また多すぎると、保存時に接着剤層が流れ出すおそれが
あり、好ましくない。
【0024】硬化触媒としての重合開始剤は、熱硬化の
場合は、ベンゾイルパ―オキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどの加熱によりラジカルを発生する熱重合
開始剤が用いられる。また、紫外線などの光硬化の場合
は、ベンゾイン、ベンゾインエチルエ―テル、ジベンジ
ル、イソプロピルベンゾインエ―テル、ベンゾフエノ
ン、ミヒラ―ズケトンクロロチオキサントン、ドデシル
チオキサントン、ジメチルチオキサントン、アセトフエ
ノンジエチルケタ―ル、ベンジルジメチルケタ―ル、α
−ヒドロキシシクロヘキシルフエニルケトン、2−ヒド
ロキシメチルフエニルプロパンなどの光重合開始剤が用
いられる。使用量は、Tgが20℃以上であるポリマ―
100重量部に対し、通常0.5〜15重量部である。
【0025】このような硬化性化合物(タツク付与剤)
および重合開始剤を含む硬化型の接着剤層は、硬化後の
弾性率が1Kg/mm2 以上(通常1,000Kg/mm2
で)となるようにされているのが望ましい。これは、上
記弾性率を有していることにより、接着剤層の皮膜強度
が良好なものとなつて、これとレジスト膜画像との一体
剥離性に好結果が得られるからである。なお、上記の弾
性率とは、断面積0.5mm2 の接着剤を、標準距離10
mmとして、23℃の温度下、50mm/分の引張速度で引
張試験を行い、応力−歪み曲線を得、初期の傾きから求
める方法により、測定される値を意味する。
【0026】本発明における接着シ―ト類は、フイルム
基材に上記接着剤層を設けてなり、通常は接着剤層の保
護のために接着剤層面にセパレ―タが貼り合わされる。
使用形態によつては、このセパレ―タの使用を省くこと
もできる。セパレ―タを用いる場合、通常は、接着テ―
プ類に用いられるシリコンなどによる易剥離処理が施さ
れたポリエチレンテレフタレ―ト(PET)、ポリプロ
ピレン(PP)、ポリエチレン(PE)またはこれらの
ブレンド物からなるフイルムや、これらフイルムの2層
ないし3層以上の多層構造体などが用いられる。
【0027】本発明においては、このような接着シ―ト
類を用いて、以下のように、レジスト膜画像を剥離除去
する。まず、セパレ―タを有するものでは、これを剥離
したうえで、レジスト膜画像が存在する物品上に貼り付
け、レジスト膜画像と接着剤層とを一体化させる。この
貼り付け一体化を促進するために、上記の貼り付け時に
加熱および/または加圧することが好ましい。
【0028】つぎに、接着剤層が硬化型のものでは、加
熱または光照射などによる所定の硬化処理を行う。その
際、半導体基板などの物品に与える熱的影響を考慮に入
れるならば、光照射による硬化処理がとくに好適であ
り、その照射量は、紫外線では300〜3,000mj
/cm2 の範囲とするのがよい。なお、このような光照射
による硬化を行うときは、フイルム基材としてあらかじ
め紫外線などの光を通過するものが選択使用される。
【0029】このように貼り付けおよび所要の硬化処理
を施したのち、接着シ―ト類とレジスト膜画像とを一体
に剥離処理する。この際、接着剤を構成するポリマ―の
Tgが20℃以上のため、接着剤層が十分に固くなり、
剥離に用する力を余すことなく伝えることができる。ま
た、タツク付与剤により適度な粘着性を有しているた
め、接着剤層に対向して設けられるセパレ―タとの間、
またはセパレ―タを設けない場合は重ねたときの基材背
面との間に、気泡が生じておらず、結果として、接着剤
層表面の平滑性を維持でき、また接着剤層が吸湿しやす
くなつたり、接着剤成分が偏在化するのが防がれ、さら
にシ―ト類間の滑りに起因したシワの発生や、レジスト
膜画像への貼り付け時の浮きの発生も起こらない。
【0030】このように、本発明においては、接着剤層
の上記特徴的構成に基づき、接着シ―ト類に不要なシワ
の発生や接着剤層表面での気泡の発生が防がれているた
め、レジスト膜画像への貼り付けに際し、接着剤層表面
の平滑性が保たれ、レジスト膜画像がかなり複雑なパタ
―ンであつても十分に追従可能であり、また浮きの発生
をみることなく密着性良好に貼り付けることができ、そ
のうえ、接着剤層の吸湿が防がれ、また接着剤層表面の
成分のバラツキが防止されているため、接着シ―ト類本
来の剥離性能を十分に発揮させることが可能である。
【0031】その結果、半導体基板などの物品上に形成
されて、イオンを高ド―ズ量または高エネルギ―量で注
入して変質したレジスト膜画像であつても、とりわけこ
の画像がかなり複雑なパタ―ンであつても、このレジス
ト膜画像を上記物品から簡単にかつ確実に剥離除去する
ことができ、剥離操作後に物品上に100nm程度以上
のレジスト残渣を生じることはほとんどない。
【0032】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味する。
【0033】実施例1 アクリル酸100部を、メタノ―ル230部と、アゾビ
スイソブチロニトリル0.1部を用いて、窒素気流下、
60℃で12時間溶液重合を行い、重量平均分子量が4
5万のポリマ―の溶液を得た。この溶液を少量乾燥し
て、セイコ―電子製の熱分析装置DSC−200により
昇温時の熱吸収曲線を測定して算出したポリマ―のTg
は101℃であつた。
【0034】このポリマ―溶液に、ポリマ―100部に
対して、タツク付与剤としてエトキシ化ペンタエリスリ
ト―ルテトラアクリレ―ト100部、架橋剤としてポリ
イソシアネ―ト化合物3部、光重合開始剤としてベンジ
ルジメチルケタ―ル3部を配合して、硬化型の接着剤と
した。この硬化型の接着剤は、紫外線硬化後の弾性率が
67Kg/mm2 であつた。
【0035】この接着剤を、厚さが50μmのポリエス
テルフイルムからなるフイルム基材上に、乾燥後の厚さ
が40μmとなるように塗布、乾燥して、レジスト除去
用接着シ―トを作製した。この接着シ―トの接着剤層
は、JIS Z−0237にしたがつて測定される傾斜
角度30度でのボ―ルタツクが4であつた。また、接着
剤層面にシリコン処理した厚さが38μmのPETフイ
ルムをセパレ―タとして貼り合わせたが、気泡はみられ
なかつた。
【0036】実施例2 メタクリル酸60部、アクリル酸20部、アクリル酸メ
チル20部、メタノ―ル230部と、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.1部を用いて、窒素気流下、60℃で1
2時間溶液重合を行い、重量平均分子量が39万のポリ
マ―の溶液を得た。この溶液を少量乾燥して、前記と同
様に算出したポリマ―のTgは108℃であつた。
【0037】このポリマ―溶液に、ポリマ―100部に
対して、タツク付与剤としてポリエチレンオキサイドジ
メタクリレ―ト75部、架橋剤としてポリイソシアネ―
ト化合物3部、光重合開始剤としてベンジルジメチルケ
タ―ル3部を配合し、硬化型の接着剤とした。この硬化
型の接着剤は、紫外線硬化後の弾性率が18Kg/mm2
あつた。
【0038】この接着剤を、厚さが50μmのポリエス
テルフイルムからなるフイルム基材上に、乾燥後の厚さ
が40μmとなるように塗布、乾燥して、レジスト除去
用接着シ―トを作製した。この接着シ―トの接着剤層
は、JIS Z−0237にしたがつて測定される傾斜
角度30度でのボ―ルタツクが3であつた。また、接着
剤層面にシリコン処理した厚さが38μmのPETフイ
ルムをセパレ―タとして貼り合わせたが、気泡はみられ
なかつた。
【0039】実施例3 アクリル酸80部と、メチルアクリレ―ト20部を、メ
タノ―ル230部と、アゾビスイソブチロニトリル0.
1部を用いて、窒素気流下、60℃で12時間溶液重合
を行い、重量平均分子量が49万のポリマ―の溶液を得
た。この溶液を少量乾燥して、前記と同様に算出したポ
リマ―のTgは83℃であつた。
【0040】このポリマ―溶液に、ポリマ―100部に
対して、タツク付与剤としてポリエチレンオキサイドジ
アクリレ―ト100部、架橋剤としてポリイソシアネ―
ト化合物3部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシシク
ロヘキシルフエニルケトン3部を配合し、硬化型の接着
剤を調製した。この硬化型の接着剤は、紫外線硬化後の
弾性率が27Kg/mm2 であつた。
【0041】この接着剤を、厚さが50μmのポリエス
テルフイルムからなるフイルム基材上に、乾燥後の厚さ
が40μmとなるように塗布、乾燥して、レジスト除去
用接着シ―トを作製した。この接着シ―トの接着剤層
は、JIS Z−0237にしたがつて測定される傾斜
角度30度でのボ―ルタツクが6であつた。また、接着
剤層面にシリコン処理した厚さが38μmのPETフイ
ルムをセパレ―タとして貼り合わせたが、気泡はみられ
なかつた。
【0042】実施例4 酢酸ビニル100部を、メタノ―ル230部と、アゾビ
スイソブチロニトリル0.1部を用いて、窒素気流下、
60℃で12時間溶液重合を行い、重量平均分子量が1
3万のポリマ―の溶液を得た。この溶液を少量乾燥し
て、前記と同様に算出したポリマ―のTgは35℃であ
つた。
【0043】このポリマ―溶液に、ポリマ―100部に
対して、タツク付与剤としてポリエチレンオキサイドジ
メタクリレ―ト30部、架橋剤としてポリイソシアネ―
ト化合物3部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシシク
ロヘキシルフエニルケトン3部を配合し、硬化型の接着
剤を調製した。この硬化型の接着剤は、紫外線硬化後の
弾性率が5Kg/mm2 であつた。
【0044】この接着剤を、厚さが50μmのポリエス
テルフイルムからなるフイルム基材上に、乾燥後の厚さ
が20μmとなるように塗布、乾燥して、レジスト除去
用接着シ―トを作製した。この接着シ―トの接着剤層
は、JIS Z−0237にしたがつて測定される傾斜
角度30度でのボ―ルタツクが8であつた。また、接着
剤層面にシリコン処理した厚さが38μmのPETフイ
ルムをセパレ―タとして貼り合わせたが、気泡はみられ
なかつた。
【0045】つぎに、以上の実施例1〜4の各接着シ―
トを用いて、以下の要領により、レジスト膜画像の除去
試験を行つた。すなわち、まず、下記の参考例1,2の
方法によつてウエハ上に作製したレジスト膜画像Aまた
はBの全面に、各接着シ―トを、130℃の加熱板上で
圧着して貼り付けた。その際、シワの発生や浮きなどを
生じることなく、平滑性および密着性良好に貼り付けで
きた。
【0046】つぎに、高圧水銀ランプを用いて、紫外線
を、実施例1,2では1J/cm2 、実施例3,4では2
J/cm2 の照射量で照射して、硬化処理した。しかるの
ち、この接着シ―トを剥離操作したところ、実施例1〜
4のいずれの接着シ―トを用いたときでも、上記のレジ
スト膜画像は接着シ―トと一体に簡単にかつ確実に剥離
除去された。
【0047】参考例1 5インチのシリコンウエハ(半導体基板)の表面に、ク
レゾ―ルノボラツク樹脂とポリヒドロキシ化合物のナフ
トキノンジアジドスルホン酸エステルと乳酸エチルから
なるポジ型フオトレジストを塗布し、加熱、露光、現
像、ポストベ―クを行い、レジスト膜画像(レジストパ
タ―ン)を全表面に形成した。その後に、P+ イオンを
加速エネルギ―80Kevで注入量1×1016ions
/cm2 の濃度で全面に注入した。これをレジスト膜画像
Aとした。
【0048】参考例2 参考例1と同様にして、レジスト膜画像を形成したの
ち、P+ イオンを加速エネルギ―2Mevで注入量5×
1013ions/cm2 の濃度で全面に注入した。これを
レジスト膜画像Bとした。
【0049】なお、上記レジスト膜画像の除去試験にお
いて、接着シ―トによる剥離除去後に、ウエハ上に付着
残存するレジストの高さをテンコ―ル製表面形状測定装
置P−10にて測定した。パタ―ンの端部をウエハ上2
0点測定したが、100nmを超えてレジストが残存す
る部分は、実施例1〜4のどの接着シ―トを用いたとき
でも、存在しなかつた。表1に上記測定の平均値を示し
た。
【0050】
【0051】なおまた、比較として、上記の実施例1〜
4において、タツク付与剤としての硬化性化合物の使用
を省き、その他は実施例1〜4と同様にして作製した接
着シ―トを用いて、上記と同様のレジスト膜画像の除去
試験を行つてみた。
【0052】その結果、実施例1〜4に対応するいずれ
の接着シ―トも、タツクを有さず(ボ―ルタツク測定不
可)、シ―ト作製時にセパレ―タとの間に気泡が発生し
たり、シワの発生がみられ、またとくに実施例1〜3に
対応する各接着シ―トでは貼り付け時に浮きが発生し、
レジスト膜画像上に各接着シ―トを平滑性および密着性
良好に貼り付けできなかつた。このため、上記画像と接
着シ―トとの一体剥離性に劣り、ウエハ上に付着残存す
るレジストの高さが100nmを超えるものが一部あ
り、また全く剥がれていない部分が一部あつた。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明の接着シ―ト類と
その除去方法は、半導体、回路、各種プリント基板、各
種マスク、リ―ドフレ―ムなどの微細加工部品の製造段
階での微細パタ―ンの形成工程において、レジスト膜画
像を除去するために用いられ、使用に際し気泡の巻き込
み、シワ、浮きなどの問題を生じることなく、上記レジ
スト膜画像を、イオン注入による表面層の変質などに左
右されることなく、簡便にしてかつ確実に除去できると
いう効果が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フイルム基材上に接着剤層を設けたレジ
    スト除去用接着シ―ト類において、上記の接着剤層はガ
    ラス転移点が20℃以上のポリマ―とタツク付与剤を含
    むことを特徴とするレジスト除去用接着シ―ト類。
  2. 【請求項2】 接着剤層はJIS Z−0237にした
    がつて測定される傾斜角度30度でのボ―ルタツクが2
    以上である請求項1に記載のレジスト除去用接着シ―ト
    類。
  3. 【請求項3】 接着剤層が硬化型である請求項1または
    2に記載のレジスト除去用接着シ―ト類。
  4. 【請求項4】 タツク付与剤が分子内に不飽和二重結合
    を1個以上有する化合物である請求項3に記載のレジス
    ト除去用接着シ―ト類。
  5. 【請求項5】 硬化後の弾性率が1Kg/mm2 以上である
    請求項3または4に記載のレジスト除去用接着シ―ト
    類。
  6. 【請求項6】 レジスト膜画像が存在する物品上に、請
    求項1〜5のいずれかに記載のレジスト除去用接着シ―
    ト類を貼り付け、上記シ―ト類の接着剤層が硬化型であ
    るときはこれを硬化させたのちに、この接着シ―ト類と
    レジスト膜画像とを一体に剥離することを特徴とするレ
    ジスト膜画像の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001004228A1 (en) * 1999-07-08 2001-01-18 Somar Corporation Pressure-sensitive adhesive film being easy to peel

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001004228A1 (en) * 1999-07-08 2001-01-18 Somar Corporation Pressure-sensitive adhesive film being easy to peel
JP4634680B2 (ja) * 1999-07-08 2011-02-16 ソマール株式会社 容易に剥離可能な粘着性フィルム

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