JP3590001B2 - ヘッダー配管用不凍給水栓 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒冷地で施工されるヘッダー配管の凍結防止装置に関し、特に、排水のための勾配を取らなくても配管内の湯水を確実に排出しうるよう、強制吸引するための家庭用電気掃除機等の電動吸引装置(以下、掃除機と総称する)に接続される、ヘッダー配管用不凍給水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、管の腐食防止、施工性および配管更新の容易さ、工事費の削減、室内配管スペースの有効利用等の観点から、室内の水、湯回りにヘッダー配管が普及するようになってきた。
【0003】
これは、あらかじめ床下スラブコンクリ−ト部等にガイドとなる樹脂製さや管を敷設しておき、給湯器やパイプシャフト水回りの周辺など、施工、維持管理の容易な場所に設置したヘッダ−から、途中で分岐することなく、各部屋の給水栓へ架橋ポリエチレン、ポリブテンの様な樹脂管を給水管、給湯管(以下、可撓管と総称する)として配管するシステムであり、配管途中に分岐のための継手を使用しないので漏水の発生が少なくなる、同時使用した場合の給水、給湯量の変化が少ない等の利点もあり、今後も一層の普及が予想される配管システムである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、床下に設置され、しかも樹脂管なので、自由に配管できる反面、どうしても撓み部分ができ、交差配管もあり、水を抜くための一様な勾配を設けた配管が困難となるという問題があり、一方、比較的水抜きが容易と言われる天井配管も完全とは言い難く、材料代その他、施工費が高くつき、そのことが、寒冷地でのヘッダー配管の本格的な普及の妨げになっていた。
【0005】
そのため本発明においては、水抜き時に、強い負圧を起こして強制的に配管内の湯水を排出させるために掃除機を使用し、且つ、掃除機に接続できる、非常に低コストで故障の少ない凍結防止装置を、不凍給水栓として提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため本発明の不凍給水栓は、内套管と、タンクとなる、上記内套管を囲繞する大径の外套管と、上記両管の下端に接続され、内套管に開口する水排出口および外套管に開口する湯排出口を有する弁箱と、上記両管の上端に接続され、側方に入水口、入湯口、放出路をもうけ、外套管を介して上記放出路に連通し、掃除機に接続される吸引口をもうけた操作部本体と、上記操作部本体内を移動して排水時に入水口と入湯口を放出路に連通させる操作桿と、上記操作桿と連動して通止水、排水を行うべく、ロッドで操作桿と連結されて弁箱内に収容されるピストンとを備えており、水抜き時は、自然排水終了後、上記吸引口に掃除機のホース部を接続し、作動させて、その吸引力を利用して配管内の湯水を一旦外套管内に溜め、作動終了後、湯排出口から地中に自然排水するようにしたものである。
【0007】
弁箱の流入口からの水は内套管を介して入水口に流れるようにするとともに、入水口と放出路間にシリンダをもうけ、自然排水時には上記シリンダを閉塞し、電動吸引時には上記シリンダを開放する負圧作動弁を操作桿に有しめることにより、諸費用を一層安くでき、クロスコネクションも防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1において、1は地中、凍結深度以下に埋設される本発明不凍給水栓の弁箱であり、下端部に流入口2を、その上方に小径のシリンダ3とその上端の上向きの弁座4を、さらにその上方に大径のシリンダ5、6を、上端に底蓋部7を同軸上にもうける。
【0009】
側方に、弁座4とシリンダ5間からシリンダ6上方に開口するバイパス路8と、シリンダ5、6間に開口する水排出口9、底蓋部7から開口する湯排出口10をもうけ、図示しないが、それぞれの排出口には、地中からの汚水の混入を防止するための逆止弁を装着している。
【0010】
11は弁箱1に収容されるピストンであり、シリンダ5、6を摺動する環状パッキン12、13を装着し、下端部に止水パッキン14を、ビス15で離脱しないように装着している。止水パッキン14は弁座4に当接する平パッキン部16と、シリンダ3を摺動する小径環状パッキン部16’を有している。
【0011】
弁箱1は内套管17、外套管18により、ピストン11はロッド19により地上部に延長され、それぞれ、操作部本体20、操作桿21に接続される。操作部本体20は内部にシリンダ22、23を、下端に上蓋部24を同軸上にもうけ、側方に、シリンダ22の上方に入湯口25、シリンダ22、23間から上蓋部24に開口する放出路26、シリンダ23下方で紙面に直角方向に入水口27をもうけている。
【0012】
さらに、上蓋部24から、外径が先細りのテーパー状に立ち上がる吸引口28を形成し、上端の可動蓋29と下端のボール状の浮き弁30を棒状体31で連結する可動子32により開閉させるようにしている。掃除機のホースの内径は必ずしも一定でないので、吸引口28にテーパーをもうけ、適宜な位置でホースと合致させるようにしているが、アタッチメントを使用するなどの方法もある。操作部本体20の上端に、内部にOリング33を装着し、作動用雌ねじ34を形成するグランド35を接続する。
【0013】
上端にハンドル36を有し、上記作動用雌ねじ34と螺合する作動用雄ねじ37をもうけたスピンドル38を、上記操作桿21と回転自在に管吊り接続させている。
【0014】
操作桿21に装着されるOリング39、40間に細径部41を形成し、その下端部に装着される逆止Oリング42に当接し、逆止Yパッキン43がシリンダ23に密着して、湯が内套管17に入り込むことを防止する負圧作動弁44を摺動自在に装着する。その効果を一層確実にするため、負圧作動弁44をばねで軽く上から押圧するようにしても良い。また、流量的には損であるが、操作桿21内部にボール等の負圧作動弁44を収容するようにもできる。
【0015】
図示しないが、入水口27は水用のヘッダーを介して可撓管により台所等の末端の水用給水栓に接続されており、入湯口25は、湯用のヘッダー、給湯器を介して可撓管により、やはり台所等の末端の湯用給水栓に接続されている。
【0016】
図1は、凍結の恐れがあるとき、ハンドル36を回転させて不凍給水栓を全閉状態にした、自然排水状態を示しており、流入口2からの水は、止水パッキン14の小径環状パッキン部16’がシリンダ3に密着し、さらに、平パッキン部16が弁座4に押圧されているので、完全に止水されている。
【0017】
末端の給水栓に至る配管内の水は入水口27、内套管17を通って水排出口9から地中に排出されており、末端の給水栓に至る配管内の湯は、負圧作動弁44により、内套管17側への混入が防止されているので、放出路26から外套管18内に排出され、さらに湯排出口10から、やはり地中に排出されている。
【0018】
しかし、落差による自然排水だけでは、上述した交差配管箇所などに水が残り、凍結して水が出ないと言う事故につながるため、自然排水が終わった状態から、掃除機のホースを吸引口28に填め込み接続し、作動させると、可動蓋29は浮き弁30の重力に抗して一定程度上昇し、外套管18内が強い負圧状態になるので、負圧作動弁44が上昇して逆止Yパッキン43がシリンダ23から離脱し、水排出口9と湯排出口10は逆止弁で閉じられているため、可撓管内の残り湯水は、入湯口25、入水口27から放出路26を通って、外套管18内に貯留されていく。
【0019】
一定時間経過して掃除機の作動を停止したときには、可撓管内の湯水は大部分外套管18内に貯留され、少なくとも可撓管内が満水で、凍結し、再通水時に水が出ないという事故は防止できる。掃除機が作動を停止し、負圧状態が解消されると同時に外套管18内に溜まった湯水は湯排出口10から地中に排出され、外套管18内は再び空になる。
【0020】
不凍給水栓を排水状態にした後、すぐ掃除機を作動させると、外套管18内に貯留される水がそれだけ多くなり、場合によっては外套管18内が満水状態になってしまう恐れがあるため、ハンドル36を閉栓状態にして自然排水状態終了後、掃除機を作動させ、さらに可撓管内の湯水がこれ以上外套管18内に吸引されない状態で掃除機を作動停止させることが望ましく、何らかの方法でその時間も含めて表示させる必要があるが、あらかじめ時間がセットされたタイマーを介して掃除機を家庭のコンセントに接続すれば、使用者が時間を気にする必要がないので、例えば、吸引口28部分等に付属品としてセットしておく方法もある。
【0021】
上述したようなことが原因で外套管内の水位が上昇し、浮き弁30まで達したときは、浮き弁30が吸引口28を閉塞して、掃除機内に水が入り込むことのないようにしている。吸引口28が閉塞された時は掃除機の音が変わるので、一旦スイッチを切って、自然排水させた後で、再び、スイッチを入れればよい。
【0022】
次に通水状態にするときは、ハンドル36を回転させると、スピンドル38は作動用雄ねじ37により回転しながら上昇し、それに伴って操作桿21、操作桿21にロッド19で接続されたピストン11は回転することなく上昇し、まず、操作桿21のOリング39、40がシリンダ22、23に密着し、さらに、ピストン11の環状パッキン13がシリンダ6に密着した後で、止水パッキン14の小径環状パッキン部16’がシリンダ3から離脱し、通水状態になる。
【0023】
流入口2からの水は、バイパス路8、内套管17を通って入水口27から水用のヘッダーへと流れ、さらに給湯器を通って湯用のヘッダーに入り、入湯口25へ通じている。Oリング39、40により、放出路26は閉塞されているが、万一、どちらかのOリングに傷が付いて漏水が生じた場合でも、放出路26側へと排出され、湯水が混合することはなく、また、上述したように、排水時、負圧作動弁44により湯が内套管17内に侵入することもないので、通水状態および排水状態に於ける湯水のクロスコネクションを有効に防止できる。
【0024】
図2およびその直角方向断面図の図3に本発明の他の実施例を示すが、弁箱1には側方に流入口2、流出口45、水排出口9、湯排出口10をもうけ、内部には上から順に4個のシリンダ46、47、48、49をもうけ、ピストン11には上記4個のシリンダをそれぞれ摺動する4個の環状パッキン50、51、52、53を装着している。
【0025】
操作部本体20は、入水口27、入湯口25、放出路26を段差をもうけず、同一軸心上に形成し、入水口27内にばね54によりOリングの止水弁座55に押圧された止水体56を挿入しており、入湯口25にも同様に、ばね54’によりOリングの止湯弁座55’に押圧された止湯体56’を収容している。
【0026】
操作桿21には、下端部に装着されるOリング57の上方に押圧部58が全周に亘ってもうけられており、外套管18の上端に円筒状の浮き弁30を着座させている。
【0027】
図は通水状態を示しており、流入口2からの水は、流出口45、図示しないが立上管を通り、水用ヘッダーに至り、入水口27、さらに給湯器を介して入湯口25に至っている。この状態では環状パッキン51、53、止水体56、止湯体56’により漏水は防止されている。
【0028】
この状態から水抜き操作をするときは、ハンドル操作により、操作桿21とともにピストン11を上昇させると良く、まず、ピストン11の環状パッキン52がシリンダ48に密着して流入口2からの水を遮断し、同時に操作桿21のOリング57がシリンダ59に密着し、その後でピストン11の環状パッキン51がシリンダ47から離脱するが、同時に操作桿21の押圧部58が止水体56、止湯体56’を押圧して弁座55、55’から離脱させ、可撓管内の水は立上管を通って水排出口9あるいは入水口27から放出路26、外套管18を通って湯排出口10から地中に排出され、可撓管内の湯は入湯口25から同じく放出路26、外套管18を通って湯排出口10から地中に排出される。この時、Oリング57、環状パッキン50により、内套管17には湯水が侵入しない。
【0029】
自然排水終了後、掃除機で強制排水する場合は、上述した実施例と同様である。本実施例においては、立上管が必要になるので図1の実施例よりコスト高になるが、ピストンに水圧による上昇力、下降力が働かないので、操作部をカム機構、レバー機構等にでき、ハンドル操作が容易になるという利点がある。
【0030】
【発明の効果】
このように、自然排水させた後で、配管内の残り湯水を掃除機で強制吸引する方式を採用しているので、交差配管のように上がり下がり部分が生じても、考えられる通常の床転がし配管程度では、掃除機に一定の吸い込み能力さえあれば、可撓管内が閉塞されるような水残りは生ぜず、従って、凍結により、再通水が不可能になるという事故も生じないという効果の他に、床下に電動装置をもうけなくても良いので、湿気等による故障の心配がない、強制排水時、一時的に水を溜めておくタンクを不凍給水栓にもうけ、弁箱にもうける排出口から地中に排出するようにしているので、そのためのタンクを別に設置し、他の排水管に接続するという工事手間が省け、特別の電動吸引装置や、吸引装置に接続される、通水、排水時の湯水用切換バルブを省略でき、非常に低コストのヘッダー配管用凍結防止装置を提供できるという利点も併せ有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不凍給水栓の1実施例を示す、自然排水状態に於ける縦断面図である。
【図2】本発明の不凍給水栓の他の実施例を示す、通水状態に於ける部分縦断面図である。
【図3】図2の直角方向の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
2 流入口
9 水排出口
10 湯排出口
11 ピストン
17 内套管
18 外套管
19 ロッド
20 操作部本体
21 操作桿
23 シリンダ
25 入湯口
26 放出路
27 入水口
28 吸引口
44 負圧作動弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒冷地で施工されるヘッダー配管の凍結防止装置に関し、特に、排水のための勾配を取らなくても配管内の湯水を確実に排出しうるよう、強制吸引するための家庭用電気掃除機等の電動吸引装置(以下、掃除機と総称する)に接続される、ヘッダー配管用不凍給水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、管の腐食防止、施工性および配管更新の容易さ、工事費の削減、室内配管スペースの有効利用等の観点から、室内の水、湯回りにヘッダー配管が普及するようになってきた。
【0003】
これは、あらかじめ床下スラブコンクリ−ト部等にガイドとなる樹脂製さや管を敷設しておき、給湯器やパイプシャフト水回りの周辺など、施工、維持管理の容易な場所に設置したヘッダ−から、途中で分岐することなく、各部屋の給水栓へ架橋ポリエチレン、ポリブテンの様な樹脂管を給水管、給湯管(以下、可撓管と総称する)として配管するシステムであり、配管途中に分岐のための継手を使用しないので漏水の発生が少なくなる、同時使用した場合の給水、給湯量の変化が少ない等の利点もあり、今後も一層の普及が予想される配管システムである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、床下に設置され、しかも樹脂管なので、自由に配管できる反面、どうしても撓み部分ができ、交差配管もあり、水を抜くための一様な勾配を設けた配管が困難となるという問題があり、一方、比較的水抜きが容易と言われる天井配管も完全とは言い難く、材料代その他、施工費が高くつき、そのことが、寒冷地でのヘッダー配管の本格的な普及の妨げになっていた。
【0005】
そのため本発明においては、水抜き時に、強い負圧を起こして強制的に配管内の湯水を排出させるために掃除機を使用し、且つ、掃除機に接続できる、非常に低コストで故障の少ない凍結防止装置を、不凍給水栓として提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため本発明の不凍給水栓は、内套管と、タンクとなる、上記内套管を囲繞する大径の外套管と、上記両管の下端に接続され、内套管に開口する水排出口および外套管に開口する湯排出口を有する弁箱と、上記両管の上端に接続され、側方に入水口、入湯口、放出路をもうけ、外套管を介して上記放出路に連通し、掃除機に接続される吸引口をもうけた操作部本体と、上記操作部本体内を移動して排水時に入水口と入湯口を放出路に連通させる操作桿と、上記操作桿と連動して通止水、排水を行うべく、ロッドで操作桿と連結されて弁箱内に収容されるピストンとを備えており、水抜き時は、自然排水終了後、上記吸引口に掃除機のホース部を接続し、作動させて、その吸引力を利用して配管内の湯水を一旦外套管内に溜め、作動終了後、湯排出口から地中に自然排水するようにしたものである。
【0007】
弁箱の流入口からの水は内套管を介して入水口に流れるようにするとともに、入水口と放出路間にシリンダをもうけ、自然排水時には上記シリンダを閉塞し、電動吸引時には上記シリンダを開放する負圧作動弁を操作桿に有しめることにより、諸費用を一層安くでき、クロスコネクションも防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1において、1は地中、凍結深度以下に埋設される本発明不凍給水栓の弁箱であり、下端部に流入口2を、その上方に小径のシリンダ3とその上端の上向きの弁座4を、さらにその上方に大径のシリンダ5、6を、上端に底蓋部7を同軸上にもうける。
【0009】
側方に、弁座4とシリンダ5間からシリンダ6上方に開口するバイパス路8と、シリンダ5、6間に開口する水排出口9、底蓋部7から開口する湯排出口10をもうけ、図示しないが、それぞれの排出口には、地中からの汚水の混入を防止するための逆止弁を装着している。
【0010】
11は弁箱1に収容されるピストンであり、シリンダ5、6を摺動する環状パッキン12、13を装着し、下端部に止水パッキン14を、ビス15で離脱しないように装着している。止水パッキン14は弁座4に当接する平パッキン部16と、シリンダ3を摺動する小径環状パッキン部16’を有している。
【0011】
弁箱1は内套管17、外套管18により、ピストン11はロッド19により地上部に延長され、それぞれ、操作部本体20、操作桿21に接続される。操作部本体20は内部にシリンダ22、23を、下端に上蓋部24を同軸上にもうけ、側方に、シリンダ22の上方に入湯口25、シリンダ22、23間から上蓋部24に開口する放出路26、シリンダ23下方で紙面に直角方向に入水口27をもうけている。
【0012】
さらに、上蓋部24から、外径が先細りのテーパー状に立ち上がる吸引口28を形成し、上端の可動蓋29と下端のボール状の浮き弁30を棒状体31で連結する可動子32により開閉させるようにしている。掃除機のホースの内径は必ずしも一定でないので、吸引口28にテーパーをもうけ、適宜な位置でホースと合致させるようにしているが、アタッチメントを使用するなどの方法もある。操作部本体20の上端に、内部にOリング33を装着し、作動用雌ねじ34を形成するグランド35を接続する。
【0013】
上端にハンドル36を有し、上記作動用雌ねじ34と螺合する作動用雄ねじ37をもうけたスピンドル38を、上記操作桿21と回転自在に管吊り接続させている。
【0014】
操作桿21に装着されるOリング39、40間に細径部41を形成し、その下端部に装着される逆止Oリング42に当接し、逆止Yパッキン43がシリンダ23に密着して、湯が内套管17に入り込むことを防止する負圧作動弁44を摺動自在に装着する。その効果を一層確実にするため、負圧作動弁44をばねで軽く上から押圧するようにしても良い。また、流量的には損であるが、操作桿21内部にボール等の負圧作動弁44を収容するようにもできる。
【0015】
図示しないが、入水口27は水用のヘッダーを介して可撓管により台所等の末端の水用給水栓に接続されており、入湯口25は、湯用のヘッダー、給湯器を介して可撓管により、やはり台所等の末端の湯用給水栓に接続されている。
【0016】
図1は、凍結の恐れがあるとき、ハンドル36を回転させて不凍給水栓を全閉状態にした、自然排水状態を示しており、流入口2からの水は、止水パッキン14の小径環状パッキン部16’がシリンダ3に密着し、さらに、平パッキン部16が弁座4に押圧されているので、完全に止水されている。
【0017】
末端の給水栓に至る配管内の水は入水口27、内套管17を通って水排出口9から地中に排出されており、末端の給水栓に至る配管内の湯は、負圧作動弁44により、内套管17側への混入が防止されているので、放出路26から外套管18内に排出され、さらに湯排出口10から、やはり地中に排出されている。
【0018】
しかし、落差による自然排水だけでは、上述した交差配管箇所などに水が残り、凍結して水が出ないと言う事故につながるため、自然排水が終わった状態から、掃除機のホースを吸引口28に填め込み接続し、作動させると、可動蓋29は浮き弁30の重力に抗して一定程度上昇し、外套管18内が強い負圧状態になるので、負圧作動弁44が上昇して逆止Yパッキン43がシリンダ23から離脱し、水排出口9と湯排出口10は逆止弁で閉じられているため、可撓管内の残り湯水は、入湯口25、入水口27から放出路26を通って、外套管18内に貯留されていく。
【0019】
一定時間経過して掃除機の作動を停止したときには、可撓管内の湯水は大部分外套管18内に貯留され、少なくとも可撓管内が満水で、凍結し、再通水時に水が出ないという事故は防止できる。掃除機が作動を停止し、負圧状態が解消されると同時に外套管18内に溜まった湯水は湯排出口10から地中に排出され、外套管18内は再び空になる。
【0020】
不凍給水栓を排水状態にした後、すぐ掃除機を作動させると、外套管18内に貯留される水がそれだけ多くなり、場合によっては外套管18内が満水状態になってしまう恐れがあるため、ハンドル36を閉栓状態にして自然排水状態終了後、掃除機を作動させ、さらに可撓管内の湯水がこれ以上外套管18内に吸引されない状態で掃除機を作動停止させることが望ましく、何らかの方法でその時間も含めて表示させる必要があるが、あらかじめ時間がセットされたタイマーを介して掃除機を家庭のコンセントに接続すれば、使用者が時間を気にする必要がないので、例えば、吸引口28部分等に付属品としてセットしておく方法もある。
【0021】
上述したようなことが原因で外套管内の水位が上昇し、浮き弁30まで達したときは、浮き弁30が吸引口28を閉塞して、掃除機内に水が入り込むことのないようにしている。吸引口28が閉塞された時は掃除機の音が変わるので、一旦スイッチを切って、自然排水させた後で、再び、スイッチを入れればよい。
【0022】
次に通水状態にするときは、ハンドル36を回転させると、スピンドル38は作動用雄ねじ37により回転しながら上昇し、それに伴って操作桿21、操作桿21にロッド19で接続されたピストン11は回転することなく上昇し、まず、操作桿21のOリング39、40がシリンダ22、23に密着し、さらに、ピストン11の環状パッキン13がシリンダ6に密着した後で、止水パッキン14の小径環状パッキン部16’がシリンダ3から離脱し、通水状態になる。
【0023】
流入口2からの水は、バイパス路8、内套管17を通って入水口27から水用のヘッダーへと流れ、さらに給湯器を通って湯用のヘッダーに入り、入湯口25へ通じている。Oリング39、40により、放出路26は閉塞されているが、万一、どちらかのOリングに傷が付いて漏水が生じた場合でも、放出路26側へと排出され、湯水が混合することはなく、また、上述したように、排水時、負圧作動弁44により湯が内套管17内に侵入することもないので、通水状態および排水状態に於ける湯水のクロスコネクションを有効に防止できる。
【0024】
図2およびその直角方向断面図の図3に本発明の他の実施例を示すが、弁箱1には側方に流入口2、流出口45、水排出口9、湯排出口10をもうけ、内部には上から順に4個のシリンダ46、47、48、49をもうけ、ピストン11には上記4個のシリンダをそれぞれ摺動する4個の環状パッキン50、51、52、53を装着している。
【0025】
操作部本体20は、入水口27、入湯口25、放出路26を段差をもうけず、同一軸心上に形成し、入水口27内にばね54によりOリングの止水弁座55に押圧された止水体56を挿入しており、入湯口25にも同様に、ばね54’によりOリングの止湯弁座55’に押圧された止湯体56’を収容している。
【0026】
操作桿21には、下端部に装着されるOリング57の上方に押圧部58が全周に亘ってもうけられており、外套管18の上端に円筒状の浮き弁30を着座させている。
【0027】
図は通水状態を示しており、流入口2からの水は、流出口45、図示しないが立上管を通り、水用ヘッダーに至り、入水口27、さらに給湯器を介して入湯口25に至っている。この状態では環状パッキン51、53、止水体56、止湯体56’により漏水は防止されている。
【0028】
この状態から水抜き操作をするときは、ハンドル操作により、操作桿21とともにピストン11を上昇させると良く、まず、ピストン11の環状パッキン52がシリンダ48に密着して流入口2からの水を遮断し、同時に操作桿21のOリング57がシリンダ59に密着し、その後でピストン11の環状パッキン51がシリンダ47から離脱するが、同時に操作桿21の押圧部58が止水体56、止湯体56’を押圧して弁座55、55’から離脱させ、可撓管内の水は立上管を通って水排出口9あるいは入水口27から放出路26、外套管18を通って湯排出口10から地中に排出され、可撓管内の湯は入湯口25から同じく放出路26、外套管18を通って湯排出口10から地中に排出される。この時、Oリング57、環状パッキン50により、内套管17には湯水が侵入しない。
【0029】
自然排水終了後、掃除機で強制排水する場合は、上述した実施例と同様である。本実施例においては、立上管が必要になるので図1の実施例よりコスト高になるが、ピストンに水圧による上昇力、下降力が働かないので、操作部をカム機構、レバー機構等にでき、ハンドル操作が容易になるという利点がある。
【0030】
【発明の効果】
このように、自然排水させた後で、配管内の残り湯水を掃除機で強制吸引する方式を採用しているので、交差配管のように上がり下がり部分が生じても、考えられる通常の床転がし配管程度では、掃除機に一定の吸い込み能力さえあれば、可撓管内が閉塞されるような水残りは生ぜず、従って、凍結により、再通水が不可能になるという事故も生じないという効果の他に、床下に電動装置をもうけなくても良いので、湿気等による故障の心配がない、強制排水時、一時的に水を溜めておくタンクを不凍給水栓にもうけ、弁箱にもうける排出口から地中に排出するようにしているので、そのためのタンクを別に設置し、他の排水管に接続するという工事手間が省け、特別の電動吸引装置や、吸引装置に接続される、通水、排水時の湯水用切換バルブを省略でき、非常に低コストのヘッダー配管用凍結防止装置を提供できるという利点も併せ有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不凍給水栓の1実施例を示す、自然排水状態に於ける縦断面図である。
【図2】本発明の不凍給水栓の他の実施例を示す、通水状態に於ける部分縦断面図である。
【図3】図2の直角方向の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
2 流入口
9 水排出口
10 湯排出口
11 ピストン
17 内套管
18 外套管
19 ロッド
20 操作部本体
21 操作桿
23 シリンダ
25 入湯口
26 放出路
27 入水口
28 吸引口
44 負圧作動弁
Claims (2)
- 内套管と、タンクとなる、上記内套管を囲繞する大径の外套管と、上記両管の下端に接続され、内套管に開口する水排出口および外套管に開口する湯排出口を有する弁箱と、上記両管の上端に接続され、側方に入水口、入湯口、放出路をもうけ、外套管を介して上記放出路に連通し、掃除機に接続される吸引口をもうけた操作部本体と、上記操作部本体内を移動して排水時に入水口と入湯口を放出路に連通させる操作桿と、上記操作桿と連動して通止水、排水を行うべく、ロッドで操作桿と連結されて弁箱内に収容されるピストンとを備えたヘッダー配管用不凍給水栓。
- 弁箱の流入口からの水は内套管を介して入水口に流れるようにするとともに、入水口と放出路間にシリンダをもうけ、自然排水時には上記シリンダを閉塞し、電動吸引時には上記シリンダを開放する負圧作動弁を操作桿に有せしめた請求項1記載のヘッダー配管用不凍給水栓。
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