JP3588885B2 - 非水電解液電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温負荷特性、容量特性に優れた非水電解液電池、特にサイクル特性にも優れたリチウムイオン非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子技術の進歩により電子機器の高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これらの電子機器に使用される二次電池を高密度エネルギー化することが要請されている。
【0003】
従来、このような電子機器に使用されている二次電池としては、ニッケル・カドミウム電池や鉛電池が一般的であるが、最近の電子機器に対しては放電電圧が低く、エネルギー密度も十分ではなかった。
【0004】
そこで、最近では、高出力及び高エネルギー密度を実現できる二次電池としてリチウムイオン非水電解液二次電池が開発され、一部実用化されている。このようなリチウムイオン非水電解液二次電池においては、正極活物質としてリチウムと遷移金属(Co等)との複合酸化物を使用し、負極活物質としてリチウムイオンをドープ・脱ドープすることのできる炭素質材料を使用し、非水電解液としてプロピレンカーボネートやジエチルカーボネートなどの非水溶媒にLiPFなどの電解質を溶解したものを使用している。特に、このような電池は、正極活物質としてリチウムと遷移金属との複合酸化物を使用しているために、電池電圧が約3.6〜4.5Vとなり、かなりの高エネルギー密度が期待できるものとなっている。
【0005】
ところが、正極活物質としてリチウムと遷移金属との複合酸化物を使用するリチウムイオン非水電解液二次電池の場合、電池電圧がかなり高いために電解液が分解するという問題がある。この問題を、正極活物質としてLiCoOを使用した場合を例にとり説明する。
【0006】
図6に示すように、正極活物質粒子60の表面は、リチウムイオンの挿入・放出が行われない領域(非活性領域)Aと行われる領域(活性領域)Bとを有し、その非活性領域は、正極活物質粒子の製造プロセス条件により水酸基などの官能基がむきだしとなっている領域や有機物やリチウム炭酸塩などが付着した領域などが該当する。
【0007】
また、リチウムイオン非水電解液二次電池の放電に際しては、リチウムイオンが正極活物質に挿入されることになるが、この場合、正極活物質の挿入・放出領域の表面において、図7に示すようにリチウムイオンに溶媒和した溶媒のリチウムイオンから脱離と、正極活物質内部へのリチウムイオンの移動(コバルトの還元)とが行われる必要がある。また、充電に際しては、リチウムイオンが正極活物質の表面から非水電解液中へ放出されるが、その際にコバルト原子の一部がCoOの形態となる。この4価のコバルトは不安定であり、電子を獲得して3価になろうとする傾向がある。従って、リチウムイオン非水電解液二次電池の充放電に伴い、非水電解液中のリチウムイオンに溶媒和した溶媒分子が正極活物質に接近すると、一部の溶媒分子は4価のコバルト原子により酸化分解され、その正極活物質表面に分解生成物が不働態膜として付着する。このため、低温負荷特性の低下、充放電容量の低下、サイクル特性の低下などの問題がある。
【0008】
また、前述したように溶媒の分解に応じて正極活物質の表面の非活性領域が増加するために、特に低温負荷特性の低下も問題となる。
【0009】
以上の問題は、正極活物質に限らず負極活物質の場合も生じることであり、更にリチウムイオン非水電解液二次電池に限らず、他の非水電解液二次電池の場合にも生じることである。
【0010】
このような問題を解決する方法として、リチウムイオン非水電解液二次電池の負極の炭素材料の表面をリチウムイオン伝導性の高分子固体電解質膜(有機イオン伝導膜)で被覆し、溶媒が電極表面に直接接触しないようにすることが提案されている(特開平7−134989号公報)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−134989号公報に開示されたように、リチウムイオン伝導性の高分子固体電解質膜で電極活物質を被覆した場合には、有機物である高分子固体電解質膜が充放電の繰り返しにより徐々に分解し、充放電容量の低下、低温負荷特性の低下、更にサイクル特性の低下が生じるという問題がある。
【0012】
また、このような非水電解液の溶媒の分解に基づく低温負荷特性や放電容量の低下の問題は、非水電解液二次電池に限定されず、非水電解液一次電池(例えばリチウム一次電池)の場合にも生じる。
【0013】
本発明は、以上の従来の技術の問題を解決しようとするものであり、一次電池であるか二次電池であるかを問わず、低温負荷特性や容量特性などに優れた非水電解液電池を提供し、特に非水電解液二次電池に関しては、更にサイクル特性も改善できるようにすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、高分子固体電解質膜に代えて、耐電圧特性に優れた無機物から形成された無機イオン伝導膜を使用することにより上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0015】
即ち、本発明は、無機イオン伝導膜で被覆された正極活物質又は負極活物質を用いることを特徴とする非水電解液二次電池を提供する。そして、水酸化アルミニウムを溶解しているアルカリ水溶液に、正極活物質又は負極活物質を分散させ、その分散液に水酸化リチウム水溶液を添加することにより、正極活物質又は負極活物質の表面にリチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜が形成されている構成とする。或いは、アルミニウムアルコキシドとリチウムアルコキシドとを溶解しているアルコール溶液に、正極活物質又は負極活物質を分散させ、その分散液に水を添加することにより、正極活物質又は負極活物質の表面にリチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜が形成されている構成とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明の非水電解液二次電池においては、その正極活物質又は負極活物質を、一般に耐電圧性に優れている無機物から形成される無機イオン伝導膜で被覆する。このため、活物質の表面において従来同時に行われていた導電イオン種からの溶媒の脱離と活物質内部への導電イオン種の移動とを、別々の場所で行なうことが可能となる。即ち、導電イオン種からの溶媒の脱離を、無機イオン伝導膜と非水溶媒との界面で行い、活物質内部への導電イオン種の移動を、活物質と無機イオン伝導膜との界面で行うことが可能となる。この場合、無機イオン伝導膜の非水電解液側表面で活物質内部への電子の移動が生じて溶媒が酸化されることを防止するために、無機イオン伝導膜は実質的に電子導電性がないものを使用する。よって、本発明の非水電解液二次電池は低温負荷特性、放電特性、サイクル特性が向上したものとなる。
【0018】
これらの効果を、正極活物質として後述するLiCoO、無機イオン導電質としてリチウム・水酸化アルミニウム複合物、電池反応に寄与する金属イオンがリチウムイオンである非水電解液二次電池を例にとり図1を参照しながら模式的に説明すると次のようになる。
【0019】
即ち、図1に示すように、リチウム・水酸化アルミニウム複合物の構造は、正極活物質の表面を覆うようなAl(OH)が部分的に脱水縮合した網目構造の中に、イオン伝導体としてのリチウムイオンが複合されている構造となっている。ここで、非水電解液中のリチウムイオンが正極活物質に挿入される場合、まず、溶媒和しているリチウムイオンが正極活物質に接近し、無機イオン伝導膜に到達し吸着される。放電時にコバルト原子がCo4+からCo3+に変化すると、同時に無機イオン伝導膜の正極活物質表面近傍に存在するリチウムイオンが正極活物質に取り込まれる。それと同時に、無機イオン伝導膜の非水電解液側表面に吸着されていたリチウムイオンは溶媒和していた溶媒分子を脱離させながら無機イオン伝導膜内に取り込まれる。従って、リチウムイオンに溶媒和している溶媒を酸化することなく脱離させることができる。
【0020】
本発明において、無機イオン伝導膜としては、イオン伝導性を有する無機化合物からなる膜の中から、負荷特性を低下させないようにイオン伝導度の良好なものを適宜選択して使用することができる。例えば、構造的に水酸化アルミニウム、水酸化チタンあるいは水酸化ケイ素が脱水縮合したような構造の物質を使用することができる。これらは、対応する金属アルコキシドを加水分解させ、その加水分解物が競争的に縮合することにより形成することができる。中でも、図1に示したようにリチウムイオン非水電解液二次電池用には、リチウム・水酸化アルミニウム複合物を使用することがリチウムイオンの移動抵抗が低い点から好ましい。また、リチウム・酸化ケイ素複合物を使用することもできる。
【0021】
このようなリチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン導電膜は、水酸化アルミニウムを溶解しているアルカリ水溶液に、正極活物質又は負極活物質を分散させ、その分散液に水酸化リチウム水溶液を添加し、正極活物質又は負極活物質の表面にリチウム・水酸化アルミニウム複合物を析出させることにより形成することができる。この場合、アルカリ水溶液で正極活物質又は負極活物質は洗浄されることとなるので、それらの表面の非活性領域を大きく低減させることができる。よって低温負荷特性を向上させることができる。
【0022】
また、リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン導電膜の形成の別法として、リチウムアルコキシド(例えばLi(OC))とアルミニウムアルコキシド(例えばAl(OC)とを低級アルコール(例えばエタノール)に溶解させる。その溶液に正極活物質又は負極活物質を分散させ、その分散液に水を添加してリチウムアルコキシドとアルミニウムアルコキシドとを加水分解させる。それにより正極活物質又は負極活物質の表面にリチウム・水酸化アルミニウム複合物を析出させることにより形成することができる。この場合も、リチウムアルコキシドとアルミニウムアルコキシドとの加水分解液はアルカリ性を呈し、その液で正極活物質又は負極活物質が洗浄されることとなる。従ってそれらの表面の非活性領域を大きく低減させて低温負荷特性を向上させることができる。
【0023】
無機イオン伝導膜の膜厚は、薄過ぎると溶媒の酸化還元分解を十分に抑制することができず、厚過ぎるとイオン伝導に対する膜抵抗が大きくなるので、好ましくは5オングストローム〜5μm、より好ましくは50〜500オングストロームである。
【0024】
また、非水電解液二次電池の正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物又は特定のポリマーを活物質として用いて構成することができる。例えば、リチウムイオン非水電解液二次電池を構成する場合、正極活物質としては、TiS、MoS、NbSe、V等のリチウムを含有しない金属硫化物あるいは酸化物や、LiMO(式中、Mは一種以上の遷移金属を表し、通常0.05≦x≦1.10である)を主体とするリチウム複合酸化物等を使用することができる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(式中、x、yは電池の充放電状態によって異なり、通常0<x<1、0.7<y<1.02である)、LiMn等をあげることができる。これらリチウム複合酸化物は、適当な負極と適当な電解液と共に用いて、高電圧を発生する電池を作製することができ、エネルギー密度的に優れた正極活物質となる。このリチウム複合酸化物は、リチウムの炭酸塩、硝酸塩、酸化物あるいは水酸化物と、コバルト、マンガンあるいはニッケルなどの炭酸塩、硝酸塩、酸化物、あるいは水酸化物とを所望の組成に応じて粉砕混合し、酸素雰囲気下で600〜1000℃の温度範囲で焼成することにより調製することができる。
【0025】
また、非水電解液二次電池の負極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて種々の材料を使用することができるが、電池反応に寄与する金属イオン、特にリチウムイオンをドープ且つ脱ドープ可能な炭素質材料をあげることができる。このような炭素質材料としては2000℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶性炭素質材料や、結晶化しやすい原料を3000℃近くの高温で処理した高結晶性炭素材料等を使用することができる。例えば、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、人造黒鉛類、天然黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭などを使用することができる。中でも、(002)面の面間隔が3.70オングストローム以上、真密度が1.70g/cc未満、且つ空気気流中における示差熱分析で700℃以上に発熱ピークを持たない低結晶性炭素質材料や、負極合剤充填性の高い真比重が2.10g/cc以上の高結晶性炭素質材料を好ましく使用することができる。
【0026】
また、非水電解液に使用する有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジプロピルカーボネート、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、アニソール、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等を使用することができ、2種以上を混合して使用してもよい。
【0027】
また、非水電解液に溶解させる電解質としては、リチウム、ナトリウム、アルミニウム等の軽金属の塩を使用することができ、当該非水電解液を使用する電池種類等に応じて適宜定めることができる。例えば、リチウムイオン非水電解液二次電池を構成する場合、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO等のリチウム塩を使用することができる。
【0028】
本発明の非水電解液二次電池の他の構成要素、例えば、集電体や電池缶などは従来の非水電解液二次電池と同様の構成とすることができる。
【0029】
また、本発明の非水電解液二次電池は、無機イオン伝導膜で被覆された活物質を使用する以外は、従来と同様に製造することができる。
【0030】
なお、本発明の非水電解液二次電池の電池形状は特に限定されるものでなく、円筒型形状、角型形状、コイン型形状、ボタン型形状又はペーパー型形状であってもよい。また、より安全性の高い密閉型非水電解液二次電池を得るために、過充電時の異常時に電池内圧上昇に応じて電流を遮断させる手段を備えたものが望ましい。
【0031】
【実施例】
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
実施例1
(負極の作製)
出発原料として石油ピッチを用い、これを炭化して粗粒状のピッチコークスを得た。このピッチコークスを平均粒径20μmの粒子に粉砕した。この粉末を不活性ガス雰囲気中で1000℃で焼成して炭素質化した。
【0033】
得られた炭素質材料粉末90重量部と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部とを混合して負極合剤を調製し、これをn−メチルピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを調製した。
【0034】
次にこのスラリーを、10μm厚の帯状銅箔(負極集電体)の両面に塗布し、乾燥した後に、ローラープレス機により圧縮成形して帯状負極を得た。成形後の負極合剤の膜厚は両面とも90μmであった。また、帯状の負極の幅は55.6mmとし、長さは551.5mmとした。
【0035】
(正極の作製)
炭酸リチウム0.5モルと炭酸コバルト1モルとを十分に混合し、空気雰囲気下、900℃で5時間焼成することにより正極活物質であるLiCoOを得た。
【0036】
次に、水酸化ナトリウム10重量部を水90重量部に溶解してアルカリ水溶液を調製し、更に水酸化アルミニウム10重量部を溶解させた。この溶液に、先に合成したLiCoOの粉末100重量部を撹拌しながら投入した。更に、水酸化リチウムの2%水溶液を50重量部を滴下し、1時間撹拌した。それにより、LiCoOの粉末の表面にリチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜を析出形成させ、更に120℃で2時間乾燥させた。
【0037】
得られたLiCoOの粉末91重量部、グラファイト(導電剤)6重量部及びPVDF3重量部を、n−メチルピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを調製した。
【0038】
次にこのスラリーを、20μm厚の帯状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布し、乾燥した後に、ローラープレス機により圧縮成形して帯状正極を得た。成形後の正極合剤の膜厚は両面とも70μmであった。また、帯状の正極の幅は53.6mmとし、長さは523.5mmとした。
【0039】
(非水電解液二次電池の作製)
上述の帯状の負極と、帯状の正極と、微多孔性ポリプロピレンフィルム(厚さ25μm,幅58.1mm)からなるセパレーターとを、負極、セパレーター、正極、セパレーターの順に4層積層した電極体とした。この電極体を、長手方向に沿って負極を内側にして渦巻き型に多数回巻き回し、そして最外周セパレーターの最終端部を粘着テープで固定することにより渦巻型電極体を作製した。なお、この渦巻型電極体の中心部の中空部分の内径は3.5mmであり、外径は17.0mmであった。
【0040】
得られた渦巻型電極体を、ニッケルメッキを施した鉄製の電池缶に収納した。また、渦巻型電極体の上下両面には絶縁板を設置し、正極の集電を行うためのアルミニウム製リードを正極集電体から導出して電池蓋に溶接し、同様に負極の集電を行うためのニッケル製リードを負極集電体から導出して電池缶に溶接した。そして、電池缶内に、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等容量混合溶媒中にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解した非水電解液5.0gを注入した。更に、アスファルトで表面処理された絶縁封口ガスケットを介して電池缶をかしめることにより電池蓋を固定して電池内の気密性を確保した。これにより、直径18mm、高さ65mmの円筒型非水電解液二次電池が得られた。
【0041】
実施例2
無機イオン導電膜を正極活物質の表面ではなく、負極活物質(炭素質材料)の表面に以下に示すように形成する以外は、実施例1と同様にして円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0042】
即ち、リチウムエトキサイド50重量部とアルミニウムエトキサイド50重量部とをエタノール100重量部に溶解した溶液に、実施例1の場合と同様にして作製した炭素質材料100重量部を撹拌しながら添加し、そこへ水を50重量部を滴下し、一時間撹拌してリチウムエトキサイドとアルミニウムエトキサイドとを加水分解した。加水分解時には競争的に縮合反応が生じ、それにより負極活物質の表面にリチウム・水酸化アルミニウムの複合物からなる無機イオン伝導膜を析出形成した。これを120℃で2時間乾燥することにより、負極合剤の原料とした。
【0043】
比較例1
正極活物質の表面に無機イオン伝導膜を形成しない以外は実施例1と同様の操作により円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0044】
(評価)
実施例1と比較例1との円筒型非水電解液二次電池について、リチウムイオンの移動の容易さを評価するためのコール・コール・プロット特性(図2)、サイクル特性(図3)、低温負荷特性(図4)、放電特性(図5)の各試験を以下の条件で行った。
【0045】
なお、実施例2の電池については、サイクル特性についての測定結果を図3に示す。
【0046】
Figure 0003588885
【0047】
Figure 0003588885
【0048】
Figure 0003588885
【0049】
Figure 0003588885
【0050】
図2(コール・コール・プロット特性図)から、実施例1の電池は比較例1の電池に比べ抵抗値が低く、従って、リチウムイオンの活物質への挿入が容易であることがわかる。
【0051】
図3(サイクル特性図)から、実施例1及び実施例2の電池は比較例1の電池に比べ、放電容量が高く、しかも放電容量保持率も高いことがわかる。
【0052】
図4(低温負荷特性図)から、比較例1の電池は低温放電開始直後に大きく電池電圧が低下したが、実施例1の電池は、徐々に電池電圧が低下しており、実用上好ましいことがわかる。
【0053】
図5(放電特性図)から実施例1の電池は、比較例1の電池に比べ放電容量が高いことがわかる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、非水電解液一次又は二次電池の低温負荷特性や放電容量を改善することができる。更に非水電解液二次電池の場合には、サイクル特性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機イオン伝導膜で被覆された活物質の当該無機イオン伝導膜付近の部分拡大模式図である。
【図2】実施例1及び比較例1の非水電解液二次電池のコール・コール・プロット特性図である。
【図3】実施例1〜2及び比較例1の非水電解液二次電池のサイクル特性図である。
【図4】実施例1及び比較例1の非水電解液二次電池の低温特性図である。
【図5】実施例1及び比較例1の非水電解液二次電池の放電特性図である。
【図6】無機イオン伝導膜で被覆されていない活物質粒子の拡大模式図である。
【図7】無機イオン伝導膜で被覆されていない活物質粒子の表面付近の金属イオンや溶媒分子の挙動説明図である。
【符号の説明】
60 活物質粒子
A 活物質粒子表面の非活性領域
B 活物質粒子表面の活性領域

Claims (4)

  1. リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜で被覆された正極活物質又は負極活物質を用いる非水電解液電池であって、
    水酸化アルミニウムを溶解しているアルカリ水溶液に、前記正極活物質又は前記負極活物質を分散させ、その分散液に水酸化リチウム水溶液を添加することにより、前記正極活物質又は前記負極活物質の表面に前記リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜が形成されている
    ことを特徴とする非水電解液電池。
  2. リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜で被覆された正極活物質又は負極活物質を用いる非水電解液電池であって、
    アルミニウムアルコキシドとリチウムアルコキシドとを溶解しているアルコール溶液に、前記正極活物質又は前記負極活物質を分散させ、その分散液に水を添加することにより、前記正極活物質又は前記負極活物質の表面に前記リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜が形成されている
    ことを特徴とする非水電解液電池。
  3. リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜で被覆された正極活物質又は負極活物質を用いる非水電解液電池の製造方法において、水酸化アルミニウムを溶解しているアルカリ水溶液に、正極活物質又は負極活物質を分散させ、その分散液に水酸化リチウム水溶液を添加することにより正極活物質又は負極活物質の表面にリチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜を形成することを特徴とする製造方法。
  4. リチウム・水酸化アルミニウム複合物からなる無機イオン伝導膜で被覆された正極活物質又は負極活物質を用いる非水電解液電池の製造方法において、アルミニウムアルコキシドとリチウムアルコキシドとを溶解しているアルコール溶液に、正極活物質又は負極活物質を分散させ、その分散液に水を添加することにより、アルミニウムアルコキシドとリチウムアルコキシドとを加水分解し、生成するリチウム・水酸化アルミニウム複合物を正極活物質又は負極活物質の表面に無機イオン伝導膜として析出させることを特徴とする製造方法。
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