JP2005264929A - 鞍乗型車両、ならびにそのためのエンジン制御装置およびアイドルストップ解除方法 - Google Patents

鞍乗型車両、ならびにそのためのエンジン制御装置およびアイドルストップ解除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン停止制御によって省エネルギー性を実現する一方で、エンジンの再始動に要する時間を短縮して、速やかな発進を可能とする鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】ブレーキユニットによって車輪が制動されている状態から、この制動状態が解除されることにより、アイドルストップ状態のエンジンが再始動される。とくに、アイドルストップ状態で、フロントおよびリアの両方のブレーキユニットが作動しているときは、フロントブレーキユニットの制動解除により、エンジンが再始動される。アイドルストップ状態で、フロントまたはリアのいずれかのブレーキユニットが作動しているときは、その作動中のブレーキユニットの制動解除により、エンジンが再始動される。
【選択図】 図5


Description

この発明は、二輪車や三輪車のような鞍乗型車両(運転者が車両に跨って乗車する形態の車両)に関し、特に、所定の復帰条件に応答してアイドルストップ状態のエンジンを再始動させる際の制御に関する。
車両の駆動源であるエンジンを、運転中に所定の停車条件が満たされると停止させ、エンジン停止中は所定の復帰条件が満たされると再始動することによって省エネルギー性を向上するアイドルストップシステムが知られている。たとえば、下記特許文献1に開示されたアイドルストップシステムでは、エンジン停止中にアクセル操作がされることに応答してエンジンを再始動させる構成となっている。より具体的には、操作者のアクセル操作(スロットルアップ)によるアクセル開度(スロットル開度)の増加を検知して、エンジン始動指令が発生されるようになっている。
特開平11−257123号公報
しかし、このような構成では、エンジンが再始動されて車両の発進が可能な状態となるまでの時間が、必ずしも運転者の要求を満たすほど短くない。とくに、二輪車等の鞍乗型車両の場合には、発進時の操作は、ブレーキを解除してアクセルグリップを操作するだけの単純な操作であり、運転者は速やかな発進を望む場合が多い。したがって、上述の特許文献1のアイドルストップシステムを鞍乗型車両に適用すると、運転者が望む発進タイミングを実現できず、快適性が損なわれるおそれがある。
また、特許文献1の構成では、スロットル開度の検出が必要であるため、スロットルポジションセンサ(スロットル開度センサ)が必要となる。したがって、特許文献1の構成は、スロットルポジションセンサを備えていない車両には適用することができない。
そこで、この発明の目的は、エンジン停止制御によって省エネルギー性を実現する一方で、エンジンの再始動に要する時間を短縮して、速やかな発進を可能とする鞍乗型車両、ならびにこのような鞍乗型車両のためのエンジン制御装置およびアイドルストップ解除方法を提供することである。
また、この発明の他の目的は、燃料噴射式のエンジンを備えた車両において、エンジンの再始動時に適正な燃料噴射量を得ることができ、これによって、エンジンの再始動性を向上することができる鞍乗型車両、ならびにこのような鞍乗型車両のためのエンジン制御装置およびアイドルストップ解除方法を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、車輪を駆動するためのエンジンと、ブレーキ装置と、所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、前記ブレーキ装置の制動状態を検出する制動状態検出手段と、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記制動状態検出手段によって前記ブレーキ装置による制動の解除が検出されたことに応答して再始動させる再始動制御手段とを含むことを特徴とする鞍乗型車両である。
この構成によれば、所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答してエンジンが停止される(いわゆるアイドルストップ制御)から、省エネルギー性を向上できる。そして、停止状態のエンジンは、ブレーキ装置の解除が検出されたことに応答して、再始動される。鞍乗型車両を発進させるときの典型的な手順では、運転者は、まず、ブレーキを解除し、その後にアクセル操作を行う。したがって、ブレーキ装置の解除が検出されたときにエンジンを再始動させる構成により、エンジン再始動が、スロットル開度を検出してエンジンを再始動させる場合よりも早くなる。これにより、エンジンの再始動にかかる時間を短くすることができ、速やかな発進が可能となる。
また、ブレーキ装置の解除が検出されたことに応答してエンジンを再始動させるため、必ずしもスロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)は必要ではない。すなわち、前記の構成は、スロットルポジションセンサを備えていない鞍乗型車両にも対応可能である。
さらに、ブレーキ装置の解除が検出されるとエンジンが再始動されるため、運転者が車両を離れようとしてブレーキ装置を解除するとエンジンが始動することになる。これにより、アイドルストップ状態のままで、運転者が車両を離れることを防止できる。
請求項2記載の発明は、前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記フロントブレーキ装置による前輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、前輪および後輪の両方がフロントブレーキ装置およびリアブレーキ装置によってそれぞれ制動されている状態で、フロントブレーキ装置の解除が検出されると、停止状態のエンジンが再始動される。これにより、上り坂での発進に良好に対処することができる。すなわち、坂道で鞍乗型車両を停止させている場合は、運転者は、通常、フロントとリアの両方のブレーキ装置を作動させる。そして、上り坂での発進時には、運転者は、車両が後退しないようにリアブレーキ装置を作動させた状態のまま、フロントブレーキ装置を解除し、アクセル操作(スロットルアップ)を行うことによって車両を発進させる。そこで、フロントブレーキ装置の解除を優先的に検出することにより、上り坂での発進時に、速やかにエンジンを再始動させることができる。
このような動作は、たとえば、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動動作によって前記エンジンがアイドルストップした場合のエンジン再始動時に行われる。
請求項3記載の発明は、前記鞍乗型車両は、前輪および後輪、ならびに前記エンジンの出力を制御するために運転者によって操作されるアクセルを有し、前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、前記フロントブレーキ装置を作動させるための前輪制動操作部および前記リアブレーキ装置を作動させるための後輪制動操作部が個別に設けられており、前記前輪制動操作部および前記後輪制動操作部の一方はその他方よりも前記アクセルに近接して配置されたアクセル側制動操作部であり、前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記アクセル側制動操作部に対応するブレーキ装置による車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、前輪および後輪の両方がフロントブレーキ装置およびリアブレーキ装置によってそれぞれ制動されている状態で、アクセル側制動操作部に対応するブレーキ装置の解除が検出されたとき、停止状態のエンジンが再始動される。つまり、鞍乗型車両を発進させるためには、通常、運転者は、まず、アクセル側制動操作部の操作を中止し、その後に、アクセルを操作する手順をふむ。そこで、アクセル側制動操作部に対応するブレーキ装置による制動の解除に応答してエンジンを再始動させれば、運転者に意図どおりにエンジンを速やかに始動させて、発進可能な状態とすることができる。
また、鞍乗型車両では、通常、上り坂での発進時に、車両が後退しないように、アクセルから遠い側にある制動操作部に対応したブレーキ装置を作動させた状態のまま、アクセル側制動操作部に対応したブレーキ装置を解除し、アクセル操作(スロットルアップ)を行うことにより車両を発進させる。そこで、アクセル側制動操作部に対応したブレーキ装置の解除を優先的に検出することにより、上り坂での発進時に、速やかにエンジンを再始動させることができる。
請求項4記載の発明は、前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置のうちの一方のみが対応車輪を制動している状態から、当該制動動作中のブレーキ装置による当該対応車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、フロントブレーキ装置およびリアブレーキ装置のいずれか一方が制動動作している状態で、当該制動動作中のブレーキ装置の制動解除が検出されると、停止状態のエンジンが再始動される。これにより、運転者の意思に基づいて、確実かつ速やかにエンジンを再始動させることができる。
このような動作は、たとえば、前記フロントブレーキ装置と前記リアブレーキ装置のいずれか一方の制動動作によって前記エンジンがアイドルストップした場合のエンジン再始動時に行われる。
請求項5記載の発明は、前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段をさらに含み、前記再始動制御手段は、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記スロットル開度検出手段によって所定値以上のスロットル開度が検出されたことに応答して再始動させるものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、所定値以上のスロットル開度が検出されたとき、停止状態のエンジンを再始動させることができる。したがって、例えば、リアブレーキのみで上り坂に停車しているような場合に、アイドルストップしたエンジンを再始動させたいときに、アクセル操作(スロットルアップ)のみでエンジンを再始動させることができる。
請求項6記載の発明は、前記再始動制御手段は、前記エンジンを始動させるためのスタータモータへの通電を指示するスタータスイッチの操作が行われたとき、前記アイドルストップ状態のエンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、スタータスイッチを操作することにより、ブレーキ操作なしでも、アイドルストップしたエンジンを再始動させることができる。
請求項7記載の発明は、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに含み、前記再始動制御手段は、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記エンジン温度検出手段によって所定値以下のエンジン温度が検出されたことに応答して再始動させるものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、エンジン温度が所定値以下となると、停止状態のエンジンが再始動される。これにより、エンジン温度の低下を防止して、エンジンを確実に再始動できる状態に保持することができる。
請求項8記載の発明は、前記エンジンを始動させるためのスタータモータと、このスタータモータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段とをさらに含み、前記再始動制御手段は、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記バッテリ電圧検出手段によって所定値以下のバッテリ電圧が検出されたことに応答して再始動させるものであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、バッテリ電圧が所定値以下となると、停止状態のエンジンが再始動される。これにより、スタータモータを確実に駆動できるバッテリ電圧を保持できるから、エンジンの再始動性を確保できる。
請求項9記載の発明は、ヘッドライトと、このヘッドライトへの給電を制御するとともに、前記エンジンが前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたことに応答して、前記ヘッドライトへの給電量を低減するヘッドライト制御手段とをさらに含むことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
この構成によれば、エンジンが停止状態とされると、ヘッドライトへの給電量が低減される。そのため、アイドルストップ時のヘッドライトの点灯による電力の消費を低減できるから、バッテリ電圧の低下を抑制して、エンジンの再始動性を確保できる。
請求項10記載の発明は、前記エンジンは、燃料噴射式のエンジンであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の鞍乗型車両である。
鞍乗型車両では、ブレーキ装置が解除された直後には、通常、アクセル(スロットル)はほぼ全閉状態になっている。そのため、制動解除直後の再始動時には、スロットルアップのみでアイドルストップ状態のエンジンを再始動する場合に比べて、エンジンへの吸入空気量が予測しやすく、適正な燃料噴射量を容易に決定できる。これにより、適正な空気対燃料比を実現できるので、再始動性を向上できる。また、不適正な空気対燃料比に起因して有害成分を多く含む排気ガスが排出されることを抑制または防止できる。
より具体的に説明すると、キャブレター式のエンジンでは、主として、シリンダに吸入される空気によって燃料供給量が制御されるが、燃料噴射式のエンジンでは、このような制御を行うことができない。そのため、燃料噴射式のエンジンでは、始動時において、通常は、クランキング速度の上昇中に頃合を見計らって燃料噴射を行うように制御されている。具体的には、エンジンの吸気ポートが開く前(または開いている最中)に燃料を空気の流れに乗せてシリンダ内に送り込む必要があるため、エンジンの吸入空気量を完全には把握しないまま、予測(実験結果またはセッティング)によって燃料噴射量を決定している。
エンジンの吸入空気量は、スロットル開度(実際にはさらにエンジン回転速度(再始動時においてはクランキング速度))に依存する。したがって、スロットル開度の増加に応答してエンジンを再始動させる特許文献1の構成では、再始動時のスロットル開度が不定であり、それに応じて吸入空気量も不定であるから、再始動時の燃料噴射量を適切に決定することが困難である。
これに対して、ブレーキ装置の解除に応答してエンジンを再始動させるようにすれば、スロットル開度はほぼ全閉であるため、吸入空気量を容易に予測でき、容易に適正な燃料噴射量を得ることができる。これにより、適切な空気対燃料比を実現でき、良好な再始動性を達成できるとともに、エンジン再始動時の有害な排気ガス成分を低減することが可能となる。
請求項11記載の発明は、車輪を駆動するためのエンジンおよびブレーキ装置を有する鞍乗型車両のためのエンジン制御装置であって、所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、前記ブレーキ装置の制動状態を検出する制動状態検出手段と、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記制動状態検出手段によって前記ブレーキ装置による制動の解除が検出されたことに応答して再始動させる再始動制御手段とを含むことを特徴とする鞍乗型車両用エンジン制御装置である。この構成により、アイドルストップによる省エネルギー性の向上と、速やかなエンジン再始動による快適性とを両立できる。
請求項12記載の発明は、前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記フロントブレーキ装置による前輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項11記載の鞍乗型車両用エンジン制御装置である。この構成により、上り坂での鞍乗型車両の発進に良好に対応できる。
請求項13記載の発明は、前記鞍乗型車両は、前輪および後輪、ならびに前記エンジンの出力を制御するために運転者によって操作されるアクセルを有し、前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、前記フロントブレーキ装置を作動させるための前輪制動操作部および前記リアブレーキ装置を作動させるための後輪制動操作部が個別に設けられており、前記前輪制動操作部および前記後輪制動操作部の一方はその他方よりも前記アクセルに近接して配置されたアクセル側制動操作部であり、前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記アクセル側制動操作部に対応するブレーキ装置による車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項11記載の鞍乗型車両用エンジン制御装置である。この構成により、運転者に意図どおりに、速やかに鞍乗り型車両を発進させることができる。また、上り坂での発進にも良好に対応できる。
請求項14記載の発明は、前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置のうちの一方のみが対応車輪を制動している状態から、当該制動動作中のブレーキ装置による当該対応車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものであることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の鞍乗型車両用エンジン制御装置である。この構成により、フロントブレーキ装置およびリアブレーキ装置の一方のみによる制動が行われている状態からでも、運転者の意図どおりに、速やかなエンジン再始動が可能になる。
請求項15記載の発明は、車輪を駆動するためのエンジンおよびブレーキ装置を有する鞍乗型車両のためのアイドルストップ解除方法であって、前記ブレーキ装置の制動状態を検出する制動状態検出ステップと、前記制動状態検出ステップで前記ブレーキ装置による制動の解除を検出したとき、アイドルストップ状態のエンジンを再始動させるエンジン再始動ステップとを含むことを特徴とする鞍乗型車両のアイドルストップ解除方法である。この方法により、アイドルストップによる省エネルギー性の向上と、速やかなエンジン再始動とを両立できる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の一実施形態に係る鞍乗型車両である二輪車両1(自動二輪車および原動機付き自転車を含む。)の構成を説明するための図解図である。この二輪車両1は、発進時に手動のクラッチ操作を伴わない、いわゆるスクータ型のものであり、比較的軽量の鞍乗型車両である。この二輪車両1は、車体フレーム2と、この車体フレーム2に対して上下に揺動可能に取り付けられた動力ユニット3と、この動力ユニット3からの駆動力を得て回転する後輪4と、車体フレーム2の前部にフロントフォーク5を介して取り付けられた操向車輪としての前輪6と、フロントフォーク5と一体的に回動するハンドル7とを備えている。ハンドル7の前方には、二輪車両1の前方を照らすヘッドライト63が配置されている。
動力ユニット3は、車体フレーム2の中央付近の下部に揺動自在に連結されているとともに、車体フレーム2の後部に対しては、リアクッションユニット8を介して弾性的に結合されている。車体フレーム2の中央付近の上部には、運転者用のシート9が配置され、さらにその後方には同乗者用のシート10が配置されている。車体フレーム2において、シート9とハンドル7との間の位置には、足載せ部11が設けられている。また、前輪6および後輪4には、それぞれ、フロントブレーキユニット12およびリアブレーキユニット13が設けられている。
動力ユニット3は、エンジン15と、伝動ケース16とが一体的に形成されたものである。エンジン15のクランク軸17には、エンジン15の始動時において、スタータモータ18からの駆動力がベルト19およびワンウェイクラッチ(図示せず)を介して伝達されるようになっている。伝動ケース16には、クランク軸17の回転がギヤ20,21を介して伝達されるドライブプーリ22と、このドライブプーリ22の回転がベルト25を介して伝達され、後輪4に結合されたドリブンプーリ23と、ギヤ21の回転をドライブプーリ22に伝達する状態と伝達しない状態とで切り換わる遠心クラッチ24とが収容されている。なお、ベルト19の代わりに、ギヤによって、スタータモータ18の駆動力がクランク軸17に伝達されるようになっていてもよい。
遠心クラッチ24は、エンジン15の回転速度が所定の伝達回転速度に達すると、ギヤ21とドライブプーリ22との間を結合し、エンジン15側からの駆動力をドライブプーリ22に伝達する回転速度応答クラッチである。これにより、エンジン15の回転速度が伝達回転速度に達することにより、エンジン15の駆動力が後輪4に伝達され、二輪車両1を発進させることができる。
図2は、ハンドル7に関連する構成を説明するための図解的な平面図である。ハンドル7は左右に延びたハンドル軸26と、このハンドル軸26の左端部および右端部に配置され、運転者がそれぞれ左手および右手で握る左グリップ部27および右グリップ部28(手操作型アクセル)と、左グリップ部27に関連して設けられたリアブレーキレバー29と、右グリップ部28に関連して設けられたフロントブレーキレバー30と、左右のグリップ部27,28の間の領域を覆うハンドルカバー31とを備えている。
右グリップ部28は、アクセル操作部(アクセルグリップ)を兼ねていて、ハンドル軸26まわりに回動可能に取り付けられている。この右グリップ部28を運転者から見て手前側に回動させることにより、エンジン15のスロットル開度を増大させて、エンジン出力を増大させることができ、その反対側(前方側)に回動させることにより、スロットル開度を減少させて、エンジン出力を減少させることができる。このような右グリップ部28の操作は、アクセルワイヤ32を介して、後述するスロットル45(図3参照)に機械的に伝達されるようになっている。
リアブレーキレバー29は、リアブレーキユニット13を作動させて後輪に制動力を働かせるために運転者が操作する後輪制動操作部である。同様に、フロントブレーキレバー30は、フロントブレーキユニット12を作動させて前輪に制動力を働かせるために運転者が操作する前輪制動操作部である。ブレーキレバー29,30の操作は、ワイヤによってブレーキユニット13,12に伝達されるようになっていてもよいし、ブレーキレバー29,30の操作入力に応じて作動する油圧機構によってブレーキユニット13,12が作動させられるようになっていてもよい。いずれの場合も、フロントブレーキレバー30を握ることによって前輪6は制動状態となり、これを解放することによって、前輪6は制動状態から解放される。同様に、リアブレーキレバー29を握ることによって後輪4は制動状態となり、これを解放することによって、後輪4は制動状態から解放される。
ハンドルカバー31には、中央に計器盤35が組み込まれており、この計器盤35よりも右グリップ部28側の位置には、エンジン15を始動可能な状態とするためのメインスイッチ34と、エンジン15を始動させるためのスタータスイッチ36とが配置されている。計器盤35には、スピードメータ37および燃料計38などが組み込まれている。
図3は、前記二輪車両1の主としてエンジン15の制御に関連する構成を示すブロック図である。エンジン15は、たとえば、燃料噴射式のエンジンであり、たとえば、単気筒の4サイクルエンジンである。二輪車両1には、エンジン15の燃料の噴射を電子的に制御するエンジン出力制御手段としてのFI(Electronic Fuel Injection System)コントローラ(電子制御ユニット)70と、発電機および前述のスタータモータ18を統合したISG(Integrated Starter Generator)72と、このISG72を制御するISGコントローラ71と、バッテリ75とが搭載されている。この実施形態では、FIコントローラ70は、エンジン15をアイドルストップさせるエンジン停止制御手段、ブレーキユニット12,13の作動状態を検出する制動状態検出手段、およびアイドルストップしたエンジン15を再始動させる再始動制御手段としての機能をも有している。
FIコントローラ70には、エンジン15のカム軸51に取り付けられたタイミングロータ(図示せず)の動きからカム位置を検出するカムセンサ52の出力信号であるカム信号が入力される。このカム信号を用いてエンジン15の行程判別が行われる。
また、FIコントローラ70には、エンジン15のクランク軸17に取り付けられたタイミングロータ(図示せず)の動きからクランク位置を検出するクランク角センサ54の出力信号であるクランク角信号が入力される。このクランク角信号は、エンジン15のクランク角度の検出結果である。また、FIコントローラ70は、このクランク角信号の間隔(周期)を検出することでエンジン15の回転速度を検出している。
また、FIコントローラ70には、車輪(たとえば後輪4)に取り付けられたドリブンプーリ23の動きから二輪車両1の車速を検出するマグネットセンサ55(図1参照)の出力信号である車速信号が入力される。この二輪車両1の車速は、マグネットセンサ55から出力される出力パルスの時間間隔により検出する。すなわち、FIコントローラ70は、前記車速信号の間隔(周期)を検出することで二輪車両1の車輪回転速度を検出し、この車輪回転速度を車速に変換している。
また、FIコントローラ70には、二輪車両1のハンドル7に取り付けられたスタータスイッチ36のONにより出力されるスタータ信号が入力される。この二輪車両1においては、前記スタータ信号をエンジン15の始動信号としている。なお、スクータではブレーキが制動状態にないとエンジン15を始動できないしくみになっている。
また、FIコントローラ70には、エンジン15の吸気管40に設けられたバタフライ弁型のスロットル45のスロットル開度を表すスロットル開度信号が、スロットルポジションセンサ46(スロットル開度検出手段)から入力されるようになっている。スロットルポジションセンサ46は、スロットル45の開度を検出して、その開度を表すスロットル開度信号を出力する。スロットルポジションセンサ46は、たとえば、スロットル開度に応じてリニアに変化する出力信号を出力する。スロットル45には、アクセル操作部としての右グリップ部28の操作がアクセルワイヤ32を介して機械的に伝達されている。そのため、スロットル45の開度は、右グリップ部28の操作量に対応している。
吸気管40においてスロットル45よりも吸気方向下流側には、吸気管40内の負圧を検出する吸気管負圧センサ43が配置されている。この吸気管負圧センサ43の出力信号は、FIコントローラ70に入力されるようになっている。
また、FIコントローラ70には、エンジン15の温度を検出する温度センサ48の出力信号であるエンジン温度信号が入力される。FIコントローラ70は、このエンジン温度信号に基づいて、エンジン15の暖機状態(再始動の容易さ)を知る。温度センサ48は、エンジン15のシリンダブロックの温度を検出するものであってもよい。また、エンジン15の冷却方式が水冷式である場合には、冷却水の温度を検出する水温センサをラジエータに配置し、この水温センサの出力に基づいてエンジン温度を推定するようにしてもよい。
また、FIコントローラ70には、フロントブレーキ信号が入力される。すなわち、フロントブレーキレバー30の操作状態は、フロントブレーキスイッチ57(図2参照)によって検出され、ON/OFFの信号(フロントブレーキ信号)としてFIコントローラ70に入力される。
また、FIコントローラ70には、リアブレーキ信号が入力される。すなわち、リアブレーキレバー29の操作状態は、リアブレーキスイッチ58(図2参照)によって検出され、ON/OFFの信号(リアブレーキ信号)としてFIコントローラ70に入力される。FIコントローラ70は、上記2つのブレーキ信号に基づいて、対応する各ブレーキユニット12,13の制動状態を検知する。
また、FIコントローラ70には、バッテリ75からバッテリ電圧が入力されている。さらに、FIコントローラ70には、右折または左折の際に運転者によって操作され、左右のウインカを作動させるためのターンスイッチの作動状態を表すターンスイッチ信号が入力されるようになっている。
一方、FIコントローラ70の出力端子には、インジェクタ(INJ:燃料噴射装置)60、イグニッションコイル(IGN)61およびフューエルポンプ62が接続されている。さらに、FIコントローラ70には、ヘッドライト63への給電をPWM(パルス幅変調)制御によって調整するPWM制御回路65が接続されている。
また、FIコントローラ70からは、ISGコントローラ71に対して、ISG72を始動させる始動信号、ISG72の発電電流指令値および発電電圧指令値が付与される。これにより、ISGコントローラ71は、ISG72を駆動し、ISG72から回転信号を受け取る。
ISG72は、エンジン15によって駆動され発電する。ISG72が発電した電力は、ISGコントローラ71を介してバッテリ75に充電される。バッテリ75は、各電装部品の駆動回路に電力を供給する。
前記始動信号は、スタータ信号が検出された時やアイドルストップからの再始動条件が整ったときに、FIコントローラ70からISGコントローラ71へ、始動要求として出力される。
本実施形態に係る二輪車両1は、アイドリング時の無駄な燃料消費を抑えるために、所定の実行条件が全て整ったときに、FIコントローラ70の制御によって、エンジン15をアイドルストップするように構成されている。
図4は、本実施形態に係る二輪車両1のエンジン15をアイドルストップさせるときの実行条件(1)〜(6)(エンジン停止条件)を示している。
実行条件(1):エンジン温度が所定値以上であること
エンジン温度が所定値(例えば、65℃)以上であるか否かは、温度センサ48が出力するエンジン温度信号が所定値以上であるか否かで判断する。この判断は、エンジン温度がエンジン15をアイドルストップさせてもよい温度であるか否かを判断するものである。換言すれば、エンジン15を停止させても、容易に再始動可能なほどエンジン温度が高いかどうかを判断するものである。したがって、この実行条件(1)のエンジン温度は、65℃に限定されない。
実行条件(2):車速が一旦所定値以上となったこと
車速が一旦所定値(例えば、10km/h)以上となったか否かは、エンジン15をアイドルストップさせる直前に二輪車両1が走行したか否かを、例えば車速信号で判断するものである。この条件は、主に、低速走行では十分にバッテリ75が充電されていないおそれがあるということに基づいている。すなわち、エンジン15を停止させても、容易に再始動が可能なほどバッテリ75が十分に充電されているかどうかを判断するものである。したがって、この実行条件(2)の車速は、10km/hに限定されない。
実行条件(3):バッテリ電圧が所定値以上であること
バッテリ電圧が所定値(例えば、12.0V)以上であるか否かは、FIコントローラ70に与えられたバッテリ電圧が所定値以上であるか否かで判断する。この判断は、エンジン15を再始動するために十分な電力量が確保されているか否かを判断するものである。したがって、この実行条件(3)のバッテリ電圧は、12.0Vに限定されない。
実行条件(4):少なくとも一方のブレーキスイッチがONしていること
少なくとも一方のブレーキスイッチがONしているか否かは、フロントブレーキスイッチ57のフロントブレーキ信号、あるいはリアブレーキスイッチ58のリアブレーキ信号がFIコントローラ70に入力されたか否かで判断する。この判断は、操作者が二輪車両1を停止させる意志があるか否かを判断するものである。
実行条件(5):スロットルが全閉状態で、かつアイドル回転であること
スロットル45が全閉状態で、かつエンジン回転速度(engine speed)がアイドル回転速度(idle speed)であるか否かは、スロットルポジションセンサ46から与えられるスロットル開度信号と、クランク角センサ54のクランク角信号とで判断できる。この判断は、スロットル全閉状態で、エンジン15が所定の回転速度以下でアイドル回転しているか否かを判断するものである。ここで、スロットル45が全閉状態であるか否かは、スロットルポジションセンサ46のスロットル開度信号を用いずに、エンジン15の吸気管負圧がアイドル回転時の負圧になっていることでも判断することが可能である。この吸気管負圧は、吸気管負圧センサ43の出力信号に基づいて求めることができ、エンジン15の吸気ポートが閉まる直前の吸気管のボトム圧を見ることで検出できる。これにより、スロットル45が全閉状態であるか否かを安価な方法により判断できるようになる。
実行条件(6):車速がゼロになってから所定時間以上経過していること
車速がゼロ(0km/h)になってから所定時間(例えば、3秒)以上経過しているか否かは、マグネットセンサ55(図1参照)から出力される出力パルスのインターバルと、FIコントローラ70に内蔵されているタイマ(図示せず)とで判断している。ここで、車速がゼロになっている状態は、車輪が回転していないため検出が困難になる。そこで、この二輪車両1においては、後輪4に結合されたドリブンプーリ23の回転速度に応じたマグネットセンサ55の出力パルスのインターバルがある程度大きくなったときを車速がゼロの状態としている。また、この車速がゼロの状態が所定時間以上経過しているか否かの判断は、例えば、踏み切りでの一時停止などの場合はエンジン15をアイドルストップさせないようにして、エンジン15が頻繁にアイドルストップしないようにするためである。したがって、この実行条件(6)の車速がゼロになってからの経過時間は、3秒に限定されない。なお、車速は前輪6でも検出することができる。
本実施形態では、二輪車両1は、上述の実行条件(1)〜(6)の全てが整ったときに、燃料噴射および点火が直ちに停止され、エンジン15がアイドルストップされる。なお、頻繁な再始動による煩わしさを考慮しなければ、実行条件(2)は、アイドルストップの必須条件としなくてもよい。
一方、本実施形態では、二輪車両1は、次に説明する所定の復帰条件(再始動条件)が1つでも成立したときに、アイドルストップしているエンジン15を再始動させるように構成されている。
図5は、本実施形態に係る二輪車両1において、アイドルストップを解除してエンジン15を再始動させるときの復帰条件(1)〜(5)を示している。
復帰条件(1):ブレーキ解除動作が行われたこと
フロントブレーキレバー30またはリアブレーキレバー29がリリースされてブレーキ解除動作が行われたかどうかは、ブレーキスイッチがON→OFFしたか否かにより判断する。つまり、この判断は、フロントブレーキスイッチ57のフロントブレーキ信号またはリアブレーキスイッチ58のリアブレーキ信号のFIコントローラ70への入力が無くなったか否かで判断する。すなわち、この二輪車両1においては、操作者がフロントブレーキレバー30またはリアブレーキレバー29をリリースしたときに、アイドルストップしているエンジン15が再始動される。
より詳細には、a)アイドルストップ中にフロントブレーキとリアブレーキの両方がかかっている場合は、ブレーキレバーがアクセル(右グリップ部28)と同じ側に操作部(ブレーキレバー)が配置されているフロントブレーキのリリースをアイドルストップの解除条件とする。また、b)アイドルストップ中にリアブレーキのみがかかっている場合は、そのリアブレーキのリリースをアイドルストップの解除条件とする。また、c)アイドルストップ中にフロントブレーキのみがかかっている場合は、そのフロントブレーキのリリースをアイドルストップの解除条件とする。
復帰条件(2):スロットル開度が所定値以上になったこと
スロットル開度が所定値(たとえば、22°)以上になったか否かは、スロットルポジションセンサ46が出力するスロットル開度信号により判断する。この判断は、操作者がハンドルの右グリップ(アクセルグリップ)28を回して二輪車両1を発進させようとしている意志があるか否かを判断するものである。したがって、この復帰条件(2)の判定条件としての所定値は、22°に限定されない。
復帰条件(3):スタータスイッチがONしたこと
スタータスイッチ36がONしたか否かは、FIコントローラ70にスタータスイッチ36のスタータ信号が入力されたか否かで判断する。この判断は、操作者がスタータスイッチ36を押して二輪車両1を始動させようとしている意志があるか否かを判断するものである。このスタータスイッチ36がONしてエンジン15が再始動されたときは、スタータスイッチ36がONしている間、スタータ信号が出力される。ただし、一回のスタータスイッチ36の操作によって出力されるスタータ信号の継続時間は、一定の時間(例えば、2.5秒)に制限されている。また、この復帰条件(3)以外のエンジン15の自動復帰時は、スタータ信号を一定時間(例えば、2.5秒)の間、出力する。
復帰条件(4):エンジン温度が所定値を下回ったこと
エンジン温度が所定値(例えば、55℃)を下回ったか否かは、温度センサ48のエンジン温度信号が所定値を下回ったか否かで判断する。この判断は、エンジン温度がエンジン15をスムーズに再始動させることができる温度以上に維持されているか否かを判断するものである。つまり、この二輪車両1においては、エンジン温度が所定値を下回ったときにエンジン15が再始動されるので、エンジン温度が少なくとも所定値以上に保たれるようになる。この復帰条件(4)のエンジン温度は、55℃に限定されない。
復帰条件(5):バッテリ電圧が所定値を下回ったこと
バッテリ電圧が所定値(例えば、11.8V)を下回ったか否かは、FIコントローラ70に与えられたバッテリ電圧が所定値を下回ったか否かで判断する。このときの所定値は、アイドルストップを実行するか否かを判定するためのバッテリ電圧よりも低い値に設定される。アイドルストップ中でも、例えば、ブレーキランプによってバッテリ75の電力は消費される。バッテリ75に蓄積されている電力量が所定値以下になると、確実に再始動することができなくなる。したがって、バッテリ電圧が所定値以下になったとき、車両が停止していても、アイドルストップを解除してエンジン15を再始動して、バッテリ75の充電を行う。この復帰条件(5)のバッテリ電圧は、11.8Vに限定されない。
次に、この実施形態に係る二輪車両1の状態遷移について説明する。
図6は、二輪車両1のエンジン15の状態遷移を示す状態遷移図である。エンジン15は、所定の条件下で、「停止モード」、「始動モード」、「アイドルストップモード」および「通常運転モード」に適時遷移する。また、「通常運転モード」には、「定常運転モード」と「過渡運転モード」とがある。エンジン15がいずれの状態(モード)であるかを表す状態データは、FIコントローラ70の内部の状態管理メモリ(図示せず)に格納されるようになっている。
図6において、エンジン15は、「電源OFF」の状態でメインスイッチ34(図2参照)をONすると、「停止モード」になる(T1)。
また、エンジン15は、「停止モード」で、運転者がスタータスイッチ36をONするか、または押しかけもしくはキックによるクランキングを行うと、「始動モード」に遷移する(T2)。この「始動モード」でエンジンストールが発生すると、エンジン15は「停止モード」に戻る(T3)。そして、エンジン15は、「始動モード」でエンジン15が点火し所定の完爆判定回転速度に達すると、「定常運転モード」の「暖機モード」に遷移する(T4)。
また、エンジン15は、「通常運転モード」で、メインスイッチ34がOFFすると「電源OFF」となり(T5)、ストップスイッチ(図示せず)がONすると「停止モード」になる(T6)。
一方、「定常運転モード」で前述したアイドルストップの実行条件(1)〜(6)の全てが成立すると、エンジン15は、「アイドルストップモード」に遷移する(T7)。そして、この「アイドルストップモード」に遷移したエンジン15は、前述した復帰条件(1)〜(5)のいずれか1つでも成立すると、再び「始動モード」に遷移して再始動される(T8)。
また、「通常運転モード」で動作しているエンジン15は、「定常運転モード」で加速の判定が下ると、「過渡運転モード」に遷移して加速される(T9)。加速されて「過渡運転モード」に遷移したエンジン15は、加速終了により「定常運転モード」に戻る(T10)。
また、「過渡運転モード」に遷移したエンジン15は、急減速および再加速により「加速(T11)」と「減速(T12)」とを繰り返す。
また、エンジン15は、「定常運転モード」で減速フューエルカット(燃料カット)実行条件が成立した場合にも、「過渡運転モード」に遷移して減速される(T13)。減速されたエンジン15は、運転領域で燃料カットから復帰し「定常運転モード」に戻る(T14)。
図7は、主としてFIコントローラ70の働きによって実行されるエンジン15の制御内容を説明するためのフローチャートであり、メインスイッチ34が導通されて電源が投入されている期間に、FIコントローラ70が繰り返し実行する処理が示されている。FIコントローラ70は、温度センサ48の出力からエンジン温度を検出する(ステップS1。FIコントローラ70のエンジン温度検出手段としての機能)。さらに、FIコントローラ70は、図6を参照して説明したように遷移するエンジン状態を検出する(ステップS2)。具体的には、FIコントローラ70は、前述の状態管理メモリに格納された状態データを参照する。さらに、FIコントローラ70は、マグネットセンサ55の出力を処理して車速を求め(ステップS3)、バッテリ75が出力するバッテリ電圧を検出し(ステップS4)、スロットルポジションセンサ46の出力からスロットル開度を検出する(ステップS5)。そして、FIコントローラ70は、ブレーキスイッチ57,58の出力に基づいて、ブレーキ状態を検出する(ステップS6)。
次に、FIコントローラ70は、前記状態データを参照して、エンジン15が停止中かどうかを判断する(ステップS7)。エンジン15が停止中でなければ、アイドルストップを実行してエンジン15を停止すべきどうかを判定する(ステップS8)。この処理の詳細は後述する。
アイドルストップを実行すべきでないと判定されると、FIコントローラ70は、アイドルストップフラグをクリアする(ステップS9)。アイドルストップフラグとは、アイドルストップ実行条件が満たされることによってセットされ、アイドルストップ実行中であることを表すフラグである。
次に、FIコントローラ70は、クランク角センサ54の出力信号を参照して、エンジン回転速度を求め、エンジン回転速度が完爆判定回転速度以上かどうかを判定する(ステップS10)。クランキング中は、この判断が否定されるが、爆発が始まると、エンジン回転速度は完爆判定回転速度以上となる。
エンジン回転速度が完爆判定回転速度以上であり、したがってエンジンが始動したと判断されると(ステップS10のYES)、次に、FIコントローラ70は、車速センサとしてのマグネットセンサ55の出力信号を参照して、車速が所定値(たとえば1km/h)以下かどうか、すなわち、二輪車両1が停車中かどうかを判断する(ステップS11)。車両が停車中であれば(ステップS11のYES)、アイドリング制御処理が実行される(ステップS12,S13)。
すなわち、FIコントローラ70は、アイドリング時の燃焼噴射量、噴射時期および点火時期を演算して(ステップS12)、この演算された燃料噴射量および噴射時期に対応する指令値でインジェクタ60を制御し、かつ、演算された点火時期に点火されるようにイグニッションコイル61を制御する(ステップS13)。その後、処理がリターンされ、ステップS1からの処理が行われる。
一方、二輪車両1が停車中でないと判断された場合(ステップS11のNO)には、FIコントローラ70は、スロットル開度およびエンジン回転速度などに応じて、燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期を演算する(ステップS14)。FIコントローラ70は、さらに、この演算された燃料噴射量および燃料噴射時期でインジェクタ60を制御し、演算された点火時期でイグニッションコイル61を制御する(ステップS15)。その後は、処理がリターンされ、ステップS1からの処理が繰り返される。
一方、エンジン停止中であると判断された場合(ステップS7のYES)には、FIコントローラ70は、再始動時に備えて、エンジン始動時に対応した燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期を求める(ステップS16)。さらに、FIコントローラ70は、始動要求があるかどうかを判断する(ステップS17)。始動要求がなければ、さらに、FIコントローラ70は、インジェクタ60による燃料の噴射を停止状態に保持し(ステップS26)、フューエルポンプ62を停止状態に保持する(ステップS27)。
始動要求がある場合(ステップS17のYES)には、FIコントローラ70は、アイドルストップフラグをクリアし(ステップS18)、さらに、ISGコントローラ71に始動指令を与える(ステップS19)。これにより、ISGコントローラ71は、スタータモータ18を始動させる。さらに、FIコントローラ70は、フューエルポンプ62を始動し(ステップS20)、ステップS16で設定された燃料噴射量および燃料噴射時期に基づいてインジェクタ60を制御し、同じくステップS16で設定された点火時期に基づいてイグニッションコイル61を制御する(ステップS21)。このように、FIコントローラ70は、前記ステップS18〜S21の処理および後述する復帰判定処理(ステップS29)などを実行することにより、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させる再始動制御手段として機能する。
さらに、FIコントローラ70は、ヘッドライト63への給電量を減少する後述の減光処理を実行中であるかどうかを判断し(ステップS22)、減光処理実行中であれば、ヘッドライト63への給電量を通常値に復帰させるためのヘッドライト復光処理を実行する(ステップS23)。この後は、処理がリターンされ、ステップS1からの処理が繰り返される。減光処理中でなければ、ヘッドライト復光処理を省いて、ステップS1にリターンする。
エンジン作動中(ステップS7のNO)に、アイドルストップを実行してエンジン15を停止すべきとの判定がされると(ステップS8のYES)、FIコントローラ70は、ブレーキ状態検出処理(ステップS6)によって得られる後述の制動状態コードを内部のメモリ70M(図3参照)に保存する(ステップS24)。さらに、FIコントローラ70は、アイドルストップ中であることを表すアイドルストップフラグをセットする(ステップS25)。そして、FIコントローラ70は、インジェクタ60による燃料の噴射を停止させ(ステップS26)、フューエルポンプ62を停止させる(ステップS27)。これにより、エンジン15が停止状態とされる。前記ステップS8,S25〜S27の処理は、FIコントローラ70のエンジン停止制御手段としての機能に相当する。
FIコントローラ70は、その後は、ヘッドライト63への給電量を減少させるためのヘッドライト減光処理(ステップS28)を実行し、さらに、アイドルストップ状態から復帰してエンジン15を再始動させるかどうかを判断するための復帰判定処理(ステップS29)を実行する。この後の処理は、ステップS1にリターンする。
クランキング中(スタータモータ18による始動中を含む。)は、ステップS10での判断が否定されるが、この場合には、ステップS21へと処理を進め、引き続き、始動時の燃料噴射量、燃料噴射時期および点火時期に基づいて、インジェクタ60およびイグニッションコイル61の制御が行われる。
図8は、ブレーキ状態検出処理(図7のステップS6)の具体例を説明するためのフローチャートである。FIコントローラ70は、フロントブレーキスイッチ57(図2参照)からのフロントブレーキ信号およびリアブレーキスイッチ58(図2参照)からのリアブレーキ信号を取り込むことにより、フロントブレーキユニット12およびリアブレーキユニット13の作動状態(制動状態)を検出する(ステップS41,S42)。この検出された作動状態に基づき、FIコントローラ70は、フロントおよびリアブレーキユニット12,13の制動状態をコード化する(ステップS43)。
具体的には、1バイト(8ビット)のデータの下位2ビットがフロントおよびリアブレーキユニット12,13の制動状態コードに割り当てられる。たとえば、図8に示す例では、最下位から2番目のビットにフロントブレーキユニット12の制動状態が割り当てられ、最下位ビットにリアブレーキユニット13の制動状態が割り当てられている。そして、この例では、各ビットの「1」は、当該ブレーキユニットが制動動作中であることを表し、各ビットの「0」は、当該ブレーキユニットが解除状態(非制動状態)であることを表す。つまり、2ビットで表される制動状態コードは、以下の4通りの制動状態を表す。
00 …… フロントおよびリアブレーキがいずれも非制動動作中
01 …… フロントブレーキは非制動状態、リアブレーキは制動動作中
10 …… フロントブレーキは制動動作中、リアブレーキは非制動状態
11 …… フロントおよびリアブレーキがいずれも制動動作中
アイドルストップ実行判定(図7のステップS8)においてアイドルストップを実行すべきであると判定されると、前記のような制動状態コードが、メモリ70Mに保存されることになる。
図9は、アイドルストップ実行判定(図7のステップS8)のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。FIコントローラ70は、前記アイドルストップの実行条件(1)の成否を判定するために、エンジン温度が所定値以上であるかどうかを判断する(ステップS51)。エンジン温度が前記所定値未満であれば、アイドルストップ実行条件(1)が不成立であり、FIコントローラ70は、アイドルストップを実行すべきでないと判定して(ステップS60)、リターンする。
エンジン温度が所定値以上であると判断されると(ステップS51のYES)、実行条件(1)が成立したことになる。この場合、FIコントローラ70は、次に、制動状態コードが「00」かどうかを判断する(ステップS52)。すなわち、フロントおよびリアのブレーキユニット12,13がいずれも制動動作中でなければ、アイドルストップ実行条件(4)が不成立となり、FIコントローラ70は、アイドルストップを実行すべきでないと判定して(ステップS60)、リターンする。
一方、フロントおよびリアのブレーキユニット12,13のいずれかが制動動作中であるときには(ステップS52のNO)、実行条件(4)が成立しているものと判断され、FIコントローラ70は、さらに、バッテリ電圧が所定値以上かどうかを判断する(ステップS53)。バッテリ電圧が前記所定値未満であれば、アイドルストップ実行条件(3)が不成立となり、FIコントローラ70は、アイドルストップを実行すべきでないと判定して(ステップS60)、リターンする。
これに対して、バッテリ電圧が所定値以上であれば(ステップS53のYES)、実行条件(3)が成立しているものと判断され、FIコントローラ70は、次に、車速が実質的に零かどうかを判断する(ステップS54)。車速が零でなければ、アイドルストップ実行条件(6)が不成立となり、FIコントローラ70は、アイドルストップを実行すべきでないと判定して(ステップS60)、リターンする。
車速が零であるときは(ステップS54のYES)、エンジン回転速度がアイドル回転速度以下かどうかを判定する(ステップS55)。エンジン回転速度がアイドル回転速度を超えていれば、アイドルストップ実行条件(5)が不成立となり、FIコントローラ70は、アイドルストップを実行すべきでないと判定して(ステップS60)、リターンする。
エンジン回転速度がアイドル回転速度以下であり、したがって、エンジン15がアイドル回転しているときは(ステップS55のYES)、FIコントローラ70は、さらに、スロットル45が全閉かどうかを判断する(ステップS56)。スロットル45が全閉でなければ、前記アイドルストップ実行条件(5)が不成立となり、FIコントローラ70は、アイドルストップを実行すべきでないと判定して(ステップS60)、リターンする。
スロットル全閉状態の場合には(ステップS56のYES)、前記アイドルストップ実行条件(5)が成立したことになる。この場合には、車速が一旦所定値以上となった後に前記ステップS56の判断が肯定されるに至ってからの継続時間がカウントされ(ステップS57)、このカウントされた継続時間が所定時間(たとえば3秒)に達したかどうかが判断される(ステップS58)。この判断が肯定されると、前記アイドルストップ実行条件(2)(6)が成立したことになり、結局は、アイドルストップ条件(1)〜(6)が成立するから、アイドルストップを実行すべきであると判断される(ステップS59)。
図10は、アイドルストップ復帰判定(図7のステップS29)のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。FIコントローラ70は、まず、エンジン15の状態がアイドルストップ実行中であるか否かを判断する(ステップS71)。この判断は、アイドルストップフラグがセットされているかどうかに基づいてなされてもよい。アイドルストップ実行中ではないと判断された場合には、図7のメインルーチンにリターンする。
アイドルストップ実行中であると判断された場合には、再発進のためにブレーキが解除されたかどうかが判断される(ステップS72)。再発進のためにブレーキが解除されたと判断されると、FIコントローラ70は、前記アイドルストップ復帰条件(1)が成立したものとみなして、始動要求を発生し(ステップS77)、メインルーチンにリターンする。
ブレーキが引き続き制動動作中であれば(ステップS72のNO)、FIコントローラ70は、スロットル開度が所定値以上かどうかを判断する(ステップS73)。スロットル開度が所定値以上であれば、FIコントローラ70は、前記アイドルストップ復帰条件(2)が成立したものとみなして、始動要求を発生し(ステップS77)、メインルーチンにリターンする。
スロットル開度が前記所定値未満であれば、FIコントローラ70は、さらに、スタータスイッチ36がオンされたかどうかを判断する(ステップS74)。スタータスイッチ36がオンしていれば、FIコントローラ70は、前記アイドルストップ復帰条件(3)が成立したものとみなして、始動要求を発生し(ステップS77)、メインルーチンにリターンする。
スタータスイッチ36がオフ状態であれば(ステップS74のNO)、FIコントローラ70は、バッテリ電圧が所定値未満かどうかを判断する(ステップS75)。バッテリ電圧が所定値未満であれば、FIコントローラ70は、前記アイドルストップ復帰条件(5)が成立したものとみなして、始動要求を発生し(ステップS77)、メインルーチンにリターンする。
バッテリ電圧が前記所定値以上であれば(ステップS75のNO)、FIコントローラ70は、エンジン温度が所定値未満かどうかを判断する(ステップS76)。エンジン温度が所定値未満であれば、FIコントローラ70は、前記アイドルストップ復帰条件(4)が成立したものとみなして、始動要求を発生し(ステップS77)、メインルーチンにリターンする。エンジン温度が所定値以上であれば、アイドルストップ復帰条件が不成立となり、始動要求を発生することなく、メインルーチンにリターンする。
このような処理によって、アイドルストップ復帰条件(1)〜(5)の少なくともいずれか1つが成立することにより、始動要求が発生されることになる。これにより、図7のステップS17の判断が肯定されるから、エンジン15を再始動させることができる。
図11は、ブレーキ解除判定(図10のステップS72)の処理の具体例を説明するためのフローチャートである。FIコントローラ70は、まず、メモリ70Mに保持している制動状態コードと、今回の制御周期のブレーキ状態検出処理(図7のステップS6)で検出された制動状態コード(現在の制動状態コード)とを大小比較する(ステップS81)。メモリ70Mに保持している制動状態コードが今回の制御周期で得られた制動状態コード以下であれば(ステップS81のYES)、FIコントローラ70は、メモリ70Mに保持する制動状態コードを今回の制御周期の制動状態コードに置き換えてリターンする(ステップS82)。
制動状態コードが「00」の場合にはアイドルストップが実行されない(図9のステップS52参照)を考慮すると、ステップS81の判断が肯定されるのは、制動状態コードが次のように変化または維持された場合である。
01 → 01
01 → 10
01 → 11
10 → 10
10 → 11
11 → 11
これらの場合には、アクセルグリップである右グリップ部28に対応するフロントブレーキユニット12の状態が変化していないか、または、フロントブレーキユニット12が非制動状態から制動状態に変化した場合である。したがって、運転者には、再発進の意図がないと判断するのが適切であり、エンジンを再始動する必要はない。
一方、ステップS81の判断が否定されるのは、制動状態コードが次のように変化した場合である。
01 → 00
10 → 00
10 → 01
11 → 00
11 → 01
11 → 10
メモリ70Mに保持されている制動状態コードが今回の制御周期の制動状態コードよりも大きいと判断されると(ステップS81のNO)、FIコントローラ70は、今回の制御周期の制動状態コードが二進表記で「00」(十進表記で「0」)かどうかを判断する(ステップS83)。制動状態コードが「00」であれば、フロントおよびリアのブレーキユニット12,13の両方が解除状態であるから、FIコントローラ70は、「ブレーキが解除された」と判定して(ステップS85)、リターンする。
今回の制御周期の制動状態コードが「00」でない場合(ステップS83のNO)とは、制動状態コードが次のように変化した場合である。
10 → 01
11 → 01
11 → 10
このなかで、今回の制御周期の制動状態コードが「01」である場合には、アクセルグリップである右グリップ部28に対応するフロントブレーキユニット12による制動が解除されているので、運転者には、発進の意志があると判断するのが適切である。しかし、制動状態コードの変化が「11→10」の場合には、フロントブレーキユニット12による制動は解除されておらず、運転者に発進の意志があると判断するのは適切ではない。そこで、FIコントローラ70は、今回の制御周期の制動状態コードが「01」(二進表記)かどうかを判定する(ステップS84)。この判断が肯定されれば、FIコントローラ70は、ブレーキが解除されたと判定(ステップS85)してリターンし、この判断が否定であれば、FIコントローラ70は、ブレーキが解除されたとの判定(ステップS85)をすることなく、リターンする。
二輪車両1の運転者は、とくに、上り坂での発進時には、リアブレーキユニット13によって車両1の後退を防ぎながら、右グリップ部28でアクセル操作を行って車両1を発進させる。したがって、フロントブレーキユニット12による制動の解除を優先的に検出することによって、運転者の意図に即してエンジンを始動させることができ、上り坂での発進にも良好に対応できる。
図12は、ヘッドライト減光処理(図7のステップS28)を行うサブルーチンのフローチャートである。FIコントローラ70は、まず、ターンスイッチが入っているか否かを判断する(ステップS1001)。ここで、ターンスイッチが入っていないと判断された場合には、二輪車両1のヘッドライト63の光量制御を行うPWM制御回路65のPWMデューティ比を所定値A1(<100%)に設定する処理が実行される(ステップS1002)。エンジン15の運転中には、PWM制御回路65は、PWMデューティ比を100%に設定する。
一方、ステップS1001で、ターンスイッチが入っていると判断された場合には、二輪車両1のヘッドライト63の光量制御を行うPWM制御回路65のPWMデューティ比を所定値A2(>A1)に設定する処理が実行される(ステップS1003)。そして、ステップS1002またはステップS1003の処理が実行された後、このヘッドライト減光処理が終了する。
ここで、PWMデューティ比は、A1<A2≦100%の関係に設定されており、たとえば、所定値A1は50%に設定される。こうして、エンジン15がアイドルストップ状態にあるときは、ヘッドライト63への給電を低減するようになっている。ターンスイッチが入っているときは、運転者の安全のために、減光処理を行わない(A2=100%の場合)か、または、減光割合が少なくされる。
なお、ヘッドライト減光処理は、ヘッドライト63が2灯式の場合、通常時の2灯の点灯から、1灯のみの点灯へと切り換える処理であってもよい。
図13は、ヘッドライト復光処理(図7のステップS23)を行うサブルーチンのフローチャートである。FIコントローラ70は、まず、車速が所定値以上になったか否かを判断する(ステップS1401)。ここで、車速が所定値以上になったと判断された場合には、二輪車両1のヘッドライト63のPWMデューティ比を100%に設定する処理が実行される(ステップS1402)。
そして、ステップS1401で、車速が所定値以上になっていないと判断された場合、またはステップS1402の処理が実行された後、このヘッドライト復光処理が終了する。 以上のようにこの実施形態によれば、燃料噴射式のエンジン15を搭載した二輪車両1において、フロントブレーキユニット12またはリアブレーキユニット13の解除(ブレーキリリース)が検出されたとき、アイドルストップ状態のエンジン15が再始動される。そのため、エンジン再始動の検出タイミングが、スロットル開度の増加を検出してエンジンを再始動させる場合よりも早く、エンジン15の再始動にかかる時間を短くすることができる。これは、二輪車両1のような鞍乗型車両では、通常、ブレーキリリース後に、アクセル操作(スロットルアップ)が行われるためである。
また、ブレーキリリースが検出されたときにエンジン15を再始動させるため、必ずしもスロットルポジションセンサ46は必要ではなく、スロットルポジションセンサ46を使用しない車両にも対応可能である。
さらに、ブレーキリリースが検出されたときにエンジン15を再始動させるため、操作者が車両を離れようとしてフロントブレーキレバー30またはリアブレーキレバー29から手を離すとエンジン15が始動してしまうので、アイドルストップ状態のまま操作者が車両1を離れることがなくなる。このことは、二輪車両1の盗難防止に有効である。
さらに、ブレーキリリースに応答してエンジン15を再始動する構成であるため、エンジンの再始動時における燃料噴射量を適切に調整することができる。すなわち、ブレーキリリースが検出されたとき、アクセル(スロットル)はほぼ全閉状態になっている。エンジンの吸入空気量はスロットル開度とクランキング速度に依存するため、スロットルが開いている状態のときよりもスロットルが全閉状態にあるときの方が、エンジンの吸入空気量を予測しやすい。したがって、ブレーキリリースが検出されたとき、つまり、スロットルが全閉状態にあるときに、エンジン15を再始動させることにより、エンジン再始動時の燃料噴射量を比較的容易に決定することができ、適正な燃料噴射量を得ることができる。また、エンジン15の再始動時に適正な燃料噴射量が得られるため、空気対燃料比を適正に決定することができ、アイドルストップからのエンジン15の再始動性を向上することができる。
また、エンジン15の再始動時に適正な燃料噴射量(ひいては適正な空気対燃料比)が得られるため、燃料噴射量自体が少なくて済む。つまり、エンジン再始動時のムダ噴きがなく、燃費性能を向上することができる。また、適正な燃料噴射量および空気対燃料比が得られるため、エンジン再始動時の有害な排気ガス成分を低減することができる。
また、この実施形態では、フロントブレーキユニット12およびリアブレーキユニット13の両方の制動動作によってエンジン15がアイドルストップした場合に、フロントブレーキユニット12の解除が検出されたときに、エンジン15が再始動する。これにより、上り坂での発進に良好に対応することができる。すなわち、坂道の場合は、通常、停止時にフロントとリアの両方のブレーキユニット12,13を作動させる。そして、特に上り坂では、発進時に、車両1が後退しないようにリアブレーキユニット13を作動させた状態のまま、フロントブレーキユニット12を解除し、アクセル操作(スロットルアップ)を行って発進するというのが、通常の発進方法である。したがって、フロントブレーキユニット12の解除を優先的に検出することにより、上り坂での発進に対応することができる。
フロントブレーキユニット12のフロントブレーキレバー30は、アクセル操作を行う右グリップ部28側に取り付けられている。そのため、フロントブレーキユニット12の解除が検出されたときに、アイドルストップ状態のエンジンを再始動させることにより、スロットル開度を検出してエンジンを再始動させる場合よりも、エンジン再始動の検出タイミングが確実に早くなり、エンジンの再始動時間を短くすることができる。
また、フロントブレーキユニット12およびリアブレーキユニット13のいずれか一方の制動動作によってエンジン15がアイドルストップした場合、その制動動作中のブレーキユニットの解除が検出されたとき、アイドルストップ状態のエンジン15が再始動される。これにより、運転者の意思に基づいて、確実かつ速やかに、エンジン15を再始動させることができる。
また、この実施形態では、所定値以上のスロットル開度が検出されたときには、ブレーキユニット12,13の制動状態とは無関係にアイドルストップ状態のエンジン15を再始動させるようにしている。このため、例えば、リアブレーキのみで上り坂に停車しているような場合に、アイドルストップしたエンジン15を再始動させたいときに、アクセル操作(スロットルアップ)のみでエンジン15を再始動させることができる。
また、スタータスイッチ36がオンされると、ブレーキユニット12,13の制動状態とは無関係に、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させるようになっている。そのため、通常の始動操作によってもエンジン15を再始動させることができる。
また、エンジン15の温度が所定値以下となったとき、ブレーキユニット12,13の制動状態とは無関係に、アイドルストップ状態のエンジン15が再始動される。これにより、エンジン温度の低下を防止して、エンジン15の再始動性を確保することができる。
また、所定値以下のバッテリ電圧が検出されたとき、ブレーキユニット12,13の制動状態とは無関係に、アイドルストップ状態のエンジン15を再始動させるため、バッテリ電圧の低下を防止して、エンジン15の再始動性を確保することができる。
さらに、エンジン15のアイドルストップ時に、ヘッドライト63の光量を制御するPWM制御回路65のデューティ比を調整して、ヘッドライト63への給電を低減するため、アイドルストップ時のヘッドライト63の点灯によるバッテリ75の消費電力を低減することができる。
[第2の実施形態]
図14は、この発明の第2の実施形態に係る二輪車両のアイドルストップシステムにおけるFIコントローラとスタータモータ(セルモータ)との接続図である。この図14に示すFIコントローラ70への入力信号は、前記第1の実施形態に係る二輪車両のアイドルストップシステムにおけるFIコントローラ70の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、この実施形態の説明では、前述の図3を併せて参照する。
前記第1の実施形態に係る二輪車両においては、スタータ信号が検出された時やアイドルストップからの再始動条件が整った時に、FIコントローラ70からISGコントローラ71に始動要求を出すようにしている。
これに対して、この第2の実施形態に係る二輪車両は、ISGコントローラ71を用いないで、スタータモータ18のリレーを操作することでエンジン15を再始動させるように構成したものである。これにより、高価なISGコントローラが不要になるので、安価な二輪車両を提供することが可能になる。
FIコントローラ70の出力端子には、インジェクタ(INJ)60、イグニッションコイル(IGN)61、フューエルポンプ62およびヘッドライト63(正確にはPWM制御回路65)が接続されている。また、FIコントローラ70の出力端子には、スタータリレー90を介してスタータモータ18が接続されている。
また、スタータリレー90の駆動回路は、スタータスイッチ36、メインスイッチ34、フロントブレーキスイッチ57、リアブレーキスイッチ58、バッテリ75、ダイオードD1,D2および抵抗R1を接続して構成されている。
具体的には、スタータリレー90は、そのリレーコイル91の一端が給電ライン95Aおよびメインスイッチ34を介してバッテリ75に接続されており、その他端が駆動信号ライン95Bを介してFIコントローラ70に接続されている。したがって、スタータリレー90は、メインスイッチ34がONしている状態(導通状態)において、FIコントローラ70から出力されるスタータリレー駆動信号により、リレーコイル91が励磁されて、リレースイッチ(接片)92がONするようになっている。
一方、フロントブレーキスイッチ57とリアブレーキスイッチ58は、それぞれ、一方の端子が給電ライン95Aに接続され、もう一方の端子がダイオードD1,D2のアノード側に接続され、ダイオードD1,D2のアノード側からブレーキの操作状態を検出できるように回路構成されている。ダイオードD1,D2のカソードは、抵抗R1を介してスタータスイッチ36の一方の端子に接続され、スタータスイッチ36のもう一方の端子は、グランドに接続されている。ダイオードD1,D2のアノード側の電位は、それぞれ、フロントブレーキ信号およびリアブレーキ信号として、FIコントローラ70に与えられるようになっている。したがって、メインスイッチ34がONしている状態(導通状態)において、フロントブレーキスイッチ57またはリアブレーキスイッチ58がONすれば、このことをFIコントローラ70によって検出できる。また、スタータスイッチ36と抵抗R1との間の電位は、スタータ信号として、FIコントローラ70に与えられるようになっている。したがって、フロントブレーキスイッチ57またはリアブレーキスイッチ58のいずれかがONしている状態で、スタータスイッチ36が操作されてONすると、このことをFIコントローラ70によって検出できる。これに応答して、FIコントローラ70は、スタータリレー駆動信号を出力し、リレーコイル91を励磁させる。これにより、リレースイッチ92がONする。
リレースイッチ92がONすると、バッテリ75の電圧がスタータモータ18に付与され、スタータモータ18が回転してエンジン15が始動される。
例えば、冷機時の始動やメインスイッチ34の投入後の最初の始動の時など、スタータスイッチ36を操作してエンジン15を始動する場合を考える。ブレーキ操作を行っているときは、フロントブレーキスイッチ57およびリアブレーキスイッチ58のいずれかがONしている。したがって、スタータスイッチ36をONすることで、スタータリレー90のリレーコイル91に通電される。これにより、スタータリレー90を介してスタータモータ18に通電し、エンジンを始動することができる。一方、運転者がブレーキ操作を行っておらず、したがって、FIコントローラ70にフロントブレーキ信号もリアブレーキ信号も与えられていないときは、FIコントローラ70は、スタータスイッチ36をONしても、スタータリレー駆動信号を出力しない。したがって、リレーコイル91に電流が流れることはなく、スタータモータ18は動き出さない。このように、スタータスイッチ36の操作によるエンジン15の始動には、ブレーキ操作が必須となる構成となっている。
一方、メインスイッチ34がONされていれば、FIコントローラ70からのスタータリレー駆動信号によって、スタータリレー90のリレーコイル91への通電が可能である。アイドルストップによってエンジン15を自動的に停止した状態からの再始動に際しては、予め定めた再始動の為の条件(ブレーキのリリースをFIコントローラ70が検出するなど)が成立したときに、FIコントローラ70からスタータリレー駆動信号を出力する。これにより、リレーコイル91が通電されて、リレースイッチ92がONになり、バッテリ75の電圧がスタータモータ18に付与され、スタータモータ18が回転してエンジン15が再始動される。
この実施形態の構成によっても、前述の第1の実施形態の場合と同様な効果が得られる。
さらに、この実施形態に係る二輪車両のアイドルストップシステムは、図15に示すように、FIコントローラ70の代わりに点火コントローラ(イグナイタ)170を用いた構成としても上述と同様の動作を得ることができる。なお、図15に示すアイドルストップシステムは、FIコントローラ70の代わりにイグナイタ170を用いた点以外、図14に示したアイドルストップシステムと同様であるので、その説明を省略する。
この図15に示す構成は、燃料噴射式でないエンジン、すなわちキャブレター式のエンジンの場合にも適用可能である。そして、アイドルストップ状態から、ブレーキ解除によってエンジンの再始動が可能であるため、速やかな発進が可能になる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、二輪車両1を例にとって説明したが、むろん、この発明は、三輪車両のような他の鞍乗型車両にも同様に適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る鞍乗型車両である二輪車両の構成を説明するための図解図である。 前記二輪車両のハンドルに関連する構成を説明するための図解的な平面図である。 前記二輪車両のエンジンの制御に関連する構成を示すブロック図である。 エンジンをアイドルストップさせるときの実行条件を示す図である。 アイドルストップを解除してエンジンを再始動させるときの復帰条件を示す図である。 エンジンの状態遷移を示す状態遷移図である。 前記エンジンを制御するFIコントローラの制御内容を説明するためのフローチャートである。 ブレーキ状態検出処理の具体例を説明するためのフローチャートである。 アイドルストップ実行判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 アイドルストップ復帰判定のためのサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 ブレーキ解除判定処理の具体例を説明するためのフローチャートである。 ヘッドライト減光処理を行うサブルーチンのフローチャートである。 ヘッドライト復光処理を行うサブルーチンのフローチャートである。 この発明の他の実施形態に係る二輪車両のアイドルストップシステムの構成を説明するためのブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る二輪車両のアイドルストップシステムの構成を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1 二輪車両
2 車体フレーム
3 動力ユニット
4 後輪
5 フロントフォーク
6 前輪
7 ハンドル
8 リアクッションユニット
9 運転者用シート
10 同乗者用シート
11 足載せ部
12 フロントブレーキユニット
13 リアブレーキユニット
15 エンジン
16 伝動ケース
17 クランク軸
18 スタータモータ
19 ベルト
20,21 ギヤ
22 ドライブプーリ
23 ドリブンプーリ
24 遠心クラッチ
25 ベルト
26 ハンドル軸
27 左グリップ部
28 右グリップ部
29 リアブレーキレバー
30 フロントブレーキレバー
31 ハンドルカバー
32 アクセルワイヤ
34 メインスイッチ
35 計器盤
36 スタータスイッチ
37 スピードメータ
38 燃料計
40 吸気管
43 吸気管負圧センサ
45 スロットル
46 スロットルポジションセンサ
48 温度センサ
51 カム軸
52 カムセンサ
54 クランク角センサ
55 マグネットセンサ
57 フロントブレーキスイッチ
58 リアブレーキスイッチ
60 インジェクタ
61 イグニッションコイル
62 フューエルポンプ
63 ヘッドライト
65 PWM制御回路
70 FIコントローラ
70M メモリ
71 ISGコントローラ
75 バッテリ
90 スタータリレー
91 リレーコイル
92 リレースイッチ
95A 給電ライン
95B 駆動信号ライン
170 点火コントローラ(イグナイタ)
D1,D2 ダイオード
R1 抵抗

Claims (15)

  1. 車輪を駆動するためのエンジンと、
    ブレーキ装置と、
    所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、
    前記ブレーキ装置の制動状態を検出する制動状態検出手段と、
    前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記制動状態検出手段によって前記ブレーキ装置による制動の解除が検出されたことに応答して再始動させる再始動制御手段と
    を含むことを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、
    前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、
    前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、
    前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記フロントブレーキ装置による前輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
  3. 前記鞍乗型車両は、前輪および後輪、ならびに前記エンジンの出力を制御するために運転者によって操作されるアクセルを有し、
    前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、
    前記フロントブレーキ装置を作動させるための前輪制動操作部および前記リアブレーキ装置を作動させるための後輪制動操作部が個別に設けられており、前記前輪制動操作部および前記後輪制動操作部の一方はその他方よりも前記アクセルに近接して配置されたアクセル側制動操作部であり、
    前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、
    前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記アクセル側制動操作部に対応するブレーキ装置による車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
  4. 前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、
    前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、
    前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、
    前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置のうちの一方のみが対応車輪を制動している状態から、当該制動動作中のブレーキ装置による当該対応車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  5. 前記エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度検出手段をさらに含み、
    前記再始動制御手段は、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記スロットル開度検出手段によって所定値以上のスロットル開度が検出されたことに応答して再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  6. 前記再始動制御手段は、
    前記エンジンを始動させるためのスタータモータへの通電を指示するスタータスイッチの操作が行われたとき、前記アイドルストップ状態のエンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  7. 前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段をさらに含み、
    前記再始動制御手段は、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記エンジン温度検出手段によって所定値以下のエンジン温度が検出されたことに応答して再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  8. 前記エンジンを始動させるためのスタータモータと、
    このスタータモータに電力を供給するバッテリと、
    前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段とをさらに含み、
    前記再始動制御手段は、前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記バッテリ電圧検出手段によって所定値以下のバッテリ電圧が検出されたことに応答して再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  9. ヘッドライトと、
    このヘッドライトへの給電を制御するとともに、前記エンジンが前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたことに応答して、前記ヘッドライトへの給電量を低減するヘッドライト制御手段とをさらに含む
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  10. 前記エンジンは、燃料噴射式のエンジンであることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の鞍乗型車両。
  11. 車輪を駆動するためのエンジンおよびブレーキ装置を有する鞍乗型車両のためのエンジン制御装置であって、
    所定のエンジン停止条件が満足されたことに応答して、前記エンジンを停止させるエンジン停止制御手段と、
    前記ブレーキ装置の制動状態を検出する制動状態検出手段と、
    前記エンジン停止制御手段によって停止状態とされたエンジンを、前記制動状態検出手段によって前記ブレーキ装置による制動の解除が検出されたことに応答して再始動させる再始動制御手段と
    を含むことを特徴とする鞍乗型車両用エンジン制御装置。
  12. 前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、
    前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、
    前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、
    前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記フロントブレーキ装置による前輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項11記載の鞍乗型車両用エンジン制御装置。
  13. 前記鞍乗型車両は、前輪および後輪、ならびに前記エンジンの出力を制御するために運転者によって操作されるアクセルを有し、
    前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、
    前記フロントブレーキ装置を作動させるための前輪制動操作部および前記リアブレーキ装置を作動させるための後輪制動操作部が個別に設けられており、前記前輪制動操作部および前記後輪制動操作部の一方はその他方よりも前記アクセルに近接して配置されたアクセル側制動操作部であり、
    前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、
    前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置が前輪および後輪をそれぞれ制動している状態から、前記アクセル側制動操作部に対応するブレーキ装置による車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項11記載の鞍乗型車両用エンジン制御装置。
  14. 前記鞍乗型車両は、前輪および後輪を有し、
    前記ブレーキ装置は、前輪を制動するフロントブレーキ装置および後輪を制動するリアブレーキ装置を有し、
    前記制動状態検出手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置の両方の制動状態を検出するものであり、
    前記再始動制御手段は、前記フロントブレーキ装置および前記リアブレーキ装置のうちの一方のみが対応車輪を制動している状態から、当該制動動作中のブレーキ装置による当該対応車輪の制動が解除されたことが前記制動状態検出手段によって検出されたことに応答して、前記エンジンを再始動させるものである
    ことを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の鞍乗型車両用エンジン制御装置。
  15. 車輪を駆動するためのエンジンおよびブレーキ装置を有する鞍乗型車両のためのアイドルストップ解除方法であって、
    前記ブレーキ装置の制動状態を検出する制動状態検出ステップと、
    前記制動状態検出ステップで前記ブレーキ装置による制動の解除を検出したとき、アイドルストップ状態のエンジンを再始動させるエンジン再始動ステップと
    を含むことを特徴とする鞍乗型車両のアイドルストップ解除方法。
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