JP3589248B2 - 圧延材のアルカリ脱脂装置 - Google Patents

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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G3/00Apparatus for cleaning or pickling metallic material
    • C23G3/02Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously
    • C23G3/023Apparatus for cleaning or pickling metallic material for cleaning wires, strips, filaments continuously by spraying

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は圧延材のアルカリ脱脂装置に関し、更に詳しくは高速で走行する圧延材の表面に付着している油分や異物をアルカリ脱脂液で連続的に洗浄除去することが可能で、しかも洗浄時の負荷を軽減することができ、また脱脂後における排水処理が容易である圧延材のアルカリ脱脂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工済みの機械部品などの表面に付着している油分や異物を当該機械部品から除去するために、従来から、トリクロロエタンやテトラクロロエチレンのような塩素系溶剤を用いた脱脂洗浄が行われている。この洗浄処理で廃液から油分と溶剤を分離する場合には、用いる塩素系溶剤の沸点は油分に比べて低いので、使用後の回収廃液を所定温度に加熱することにより、油分と溶剤を分別蒸留することができ、両者の分離は比較的容易でしかも排水は発生しないという利点がある。
【0003】
しかしながら、塩素系溶剤は環境破壊防止のための規制対象であり、その使用は極力抑制することが要請されている。
そのため、最近では、塩素系溶剤に代えてアルカリ脱脂液を用いて脱脂洗浄することが行なわれはじめている。
この洗浄処理は、被処理材をアルカリ脱脂液で表面の油分を脱脂し、ついで、脱脂後の表面を水のようなリンス液で洗浄し、付着しているアルカリ脱脂液などを除去し、その後、エアブローや加熱乾燥によりリンス液を除去することを基本工程としている。
【0004】
この洗浄処理を適用して、圧延装置から高速で連続走行する例えば帯鋼材のような圧延材の表面に付着する油分や異物を除去するための装置が提案されている(特開平5−245526号公報参照)。
この装置は、連続走行する圧延材の進路に、当該圧延材を取り囲んだ状態で脱脂室と前リンス室と仕上げリンス室とエアブロー室とをこの順序で直列配置し、脱脂室では圧延材の上面と下面にアルカリ液をスプレーノズルから高圧で噴射する装置である。この装置では、高圧で噴射されたアルカリ液によって、圧延材の表面に付着している油分が物理的・化学的に除去され、圧延材の表面は連続的に脱脂洗浄され、更に、前リンス室と仕上げリンス室では圧延材の上面と下面にスプレーノズルから加圧洗浄水が噴射されて圧延材は連続的に水洗されたのちエアブロー室で圧延材に付着している水分を吹き飛ばし、乾燥される。
【0005】
そして、脱脂室には使用済みのアルカリ液を貯留する液槽が接続され、この液槽と脱脂室のスプレーノズルとの間にはアルカリ液の循環経路が付設され、脱脂洗浄時にアルカリ液は循環使用できるようになっている。また、リンス室についても同様に洗浄水は循環使用できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−245526号公報に開示されている装置は、連続走行する圧延材の脱脂洗浄を可能にするという点で有用であるが、実使用に際しては、とりわけ付着油分が多い圧延材を脱脂洗浄するに際しては次のような問題がある。
一般に、アルカリ脱脂洗浄に用いるアルカリ脱脂液は、洗浄の過程で被処理材から移行した油分が約1重量%程度になった時点で洗浄効果を発揮しなくなる。
【0007】
したがって、被処理材の付着油分が多くなると、アルカリ脱脂液の劣化は激しく進み、短時間でその使用寿命は尽きてしまう。この使用寿命が尽きたアルカリ脱脂液をそのまま使用し続けていると、油分が分離してそれが被処理材に再付着するという事態が発生する。
上記した装置の場合、圧延材は連続走行していることもあって、処理対象の付着油分は全体として極めて多量であり、また、循環使用されているアルカリ脱脂液への移行油分を積極的に除去する手段を備えていないので、循環使用されるアルカリ脱脂液における油分濃度は短時間で上昇していきその劣化が急速に進行していく。
【0008】
また、この装置の場合、脱脂室で脱脂洗浄された圧延材は、少量ではあれ、油分が混合しているアルカリ脱脂液がその表面に付着した状態で前リンス室と仕上げリンス室に走行し、そこで水洗される。
したがって、循環使用される洗浄水は、循環の過程で、油分濃度が順次上昇していくので、規制値以上の油分濃度にまで上昇した場合には、所定の排水処理を行なって放流することが必要になる。
【0009】
とりわけ、アルカリ脱脂液の油分濃度が飽和状態になっている場合には、圧延材の付着油分はそのまま洗浄水に移行するようになるので、洗浄水の油分濃度は非常に高くなって、排水処理は大規模化するとともに困難の度が増すようになる。
特開平5−245526号公報に開示されている装置を運転するときに発生する上記した問題は、いずれもアルカリ脱脂液の循環使用の際に圧延材からアルカリ脱脂液に移行し、かつ蓄積されていく油分を除去しないことに基づく問題である。
【0010】
本発明は、上記した問題を解決し、長期に亘ってアルカリ脱脂液の洗浄効果を発揮させ、また洗浄水(リンス液)への油分の移行を抑制して排水処理を容易に行うことができる圧延材のアルカリ脱脂洗浄装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、走行する圧延材を取り囲んで、湯洗液スプレーノズルを有す湯洗室とアルカリ脱脂液スプレーノズルを有するアルカリ洗浄室とリンス液スプレーノズルを有するリンス室と乾燥室とが前記圧延材の走行方向に対しこの順序で直列配置されている圧延材のアルカリ脱脂装置であって、前記湯洗室、前記アルカリ洗浄室および前記リンス室には、それぞれ、湯洗液貯槽、脱脂液貯槽およびリンス液貯槽が接続され、前記湯洗液貯槽および前記脱脂液貯槽には、それぞれ各槽内の貯留液を循環するための液循環経路が付設され、かつ、前記湯洗液貯槽の液循環経路には浮上油分離槽とコアレッサー方式で作動する油水分離フィルタとを備えた油分除去手段が介装され、前記脱脂液貯槽の液循環経路にはコアレッサー方式で作動する油水分離フィルタを備えた油分除去手段が介装されていることを特徴とする圧延材のアルカリ脱脂装置が提供される。
【0012】
【作用】
本発明の装置において、圧延材は、湯洗室→アルカリ洗浄室→リンス室→乾燥室を順次走行していき、この過程で、脱脂洗浄、水洗、乾燥が順次施されていく。
まず、圧延材の上面と下面には、湯洗室に設けられている湯洗液スプレーノズルから温度70℃程度の高温水が噴射される。この湯洗によって、圧延材の表面に付着している油分の一部分が除去されるので、次のアルカリ洗浄室で用いるアルカリ脱脂液の洗浄負荷は軽減される。
【0013】
油分が移行した湯洗液は、湯洗液貯槽に貯留され、後述する液循環経路で油分除去処理が行われて再び湯洗液貯槽に還流し、ここから再び湯洗液スプレーノズルに送られ循環使用される。
この湯洗液貯槽には油分除去手段が介装された液循環経路が付設されているので、湯洗後の湯洗液は上記液循環経路を循環する過程で、圧延材から湯洗液に移行してきた油分が油分除去手段で除去される。したがって、湯洗液貯槽から湯洗液スプレーノズルに還流していく湯洗液は再生された状態になり、そして再び圧延材に噴射されるようになる。
【0014】
一部分の付着油分が除去された圧延材は、次にアルカリ洗浄室に走行していき、そこで、アルカリ脱脂液スプレーノズルから上面と下面にアルカリ脱脂液を噴射され、残留している付着油分が完全に脱脂洗浄される。このとき、湯洗室で予め一部の付着油分は除去されているので、アルカリ脱脂液の負荷は湯洗室を設けない場合に比べて軽減する。
【0015】
脱脂洗浄を終えたアルカリ脱脂液は脱脂液貯槽に貯留され、後述する液循環経路で油分除去処理が行われて再び脱脂液貯槽に還流し、ここから再びアルカリ脱脂液スプレーノズルに送られて循環使用される
この脱脂液貯槽にも油分除去手段が介装された液循環経路が付設されているので、脱脂洗浄後のアルカリ脱脂液は上記液循環経路を循環する過程で、アルカリ脱脂液で圧延材から脱脂洗浄された油分が油分除去手段で除去される。したがって、脱脂液貯槽からアルカリ脱脂液スプレーノズルに還流していくアルカリ脱脂液は再生された状態になり、そして再び圧延材に噴射されるようになる。
【0016】
このように、本発明の装置においては、まず、圧延材にアルカリ脱脂洗浄処理を施す前段で、湯洗処理を行なって付着油分の一部を除去してしまうので、アルカリ脱脂液の負荷を軽減することができ、その使用寿命を永くすることができる。
また、湯洗処理やアルカリ脱脂洗浄処理に用いる湯洗液やアルカリ脱脂液は、いずれも、圧延材から移行し、混合している油分が液循環経路の油分除去手段で除去され、再生された状態で再び湯洗処理や脱脂洗浄処理に供されるので、リンス室に走行していく圧延材の表面には油分はほとんど付着していないことになる。
【0017】
すなわち、リンス室に走行していく圧延材の表面には油分はほとんど付着していない。
したがって、リンス室で使用するリンス液に油分が移行して混合するという事態はほとんど起こらなくなるので、リンス液の排水処理は容易になる。
【0018】
【実施例】
以下に、図面に基づいて本発明装置を詳細に説明する。図1は、本発明装置の基本構成を示す概略図である。
この装置においては、図示した矢印p方向に所定の速度で連続走行する圧延材Mを取り囲んで、箱型形状をした湯洗室1、アルカリ洗浄室2、リンス室3、エアブロー室3Dおよび乾燥室4がこの順序で直列配置されている。
【0019】
湯洗室1の内部には圧延材Mの走行方向に対し一対の仕切り壁1a,1bが設けられ、これら仕切り壁1a,1bで囲まれた空間には後述する湯洗液スプレーノズル5が配置されている。
また、アルカリ洗浄室2の内部にも圧延材Mの走行方向に対し一対の仕切り壁2a,2bが設けられ、これら仕切り壁2a,2bで囲まれた空間には後述するアルカリ脱脂液スプレーノズル6が配置されている。
【0020】
更に、リンス室3の内部には同じく圧延材Mの走行方向に対し3枚の仕切り壁3a,3b,3cが設けられ、仕切り壁3a,3bで囲まれた空間には後述するリンス液スプレーノズル7が配置されて前リンス室3Aを形成し、また仕切り壁3b,3cで囲まれた空間には同じくリンス液スプレーノズル8が配置されて仕上げリンス室3Bを形成し、これら前リンス室3Aと仕上げリンス室3Bをもってリンス室3が構成されている。
【0021】
また、エアブロー室3Dの内部には、圧延材Mの表面に付着している水分を吹き飛ばすためのエアブローノズル3d,3eが設けられている。
乾燥室4には熱風発生装置4aが付設され、ここから所定温度の熱風を乾燥室4に送風して走行する圧延材Mを乾燥できるようになっている。
湯洗室1の下部は、例えば温度70℃程度の高温水である湯洗液Aが貯留されている湯洗液貯槽9と接続され、この湯洗液貯槽9には湯洗液Aを所望温度に加熱するためのヒータ9aが付設されている。そして、湯洗液スプレーノズル5は、圧延材Mを挟んだ状態で上部ノズル5aと下部ノズル5bとをもって構成され、これらノズルは、液路lを介して湯洗液貯槽9と連結されている。
【0022】
液路lにはポンプPが介装されていて、このポンプPを作動することにより、湯洗液貯槽9内の湯洗液Aは液路lを通って所定の加圧状態で圧送され、上部ノズル5aから圧延材Mの上面に、下部ノズル5bから圧延材Mの下面にそれぞれ噴射される。そして、圧延材Mを湯洗した湯洗液は、そのまま、湯洗室1の中を流れ落ちて湯洗液貯槽9に貯留され、後述する油分除去が行われたのち、再び液路lを通って循環使用される。
【0023】
なお、湯洗液貯槽9には、脱脂洗浄の過程で消費される湯洗液Aを補給するために、市水供給系(図示しない)が接続されている。
アルカリ洗浄室2の下部は、アルカリ脱脂液Bが貯留されている脱脂液貯槽10と接続され、この脱脂液貯槽10にはアルカリ脱脂液Bを所望温度(例えば75℃)に加熱するためのヒータ10aが付設されている。そして、アルカリ脱脂スプレーノズル6は、圧延材Mを挟んだ状態で、上部ノズル6aと下部ノズル6bとをもって構成され、これらノズルは、液路lを介して脱脂液貯槽10と連結されている。
【0024】
液路lにはポンプPが介装されていて、このポンプPを作動することにより、脱脂液貯槽10内のアルカリ脱脂液貯槽Bは液路lを通って所定の加圧状態で圧送され、上部ノズル6aから圧延材Mの上面に、下部ノズル6bから圧延材Mの下面にそれぞれ噴射される。そして、圧延材Mを脱脂洗浄したアルカリ脱脂液は、そのまま、アルカリ洗浄室2の中を流れ落ちて脱脂液貯槽10に貯留され、後述する油分除去が行われたのち、再びポンプPで液路l内を通って循環使用される。
【0025】
なお、脱脂洗浄の過程でアルカリ脱脂液Bは常時後段のリンス室3の方向に所定量ずつ持ち出されていき減量していくので、それを補充するために、脱脂液貯槽10には、新規なアルカリ脱脂液の補給系(図示しない)が接続されている。前リンス室3Aと仕上げリンス室3Bの下部は、一括して、前リンス室3Aと仕上げリンス室3Bで使用したリンス液Cが貯留される第1のリンス液貯槽11Aに接続され、この第1のリンス液貯槽11Aにはリンス液Cを例えば75℃に加熱するためのヒータ11aが付設され、更に液路lから市水が供給できるようになっている。そして、前リンス室3Aのリンス液スプレーノズル7は、圧延材Mを挟んだ状態で、上部ノズル7aと下部ノズル7bをもって構成され、これらノズルは、ポンプPが介装されている液路lを介して第1のリンス液貯槽11Aと連結されている。
【0026】
また、仕上げリンス室3Bのリンス液スプレーノズル8は、同じく圧延材Mを挟んだ状態で、上部ノズル8aと下部ノズル8bとをもって構成され、これらノズルは、液路lから第2のリンス液Cとして市水を供給することができ、その第2のリンス液Cを例えば80℃に加熱するためのヒータ11bを備えている第2のリンス液貯槽11Bに、ポンプPが介装されている液路lを介して連結されている。
【0027】
ポンプP,Pを作動すると、第1のリンス液貯槽11Aの第1のリンス液Cは液路lを通って汲み上げられ、前リンス室3Aにおいて、上部ノズル7aから圧延材Mの上面に、下部ノズル7bから圧延材Mの下面に噴射される。また、第2のリンス液貯槽11Bの第2のリンス液Cは液路lを通って汲み上げられ、仕上げリンス室3bにおいて、上部ノズル8aから圧延材の上面に、下部ノズル8bから圧延材Mの下面に噴射される。
【0028】
両室3A,3Bで使用した後のリンス液は、全て、リンス室3の中を流れ落ち、第1のリンス液貯槽11Aに貯留されてリンス液Cとなる。そして、このリンス液Cは前リンス室3Aに汲み上げられて循環使用される。なお、リンス液Cは液路lを通って適宜に排水される。
本発明の実施例装置では、上記した構成において、前記した湯洗液貯槽9に後述する油分除去手段12aが介装されている液循環経路Lと、前記した脱脂液貯槽11に同じく油分除去手段12bが介装されている液循環経路Lがそれぞれ付設されている。
【0029】
まず、液循環経路Lは、湯洗液貯槽9内の湯洗液を浮上油分離槽13に導くための液路lと、浮上油分離槽13で処理された湯洗液を油分除去手段12aに導き、ポンプPが介装されている液路lと、油分除去手段12aで油分が除去されたのちの湯洗液を再び湯洗液貯槽9に還流するための液路l10とで構成されている。そして、油分除去手段12aで分離除去された油分は、液路l11から系外に排出されるようになっている。
【0030】
この液循環経路Lで油分除去手段12aの前段に浮上油分離槽13を配置したのは次の理由に基づく。すなわち、湯洗液貯槽9から液路lを経由して導かれてくる湯洗液Aはその温度が約70℃程度であり、油分と温水との分離が比較的容易に行える状態にある。したがって、この浮上油分離槽13で、湯洗液Aを浮上油分と温水とに大雑把に分離し、分離後の前記温水のみを次の油分除去手段12aに移送することにより、当該油分除去手段12aの負荷を軽減するためである。
【0031】
このような働きをする浮上油分分離槽13としては、例えばオイルトラップ方式のものが用いられる。この方式においては、液路lを経由して導かれた湯洗液Aに、図示しないエジェクタから圧力5〜6kg/cm程度になっている空気を送入して湯洗液に微細気泡を発生させることにより油分を分離浮上させることができる。
【0032】
また、液循環経路Lは、脱脂液貯槽10内のアルカリ脱脂液貯槽Bを油分除去手段12bに導き、ポンプPが介装されている液路l12と、油分除去手段12bで油分が除去されたのちのアルカリ脱脂液を再び脱脂液貯槽10に還流するための液路l13とで構成されている。そして、油分除去手段12bで分離除去された油分は液路l14を経由して液路l11まで移送され、そこから系外に排出されるようになっている。
【0033】
これらの液循環経路L,Lに介装される油分除去手段12a,12bとしては、コアレッサー方式で作動する油水分離フィルタを好適なものとしてあげることができる。
このタイプの油水分離フィルタは、線径1〜3μmの超極細繊維から成るシート状の不織布構造体を使用するカートリッジタイプのフィルタを内蔵するものが好ましい。油滴を含む水を前記カートリッジに通すと、繊維表面と繊維の絡み点で油滴は捕捉されて凝集し、粗大化してフィルタ表面から比重差分離して浮上し、もって、油滴を含む水は油分と油分を含まない水に完全に2層分離される。したがって、処理後の水には油分は含まれていない。なお、油分除去手段12a,12bは同一形式のものであってもよいし、異なる形式のものであってもよい。
【0034】
次に作用について説明する。
湯洗室1、アルカリ洗浄室2、前リンス室3A、仕上げリンス室3B、エアブロー室3D、および乾燥室4の中をp方向に走行する圧延材Mに対しては、まず、湯洗が行われる。
すなわち、湯洗液貯槽9に貯留され、ヒータ9aで約70℃程度に加熱されている湯洗液Aを、ポンプPの作動によって液路lを経由して圧送し、上部ノズル5aと下部ノズル5bから圧延材Mの上面と下面に3〜5kg/cmの圧力で噴射することにより、圧延材Mの表面に付着している油分の一部分が除去される。
【0035】
油分を含む湯洗液は、湯洗室1を流れ落ち、湯洗液貯槽9に貯留される。そして、この湯洗液Aは液循環経路Lを循環し、その過程で、含まれていた油分が除去されて再生される。
すなわち、湯洗液Aは液路lを経由して浮上油分分離槽13に移送され、そこで、浮上油分と温水とに大きく分離される。浮上油分は液路l14を経由して液路l11に移送され、そこから系外に排出される。
【0036】
一方、浮上油分離槽13で分離され、槽13の下部に貯留する温水には依然として油分が油滴として含まれているので、この温水は、直接、液路l15を介して油分除去手段12aに移送されたり、または、ポンプPの作動により油分除去手段12aに導かれ、そこで、油分と温水とが完全に分離される。油分は液路l11から系外に排出され、そして温水は液路l10を経由して再び湯洗液貯槽9に還流される。
【0037】
したがって使用した湯洗液Aは液循環経路Lを循環する過程で圧延材Mから湯洗液Aに移行した油分は浮上油分離槽13と油分除去手段12aによって完全に除去されるので、湯洗液貯槽9に還流してきた湯洗液Aは油分を含まず再生された状態になっていて、湯洗に再使用することが可能になっている。
次に、アルカリ洗浄室2では、脱脂液貯槽10に貯留され、ヒータ10aで約75℃程度に加熱されているアルカリ脱脂液Bが、ポンプPの作動により液路lを圧送され、上部ノズル6aと下部ノズル6bから圧延材Mの上面と下面に3〜5kg/cmの圧力で噴射されることにより、圧延材Mの表面に残存付着している油分を完全に脱脂洗浄する。
【0038】
油分を含むアルカリ脱脂液はアルカリ洗浄室2を流れ落ち脱脂液貯槽10に貯留される。そして、このアルカリ脱脂液Bは液循環経路Lを循環し、その過程で含まれていた油分が完全に除去されて再生される。
すなわち、アルカリ脱脂液BはポンプPの作動により液路l12を経由して油分除去手段12bに移送され、そこで、浮上油分と油分を含まないアルカリ洗浄液に分離される。
【0039】
油分は液路l14を経由して液路l11に移送され、そこから系外に排出される。そして油分を含まないアルカリ脱脂液は液路l13を経由して脱脂液貯槽10に還流される。
したがって、アルカリ洗浄室2で使用されたアルカリ脱脂液は液循環経路Lを循環する過程で、圧延材Mから脱脂されてアルカリ脱脂液に移行した油分は油分除去手段12bによって完全に除去されるので、脱脂液貯槽10に還流してきたアルカリ脱脂液は油分を含まず、再びアルカリ洗浄室2で使用することができる状態になっている。
【0040】
湯洗室1とアルカリ洗浄室2で表面の付着油分が完全に除去された圧延材Mは、次に、前リンス室3Aと仕上げリンス室3Bを走行する過程で、アルカリ洗浄時に圧延材Mの表面に付着するアルカリ脱脂液が除去され、リンスされ、エアブロー室3Dでは水分が吹き飛ばされ、そして、次の乾燥室4で乾燥される。
まず、市水のようなリンス液Cは液路lから第1のリンス液貯槽11Aに貯留され、ヒータ11aで温度70℃程度に加熱される。また、市水のようなリンス液Cは液路lから第2のリンス液貯槽11Bに貯留され、ヒータ11bで温度80℃程度に加熱される。
【0041】
そして、ポンプPを作動してリンス液Cが液路l内に圧送され、またポンプPを作動してリンス液Cが液路l内に圧送される。
リンス液Cは、前記リンス室3A内で上部ノズル7aと下部ノズル7bから圧延材Mの上面と下面に噴射され、またリンス液Cは、仕上げリンス室3B内で上部ノズル8aと下部ノズル8bから圧延材Mの上面と下面に噴射される。かくして、この2段階のリンス処理によって圧延材Mの表面は洗浄される。
【0042】
前リンス室3Aで使用されたリンス液Cと仕上げリンス室3Bで使用されたリンス液Cは合流して流れ落ち、第1のリンス液貯槽11Aに貯留され、液路lを経由して順次排出されていく。
そして、湯洗液Aは再生された状態で循環使用され、アルカリ脱脂液Bも再生された状態で循環使用されるため、圧延材Mの付着油分は湯洗室1とアルカリ洗浄室2で確実に除去することができ、またこれらの液の油分濃度の上昇は起こらなくなる。それゆえ、リンス液貯槽11Aに貯留するリンス液Cに移行してくる油分は極めて少なくなる。したがって、リンス液Cの排水処理は容易となる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の装置は、湯洗とアルカリ脱脂洗浄の過程で圧延材の表面から湯洗液やアルカリ脱脂液に移行した油分を、液循環経路に介装した油分除去手段で分離して湯洗液やアルカリ脱脂液を再生して再使用することができるようにしたので、リンス工程に油分が移行してリンス液における油分濃度が上昇していくという事態は抑制される。したがって、リンス液に対する排水処理は容易になる。
【0044】
また、アルカリ脱脂液で圧延材表面の付着油分を完全に脱脂洗浄する前段で、圧延材に対しては、前処理として湯洗処理が施されて付着油分の一部が予め除去されるので、アルカリ脱脂洗浄時におけるアルカリ脱脂液の負荷を軽減することができる。したがって、用いるアルカリ脱脂液の使用寿命は長くなり、その経済的メリットは大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例装置の基本構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 湯洗室
1a,1b 仕切り壁
2 アルカリ洗浄室
2a,2b 仕切り壁
3 リンス室
3A 前リンス室
3B 仕上げリンス室
3a,3b,3c 仕切り壁
3D エアブロー室
3d,3e エアブローノズル
4 乾燥室
4a 熱風発生装置
5 湯洗液スプレーノズル
5a 上部ノズル
5b 下部ノズル
6 アルカリ脱脂液スプレーノズル
6a 上部ノズル
6b 下部ノズル
7,8 リンス液スプレーノズル
7a,8a 上部ノズル
7b,8b 下部ノズル
9 湯洗液貯槽
9a ヒータ
10 脱脂液貯槽
10a ヒータ
11A 第1のリンス液貯槽
11a ヒータ
11B 第2のリンス液貯槽
11b ヒータ
12 油分除去手段
13 浮上油分離槽
, P , P , P , P , P ポンプ
,l ,l ,l ,l ,l ,l ,l ,l ,l10,l11,l12,l13,l14,l15 液路
,L 液循環経路
A 湯洗液
B アルカリ脱脂液
,C リンス液
M 圧延材

Claims (1)

  1. 走行する圧延材を取り囲んで、湯洗液スプレーノズルを有す湯洗室とアルカリ脱脂液スプレーノズルを有するアルカリ洗浄室とリンス液スプレーノズルを有するリンス室と乾燥室とが前記圧延材の走行方向に対しこの順序で直列配置されている圧延材のアルカリ脱脂装置であって、
    前記湯洗室、前記アルカリ洗浄室および前記リンス室には、それぞれ、湯洗液貯槽、脱脂液貯槽およびリンス液貯槽が接続され、
    前記湯洗液貯槽および前記脱脂液貯槽には、それぞれ各槽内の貯留液を循環するための液循環経路が付設され、かつ、前記湯洗液貯槽の液循環経路には浮上油分離槽とコアレッサー方式で作動する油水分離フィルタとを備えた油分除去手段が介装され、前記脱脂液貯槽の液循環経路にはコアレッサー方式で作動する油水分離フィルタを備えた油分除去手段が介装されていることを特徴とする圧延材のアルカリ脱脂装置。
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