JP3589814B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パワーステアリング装置に関し、特に、モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧によって操舵を補助する、いわゆる油圧式のパワーステアリング装置に関する。
なお、この明細書で使用する用語「操舵」は、所定値以上のトルクが加えられながらステアリングホイールが操作されていることを意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータによりオイルポンプを回転させ、オイルポンプからパワーシリンダに作動油を供給することで、ステアリングホイールの操作力を軽減させる油圧式のパワーステアリング装置が公知である。
この種のパワーステアリング装置では、通常、オルタネータの発生電圧によって充電されるバッテリから、モータの駆動に必要な電流が取り出されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、駐車をしようとしているときなどでは、エンジンの回転数が所定のアイドル通常値に安定するようにエンジンの回転数が調整されているアイドリング状態で操舵が行われる場合が多い。このような場合には比較的大きな操舵補助力が必要なので、モータには大電流を供給する必要がある。したがって、バッテリの負荷が急増し、バッテリの残容量が急激に低下する。そのため、オルタネータの負荷が急増する。その結果、エンジンの負荷も急増し、エンジンの回転数がアイドル通常値から急激に低下する。そのため、車体に不快な振動が発生するおそれがある。
【0004】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、アイドリング時に操舵が行われる場合でも、車体に不快な振動が発生するのを最小限に抑えることができるパワーステアリング装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、エンジンを有する車両に搭載され、モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧により操舵を補助するためのパワーステアリング装置であって、操舵の終了を検知するための操舵終了検知手段と、この操舵終了検知手段によって操舵の終了が検知された場合に、上記エンジンのアイドル回転数を所定時間にわたって増加させるための回転数制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0006】
この発明では、操舵の終了が検知された場合には、アイドリング時におけるエンジンの回転数であるアイドル回転数が所定時間にわたって増加される。したがって、駐車しようとする場合のように、アイドリング状態で操舵が開始され操舵終了後もそのままの状態が維持される場合には、操舵終了後のエンジンのアイドル回転数を通常値よりも高くすることができる。そのため、その後すぐに操舵を開始し、アイドリング状態で操舵補助が行われた結果エンジンの負荷が急増した場合でも、アイドル回転数が通常値未満に低下することはない。よって、操舵補助中において車体に不快な振動が発生するのを防止できる。
【0007】
上記所定時間は、たとえば駐車時などの操作で操舵が行われてない時間に設定される。
請求項2記載の発明は、エンジンを有する車両に搭載され、モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧により操舵を補助するためのパワーステアリング装置であって、その後に操舵が行われる可能性の高い操作である操舵前操作が行われたか否かを検知するための操作検知手段と、この操作検知手段によって上記操舵前操作が行われたことが検知された場合に、上記エンジンのアイドル回転数を増加させるための回転数制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0008】
上記操舵前操作には、ギアチェンジ操作、ブレーキペダル踏込み操作、方向指示器操作、アクセルペダル踏込み操作などが含まれる。
この発明では、操舵前操作が行われた場合には、アイドル回転数が増加される。したがって、駐車しようとする場合のように、アイドリング状態でブレーキペダルが踏込まれた後操舵が行われる場合、操舵開始前からアイドル回転数を通常値よりも高くすることができる。そのため、操舵時にエンジンの負荷が急増しても、アイドル回転数が通常値よりも低くなることはない。よって、操舵時において車体に不快な振動が生じるのを防止できる。
【0009】
なお、操舵前操作が行われたと検知された場合に増加されたアイドル回転数を、たとえば操舵が終了したことが検知されてから所定時間経過後に元の通常値に戻すようにしておけば、操舵終了後もアイドル回転数を通常値以上に維持することができるから、さらに好ましい。
これを実現するための構成は、たとえば次に示すようなものである。すなわち、エンジンを有する車両に搭載され、モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧により操舵を補助するためのパワーステアリング装置であって、その後に操舵が行われる可能性の高い操作である操舵前操作が行われたか否かを検知するための操作検知手段と、この操作検知手段によって上記操舵前操作が行われたことが検知された場合に、上記エンジンのアイドル回転数を増加させるための回転数制御手段と、操舵の終了を検知するための操舵終了検知手段と、この操舵終了検知手段によって操舵の終了が検知されてから所定時間経過後に、上記エンジンのアイドル回転数を通常値に戻すための手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態のパワーステアリング装置の構成を示す概要図である。このパワーステアリング装置は、エンジン30を有する車両に装着されて使用されるもので、ステアリング機構1における操舵を補助するためのものである。
【0011】
ステアリング機構1には、ステアリングホイール2が備えられている。ステアリングホイール2にはステアリング軸3が連結されており、このステアリング軸3の先端部にはピニオンギア4が取り付けられている。ピニオンギア4は、車幅方向に延びたラックギア5に噛合している。ラックギア5には、タイロッド6を介してタイヤ7が取り付けられている。
【0012】
ステアリングホイール2が操作され、その回転力がステアリング軸3に伝達されると、その先端部のピニオンギア4が回転し、これに伴ってラックギア5が車幅方向に移動する。その結果、ラックギア5の移動がタイロッド6に伝達され、タイヤ7の向きが変わる。
ラックギア5に関連して、操舵補助力を発生するためのパワーシリンダ20が備えられている。パワーシリンダ20は、ラックギア5に連結されたピストン21と、このピストン21によって区画される一対のシリンダ室20a,20bとを含む。シリンダ室20a,20bには、それぞれ破線で示すオイル供給路22a,22bを介して油圧制御弁23からの作動油が供給されるようになっている。
【0013】
油圧制御弁23は、破線で示すオイル循環路24の途中に介装されている。オイル循環路24は、リザーバタンク25に貯留されている作動油がオイルポンプ26で汲み出され、この汲み出された作動油がオイルポンプ26から吐出された後再びリザーバタンク25に戻る経路である。
オイルポンプ26は、モータMによって駆動される。オイルポンプ26がモータMによって駆動されている場合には作動油はオイル循環路24を循環し、駆動されていない場合には作動油の循環は停止している。
【0014】
油圧制御弁23は、ステアリング軸3に取り付けられたトーションバー8のねじれ方向およびねじれ量、すなわちステアリング軸3に加えられるトルクの方向および大きさに応じて開度が変化する。これにより、作動油のパワーシリンダ20への供給状態が変化する。
より具体的には、トーションバー8に一方方向にねじれが加わった場合には、作動油は、一方のオイル供給路を介してパワーシリンダ20の一方のシリンダ室に供給される。トーションバー8に他方方向にねじれが加わった場合には、作動油は、他方のオイル供給路を介して他方のシリンダ室に供給される。トーションバー8にねじれが加わっていない場合には、油圧制御弁23はいわば中立状態となり、作動油がパワーシリンダ20へ供給されることはない。
【0015】
パワーシリンダ20のいずれかのシリンダ室に作動油が供給されると、ピストン21が車幅方向に沿ういずれかの方向に移動する。これにより、操舵補助力が発生し、ラックギア5の移動が補助される。
モータMは、モータドライバ27によって駆動される。モータドライバ27は、バッテリ28からの電流に基づいてモータ駆動電流を生成し、この生成されたモータ駆動電流をモータMに供給することでモータMを駆動する。
【0016】
バッテリ28は、オルタネータ(ALT)29の発生電圧によって充電される。オルタネータ29は、エンジン30に関連して設けられ、エンジン30の回転数に応じた電圧を発生するものである。具体的には、エンジン30の回転数が大きいほど高い電圧を発生する。したがって、バッテリ28は、エンジン30の回転数が大きいほど、十分に、かつ急速に充電される。
【0017】
モータドライバ27は、電子制御ユニットECUによって制御される。電子制御ユニットECUは、CPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを含むものである。電子制御ユニットECUには、トルクセンサ50からトルクデータTが与えられるようになっている。電子制御ユニットECUは、与えられるトルクデータTに基づいて、モータドライバ27を制御する。
【0018】
トルクセンサ50は、ステアリング軸3に取り付けられたトーションバー8に関連して設けられており、ステアリング軸3に加えられたトルクに比例し、かつトルクの方向に応じた符号のトルクデータTを出力する。トルクセンサ50には、ポテンショメータからなる機械的接点を有する形式のものや、非接触式トルクセンサなどのいずれの形式のものであっても適用することができる。
【0019】
電子制御ユニットECUは、モータドライバ27の制御に加えて、エンジン30の回転数の調整などを行うエンジン制御ユニット60を制御する。すなわち、エンジン制御ユニット60を制御し、アイドリング時におけるエンジン30の回転数(以下「アイドル回転数」という。)をアイドル目標値に一致させる。
アイドル目標値は、第1アイドル目標値N、および第1アイドル目標値Nよりも高い第2アイドル目標値Nの2種類がある。第1アイドル目標値Nは、車体に不快な振動を生じさせないエンジン30の回転数の下限値に設定されている。たとえば、800(rpm)に設定されている。第2アイドル目標値Nは、アイドリング状態において操舵補助が行われた場合におけるエンジン30の回転数の最大低下分以上、第1アイドル目標値Nよりも高い値に設定されている。たとえば、1200(rpm) に設定されている。
【0020】
電子制御ユニットECUには、減速操作検知部70、ブレーキ操作検知部71および方向指示操作検知部72から減速操作検知データ、ブレーキ操作検知データおよび方向指示操作検知データ(以下総称するときは「操舵前操作検知データP」という。)がそれぞれ与えられるようになっている。
電子制御ユニットECUは、この操舵前操作検知データPのうちいずれか1つでも与えられた場合、操舵が行われる前によく行われる操作(以下「操舵前操作」という。)が行われたと判断し、エンジン制御ユニット60に対してアイドル目標値を高い方の第2アイドル目標値Nにするように指示する。
【0021】
減速操作検知部70は、変速機(図示せず。)において減速されたことを検知し、減速操作検知データを出力する。より具体的には、1速または2速に減速されたことを検知する。減速されたことを検知するのは、直後に操舵が行われる可能性が高いからである。たとえば、走行状態から交差点を曲がるときには、それまで3速、4速または5速に設定されていたのが1速または2速に減速される場合が多い。
【0022】
ブレーキ操作検知部71は、ブレーキペダル(図示せず。)が踏み込まれていることを検知し、ブレーキ操作検知データを出力する。ブレーキペダルが踏み込まれているのを検知するのは、直後に操舵が行われる可能性が高いからである。たとえば、走行状態から交差点を曲がるときには、ブレーキペダルを踏み込んで減速し、交差点を曲がる場合が多い。また、車庫から車両を出した後道路を右左折しようとする場合、道路に出る前にブレーキペダルを踏み込んでいったん停止した後、右左折する場合が多い。さらに、駐車しようとする場合、ブレーキペダルを踏み込んだ後操舵する動作を繰り返し行う場合が多い。
【0023】
方向指示操作検知部72は、方向指示器(図示せず。)が操作されたことを検知し、方向指示検知データを出力する。方向指示器が操作されたことを検知するのは、直後に操舵が行われる可能性が高いからである。たとえば、赤信号でいったん停止した後左折しようとする場合には、方向指示器を操作し、左側の指示ランプ(図示せず。)を点滅させる場合が多い。
【0024】
エンジン30では、次のような動作が繰り返されることで駆動力が発生される。すなわち、所定タイミングで吸気弁31が開成される。その結果、吸気路32に吸入されている空気とインジェクタ33から噴射される燃料との混合ガスがシリンダ34に導かれる。当該混合ガスは、シリンダ34内を上昇してきたピストン35によって圧縮される。このとき、点火プラグ36が点火され、上記混合ガスは爆発する。その結果、ピストン35が下降する。また、所定タイミングで排気弁37が開成されることで、爆発後の混合ガスが排気路38に導かれる。
【0025】
なお、参照符号39は、図示しないアクセルペダルに連動して回動し、吸入空気量を調節するための吸気絞弁である。この吸気絞弁39の開度の程度に応じて吸入空気量が調節され、エンジン30で発生される駆動力の程度が決定される。吸気路32には、吸気絞弁39の上流側と下流側とを結ぶバイパス路40が接続されている。バイパス路40は、アイドリング状態をつくるために、アクセルペダルが踏み込まれていなくても所定量の空気をシリンダ34に供給させるためのものである。
【0026】
バイパス路40の途中部には、アイドル制御弁41が介装されている。アイドル制御弁41は、アイドル回転数をアイドル目標値に一致させるためのものである。アイドル制御弁41の開度に応じてバイパス路40を通る空気量が変わり、その結果アイドル回転数が変わる。アイドル制御弁41の開度は、エンジン制御ユニット60によって制御される。
【0027】
エンジン制御ユニット60には、アクセルペダルが踏み込まれていない状態を検知してアクセル操作データAを出力するアクセル操作検知部61、およびエンジン30に関連して設けられ、エンジン30の回転数に対応する回転数データNを出力する回転センサ62が接続されている。
エンジン制御ユニット60は、アクセル操作データAおよび回転数データNに基づいて、アイドル制御弁41の開度を調節する。すなわち、アクセル操作データAが与えられている場合に、回転数データNに対応するアイドル回転数がアイドル目標値よりも低ければ、アイドル制御弁41の開度を大きくする。その結果、それまでよりも多量の空気がシリンダ34に導かれる。これにより、アイドル回転数が上昇する。一方、アクセル操作データAが与えられている場合に、回転数データNに対応するアイドル回転数がアイドル目標値よりも高ければ、アイドル制御弁41の開度を小さくする。その結果、それまでよりも少量の空気がシリンダ34に導かれる。これにより、アイドル回転数は低下する。
【0028】
このように、エンジン制御ユニット60は、アイドル回転数をフィードバック制御によって調整し、アイドル目標値に一致させる。
図2は、電子制御ユニットECUによるモータMおよびエンジン制御ユニット60の制御を説明するためのフローチャートである。イグニッションキースイッチ(IG)がオンされてエンジン30が始動された場合、これに応答して電子制御ユニットECUは、モータMを停止させ(ステップS1)、このパワーステアリング装置を初期状態にする。また、エンジン制御ユニット60に対してアイドル目標値の初期化を指示する。すなわち、アイドル目標値を低い方の第1アイドル目標値Nに設定するように指示する。
【0029】
その後、電子制御ユニットECUは、操舵前操作検知データPが与えられたか否かを判別する(ステップS2)。その結果、操舵前操作検知データPのうちいずれか1つでも与えられたと判別されると、操舵前操作が行われたと判断するとともに、直後に操舵が行われる可能性が高いと判断し、エンジン制御ユニット60にアイドル目標値を高い方の第2アイドル目標値Nに変更するように指示する(ステップS3)。同時に、タイマ(図示せず。)をいったん初期化(クリア)した後スタートさせる(ステップS4)。タイマは、予め定める所定時間Δt(たとえばΔt=1(sec))が経過したときにタイムアップ信号を出力する。
【0030】
エンジン制御ユニット60は、電子制御ユニットECUから目標値の変更が指示されると、アクセル操作データAが与えられていることを条件として、アイドル回転数が第2アイドル目標値Nと一致するように、アイドル制御弁41の開度を調節する。これにより、その後にアイドリング状態で操舵が行われた場合でも、操舵時におけるアイドル回転数を高くすることができる。したがって、操舵時においてエンジン30の負荷が急増しても、アイドル回転数は第1アイドル目標値N未満にまで低下することがない。そのため、車体に不快な振動が生じるのを防止できる。
【0031】
タイマをスタートさせた後、電子制御ユニットECUは、次のステップS5に処理を進める。一方、ステップS2において操舵前操作は行われていないと判別されると、ステップS3のアイドル目標値の設定指示およびステップS4のタイマスタートは行わずに、直接ステップS5に処理を進める。
ステップS5では、トルクデータTが予め定めるトルクしきい値TTH(たとえばTTH=7(kgf・cm) )以上であるか否かが判別される。その結果、トルクデータTが上記トルクしきい値TTH未満であれば、操舵は行われていないと判断し、アイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更するようにすでに指示しているか否かを判別する(ステップS6)。その結果、アイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更するように指示していない場合には、ステップS2に戻って上述の処理を繰り返し実行する。
【0032】
一方、アイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更するようにすでに指示している場合には、タイマからタイムアップ信号が出力されたか否かを判別する(ステップS7)。この判別の結果、タイマからタイムアップ信号が出力されたと判別された場合、アイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更してから所定時間Δtが経過したと判断し、アイドル目標値を元の第1アイドル目標値Nに戻す(ステップS8)。すなわち、アイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更してから操舵が行われずに所定時間Δtが経過した場合には、アイドル目標値を高い値にしておく必要がないからである。
【0033】
なお、アイドル目標値を第1アイドル目標値Nに戻すまでの所定時間Δtの間に操舵が行われることも予想される。したがって、タイマからタイムアップ信号が出力されるまでは(ステップS7のNO)、ステップS5に戻る。
電子制御ユニットECUは、上記ステップS5での判別の結果、トルクデータTが上記トルクしきい値TTH以上であれば、操舵が行われていると判断し、操舵補助処理を実行する(ステップS9〜S14)。
【0034】
より具体的には、アイドル目標値をすでに第2アイドル目標値Nに変更したか否かを判別する(ステップS9)。この場合、当該操舵の前に操舵前操作が行われていなかった場合にはアイドル目標値は変更されていない。したがって、アイドング状態で操舵が行われる場合においてアイドル回転数を高くするために、エンジン制御ユニット60に対して、アイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更するように指示する(ステップS10)。一方、当該操舵の前に操舵前操作が行われている場合にはアイドル目標値はすでに第2アイドル目標値Nに変更されているから、直接ステップS11に進む。
【0035】
ステップS11では、アシスト制御が行われる。すなわち、モータMを回転させる。その結果、オイルポンプ26が回転し、作動油に圧力が加えられる。この圧力が加えられた作動油は、パワーシリンダ20に供給される。これにより、操舵補助が行われる。
このアシスト制御は、トルクデータTがトルクしきい値TTH以上の場合(ステップS12のYES)には、繰り返し実行される。一方、トルクデータTがトルクしきい値TTH未満になり(ステップS12のNO)、操舵が終了したことが検知された場合に、モータMを停止させることで終了する(ステップS13)。また、タイマをいったんクリアした後新たにスタートさせる(ステップS14)。
【0036】
その後、電子制御ユニットECUは、アイドル目標値が第2アイドル目標値Nにすでに変更されているか否かを判別する(ステップS6)。この場合には、アイドル目標値はすでに第2アイドル目標値Nに変更されているから、次にタイマからタイムアップ信号が出力されたか否かを判別する(ステップS7)。その結果、タイマからタイムアップ信号が出力されていないと判別されると、モータMが停止されてからまだ所定時間Δtが経過していないと判断し、ステップS5に戻って上述の処理を繰り返し実行する。そして、操舵前操作も操舵も行われずにタイマからタイムアップ信号が出力された場合に、アイドル目標値を第1アイドル目標値Nに戻す(ステップS8)。
【0037】
モータMを停止させてから所定時間Δtが経過するまでアイドル目標値を第2アイドル目標値Nから第1アイドル目標値Nに戻すのを待っているのは、次の理由による。すなわち、たとえば駐車をしようとする場合のように、操舵が短時間の間に連続的に繰り返される場合には、操舵が行われた後所定時間Δtが経過する前に次の操舵が行われることが予想される。このような場合、1回の操舵が終了した後もしばらくの間はアイドル目標値を第2アイドル目標値Nに維持しておく方が好ましいからである。
【0038】
図3は、アイドリング時において操舵補助が行われる場合のアイドル回転数の時間変化を説明するための図である。図3において、実線はこの実施形態にかかるパワーステアリング装置におけるアイドル回転数の時間変化に対応し、二点鎖線は従来のパワーステアリング装置におけるアイドル回転数の時間変化に対応している。以下では、この図3を参照し、この実施形態にかかるパワーステアリング装置の動作をさらに具体的に説明する。
【0039】
たとえば駐車をしようとする場合、ドライバは駐車スペース近傍まで車両を動かし、いったんブレーキペダルを踏んでアイドリング状態にした後操舵を開始し、車両を駐車スペースに収納した後操舵を終了する場合が多い。また、操舵終了後はアイドリング状態をしばらくの間維持する場合が多い。
このような場合、ブレーキペダルを踏み込む前は、アイドル目標値は第1アイドル目標値Nに初期化されているから、アイドル回転数は第1アイドル目標値Nに安定している。その後、ブレーキペダルを踏み込んだとき(t)、アイドル目標値が第2アイドル目標値Nに変更される。これに応答して、エンジン制御ユニット60がアイドル制御弁41の開度を調節する。これにより、アイドル回転数は、実線で示すように、第2アイドル目標値Nに上昇する。
【0040】
その後、操舵を開始したとき(t)、エンジン30の負荷が急増し、アイドル回転数は急激に低下する。しかし、アイドル回転数はすでに第2アイドル目標値Nに上げられているから、二点鎖線で示す従来のように、アイドル回転数が第1アイドル目標値N未満に低下することはない。これにより、操舵時において車体に不快な振動が生じることがない。
【0041】
その後、操舵が終了すると(t)、エンジン30の負荷は操舵時に比べて軽減するから、アイドル回転数は上昇し始め、第2アイドル目標値Nに戻る。そして、操舵終了時から所定時間Δtが経過したとき(t)、アイドル目標値が第1アイドル目標値Nに戻される。その結果、アイドル回転数は第1アイドル目標値Nにまで低下する。このときには、操舵補助のためにエンジン30にかかる負荷はほとんどないから、車体に不快な振動が生じることはない。
【0042】
以上のようにこの実施形態のパワーステアリング装置によれば、アイドリング時において操舵補助を行う場合には、操舵補助前から操舵終了後所定時間Δtが経過するまでアイドル回転数は通常よりも高くされる。したがって、操舵補助によってアイドル回転数が低下しても、アイドル回転数は車体に振動が発生しないアイドル回転数の下限値である第1アイドル目標値N未満にまで低下することはない。そのため、車体に不快な振動が生じるのを防止できる。
【0043】
この発明の一実施形態の説明は以上のとおりであるが、この発明の実施形態は上述のものに限定されるものではない。たとえば上記実施形態では、操舵前操作が行われたか否かを判別し、その結果操舵前操作が行われている場合には、アイドル目標値を高い方の第2アイドル目標値Nに変更している。この処理は、アシスト制御中もエンジン30の負荷を軽減するために、電子制御ユニットECUのアルゴリズム中に入れらている。これは、操舵前操作が行われずに操舵が行われた場合にアイドル目標値を第2アイドル目標値Nに変更する処理についても同様である。
【0044】
しかし、処理の簡素化および構成の簡素化という点を重要視するのであれば、これらの処理は省略してもよい。この構成によっても、モータMを停止した後所定時間Δtの間はアイドル回転数は通常よりも高くされたままであるから、次回の操舵開始直後に車体に不快な振動が生じるのを防止できる。
また、上記実施形態では、アイドル目標値を第1および第2アイドル目標値N,Nの2つだけ設定しているが、たとえば3つ以上のアイドル目標値を設定できるようにしてもよいのはもちろんである。
【0045】
さらに、上記実施形態では、操舵をトルクセンサ50によって検知するようにしているが、たとえば舵角センサによって検知するようにしてもよく、その他種々のセンサを適用することできる。舵角センサを用いる場合において、ステアリングホイール2の舵角が一定値以上のときには、ステアリングホイール2には一定値以上のトルクが加わっている可能性が高い。したがって、舵角センサを用いる場合には、用語「操舵」は、舵角が所定値以上である状態を意味するものとすればよい。
【0046】
その他、特許請求の範囲に記載された範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、アイドリング状態において操舵が行われ操舵終了後もアイドリング状態が維持される場合において、操舵終了後のエンジンのアイドル回転数を通常値よりも高くすることができる。したがって、アイドリング状態で操舵補助が行われる場合に、操舵補助中において車体に不快な振動が発生するのを防止できる。よって、乗り心地の良い車両を提供できる。
【0048】
請求項2記載の発明によれば、アイドリング状態において操舵が行われる場合において、操舵開始前からエンジンのアイドル回転数を通常値よりも高くすることができる。したがって、操舵時にエンジンの負荷が急増しても、エンジンの回転数が通常値未満に低下することはない。そのため、操舵時において車体に不快な振動が生じるのを防止できる。よって、乗り心地の良い車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のパワーステアリング装置の構成を示す概要図である。
【図2】電子制御ユニットにおけるモータおよびエンジン制御ユニットの制御を説明するためのフローチャートである。
【図3】アイドリング時において操舵補助が行われる場合のアイドル回転数の時間変化を説明するための図である。
【符号の説明】
26 オイルポンプ
30 エンジン
40 バイパス路
41 アイドル制御弁
50 トルクセンサ
60 エンジン制御ユニット
61 アクセル操作検知部
62 回転センサ
70 減速操作検知部
71 ブレーキ操作検知部
72 方向指示操作検知部
ECU 電子制御ユニット
M モータ

Claims (2)

  1. エンジンを有する車両に搭載され、モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧により操舵を補助するためのパワーステアリング装置であって、
    操舵の終了を検知するための操舵終了検知手段と、
    この操舵終了検知手段によって操舵の終了が検知された場合に、上記エンジンのアイドル回転数を所定時間にわたって増加させるための回転数制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. エンジンを有する車両に搭載され、モータによってオイルポンプを駆動して油圧を発生させ、この発生された油圧により操舵を補助するためのパワーステアリング装置であって、
    その後に操舵が行われる可能性の高い操作である操舵前操作が行われたか否かを検知するための操作検知手段と、
    この操作検知手段によって上記操舵前操作が行われたことが検知された場合に、上記エンジンのアイドル回転数を増加させるための回転数制御手段とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置。
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