JP3620519B2 - 湯水抜栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、寒冷地で水道配管の凍結防止のために使用される水抜栓に関し、特に、湯と水を1回の操作で同時に排出させるようにした湯水抜栓に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、寒冷地において、凍結防止のために水まわり配管内の水だけでなく、湯回り配管内の湯も排出する場合には、例えば同一出願人による特願平8−294798号公報のように、水抜栓の下流側配管内に湯と水を同時に排出する湯水排出弁をもうけ、水抜栓を排水状態にした後で湯水排出弁を開き、湯と水を同時に排出するようにしたものが多く使用されていた。
【0003】
しかし上記のものにおいては、使用者が、水抜栓と湯水排出弁の2回の操作をしなければならず、面倒であり、操作方法を間違えば、湯水排出弁から水が噴き出したままになる危険性もあった。また、弁を2個使用しなければならないので、当然コストも上昇する。
【0004】
そのため、特開平10−114974号公報のように、水抜栓の弁箱に湯受け口を流出口と別体に設け、地中を配管して給湯器からの湯配管と接続し、水抜栓の1回の操作で、湯と水を同時に、しかも別々に排出する方法が提案されている。上述のものによれば、操作も簡単になり、操作ミスも生じないが、弁構造が複雑で、また、地中を湯配管していかなければならないため、やはりコストが高くなり、さらに、配管内の湯が長期間に亘って流動することがない、停滞水部分が多くなり、いかに飲み水ではないといえ、決して好ましいことではない、という問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題を解決するために出願されたものであり、1回の操作で湯と水を別々に排出でき、コストの安い、しかも、停滞水をできるだけ少なくした湯水抜栓を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため本発明の水抜栓は、流入口、流出口、排水口を有する弁箱の上端から延長されるパイプの地上部に、給湯管に接続される受湯口を位置させて設け、通水時は上記受湯口からの湯を、弁箱内に収容されるピストンにロッドを介して連結される受湯桿で遮断し、ピストンが移動して流入口、流出口間が遮断され、流出口、排水口間が開口して給水管内の水が排水口から排出したときに、受湯桿も移動して受湯口を開口し、給湯管からの湯を流出口側に混入しないよう排出させるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて実施形態を詳細に説明する。図4に本発明の湯水抜栓の設置状態図の1実施例を示すが、図は湯水を床下配管している例であり、地中に埋設された引込管1に接続された湯水抜栓2から地上部に延長される給水管3はチーズ4により分岐され、1つは給湯器5に接続される。給湯器5からの給湯管6はチーズ4’により分岐され、一端が湯水抜栓2の受湯金具7に接続される。
【0008】
湯水抜栓2の上端操作部は、2個のユニバーサルジョイント8,8’、連結棒9,9’により、床10に固定された床ハンドル11に連結される。湯水抜栓2の操作方法はその他にもいろいろあり、電動にして床上に設けた制御ボックスのスイッチで遠隔操作するようにしても良いし、改め口の蓋を開き、手を差し込んでハンドル操作するようにしても良い。また、受湯金具7はその位置のままで、別のパイプで上方にまっすぐ床上まで延長し、操作部を、床上に出すようにすることもできる。
【0009】
床ハンドル11は、同一出願人による実公昭60−28855号公報と同様のものを使用しており、操作時には把手(図示せず)を屹立させて回転させ、その回転力を連結棒9,9’、ユニバーサルジョイント8,8’を介して湯水抜栓2に伝えるようにしている。通常状態においては、床ハンドル11は床10とほぼ同じ高さになっているので、日常生活の邪魔にならず、便利である。
【0010】
最近は、できるだけ配管を室内に露出させないようにするため、給水管3および給湯管6は床下で適宜な勾配を設けて横配管し、台所、洗面所等、必要箇所に立ち上げることが多くなっており、水抜栓も段々床上に突出させないようになってきている。なお、湯水抜栓2には、地中の汚水が入り込まないよう水と湯の排出口に逆止弁12,12’を取り付けている。
【0011】
図1に本発明の湯水抜栓2の一実施例を示しているが、弁箱13側壁に下方から順に、流入口14,流出口15,水の排出口となる排水口16,湯の排出口となる排湯口17を設け、内部には、上から順に、シリンダ18,19,20,21を形成する。排水口16,排湯口17には図4の逆止弁12,12’が取り付けられる。
【0012】
弁箱13内には、上記シリンダ18,19,20,21をそれぞれ摺動する4個の環状パッキン22,23,24,25を装着するピストン26が収容されており、下端から環状パッキン22,23間に開口する連通口27を穿っている。連通口27は、環状パッキン22上方に開口するようにしても良い。
【0013】
弁箱13はパイプ28により地上部まで延長され、上端に支持金具29を接続し、さらにその上端に、内面に操作用雌ねじ30を有する操作金具31を接続する。側方に受湯口32を有する受湯金具33を、図4の給湯管6と接続が容易なように、操作金具31と支持金具29間に回転自在に位置させている。支持金具29は受湯口32に対応する位置に、複数個の横穴34を穿ち、その上下に受湯シリンダ35,36を形成する。
【0014】
操作金具31内には、上記作動用雌ねじ30に螺合する作動用雄ねじ37を有する操作桿38を収容し、その下端部に、上記受湯シリンダ35,36を摺動する2個の受湯パッキン39,40を装着する受湯桿41を回転自在に管吊連結している。受湯桿41は、ロッド42によりピストン26と連結されている。なお、43,44は漏水防止用Oリングである。
【0015】
図は通水状態を示しており、流入口14からの水は流出口15、図4の給水管3を通って、給湯器5あるいはチーズ4で分岐されて台所等、他の末端器具にまで達している。給湯管6からの湯はチーズ4’で分岐され、受湯口32側と、やはり台所等、他の末端器具にまで達している。この状態では、環状パッキン23,25および受湯パッキン39,40により湯水の漏水は防止されている。
【0016】
この状態から、凍結防止のため配管内の湯水を抜きたいときには、図4の床ハンドル11を操作して操作桿38を回転させると良く、作動用雄ねじ37が操作金具31の作動用雌ねじ30に螺合しているので、操作桿38は回転しながら上昇し、それに伴って、操作桿38に管吊結合された受湯桿41、受湯桿41にロッド42により連結されたピストン26は回転することなく上昇する。
【0017】
その時、まず環状パッキン24がシリンダ20に密着して流入口14からの水を遮断し、その後で環状パッキン23がシリンダ19から、受湯パッキン40が受湯シリンダ36から離脱して、給水管3内の水は排水口16、給湯管6内の湯はパイプ28を通って排湯口17から、それぞれ地中に排出される。
【0018】
排水口16、排湯口17には図4のように逆止弁12,12’が取り付けられているため、排出された湯水が弁箱13,パイプ28内に逆流することはない。また、この状態でも環状パッキン22はシリンダ18に密着しているため、汚染水と考えられている湯が、流出口15側に入り込むことはないが、通水状態で環状パッキン22をシリンダ18から下方に離脱させておき、排水状態でシリンダ18に密着させても良く、その分だけ弁箱13を短くできる。
【0019】
図2に本発明の弁箱の他の実施例を排水状態で示しているが、図1の排湯口17を省略し、湯も水も排水口16から排出させようというものであり、そのかわりピストン26の連通口27内に逆止ボール45を収容し、パイプ28から排水口16へ排出される湯が、流出口15側に侵入することを防止するようにしている。
【0020】
すなわち、流出口15からの水は、環状パッキン22が排水口16下方にもうけた最上端シリンダ18に密着しているため、下側排水横穴46を通って逆止ボール45を上昇させ、上側排水横穴47から排水口16へと排出されている。この時、湯も同時に排水口16から排出されているが、もし、湯の排出勢いが水のそれに勝っているときは、逆止ボール45を逆止弁座48に押圧し、流出口15側に湯は入り込まないようになっている。
【0021】
排水終了後は、逆止ボール45が逆止弁座48に密着して流出口15内に地中の汚水が入り込むことはないが、パイプ28を介して給湯管6側に汚水が入り込むことのないよう、排水口6には逆止弁12を取り付けている。本実施例のものは、排湯口17を省略できるのでそれだけコストが安く付くという利点があるが、いずれにしても、図1,図2の実施例においては、パイプ28に湯の排出路という新たな機能を付加した、新規性のあるもので、湯を地下配管するより材料費、工事費を大幅に安くでき、メンテナンスも容易にしたものである。
【0022】
図3示す実施例は、排湯口17を地上部に設け、湯をパイプ28でなく、樹脂製の外パイプ49から地中に排出させようとするもので、従来の水抜栓の弁箱をそのまま流用できる利点がある。
【0023】
弁箱13は一例として、流入口14を流出口15の上方に位置させ、排水口16を最下端部に設けたものを採用しており、内部に下から順に3個のシリンダ19,20,21を形成し、ピストン26には上記シリンダを摺動する、下から順に3個の環状パッキン23,24,25を装着する。
【0024】
パイプ28上端に接続される支持金具29側方に受湯口32,排湯口17を形成し、内部に3個の受湯シリンダ35,36,50を有している。上記シリンダ35,36,50を摺動する3個の受湯パッキン39,40,51を装着する受湯桿41内部に操作桿38を貫通させており、操作桿38の下端部にロッド継手52を管吊接続している。
【0025】
排湯口17は下向きL字状に曲げられ、下端部に比重が1より小さい樹脂製ボール53をピン54により離脱しないよう収容し、排水状態で万一、水位が床浸水等により上昇した場合にも、排湯弁座55に密着して受湯口32側に逆流することがないようにしている。
【0026】
図の通水状態から、排水状態にするときは、操作桿38を回転、下降させるとよく、ピストン26は回転することなく下降し、まず、環状パッキン24がシリンダ20に密着し、その後で環状パッキン23がシリンダ19から離脱して、排水口16から排水が始まるとともに、作動用雄ねじ37の下端部が受湯桿41に当接して、受湯桿41を回転させずに下降させ、受湯パッキン40が受湯シリンダ36から離脱し、受湯口32からの湯は、排湯口17を通って外パイプ49に放出され、下端部に設けた樹脂製底蓋56の排出穴57から地中に排出される。
【0027】
受湯桿41は、ピストン26よりストロークを少なくすることができるので、支持金具29をそれだけ短くすることができる。外パイプ49を使用せず、排湯口17にホースを接続し、台所や洗面所等の排水管に導くことも可能である。本発明湯水抜栓の弁構造および操作機構は種々のものが考えられ、弁座を有するもの、作動用ネジを使用せず、カム機構を用いて操作を簡単にしたもの等、自由に設計変更可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、基本的には地上部に設けた受湯口部分で湯を遮断し、排水時は、パイプを通って地中に排出するようにしているため、1回の操作で湯と水を排出させることができ、操作ミスにより、水を漏水させてしまうという事故も生ぜず、弁構造も簡単にでき、余分な地中配管をすることもないので、コストが安くつき、停滞水も少なくなるので衛生的である、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湯水抜栓の1実施例を示す、通水常態における縦断面図である。
【図2】本発明の湯水抜栓の他の実施例を示す、排水状態における部分縦断面図である。
【図3】本発明の湯水抜栓のもう一つの実施例を示す、通水状態における縦断面図である。
【図4】本発明の湯水抜栓の設置状態図である。
【符号の説明】
3 給水管
6 給湯管
13 弁箱
14 流入口
15 流出口
16 排水口
17 排湯口
26 ピストン
28 パイプ
32 受湯口
41 受湯桿
42 ロッド
Claims (1)
- 流入口、流出口、排水口を有する弁箱の上端から延長されるパイプの地上部に、給湯管に接続される受湯口を位置させて設け、通水時は上記受湯口からの湯を、弁箱内に収容されるピストンにロッドを介して連結される受湯桿で遮断し、ピストンが移動して流入口、流出口間が遮断され、流出口、排水口間が開口して、給水管内の水が排水口から排出したときに、受湯桿も移動して受湯口を開口し、給湯管からの湯を流出口側に混入しないよう排出させることを特徴とする湯水抜栓。
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JP2002194381A JP3620519B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 湯水抜栓 |
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JP2002194381A Expired - Lifetime JP3620519B2 (ja) | 2002-07-03 | 2002-07-03 | 湯水抜栓 |
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-
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- 2002-07-03 JP JP2002194381A patent/JP3620519B2/ja not_active Expired - Lifetime
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