JP2006077605A - 車両、ならびに車両のエンジンのための制御装置およびエンジン制御方法 - Google Patents

車両、ならびに車両のエンジンのための制御装置およびエンジン制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン再始動時の不快感を低減する。エンジンの再始動性を向上する。
【解決手段】アイドルストップ条件が満たされると(S7)、エンジンが停止させられる(S27,S28,S29)。アイドルストップからの復帰条件が満たされて始動要求が発せられると(S20)、スタータモータおよびフューエルポンプが始動され(S21,S22)、燃料噴射および点火制御(ステップS23)が行われるとともに、エンジン温度に応じたスロットル開度が設定される(S25,26)。このスロットル開度は、アクセル指令値とは無関係に設定される。エンジンが始動すると(S8のYES)、必要に応じて、エンジン出力抑制処理(S14)が実行される。このエンジン出力抑制処理は、点火時期遅角補正処理と、アクセル指令値に対するスロットル開度の追従遅延時間を設定する追従遅延処理とを含む。
【選択図】 図7

Description

この発明は、エンジンを備えた四輪自動車や自動二輪車のような車両、およびこのような車両に適用されるエンジン制御装置およびエンジン制御方法に関する。
車両の駆動源であるエンジンを、運転中に所定の停車条件が満たされると停止させ、エンジン停止中は所定の復帰条件が満たされると再始動するアイドルストップシステムが知られている。たとえば、下記特許文献1に開示されたアイドルストップシステムでは、エンジン停止中にアクセル操作がされることに応答してエンジンを再始動させる構成が開示されている。
特開平11−257123号公報
ところが、運転者によっては、エンジンを早く再始動させるために、過剰にアクセルを操作してしまう場合がある。これにより、大きなアクセル操作量に対応してスロットル開度が過大になるから、エンジン再始動時に、その回転数(回転速度)が急激に上昇するおそれがあり、運転者にとって心地よい再始動ができない。
しかも、スクータ型の自動二輪車のように、遠心クラッチを備えた車両では、エンジンの回転数が一定の回転数を超えると、エンジンの駆動力が車輪に伝達される。そのため、再始動時における過剰なアクセル操作により、再始動直後に、運転車が意図するよりも早く車輪に駆動力が伝えられ、急発進に近い状態となるおそれがある。したがって、再始動後の心地よい発進が妨げられるおそれがある。
さらには、再始動時のスロットル開度が過剰になることにより、再始動時の空気対燃料比が不適正になるおそれがあり、再始動性が悪くなるおそれがあるばかりでなく、有害成分を多く含む排気ガスが排出されるおそれもある。
そこで、この発明の目的は、停止状態のエンジンの再始動に伴う運転者の不快感を低減または排除することができる車両、ならびにエンジン制御装置およびエンジン制御方法を提供することである。
また、この発明の他の目的は、停止状態のエンジンの再始動性を向上できる車両、ならびにエンジン制御装置およびエンジン制御方法を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車輪を駆動するための駆動力を発生するエンジンと、このエンジンの出力の制御のために運転者によって操作され、操作量に応じたアクセル指令値を生成するアクセルと、このアクセルから生成されるアクセル指令値に基づいてエンジン出力を制御するエンジン出力制御手段とを含み、前記エンジン出力制御手段が、所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、このエンジン停止制御手段によって停止状態とされた前記エンジンを、所定の再始動条件が満足されたことに応答して再始動させる再始動制御手段と、この再始動制御手段によって前記エンジンが再始動されるときに、前記エンジン出力を前記アクセルからのアクセル指令値に対応するエンジン出力よりも小さく設定するエンジン出力抑制手段とを含むことを特徴とする車両である。
この構成によれば、エンジン停止条件が満たされると、エンジンが自動的に停止する。その後、再始動条件が満たされると、エンジンが再始動される。この再始動時のエンジン出力は、アクセル指令値に対応する値よりも小さく抑制される。これにより、過剰なアクセル操作に起因する再始動直後の急激なエンジン出力上昇を抑制または防止できるので、快適な再始動および再発進が可能になるから、運転者の不快感を低減または排除できる。
とくに、再始動条件に、アクセル操作量が所定値に達したことが含まれている場合に、運転者がエンジンを再始動させるために過剰なアクセル操作を行ったとしても、快適な再始動および再発進を実現できる。
請求項2記載の発明は、前記エンジンは、電動モータによって駆動されるスロットルを備えており、前記エンジン出力制御手段は、前記アクセルからのアクセル指令値に基づいて前記電動モータを制御することによって、スロットル開度を制御するスロットル開度制御手段を含み、前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記アクセル指令値に対応したスロットル開度よりも小さな再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の車両である。
この構成によれば、電動モータによって駆動される電子制御式スロットルが備えられているので、アクセル指令値とは無関係にスロットル開度を制御することが可能である。そこで、エンジンの再始動時には、スロットル開度がアクセル指令値に対応した値よりも小さな再始動スロットル開度に設定される。これにより、過剰なアクセル操作がされている場合でも、再始動直後の急激なエンジン出力の上昇を抑制または防止でき、快適な再始動および再発進が可能になる。それとともに、再始動スロットル開度を、適正な空気対燃料比が得られる値に定めておけば、アクセル操作が不適正である場合でも、良好な再始動が可能になる。すなわち、再始動性を向上できるとともに、排気ガス中に有害成分が多く混入することを抑制できる。とくに、再始動スロットル開度をアクセル指令値に依存しない値に設定することにより、良好な再始動を実現できる。
請求項3記載の発明は、前記エンジンが所定の伝達回転数に達したことに応答して、当該エンジンの駆動力を前記車輪に伝達する回転数応答クラッチ手段をさらに含み、前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記エンジンの回転数が前記伝達回転数以下となる再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項2記載の車両である。
この構成によれば、再始動時のアクセル操作が過剰である場合でも、再始動直後にエンジン回転数(回転速度)が伝達回転数に達することがない。そのため、再始動後に不用意に回転数応答クラッチ手段がクラッチインしてエンジンの駆動力が車輪に伝達されるようなことがない。これにより、運転者が意図するよりも早く車輪に駆動力が伝達されることがなく、エンジンの再始動に伴う不用意な発進を防ぐことができる。
回転数応答クラッチ手段の典型例は、エンジンの回転に伴って発生する遠心力を利用して、所定の伝達回転数でクラッチインする遠心クラッチである。
請求項4記載の発明は、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに含み、前記エンジン出力抑制手段は、前記再始動スロットル開度を前記エンジン温度検出手段によって検出されるエンジン温度に応じて定めるものであることを特徴とする請求項2または3記載の車両である。
この構成によれば、エンジン温度に応じた再始動スロットル開度が設定されることにより、再始動時における適正な空気対燃料比を実現できるから、再始動性を向上でき、排気ガス中への有害な成分の混入を抑制できる。
請求項5記載の発明は、前記エンジン出力制御手段は、前記エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段を含み、前記エンジン出力抑制手段は、所定の通常点火時期よりも遅れた再始動時点火時期を前記点火時期制御手段に設定するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両である。
この構成によれば、再始動時(主に再始動直後)において、通常の点火時期よりも遅れた再始動点火時期が設定されることによって、エンジンの出力が抑制される。
たとえば、再始動直後において、アクセル指令値に対応したスロットル開度と実際のスロットル開度との偏差(スロットル開度偏差)が所定のしきい値よりも大きいことを条件に、再始動点火時期を通常の点火時期よりも遅らせるようにしてもよい。
また、前記スロットル開度偏差に応じて、再始動点火時期を定めるようにしてもよい。具体的には、スロットル開度偏差が大きいほど、通常点火時期に対する再始動点火時期の遅れ量が大きくなるように再始動点火時期を定めればよい。
請求項6記載の発明は、前記エンジン出力抑制手段は、前記エンジンの再始動後は、前記エンジンの出力が前記アクセルが生成するアクセル指令値まで漸増するように、エンジン出力の抑制を緩めていくものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両である。
この構成によれば、再始動後には、エンジン出力がアクセル指令値に対応した値にまで漸増させられ、エンジン出力の抑制が徐々に緩和されていくので、アクセル指令値に応じたエンジン出力が得られる状態へと移行していく。これにより、運転者の意図に即したエンジン制御が可能になる。
エンジン出力抑制の緩和のための遅延時間、換言すれば、アクセル指令値に対するエンジン出力の追従遅延時間は、スロットル開度偏差に応じて定めることが好ましい。また、この追従遅延時間は、車速に応じて定めることがより好ましい。たとえば、スロットル開度偏差が所定のしきい値を超える場合に、通常の追従遅延時間よりも大きな追従遅延時間が車速に応じて定められるようにしてもよい。
請求項7記載の発明は、前記アクセルは、運転者が手で操作する手操作型アクセルであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両である。
手操作型アクセルは、主として二輪車両において採用されているが、ATV(All Terrain Vehicle)のような四輪車両においても採用されている。これらの車両の手動型アクセルは、左右に延びたハンドル軸の一端に、ハンドル軸まわりに回動可能なアクセルグリップを取り付けて構成されている。
請求項8記載の発明は、アクセル操作によって制御されるエンジンによって車輪を駆動する車両のためのエンジン制御装置であって、所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、このエンジン停止制御手段によって停止状態とされた前記エンジンを、所定の再始動条件が満足されたことに応答して再始動させる再始動制御手段と、この再始動制御手段によって前記エンジンが再始動されるときに、前記エンジン出力を前記アクセルからのアクセル指令値に対応するエンジン出力よりも小さく設定するエンジン出力抑制手段とを含むことを特徴とするエンジン制御装置である。
この構成により、過剰なアクセル操作に起因する再始動直後の急激なエンジン出力上昇を抑制または防止して、快適な再始動および再発進を実現できる。
請求項9記載の発明は、前記エンジンは、電動モータによって駆動されるスロットルを備えており、前記エンジン制御装置は、前記アクセルからのアクセル指令値に基づいて前記電動モータを制御することによって、スロットル開度を制御するスロットル開度制御手段をさらに含み、前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記アクセル指令値に対応したスロットル開度よりも小さな再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項8記載のエンジン制御装置である。
この構成では、スロットル開度の制御によって、再始動直後の急激なエンジン出力上昇を抑制または防止できる。それとともに、再始動スロットル開度の適切な設定により、再始動時における適正な空気対燃料比を実現することができるので、エンジンの確実な再始動が可能になるうえ、再始動時の排気ガス中の有害成分を減少させることができる。
請求項10記載の発明は、前記車両は、前記エンジンが所定の伝達回転数に達したことに応答して、当該エンジンの駆動力を前記車輪に伝達する回転数応答クラッチ手段を備えており、前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記エンジンの回転数が前記伝達回転数以下となる再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項9記載のエンジン制御装置である。
この構成によれば、エンジンの再始動に伴う不用意な再発進を防ぐことができる。
請求項11記載の発明は、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに含み、前記エンジン出力抑制手段は、前記再始動スロットル開度を前記エンジン温度検出手段によって検出されるエンジン温度に応じて定めるものであることを特徴とする請求項9または10記載のエンジン制御装置である。
この構成によれば、エンジン温度に応じて適正な再始動スロットル開度を設定できるので、再始動性を向上でき、さらに、再始動時における排気ガス中の有害成分を低減できる。
請求項12記載の発明は、前記エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段をさらに含み、前記エンジン出力抑制手段は、所定の通常点火時期よりも遅れた再始動時点火時期を前記点火時期制御手段に設定するものであることを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載のエンジン制御装置である。
この構成によれば、再始動時(主に再始動直後)において、点火時期を遅らせることによって、エンジン出力を抑制することができる。
請求項13記載の発明は、前記エンジン出力抑制手段は、前記エンジンの再始動後は、前記エンジンの出力が前記アクセルが生成するアクセル指令値まで漸増するように、エンジン出力の抑制を緩めていくものであることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載のエンジン制御装置である。
この構成によれば、エンジン出力の抑制が徐々に緩和されるので、アクセル指令値に応じたエンジン出力が得られる状態へと移行していくことができる。
請求項14記載の発明は、アクセル操作によって制御されるエンジンによって車輪を駆動する車両のためのエンジン制御方法であって、所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止ステップと、このエンジン停止ステップによって停止状態とされた前記エンジンを、所定の再始動条件が満足されたことに応答して再始動させる再始動ステップと、この再始動ステップによって前記エンジンが再始動されるときに、前記エンジン出力を前記アクセルからのアクセル指令値に対応するエンジン出力よりも小さく設定するエンジン出力抑制ステップとを含むことを特徴とするエンジン制御方法である。
この方法によれば、過剰なアクセル操作に起因する再始動直後の急激なエンジン出力上昇を抑制または防止して、快適な再始動および再発進を実現できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る車両である二輪車両1(自動二輪車および原動機付き自転車を含む。)の構成を説明するための図解図である。この二輪車両1は、発進時に手動のクラッチ操作を伴わない、いわゆるスクータ型のものである。この二輪車両1は、車体フレーム2と、この車体フレーム2に対して上下に揺動可能に取り付けられた動力ユニット3と、この動力ユニット3からの駆動力を得て回転する後輪4と、車体フレーム2の前部にフロントフォーク5を介して取り付けられた操向車輪としての前輪6と、フロントフォーク5と一体的に回動するハンドル7とを備えている。
動力ユニット3は、車体フレーム2の中央付近の下部に揺動自在に連結されているとともに、車体フレーム2の後部に対しては、リアクッションユニット8を介して弾性的に結合されている。車体フレーム2の中央付近の上部には、運転者用のシート9が配置され、さらにその後方には同乗者用のシート10が配置されている。車体フレーム2において、シート9とハンドル7との間の位置には、足載せ部11が設けられている。また、前輪6および後輪4には、それぞれ、フロントブレーキユニット12およびリアブレーキユニット13が設けられている。
動力ユニット3は、エンジン15と、伝動ケース16とが一体的に形成されたものである。エンジン15のクランク軸17には、エンジン15の始動時において、スタータモータ18からの駆動力がベルト19を介して伝達されるようになっている。伝動ケース16には、クランク軸17の回転がギヤ20,21を介して伝達されるドライブプーリ22と、このドライブプーリ22の回転がベルト25を介して伝達され、後輪4に結合されたドリブンプーリ23と、ギヤ21の回転をドライブプーリ22に伝達する状態と伝達しない状態とで切り換わる遠心クラッチ24とが収容されている。
遠心クラッチ24は、エンジン15の回転数(回転速度)が所定の伝達回転数に達すると、ギヤ21とドライブプーリ22との間を結合し、エンジン15側からの駆動力をドライブプーリ22に伝達する回転数応答クラッチである。これにより、エンジン15の回転数が伝達回転数に達することにより、エンジン15の駆動力が後輪4に伝達され、二輪車両1を発進させることができる。
図2は、ハンドル7に関連する構成を説明するための図解的な平面図である。ハンドル7は左右に延びたハンドル軸26と、このハンドル軸26の左端部および右端部に配置され、運転者がそれぞれ左手および右手で握る左グリップ部27および右グリップ部28(手操作型アクセル)と、左グリップ部27に関連して設けられたリアブレーキレバー29と、右グリップ部28に関連して設けられたフロントブレーキレバー30と、左右のグリップ部27,28の間の領域を覆うハンドルカバー31とを備えている。
右グリップ部28は、アクセル操作部を兼ねていて、ハンドル軸26まわりに回動可能に取り付けられている。この右グリップ部28を運転者から見て手前側に回動させることにより、エンジン15のスロットル開度を増大させて、エンジン出力を増大させることができ、その反対側(前方側)に回動させることにより、スロットル開度を減少させて、エンジン出力を減少させることができる。このような右グリップ部28の回動操作量をアクセル操作量として検出してアクセル指令値(アクセル指令信号)を生成するアクセル操作量センサ32が、右グリップ部28に関連して設けられている。このアクセル操作量センサ32は、たとえば、ポテンショメータで構成することができる。
リアブレーキレバー29は、リアブレーキユニット13を作動させて後輪に制動力を働かせるために運転者が操作するブレーキ操作部である。同様に、フロントブレーキレバー30は、フロントブレーキユニット12を作動させて前輪に制動力を働かせるために運転者が操作するブレーキ操作部である。ブレーキレバー29,30の操作は、ワイヤによってブレーキユニット13,12に伝達されるようになっていてもよいし、ブレーキレバー29,30の操作入力に応じて作動する油圧機構によってブレーキユニット13,12が作動させられるようになっていてもよい。いずれの場合も、フロントブレーキレバー30を握ることによって前輪6は制動状態となり、これを解放することによって、前輪6は制動状態から解放される。同様に、リアブレーキレバー29を握ることによって後輪4は制動状態となり、これを解放することによって、後輪4は制動状態から解放される。
ハンドルカバー31には、中央に計器盤35が組み込まれており、この計器盤35よりも右グリップ部28側の位置には、エンジン15を始動可能な状態とするためのメインスイッチ34と、エンジン15を始動させるためのスタータスイッチ36とが配置されている。計器盤35には、スピードメータ37および燃料計38などが組み込まれている。
図3は、前記二輪車両1の主としてエンジン15の制御に関連する構成を示すブロック図である。エンジン15は、たとえば、燃料噴射式のエンジンであり、たとえば、単気筒の4サイクルエンジンである。二輪車両1には、エンジン15の燃料の噴射を電子的に制御するエンジン出力制御手段としてのFI(Electronic Fuel Injection System)コントローラ(電子制御ユニット)70と、発電機および前述のスタータモータ18を統合したISG(Integrated Starter Generator)72と、このISG72を制御するISGコントローラ71と、バッテリ75とが搭載されている。
FIコントローラ70には、エンジン15のカム軸51に取り付けられたタイミングロータ(図示せず)の動きからカム位置を検出するカムセンサ52の出力信号であるカム信号が入力される。このカム信号を用いてエンジン15の行程判別が行われる。
また、FIコントローラ70には、エンジン15のクランク軸17に取り付けられたタイミングロータ(図示せず)の動きからクランク位置を検出するクランク角センサ54の出力信号であるクランク角信号が入力される。このクランク角信号は、エンジン15のクランク角度の検出結果である。また、FIコントローラ70は、このクランク角信号の間隔(周期)を検出することでエンジン15の回転数を検出している。
また、FIコントローラ70には、車輪(たとえば後輪4)に取り付けられたドリブンプーリ23の動きから二輪車両1の車速を検出するマグネットセンサ55の出力信号である車速信号が入力される。この二輪車両1の車速は、マグネットセンサ55から出力される出力パルスの時間間隔により検出する。すなわち、FIコントローラ70は、前記車速信号の間隔(周期)を検出することで二輪車両1の車輪回転数を検出し、この車輪回転数を車速に変換している。
また、FIコントローラ70には、二輪車両1のハンドル7に取り付けられたスタータスイッチ36のONにより出力されるスタータ信号が入力される。この二輪車両1においては、前記スタータ信号をエンジン15の始動信号としている。なお、スクータではブレーキが制動状態にないとエンジン15を始動できないしくみになっている。
また、FIコントローラ70には、エンジン15の吸気管40に設けられたバタフライ弁型のスロットル45のスロットル開度を表すスロットル開度信号がスロットルコントローラ42から入力されるようになっている。このスロットルコントローラ42には、スロットル45の開度を検出するスロットルポジションセンサ46の出力信号が入力されるようになっている。スロットルポジションセンサ46は、スロットル開度に応じてリニアに変化する出力信号を出力する。スロットル45の開度を電子的に制御するために、スロットル45には、このスロットル45を駆動する電動モータ41が結合されている。この電動モータ41が、前記スロットルコントローラ42によって制御されるようになっている。このスロットルコントローラ42には、スロットルポジションセンサ46の出力信号がフィードバックされているとともに、FIコントローラ70からのスロットル開度指令信号が与えられるようになっている。すなわち、スロットルコントローラ42は、スロットル45の開度がスロットル開度指令信号に合致するように、スロットルポジションセンサ46の出力に基づいて、電動モータ41をフィードバック制御する。
吸気管40においてスロットル45よりも吸気方向下流側には、吸気管40内の負圧を検出する吸気管負圧センサ43が配置されている。この吸気管負圧センサ43の出力信号は、FIコントローラ70に入力されるようになっている。
また、FIコントローラ70には、エンジン15の温度を検出する温度センサ48の出力信号であるエンジン温度信号が入力される。FIコントローラ70は、このエンジン温度信号に基づいて、エンジン15の暖機状態(再始動の容易さ)を知る。温度センサ48は、エンジン15のシリンダブロックに取り付けられて、このシリンダブロックの温度を検出するものであってもよい。また、エンジン15の冷却方式が水冷式である場合には、冷却水の温度を検出する水温センサをラジエータに配置し、この水温センサの出力に基づいてエンジン温度を推定するようにしてもよい。
また、FIコントローラ70には、フロントブレーキ信号が入力される。すなわち、フロントブレーキレバー30の操作状態は、フロントブレーキスイッチ57(図2参照)によって検出され、ON/OFFの信号(フロントブレーキ信号)としてFIコントローラ70に入力される。
また、FIコントローラ70には、リアブレーキ信号が入力される。すなわち、リアブレーキレバー29の操作状態は、リアブレーキスイッチ58(図2参照)によって検出され、ON/OFFの信号(リアブレーキ信号)としてFIコントローラ70に入力される。FIコントローラ70は、上記2つのブレーキ信号に基づいて、対応する各ブレーキユニット12,13の制動状態を検知する。
また、FIコントローラ70には、バッテリ75からバッテリ電圧が入力されている。
一方、FIコントローラ70の出力端子には、インジェクタ(INJ:燃料噴射装置)60、イグニッションコイル(IGN)61およびフューエルポンプ62が接続されている。
また、FIコントローラ70からは、ISGコントローラ71に対して、ISG72を始動させる始動信号、ISG72の発電電流指令値および発電電圧指令値が付与される。これにより、ISGコントローラ71は、ISG72を駆動し、ISG72から回転信号を受け取る。
ISG72は、エンジン15によって駆動され発電する。ISG72が発電した電力は、ISGコントローラ71を介してバッテリ75に充電される。バッテリ75は、各電装部品の駆動回路に電力を供給する。
前記始動信号は、スタータ信号が検出された時やアイドルストップからの再始動条件が整った時に、FIコントローラ70からISGコントローラ71へ、始動要求として出力される。
本実施形態に係る二輪車両1は、アイドリング時の無駄な燃料消費を抑えるために、所定の実行条件が全て整ったときに、FIコントローラ70の制御によって、エンジン15をアイドルストップするように構成されている。
図4は、本実施形態に係る二輪車両1のエンジン15をアイドルストップさせるときの実行条件(1)〜(6)(エンジン停止条件)を示している。
実行条件(1):エンジン温度が所定値以上であること
エンジン温度が所定値(例えば、65℃)以上であるか否かは、温度センサ48が出力するエンジン温度信号が所定値以上であるか否かで判断する。この判断は、エンジン温度がエンジン15をアイドルストップさせてもよい温度であるか否かを判断するものである。換言すれば、エンジン15を停止させても、容易に再始動可能なほどエンジン温度が高いかどうかを判断するものである。したがって、この実行条件(1)のエンジン温度は、65℃以上に限定されない。
実行条件(2):車速が一旦所定値以上となったこと
車速が一旦所定値(例えば、10km/h)以上となったか否かは、エンジン15をアイドルストップさせる直前に二輪車両1が走行したか否かを、例えば車速信号で判断するものである。この条件は、主に、低速走行では十分にバッテリ75が充電されていないおそれがあるということに基づいている。すなわち、エンジン15を停止させても、容易に再始動が可能なほどバッテリ75が十分に充電されているかどうかを判断するものである。したがって、この実行条件(2)の車速は、10km/h以上に限定されない。
実行条件(3):バッテリ電圧が所定値以上であること
バッテリ電圧が所定値(例えば、12.0V)以上であるか否かは、FIコントローラ70に与えられたバッテリ電圧が所定値以上であるか否かで判断する。この判断は、エンジン15を再始動するために十分な電力量が確保されているか否かを判断するものである。したがって、この実行条件(3)のバッテリ電圧は、12.0V以上に限定されない。
実行条件(4):ブレーキスイッチがONしていること
ブレーキスイッチがONしているか否かは、フロントブレーキスイッチ57のフロントブレーキ信号、あるいはリアブレーキスイッチ58のリアブレーキ信号がFIコントローラ70に入力されたか否かで判断する。この判断は、操作者が二輪車両1を停止させる意志があるか否かを判断するものである。
実行条件(5):スロットルが全閉状態で、かつアイドル回転であること
スロットル45が全閉状態で、かつエンジン回転数がアイドル回転数であるか否かは、スロットルコントローラ42から与えられるスロットル開度信号(スロットルポジションセンサ46の検出結果を表す。)と、クランク角センサ54のクランク角信号とで判断できる。この判断は、スロットル全閉状態で、エンジン15が所定の回転数以下でアイドル回転しているか否かを判断するものである。ここで、スロットル45が全閉状態であるか否かは、スロットルポジションセンサ46のスロットル開度信号を用いずに、エンジン15の吸気管負圧がアイドル回転時の負圧になっていることでも判断することが可能である。この吸気管負圧は、吸気管負圧センサ43の出力信号に基づいて求めることができ、エンジン15の吸気ポートが閉まる直前の吸気管のボトム圧を見ることで検出できる。これにより、スロットル45が全閉状態であるか否かを安価な方法により判断できるようになる。
実行条件(6):車速がゼロになってから所定時間以上経過していること
車速がゼロ(0km/h)になってから所定時間(例えば、3秒)以上経過しているか否かは、マグネットセンサ55(図1参照)から出力される出力パルスのインターバルと、FIコントローラ70に内蔵されているタイマ(図示せず)とで判断している。ここで、車速がゼロになっている状態は、車輪が回転していないため検出が困難になる。そこで、この二輪車両1においては、後輪4に結合されたドリブンプーリ23の回転速度に応じたマグネットセンサ55の出力パルスのインターバルがある程度大きくなったときを車速がゼロの状態としている。また、この車速がゼロの状態が所定時間以上経過しているか否かの判断は、例えば、踏み切りでの一時停止などの場合はエンジン15をアイドルストップさせないようにして、エンジン15が頻繁にアイドルストップしないようにするためである。したがって、この実行条件(6)の車速がゼロになってからの経過時間は、3秒に限定されない。なお、車速は前輪6でも検出することができる。
本実施形態では、二輪車両1は、上述の実行条件(1)〜(6)の全てが整ったときに、燃料噴射および点火が直ちに停止され、エンジン15がアイドルストップされる。なお、頻繁な再始動による煩わしさを考慮しなければ、実行条件(2)は、アイドルストップの必須条件としなくてもよい。
一方、本実施形態では、二輪車両1は、次に説明する所定の復帰条件(再始動条件)が1つでも成立したときに、アイドルストップしているエンジン15を再始動させるように構成されている。
図5は、本実施形態に係る二輪車両1において、アイドルストップを解除してエンジン15を再始動させるときの復帰条件(1)〜(5)を示している。
復帰条件(1):ブレーキをリリースしたこと
ブレーキスイッチがON→OFFしたか否かは、フロントブレーキレバー30またはリアブレーキレバー29がリリースされたか否かにより判断する。つまり、この判断は、フロントブレーキスイッチ57のフロントブレーキ信号またはリアブレーキスイッチ58のリアブレーキ信号のFIコントローラ70への入力が無くなったか否かで判断する。すなわち、この二輪車両1においては、操作者がフロントブレーキレバー30またはリアブレーキレバー29をリリースしたときに、アイドルストップしているエンジン15が再始動される。
より詳細には、a)アイドルストップ中にフロントブレーキとリアブレーキの両方がかかっている場合は、ブレーキレバーがアクセル(右グリップ部28)と同じ側に操作部(ブレーキレバー)が配置されているフロントブレーキのリリースをアイドルストップの解除条件とする。また、b)アイドルストップ中にリアブレーキのみがかかっている場合は、そのリアブレーキのリリースをアイドルストップの解除条件とする。また、c)アイドルストップ中にフロントブレーキのみがかかっている場合は、そのフロントブレーキのリリースをアイドルストップの解除条件とする。
復帰条件(2):アクセル指令値が所定以上になったこと
アクセル指令値が所定値(たとえば、スロットル開度に換算して22°に対応する値)以上になったか否かは、アクセル操作量センサ32によって検出されてFIコントローラ70に入力されるアクセル指令値により判断する。この判断は、操作者がハンドルの右グリップ(アクセルグリップ)28を回して二輪車両1を発進させようとしている意志があるか否かを判断するものである。したがって、この復帰条件(2)の所定値は、スロットル開度に換算して22°に対応するアクセル指令値に限定されない。
復帰条件(3):スタータスイッチがONしたこと
スタータスイッチ36がONしたか否かは、FIコントローラ70にスタータスイッチ36のスタータ信号が入力されたか否かで判断する。この判断は、操作者がスタータスイッチ36を押して二輪車両1を始動させようとしている意志があるか否かを判断するものである。このスタータスイッチ36がONしてエンジン15が再始動されたときは、スタータスイッチ36がONしている間、スタータ信号が出力される。ただし、一回のスタータスイッチ36の操作によって出力されるスタータ信号の継続時間は、一定の時間(例えば、2.5秒)に制限されている。また、この復帰条件(3)以外のエンジン15の自動復帰時は、スタータ信号を一定時間(例えば、2.5秒)の間、出力する。
復帰条件(4):エンジン温度が所定値を下回ったこと
エンジン温度が所定値(例えば、55℃)を下回ったか否かは、温度センサ48のエンジン温度信号が所定値を下回ったか否かで判断する。この判断は、エンジン温度がエンジン15をスムーズに再始動させることができる温度以上に維持されているか否かを判断するものである。つまり、この二輪車両1においては、エンジン温度が所定値を下回ったときにエンジン15が再始動されるので、エンジン温度が少なくとも所定値以上に保たれるようになる。この復帰条件(4)のエンジン温度は、55℃に限定されない。
復帰条件(5):バッテリ電圧が所定値を下回ったこと
バッテリ電圧が所定値(例えば、11.8V)を下回ったか否かは、FIコントローラ70に与えられたバッテリ電圧が所定値を下回ったか否かで判断する。このときの所定値は、アイドルストップを実行するか否かを判定するためのバッテリ電圧よりも低い値に設定される。アイドルストップ中でも、例えば、ブレーキランプによってバッテリ75の電力は消費される。バッテリ75に蓄積されている電力量が所定値以下になると、確実に再始動することができなくなる。したがって、バッテリ電圧が所定値以下になったとき、車両が停止していてもエンジン15を再始動して、バッテリ75の充電を行う。この復帰条件(5)のバッテリ電圧は、11.8Vに限定されない。
次に、この実施形態に係る二輪車両1の状態遷移について説明する。
図6は、二輪車両1のエンジン15の状態遷移を示す状態遷移図である。エンジン15は、所定の条件下で、「停止モード」、「始動モード」、「アイドルストップモード」および「通常運転モード」に適時遷移する。また、「通常運転モード」には、「定常運転モード」と「過渡運転モード」とがある。エンジン15がいずれの状態(モード)であるかを表す状態データは、FIコントローラ70の内部の状態管理メモリ(図示せず)に格納されるようになっている。
図6において、エンジン15は、「電源OFF」の状態でメインスイッチ34(図2参照)をONすると、「停止モード」になる(T1)。
また、エンジン15は、「停止モード」で、運転者がスタータスイッチ36をONするか、または押しかけもしくはキックによるクランキングを行うと、「始動モード」に遷移する(T2)。この「始動モード」でエンジンストールが発生すると、エンジン15は「停止モード」に戻る(T3)。そして、エンジン15は、「始動モード」でエンジン15が点火し所定の完爆判定回転数に達すると、「定常運転モード」の「暖機モード」に遷移する(T4)。
また、エンジン15は、「通常運転モード」で、メインスイッチ34がOFFすると「電源OFF」となり(T5)、ストップスイッチ(図示せず)がONすると「停止モード」になる(T6)。
一方、「定常運転モード」で前述したアイドルストップの実行条件(1)〜(6)の全てが成立すると、エンジン15は、「アイドルストップモード」に遷移する(T7)。そして、この「アイドルストップモード」に遷移したエンジン15は、前述した復帰条件(1)〜(5)のいずれか1つでも成立すると、再び「始動モード」に遷移して再始動される(T8)。
また、「通常運転モード」で動作しているエンジン15は、「定常運転モード」で加速の判定が下ると、「過渡運転モード」に遷移して加速される(T9)。加速されて「過渡運転モード」に遷移したエンジン15は、加速終了により「定常運転モード」に戻る(T10)。
また、「過渡運転モード」に遷移したエンジン15は、急減速および再加速により「加速(T11)」と「減速(T12)」とを繰り返す。
また、エンジン15は、「定常運転モード」で減速フューエルカット(燃料カット)実行条件が成立した場合にも、「過渡運転モード」に遷移して減速される(T13)。減速されたエンジン15は、運転領域で燃料カットから復帰し「定常運転モード」に戻る(T14)。
図7は、主としてFIコントローラ70の働きによって実行されるエンジン15の制御内容を説明するためのフローチャートであり、メインスイッチ34が導通されて電源が投入されている期間に、FIコントローラ70が繰り返し実行する処理が示されている。FIコントローラ70は、温度センサ48の出力からエンジン温度を検出し(ステップS1。FIコントローラ70のエンジン温度検出手段としての機能)、ブレーキスイッチ57,58の出力からブレーキ状態を検出し(ステップS2)、アクセル操作量センサ32の出力およスロットルポジションセンサ46の出力(スロットルコントローラ42を介して与えられる。)からアクセル指令値およびスロットル実開度(実際のスロットル開度)を検出し(ステップS3)、マグネットセンサ55の出力を処理して車速を求める(ステップS4)。さらに、FIコントローラ70は、図6を参照して説明したように遷移するエンジン状態を検出する(ステップS5)。具体的には、FIコントローラ70は、前述の状態管理メモリに格納された状態データを参照する。
次に、FIコントローラ70は、前記状態データを参照して、エンジン15が停止中かどうかを判断する(ステップS6)。エンジン15が停止中でなければ、アイドルストップを実行してエンジン15を停止すべきどうかを判定する(ステップS7)。この処理の詳細は後述する。
アイドルストップを実行すべきでないと判定されると、FIコントローラ70はクランク角センサ54の出力信号を参照して、エンジン回転数を求め、エンジン回転数が完爆判定回転数以上かどうかを判定する(ステップS8)。クランキング中は、この判断が否定されるが、爆発が始まると、エンジン回転数は完爆判定回転数以上となる。
エンジン回転数が完爆判定回転数以上であり、したがってエンジンが始動したと判断されると(ステップS8のYES)、次に、FIコントローラ70は、エンジン15がアイドリング中かどうかを判定する(ステップS9,S10)。すなわち、FIコントローラ70は、車速センサとしてのマグネットセンサ55の出力信号を参照して、車速が所定値(たとえば1km/h)以下かどうか、すなわち、二輪車両1が停車中かどうかを判断する(ステップS9)。車両が停車中であれば(ステップS9のYES)、FIコントローラ70はさらに、ステップS3で検出したアクセル指令値が所定のアイドルスロットル開度以上のスロットル開度を指示するものかどうかを判断する(ステップS10)。アクセル指令値がアイドルスロットル開度未満のスロットル開度に対応するものであれば(ステップS10のNO)、運転者が実質的にアクセル操作をしていない状態であるとみなし、アイドリング状態であると判定する。この場合には、アイドリング制御処理が実行される(ステップS11,S12,S13)。
すなわち、FIコントローラ70は、アイドリング時の燃焼噴射量、噴射時期および点火時期を演算して(ステップS11)、この演算された燃料噴射量および噴射時期に対応する指令値でインジェクタ60を制御し、かつ、演算された点火時期に点火されるようにイグニッションコイル61を制御する(ステップS12)。さらに、FIコントローラ70は、スロットルコントローラ42に対して、スロットル開度をアイドルスロットル開度θidに設定すべきことを表すスロットル開度指令値を与える(ステップS13)。その後、処理がリターンされ、ステップS1からの処理が行われる。
二輪車両1が停車中であって(ステップS9のYES)、かつ、アクセル指令値がアイドルスロットル開度以上のスロットル開度を指示するものであると判定される場合(ステップS10のYES)とは、運転者がアクセル(右グリップ部28)を操作して発進しようとしている場合である。この場合には、一定条件下で、エンジン15の出力をアクセル指令値に対応する出力よりも低く抑制するエンジン出力抑制処理(ステップS14)が実行される。このエンジン出力抑制処理は、FIコントローラ70のエンジン出力抑制手段としての機能に相当する。このエンジン出力抑制処理の詳細については、後述する。
一方、二輪車両1が停車中でないと判断された場合(ステップS9のNO)には、FIコントローラ70は、次に、極低速走行状態かどうかを判定するために、車速が所定値(たとえば、7〜8km/h)以上かどうかを判断する(ステップS15)。発進直後や、運転者が下車してハンドル7を保持して二輪車両1を移動させている場合には、この条件は満たされない。この場合には、エンジン出力抑制処理(ステップS14)が行われる。
車速が前記所定値以上であると判断されると(ステップS15のYES)、エンジン出力抑制処理(ステップS14)が省かれ、FIコントローラ70は、アクセル指令値およびエンジン回転数などに応じて、燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期を演算する(ステップS16)。FIコントローラ70は、さらに、この演算された燃料噴射量および燃料噴射時期でインジェクタ60を制御し、演算された点火時期でイグニッションコイル61を制御する(ステップS17)。このように、FIコントローラ70は、ステップS16,S17の処理を実行することにより、点火時期制御手段として機能する。
さらに、FIコントローラ70は、スロットル開度をアクセル指令値に追従させるべく、スロットルコントローラ42にスロットル開度指令値を与える(ステップS18)。その後は、処理がリターンされ、ステップS1からの処理が繰り返される。前記ステップS18を実行することにより、FIコントローラ70は、スロットル開度を制御するスロットル開度制御手段として機能する。
エンジン出力抑制処理(ステップS14)後には、ステップS16からの処理が行われることになる。ただし、ステップS15で車速が所定値以上であると判断された後のステップS16からの処理では、燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期がいずれも通常値に設定されるのに対して、エンジン出力抑制処理(ステップS14)の後にステップS16からの処理が行われるときには、点火時期が通常時よりも遅く設定される。また、スロットル開度をスロットル開度指令値に追従させるステップS18の処理では、追従遅延時間が、通常時(ステップS15でYES)の場合よりも、エンジン出力抑制処理後の方が長く設定される。換言すれば、エンジン出力抑制処理(ステップS14)は、一定条件下で、点火時期の遅角を通常時よりも大きく設定し、スロットル開度の追従遅延時間を通常時よりも長く設定するための処理である。
一方、エンジン停止中であると判断された場合(ステップS6のYES)には、FIコントローラ70は、再始動時に備えて、エンジン始動時に対応した燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期を求める(ステップS19)。さらに、FIコントローラ70は、始動要求があるかどうかを判断する(ステップS20)。始動要求がなければ、リターンして、ステップS1からの処理が繰り返される。始動要求の有無は、スタータスイッチ36の操作の有無で判断されるほか、アイドルストップ状態からの復帰条件が満たされたかどうかによって判断される。この処理の詳細は、後述する。
始動要求がある場合(ステップS20のYES)には、FIコントローラ70は、ISGコントローラ71に始動指令を与える(ステップS21)。これにより、ISGコントローラ71は、スタータモータ18を始動させる。さらに、FIコントローラ70は、フューエルポンプ62を始動し(ステップS22)、ステップS19で設定された燃料噴射量および燃料噴射時期に基づいてインジェクタ60を制御し、同じくステップS19で設定された点火時期に基づいてイグニッションコイル61を制御する(ステップS23)。このように、FIコントローラ70は、前記ステップS20〜S23などの処理を実行することにより、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させる再始動制御手段として機能する。
また、FIコントローラ70は、始動時のスロットル開度を設定する始動時スロットル開度設定処理(ステップS25)を行い、設定された始動時スロットル開度を表す始動時スロットル開度制御信号をスロットルコントローラ42に与える(ステップS26)。これにより、スロットル45の位置が、始動時スロットル開度に対応する位置に制御されることになる。この始動時スロットル開度は、アクセル指令値に依存することなく設定される。そのため、エンジン15の始動時に運転者が過剰なアクセル操作を行っている場合であっても、始動直後のエンジン回転数の急上昇を防ぐことができる。さらには、始動時における最適な空気対燃料比を実現できるから、エンジン15を確実に始動させることができるとともに、排気ガス中に有害成分が多く含まれることを防止できる。このように、ステップS25,S26の処理は、エンジン出力をアクセル指令値に対応する値よりも低く抑制するエンジン出力抑制処理の一つとなっている。つまり、FIコントローラ70は、これらのステップS25,S26の処理を実行することによって、アイドルストップ状態から復帰するときのスロットル開度を通常時よりも小さな再始動スロットル開度(始動時スロットル開度)に設定するエンジン出力抑制手段として機能することになる。
ステップS26の後は、処理がリターンされ、ステップS1からの処理が繰り返される。
エンジン作動中(ステップS6のNO)に、アイドルストップを実行してエンジンを停止すべきとの判定がされると(ステップS7のYES)、FIコントローラ70は、アイドルストップ中であることを表すアイドルストップフラグをセットする(ステップS27)。さらに、FIコントローラ70は、インジェクタ60による燃料の噴射を停止させ(ステップS28)、フューエルポンプ62を停止させる(ステップS29)。この後の処理は、ステップS1にリターンする。前記ステップS7,S27〜S29の処理は、FIコントローラ70のエンジン停止制御手段としての機能に相当する。
クランキング中は、ステップS8での判断が否定されるが、この場合には、ステップS23へと処理を進め、引き続き、始動時の燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期に基づいて、インジェクタ60およびイグニッションコイル61の制御が行われ、さらに始動時スロットル開度に基づいてスロットル45が制御される。
図8Aおよび図8Bは、図7のステップS7におけるアイドルストップ実行判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。アイドルストップ実行判定の処理がスタートすると、まず、エンジン15の状態がアイドルストップ実行中であるか否か(アイドルストップモードか否か)が判断される(ステップS701)。この判断は、アイドルストップフラグがセットされているか否かに基づいて行ってもよい。エンジン15の状態がアイドルストップ実行中であると判断された場合には、以後の処理を行わずにメインルーチン(図7参照)にリターンする。このとき、アイドルストップ実行判定の戻り値を「1」(アイドルストップ実行を表す。)とする。実際には、アイドルストップ実行中であれば、図7のステップS6においてエンジン停止中であると判断されるので、ステップS701の処理は省かれてもよい。
ステップS701で、エンジン15の状態がアイドルストップ実行中でないと判断された場合には、エンジン温度は所定値以上であるか否か判断される(ステップS702)。ここで、エンジン温度が所定値以上であると判断された場合には、エンジン温度フラグがセットされる(ステップS703)。また、ステップS702で、エンジン温度が所定値以上ではないと判断された場合には、エンジン温度フラグがクリアされる(ステップS704)。つまり、エンジン温度フラグは、前述のアイドルストップ実行条件(1)が満足されるとセットされるフラグである。
その後、走行フラグが立っているか否か判断される(ステップS705)。ここで、走行フラグが立っていないと判断された場合には、車速が所定値を超えているか否か判断される(ステップS706)。そして、車速が所定値を超えていると判断された場合には、走行フラグがセットされる(ステップS707)。つまり、走行フラグは、車速が一旦所定値を超えることによって、前述のアイドルストップ実行条件(2)が満足されたときにセットされるフラグである。
一方、ステップS705で走行フラグが立っていると判断された場合、およびステップS707の処理が完了した後には、車速がゼロ(0km/h)であるか否か判断される(ステップS708)。ここで、車速がゼロである場合には、車両停止フラグがセットされる(ステップS709)。また、ステップS708で、車速がゼロではないと判断されると、車両停止フラグがクリアされる(ステップS710)。
その後、エンジン15が始動状態(運転状態)にあり、かつ、エンジン回転数が所定値(アイドル判定回転数)以下であるか否か判断される(ステップS711)。ここで、エンジン15が始動状態にあり、かつ、エンジン回転数がアイドル判定回転数以下であると判断された場合には、スロットル45が全閉であるか否か判断される(ステップS712)。また、ステップS711で、エンジン15が始動状態でないか、または、エンジン回転数がアイドル判定回転数以下ではないと判断された場合には、ステップS712の処理を省いて、ステップS716にジャンプする。
ステップS712で、スロットル45が全閉であると判断された場合には、車速がゼロになってからスロットル45が全閉に保持されている継続時間が所定時間に達したか否かが判断される(ステップS713)。その継続時間が当該所定時間に達したと判断された場合には、アイドル継続フラグがセットされ、継続カウンタがクリアされる(ステップS714)。アイドル継続フラグとは、車速がゼロになってから所定時間のアイドル回転状態が継続したことを示すフラグである。継続カウンタは、車速がゼロとなり、かつ、スロットル45が全閉でアイドル回転状態である状況の継続時間を経時するためのカウンタである。ステップS713での判断は、この継続カウンタの値に基づいて行われる。
ステップS713で、車速がゼロになってから所定時間が経過していないと判断された場合には、継続カウンタのカウントがインクリメントされる(ステップS715)。また、ステップS712で、スロットル45が全閉ではないと判断された場合には、アイドル継続フラグがクリアされ継続カウンタがクリアされる(ステップS716)。
したがって、アイドル継続フラグは、車速がゼロであり、かつ、スロットル45が全閉でアイドル回転である状態が所定時間継続することにより、前述のアイドルストップ実行条件(5)および(6)が満たされたときにセットされるフラグである。
そして、ステップS714、ステップS715およびステップS716のいずれかの処理が完了すると、図8Bに示すステップS801が実行されてブレーキ中であるか否か判断される。ここで、ブレーキ中であると判断された場合には、ブレーキフラグがセットされる(ステップS802)。また、ステップS801で、ブレーキ中ではないと判断された場合には、ブレーキフラグがクリアされる(ステップS803)。したがって、ブレーキフラグを用いることにより、前述のアイドルストップ実行条件(4)が満たされているか否かを判断できる。
ステップS802でブレーキフラグがセットされると、フロントブレーキをかけているか否か判断される(ステップS804)。ここで、フロントブレーキをかけていると判断された場合には、フロントブレーキフラグがセットされる(ステップS805)。
ステップS805でフロントブレーキフラグがセットされた後、あるいはステップS804でフロントブレーキをかけていないと判断された場合には、リアブレーキをかけているか否か判断される(ステップS806)。ここで、リアブレーキをかけていると判断された場合には、リアブレーキフラグがセットされる(ステップS807)。
ステップS807またはステップS803の処理後、あるいはステップS806でリアブレーキをかけていないと判断された場合には、バッテリ電圧が所定値以上であるか否か判断される(ステップS808)。ここで、バッテリ電圧が所定値以上であると判断された場合には、電圧チェックフラグがセットされる(ステップS809)。また、ステップS808で、バッテリ電圧が所定値以上ではないと判断された場合には、電圧チェックフラグがクリアされる(ステップS810)。すなわち、電圧チェックフラグは、前述のアイドルストップ実行条件(3)が満たされることによってセットされる。
ステップS809またはステップS810の処理が完了すると、アイドルストップ実行条件(1)〜(6)が整ったか否か判断される(ステップS811)。すなわち、エンジン温度フラグ、走行フラグ、電圧チェックフラグ、ブレーキフラグおよびアイドル継続フラグがすべてセットされているかどうかが判断される。アイドルストップ実行条件(1)〜(6)が整ったと判断された場合には、アイドルストップの実行が許可される(ステップS812)。すなわち、アイドルストップ実行判定の戻り値を「1」とする。また、ステップS811で、アイドルストップ実行条件(1)〜(6)が整っていないと判断された場合には、アイドルストップしない。すなわち、アイドルストップ実行判定の戻り値を「0」とする。
FIコントローラ70は、アイドルストップ実行判定の戻り値が「1」のとき、図7のステップS7からステップS27へと処理を進め、エンジン15を停止させるための処理を実行する。また、FIコントローラ70は、アイドルストップ実行判定の戻り値が「0」のとき、図7のステップS7からステップS8へと処理を進める。
図9は、アイドルストップ復帰判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。このアイドルストップ復帰判定は、図7のステップS20の判断処理の一部をなす。
FIコントローラ70は、まず、エンジン15の状態がアイドルストップ実行中であるか否かを判断する(ステップS1201)。この判断は、アイドルストップフラグがセットされているかどうかに基づいてなされてもよい。アイドルストップ実行中ではないと判断された場合には、図7のメインルーチンにリターンする。
アイドルストップ実行中であると判断された場合には、アクセル指令値が所定値以上(所定のスロットル開度に対応する値以上)か否かが判断される(ステップS1202)。ここで、アクセル指令値が所定値以上であると判断された場合には、アイドルストップフラグをクリアして、始動要求を発生し(ステップS1203)、メインルーチンにリターンする。これにより、運転者のアクセル操作によって、復帰条件(2)が満たされたことに応答して、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させることができる。
ステップS1202で、アクセル指令値が所定値以上ではないと判断された場合には、FIコントローラ70は、ブレーキスイッチ57,58の状態(図8のステップS2で検出)に基づいて、ブレーキがリリースされたか否かを判断する(ステップS1204)。ここで、ブレーキがリリースされたと判断された場合には、アイドルストップフラグをクリアして、始動要求を発生し(ステップS1205)、メインルーチンにリターンする。これにより、復帰条件(1)が満たされたことに応答して、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させることができる。
ステップS1204で、ブレーキがリリースされていないと判断された場合には、FIコントローラ70は、バッテリ電圧が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS1206)。ここで、バッテリ電圧が所定値以下であると判断された場合には、アイドルストップフラグをクリアし、再始動要求を発生した後(ステップS1207)、メインルーチンにリターンする。これにより、復帰条件(5)が満たされたことに応答して、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させることができる。
ステップS1206で、バッテリ電圧が所定値以下ではないと判断された場合には、FIコントローラ70は、スタータモータ18が回っているか否かを判断する(ステップS1208)。ここで、スタータモータ18が回っていると判断された場合には、FIコントローラ70は、アイドルストップフラグをクリアし、再始動要求を発生して(ステップS1209)、処理をメインルーチンに戻す。これにより、復帰条件(3)が満たされたことに応答して、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させることができる。
また、ステップS1208で、スタータモータ18が回っていないと判断された場合には、FIコントローラ70は、図7のステップS1で検出されたエンジン温度が所定値を下回っているかどうかを判断する(ステップS1210)。エンジン温度が所定値を下回っていると判断されると、FIコントローラ70は、アイドルストップフラグをクリアし、再始動要求を発生して(ステップS1211)、処理をメインルーチンに戻す。これにより、復帰条件(4)が満たされたことに応答して、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させることができる。
ステップS1210において、エンジン温度が所定値を下回っていないと判断され、したがって、復帰条件(1)〜(5)のいずれもが満たされていないと判断されると、アイドルストップフラグはセット状態に保持され、アイドルストップ状態が維持されたまま、処理がメインルーチンに戻る。
図10は、図7のステップS25における始動時スロットル開度設定処理を説明するためのフローチャートである。FIコントローラ70は、図7のステップS1で検出したエンジン温度を参照する(ステップS41)。このエンジン温度に基づいて、FIコントローラ70は、スロットル開度補正値Δθtを演算する(ステップS42)。たとえば、FIコントローラ70は、内部に備えたメモリに、エンジン温度に対応するスロットル開度補正値Δθtを予め定めたテーブルを保持していて、このテーブルを参照することによってスロットル開度補正値Δθtを定めるようになっていてもよい。このスロットル開度補正値Δθtに基づいて、FIコントローラ70は、始動時スロットル開度θstを次式に従って設定する(ステップS43)。
θst=θstn+Δθt
ただし、θstnは、エンジン15が暖機状態にある場合における最低のスロットル開度を表す。この暖機運転時最低スロットル開度θstnは、この実施形態では、アイドルスロットル開度θid(アイドリング時のスロットル開度)よりも大きく定められている。
図11は、エンジン温度と始動時スロットル開度θstとの関係の一例を示す図である。始動時スロットル開度θstは、暖機運転最低スロットル開度θstnと、エンジン15が冷機状態であるときのスロットル開度に相当する上限値θuとの間の値に定められる。換言すれば、始動時スロットル開度θstが上限値θuを超えないようにスロットル開度補正値Δθtが定められている。上限値θuは、遠心クラッチ24がエンジン15の駆動力をドライブプーリ22に伝達する伝達回転数に対応するスロットル開度よりも低く定められている。したがって、エンジン始動時に、遠心クラッチ24がクラッチインすることがない。
図11の例では、アイドルストップ状態からの復帰条件(4)に関連するしきい値Trt(エンジン温度と比較される所定値)以下のエンジン温度範囲では、始動時スロットル開度θstは、上限値θuに定められる。また、しきい値Trtを超えるエンジン温度に対しては、所定温度T1までの範囲で、エンジン温度の増加に対してリニアに減少し、所定温度T1で暖機運転最低スロットル開度θstnになるように、始動時スロットル開度θstが定められる。つまり、エンジン温度が低いほど、始動時スロットル開度θstは大きく定められる。所定温度T1を超える範囲のエンジン温度に対しては、暖機運転最低スロットル開度θstnが適用される。なお、Tsは、エンジン温度に関するアイドルストップ実行条件(1)に対応したしきい値である。この例では、アイドルストップ実行のためのエンジン温度のしきい値Tsは、アイドルストップ状態からの復帰のためのエンジン温度のしきい値Trtよりも高く定められている。
図12は、エンジン温度と始動時スロットル開度θstとの関係の他の例を示す図である。この例では、始動時スロットル開度θstは、エンジン温度の増加に伴って、所定温度T2までの範囲で、上限値θuから下限値としての暖機運転最低スロットル開度θstnまで単調に減少するように定められている。上限値θuは、図11の場合と同じく、遠心クラッチ24がエンジン15の駆動力をドライブプーリ22に伝達する伝達回転数に対応するスロットル開度よりも低い値である。
この実施形態では、エンジン始動時には、アクセル指令値に拘わらず、図11または図12のような始動時スロットル開度θstが設定される。そのため、アイドルストップ状態からの復帰時を含めて、たとえ、運転者が過剰なアクセル操作を行っている場合であっても、始動直後のエンジン15の回転数が急上昇したりすることがない。しかも、始動時スロットル開度θstの上限値θuが適用される場合でも、遠心クラッチ24がクラッチインすることがない。これにより、二輪車両1が不意に発進したりして、運転者に不快感を与えたりすることがない。また、エンジン始動時に、運転者のアクセル操作によらずに、確実に適正なスロットル開度を設定でき、適正な空気対燃焼比を達成できる。これにより、エンジン15を確実に始動でき、そのうえ、不適正な空気対燃焼比に起因する大量の有害成分が排気ガス中に混入することを防止できる。
図13は、図7のステップS14におけるエンジン出力抑制処理を説明するためのフローチャートである。FIコントローラ70は、まず、運転者のアクセル操作に対応したアクセル指令値(アクセル操作量センサ32により検出)に対応したスロットル開度と、実際のスロットル開度(スロットルポジションセンサ46により検出)との偏差(以下「スロットル開度偏差」という。)を求め、このスロットル開度偏差が所定のしきい値E1以下かどうかを判断する(ステップS51)。このスロットル開度偏差がしきい値E1以下である場合、すなわち、アクセル指令値に対応したスロットル開度と実際のスロットル開度とが近似しているときには、以後の処理は行わずに、メインルーチンにリターンして、ステップS16からの処理が行われる。
たとえば、運転者が大きくアクセル操作を行うことによって、アイドルストップ状態からの復帰条件(2)が満たされたときには、アクセル指令値に対応したスロットル開度は大きな値であるのに対して、始動時スロットル開度θstはそれよりも小さな値に設定される。このような状況のとき、スロットル開度偏差がしきい値E1を超える(ステップS51のNO)。
この場合には、エンジン15の点火時期を通常よりも遅らせてエンジン15の出力をアクセル指令値に対応する出力よりも小さく抑制するために、点火時期遅角補正量演算処理が行われる(ステップS52)。ここで演算された点火時期遅角補正量は、メインルーチンに戻ったときに、図7のステップS16での処理に適用される。すなわち、FIコントローラ70は、点火時期を演算するときに、前記演算された点火時期遅角補正量により、点火時期を通常の点火時期よりも遅くなるように補正する。ステップS52での処理を経ずにステップS16で点火時期が演算されるときには、点火時期遅角補正量をゼロとして点火時期が演算される。そのため、通常の点火時期が設定されることになる。
点火時期遅角補正量演算処理(ステップS52)につづいて、スロットル開度偏差が、しきい値E2(>E1)と大小比較される(ステップS53)。スロットル開度偏差がしきい値E2以下であれば(ステップS53のYES)、メインルーチンに戻って、図7のステップS16からの処理が行われる。つまり、点火時期遅角補正によるエンジン出力の抑制が行われる。
一方、前記スロットル開度偏差がしきい値E2を超えているときには(ステップS53のNO)、スロットル開度をアクセル指令値に追従させるための追従遅延時間が設定される(ステップS54)。この場合の追従遅延時間とは、アクセル指令値が一定値に維持されたときに、実際のスロットル開度が、そのアクセル指令値に対応したスロットル開度に達するまでの時間である。通常は、この追従遅延時間は小さな値に設定され、アクセル操作に対する応答性を高めるようにされるが、ステップS54での処理は、追従遅延時間を通常時よりも大きく設定して応答性を鈍化させるための追従遅延処理である。すなわち、アクセル指令値に対応するスロットル開度と実際のスロットル開度とに大きな偏差があり、しかも、低速走行中(ステップS15のNO)である状況では、スロットル開度をアクセル指令値にすみやかに追従させると、急発進状態または急加速状態となり、運転者に不快感や不安感を与えるおそれがある。そこで、ステップS54では、比較的長い追従遅延時間が設定される。この追従遅延時間の設定後には、メインルーチンに戻り、図7のステップS16からの処理が行われることになる。
図7のステップS18では、FIコントローラ70は、前記設定された追従遅延時間に基づいて、スロットル開度をアクセル指令値に対応するスロットル開度に追従させるべく、スロットルコントローラ42を設定する。ステップS54の処理を経ていない場合には追従、遅延時間は小さな値に設定され、スロットル開度はアクセル指令値にすみやかに追従させられる。
図14は、図13のステップS52における点火時期遅角補正量演算処理によって設定される点火時期遅角補正量の一例を説明するための図である。スロットル開度偏差がしきい値E1以下の範囲では、点火時期遅角補正量はゼロである。スロットル開度偏差がしきい値E1を超える範囲では、スロットル開度偏差の増加に伴って、上限値Idyまでの範囲で単調増加するように、点火時期遅角補正量が設定される。図14の例では、しきい値E2で点火時期遅角補正量は上限値Idyに達しているが、しきい値E2を超えたスロットル開度偏差またはしきい値E2よりも小さなスロットル開度偏差において、点火時期遅角補正量が上限値Idy達するようにしてもよい。また、図14の実線に示すように、スロットル開度偏差の増加に伴って点火時期遅角補正量が折れ線状に単調増加するようにしてもよいし、図14に破線で示すようにスロットル開度偏差の増加に伴って点火時期遅角補正量がリニア(直線状)に単調増加するようにしてもよい。
このように、点火時期を通常の点火時期よりも遅らせることによって、エンジン出力を抑制でき、エンジン15の始動直後にその回転数が急上昇することを抑制でき、急発進や急加速を抑制できる。スロットル開度偏差がしきい値E1以下の場合には、点火時期遅角補正を行わなくても運転者に不快感を与えるほどの急発進または急加速が生じることはない。また、スロットル開度偏差しきい値E2以下であれば、点火時期遅角補正のみを行えば、追従遅延処理(ステップS54)を行わなくとも、運転者に不快感を与えるほどの急発進または急加速を防ぐことができる。
図15は、スロットル開度偏差がしきい値E2よりも大きいとき(図13のステップS53のNO)に、アクセル指令値に対してスロットル開度を追従させるときの追従遅延時間の設定例を示す図である。ステップS54で定められる追従遅延時間は、スロットル開度偏差が大きいほど長く定められるが、図15では、或るスロットル開度偏差に対応する追従遅延時間を車速に依存して定める例が示されている。この例では、車速が大きいほど追従遅延時間を短くし、低速域での応答を鈍化させるとともに、高速域での応答性を高めるようにしている。
ステップS54での追従遅延処理を経ないときには、所定車速V1未満の範囲では、破線で示すように、追従遅延時間は上限値Duに定められる。これに対して、スロットル開度偏差が大きく、ステップS54での追従遅延処理が行われるときには、所定車速V1未満の低速域において、実線で示すとおり、通常時よりも大きな追従遅延時間が設定される。なお、ステップS54での処理を経ないときの追従遅延時間はゼロに設定しても差し支えない。
図16は、アイドルストップ状態から復帰した直後におけるスロットル開度偏差がしきい値E2を超える場合のスロットル開度の時間変化の例を示す図である。始動時スロットル開度θstとアクセル指令値に対応したスロットル開度(アクセル指令相当値)との間の差は、始動直後には、しきい値E2を超えている。そのため、点火時期遅角補正が行われるとともに、比較的大きな追従遅延時間が設定され、スロットル開度は始動時スロットル開度θstから緩慢に増加していく。そして、スロットル開度偏差がしきい値E2にまで減少すると、ステップS54の処理が省かれるため、追従遅延時間が短く設定され、実質的に点火時期遅角補正処理のみが通常時と異なる処理となる。したがって、スロットル開度は比較的速やかにアクセル指令値に対応した値へと立ち上がっていく。その過程で、スロットル開度偏差がしきい値E1以下となるか、または車速が所定車速V1以上となれば、点火時期遅角補正も行われなくなり、スロットル開度は、より速やかにアクセル指令値に追従していくことになる。
以上のようにこの実施形態によれば、アイドルストップ後の再始動時には、アクセル指令値とは無関係にエンジン温度に対応した始動時スロットル開度θstが設定される。つまり、アクセル指令値が大きな値の場合でも、エンジン出力が、アクセル指令値に対応した値よりも小さく抑えられる。そのため、運転者が過剰なアクセル操作を行ってアイドルストップ後のエンジンの再始動がされるときでも、エンジン回転数の急激な増加や急発進によって運転者に不快感を与えることがない。それだけでなく、適正な始動時スロットル開度θstでエンジン15が始動されるので、始動時の空気対燃料比が適正になり、再始動性を向上できるうえ、排気ガス中に混入する有害成分を少なくすることができる。
また、再始動直後には、点火時期遅角補正および追従遅延処理によって、エンジン出力値が、アクセル指令値に対応した値よりも小さく抑えられるとともに、エンジン出力の抑制の度合いが徐々に緩和されていく。これにより、エンジン出力は、徐々にアクセル指令値に追従していく。つまり、始動時のアクセル操作が過剰な場合でも、エンジン回転数が徐々に上昇するので、遠心クラッチ24が不意にクラッチインしたりすることがない。したがって、急発進を防止でき、二輪車両1を心地よく発進させることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、二輪車両1を例にとって説明したが、むろん、この発明は、四輪車両にも適用することができる。また、前述の実施形態では、手操作型のアクセル(右グリップ部28)によってエンジン出力の制御を行う車両について説明したが、通常の四輪車両のように、運転者が足で操作するアクセルを有する車両に対しても、この発明を同様に適用することができる。さらに、前述の実施形態では、始動時スロットル開度の設定、点火時期遅角補正処理および追従遅延処理によってエンジン15の出力を抑制する構成について説明したが、これらのいずれか1つまたは任意の2つの組み合わせによって、エンジン出力を抑制するようにしてもよい。さらには、アイドルスピードコントロールバルブ(ISC)が備えられたエンジンの場合には、このアイドルスピードコントロールバルブの制御によって、エンジン出力(エンジン回転数)を抑制制御することも可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る車両である二輪車両の構成を説明するための図解図である。 前記二輪車両のハンドルに関連する構成を説明するための図解的な平面図である。 前記二輪車両のエンジンの制御に関連する構成を示すブロック図である。 エンジンをアイドルストップさせるときの実行条件を示す図である。 アイドルストップを解除してエンジンを再始動させるときの復帰条件を示す図である。 エンジンの状態遷移を示す状態遷移図である。 前記エンジンを制御するFIコントローラの制御内容を説明するためのフローチャートである。 アイドルストップ実行判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 アイドルストップ実行判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 アイドルストップ復帰判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 始動時スロットル開度設定処理を説明するためのフローチャートである。 エンジン温度と始動時スロットル開度との関係の一例を示す図である。 エンジン温度と始動時スロットル開度との関係の他の例を示す図である。 エンジン出力抑制処理を説明するためのフローチャートである。 点火時期遅角補正量の設定例を説明するための図である。 アクセル指令値に対してスロットル開度を追従させるときの追従遅延時間の設定例を示す図である。 アイドルストップ状態から復帰した直後におけるスロットル開度の時間変化の例を示す図である。
符号の説明
1 二輪車両
2 車体フレーム
3 動力ユニット
4 後輪
5 フロントフォーク
6 前輪
7 ハンドル
8 リアクッションユニット
9 運転者用シート
10 同乗者用シート
11 足載せ部
12 フロントブレーキユニット
13 リアブレーキユニット
15 エンジン
16 伝動ケース
17 クランク軸
18 スタータモータ
19 ベルト
20 ギヤ
21 ギヤ
22 ドライブプーリ
23 ドリブンプーリ
24 遠心クラッチ
25 ベルト
26 ハンドル軸
27 左グリップ部
28 右グリップ部(手操作型アクセル)
29 リアブレーキレバー
30 フロントブレーキレバー
31 ハンドルカバー
32 アクセル操作量センサ
34 メインスイッチ
35 計器盤
36 スタータスイッチ
37 スピードメータ
38 燃料計
40 吸気管
41 電動モータ
42 スロットルコントローラ
43 吸気管負圧センサ
45 スロットル
46 スロットルポジションセンサ
48 温度センサ
51 カム軸
52 カムセンサ
54 クランク角センサ
55 マグネットセンサ
57 フロントブレーキスイッチ
58 リアブレーキスイッチ
60 インジェクタ
61 イグニッションコイル
62 フューエルポンプ
70 FIコントローラ
71 ISGコントローラ
72 ISG
75 バッテリ

Claims (14)

  1. 車輪を駆動するための駆動力を発生するエンジンと、
    このエンジンの出力の制御のために運転者によって操作され、操作量に応じたアクセル指令値を生成するアクセルと、
    このアクセルから生成されるアクセル指令値に基づいてエンジン出力を制御するエンジン出力制御手段とを含み、
    前記エンジン出力制御手段が、
    所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、
    このエンジン停止制御手段によって停止状態とされた前記エンジンを、所定の再始動条件が満足されたことに応答して再始動させる再始動制御手段と、
    この再始動制御手段によって前記エンジンが再始動されるときに、前記エンジン出力を前記アクセルからのアクセル指令値に対応するエンジン出力よりも小さく設定するエンジン出力抑制手段とを含むことを特徴とする車両。
  2. 前記エンジンは、電動モータによって駆動されるスロットルを備えており、
    前記エンジン出力制御手段は、前記アクセルからのアクセル指令値に基づいて前記電動モータを制御することによって、スロットル開度を制御するスロットル開度制御手段を含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記アクセル指令値に対応したスロットル開度よりも小さな再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記エンジンが所定の伝達回転数に達したことに応答して、当該エンジンの駆動力を前記車輪に伝達する回転数応答クラッチ手段をさらに含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記エンジンの回転数が前記伝達回転数以下となる再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項2記載の車両。
  4. 前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、前記再始動スロットル開度を前記エンジン温度検出手段によって検出されるエンジン温度に応じて定めるものであることを特徴とする請求項2または3記載の車両。
  5. 前記エンジン出力制御手段は、前記エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段を含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、所定の通常点火時期よりも遅れた再始動時点火時期を前記点火時期制御手段に設定するものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記エンジン出力抑制手段は、前記エンジンの再始動後は、前記エンジンの出力が前記アクセルが生成するアクセル指令値まで漸増するように、エンジン出力の抑制を緩めていくものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両。
  7. 前記アクセルは、運転者が手で操作する手操作型アクセルであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車両。
  8. アクセル操作によって制御されるエンジンによって車輪を駆動する車両のためのエンジン制御装置であって、
    所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、
    このエンジン停止制御手段によって停止状態とされた前記エンジンを、所定の再始動条件が満足されたことに応答して再始動させる再始動制御手段と、
    この再始動制御手段によって前記エンジンが再始動されるときに、前記エンジン出力を前記アクセルからのアクセル指令値に対応するエンジン出力よりも小さく設定するエンジン出力抑制手段とを含むことを特徴とするエンジン制御装置。
  9. 前記エンジンは、電動モータによって駆動されるスロットルを備えており、
    前記エンジン制御装置は、前記アクセルからのアクセル指令値に基づいて前記電動モータを制御することによって、スロットル開度を制御するスロットル開度制御手段をさらに含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記アクセル指令値に対応したスロットル開度よりも小さな再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項8記載のエンジン制御装置。
  10. 前記車両は、前記エンジンが所定の伝達回転数に達したことに応答して、当該エンジンの駆動力を前記車輪に伝達する回転数応答クラッチ手段を備えており、
    前記エンジン出力抑制手段は、前記スロットル開度制御手段に対して、前記エンジンの回転数が前記伝達回転数以下となる再始動スロットル開度を設定するものであることを特徴とする請求項9記載のエンジン制御装置。
  11. 前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、前記再始動スロットル開度を前記エンジン温度検出手段によって検出されるエンジン温度に応じて定めるものであることを特徴とする請求項9または10記載のエンジン制御装置。
  12. 前記エンジンの点火時期を制御する点火時期制御手段をさらに含み、
    前記エンジン出力抑制手段は、所定の通常点火時期よりも遅れた再始動時点火時期を前記点火時期制御手段に設定するものであることを特徴とする請求項8ないし11のいずれかに記載のエンジン制御装置。
  13. 前記エンジン出力抑制手段は、前記エンジンの再始動後は、前記エンジンの出力が前記アクセルが生成するアクセル指令値まで漸増するように、エンジン出力の抑制を緩めていくものであることを特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載のエンジン制御装置。
  14. アクセル操作によって制御されるエンジンによって車輪を駆動する車両のためのエンジン制御方法であって、
    所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止ステップと、
    このエンジン停止ステップによって停止状態とされた前記エンジンを、所定の再始動条件が満足されたことに応答して再始動させる再始動ステップと、
    この再始動ステップによって前記エンジンが再始動されるときに、前記エンジン出力を前記アクセルからのアクセル指令値に対応するエンジン出力よりも小さく設定するエンジン出力抑制ステップとを含むことを特徴とするエンジン制御方法。
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