JP3815312B2 - 車両のエンジン自動停止・自動再始動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のエンジン自動停止・自動再始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の燃費や排気エミッションの改善を図るために、エンジン自動停止・自動再始動装置を備えた車両が従来より知られている。このエンジン自動停止・自動再始動装置は、信号待ちなどで車両が一時的に停止する場合に、エンジンを自動的に停止し、車両が再び発進する際にはエンジンを自動的に再始動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば自動変速機のセレクトレバーがDポジションの状態で車両が自動停止した場合のように、エンジンの前進方向の駆動力が車軸に伝達可能な状態で、エンジンの自動再始動を行うと、エンジンの吸気通路内の負圧が小さい(大気圧に近い)ため、実際のエンジン起動時(完爆時)にエンジン回転数が急激に上昇(オーバーシュート)することにより、車両加速度が急激に上昇し、車両乗員に不快なトルクショックを与えるという課題がある。
【0004】
このような課題に対し、特開2000−274273号公報には、エンジン自動再始動を行う際には、エンジンと同期して回転する電動発電機(モータジェネレータ)を所定の目標回転数に回転数制御することにより、エンジン起動時のオーバーシュートを抑制し、上記のトルクショックを軽減する技術が開示されている。しかしながら、電動発電機を所定の目標回転数に回転数制御するためには、電動発電機の力行/回生制御を高精度に行う必要がある。このため、電動発電機を駆動制御するパワーヘッドやコントロールユニットの制御の複雑化,大型化、ひいてはコストの上昇を招くおそれがある。
【0005】
本発明は、エンジン自動再始動時におけるトルクショックを有効に低減・解消し得る新規な車両のエンジン自動停止・自動再始動装置を提供することを一つの目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両のエンジン自動停止・自動再始動装置は、車両の運転条件に応じてエンジンの自動停止及び自動再始動を行うエンジン制御部と、上記エンジンの自動再始動を行う前の自動停止中に、エンジンの吸気通路内の空気を外部に吸引する吸引装置と、を有することを特徴としている。
【0007】
上記エンジンの自動停止中とは、典型的には、自動変速機のセレクトレバーがD(ドライブ)ポジションに設定されている場合のように、エンジンの駆動力が車軸に伝達可能な状態にあることを条件としている。従って、自動停止中にエンジン回転数が急激に上昇すると、車両加速度が急激に上昇し、乗員に不快なトルクショックを与えるおそれがある。
【0008】
本発明によれば、エンジンの自動再始動を行う前の自動停止中に、吸引装置によりエンジンの吸気通路内の空気を外部に吸引することにより、自動再始動時には吸気通路内に所定の負圧を確保できる。このため、自動再始動時におけるエンジン回転数のオーバーシュートを抑制し、不用意なトルクショックの発生を十分に軽減・解消することができる。
【0009】
なお、「負圧」とは、本明細書では大気圧を基準(0mmHg)としたマイナスの圧力の大きさ(圧力の絶対値)として扱っており、一般的に用いられる圧力とは逆に、真空に近いほど大きく、大気圧に近いほど小さい。
【0010】
ガソリンを燃料とするエンジンにおいては、一般的に、吸気通路にスロットル弁が設けられ、アイドリングを含む極低負荷域ではスロットル弁により吸気通路を絞ることにより、吸気通路内に強い負圧を与えて、エンジンの燃焼室内に吸入される吸気容量を抑制することにより、エンジントルクを抑制する。従って、信号待ち等により車両が走行状態から自動停止した直後に自動再始動を行うような場合には、吸気通路内の空気容量が比較的少ないため、エンジン回転数のオーバーシュートが低く抑制される。一方、自動停止状態である程度時間が経過し、吸気通路内の負圧が小さい(大気圧に近い)状態となっている状況で、自動再始動を行うと、吸気通路内に残る空気容量が多くなるので、エンジン回転数のオーバーシュートを生じるおそれが高くなる。
【0011】
そこで好ましくは、上記吸引装置が、負圧タンクと、この負圧タンクと吸気通路とを連通する連通路を開閉する弁装置と、を有し、この弁装置が、エンジン稼動時には負圧タンクから吸気通路への空気の通流のみを許容し、上記自動再始動を行う直前に吸気通路から負圧タンクへの空気の通流を許容する。これにより、エンジン稼働中に吸気通路内の負圧が大きくなると、連通路を介して負圧タンクから吸気通路へ空気が通流し、負圧タンク内の負圧が大きくなる。そして、自動再始動を行う直前に吸気通路から負圧タンクへの空気の通流を許容することにより、吸気通路内の空気が負圧タンクへ吸引され、吸気通路内の負圧が速やかに増大する。この結果、自動再始動時には吸気通路内に所定の負圧を確保することができる。このように、吸気通路内に不可避的に生じる負圧を利用してトルクショックを軽減することができ、負圧を生じるポンプ等を敢えて必要としないので、構成の簡素化を図ることができる。
【0012】
より具体的には、上記弁装置は、上記負圧タンクから吸気通路への空気の通流を許容するとともに、吸気通路から負圧タンクへの空気の通流を防止する逆止弁と、この逆止弁と並列に設けられ、上記自動再始動を行う直前に開弁して吸気通路から負圧タンクへの空気の通流を許容する電磁弁と、を有している。すなわち、弁装置を逆止弁と電磁弁とからなる簡素な構造とすることができる。
【0013】
好ましくは、上記負圧タンクがブレーキ倍力装置の負圧室である。つまり負圧タンクがブレーキ倍力装置の負圧室を兼用しており、構成の簡素化を図ることができる。しかしながら、ブレーキ倍力装置の負圧室内の負圧が過度に小さく(大気圧に近く)なると、ブレーキ倍力装置の本来の機能であるブレーキ踏力のアシスト力が十分に得られなくなり、安全性の低下を招くおそれがある。このような負圧室の不用意な負圧の低下を確実に解消するために、好ましくは、エンジン稼動中に、上記吸気通路から負圧室への空気の通流を許容する状態での吸気通路及び負圧室の圧力値を推定し、この圧力値が予め設定された所定のしきい値以上の場合、エンジンの自動停止を禁止する。更に好ましくは、エンジンの自動停止中に、上記吸気通路から負圧室への空気の通流を許容する状態での吸気通路及び負圧室の圧力値を推定し、この圧力値が予め設定された所定のしきい値以上の場合に、上記弁装置により吸気通路から負圧室への空気の通流を許容するとともに、エンジンの自動再始動を行う。すなわち、エンジンの再始動要求を待たずに即座に弁装置を作動するとともにエンジンの自動再始動を行う。
【0014】
他の例として、上記吸引装置は、吸気通路内の空気を外部に吸引する負圧ポンプと、この負圧ポンプを駆動する電動機と、を有している。この例では、負圧ポンプにより確実に負圧を確保できるので、エンジン稼働中に吸気通路内に大きな負圧が作用しないディーゼルエンジンやスロットルレス型のエンジンにも適用することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、自動再始動時におけるエンジン回転数のオーバーシュートを抑制し、不用意なトルクショックの発生を有効に軽減・解消することができる。
【0016】
特に本発明では、エンジン稼働中に吸気通路内に不可避的に生じる負圧を負圧タンクに蓄えて、この負圧を自動再始動時に利用することができる。このため、負圧を発生する負圧ポンプ等を敢えて必要とせず、構成の簡素化を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両のエンジン自動停止・自動再始動装置の概略構成図である。この実施形態は、吸気負圧が作用するガソリンエンジンに好適に適用される。
【0018】
エンジン1の燃焼室2に接続する吸気通路3には、この吸気通路3を絞るスロットル弁5が設けられているとともに、このスロットル弁5の下流側に、所定の容積を有するインテークマニホールド4が形成されている。インテークマニホールド4内の空気を外部に吸引する吸引装置6は、所定の容積を有し、空気(吸気)を負圧状態で貯留可能な負圧タンク7と、この負圧タンク7とインテークマニホールド4とを連通する連通路8を開閉する弁装置10と、により構成されている。連通路8は、途中で第1分岐路8aと第2分岐路8bとに並列に分岐している。弁装置10は、第1分岐路8aに設けられ、負圧タンク7からインテークマニホールド4への空気の通流を許容するとともに、インテークマニホールド4から負圧タンク7への空気の通流を防止(禁止)する逆止弁(ワンウェイバルブ)11と、この逆止弁11と並列に第2分岐路8bに配設され、この第2分岐路8bを開閉する電磁弁12と、により構成されている。
【0019】
エンジン制御部(エンジンコントロールユニット;ECU)13は、CPUやメモリ等を備え、燃料噴射制御や吸入空気量制御のような一般的なエンジン制御を行う他、車両の走行条件に応じて後述するエンジン1の自動停止及び自動再始動を行う。また、エンジン制御部13は、スロットル弁5及び電磁弁12へ制御信号を出力し、その動作を制御する。
【0020】
エンジン稼働時を含めた通常の運転状態では、電磁弁12により第2分岐路8bが閉じられている。従って、負圧タンク7からインテークマニホールド4へ空気が通流することはない。インテークマニホールド4内の圧力が負圧タンク7内の圧力よりも低くなると、逆止弁11が設けられた第1分岐路8aを経由して、負圧タンク7からインテークマニホールド4へ空気が吸引される。従って、負圧タンク7内の負圧は、エンジン稼動中にインテークマニホールド4内で経験される負圧に応じて増大し、圧力洩れ等を無視すれば電磁弁12が開かない限り負圧が小さくなる(大気圧へ近づく)ことはない。
【0021】
図2は、第1実施形態の制御の流れを示すフローチャートである。この制御プログラムは、エンジン制御部13のメモリに予め記憶され、エンジン稼働中にCPUにより実行される。エンジンの自動停止(アイドルストップ)が行われると、S(ステップ)1からS2へ進む。この自動停止は、各種センサにより検知される車両運転条件、例えば車速が0(ゼロ)、シフトレバーがDポジション、及びアクセルペダルが踏み込まれていない等の幾つかの条件が全て満たされているときに行われる。この自動停止中には、全気筒の燃料噴射を禁止し、スロットル弁5を全閉するが、スロットル弁の隙間からインテークマニホールド4内に空気が流入するため、インテークマニホールド内の負圧は小さくなり、大気圧に近い状態になっている。また、自動停止中には、シフトレバーがDポジションにあるため、エンジンの前進方向の駆動力が図外の自動変速機を介して駆動輪の車軸に伝達可能な状態にある。この自動停止中に、エンジンの自動再始動の要求が与えられると、S2からS3へ進む。この自動再始動の要求は、ブレーキペダルの開放又はアクセルペダルの踏み込み等を条件として与えられる。
【0022】
S3では、エンジン制御部13からの指令信号により、電磁弁12が「閉」位置から「開」位置に切り換えられる。これにより、第2分岐路8bを介してインテークマニホールド4と負圧タンク7とが互いに連通する。従って、インテークマニホールド4から負圧タンク7へ空気が吸引され、インテークマニホールド4内の負圧が速やかに増大する。続くS4では、エンジン1の自動再始動が行われる。具体的には、エンジン1に連携された図示せぬモータジェネレータやスタータによりエンジン1を回転駆動する。このように、エンジン1の自動再始動を行う直前に電磁弁12を開弁しているので、実際にエンジンが起動(完爆)する際にインテークマニホールド4内に十分に大きな負圧が与えられ、エンジン回転数のオーバーシュートが抑制され、トルクショックを有効に軽減・解消できる。上記の自動再始動後に、例えばエンジン回転数が所定の完爆しきい値まで上昇すると、S5でエンジンの自動再始動が完了したと判定されて、S6へ進み、電磁弁12を再び「閉」位置に切換える。これにより、次回のエンジン自動停止時に備えて、再び負圧タンク7に負圧が蓄えられていく。
【0023】
図3〜5は、エンジン再始動時のエンジン回転数の特性を示しており、排気量が2リットル程度でアイドル回転数が約700rpmの一般的なエンジンに対応している。図3は、エンジン自動停止直後のように、インテークマニホールド4内の負圧が十分に大きい状態(例えば大気圧を0mmHgとした圧力が約−500mmHg)で、自動再始動を行った場合の特性を示している。この場合、インテークマニホールド4を含むスロットル弁5下流の吸気通路3内の空気の容量(volume)が少ないため、エンジン回転数を所定のアイドル回転数(この例では約700rpm)へ向けて滑らかに上昇させることができる。つまり、エンジン回転数のオーバーシュートを招くことはない。
【0024】
図4は、エンジン自動再始動直後から所定時間経過後のように、インテークマニホールド4内の圧力がほぼ大気圧(0mmHg)となり、負圧が非常に小さい状態で、上述した本実施形態に係る制御を行うことなく即座に自動再始動を行った比較例に係る特性を示している。図4に示すように負圧が小さい場合には、図3に示すように負圧が大きい場合に比して、スロットル弁5下流の吸気通路3内の空気量が多いため、実際のエンジン起動(完爆)直後に、エンジン回転数がアイドル回転数を越えて上昇し、そのオーバシュート回転数が約200〜300rpmにも達するので、車両の乗員に不快なトルクショックを与えるおそれがある。
【0025】
図5は、図4と同じく負圧が小さい状態で、図2に示す制御を行った場合の本実施形態に係る特性を示している。本実施形態では、エンジン自動再始動を行う直前に電磁弁12を開き、インテークマニホールド4内に十分な負圧を与えることができるので、図4に示す比較例に比して、エンジン回転数の急激な上昇を十分に抑制することができる。具体的には、図4に示す比較例に比してエンジン回転数の最大値を約200rpm低く抑制でき、そのオーバーシュート回転数を約100rpm以下に抑制することができる。従って、自動再始動時の不快なトルクショックを十分に抑制・回避することができる。
【0026】
負圧タンク7の容積を大きくするほど、インテークマニホールド4内の圧力を迅速かつ大幅に低下することができる。例えば、負圧タンク7をインテークマニホールド4とほぼ同じ容積にすると、大気圧に近い状態のインテークマニホールド4内の圧力を、負圧タンク7内の圧力の約半分程度まで低下することができる。
【0027】
図6は、本発明の第2実施形態を示している。なお、上記の第1実施形態とほぼ同じ構成には同じ参照符号を付して重複する説明を適宜省略する。この第2実施形態では、作動媒体に負圧吸気を利用するブレーキ倍力装置(バキュームサーボ)20の負圧室を、吸引装置6の負圧タンクとして兼用している。
【0028】
ブレーキ倍力装置20は、周知のように、内部に画成される負圧室と大気室との圧力差をダイヤフラムに作用させて、ブレーキペダル21の踏力をアシストしてマスターシリンダ22に伝達する。負圧室は、上記第1実施形態における負圧タンク7と同様、連通路8を介してインテークマニホールド4に接続されている。連通路8の並列に分岐する分岐路8a,8bには、弁装置10の逆止弁11と電磁弁12とがそれぞれ配設されている。ブレーキペダル21のストロークを検出するストロークセンサ23,インテークマニホールド4内の圧力を検知する第1負圧センサ24,ブレーキ倍力装置20の負圧室内の圧力を検知する第2負圧センサ25,及びマスターシリンダ22の液圧を検知する液圧センサ26は、エンジン制御部13に接続されており、このエンジン制御部13へ検知信号を出力する。
【0029】
図7は、この第2実施形態に係る制御の流れを示すフローチャートである。この制御プログラムは、エンジン制御部13のメモリ内に格納されており、エンジン稼働時にCPUにより実行される。エンジン自動停止の要求が与えられるとともに、現在のトータル圧力値P1がトータル負圧しきい値P0よりも低く、電磁弁12を開いてもブレーキペダル21の操作に必要な負圧を確保できると判定されると、S11及びS12を経てS13へ進み、エンジンを自動停止する。上記トータル圧力値P1は、今仮に電磁弁12を開いた場合にインテークマニホールド4やブレーキ倍力装置20の負圧室に作用するであろう圧力値に対応しており、負圧センサ24,25により検知されるインテークマニホールド4及びブレーキ倍力装置20の負圧室の圧力値と、これらインテークマニホールド4及びブレーキ倍力装置20の負圧室の容積等に基づいて演算・推定される。トータル負圧しきい値P0は、ブレーキペダル21の操作に必要な負圧室内の圧力の限界値に対応しており、エンジン制御部13のメモリ内に予め設定,記憶されている。
【0030】
エンジンの停止要求が与えられ、S11からS12へ進んだ場合でも、トータル圧力値P1が所定のしきい値P0以上と判定されれば、エンジンの自動停止(S13)が行われることはない。従って、負圧不足によるブレーキ倍力装置のアシスト力が不足するような事態を未然に回避することができる。
【0031】
エンジン自動停止中に、トータル圧力値P1がトータルしきい値P0’以上となるか、あるいはエンジン始動要求が与えられると、S14又はS15からS16及びS17へ進み、電磁弁12を開いた直後にエンジンの自動再始動を開始する。このようにエンジンを自動再始動する直前に電磁弁12を開弁しているため、インテークマニホールド4内の空気が連通路8の第2分岐路8bを経由して負圧室へ通流し、インテークマニホールド4内の負圧が速やかに増大し、続くエンジンの自動再始動時に、エンジン回転数のオーバーシュートによるトルクショックを確実に軽減・解消することができる。また、エンジン自動停止中にインテークマニホールド4内の負圧が小さくなり(圧力が上昇し)、トータル圧力値P1がトータルしきい値P0’以上となると、S14からS16へ進み、エンジンの始動要求をまたずに電磁弁12の開弁及びエンジンの自動再始動を行う。従って、電磁弁12を開いたときに負圧室内の負圧が過度に小さくなって所期のブレーキアシスト力が得られなくなることを未然に回避することができる。なお、このトータルしきい値P0’は、S12で用いられるトータル負圧しきい値P0と同じ値又は近似する値に設定されている。
【0032】
エンジンの自動再始動が完了したと判定されると、S18からS19へ進み、電磁弁12を初期状態である「閉」位置に戻して、本ルーチンを終了する。
【0033】
図8は、本発明の参考例に係る車両のエンジン自動停止・自動再始動装置を示す概略構成図である。上述した第1及び第2実施形態と同様、エンジン1の燃焼室2には吸気通路3が接続しており、この吸気通路3のスロットル弁5の下流には、所定容積のインテークマニホールド4が形成されている。このインテークマニホールド4内の空気を外部へ吸引する吸引装置30が、本参考例では、インテークマニホールド4内の空気を外部に強制的に吸引する負圧ポンプ31と、この負圧ポンプ31を駆動する電動機32と、を有している。インテークマニホールド4と負圧ポンプ31とを接続する連通路33には、負圧ポンプ31からインテークマニホールド4への空気の通流を禁止する逆止弁34が配設されている。エンジン制御部13は、第1負圧センサ24により検知されるインテークマニホールド4内の圧力等に基づいて、電動機32を駆動制御する。
【0034】
図9は、この参考例に係る制御の流れの一例を示すフローチャートである。エンジンが自動停止すると、S21からS22へ進み、電動機32により負圧ポンプ31を始動する。これにより、インテークマニホールド4内の負圧が速やかに増大する。このエンジン自動停止中にエンジンの再始動要求が与えられると、S23からS24,S25へ進み、エンジンの自動再始動を実行するとともに、負圧ポンプ31を停止する。
【0035】
この参考例によれば、負圧ポンプ31によりインテークマニホールド4内に所定の負圧を確実に確保することができるので、吸気負圧があまり作用しないディーゼルエンジンやスロットルレス型のエンジンにも好適に適用できる。また、図9の制御の例によれば、エンジンの自動停止中には負圧ポンプ31を必ず作動させているため、負圧等に応じて負圧ポンプ31の作動と停止を切り換える必要がなく、制御及び構成の簡素化を図ることができる。
【0036】
図10は、上記参考例に係る制御の他の例を示すフローチャートである。エンジンが自動停止するとS31からS32へ進み、インテークマニホールド4の内圧(圧力値)P4が負圧しきい値P3より低いかを判定する。負圧しきい値P3は、エンジン回転数のオーバーシュートやトルクショックを回避するための圧力限界値に対応しており、エンジン制御部13のメモリに予め設定・記憶されている。内圧P4は、現在のインテークマニホールド4の圧力値であり、この参考例では第1負圧センサ24により検出される。エンジン自動停止中に内圧P4がしきい値P3以上に上昇した場合に限り、S32からS33へ進んで負圧ポンプ31を駆動し、インテークマニホールド4の圧力を低下させて、負圧を増大させる。このエンジン自動停止中にエンジンの始動要求が与えられると、S34からS35及びS36へ進み、エンジンの再始動を実行するとともに、負圧ポンプ31を停止する。
【0037】
この図10に示す例では、図9に示す例に比して、制御が複雑化するものの、インテークマニホールド4内の負圧が十分に確保されている状態で負圧ポンプ31を不必要に駆動することがなく、消費エネルギーを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両のエンジン自動停止・自動再始動装置を示す構成図。
【図2】上記第1実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
【図3】吸気通路内の負圧が大きい場合のエンジン再始動時の特性図。
【図4】吸気通路内の負圧が小さい場合の比較例に係るエンジン再始動時の特性図。
【図5】吸気通路内の負圧が小さい場合の本実施形態に係るエンジン再始動時の特性図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両のエンジン自動停止・自動再始動装置を示す構成図。
【図7】上記第2実施形態の制御の流れを示すフローチャート。
【図8】 参考例に係る車両のエンジン自動停止・自動再始動装置を示す構成図。
【図9】 上記参考例の制御の流れの一例を示すフローチャート。
【図10】 上記参考例の制御の流れの他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
3…吸気通路
4…インテークマニホールド(吸気通路)
6…吸引装置
7…負圧タンク
8…連通路
10…弁装置
11…逆止弁
12…電磁弁
13…エンジン制御部
Claims (5)
- 車両の運転条件に応じてエンジンの自動停止及び自動再始動を行うエンジン制御部と、
上記エンジンの自動再始動を行う前の自動停止中に、エンジンの吸気通路内の空気を外部に吸引する吸引装置と、を有し、
上記吸引装置は、負圧タンクと、この負圧タンクと吸気通路とを連通する連通路を開閉する弁装置と、を有し、
この弁装置は、上記負圧タンクから吸気通路への空気の通流を許容するとともに、吸気通路から負圧タンクへの空気の通流を防止する逆止弁と、この逆止弁と並列に設けられ、上記自動再始動を行う直前に開弁して吸気通路から負圧タンクへの空気の通流を許容する電磁弁と、を有することを特徴とする車両のエンジン自動停止・自動再始動装置。 - 上記負圧タンクは、ブレーキ倍力装置の負圧室であることを特徴とする請求項1に記載の車両のエンジン自動停止・自動再始動装置。
- エンジン稼動中に、上記吸気通路から負圧室への空気の通流を許容する状態での吸気通路及び負圧室の圧力値を推定し、この圧力値が予め設定された所定のしきい値以上の場合、エンジンの自動停止を禁止することを特徴とする請求項2に記載の車両のエンジン自動停止・自動再始動装置。
- エンジンの自動停止中に、上記吸気通路から負圧室への空気の通流を許容する状態での吸気通路及び負圧室の圧力値を推定し、この圧力値が予め設定された所定のしきい値以上の場合に、上記弁装置により吸気通路から負圧室への空気の通流を許容するとともに、エンジンの自動再始動を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の車両のエンジン自動停止・自動再始動装置。
- 上記エンジンの自動停止中、エンジンの駆動力が車軸に伝達可能な状態にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両のエンジン自動停止・自動再始動装置。
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