JP2005032971A - 基板処理装置のクリーニング方法 - Google Patents

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伸明 丸岡
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Abstract

【課題】基板処理装置内に付着する0.2〜3μm程度の粒子径をもつ異物を簡便かつ確実に除去できるクリーニング方法を提供する。
【解決手段】クリーニング層を有するクリーニングシートを用いて基板処理装置をクリーニングするクリーニング方法において、クリーニング層の算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを用いることを特徴とする基板処理装置のクリーニング方法、とくにクリーニング層の算術平均粗さRaが0.01μm未満で、最大表面粗さRmaxが0.1μm未満であるクリーニングシートと、クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01〜0.05μmで、最大表面粗さRmaxが0.1〜2μmであるクリーニングシートとを用いる上記構成の基板処理装置のクリーニング方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、半導体、フラットパネルディスプレイ、プリント基板などの製造装置や検査装置など、異物を嫌う各種の基板処理装置のクリーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の基板処理装置では、各搬送系と基板とを物理的に接触させながら搬送する。その際、基板や搬送系に異物が付着していると、後続の基板をつぎつぎに汚染することになる。このため、定期的に装置を停止して、洗浄処理する必要があり、稼動率の低下や多大な労力が必要という問題があった。
【0003】
とくに、プラズマエッチング装置は、エッチング反応で大量の副生成物が生成し、これが装置外に排気されずにチャンバ内に残って、チャックテーブルへ降り注ぎ、ウエハ裏面に異物として付着し、これが洗浄工程でウエハ裏面から表面へ乗り移り、製品歩留まりを低下させる。このため、定期的に装置の稼動を止めてチャンバを開放し、チャックテーブルの手拭き作業を行っているが、多大な時間を要し、装置の稼働率を下げる結果となっている。
【0004】
これらの問題を解決するために、粘着性物質を固着した基板を搬送して、基板処理装置内に付着した異物をクリーニング除去する方法(特許文献1参照)や、板状部材を搬送して、基板裏面に付着した異物をクリーニング除去する方法(特許文献2参照)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−154686号公報(第2〜4頁)
【特許文献2】
特開平11−87458号公報(第2〜3頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の提案方法は、前記問題を解決する有効な方法であり、とくに前者の粘着性物質を固着した基板を搬送する方法は、後者の方法に比べて、異物の除去性によりすぐれている。しかし、プラズマエッチング装置などで発生する異物には、製品歩留まりに影響する粒子サイズとして0.2〜3μm程度の広範囲の粒子径をもつ大小様々な異物が含まれており、上記の提案方法ではこれら異物をすべて効果的にクリーニング除去できるものとは必ずしもいえなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に照らして、基板処理装置内に付着する0.2〜3μm程度の粒子径をもつ異物を、クリーニングシートを用いて簡便かつ確実に除去できるクリーニング方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、クリーニング層の表面粗さの小さい、つまり表面平滑なクリーニングシートによると、サイズの小さい異物を効率良く捕集でき、一方、クリーニング層の表面粗さの大きい、つまり表面の粗いクリーニングシートによると、サイズの大きい異物を効率良く捕集できることを知り、これをもとにして表面粗さの異なるクリーニングシートを少なくとも2種組み合わせてクリーニングすると、基板処理装置内に付着する0.2〜3μm程度の粒子径を持つ異物を効率良く捕集でき、すぐれたクリーニング除去性が得られることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、クリーニング層を有するクリーニングシートを用いて基板処理装置をクリーニングするクリーニング方法において、クリーニング層の算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを用いることを特徴とする基板処理装置のクリーニング方法に係るものである。
とくに、本発明は、クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01μm未満で、最大表面粗さRmaxが0.1μm未満であるクリーニングシートと、クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01〜0.05μmで、最大表面粗さRmaxが0.1〜2μmであるクリーニングシートとを用いる上記構成の基板処理装置のクリーニング方法に係るものである。
また、本発明は、上記構成の基板処理装置のクリーニング方法に用いられる少なくとも2種のクリーニングシートを提供できるものである。
さらに、本発明は、上記構成のクリーニング方法によりクリーニングされた基板処理装置を提供できるものである。
【0010】
なお、クリーニング層の算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxとは、触針式表面粗さ測定装置(Tencor社製の「P−11」)により、先端部の曲率が2μmのダイヤモンド製触針を用い、測定スピードを1μm/秒(測定範囲は100μm)として、求められる値を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、クリーニング層の表面粗さとして、その算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを用いることにより、基板処理装置内に付着する0.2〜3μm程度の粒子径を持つ異物をすべて効率良く捕集できるという効果が得られる。
【0012】
異物の付着機構としては、分子間力と静電気力が考えられる。たとえば、チャックテーブル上の異物にクリーニング層を接触させた場合、クリーニング層と異物との物理的接触面積が大きいほど、分子間力や静電気力(静電気が異符号の場合)が働き、異物がクリーニング層側へ付着する。
【0013】
ここで、上記の物理的接触面積は、異物の粒子サイズにより、これと接触するクリーニング層の表面粗さを適宜選択することで、可及的に大きくなる。異物の粒子サイズは0.2〜3μm程度の広範囲にわたっており、これらの粒子に幅広く対応させるには、クリーニング層の表面粗さも種々変更する必要があり、その算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを用いることにより、理想的な物理的接触面積を実現でき、これによりクリーニング効果が大きく改善されるものと思われる。
【0014】
本発明者らの検討により、とくに、クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01μm未満で、最大表面粗さRmaxが0.1μm未満であるクリーニングシートと、クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01〜0.05μmで、最大表面粗さRmaxが0.1〜2μmであるクリーニングシートとを、組み合わせ使用したときに、上記効果がより良く発現されることを見い出した。もちろん、上記2種のクリーニングシートに限定されず、上記の表面粗さをさらに細分して3種またはそれ以上のクリーニングシートを組み合わせ使用するようにすると、クリーニング効果をより一段と増大させることができる。
【0015】
本発明におけるクリーニング層は、その材質などにとくに限定はないが、紫外線や熱などの活性エネルギー源によって重合硬化した樹脂層から構成されているのが望ましい。これは、上記の重合硬化により分子構造が三次元網状化して実質的に粘着性がなくなり、搬送時に装置接触部と強く接着せず、基板処理装置内を確実に搬送できるクリーニングシートが得られるからである。
【0016】
上記重合硬化した樹脂層としては、たとえば、感圧接着性ポリマーに分子内に不飽和二重結合を1個以上有する化合物(以下、重合性不飽和化合物という)および重合開始剤と、必要により架橋剤などを含ませた硬化型の樹脂組成物を、活性エネルギー源とくに紫外線により硬化したものが挙げられる。
【0017】
感圧接着性ポリマーには、たとえば、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとしたアクリル系ポリマーが挙げられる。このアクリル系ポリマーの合成にあたり、共重合モノマーとして分子内に不飽和二重結合を2個以上有する化合物を用いたり、合成後のアクリル系ポリマーに分子内に不飽和二重結合を有する化合物を官能基間の反応で化合結合させるなどして、アクリル系ポリマーの分子内に不飽和二重結合を導入してもよい。この導入でアクリル系ポリマー自体も重合硬化反応に関与させることができる。
【0018】
重合性不飽和化合物としては、不揮発性でかつ重量平均分子量が10,000以下の低分子量体であるのがよく、とくに硬化時の三次元網状化が効率良くなされるように、5,000以下の分子量を有しているのが好ましい。
このような重合性不飽和化合物としては、たとえば、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの中から、1種または2種以上が用いられる。
【0019】
重合開始剤としては、とくに限定されず、公知のものを広く使用できる。
たとえば、活性エネルギーに熱を用いる場合は、べンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどの熱重合開始剤、また光を用いる場合は、ベンゾイル、ベンゾインエチルエーテル、シベンジル、イソプロピルべンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトンクロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、シメチルチオキサントン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヒキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノンなどの光重合開始剤が挙げられる。
【0020】
上記のクリーニング層は、シリコンウエハ(ミラー面)に対する180度引き剥がし粘着力(JIS Z0237に準じて測定)が0.2N/10mm幅以下、好ましくは0.01〜0.1N/10mm幅程度であるのがよい。このような低粘着ないし非粘着とすることにより、搬送時に装置内の被接触部と接着することなく、搬送トラブルを起こすことはない。また、上記クリーニング層の厚さは、とくに限定されないが、通常5〜100μm程度であるのがよい。
【0021】
このように構成されるクリーニング層を前記の表面粗さに設定するには、たとえば、鋳型であるシリコンウエハのミラー面に上記硬化型の樹脂組成物を塗布し乾燥したのち、重合硬化させることにより、算術平均粗さRaが0.01μm未満で、最大表面粗さRmaxが0.1μm未満であるクリーニング層を形成できる。また、上記ミラー面をアルカリエッチング処理したのち、この処理面に上記同様に硬化型の樹脂組成物を塗布し乾燥したのち、重合硬化させることにより、算術平均粗さRaが0.01〜0.05μmで、最大表面粗さRmaxが0.1〜2μmであるクリーニング層を形成することができる。なおまた、上記ミラー面のアルカリエッチング処理の程度を適宜選択することにより、上記表面粗さをさらに細かく設定することが可能である。
【0022】
本発明において、クリーニングシートは、上記したクリーニング層単独で構成させることもできるが、通常は、支持体を使用し、この支持体上に上記したクリーニング層を設けるようにするのが望ましい。また、支持体を使用する場合、その片面にクリーニング層を設けるとともに、他面に粘着剤層を設けておくのが望ましい。クリーニングシートを基板処理装置内に搬送する場合、通常、クリーニングシートをシリコンシエハなどの搬送部材に貼り付けて搬送するのが普通である。このため、上記搬送部材への貼り付けを容易にするため、あらかじめ支持体の他面に粘着剤層を設けておくのが望ましい。
【0023】
支持体としては、とくに限定されない。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系フィルムや、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネートなどからなるプラスチックフィルムなどが挙げられる。
これらの支持体は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよく、また片面または両面にコロナ処理などの表面処理を施したものであってもよい。支持体の厚さは、通常10〜100μm程度である。
【0024】
支持体の他面に設けられる粘着剤層は、シリコンウエハ(ミラー面)に対する180度引き剥がし粘着力が、0.01〜10N/10mm幅、好ましくは0.05〜5N/10mm幅であるのがよい。粘着力が高すぎると、クリーニングシートを基板などの搬送部材から剥離除去する際に、支持体が裂けるおそれがある。また、この粘着剤層の厚さは、とくに限定されないが、通常は5〜100μm、好ましくは10〜50μm程度であるのがよい。
【0025】
このような粘着剤層は、その材料構成について、とくに限定されず、アクリル系やゴム系など通常の粘着剤がいずれも使用できる。中でも、アクリル系の粘着剤として、重量平均分子量が10万以下の成分が10重量%以下であるアクリル系ポリマーを主剤としたものが、とくに好ましく用いられる。
上記のアクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとしこれに必要により共重合可能な他のモノマーを加えたモノマー混合物を重合反応させることにより、合成できるものである。
【0026】
上記のクリーニング層および粘着剤層には、クリーニングシートを使用するまでの間、保護フィルムを貼り合わせておくのが望ましい。
保護フィルムは、とくに限定されず、たとえば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、脂肪酸アミド系、シリカ系の剥離剤などで剥離処理された、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネートなどからなるプラスチックフィルムが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンからなるフィルムは、剥離処理しなくても離型性を有するため、それ単独を保護フィルムとして使用できる。このような保護フィルムの厚さは、通常10〜100μmであるのがよい。
【0027】
本発明においては、既述したとおり、上記構成からなる算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを、基板処理装置内に搬送するにあたり、通常、各クリーニングシートをあらかじめ搬送部材に貼り合わせて、クリーニング機能付き搬送部材としておくのが望ましい。ここで使用する搬送部材としては、とくに限定はなく、異物除去の対象となる基板処理装置に応じて、各種の基板が用いられる。具体的には、半導体ウエハ、LCD、PDPなどのフラットパネルディスプレイ用基板、その他コンパクトディスク、MRヘッドなどの基板などが挙げられる。
【0028】
本発明においては、基板処理装置内に、上記のクリーニング機能付き搬送部材を搬送して、上記装置内の被洗浄部位に接触移動させることにより、上記装置内に付着している異物を搬送トラブルを生じることなく簡便かつ確実に除去する。とくに、上記の搬送部材として、クリーニング層の算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを貼り合わせたものを組み合わせ使用することにより、0.2〜3μm程度の広範囲の粒子径を持つ大小様々な異物を効果的にクリーニング除去できる。
【0029】
本発明において、クリーニングが行われる基板処理装置としては、とくに限定されず、たとえば、露光装置、レジスト塗布装置、現像装置、アッシング装置、ドライエッチング装置、イオン注入装置、PVD装置、CVD装置などの各種の製造装置や検査装置などが挙げられる。本発明では、このような基板処理装置の上記クリーニング方法に用いられる前記した少なくとも2種のクリーニングシートを提供できるとともに、上記クリーニング方法によりクリーニングされた上記の各基板処理装置を提供できるものである。
【0030】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0031】
実施例1
アクリル酸2−エチルへキシル75部、アクリル酸メチル20部およびアクリル酸5部からなるモノマー混合液から得たアクリル系ポリマー(重量平均分子量70万)100部に、ポリエチレングリコール200ジメタクリレート(新中村化学社製の商品名「NKエステル4G」)200部、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」)3部および光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・スペシヤリティケミカルズ社製の商品名「イルガキュアー651」)3部を、均一に混合することにより、紫外線硬化型の樹脂組成物を調製した。
【0032】
この紫外線硬化型の樹脂組成物を、シリコンウエハのミラー面に、乾燥後の厚さが15μmとなるように、スピンコーターにより塗布した。乾燥機中で溶剤を蒸発させたのち、その上に支持体として厚さが25μmのポリエステルフィルムを貼り合わせた。その後、中心波長365nmの紫外線を積算光量1,000mJ/cm照射して、シリコンウエハ上に重合硬化した樹脂層からなるクリーニング層とその上の支持体を有する積層シートを作製した。
【0033】
これとは別に、温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた内容量が500mlの3つ口フラスコ型反応器内に、アクリル酸2−エチルへキシル73部、アクリル酸n−ブチル10部、N,N−ジメチルアクリルアミド15部およびアクリル酸5部、重合開始剤として2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.15部、酢酸エチル100部を、全体が200gになるように配合して投入し、窒素ガスを約1時間導入しながら攪拌し、内部の空気を窒素で置換した。その後、内部の温度を58℃にし、この状態で約4時間保持して重合を行い、粘着剤ポリマー溶液を得た。このポリマー溶液100部に、ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」)3部を、均一に混合し、粘着剤溶液を調製した。
【0034】
この粘着剤溶液を、シリコン処理した保護フィルム上に、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、溶剤を蒸発させて、粘着剤層を形成した。この粘着剤層面を、前記の方法で作製した積層シートの支持体上に貼り合わせたのち、シリコンウエハから積層品を剥離し、露出するクリーニング層に上記同様の保護フィルムを貼り合わせ、保護フィルム/クリーニング層/支持体/粘着剤層/保護フィルムからなる5層構造のクリーニングシートAを作製した。
【0035】
このクリーニングシートAのクリーニング層側の保護フィルムを剥がして、シリコンウエハ(ミラー面)に対する180°引き剥がし粘着力(JIS Z0237に準じて測定)を測定したところ、0.06N/10mm幅であった。また、このクリーニング層の引張り強さは、440Mpaであった。引張り強さは、試験法JIS K7127に準じて、測定したものである。
【0036】
つぎに、このクリーニングシートAの粘着剤層側の保護フィルムを剥がして、8インチシリコンウエハのミラー面にハンドローラで貼り付けることにより、クリーニング機能付き搬送部材Aを作製した。このクリーニング機能付き搬送部材Aは、クリーニング層の表面粗さとして、平均表面粗さRaが0.002μm、最大表面粗さRmaxが0.023μmであった。
【0037】
また、上記のクリーニングシートAの作製方法において、紫外線硬化型の樹脂組成物を塗布するシリコンウエハのミラー面をあらかじめアルカリエッチング処理し、この処理面に紫外線硬化型の樹脂組成物を塗布し、この上に支持体を貼り合わせて、紫外線を照射して重合硬化した樹脂層からなるクリーニング層を形成した以外は、上記と同様にして、クリーニングシートBを作製した。また、このクリーニングシートBを用いて、上記と同様にして、クリーニング機能付き搬送部材Bを作製した。このクリーニング機能付き搬送部材Bは、クリーニング層の表面粗さとして、平均表面粗さRaが0.023μm、最大表面粗さRmaxが0.336μmであった。
【0038】
つぎに、半導体製造用のプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製の「TE8500」)3台(装置A、装置B、装置C)を用意し、本実施例では、装置Aを用い、以下のようにクリーニング評価を行った。
まず、装置Aへ、新品のシリコンウエハのミラー面を下向きにして、ミラー面が搬送アームやチャックテーブルに接触するように搬送したのち、ミラー面に付着した異物数(サイズ0.2μm以上)を、レーザー散乱式異物検査装置(日立DECO製の「LS6500」)を用いて、測定した。
【0039】
なお、レーザー散乱式異物検査装置では、プログラムにより各サイズ別の異物数を測定できるようになっている。プログラムの原理は、異物サイズを直接測定するのではなく、標準粒子(ポリスチレン)の散乱強度に対応するサイズを求める。異物サイズは、0.2μm以上1μm未満、1μm以上2μm未満、2μm以上3μm未満、3μm以上の4つの範囲で測定できる。
上記測定の結果としては、8インチウエハサイズのエリア内で、52,516個(これを、「異物数1」とする)であった。また、異物サイズ別の内訳としては、0.2μm以上1μm未満の範囲で25,540個、1μm以上2μm未満の範囲で14,536個、2μm以上3μm未満の範囲で7,723個、3μm以上の範囲で4,717個であった。
【0040】
つぎに、上記の52,516個の異物が付着していた装置Aに、前記の方法で作製した2種のクリーニング機能付き搬送部材A、Bを、BBAAの順番に計4枚搬送したところ、支障なく搬送できた。その後に、新品の8インチシリコンウエハをミラー面を下向きにして搬送し、前記と同様にして、レーザー散乱式異物測定装置により、ミラー面に付着した異物数を測定した。
その結果は、8インチウエハサイズのエリア内で、12,073個(これを、「異物数2」とする)であった。また、異物サイズ別の内訳としては、0.2μm以上1μm未満の範囲で6,589個、1μm以上2μm未満の範囲で3,545個、2μm以上3μm未満の範囲で1,480個、3μm以上の範囲で459個であった。全体の異物除去率は、77%であった。
なお、上記全体の異物除去率は、異物除去率=100−〔(異物数2)/(異物数1)〕×100として、求めたものである。
【0041】
比較例1
装置Bへ、シリコンウエハのミラー面を下向きにして、ミラー面が搬送アームやチャックテーブルに接触するように搬送したのち、ミラー面に付着した異物数(サイズ0.2μm以上)を、前記と同様にして、測定した。
この測定結果としては、8インチウエハサイズのエリア内で、54,933個(これを、「異物数1」とする)であった。また、異物サイズ別の内訳としては、0.2μm以上1μm未満の範囲でで24,789個、1μm以上2μm未満の範囲で16,432個、2μm以上3μm未満の範囲で8,678個、3μm以上の範囲で5,034個であった。
【0042】
つぎに、上記の54,933個の異物が付着していた装置Bに、前記の方法で作製したクリーニング機能付き搬送部材Bのみを4枚搬送したところ、支障なく搬送できた。その後に、新品の8インチシリコンウエハをミラー面を下向きにして搬送し、前記と同様にして、レーザー散乱式異物測定装置により、ミラー面に付着した異物数を測定した。
その結果は、8インチウエハサイズのエリア内で、40,221個(これを、「異物数2」とする)であった。また、異物サイズ別の内訳としては、0.2μm以上1μm未満の範囲で21,562個、1μm以上2μm未満の範囲で12,769個、2μm以上3μm未満の範囲で4,512個、3μm以上の範囲で1,378個であった。全体の異物除去率は、27%であった。
【0043】
比較例2
装置Cへ、シリコンウエハのミラー面を下向きにして、ミラー面が搬送アームやチャックテーブルに接触するように搬送したのち、ミラー面に付着した異物数(サイズ0.2μm以上)を、前記と同様にして、測定した。
この測定結果としては、8インチウエハサイズのエリア内で、54,601個(これを、「異物数1」とする)であった。また、異物サイズ別の内訳としては、0.2μm以上1μm未満の範囲でで26,321個、1μm以上2μm未満の範囲で15,668個、2μm以上3μm未満の範囲で8,423個、3μm以上の範囲で4,189個であった。
【0044】
つぎに、上記の54,601個の異物が付着していた装置Cに、前記の方法で作製したクリーニング機能付き搬送部材Aのみを4枚搬送したところ、支障なく搬送できた。その後に、新品の8インチシリコンウエハをミラー面を下向きにして搬送し、前記と同様にして、レーザー散乱式異物測定装置により、ミラー面に付着した異物数を測定した。
その結果は、8インチウエハサイズのエリア内で、33,259個(これを、「異物数2」とする)であった。また、異物サイズ別の内訳としては、0.2μm以上1μm未満の範囲で16,754個、1μm以上2μm未満の範囲で9,809個、2μm以上3μm未満の範囲で4,398個、3μm以上の範囲で2,298個であった。全体の異物除去率は、39%であった。
【0045】
上記の実施例1および比較例1,2のクリーニング方法の評価結果について、下記の表1〔異物数(1)〕、表2〔異物数(2)〕および表3〔異物除去率(%)〕として、まとめて示した。なお、各表中、「Y1」は0.2μm以上1μm未満の範囲の異物、「Y2」は1μm以上2μm未満の範囲の異物、「Y3」は2μm以上3μm未満の範囲の異物、「Y4」は3μm以上の範囲の異物であり、また「To」は異物全体である。
【0046】
Figure 2005032971
【0047】
Figure 2005032971
【0048】
Figure 2005032971
【0049】
上記の結果から明かなように、本発明のように、クリーニング層の表面粗さの異なる2種のクリーニング機能付き搬送部材A,Bを組み合わせて搬送することにより、0.2〜3μmないしそれ以上の大小様々な粒子サイズを持つ異物を、高い除去率でクリーニング除去できるものであることがわかる。これに対して、クリーニング機能付き搬送部材AまたはBのみを搬送する比較例1,2の方法では、上記本発明のようなクリーニングが得られていない。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、クリーニング層の算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを使用することで、基板処理装置内に付着する0.2〜3μm程度の粒子径を持つ異物を、効率良くクリーニング除去できるという、すぐれた効果が奏される。

Claims (4)

  1. クリーニング層を有するクリーニングシートを用いて基板処理装置をクリーニングするクリーニング方法において、クリーニング層の算術平均粗さRaおよび最大表面粗さRmaxが異なる少なくとも2種のクリーニングシートを用いることを特徴とする基板処理装置のクリーニング方法。
  2. クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01μm未満で、最大表面粗さRmaxが0.1μm未満であるクリーニングシートと、クリーニング層の算術平均粗さRaが0.01〜0.05μmで、最大表面粗さRmaxが0.1〜2μmであるクリーニングシートとを用いる請求項1に記載の基板処理装置のクリーニング方法。
  3. 請求項1または2に記載の基板処理装置のクリーニング方法に用いられる少なくとも2種のクリーニングシート。
  4. 請求項1または2に記載のクリーニング方法によりクリーニングされた基板処理装置。
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